JP2014224297A - 溶射層形成用粉末、サーメット溶射層、サーメット被覆材、およびサーメット被覆材の製造方法 - Google Patents

溶射層形成用粉末、サーメット溶射層、サーメット被覆材、およびサーメット被覆材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】磁性を有しており、かつ耐食性および耐摩耗性に優れ、さらに基材との密着性を向上させるためのフュージング処理を比較的低温で実施することができるサーメット溶射層を形成するための溶射層形成用粉末を提供すること。
【解決手段】Mo(Ni,Cr,V,Fe)B型の複硼化物を含む溶射層形成用粉末であって、組成がB:5.5〜6.5重量%、Mo:48.8〜57.7重量%、Si:1.8〜2.5重量%、Cr:6.0〜10.0重量%、V:1.0〜3.0重量%、Fe:6.0〜10.0重量%、Ni:17.0重量%以上であることを特徴とする溶射層形成用粉末を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、溶射層形成用粉末、サーメット溶射層、サーメット被覆材、およびサーメット被覆材の製造方法に関する。
金属などの基材の表面特性を向上させるために、基材の表面に溶射法により合金粉末等を溶射して皮膜を形成する加工法が用いられている。このような溶射法は、比較的簡便に実施できることから各種の部材に広く適用されており、特に基材の表面に部分的に耐食性や耐摩耗性を付与したい場合に効果的な手法として産業上様々な分野において用いられている。
溶射法により基材上に皮膜を形成するための合金粉末材料としては、基材との密着性に優れるという点より、一般的に、Ni基の自溶性合金、Co基のステライト合金等が用いられている。特に、Ni基の自溶性合金は、溶射により溶射層を形成した後に、溶射層を加熱してフュージング処理(溶融処理)を施すことにより、溶射層が溶融して基材と熱拡散し、基材との密着性がさらに向上することが知られている。しかしながら、Ni基の自溶性合金やCo基のステライト合金は、基材との密着性に優れるものの、溶射層の耐食性および耐摩耗性が不十分であるという問題がある。
これに対し、たとえば、特許文献1には、溶射法に用いる粉末材料として、MoNiB型の複硼化物を含有するサーメット材を用いることで、耐食性および耐摩耗性を向上させる技術が開示されている。
特開2009−68052号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、サーメット溶射層となるMoNiB型の複硼化物は、耐食性および耐摩耗性に優れる一方で、上述したNi基の自溶性合金と比較すると、基材との密着性が低下するおそれがあった。これに対し、基材との密着性を向上させるために、MoNiB型の複硼化物からなるサーメット溶射層にフュージング処理を施す方法も用いられているが、この場合には、加熱温度を該サーメット溶射層の溶融温度である1200℃以上の高温とする必要があるため、過剰な熱により、基材の変形や特性低下が生じるおそれもあった。
また、従来より、サーメット溶射層を形成したサーメット被覆材を、樹脂成型機などの部材として用いた場合においては、サーメット溶射層のクラックおよび剥離が発生してしまうと、サーメット溶射層の破片が樹脂中に混入し、樹脂の汚染や、樹脂成型機の故障の原因となってしまうという問題があった。そのため、このような樹脂中に混入したサーメット溶射層の破片を除去する工程が必要となり、たとえば、樹脂中に混入したサーメット溶射層の破片が磁性を有していれば、磁石を用いて破片を容易に回収することが可能となり、これにより、樹脂の汚染や、樹脂成型機の故障を防止することができる。しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、形成されるサーメット溶射層は磁性が弱いため、このような磁石を用いた回収方法を適用することができず、サーメット溶射層の破片を樹脂から取り出すことが困難であり、得られる樹脂成形体の品質劣化や歩留まり低下を招来していた。
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、磁性を有しており、かつ耐食性および耐摩耗性に優れ、さらに基材との密着性を向上させるためのフュージング処理を比較的低温で実施することができるサーメット溶射層を形成するための溶射層形成用粉末を提供する。また、本発明は、このような溶射層形成用粉末を用いて得られるサーメット溶射層およびサーメット被覆材、ならびにこのようなサーメット被覆材の製造方法を提供することも目的とする。
本発明者等は、サーメット溶射層を形成するための溶射層形成用粉末として、Mo(Ni,Cr,V,Fe)B型の複硼化物を含有し、かつ、特定の組成範囲とした粉末を用いることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、Mo(Ni,Cr,V,Fe)B型の複硼化物を含む溶射層形成用粉末であって、組成がB:5.5〜6.5重量%、Mo:48.8〜57.7重量%、Si:1.8〜2.5重量%、Cr:6.0〜10.0重量%、V:1.0〜3.0重量%、Fe:6.0〜10.0重量%、Ni:17.0重量%以上であることを特徴とする溶射層形成用粉末が提供される。
本発明によれば、上記の溶射層形成用粉末を溶射することで形成されるサーメット溶射層であって、前記Mo(Ni,Cr,V,Fe)B型の複硼化物を含む硬質相を55.0〜75.0重量%の割合で含み、残部が、Ni基合金を主成分とする結合相であることを特徴とするサーメット溶射層が提供される。
