JP2014221080A - 生食用生肉の風味改良変質防止法 - Google Patents

生食用生肉の風味改良変質防止法 Download PDF

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Abstract

【課題】薄味又は調味しない刺身状、スライス状又は一口大カット状の生食用生肉の食感、味質を損なわず、保存性を向上させる生食用生肉の風味改良変質防止法を提案する。【解決手段】酢酸ナトリウム(a)、有機酸及びその酸性塩(b)の少なくとも1種とグリシン及びDL−アラニン(c)の少なくとも1種を特定比率で含有し、pH5.5〜8.0の風味改良変質防液に浸漬し、水切りをして0〜25℃の温度下に保存する生食用の生肉風味改良変質防止法が、予想外に生食用の生肉の風味の改善と日持性向上に効果を示す。【選択図】なし

Description

本発明は生食用の食肉風味改良変質防止法、その方法により得られた生食用食肉に関する。
従来リゾチーム、アミノ酸またはその塩、有機酸またはその塩および酢酸塩を含有することを特徴とする食品日持向上剤(特許文献1)、コハク酸またはコハク酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、グリシン、フマル酸ナトリウム及び酢酸塩を含有することを特徴とする食品調味料製剤及びそれを含有する食品(特許文献2)、グルタミン酸塩、グリシン、アラニン、フマル酸塩、及び無水酢酸塩を含有することを特徴とする食品用調味組成物及びこれを含む食品(特許文献3)などが知られているが、これらはいずれも肉類の加熱加工食品または明太子のような高塩度食品に関するものである。これに対して、本発明は薄味または調味しない生食用の生肉に関するものである。
特開平8−196252号公報 特開2001−178393号公報 特開2007−44039号公報
本発明は生食用の食肉の食感、味質を損なわず、保存性を向上する風味改良変質防止剤及びそれを含有する食品を提供することにある。
魚介、畜肉などの生食用の食肉は、加熱食品と比べ初発菌数が極めて高いため鮮度が低下しやすく、室温下では、1日以上風味を損なわず、安全に摂食しうる状態に保存することが困難であった。しかし、コンビニエンスストアーやスーパーなどの流通形態の多様化や食に対するエコロジーの観点からも、今まで以上の長時間に亘って生食用食肉の保存性向上が求められている。特に刺身、寿司ネタなどの場合にその要望が強い。また、生肉は熱処理を施した加工肉類とは付着する細菌の種類も異なってくるので、加工肉類用の保存剤とは成分や使用の際の濃度も異なってくる。
そこで本発明者は上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、生食用魚介、畜肉などの生肉の変質を起こさせず、生肉の食感、味質の変化を損なわせず、室温(1〜30℃)保存下でこれまで以上の長期に亘って安全性を確保することができる生肉の風味改良、変質防止剤およびその方法を完成した。
即ち本発明は、
(1)酢酸ナトリウム(a)、有機酸及びその酸性塩(b)の少なくとも1種およびグリシン及びDL−アラニン(c)の少なくとも1種を含む生食用生肉の風味改良変質防止剤、
(2)酢酸ナトリウム(a)に対する有機酸及びその酸性塩(b)の少なくとも1種の混合割合が重量比で0.3〜33.3%、グリシン及びDL−アラニン(c)の少なくとも1種の混合割合が重量比で0.5〜60%である(1)記載の生食用生肉の風味改良変質防止剤、
(3)有機酸及びその酸性塩(b)がフマル酸、フマル酸一ナトリウム、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、酒石酸水素カリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、アジピン酸、乳酸、アスコルビン酸、フィチン酸、グルコン酸(グルコノデルタラクトンを含む)、酢酸、醸造酢から選ばれた少なくとも1種である(1)又は(2)記載の生食用生肉の風味改良変質防止剤、
(4)さらに有機酸の酸性塩以外の塩又は糖類を含有する(1)〜(3)記載の生食用生肉の風味改良変質防止剤、
(5)有機酸の酸性塩以外の塩が、クエン酸三ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、乳酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムの少なくとも1種である(4)記載の生食用生肉の風味改良変質防止剤、
