JPH1046319A - 摺動部品の製造方法 - Google Patents

摺動部品の製造方法

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JPH1046319A
JPH1046319A JP20575996A JP20575996A JPH1046319A JP H1046319 A JPH1046319 A JP H1046319A JP 20575996 A JP20575996 A JP 20575996A JP 20575996 A JP20575996 A JP 20575996A JP H1046319 A JPH1046319 A JP H1046319A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属基材表面に、安価で摺動特性にすぐれた
合金材料からなる摺動部を、割れを生じることなく容易
にしかも厚く形成し得る摺動部品の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 合金材料の組成を、Cr 8〜27重量%、
B 1.0〜 4重量%、Si2.0〜 6重量%、C 0.3〜 1.2
重量%、Fe 0.5〜 6重量%、および残部がNiとし、
かつ、摺動部を形成するにあたり、金属基材表面に合金
材料を主体としてなる予備処理層を形成し、次いでこの
予備処理層を金属基材とともに1000〜1150℃に
加熱処理して合金材料を溶融させ、しかるのち冷却して
金属基材表面で合金材料を凝固させる。上記合金材料に
さらにWCを添加してもよい。真空あるいは水素雰囲気
下での加熱処理が望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属基材に表面硬
化処理を施し耐摩耗性や耐焼付き性を付与してなる摺動
部品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、たとえばバルブ、ロール、あ
るいはスクリューなどの摺動部品において、強度、剛
性、耐磨耗性などの種々の要求に応えるため、鉄鋼など
の金属材料からなる基材の摺動部位に表面硬化処理を施
し摩擦係数を低減させて、耐摩耗性や耐焼付き性などの
摺動特性を付与することが広く行われている。このよう
な表面硬化処理の方法の一つとして、たとえばステライ
トとよばれるCo合金やΝi合金を、ΤIG(Tungsten
Inert Gas)法やPTA(Plasma Transfer Arc )法、あ
るいは粉体肉盛溶接方法などによって、基材表面の摺動
部位に肉盛溶接する方法があげられる。
【0003】このステライト(Co−Cr−W−C合
金)は、溶接割れが生じにくいなど溶接施工性にすぐれ
ることから、大型の摺動部品や肉厚の摺動部が要求され
るような摺動部品には多用されるものの、Νi合金に比
べ高価である。また、肉盛溶接という方法は、摺動部位
が部品の内周面にある場合、とくに施工のための工具が
入らないほど内径が小さい場合や長尺の場合には、施工
が難しいという難点もあった。
【0004】そこで近年、より安価な摺動部材を求め、
ステライトの代替を目的として、Niを基体とした各種
肉盛合金の開発が進められている。そのようなΝi合金
の例としては、たとえば従来よりコルモノイ(米国ウォ
ールコルモノイ社商標)として知られるNi−Cr−B
−Si系の肉盛合金や、さらにWCを添加したNi−C
r−Β−Si系の肉盛合金などがあげられる。これらの
Νi合金は、ステライトよりもさらに耐摩耗性や耐焼付
き性にすぐれるという長所を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のΝi合金は硬度が高く溶接施工性が充分ではないこと
から、通常行われるようなΤIG溶接法やPTΑ溶接法
などにより肉盛溶接施工された場合に、ステライトに比
べて溶接割れが発生し易いという難点があった。また、
これらΝi合金の肉盛溶接は、摺動部位が内周面である
場合に、ステライトよりもさらに施工性が悪いという難
点もあった。なお、これらのΝi合金は溶射施工も可能
ではあるが、溶射施工により摺動特性にすぐれた被膜を
厚く形成することは容易でなく、通常、得られる摺動部
