JP7134064B2 - 金属部材 - Google Patents
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Description
前記母材上に、前記合金と同一成分の粉末で形成された肉盛層とを備え、
前記合金が、
C:0.03質量%以上2.6質量%以下、
Si:0.05質量%以上1.0質量%以下、
Mn:0.10質量%以上1.0質量%以下、及び、
Cr:3.0質量%以上30質量%以下を含有し、
残部がFe及び不可避的不純物からなり、且つ、
下記数式1によって算出される値Xが、0.45以上0.70以下であることを特徴とするものである。
数式1: X=(HB*BB)/(HA*BA)
上記数式1において、HAは前記母材の硬さを表し、BAは前記母材の抗折強度を表し、HBは前記肉盛層の硬さを表し、BBは前記肉盛層の抗折強度を表す。
この合金のベース元素は、Feである。換言すれば、この合金は、Fe基合金である。Fe基合金は、強度及び耐摩耗性に優れる。この合金からなる粉末は、特に金属部材の補修に適している。
Cは、Feに固溶する。Cは、粉末から得られた肉盛層の硬度、強度及び耐摩耗性に寄与しうる。この観点から、Cの含有率は0.03質量%以上が好ましく、0.10質量%以上がより好ましく、0.4質量%以上が特に好ましい。Cの含有率は、2.6質量%以下が好ましい。この含有率が2.6質量%以下である粉末から得られた肉盛層は、靱性に優れる。この観点から、含有率は2.0質量%以下がより好ましく、1.5質量%以下が特に好ましい。
Siは、Feに固溶する。Siは、粉末から得られた肉盛層の強度及び耐ヒートチェック性に寄与しうる。この観点から、Siの含有率は0.05質量%以上が好ましく、0.10質量%以上がより好ましく、0.2質量%以上が特に好ましい。Siの含有率は、1.0質量%以下が好ましい。この含有率が1.0質量%以下である粉末から得られた肉盛層は、靱性に優れる。この観点から、含有率は0.8質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下が特に好ましい。
Mnは、粉末から得られた肉盛層の硬度及び強度に寄与しうる。この観点から、Mnの含有率は0.10質量%以上が好ましく、0.15質量%以上がより好ましく、0.20質量%以上が特に好ましい。Mnの含有率は、1.0質量%以下が好ましい。この含有率が1.0質量%以下である粉末から得られた肉盛層は、靱性に優れる。この観点から、含有率は0.8質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下が特に好ましい。
Crは、Feへの他の元素の固溶に寄与する。Crは、肉盛層の耐食性及び耐ヒートチェック性に寄与しうる。この観点から、Crの含有率は3.0質量%以上が好ましく、3.5質量%以上がより好ましく、4.0質量%以上が特に好ましい。Crの含有率は、30質量%以下が好ましい。この含有率が30質量%以下である粉末から得られた肉盛層は、靱性に優れる。この観点から、含有率は20質量%以下がより好ましく、15質量%以下が特に好ましい。
Coは、Feと共に合金のベースになりうる。CoはFeに固溶することで焼入れ性が増し、肉盛部の強度向上に寄与する。合金がCrを含有する場合、その含有率は、5質量%以上15質量%以下が好ましい。
バナジウム(V)、モリブデン(Mo)、及び、タングステン(W)は、Cと微細な炭化物を形成し、肉盛層の強度改善に寄与する。しかしながら、これらの元素の過剰の添加は延靭性の低下等を招く。このような観点から、合金がVを含有する場合、その含有率は2質量%以上8質量%以下が好ましい。合金がMoを含有する場合、その含有率は0.05質量%以上10質量%未満が好ましい。合金がWを含有する場合、その含有率は3質量%以上15質量%未満が好ましい。
合金粉末は、アトマイズ法、粉砕法等によって製造されうる。アトマイズ法として、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法、及び、ディスクアトマイズ法が例示される。合金に不純物が混入しにくいとの観点から、ガスアトマイズ法及びディスクアトマイズ法が好ましい。合金に不純物が混入しにくいとの観点から、不活性ガス雰囲気でのアトマイズが好ましい。量産性の観点から、ガスアトマイズが好ましい。
ここで、本発明に係る金属部材の適用例として、肉盛層で補修された金属部材について説明する。この金属部材(即ち、母材)は、上記合金粉末が粉末冶金法を用いて成形されたものである。この金属部材の補修箇所に、上記合金粉末を溶接材料として肉盛溶接が施されることによって、肉盛層が形成される。肉盛溶接方法としては、レーザークラッディング法やプラズマ粉体肉盛溶接法などの粉体肉盛溶接法が用いられる。具体的には、肉盛溶接は以下の手順で行われる。合金粉末の粒子に圧縮ガス等によって速度が与えられ、加速されて進行中の粒子が加熱手段にて加熱される。加熱手段として、ガスの燃焼炎、プラズマ、レーザー等が挙げられる。加熱により、粒子は溶融状態又は半溶融状態となる。この粒子が金属部材に衝突させられ、凝固することにより、粒子同士が結合する。粒子は、下地である金属部材とも結合し、この結合により金属部材の表面に肉盛層が形成される。粒子が金属部材に衝突した後に、加熱がなされてもよい。粒子が金属部材に接触した状態で、加熱がなされてもよい。
数式1: X=(HB*BB)/(HA*BA)