(6)糖類がトレハロース、キシロース、アラビノース、グルコース、パラチノース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、蔗糖、乳糖、マルトース、デキストリン、マルチトール、パラチニット、ラクトール、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、還元澱粉加水分解物の少なくとも1種である(4)記載の生食用生肉の風味改良変質防止剤、
(7)(1)に記載の生食用生肉の風味改良変質防止剤を固形分として0.5〜25重量%含有する生食用生肉の水性浸漬液、
(8)生食用生肉の水性浸漬液中の酢酸ナトリウム(a)の濃度が0.3〜24.8重量%、有機酸及びその酸性塩(b)の少なくとも1種の濃度が0.01〜8.4重量%、グリジン及びDL−アラニン(c)の少なくとも1種の濃度が0.01〜15重量%である生食用生肉の風味改良変質防止用水性浸漬液、
(9)生食用生肉に対し0.5〜10重量倍の(7)または(8)記載の浸漬液に生肉を10秒〜1時間浸漬し、水切りをして30℃以下の温度下に保存する生食用生肉の風味改良変質防止法。
(10)(1)〜(6)のいずれかに記載の生食用生肉の風味改良変質防止剤を固形分として0.1〜6.5重量%含有させた生食用生肉、
である。
本発明の生食用生肉の風味改良変質防止剤において、酢酸ナトリウム(a)に対する有機酸及びその酸性塩(b)の少なくとも1種の混合割合は重量比で、0.3〜33.3%、好ましくは0.5〜23.1%、さらに好ましくは1.0〜16.7%である。
本発明の風味改良変質防止剤において、酢酸ナトリウム(a)に対するグリシン及びDL−アラニン(c)の合計量の割合は重量比で、0.5〜60%、好ましくは1.0〜50%、さらに好ましくは2.0〜44.4%である。
本発明の生食用生肉の風味改良変質防止剤を含有させた水溶液は、浸漬用の生食用生肉の風味改良変質防止用の製剤水溶液として便宜に使用することができる。
この製剤水溶液中、即ち水性浸漬液中の成分(固形分)の含有割合は、0.5〜25重量%、好ましくは1〜20重量%、さらに好ましくは2〜17重量%である。ただし、原料として用いた成分が液体(溶液)の場合は、無水物換算した値を固形分とする。
又、この水性浸漬液中の酢酸ナトリウムの濃度は、通常0.3〜24.8重量%、好ましくは0.6〜20重量%、さらに好ましくは0.9〜16.5重量%である。浸漬液中の有機酸及びその酸性塩の合計量の濃度は、通常0.01〜8.4重量%、好ましくは0.015〜4.7重量%、さらに好ましくは0.04〜2.9重量%である。また、浸漬液中のグリシンおよびDL−アラニンの合計量の濃度は、通常0.01〜15重量%、好ましくは0.015〜10重量%、さらに好ましくは0.04〜7.6重量%である。
本発明における生食用食肉に含浸される風味改良変質防止剤(固形分)は、生食用食肉に対して、通常0.1〜6.5重量%、好ましくは0.5〜5.5重量%、さらに好ましくは1〜4.5重量%である。
本発明の風味改良変質防止水性製剤のpHは添加量、酸濃度及び食肉の種類にもよるが1%の水溶液として5.5〜8.0、好ましくは5.6〜7.5、さらに好ましくは5.7〜7.0である。
本発明に用いる有機酸及びその酸性塩類としては、例えばフマル酸、フマル酸一ナトリウム、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、酒石酸水素カリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、アジピン酸、乳酸、アスコルビン酸、フィチン酸、グルコン酸(グルコノデルタラクトンを含む)酢酸、醸造酢等があげられる。
有機酸及びその酸性塩類の中で好ましくはフマル酸一ナトリウム、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、酒石酸水素カリウム、乳酸、アスコルビン酸、フィチン酸、グルコン酸(グルコノデルタラクトンを含む)さらに好ましくはフマル酸一ナトリウム、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、アスコルビン酸、フィチン酸、グルコン酸(グルコノデルタラクトンを含む)である。
本発明で用いる有機酸の酸性塩以外の塩としては、クエン酸三ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、乳酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等があげられる。これらの有機酸塩の中で好ましいのはクエン酸三ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウムであり、さらに好ましいのはクエン酸三ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、乳酸ナトリウムである。