また、本発明によれば、上記サーメット溶射層が基材上に形成されてなるサーメット被覆材が提供される。
あるいは、本発明によれば、上記サーメット溶射層を1000〜1150℃で加熱する溶融処理を施すことで、前記基材と前記サーメット溶射層とを熱拡散させることにより形成された拡散層を備えるサーメット被覆材が提供される。
本発明においては、上記いずれかのサーメット被覆材において、好ましくは、上記基材が合金鋼、炭素鋼、またはステンレス鋼である。
また、本発明によれば、Mo(Ni,Cr,V,Fe)B型の複硼化物を含む溶射層形成用粉末を基材上に溶射することで、前記基材上にサーメット溶射層を形成する工程を有するサーメット被覆材の製造方法であって、前記溶射層形成用粉末として、組成がB:5.5〜6.5重量%、Mo:48.8〜57.7重量%、Si:1.8〜2.5重量%、Cr:6.0〜10.0重量%、V:1.0〜3.0重量%、Fe:6.0〜10.0重量%、Ni:17.0重量%以上である粉末を用い、前記Mo(Ni,Cr,V,Fe)B型の複硼化物を含む硬質相を55.0〜75.0重量%の割合で含み、残部が、Ni基合金を主成分とする結合相であるサーメット溶射層を形成することを特徴とするサーメット被覆材の製造方法が提供される。
本発明におけるサーメット被覆材の製造方法において、好ましくは、前記基材上に前記サーメット溶射層を形成した後、前記サーメット溶射層に1000〜1150℃で加熱する溶融処理を施す工程をさらに有する。
本発明によれば、磁性を有しており、かつ耐食性および耐摩耗性に優れ、さらに基材との密着性を向上させるためのフュージング処理を比較的低温で実施することができるサーメット溶射層を形成するための溶射層形成用粉末を提供することができる。また、本発明は、このような溶射層形成用粉末を用いて形成されるサーメット溶射層およびサーメット被覆材、ならびにこのようなサーメット被覆材の製造方法を提供することもできる。
図1は、実施例および比較例における、サーメット溶射層の耐摩耗性の評価結果を示す図である。 図2は、サーメット溶射層の密着力を測定するための試験片を示す図である。 図3は、実施例および比較例における、サーメット溶射層の密着性の評価結果を示す図である。
<溶射層形成用粉末>
まず、本発明の溶射層形成用粉末について説明する。
本発明の溶射層形成用粉末は、溶射により基材上にサーメット溶射層を形成するための合金粉末であり、Mo(Ni,Cr,V,Fe)B型の複硼化物を含み、組成がB:5.5〜6.5重量%、Mo:48.8〜57.7重量%、Si:1.8〜2.5重量%、Cr:6.0〜10.0重量%、V:1.0〜3.0重量%、Fe:6.0〜10.0重量%、Ni:17.0重量%以上であることを特徴とする。
本発明においては、溶射層形成用粉末について、Mo(Ni,Cr,V,Fe)B型の複硼化物を含有し、組成が上記範囲であるものとすることにより、次のような効果を奏するものである。すなわち、まず、本発明の溶射層形成用粉末を基材に溶射してサーメット溶射層を形成した際に、得られたサーメット溶射層を、耐食性および耐摩耗性が高いMo(Ni,Cr,V,Fe)B型の複硼化物の作用により、耐食性および耐摩耗性に優れたものとすることができる。加えて、得られたサーメット溶射層について、Siによる共晶点の低下の作用により、その溶融温度を低下させることができ、これにより、本発明の溶射層形成用粉末を基材に溶射して形成したサーメット溶射層に対して、基材との密着性の向上を図るためにフュージング処理を施す場合において、フュージング処理時の加熱温度をより低温とすることができる。そのため、本発明によれば、得られたサーメット溶射層にフュージング処理を施す場合において、熱による基材の変形や特性低下を防止しながら、サーメット溶射層を基材と熱拡散させて拡散層を形成し、基材とサーメット溶射層との密着性を有効に向上させることが可能となる。
加えて、本発明においては、溶射層形成用粉末を構成するMo(Ni,Cr,V,Fe)B型の複硼化物に特定量のFeを含有させることにより、得られるサーメット溶射層に磁性を付与したものである。特に、本発明によれば、複硼化物中におけるFeの含有量を上記範囲とすることにより、サーメット溶射層に付与する磁性を適度なものとすることができるため、溶射層形成用粉末を基材に溶射して得られるサーメット被覆材が、樹脂成型機などの部材として用いられた場合において、サーメット溶射層にクラックおよび剥離が発生して、サーメット溶射層の破片が樹脂中に混入した際においても、磁石を用いて破片を容易に回収することが可能となり、これにより、樹脂成型機で製造する樹脂の汚染や、樹脂成型機の故障を防止することができる。
本発明においては、上述した本発明の溶射層形成用粉末を基材に溶射することで、サーメット溶射層を形成することができ、得られるサーメット溶射層は、通常、Mo(Ni,Cr,V,Fe)B型の複硼化物を含有し、サーメット溶射層の硬度(耐摩耗性)に寄与する硬質相と、このような硬質相を結合するためのマトリックスを形成する結合相とから形成されたものとなる。
以下、本発明の溶射層形成用粉末に含まれる上述した各元素の作用を説明する。
B(ホウ素)は、サーメット溶射層とした場合に、サーメット溶射層中において、硬質相となる複硼化物を形成するための元素である。Bの含有割合を上記範囲とすることにより、サーメット溶射層とした場合に、適度にMo(Ni,Cr,V,Fe)B型の複硼化物が形成され、得られるサーメット溶射層の耐摩耗性および強度を優れたものとすることができる。Bの含有割合が低すぎると、複硼化物の形成量が少なくなることで、得られるサーメット溶射層の耐摩耗性が低下するおそれがある。一方、Bの含有割合が高すぎると、複硼化物の形成量が多くなることで、得られるサーメット溶射層において、硬質相同士の接触率が高くなってしまい、結果として、機械的強度が低下してしまう。
