JP2014222991A - インバータ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
パワー素子1aと帰還ダイオード1bとが並列接続されたチョッパ回路を備え、パワー素子1aをオンオフ制御するインバータ装置において、インバータ制御装置は、パワー素子1aのゲート充電電流を増やすゲート電流増量スイッチ部8と、パワー素1a子のゲートの電圧が所定電圧になったことを検出するゲート電圧検出部4と、ゲート電圧検出部4にてゲート電圧が所定電圧以上であることを検出している間は、ゲート電流増量スイッチ部8をオフにしておくデート電流増量スイッチ部制御手段R4、4と、を有する。
【選択図】図1
Description
上記制御回路は、直列接続した一方のパワー素子がターンオンに移行する際に、直列接続した他方のパワー素子に逆並列接続した帰還ダイオードに流れる回復電流を検出して、回復電流が略最大となる時点までは遅いターンオン速度とし、この時点に到達した後は速いターンオン速度にする。
そして、上記電位Vgeの降下を検出したら、初めゆっくり上昇させていたゲート電圧から、ゲートを充電する電流を増やすようにしてゲート電圧を早く上昇させ、オン抵抗の大きな領域を速く抜けることで、損失を減らすようにしている。
このようにして、回復時に生じるサージ電圧を確実に抑制し、かつインバータを高効率で動作させることを狙っている。
パワー素子と帰還ダイオードとが並列接続されたチョッパ回路を備え、パワー素子をオンオフ制御するインバータ装置において、
パワー素子のゲート充電電流を増やすゲート電流増量スイッチ部と、
パワー素子のゲートの電圧が所定電圧になったことを検出するゲート電圧検出部と、
ゲート電圧検出部がゲート電圧が所定電圧以上であることを検出している間は、ゲート電流増量スイッチ部をオフにしておくデート電流増量スイッチ部制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
ことを特徴とする。
出力にオープンコレクタを有し、プラス入力にパワー素子の閾値電力に相当する定電圧を接続し、マイナス入力にパワー素子のゲートを接続するコンパレータで構成した、
ことを特徴とする。
ゲート電流増量スイッチ部のゲートに抵抗を介して駆動信号を印加するとともに、
上記コンパレータの出力を、ゲート電流増量スイッチ部を構成する素子のゲートに接続して、構成した、
ことを特徴とする。
この実施例1のインバータ制御装置は、本実施例では、たとえば電気自動車の車両駆動用の電気モータを駆動制御するインバータを制御するのに用いられ、図1に示すように、インバータ1に接続され、ゲート駆動回路2と、ゲート電流増量スイッチ部3と、コンパレータ4と、抵抗R4と、を備えている。
ここでは、図1に示すように、1組のチョッパ回路、絶縁ゲートバイポーラ型トランジスタ(IGBT)1a、およびこの両端に逆方向並列接続した帰還ダイオード1bのみを描いてある。他の組も上記と同じ構成に同じになるので、それらの図示および説明は省略してある。
なお、IGBT1aは、本発明のパワー素子に相当する。
なお、これらのオン用MOSFET5およびオフ用MOSFET6のドレイン−ソース間には、帰還ダイオード10、11がそれぞれ逆並列接続されている。
ゲートオフ用MOSFET9のゲートにLow信号が印加されると、MOSFET9はオンとなってドレーン〜ソース間が導通して接地されるが、ゲートにhigh信号が印加されると、ゲートオフ用MOSFET9はオフとなってドレーン〜ソースを遮断する。
なお、ゲートオフ用MOSFET9のドレイン−ソース間には、寄生ダイオード14が逆並列接続されている。
第1ゲート電流増量スイッチ部3aは、オン用MOSFET5のソースに抵抗R3を介してゲートが接続されたゲート、電源に接続されたドレイン、抵抗R6を介してIGBT1aに接続されたソースを有するNチャンネル型の第1MOSFET7と、このドレイン−ソース間に逆並列接続された寄生ダイオード12と、を備えている。
ここで、定電圧部15は、コンパレータ4のプラス入力に所定電圧、すなわちマイナス入力への入力電圧がIGBT1aのゲートの閾値電圧に相当する値になる電圧を出力するようにされている。
インバータは、上下アームとなる双方向チョッパ回路で構成されるが、一方のアームのパワー素子がオフになると負荷電流は他方のアームの帰還ダイオードへ転流する。
次に上記パワー素子を再びオンにすると、上記帰還ダイオードがキャリアを放出して逆回復するまでの間、寄生インダクタンスを有する配線、上記帰還ダイオード、上記パワー素子からなる回路を通じて電源(バッテリ)が瞬間短絡状態になる。
