JP2014218228A - ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】チルト調節時にステアリングホイールと共に移動しない被規制部材(固定側板29L)に、チルトロック用の固定歯列80を設ける。チルト調節時にステアリングホイールと共にチルト方向Yに移動する可動部材(締付部材としての第2カム40)に、チルトロック用の可動歯列90を設ける。可動歯列90は第1可動歯91と第2可動歯92を備える。第1可動歯91の歯先部としてのR状部95の第1曲率半径R1を、第2可動歯92の歯先部としてのR状部98の第2曲率半径R2よりも小さくする(R1<R2)ことで、第1可動歯91の歯たけH1を、第2可動歯92の歯たけH2よりも高くする(H1>H2)。第1可動歯91が先に固定歯列80の対応する固定歯81と噛み合う。
【選択図】図7
Description
そこで、本発明の目的は、ハーフロックを抑制でき、且つ製造し易いステアリング装置を提供することである。
また、請求項2のように、前記ステアリングホイールが一端に連結されたステアリングシャフトを回転可能に支持するコラムジャケット(11)と、挿通溝が形成されて前記コラムジャケットに固定されたコラム側板(22L)と、を備え、前記被規制部材は、前記固定歯列をチルトロック用として有し、チルト方向(Y)に延びるチルト溝(36L)が形成された固定側板(29L)であり、前記固定側板のチルト方向の上端(29LU)が、車体(14)に固定される固定端であって、前記固定側板のチルト方向の下端(29LL)が、チルトロックが解除された状態で前記固定端よりも外側方に配置される自由端であり、前記締付機構は、前記固定側板のチルト溝と前記コラム側板の挿通溝(28L)とを挿通する締付軸(21)と、前記可動歯列をチルトロック用として有し、前記締付軸によって軸方向(K)に移動可能に支持されて前記固定側板を前記コラム側板側へ締め付け、チルト調節時に前記可動部材として機能する締付部材(40)と、を含み、前記固定歯列の固定歯および前記可動歯列の可動歯のそれぞれは、チルト方向に並び、前記可動歯列は、前記第1歯としての第1可動歯(91;91A;91C)と、前記第2歯としての第2可動歯(92)とを含み、前記第1可動歯は、前記締付軸の中心軸線(C1)よりもチルト方向の下方に配置されていてもよい。
また、請求項4のように、前記第1可動歯の歯幅(W1)が、前記第2可動歯の歯幅(W2)よりも短くされていてもよい。
また、請求項5のように、前記可動歯列は、前記第1可動歯の歯すじ方向に隣接し且つ前記第2可動歯とチルト方向に対向する領域として、欠歯領域(NT)を含んでいてもよい。
また、請求項7のように、前記可動歯列は、前記第1可動歯の歯すじ方向に隣接し且つ前記第2可動歯とチルト方向に対向する領域に、第1可動歯と歯すじ方向に連続する第3可動歯(100C)を含み、前記第3可動歯の歯たけ(H3C)が、前記第1可動歯から歯すじ方向に遠ざかるにつれて前記第1可動歯の歯たけ(H1C)と等しい歯たけから連続的または段階的に低くされていてもよい。
また、請求項9のように、前記ステアリングホイールが一端に連結されたステアリングシャフトを回転可能に支持しテレスコ調節時にテレスコ方向に移動するコラムジャケットと、前記可動歯列(90D)をテレスコロック用として有し、前記コラムジャケットに固定されてテレスコ調節時に前記可動部材として機能するコラム側板(22L)と、を備え、前記固定歯列(80D)の固定歯および前記可動歯列の可動歯のそれぞれは、テレスコ方向に並び、前記固定歯列は、前記第1歯としての第1固定歯(81D)と、前記第2歯としての第2固定歯(82D)とを含んでいてもよい。
また、請求項4の発明によれば、第1可動歯の歯幅を第2可動歯の歯幅よりも短くすることにより、チルトロック時のハーフロックの発生を一層抑制することができる。
また、請求項6の発明によれば、可動歯列において、第1可動歯の歯すじ方向に隣接し且つ前記第2可動歯とチルト方向に対向する領域に、第2可動歯の歯形と等しい歯形を持つ第3可動歯を設けることで、ハーフロックの発生をより一層抑制しつつ、ロック時の両歯列の噛み合い強度を向上することができる。