Mo(モリブデン)は、Bと同様に、サーメット溶射層とした場合に、サーメット溶射層中において、硬質相となる複硼化物を形成するための元素である。また、Moの一部は、サーメット溶射層とした場合に、サーメット溶射層中において、結合相に固溶し、これにより耐食性を向上させる効果を有する。Moの含有割合が低すぎると、得られるサーメット溶射層の耐摩耗性および耐食性が低下するおそれがある。一方、Moの含有割合が高すぎると、サーメット溶射層とした場合に、第三相を形成し、機械的強度が低下してしまう。なお、本発明においては、サーメット溶射層とした場合に、Mo(Ni,Cr,V,Fe)B型の複硼化物のMoの一部が、W,Nb,Zr,Ti,Ta,Hfなどの他の元素で置換されたものであってよい。
Ni(ニッケル)は、BおよびMoと同様に、サーメット溶射層とした場合に、サーメット溶射層中において、硬質相となる複硼化物を形成するための元素である。また、サーメット溶射層とした場合に、サーメット溶射層中において、結合相となるNi基合金を形成する主な元素であり、優れた耐食性に寄与する。なお、本発明においては、得られるサーメット溶射層の複硼化物中のNiの一部が、後述するように、Cr,V,Feなどの他の元素で置換されたものであってもよい。また、サーメット溶射層とした場合において、結合相を構成するNi基合金としては、特に限定されないが、たとえば、Niと、Co,Cr,Mo,W,Fe,Mn,Vから選択される少なくとも1種の金属との合金が挙げられる。
Cr(クロム)は、サーメット溶射層とした場合に、サーメット溶射層中において、硬質相となる複硼化物中のNiと置換固溶し、複硼化物の結晶構造を正方晶に安定化させる効果を有する。また、添加したCrは、サーメット溶射層とした場合に、サーメット溶射層中において、結合相中にも固溶し、耐食性、耐摩耗性、高温特性、および機械的特性を大幅に向上させる。Cr含有量が多くなりすぎると、得られるサーメット溶射層において、Crなどの硼化物を形成し、機械的強度が低下してしまう。
Fe(鉄)は、サーメット溶射層とした場合に、サーメット溶射層中において、硬質相となる複硼化物中のNiと置換固溶し、複硼化物を形成するための元素である。また、Feの一部は、サーメット溶射層とした場合に、サーメット溶射層中において、結合相中にも固溶する。本発明においては、Feを含有させることにより、得られるサーメット溶射層に磁性を付与することができ、特に、Feの含有割合を上記範囲とすることにより、サーメット溶射層に付与する磁性を適度なものに調整することができる。Feの含有割合が低すぎると、得られるサーメット溶射層に磁性を付与する効果が十分に得られず、一方、Feの含有割合が高すぎると、得られるサーメット溶射層の硬度が低下し、結果として、耐摩耗性が低下してしまう。
V(バナジウム)は、サーメット溶射層とした場合に、サーメット溶射層中において、硬質相となる複硼化物中のNiと置換固溶し、複硼化物の結晶構造を正方晶に安定化させる効果を有する。また、Vの一部は、サーメット溶射層とした場合に、サーメット溶射層中において、結合相中にも固溶し、耐摩耗性を向上させる。上述したように、本発明においては、溶射層形成用粉末にFeを含有させることにより、得られるサーメット溶射層に磁性を付与することができるが、その一方で、磁性を付与するためにFeの含有割合を増加させると、得られるサーメット溶射層の硬度が低下してしまう傾向にある。そのため、本発明においては、溶射層形成用粉末にVを含有させ、溶射層形成用粉末におけるFeおよびVの含有量をバランスさせることにより、得られるサーメット溶射層に磁性を付与しながら、硬度を向上させることができる。なお、Vの含有量が少なすぎると、Vの添加効果が得難くなり、一方、多すぎると、得られるサーメット溶射層において、VBなどの硼化物を形成してしまい、機械的強度が低下してしまう。
Si(ケイ素)は、サーメット溶射層とした場合に、サーメット溶射層中において、結合相を構成する元素であり、得られるサーメット溶射層の溶融温度を低下させる効果を有する。Siの含有割合が低すぎると、得られるサーメット溶射層の溶融温度を低下させる効果が十分に得られず、サーメット溶射層の溶融温度でフュージング処理を施す場合に、過剰な熱により、基材の変形や特性低下が発生してしまうおそれがある。一方、Siの含有割合が高すぎると、得られるサーメット溶射層の溶融温度を低下させる効果が得られないことに加え、ケイ化物の含有量が多くなり、靭性などの特性が低下するというおそれがある。
以上のようにして、溶射層形成用粉末に含有される各元素は作用するものである。
なお、本発明の溶射層形成用粉末においては、Feの含有割合は、上述したように、6.0〜10.0重量%の範囲であればよいが、好ましくは6.0〜8.0重量%である。溶射層形成用粉末中のFeの含有割合を上記範囲とすることにより、得られるサーメット溶射層に付与する磁性を適度なものとすることができる。溶射層形成用粉末中のFeの含有割合が低すぎると、得られるサーメット溶射層に十分な磁性を付与することができなくなってしまう。一方、Feの含有割合が高すぎると、得られるサーメット溶射層の硬度が低下してしまう。