すなわち、ゲート電圧VgeがIGBT1aの閾値を超えるとこれをオーバーシュートした後、ゲート電圧Vgeが徐々に下がり、コレクタ電流も徐々に下がる。このゲート電圧Vgeは、ダイオード1bに逆回復電流が流れ始めた時点で下がる。
ゲート電圧Vgeのピーク電圧(同図中、○で囲んだ範囲)が高い、すなわち立ち上がり時間が短いと、逆回復電流が大きくなるので、これを小さくするには、ゲート電圧Vgeを抑える必要がある。
そこで、パワー素子のゲート電圧を緩やかに上昇させて、オーバーシュート量を抑えて逆方向電流のピーク値を減らす方法があるものの、この場合、パワー素子のオン抵抗が大きい領域を、時間をかけて通ることとなるため、スイッチング損失が大きくなってしまうことになる。
このため逆方向回復電流の直前を検出したいのだが、この直前のタイミングにおけるゲート電圧はIGBT1aの閾値(コレクタ電流がエミッタに流れ始めるとき、すなわちIGBT1aがオンするときのゲート電圧値)を大きく超えた値となる。
したがって、直前のタイミングを検出するためには、検出電圧と比較して判定するための電圧値を大きく設定することになる。しかし、閾値を超えた電圧の山はインダクタの電流値によって低くなることがあることがあり、このようなときには検出しているゲート電圧が上記比較する電圧値まで達しないことがありえる。このような場合には、ゲート充電電流を制御する動作を行うことができなくなってしまうことになるが、コレクタ電流が低いためスイッチング損失は小さい。
図1および図4に示すように、IGBT1aをオフの状態からオンにするには、パルス指令部21からオン用MOSFET 5、およびオフ用MOSFET6にLow信号が印加される。
すると、オン用MOSFET5がオンとなり、オフ用MOSFET6がオフとなる。
また、この結果、オン用MOSFET5のソースとオフ用MOSFET6のドレインとの間は、highとなってゲートオフ用MOSFET9のゲートに印加されるので、このゲートオフ用MOSFET9はオフとなる。
したがって、図2中の時刻t1に第1MOSFET7と第2MOSFET8が同時にオンする結果、これらの両MOSFET7、8および抵抗R6、R5をそれぞれ介してIGBT1aのゲートに駆動電流が流れ込みこととなり、IGBT1aのゲート電圧Vgeおよびコレクタ電流は増加していく。
この切り替わりにより、第2MOSFET 8のゲート電流は、コンパレータ4を介して接地され、第2MOSFET 8がオフとなり、これからIGVBT1aのゲートへの電流印加は停止される。
ただし、第1MOSFET7では、オン用MOSFET5を介して電源から供給される電流が、大きな抵抗R4の存在によりコンパレータ4に流れ込むのが抑制され、その残りがゲートに流れ込み、第1MOSFET7をオンに保っている。
これにより、ゲート電圧Vgeの上昇は緩くなり、ダイオード1bの逆回復電流が大きくなるのを抑制され、ノイズも小さく抑えられる。
そして、ゲート電圧Vgeが閾値電圧まで下がると、コンパレータ4が出力を反転してhigh信号を出力する。そうすると、第2MOSFET8は再びオンとなって、このドレインとソースが導通して、その分、IGBT1aのゲートに印加するゲート電流を増加させる。これにより、スイッチング損失が大きくなる領域を早く通過することとなって、スイッチング損失を減らすことになる。
なお、従来装置の場合には、ゲート電圧のピークを過ぎてからの降下を検出してゲート電流を増やすようにしているので、回路の動作遅れがあり、スイッチング損失を減らす分が少なくなってしまう。
時刻t4でゲート電圧Vgeが閾値電圧より大きくなると、第2MOSFET8はオフとなるが、第1MOSFET7はオンとなっていてIGBT1aのゲートに電流を流し込むため、ゲート電圧Vgeおよびコレクタ電流Icは緩やかに上昇していく。
この結果、第1MOSFET7と第2MOSFET8のゲートには、オン用MOSFET5から電流の印加は無くなる。また、オフ用MOSFET6がオンとなって、このオフ用MOSFET6を介して、第1MOSFET7と第2MOSFET8との両ゲートを接地する。したがって、第1MOSFET7と第2MOSFET8とは、オフになる。
一方、オン用MOSFET7とオフ用MOSFET8との間もアースされる結果、ここに接続されたゲートオフ用MOSFET9のゲートもアースされ、このゲートオフ用MOSFET9がオンとなる。
したがって、IGBT1aのゲートは、抵抗R6、R2、およびゲートオフ用MOSFET9を介して接地されるので、IGBT1aは、オフとなる。
図5は、第2MOSFET8を時刻t1でオンしたらそのまま連続させて時刻t2でゲート電圧Vgeが閾値電圧より小さくなっても、そのままオフにせずオンを継続する場合(一点鎖線で示す)と、実施例1の場合(実線で示す。時刻t2移行オフとなる。)と、のタイムチャートと、そのときのゲート電圧Vgeとコレクタ電流Icの波形を比較して示した図である。