本発明では風味改良変質防止のためにさらにアルカリ剤を適宜用いてもよい。アルカリ剤としては、食品への添加が許可されており、且つその水溶液がアルカリ性を呈するものをいい、たとえばオルトリン酸塩およびピロ、メタ、ポリリン酸等の重合リン酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩や、焼成カルシウム、酸化カルシウム等のアルカリ土類金属の酸化物等が挙げられる。
本発明で用いる糖類としてはトレハロース、キシロース、アラビノース、グルコース、パラチノース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、蔗糖、乳糖、マルトース、デキストリン、マルチトール、パラチニット、ラクトール、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、還元澱粉加水分解物等が挙げられる。糖類の中で好ましくはトレハロース、パラチノース、マルトース、デキストリン、マルチトール、パラチニット、エリスリトール、ソルビトール、還元澱粉加水分解物、さらに好ましくはトレハロース、マルチトール、パラチニット、エリスリトール、ソルビトール、還元澱粉加水分解物である。
本発明品の製剤の形状は粉末状、ペースト状、液状等特に限定するものではないが、組み合わせる有機酸が液状である場合、液体製剤にすると良い。
また、風味改良変質防止剤の各成分は生食用の食肉に対してそれぞれ単体もしくは製剤化したものを添加することができる。
本発明における生食用の食肉への風味改良変質防止剤の添加法としては、常圧又は陰圧下で、必要により冷却、解凍などの温度調節を行った食肉に製剤を混合、練合したり、それらを含む浸漬液に浸漬する、漬け込む、まぶす、塗布する方法や、タンブラー等でタンブリングやインジェクトで浸漬液を浸入させる方法等があるが、生肉の原木や柵を食べやすいスライス状、刺身状又は一口大にカットしたもの等は水性製剤を浸漬液として漬け込む方法が良い。
また、生肉の水性製剤への浸漬時の食肉と浸漬液の混合割合は、生肉が重ならない状態で、十分に漬かる量が望ましい。重量比でいえば、浸漬液が食肉の0.5倍から10倍、好ましくは0.7倍から5倍、より好ましくは等倍から3倍である。
生食用の生肉に対する本発明の浸漬液の浸漬時間は、生肉の種類、その大きさ、浸漬液の種類や濃度にもよるが、通常−5〜25℃下で10秒〜1時間、好ましくは20秒〜40分、より好ましくは30秒〜20分である。
保存温度は、なるべく30℃以下、できれば0〜25℃とするのがよい。又急速冷凍して保存することもできる。
本発明の生食用生肉の風味改良変質防止剤を含浸させた生肉は、他の保存条件にもよるが、30℃以下では処理後24時間以上、10℃以下では72時間以上、良好な風味を維持し、食の安全性を保持することができる。
本発明の生食用の食肉には、畜肉類、鳥肉類、魚介類があげられる。畜肉類としては例えば牛、豚、馬、羊、カンガルーなどの獣肉、鳥肉類としては鶏、鴨、鳩、アヒル、七面鳥、ガチョウなどの家禽の肉類等があげられる。魚介類の肉としては、例えば鯛、ひらめ、たら等の白身魚やマグロ等の赤身魚、サバ、アジ、ブリ、かんぱち等の青物、鯰、うなぎ、サーモン等の魚肉、ハマグリ、アサリ、とり貝、赤貝、ホタテ貝等の貝類(貝柱を含む)、エビ、カニ等の甲殻類、いか、たこ等の軟体動物の肉や鯨肉等があげられる。これらに風味改良変質防止剤を添加する場合、スライス状、刺身状、又は一口大にカットすると短時間で均一に製剤を含浸させることができる。
本発明の風味改良変質防止剤及びこれを含む生食用の食肉は、目的に応じ各種の添加物、例えば甘味料、多価アルコール、調味料、糊料、油脂、香辛料及びその抽出物、ポリリジン、プロタミン、ナイシン、リゾチーム等の抗菌剤、保存料や酸化防止剤を製剤に加えてもよいし、製剤使用時に併用してもよい。
本発明の風味改良変質防止剤及びこれを含む生食用の食肉は、初発菌数を低減させるための一次処理として、食品の殺菌剤としての使用が許可されている殺菌剤、例えば次亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素などの殺菌剤で処理することができる。一次処理した後は、液切り、水洗いの直ぐ後に本発明の製剤、特に浸漬液に浸漬して引き上げ、液切りして30℃以下の温度で保存するだけで、少なくとも24時間以上、通常2日以上の長期に亘り、生食用生肉の風味を改善すると共に、品質を防止することができる。
以下に実施例、比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。
風味改良変質防止剤(製剤)の調製
粉末製剤(A)、(C)、(D)は、表1に掲げた各原料を秤量、篩過し、合わせて均一に混合し粉末製剤とした。
液体製剤(B)、(E)、(F)、(G)、(H)、(I)、(J)、(K)および(L)、(M)は、各原料を秤量、混合し、その所定量を水に溶解させ、液体製剤とした。