の厚さはたかだか1.5mm程度であった。上記事情の
ため、現状ではこれらのΝi合金を、大型の摺動部品や
肉厚の摺動部が要求されるような摺動部品へ適用するこ
とは困難であった。
【0006】本発明は、このような従来の摺動部品の製
造方法の難点を解消するために成されたものであり、耐
摩耗性や耐焼付き性にすぐれ安価なΝi−Cr−Β−S
i系合金、あるいはWCを添加したΝi−Cr−B−S
i系合金を、基材表面の摺動部位に割れを発生させるこ
となく肉厚に施工することが可能であって、基材の内周
面への施工も容易な摺動部品の製造方法を提供すること
を、その目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の摺動部品の製造
方法は、金属基材表面に合金材料からなる摺動部を形成
する摺動部品の製造方法において、前記合金材料の組成
が、Cr 8〜27重量%、B 1.0〜 4重量%、Si 2.0〜
6重量%、C 0.3〜 1.2重量%、Fe 0.5〜 6重量%、
および残部がNiであり、かつ、前記摺動部を形成する
にあたり、前記金属基材表面に前記合金材料を主体とし
てなる予備処理層を形成し、次いでこの予備処理層を前
記金属基材とともに1000〜1150℃に加熱処理し
て前記合金材料を溶融させ、しかるのち冷却して前記金
属基材表面で前記合金材料を凝固させるようにしたこと
を特徴としている。
【0008】本発明において、金属基材表面にΝi−C
r−Β−Si系合金あるいはWCを添加したΝi−Cr
−Β−Si系合金からなる予備処理層を設ける方法とし
ては、金属基材と合金材料とを不均一に強熱するような
方法でなければ、とくに制限はない。たとえば、粉末形
状にした合金材料の溶射施工、あるいは粉末形状の合金
材料を樹脂バインダとともにペースト化し塗布などによ
り、前記金属基材表面に付着させる方法などが好適であ
る。また、金属基材表面に溝加工を施しその溝加工部へ
合金粉末を充填する方法、あるいはこれらの方法の組合
せなどを挙げることができる。
【0009】ガス溶射などの溶射施工によって予備処理
層を形成すれば、大型の摺動部品なども容易に形成する
ことができる。この溶射施工は、加熱処理されるまで合
金材料を金属基材表面に付着させておくためのものであ
る。合金粉末を樹脂バインダとともにペースト化したも
のを塗布して予備処理層を形成すれば、内周面に摺動部
位があり内径が小さい摺動部品も容易に製造が可能であ
る。
【0010】本発明において、加熱処理の温度は、Νi
−Cr−Β−Si系合金の固相線以上の1000〜11
50℃の範囲が好ましい。1000℃より低い場合には
合金材料の溶融が充分でなく、また金属基材との密着性
が低くなるおそれがある。一方、1150℃を超える場
合には、炭素鋼やステンレス鋼からなる基材の機械的特
性に悪影響を及ぼすおそれがあり、また被覆層である摺
動部と基材との相互拡散が促進され、被覆層の特性が低
下するおそれもある。したがって、本発明において加熱
処理温度は、1000〜1150℃の範囲内が好まし
く、さらに好ましくは1040〜1100℃の範囲であ
る。この温度条件は合金材料の液相線以上に限定する必
要はなく、液相線以下の温度でも緻密で密着性のよい被
覆層が形成可能である。
【0011】本発明においては、表面に予備処理層を形
成した金属基材を加熱炉中に保持して上記温度の加熱処
理を行うことにより、基材と予備処理層とが同時に均一
に加熱されるため、溶接割れの発生を防ぐことができ
る。また、加熱処理温度をNi−Cr−Β−Si系合金
の液相線以下の温度とすることにより、加熱処理時の合
金材料の流動性が低減される。したがって、本発明の製
造方法によれば内周面施工で問題となるような合金材料
の垂れ落ちを防ぐことができる。
【0012】本発明において、金属基材の表面に形成さ
れた予備処理層は、形成された段階では多量の空隙を含
み密度が低いが、上記温度の加熱処理により溶融凝固し
た後においては空隙がなくなり、緻密な合金材料からな
る摺動部が金属基材表面に形成される。予備処理の段階
では予備処理層に金属酸化物が混入した状態となってい
るが、このような酸化物の存在は、緻密な合金材料から
なる摺動部の形成を阻害することから、本発明において
加熱処理は、真空中あるいは水素雰囲気中で行われるこ
とがより望ましい。