この図から分かるように、前者では、ゲート電圧Vgeとコレクト電流Icのピーク値が大きくなって逆回復電流が大きくなってノイズが大きくなる懸念がある。ただし、スイッチング損失の領域はわずかに早く通過するので、スイッチング損失はわずかによくなる。
したがって、逆回復電流を減らしてノイズを小さくするには、実施例1の場合のように、ゲート電圧Vgeが閾値電圧になる時刻t2で第2MOSFET8をオフにすることが望ましい。
この図から分かるように、ゲート電圧Vgeが閾値電圧を超えてからは、いずれの場合にも、ゲート電圧Vgeが緩やかに上昇し、ゲート電圧Vgeもコレクタ電流Icもピーク値が小さく押させることでノイズを減らすことができる。
しかしながら、時刻t2以降のスイッチング損失を生じる領域では、前者の場合、ゲート電圧Vgeが緩やかにしか上昇しないので、コレクタ電圧Vceの上昇も緩やかとなる結果、スイッチング損失(=コレクタ電圧Vce×コレクタ電流Ic)も後者の場合より大きくなることが分かる。
したがって、時刻t2以降では第2MOSFET8をオンにしてスイッチング損失の領域を早く通過させることでスイッチング損失を減らすことができることになる。
すなわち、IGBT1aのゲートの電圧Vgeが所定電圧になったことをコンパレータ4で検出し、ゲート電圧Vgeが所定電圧以上であることを検出している間は、第2MOSFET8をオフにしておくようにしたので、従来装置の場合に比べ、より早くゲート充電電流の増量を行うことが可能となってIGBT1aのスイッチング損失をさらに減らすことができるとともに、帰還ダイオード1bの貫通電流を小さく抑えてノイズを低減することができるようになる。
また、第2MOSFET8をコンパレータ4と抵抗R4とで制御するので、安価な構成で済む。
また、ゲート電圧検出部やゲート電流増量スイッチ制御手段は、実施例とは異なる構成としてもよい。
また、コンパレータ4でオフするのは、第1MOSFET7および第2MOSFET8のいずれか一方であればよい。
また、本発明のインバータ制御装置は、電気自動車の電気モータへの適用に限られず、他の分野の装置にも適用することができる。
1a IGBT(パワー素子)
1b 帰還ダイオード
2 ゲート駆動回路
21 パルス指令部
3 ゲート電流増量スイッチ部
3a 第1ゲート電流増量スイッチ部
3b 第2ゲート電流増量スイッチ部
4 コンパレータ(ゲート電圧検出部、ゲート電流増量スイッチ部制御手段)
5 オン用MOSFET
6 オフ用MOSFET
7 第1MOSFET(ゲート電流増量スイッチ部)
8 第2MOSFET(ゲート電流増量スイッチ部)
9 ゲートオフ用MOSFET
10、11 帰還ダイオード
12、13、14 寄生ダイオード
15 定電圧部
C1 コンデンサ
R1〜R10 抵抗(R4:ゲート電流増量スイッチ部制御手段)
Claims (4)
- パワー素子と帰還ダイオードとが並列接続されたチョッパ回路を備え、前記パワー素子をオンオフ制御するインバータ装置において、
前記パワー素子のゲート充電電流を増やすゲート電流増量スイッチ部と、
前記パワー素子のゲートの電圧が所定電圧になったことを検出するゲート電圧検出部と、
前記ゲート電圧検出部にて前記ゲート電圧が前記所定電圧以上であることを検出している間は、前記ゲート電流増量スイッチ部をオフにしておくデート電流増量スイッチ部制御手段と、
を備えたことを特徴とするインバータ制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載のインバータ制御装置において、
前記所定電圧が、パワー素子の閾値である、
ことを特徴とするインバータ制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載のインバータ制御装置において、
前記ゲート電圧検出部は、
出力にオープンコレクタを有し、プラス入力に前記パワー素子の閾値電力に相当する定電圧を接続し、マイナス入力に前記パワー素子のゲートを接続するコンパレータで構成した、
ことを特徴とするインバータ制御装置。 - 請求項3に記載のインバータ制御装置において、
前記ゲート電流増量スイッチ部制御手段は、
前記ゲート電流増量スイッチ部のゲートに抵抗を介して駆動信号を印加するとともに、
前記コンパレータの出力を、前記ゲート電流増量スイッチ部を構成する素子のゲートに接続して、構成した、
ことを特徴とするインバータ制御装置。
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