マグロ(生)の柵(約15×5cm、約170g)を50ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液に常温で30秒間浸漬し、水洗後柵を一枚10〜15g程度の刺身用にカットした。実施例1の製剤(A)で3及び4%水溶液を調製し、マグロの切り身を製剤溶液に常温で1:3の重量比率で1分間浸漬した。マグロの切り身を浸漬液から引き上げ、液切り後、10名からなる熟練したパネリストが無添加品を対照とし、それぞれ風味、外観を比較した。続いて10℃で保存試験を行った。結果は表3の通りであった。

次亜塩素酸ナトリウム水溶液浸漬前初発…一般生菌数(cells/g):5.7×103
大腸菌群数(cells/g):2.0×10
各生肉の加工直後に行ったパネラー(10名)による官能テスト結果
2−1 生臭い:10名
2−2 生臭さが消えて風味良好。外観は2−1と変わらない:9名、
少し生臭さが残っているが、外観は2−1と変わらない:1名
2−3 生臭さが消えて風味良好、僅かに塩味。外観は2−1の対照と変わらない:10名
サーモン(生)の柵(約15×5cm、約170g)を50ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液に常温で30秒間浸漬し、水洗後柵を一枚10〜15g程度の刺身用にカットする。実施例1の製剤(B)で12、16及び20%水溶液を調製し、サーモンの切り身と製剤溶液を常温で1:3の重量比率で1分間浸漬した。液切り後、10名からなる熟練したパネリストが無添加品を対照とし、それぞれ風味、外観を比較した。続いて10℃で保存試験を行った。結果を表5に記載した。

次亜塩素酸ナトリウム水溶液浸漬前初発…一般生菌数(cells/g):6.7×103
大腸菌群数(cells/g):2.2×102
各生肉の加工直後に行ったパネラー(10名)による官能テスト結果
3−1 生臭い:10名
3−2 生臭さが消えて風味良好。外観は3−1と変わらない:8名
僅かに生臭さが残るが、外観は3−1と変わらない:2名
3−3 生臭さが消えて風味良好。外観は3−1と変わらない:10名
3−4 生臭さが消えて風味良好。僅かに塩味あり。外観は3−1の対照と変わらない:10名
刺身用の真鯛(約130g)、かんぱち(230g)、サーモン(210g)の柵(生)をそれぞれ50ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液に常温で30秒間浸漬し、水洗後柵を一枚10〜15g程度の刺身用にカットした。実施例1の製剤(C)で6.5%水溶液を調製し、各切り身と製剤溶液を常温で1:3の重量比率で1分間浸漬した。液切り後、10名からなる熟練したパネリストが無添加品を対照とし、それぞれ風味、外観を比較した。続いて8℃で保存試験を行った。結果を表7に記載した。
各生肉の加工直後に行ったパネラー(10名)による官能テスト結果
真鯛
4−1 僅かに生臭い:10名
4−2 生臭さが取れて風味良好。外観は4−1と変わらない:8名
4−3 生臭さが取れて風味良好。わずかに塩味。外観は4−1と変わらない:8名
パネラー10人中8人が対照の4−1に比べて4−2、4−3は生臭みがとれ風味良好であるとの評価であった。2名は、僅かに生臭みが残っているとの評価であった。外観はパネラー10人全員4−1と変わらないとの評価であった。

かんぱち
4−4 生臭い:10名
4−5 生臭さが取れて風味良好。外観は4−1と変わらない:10名
4−6 生臭さが取れて風味良好。外観は4−1と変わらない:10名