また、本発明の溶射層形成用粉末においては、Vの含有割合は、上述したように、1.0〜3.0重量%の範囲であればよいが、好ましくは1.0〜2.0重量%である。溶射層形成用粉末中のVの含有割合を上記範囲とすることにより、得られるサーメット溶射層の硬度を適切に向上させることできる。なお、本発明においては、上述したように、溶射層形成用粉末にFeおよびVを含有させることにより、得られるサーメット溶射層について、磁性の付与および硬度の向上の両立が可能となるが、この際においては、Vの含有割合を、Feの含有割合に応じて調整することが好ましい。
また、本発明の溶射層形成用粉末においては、Siの含有割合は、上述したように、1.8〜2.5重量%の範囲であればよい。溶射層形成用粉末におけるSiの含有割合を上記範囲とすることにより、得られるサーメット溶射層について、その溶融温度を低下させることができ、サーメット溶射層にフュージング処理を施す際に必要な加熱温度を、低下させることができる。
なお、本発明の溶射層形成用粉末においては、得られるサーメット溶射層に磁性を付与する効果、硬度を向上させる効果、およびサーメット溶射層の溶融温度を低下させる効果を阻害しない範囲で、不可避的に混入してしまう元素が含まれていてもよい。
<基材>
本発明の溶射層形成用粉末を溶射するための基材としては、特に限定されず、各種金属材料を用いることができるが、材料強度に優れるという点より、合金鋼、炭素鋼、ステンレス鋼、工具鋼、および粉末ハイス鋼等が挙げられ、これらのなかでも、比較的硬度が低く、溶射層の形成が容易であるという点より、合金鋼、炭素鋼、およびステンレス鋼が好ましく用いられる。
<サーメット溶射層>
本発明のサーメット溶射層は、上述した溶射層形成用粉末を基材に溶射することにより得られ、Mo(Ni,Cr,V,Fe)B型の複硼化物を含む硬質相を有し、残部が、Ni基合金を主成分とする結合相である。
ここで、サーメット溶射層の硬質相は、サーメット溶射層の硬度、すなわち耐摩耗性に寄与する相である。
サーメット溶射層における硬質相の含有割合は、好ましくは55.0〜75.0重量%、より好ましくは65.0〜75.0重量%、さらに好ましくは70.0〜75.0重量%である。硬質相の含有割合を上記範囲とすることにより、得られるサーメット被覆材の耐食性および耐摩耗性をより向上させることができる。硬質相の含有割合が低すぎると、サーメット溶射層が柔らかくなり過ぎてしまい、耐摩耗性が低下する。一方、硬質相の含有割合が高すぎると、硬質相の分散性が悪くなり過ぎてしまい、強度が低下する。なお、サーメット溶射層における硬質相の含有割合は、たとえば、サーメット溶射層を形成するための溶射層形成用粉末における、MoおよびBの含有割合を調整することにより制御することができる。
また、サーメット溶射層の結合相は、硬質相を結合するためのマトリックスを形成することとなる相である。
サーメット溶射層の結合相は、Ni基合金を主成分とするものであり、このようなNi基合金は、上記溶射層形成用粉末に含まれるNiから形成される。Ni基合金としては、特に限定されないが、たとえば、Niと、Co,Cr,Mo,W,Fe,Mn,Vから選択される少なくとも1種の金属との合金が挙げられる。
本発明においては、サーメット溶射層は上記溶射層形成用粉末を用いて形成されるため、サーメット溶射層におけるFeおよびVの含有割合は、通常、溶射層形成用粉末におけるFeおよびVの含有割合と同様に、Fe:6.0〜10.0重量%、およびV:1.8〜2.5重量%となる。そのため、本発明のサーメット溶射層においては、上述したFeおよびVの作用により、磁性の付与および硬度の向上の両立が可能となる。ここで、サーメット溶射層に含まれるFeおよびVは、サーメット溶射層における硬質相および結合相のいずれかに含まれていてもよいし、硬質相および結合相の両方に含まれていてもよい。
サーメット溶射層の硬度としては、ビッカース硬度(HV)が、好ましくは1200以上、より好ましくは1250以上である。サーメット溶射層のビッカース硬度を上記範囲とすることにより、サーメット溶射層に優れた耐摩耗性を付与することができる。
さらに、本発明のサーメット溶射層は、上記溶射層形成用粉末を用いて形成されるため、サーメット溶射層におけるSiの含有割合は、通常、溶射層形成用粉末におけるSiの含有割合と同様に、Si:1.8〜2.5重量%となる。そのため、本発明のサーメット溶射層においては、上述したSiの作用により、フュージング処理を施す場合の加熱温度を比較的低温とすることができる。ここで、サーメット溶射層に含まれるSiは、サーメット溶射層における硬質相および結合相のいずれかに含まれていてもよいし、硬質相および結合相の両方に含まれていてもよい。
なお、基材上に形成するサーメット溶射層としては、従来より、硬質相の成分にMoNiB型の複硼化物を含有するサーメット溶射層が用いられている。しかしながら、このようなMoNiB型の複硼化物を含有するサーメット溶射層は、基材との密着性が低下するおそれがあるという不具合があった。これに対し、サーメット溶射層と基材との密着性を向上させるために、基材上にサーメット溶射層を形成した後に、フュージング処理を施す方法が用いられているが、この場合には、MoNiB型の複硼化物を含有するサーメット溶射層は、通常、その溶融温度が1200℃以上であるため、フュージング処理を施す際における加熱温度を1200℃以上の高温とする必要があり、そのため、過剰な熱により、基材の変形や特性低下が生じるおそれがあるという不具合もあった。