【0013】本発明において、金属基材としてはたとえ
ば炭素鋼やステンレス鋼などの鉄系材料や、インコネル
などのNi系金属材料が使用可能である。
【0014】以下、本発明に係るNi−Cr−Β−Si
系合金組成における各元素の限定理由について説明す
る。
【0015】クロム(Cr)は、合金材料の耐食性およ
び合金の素地を強化するために必要な成分であるが、 8
重量%より少ないときにはその強化効果が充分でなく、
27重量%を超えて多量に添加すると靭性が低下する。し
たがって、本発明においてはCrを 8〜27重量%の範囲
で含むことが望ましい。なお、さらに望ましくは10〜26
重量%の範囲である。
【0016】ホウ素(B)は、ホウ化物を生成して耐摩
耗性および強度を上昇させるのに有効な元素であるが、
1.0重量%より少ないときにはその効果が充分でなく、
4重量%を超えて多量に添加すると靭性が低下する。し
たがって、本発明においてはBを 1.0〜 4重量%の範囲
で含むことが望ましい。なお、さらに望ましくは 2.0〜
3.5重量%の範囲である。
【0017】ケイ素(Si)は、硅化物を生成して耐摩
耗性および強度を上昇させるのに有効な元素であるが、
2.0重量%より少ないときにはその効果が充分でなく、
6重量%を超えて多量に添加すると靭性が低下する。し
たがって、本発明においてはSiを 2.0〜 6重量%の範
囲で含むことが望ましい。なお、さらに望ましくは 2.2
〜 4.5重量%の範囲である。
【0018】炭素(C)は、合金材料の耐摩耗性および
硬度を上昇させるのに有効な元素であって、合金材料中
0.3〜 1.2重量%含まれていることが望ましい。さらに
望ましくは 0.4〜 1.0重量%の範囲である。 0.3重量%
より少ないときには耐摩耗性も硬度も低下し、反対に
1.2重量%を超えて多量に添加すると靭性が低下するた
め、ともに好ましくない。
【0019】鉄(Fe)は、素地の強化および衝撃特性
を向上させるのに有効な元素であるが、 0.5重量%より
少ないときにはその効果が充分でなく、 6重量%を超え
て多量に添加すると機械的強度や摩耗特性が低下する。
したがって、本発明においてはFeを 0.5〜 6重量%の
範囲で含むことが望ましい。なお、さらに望ましくは1
〜 5重量%の範囲である。
【0020】なお、上記元素のうちホウ素(B)とケイ
素(Si)は、酸素との親和力が他のNiやCrなどの
金属元素よりも強いことから、上記役割の他に、発生し
た金属酸化物をホウケイ酸ガラス質スラグとして溶解し
て溶解中の合金材料表面へ浮上させるという、フラック
スとしての役割をも果たしている。したがって合金材料
組成中のBとSiの存在は、冷却後の合金材料の層から
空隙を除去し基材との密着性が良好で緻密な摺動部の形
成に役立っている。
【0021】さらに、上記した本発明に係わるNi−C
r−B−Si系合金に、耐摩耗性の向上を目的としてタ
ングステンカーバイド(WC)を加えることも可能であ
る。WCの添加量が上記合金材料100重量部に対して
30重量部より少ない場合には耐摩耗性向上の効果が充
分でなく、60重量部を超えて添加された場合には、均
一な被覆層の形成を妨げ靭性を低下させる。したがっ
て、本発明においてWCを添加する場合には、30〜6
0重量部の範囲が望ましい。さらに望ましくは35〜5
0%重量部の範囲である。
【0022】なお、WCをNi−Cr−Β−Si系合金
に加える場合には、バインダとしてコバルト(Co)を
同時に添加することが望ましい。Coの添加量として
は、上記合金材料100重量部に対して1〜5重量部が
望ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について説
明する。
【0024】摺動部品の製造に先立ち、高周波溶解炉を
用いて各元素を次の表1に示す組成となるように溶解し
た後、ガスアトマイズ法により粉末化して、合金粉末を
製造した。なお、表1において、試料1および2は本発
明にしたがう組成のΝi−Cr−Β−Si系合金粉末、
試料3は組成の一部が本発明にしたがわないΝi−Cr
−Β−Si系合金粉末、そして試料4はCo合金である
ステライトである。
【0025】
【表1】 実施例1 図1は、本発明の方法により製造された摺動部品1の縦
断面図である。