サーモン
4−7 生臭い:10名
4−8 生臭さが取れて風味良好。外観は4−1と変わらない:10名
4−9 生臭さが取れて風味良好。外観は4−1と変わらない:10名
サーモンの柵(約15×5cm、約170g)を一枚10〜15g程度の刺身用にカットした。実施例1の製剤(D)で各濃度の水溶液を調製し、サーモンの切り身と製剤溶液を常温で1:3の重量比率で5分間浸漬した液切り後、10名からなる熟練したパネリストが無添加品を対照とし、それぞれ風味、外観を比較した。続いて25℃で保存試験を行いその結果を表9に記載した。
各生肉の加工直後に行ったパネラー(10名)による官能テスト結果
5−1 生臭い:10名
5−2 生臭さが取れて風味良好。僅かに塩味。外観は5−1の対照と変わらない:10名
5−3 生臭さが取れて風味良好。僅かに塩味。外観は5−1の対照と変わらない:10名
5−4 生臭さが取れて風味良好。少し塩味。外観は5−1の対照と変わらない:10名
実施例1の製剤(E)で各濃度の水溶液を調製し、殻剥き生甘エビ(一尾約4g×25尾)と製剤溶液を常温で1:3の重量比率で8分間浸漬する。液切り後、10名からなる熟練したパネリストが無添加品を対照とし、それぞれ風味、外観を比較する。続いて25℃で保存試験を行った。
各生肉の加工直後に行ったパネラー(10名)による官能テスト結果
6−1 やや生臭い:10名
6−2 生臭さが取れて風味良好。僅かに塩味。外観は6−1の対照と変わらない:10名
6−3 生臭さが取れて風味良好。少し塩味。外観は6−1の対照と変わらない:10名
6−4 生臭さが取れて風味良好。少し塩味。外観は6−1の対照と変わらない:10名
6−1に比べて6−2、6−3、6−4は生臭みがとれパネラー10人共に良好であるとの評価であった。外観はパネラー10人共に全て6−1と変わらないとの評価であった。
サーモンの柵(約15×5cm、約170g)を一枚10〜15g程度の刺身用にカットする。実施例1の製剤(E)、比較例(L)、(M)剤でそれぞれ60重量%の水溶液を調製し、サーモンの切り身と製剤溶液を常温で1:3の重量比率で5分間浸漬する。液切り後、10名からなる熟練したパネリストが無添加品を対照とし、それぞれ風味、外観を比較する。続いて25℃で保存試験を行った。
各生肉の加工直後に行ったパネラー(10名)による官能テスト結果
7−1 生臭い:10名
7−2 生臭さが取れて風味良好。僅かに塩味。外観は7−1の対照と変わらない:10名
7−3 生臭さは取れていたが塩味があり、えぐ味が残る:10名
7−4 生臭さが取れて風味良好。少し塩味。外観は7−1の対照と変わらない:6名
生臭さは取れていたが塩味があり、僅かにえぐ味が残る。外観は7−1の対照と変わらない:4名
7−2(本発明)は7−1(無添加)と比べ生臭さが取れパネラー10人共に風味良好との評価であった。7−3(比較例)は塩味が強く、えぐ味があり、パネラー10人全員同一評価であった。7−4(比較例)は10人中6人良好との評価であったが、本発明品と比べ塩味が濃く、日持ち向上効果が劣った。
サーモンの柵(約15×5cm 約170g)を一枚10〜15g程度の刺身用にカットする。実施例1の製剤(E)、(F)、(G)、(H)、(I)でそれぞれ60重量%の水溶液を調製し、サーモンの切り身と製剤溶液を常温で1:3の重量比率で5分間浸漬する。液切り後、10名からなる熟練したパネリストが無添加品を対照とし、それぞれ風味、外観を比較する。続いて25℃で保存試験を行った。
各生肉の加工直後に行ったパネラー(10名)による官能テスト結果
8−1 生臭い:10名
8−2 生臭さが取れて風味良好。僅かに塩味。外観は8−1の対照と変わらない:10名
8−3 生臭さが取れて風味良好。後味がすっきりとして良好。外観は8−1の対照と変わらない:10名
8−4 生臭さが取れて風味良好。やや後味がすっきりとして良好。外観は8−1の対照と変わらない:10名
8−5 生臭さが取れて風味良好。やや後味がすっきりとして良好。外観は8−1の対照と変わらない:10名
8−6 生臭さが取れて風味良好。僅かに塩味。外観は8−1の対照と変わらない:10名
8−1に比べて8−2、8−3、8−4、8−5、8−6は生臭みがとれパネラー10人共に良好であるとの評価であった。後味については8−2、8−6については同程度の僅かな塩味を感じたが、8−6、8−5、8−4、8−3の順に後味がすっきりとして良好との評価であった。外観はパネラー10人共に全て8−1と変わらないとの評価であった。
サーモンの柵(約15×5cm、約170g)を一枚10〜15g程度の刺身用にカットした。実施例1の製剤(J)で各濃度の水溶液を調製し、サーモンの切り身と製剤溶液を常温で1:3の重量比率で1分間浸漬した液切り後、10名からなる熟練したパネリストが無添加品を対照とし、それぞれ風味、外観を比較した。続いて4℃で保存試験を行い祖の結果を表17に記載した。
各生肉の加工直後に行ったパネラー(10名)による官能テスト結果
9−1 生臭い:10名
9−2 やや生臭さが取れて風味良好。外観は9−1の対照と変わらない:10名
9−3 生臭さが取れて風味良好。外観は9−1の対照と変わらない:10名
刺身用のかんぱち(230g)の柵(生)をそれぞれ50ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液に常温で30秒間浸漬し、水洗後柵を一枚10〜15g程度の刺身用にカットした。実施例1の製剤(K)で60.0%水溶液を調製し、各切り身と製剤溶液を常温で1:3の重量比率で5分間浸漬した。液切り後、10名からなる熟練したパネリストが無添加品を対照とし、それぞれ風味、外観を比較した。続いて25℃で保存試験を行った。結果を表19に記載した。
各生肉の加工直後に行ったパネラー(10名)による官能テスト結果