これに対し、本発明のサーメット溶射層は、Mo(Ni,Cr,V,Fe)B型の複硼化物を含有するサーメット溶射層にSiを含有させ、その溶融温度を低下させたものであるため、低温でフュージング処理を施すことが可能となり、基材の変形や特性低下を防止しながら、サーメット溶射層を基材と熱拡散させて拡散層を形成し、基材とサーメット溶射層との密着性を有効に向上させることができる。
なお、本発明のサーメット溶射層の溶融温度は、たとえば、結合相中のSiの含有割合を変化させることにより制御することができるが、溶融温度としては、好ましくは1000〜1150℃、より好ましくは1000〜1100℃である。
また、本発明のサーメット溶射層にフュージング処理を施す場合には、フュージング処理時の加熱温度は、サーメット溶射層の溶融温度に応じて設定することができ、好ましくは1000〜1150℃、より好ましくは1000〜1100℃である。本発明においては、フュージング処理における加熱温度を上記範囲とすることにより、サーメット溶射層にフュージング処理を施す場合において、熱による基材の変形や特性低下の発生を有効に防止することができる。なお、フュージング処理を施す際の加熱時間については、特に限定されないが、サーメット溶射層の厚みなどに応じて適宜設定すればよい。
<サーメット被覆材>
本発明のサーメット被覆材は、基材上に上述したサーメット溶射層を形成することにより得られる。そのため、本発明のサーメット被覆材は、基材と、基材上に形成されたサーメット溶射層とを備えることとなるが、本発明のサーメット被覆材においては、これらに加えて、基材とサーメット溶射層とを熱拡散させることにより形成された拡散層をさらに備えてもよい。なお、拡散層は、サーメット被覆材のサーメット溶射層に対して、上述した条件によりフュージング処理を施して、基材とサーメット溶射層とを熱拡散させることにより形成することができる。
<サーメット被覆材の製造方法>
次に、本発明のサーメット被覆材の製造方法について、説明する。
まず、溶射層形成用粉末を製造するための原料粉末を準備する。原料粉末としては、B:5.5〜6.5重量%、Mo:48.8〜57.7重量%、Si:1.8〜2.5重量%、Cr:6.0〜10.0重量%、V:1.0〜3.0重量%、Fe:6.0〜10.0重量%、Ni:17.0重量%以上となるような比率で混合した粉末を準備する。
次いで、準備した原料粉末を溶射層形成用粉末に加工する。原料粉末を溶射層形成用粉末に加工する方法は、原料粉末からMo(Ni,Cr,V,Fe)B型の複硼化物が形成されるような方法であれば何でもよく、たとえば、原料粉末にバインダーおよび有機溶剤を添加し、これらをボールミルのような粉砕装置を用いて混合粉砕を行い、混合粉砕後の原料粉末をスプレードライヤーなどにより造粒し、造粒した粉末を焼結した後に分級する方法が挙げられる。これにより、本発明においては、Mo(Ni,Cr,V,Fe)B型の複硼化物を含有し、組成がB:5.5〜6.5重量%、Mo:48.8〜57.7重量%、Si:1.8〜2.5重量%、Cr:6.0〜10.0重量%、V:1.0〜3.0重量%、Fe:6.0〜10.0重量%、Ni:17.0重量%以上である溶射層形成用粉末が得られる。なお、本発明の溶射層形成用粉末においては、得られるサーメット溶射層の溶融温度を低下させる効果を阻害しない範囲で、不可避的に混入してしまう元素が含まれていてもよい。
なお、ボールミルなどにより混合粉砕する際においては、混合粉砕後の原料粉末の粒径は、特に限定されず、混合粉砕後の原料粉末を造粒して焼結を行う際において、Mo(Ni,Cr,V,Fe)B型の複硼化物の形成反応が適切に進行するような粒径とすればよい。
また、焼結を行う際の条件は、Mo(Ni,Cr,V,Fe)B型の複硼化物の形成反応が適切に進行する範囲であればよく、たとえば、温度:1000〜1150℃、焼結時間:30〜90分間、昇温速度:0.5〜60℃/分の条件とすることができる。
製造する溶射層形成用粉末の大きさとしては、溶射を行い易いという点より、粒子径が10〜200μmであることが好ましく、32〜150μmであることがより好ましい。
次いで、溶射層形成用粉末を、溶射法により基材に溶射してサーメット溶射層を形成する。これにより、本発明においては、基材上にサーメット溶射層を被覆してなるサーメット被覆材が製造される。溶射法としては、サーメット溶射層形成時の熱影響が小さいフレーム溶射、高速フレーム溶射のいずれを採用してもよいが、溶射層形成用粉末の溶射速度が速く緻密な膜が形成できるという点より、高速フレーム溶射が好ましい。
また、形成するサーメット溶射層の厚みは、好ましくは0.05mm〜2.0mmであり、より好ましくは0.2mm〜1.0mmである。形成するサーメット溶射層の厚みを0.05mm未満とすると、サーメット溶射層中にポアが残存し、ポア部分をきっかけとしてサーメット溶射層が基材から剥離する場合があり、また、サーメット溶射層が薄いため耐摩耗性が低下する傾向にある。一方、形成するサーメット溶射層の厚みを2mmより大きくすると、サーメット溶射層を形成する際の熱による残留応力が大きくなるため、サーメット溶射層と基材との密着性が低下する傾向にある。
以上のようにして、本発明の溶射層形成用粉末を用いた、サーメット被覆材が製造される。
なお、本発明においては、このようにして製造したサーメット被覆材に対し、さらにフュージング処理を施すことが好ましい。サーメット被覆材に対しフュージング処理を施すことにより、サーメット溶射層が基材と熱拡散して拡散層が形成され、基材とサーメット溶射層との密着性が向上する。フュージング処理の方法としては、特に限定されず、たとえば、燃料としてアセチレンおよび酸素を用いたフレームトーチによる加熱、高周波誘導加熱、雰囲気炉による加熱、または真空炉による加熱などの方法を用いることができるが、サーメット溶射層を安定して熱拡散させることができるという点より、真空炉による加熱の方法を用いるのが好ましい。なお、フュージング処理を施す際の加熱温度は、上述した条件と同様である。