【0026】摺動部品1の製造にあたって、炭素鋼(S
25C)からなる直径200mm、厚さ50mmの円板
状の基材2の一方の板面上に、試料1の合金粉末をガス
溶射法によって厚さ4mmとなるように付着させて、予
備処理層3を形成した。そして、予備処理層3が形成さ
れた基材1を、3×10-4torrの真空雰囲気中に保
持して温度1080℃で5分間の加熱処理を行った。そ
の後、常温にまで放冷したところ、合金材料からなる緻
密な被覆層4である摺動部が形成された摺動部品1が得
られた。その被覆層4に割れは認められなかった。
【0027】次に、このようにして得られた摺動部品1
の耐耗試験および耐焼付き性試験を行った。上記試験に
際して、摺動部品1から図2に示すような形状の試験片
5および6を採取した。摩耗試験は、1m/sの周速度
で回転する試験片5に試験片6を互いに摺動部が接する
ように対向させて20kgの荷重で押し付け、距離にし
て1km摺動後における試験片6の重量減少量を測定し
た。一方、耐焼付き性試験は、2つの試験片5、5を用
意し、試験片5同士を互いに摺動部が接するように対向
させて荷重10kg/mm2 で押し付け、室温水中で一
方の試験片を10mm/sの速度、20mmのストロー
クで100回の往復動をさせた後、試験片表面の焼付き
の有無を調べた。
【0028】その結果摩耗減量は1.8mgであり、表
面の焼付きは見られないというすぐれた摺動特性を有し
ていることが判明した。
【0029】実施例2 試料1の合金粉末を樹脂バインダと混合しペースト状と
して予備処理層を形成するようにした他は、実施例1と
同様にして摺動部品を製造した。その被覆層に割れは認
められなかった。
【0030】また、実施例1と同様にして摩耗試験およ
び耐焼付き性試験を行ったところ、摩耗減量は2.3m
gであり、表面の焼付きは見られないというすぐれた摺
動特性を有していることが判明した。
【0031】実施例3 合金粉末として、試料1の合金100重量部に対して5
0重量部のWCと3.5重量部のCoを添加して得られ
る合金粉末を使用した他は、実施例1と同様にして摺動
部品を製造した。その被覆層に割れは認められなかっ
た。
【0032】また、実施例1と同様にして摩耗試験およ
び耐焼付き性試験を行ったところ、摩耗減量は1.6m
gであり、表面の焼付きは見られないというすぐれた摺
動特性を有していることが判明した。
【0033】実施例4 外径70mm、内径50mm、長さ300mmの円筒状
金属基材の内周面に、試料2の合金粉末を樹脂バインダ
と混合しペースト状として予備処理層を厚さ4mmとな
るように形成し、予備処理層が形成された基材を、3×
10-4torrの真空雰囲気中に保持して試料2の液相
線以下となる温度1060℃で5分間の加熱処理を行っ
た。その後、常温にまで放冷したところ、合金材料から
なる緻密な被覆層が形成された摺動部品が得られた。そ
の被覆層に割れは認められなかった。
【0034】比較例1 炭素鋼(S25C)からなる直径200mm、厚さ50
mmの円板状の基材の一方の板面上に、試料1の合金粉
末を、ΡΤΑ法により300℃の予熱温度条件で肉盛溶
接したところ、溶接後の被覆層表面に割れが観察され
た。
【0035】比較例2 合金粉末として試料3の合金粉末を用いた他は、実施例
1と同様にして摺動部品を製造した。その被覆層に割れ
は認められなかった。
【0036】しかしながら、実施例1と同様にして摩耗
試験および耐焼付き性試験を行ったところ、摩耗減量は
24.7mgと大きく、表面の焼付きも見出だされた。
【0037】比較例3 合金粉末として試料4のステライトを用いた他は、比較
例1と同様にして肉盛溶接して摺動部品を製造した。溶
接後の被覆層表面に割れは認められなかった。そして、
実施例1と同様にして摩耗試験および耐焼付き性試験を
行ったところ、摩耗減量は2.5mgであり、表面の焼
付きは見られないという摺動特性を有していた。
【0038】比較例4 加熱処理温度を950℃とした他は実施例1と同様にし
て摺動部品を製造した。が、その被覆層には多数の空隙
が認められた。
【0039】比較例5 加熱処理温度を1200℃とした他は実施例1と同様に
して摺動部品を製造した。採取した試験片の断面につい
て走査型電子顕微鏡観察を行ったところ、被覆層へ多量
の鉄元素が混入しているのが認められた。