肉盛層には、一次炭化物が存在する。隣接する一次炭化物同士の距離のうち最長となるもの(「最長距離」と称す)の平均値は、5μm以上30μm以下が好ましく、10μm以上20μm以下が更に好ましい。このような肉盛層は、靭性に優れ、耐チッピング性に優れる。
肉盛層は、直径30μm以上の空孔を有することがある。このような空孔は、肉盛溶接中に雰囲気ガスが巻き込まれることによって生じうる。直径30μm以上の空孔は、肉盛層に欠けを生じさせたり、肉盛層の耐摩耗性を低下させるおそれがある。そこで、肉盛層の直径30μm以上の空孔の面積1mm2あたりの数は、5個未満が好ましく、理想的には0個である。
表1に示す所定の組成を有する原料を、準備した。この原料を、真空中にてアルミナ製坩堝で、高周波誘導加熱法にて加熱した。この加熱によって原料を溶融させ、溶湯を得た。坩堝下にある直径が5mmのノズルから、溶湯を落下させた。この溶湯に、高圧アルゴンガスを噴霧し、300kgの粉末を得た。
実施例1~30及び比較例1~30の試料に対し、以下の測定及び試験を行った。
「JIS Z 2244」の規定に準拠して、母材及び肉盛層のビッカース硬度を測定した。この結果が、表2~4に示されている。
母材及び肉盛層から、幅が5mmであり、長さが50mmであり、厚さが3mmである試験片を切り出した。この試験片を用い、「JIS Z 2248」の規定に準拠して、抗折強度を測定した。5回の測定の平均値が表2~4に示されている。
各試料について、溶接境界部から5点試料を切り出し、5点分の試料中炭素量を測定した。その測定値の平均値が表2~4に示されている。
各試料について、光学顕微鏡で5視野写真を撮影し、その写真中の一次炭化物同士間の最大距離を1視野あたり5点測定した。その測定値の平均値が表2~4に示されている。
各試料について、光学顕微鏡で5視野写真を撮影し、視野中に存在した空孔のうち直径30μm以上の空孔の個数を数えた。その平均値が表2~4に示されている。
肉盛層の耐摩耗性は、大越式摩耗試験の結果で評価した。試料から、長さ50mm、幅25mm、高さ7mmの大きさの試験片を作製した。この試験片を用いて大越式摩耗試験により比摩耗量を測定した。試験条件は、回転輪のSCM420、摩耗速度を2.0m/sec、摩耗距離を200mおよび最終荷重を61.8Nとして試験片の比摩耗量を測定した。更に、上記摩耗試験中の欠けの有無を目視にて確認した。この結果が、表2~4に示されている。
表2~4に、摩耗試験の結果に基づく各試料の総合評価が示されている。総合評価は以下を評価基準とする。
A:摩耗試験中に欠けはなし、且つ、比摩耗量が0.1×10-8mm3/mm未満
B:摩耗試験中に欠けはなし、且つ、比摩耗量が0.1×10-8mm3/mm以上、0.9×10-8mm3/mm未満
C:摩耗試験中に欠けはなし、且つ、比摩耗量が0.9×10-8mm3/mm2以上、1.3×10-8mm3/mm未満
F:摩耗試験中に欠けが発生、又は、比摩耗量が1.3×10-8mm3/mm以上
Claims (4)
- Feを主成分とする合金の粉末成形体である母材と、
前記母材上に、前記合金と同一成分の粉末で形成された肉盛層とを備え、
前記合金が、
C:0.03質量%以上2.6質量%以下、
Si:0.05質量%以上1.0質量%以下、
Mn:0.10質量%以上1.0質量%以下、及び、
Cr:3.0質量%以上30質量%以下を含有し、
残部がFe及び不可避的不純物からなり、且つ、
下記数式1によって算出される値Xが、0.45以上0.70以下である
ことを特徴とする金属部材。
数式1: X=(HB*BB)/(HA*BA)
(上記数式1において、HAは前記母材の硬さを表し、BAは前記母材の抗折強度を表し、HBは前記肉盛層の硬さを表し、BBは前記肉盛層の抗折強度を表す。) - 前記合金が、Co:5質量%以上15質量%以下、V:2質量%以上8質量%以下、Mo:0.05質量%以上10質量%未満、及び、W:3質量%以上15質量%未満のうち少なくとも1種の元素を、更に含有する、
請求項1に記載の金属部材。 - 前記肉盛層は、一次炭化物を含み、隣接する前記一次炭化物同士の最長距離の平均値が5μm以上30μm以下である、
請求項1又は2に記載の金属部材。 - 前記肉盛層は、直径30μm以上の空孔を有し、1mm2あたりの前記空孔の数が5個未満である、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の金属部材。
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JP2016516580A (ja) | 2013-01-31 | 2016-06-09 | シーメンス エナジー インコーポレイテッド | フラックスを用いてレーザーにより超合金を再溶解修復する方法 |
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JPH0639545A (ja) * | 1992-04-13 | 1994-02-15 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | 炭素鋼材等の溶接方法 |
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2018
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JP2020070455A (ja) | 2020-05-07 |
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