本発明によれば、Mo(Ni,Cr,V,Fe)B型の複硼化物を含有する溶射層形成用粉末について、その組成をB:5.5〜6.5重量%、Mo:48.8〜57.7重量%、Si:1.8〜2.5重量%、Cr:6.0〜10.0重量%、V:1.0〜3.0重量%、Fe:6.0〜10.0重量%、Ni:17.0重量%以上とすることにより、溶射により耐食性および耐摩耗性に優れたサーメット溶射層を形成することができる。
また、このような溶射層形成用粉末を用いて得られる本発明のサーメット被覆材は、フュージング処理を施す場合においても、加熱温度を比較的低温とすることができるため、熱による基材の変形や特性低下を防止しながら、サーメット溶射層を基材と熱拡散させて拡散層を形成し、基材とサーメット溶射層との密着性を有効に向上させることが可能となる。また、本発明のサーメット被覆材は、フュージング処理を施す際の加熱温度を比較的低温とすることができることから、生産性に優れたものとなる。さらに、本発明のサーメット被覆材は、フュージング処理により、基材とサーメット溶射層とが良好に密着して、高荷重負荷にも耐えうる耐久性を有するものとなることから、消耗部材として用いた場合に交換頻度を低減させることができ、その結果として、消耗部材の廃棄量を削減し、環境保護に寄与することができる。
加えて、このような溶射層形成用粉末を用いて得られる本発明のサーメット被覆材は、サーメット被覆材に含まれるFeの作用により磁性を有するものであるため、樹脂成型機などの部材として用いられた場合において、サーメット溶射層にクラックおよび剥離が発生して、サーメット溶射層の破片が樹脂中に混入した際においても、サーメット溶射層の破片が磁性を有していれば、磁石を用いて破片を容易に回収することが可能となり、これにより、樹脂成型機で製造する樹脂の汚染や、樹脂成型機の故障を防止することができる。
特に、樹脂成型機で成形する樹脂として、絶縁性樹脂を用いる場合には、絶縁性樹脂にサーメット溶射層の破片が混入してしまうと、破片に含まれる金属の導電性によって、樹脂の絶縁性が低下してしまうこととなる。これに対し、本発明によれば、樹脂中に混入したサーメット溶射層の破片を、磁石を用いて破片を容易に回収することが可能であるため、成形される絶縁性樹脂は、絶縁性が維持され品質に優れたものとなり、歩留まりも向上する。
以下に、実施例を挙げて、本発明についてより具体的に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
≪実施例1≫
B:6.0重量%、Mo:53.25重量%、V:2.0重量%、Fe:8.0重量%、Cr:8.0重量%、Si:2.5重量%、Ni:20.25重量%の比率で混合してなる原料100重量部に対して、5重量部のパラフィンを加え、これをアセトン中で、振動ボールミルにより25時間湿式粉砕を行うことで粉砕粉を作製した。次いで、作製した粉砕粉を、窒素雰囲気下において150℃で18時間乾燥した。そして、乾燥した粉砕粉を、アセトンと1:1の重量割合で混合した後に、スプレードライヤーによって造粒し、造粒した粉末を真空にて1150℃で1時間保持して粉末を焼結し、これを分級することにより、Mo(Ni,Cr,V,Fe)B型の複硼化物を含有する溶射層形成用粉末を作製した。
次いで、作製した溶射層形成用粉末について、溶融温度の測定を行った。具体的には、溶融温度の測定は、溶射層形成用粉末を粒径10〜300μmとなるように粉砕し、示差熱分析装置(リガク社製、型番:TG8120)により溶融温度を測定した。結果を表1に示す。
次いで、非磁性の基材であるSUS304の鋼板を準備し、準備した基材に対し、作製した溶射層形成用粉末を、高速フレーム溶射機(TAFA社製、型番:JP8000)により、溶射することで、基材上にサーメット溶射層を被覆してなるサーメット被覆材を得た。なお、サーメット溶射層の形成は、溶射距離(基材と溶射ガンの距離):300mm、灯油量:5.5gph、酸素流量:1900scfhの条件で行った。そして、得られたサーメット被覆材に対し、真空炉中で、加熱温度:1150℃、加熱時間:60分間の条件にてフュージング処理を施した。
次いで、フュージング処理を施したサーメット被覆材について、表面のサーメット溶射層にマグネット(フェライト磁石)を近づけ、マグネットがサーメット溶射層に磁力によって吸着するか否かを確認することで、サーメット溶射層における磁性の有無の評価を行った。結果を表1に示す。
さらに、フュージング処理を施したサーメット被覆材について、ビッカース硬度計(明石製作所社製、型番:MVK−G2)を用いて、表面のサーメット溶射層のビッカース硬度(HV)を測定した。結果を表1に示す。
≪実施例2〜12≫
原料中のV,Fe,Cr,Si,Niの混合比率を表1に示すものとした以外は、実施例1と同様にして、溶射層形成用粉末およびサーメット被覆材を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
≪比較例1〜23≫