【0040】次の表2に、上記した実施例1、同2、同
3、比較例2、および同3における摩耗試験及び耐焼付
き性試験の結果を示した。
【0041】
【表2】 表2からも明らかなように、本発明により得られた摺動
部品の摩耗減量は、ステライトを用いた従来の方法によ
る摺動部品よりも小さく、焼付きもみられなかった。す
なわち本発明の方法によれば、ステライトと同等あるい
はそれ以上にすぐれた耐摩耗性および耐焼付き性を有す
る摺動部を厚く形成した摺動部品が製造可能であった。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、施工する際に割れの発
生のおそれがなく、耐摩耗性や耐焼付き性にすぐれた摺
動部を金属基材上に容易に、しかも厚く形成可能であ
る。また、施工性にすぐれることから、大型の摺動部品
や肉厚の摺動部を必要とする摺動部品、あるいは基材の
内周面に摺動部を備えた摺動部品も容易に製造可能であ
り、工業上非常に有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により得られる摺動部品の断面を示す模
式図である。
【図2】摺動特性評価のために採取される試験片の形状
を示す断面模式図である。
【符号の説明】
1………摺動部品 2………基材 3………予備処理層 4………緻密な被覆層 5、6………試験片
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 10/54 C23C 10/54 26/00 26/00 E

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属基材表面に合金材料からなる摺動部
    を形成する摺動部品の製造方法において、 前記合金材料が、Cr 8〜27重量%、B 1.0〜 4重量
    %、Si 2.0〜 6重量%、C 0.3〜 1.2重量%、Fe
    0.5〜 6重量%、および残部がNiの組成を有し、か
    つ、前記摺動部を形成するにあたり、前記金属基材表面
    に前記合金材料を主体としてなる予備処理層を形成し、
    次いでこの予備処理層を前記金属基材とともに1000
    〜1150℃に加熱処理して前記合金材料を溶融させ、
    しかるのち冷却して前記金属基材表面で前記合金材料を
    凝固させるようにしたことを特徴とする摺動部品の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 金属基材表面に合金材料からなる摺動部
    を形成する摺動部品の製造方法において、 前記合金材料が、Cr 8〜27重量%、B 1.0〜 4重量
    %、Si 2.0〜 6重量%、C 0.3〜 1.2重量%、Fe
    0.5〜 6重量%、および残部がNiの組成を有し、か
    つ、前記摺動部を形成するにあたり、前記金属基材表面
    に前記合金材料を主体としてなる予備処理層を形成し、
    次いでこの予備処理層を前記金属基材とともに前記合金
    材料の固相線以上液相線以下の温度で加熱処理して前記
    合金材料を半溶融状態とし、しかるのち冷却して前記金
    属基材表面で前記合金材料を凝固させるようにしたこと
    を特徴とする摺動部品の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記摺動部の厚さが、1mm以上である
    ことを特徴とする特許請求の範囲請求項1あるいは2記
    載の摺動部品の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記加熱処理が、減圧下で行われること
    を特徴とする特許請求の範囲請求項1、2あるいは3記
    載の摺動部品の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記合金材料100重量部に対して、さ
    らに30〜60重量部のWCが添加されていることを特
    徴とする特許請求の範囲請求項1、2、3、あるいは4
    記載の摺動部品の製造方法。
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