かんぱち
10−1 生臭い:10名
10−2 生臭さが取れて風味良好。外観は10−1と変わらない:10名
生食用の牛生肉のブロックを一枚10〜15g(厚み1〜2mm)程度の刺身用にスライスカットした。実施例1の製剤(E)で各濃度の水溶液を調製し、牛生肉の切り身と製剤溶液を常温で1:3の重量比率で各時間浸漬した液切り後、10名からなる熟練したパネリストが無添加品を対照とし、それぞれ風味、外観を比較した。続いて13℃で保存試験を行いその結果を表21に記載した。

処理前の初発菌数… 一般性菌数(cells/g): 2.0×104
大腸菌群数(cells/g): 2.5×102
各生肉の加工直後に行ったパネラー(10名)による官能テスト結果
11−1 血の味が濃く生臭い:10名
11−2 生臭さが取れて風味良好。外観は11−1の対照と変わらない:10名
11−3 生臭さが取れて風味良好。外観は11−1の対照と変わらない:10名
11−4 生臭さが取れて風味良好。外観は11−1の対照と変わらない:10名
11−5 生臭さが取れて風味良好。外観は11−1の対照と変わらない:10名
11−6 生臭さが取れて風味良好。僅かに塩味。外観は11−1の対照と変わらない:10名
11−7 生臭さが取れて風味良好。僅かに塩味。外観は11−1の対照と変わらない:10名

Claims (5)

  1. 薄味又は調味しない刺身状、スライス状又は一口大カット状の生食用生肉を、その0.5〜5重量倍の風味改良変質防止用水性浸漬液に10秒〜1時間浸漬し、水切りをして0〜25℃の温度下に保存する生食用生肉の風味改良変質防止法であって、その風味改良変質防止用水性浸漬液が、酢酸ナトリウム(a)を0.3〜24.8重量%、有機酸及びその酸性塩(b)の少なくとも1種を0.01〜8.4重量%、グリシン及びDL−アラニン(c)の少なくとも1種を0.01〜15重量%溶解し、且つ(a)に対する(b)の割合が0.3〜33.3重量%、(a)に対する(c)の割合が0.5〜60重量%であり、且つpHが5.5〜8.0である生食用生肉の風味改良変質防止法。
  2. 有機酸及びその酸性塩(b)がフマル酸、フマル酸一ナトリウム、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、酒石酸水素カリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、アジピン酸、乳酸、アスコルビン酸、フィチン酸、グルコン酸(グルコノデルタラクトンを含む)、酢酸、醸造酢から選ばれた少なくとも1種である請求項1記載の生食用生肉の風味改良変質防止法。
  3. 風味改良変質防止用水性浸漬液がさらに有機酸の酸性塩以外の塩又は糖類を含有する請求項1または2記載の生食用生肉の風味改良変質防止法。
  4. 有機酸の酸性塩以外の塩が、クエン酸三ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、乳酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムの少なくとも1種である請求項3記載の生食用生肉の風味改良変質防止法。
  5. 糖類がトレハロース、キシロース、アラビノース、グルコース、パラチノース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、蔗糖、乳糖、マルトース、デキストリン、マルチトール、パラチニット、ラクトール、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、還元澱粉加水分解物の少なくとも1種である請求項3記載の生食用生肉の風味改良変質防止法。
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