原料中のB,Mo,V,Fe,Cr,Si,Niの混合比率を表2に示すものとした以外は、実施例1と同様にして、溶射層形成用粉末およびサーメット被覆材を得て、同様に評価を行った。結果を表2に示す。なお、表2および後述する表3においては、溶融温度の測定結果における、溶融温度が1150℃超となった部分をグレーで塗りつぶして表示した。また、磁性の有無の評価結果における、磁性が無しとなった部分、およびサーメット溶射層のビッカース硬度を測定した結果における、硬度が1200HV未満となった部分についても、同様に、グレーで塗りつぶして表示した。
≪比較例24〜44≫
原料中のB,Mo,V,Fe,Cr,Si,Niの混合比率を表3に示すものとした以外は、実施例1と同様にして、溶射層形成用粉末およびサーメット被覆材を得て、同様に評価を行った。結果を表3に示す。
次いで、上述した実施例6のサーメット被覆材を用いて、表面のサーメット溶射層の耐摩耗性を評価した。すなわち、耐摩耗性の評価は、実施例6のサーメット被覆材に、回転するリング部材を押し当て、これによってサーメット被覆材の表面に形成された摩耗痕の体積を測定する方法(大越摩耗試験)により行った。なお、サーメット被覆材に押し当てるリング部材としては、マルテンサイト系ステンレス(SUS440C、表面のビッカース硬度650HV)、サーメット焼結体A(東洋鋼鈑社製、品番:KH−C50、表面のビッカース硬度1150HV)、およびサーメット焼結体B(東洋鋼鈑社製、品番:KH−N51、表面のビッカース硬度1280HV)の3種類の材質のものを用いた。試験条件は、最終荷重:19.8kg、すべり距離:200mとし、すべり速度については0.2、0.9、4.21m/sの3種類の条件にて評価を行った。サーメット被覆材の表面に形成された摩耗痕の体積(摩耗体積)の測定結果を図1(A)〜図1(C)に示す。なお、図1(A)は、リング部材としてマルテンサイト系ステンレスを、図1(B)は、リング部材として上記サーメット焼結体Aを、および図1(C)は、リング部材として上記サーメット焼結体Bを用いた際の結果をそれぞれ示している。
≪比較例45〜47≫
実施例6のサーメット被覆材との比較として、アルミナ焼結体(比較例45)、WCの含有割合が50重量%であるWC基自溶性合金(比較例46)、および上記リング部材としても用いたサーメット焼結体A(比較例47)を用意し、上述した実施例6と同様に耐摩耗性の評価を行った。結果を図1(A)〜図1(C)に示す。
次いで、上述した実施例6の溶射層形成用粉末を用いて、溶射層形成用粉末を鋼材に溶射した際の密着性を評価した。具体的には、まず、溶射を行うための基材として、鋼材(SKD11)からなり、図2に示す形状を有する試験片100を準備した。図2に示す形状の試験片100は、両端(図2における、固定部10および回転部30)は直径:20mmの円柱形状であり、中心部分(図2における、サーメット溶射層形成部20)は直径:10mmの円柱形状となっている。そして、準備した試験片100の表面のうち、図2におけるサーメット溶射層形成部20に、高速フレーム溶射機(TAFA社製、JP−5000)を用いて、上記にて調製した実施例6の溶射層形成用粉末を溶射することで、サーメット溶射層形成部20にサーメット溶射層を形成した。なお、サーメット溶射層の形成は、溶射距離:300mm、灯油量:6gph、酸素流量:1850scfhの条件で行った。次いで、サーメット溶射層を形成した試験片100に対し、真空炉中で、加熱温度:1100℃、加熱時間:60分間の条件にてフュージング処理を施すことにより、図2に示すサーメット被覆材を得た。
そして、上述したように得られた図2に示すサーメット被覆材について、密着性の評価を行った。すなわち、密着性の評価は、ねじり試験機(島津製作所製、UET−300)により、試験片100の固定部10を固定したまま、回転部30を回転させることでサーメット被覆材にねじりトルクを加え、ねじりトルクのねらい値を200N・m、300N・m、および400N・mの3種類の条件をとした際に、サーメット溶射層にクラックおよび剥離が発生したか否かを観察し、以下の基準で評価することで行った。結果を表4および図3(A)〜図3(C)に示す。なお、図3(A)は、ねじりトルク値を196N・m、図3(B)は、ねじりトルク値を294N・m、および図3(C)は、ねじりトルク値を401N・mとして評価を行った際における実施例6のサーメット被覆材を示す写真である。
○:サーメット溶射層のクラックおよび剥離が確認されなかった。
×:サーメット溶射層のクラックおよび剥離が発生した。
≪比較例48≫
図1に示す形状を有する鋼材(SKD11)に、WC−12%Coの溶射層形成用粉末を、溶射距離:380mm、灯油量:6gph、酸素流量:2100scfhの条件にて溶射することでサーメット被覆材を作製し、上述した実施例6と同様にして、ねじりトルク値のねらい値を200N・mとした際における密着性の評価を行った。結果を表4および図3(D)に示す。なお、図3(D)は、ねじりトルク値を191N・mとして評価を行った際における比較例48のサーメット被覆材を示す写真である。
表1に示すように、Mo(Ni,Cr,V,Fe)B型の複硼化物を含有し、組成がB:5.5〜6.5重量%、Mo:48.8〜57.7重量%、Si:1.8〜2.5重量%、Cr:6.0〜10.0重量%、V:1.0〜3.0重量%、Fe:6.0〜10.0重量%、Ni:17.0重量%以上である実施例1〜12の溶射層形成用粉末は、いずれも溶融温度が1000〜1150℃であった。これにより、実施例1〜12の溶射層形成用粉末は、溶射によりサーメット溶射層となった後にフュージング処理が施される際において、サーメット溶射層を熱拡散させるための加熱温度を抑えることができ、その結果として、基材の変形や特性低下の発生を防止し、基材との密着性に優れたものであると判断することができる。特に、表4および図3(A)〜図3(C)に示すように、実施例6の溶射層形成用粉末は、溶射によりサーメット溶射層となった後にねじりトルクが加わった際においても、サーメット溶射層にクラックおよび剥離が発生せず、基材との密着性に優れたものであると判断することができる。
また、表1に示すように、実施例1〜12の溶射層形成用粉末は、いずれも磁性を有しているため、このような溶射層形成用粉末を用いて得られるサーメット被覆材を、樹脂成型機などの部材として用いた場合には、サーメット溶射層のクラックおよび剥離が発生した際にも、サーメット溶射層の破片を磁石によって容易に回収することが可能となり、これにより、樹脂成型機で製造する樹脂の汚染や、樹脂成型機の故障を防止することができる。
さらに、表1に示すように、実施例1〜12の溶射層形成用粉末を用いて得られるサーメット被覆材は、いずれもビッカース硬度が1200HV以上と高い値であり、耐摩耗性に優れたものであると判断することができる。特に、図1(A)〜図1(C)に示すように、実施例6の溶射層形成用粉末を用いて得られるサーメット被覆材は、大越摩耗試験を実施した際における摩耗痕の摩耗体積が非常に小さいため、このことからも、耐摩耗性に優れたものであると判断することができる。
一方、表2,3に示すように、各元素の含有割合が本発明所定の範囲外である比較例1〜44の溶射層形成用粉末は、少なくとも、溶融温度が1150℃超であるか、磁性を有していないか、あるいはビッカース硬度が1200HV未満であるかのいずれかとなった。なお、表2,3においては、各比較例の評価結果について、溶融温度が1150℃超となった部分、磁性が無しとなった部分、および硬度が1200HV未満となった部分を、グレーで塗りつぶして表示している。
そして、各比較例のうち、溶融温度が1150℃超となった比較例においては、得られた溶射層形成用粉末を基材上に溶射し、サーメット被覆材とした後にフュージング処理を行った場合に、サーメット溶射層を熱拡散させるための加熱温度を1150℃超と高温とする必要があるため、フュージング処理により基材の変形や特性低下が発生してしまうものと判断することができる。
また、各比較例のうち、磁性を有さなかった比較例においては、得られた溶射層形成用粉末を基材上に溶射し、サーメット被覆材とした後に樹脂成型機などの部材として用いた場合に、サーメット溶射層のクラックおよび剥離により生じた破片が樹脂中に混入してしまうと、混入した破片は磁性を有さないことから、磁石で回収することができず、これにより、樹脂の汚染や、樹脂成型機の故障の原因となってしまい、得られる樹脂成形体の品質劣化や歩留まり低下を招来してしまうと考えられる。なお、比較例1,2,10のサーメット被覆材においては、表2,3に示すように、Feを含有していないものの、磁性を有するという結果となったが、これは、Niの作用によるものであり、すなわち、NiはFeと比較して磁性は弱いものの、含有量が多くなったことにより、結果として、得られたサーメット被覆材が磁性を示すようになったものである。
さらに、各比較例のうち、ビッカース硬度が1200HV未満となった比較例においては、得られた溶射層形成用粉末は、硬度が低いため、耐摩耗性が劣るものであると判断することができる。

Claims (7)

  1. Mo(Ni,Cr,V,Fe)B型の複硼化物を含む溶射層形成用粉末であって、
    組成がB:5.5〜6.5重量%、Mo:48.8〜57.7重量%、Si:1.8〜2.5重量%、Cr:6.0〜10.0重量%、V:1.0〜3.0重量%、Fe:6.0〜10.0重量%、Ni:17.0重量%以上であることを特徴とする溶射層形成用粉末。
  2. 請求項1に記載の溶射層形成用粉末を溶射することで形成されるサーメット溶射層であって、
    前記Mo(Ni,Cr,V,Fe)B型の複硼化物を含む硬質相を55.0〜75.0重量%の割合で含み、残部が、Ni基合金を主成分とする結合相であることを特徴とするサーメット溶射層。
  3. 請求項2に記載のサーメット溶射層が基材上に形成されてなるサーメット被覆材。
  4. 前記サーメット溶射層に1000〜1150℃で加熱する溶融処理を施すことで、前記基材と前記サーメット溶射層とを熱拡散させることにより形成された拡散層を備えることを特徴とする請求項3に記載のサーメット被覆材。
  5. 前記基材が合金鋼、炭素鋼、またはステンレス鋼であることを特徴する請求項3または4に記載のサーメット被覆材。
  6. Mo(Ni,Cr,V,Fe)B型の複硼化物を含む溶射層形成用粉末を基材上に溶射することで、前記基材上にサーメット溶射層を形成する工程を有するサーメット被覆材の製造方法であって、
    前記溶射層形成用粉末として、組成がB:5.5〜6.5重量%、Mo:48.8〜57.7重量%、Si:1.8〜2.5重量%、Cr:6.0〜10.0重量%、V:1.0〜3.0重量%、Fe:6.0〜10.0重量%、Ni:17.0重量%以上である粉末を用い、
    前記Mo(Ni,Cr,V,Fe)B型の複硼化物を含む硬質相を55.0〜75.0重量%の割合で含み、残部が、Ni基合金を主成分とする結合相であるサーメット溶射層を形成することを特徴とするサーメット被覆材の製造方法。
  7. 前記基材上に前記サーメット溶射層を形成した後、前記サーメット溶射層に1000〜1150℃で加熱する溶融処理を施す工程をさらに有することを特徴とする請求項6に記載のサーメット被覆材の製造方法。
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