また、請求項8のように、第3可動歯の歯先部としてのR状部の曲率半径が、第1可動歯から歯すじ方向に遠ざかるにしたがって連続的または段階的に大きくされることで、第3可動歯の歯たけを所望に設定することができ、製造し易い。
図1は本発明の一実施形態のステアリング装置の概略構成を示す模式図である。図1を参照して、ステアリング装置1は、ステアリングホイール2と、ステアリングホイール2の操舵に連動して転舵輪(図示せず)を転舵するステアリング機構3とを備えている。ステアリング機構3としては、例えばラックアンドピニオン機構が用いられている。
チルト中心軸16を支点にしてステアリングシャフト4およびステアリングコラム8をチルト方向Yに回動(チルト)させることで、ステアリングホイール2の位置を調整できるようになっている(いわゆるチルト調整)。また、ステアリングシャフト4およびステアリングコラム8を軸方向(テレスコ方向X)に伸縮させることで、ステアリングホイール2の位置を調整できるようになっている(いわゆるテレスコ調整)。
固定側板29Lは、固定端であるチルト方向Yの上端29LUと、自由端であるチルト方向Yの下端29LLとを有している。また、固定側板29Rは、固定端であるチルト方向Yの上端29RUと、自由端であるチルト方向Yの下端29RLとを有している。固定ブラケットの模式図である図5に示すように、チルトロック状態(図5において二点鎖線で示す)から、チルトロックが解除された状態(図5において、実線で示す)になると、各固定側板29L,29Rは、弾性復元力によって、下端29LL,29RLに近づくほど外側方へ変位するように開く傾向にある。すなわち、両固定側板29L,29Rが、ハの字状に拡がる傾向にある。
また、固定ブラケット18の各固定側板29L,29Rの内側面29Lb,29Rbが、可動ブラケット17の対応する可動側板22L,22Rの外側面22La,22Raに対向している。各固定側板29L,29Rには、図2において上下方向(図1のチルト方向Yに相当)に延びる縦長のチルト溝36L,36Rが、それぞれ形成されている。締付機構19の締付軸21は、一対のテレスコ溝28L,28Rおよび一対のチルト溝36L,36Rに挿通されている。
具体的には、締付機構19は、前記操作レバー20と中心軸線C1回りに一体回転可能であってチルト溝36L,36Rおよびテレスコ溝28L,28Rを挿通する前記締付軸21と、締付軸21の一端部に形成されたねじ部に螺合するナット37と、締付軸21の軸部21bの外周に嵌合されて両側板29L,22L;29R,22Rを締め付けるための第1カム38および締付部材としての第2カム40とを備えている。また、締付機構19は、第1締付部材60と、第2締付部材70と、ナット37と、ロアージャケット12をチルト方向Yの上方へ押圧するための押上カム50等を備えている。第1カム38と第2カム40(締付部材)とで、カム機構CMが構成されている。
本実施形態では、図1および後述する図3に示すように、操作レバー20側(左側)の固定側板29Lにおける、チルト溝36Lの第1縁部36L1(右側の縁部)のみに、固定歯列80が形成されている。固定歯列80は、チルト方向Yに並ぶ同一仕様の複数の固定歯81により構成されている。第2縁部36L2(左側の縁部)は、平坦面に形成されている。
図3を参照して、第2カム40は、左側の固定側板29Lの外側面29Laにおけるチルト溝36Lの第1縁部36L1(右側の縁部)を締め付ける第1締付部41と、左側の固定側板29Lの外側面29Laにおけるチルト溝36Lの第2縁部36L2(左側の縁部)を締め付ける第2締付部42と、第1締付部41と第2締付部42との間に設けられてチルト溝36L内に挿入されるチルト案内部43と、チルト案内部43から延設され(左側の)テレスコ溝28L内に挿入されるテレスコ案内部44とを備えている。
第1可動歯91は、互いに逆向きに傾斜する第1歯面93および第2歯面94と、第1歯面93と第2歯面94との間を連結する歯先部としてのR状部95とを含む。一方、第2可動歯92は、互いに逆向きに傾斜する第1歯面96および第2歯面97と、第1歯面96と第2歯面97との間を連結する歯先部としてのR状部98とを含む。第1可動歯91の圧力角と第2可動歯92の圧力角は互いに等しくされている。図示していないが、圧力角は、歯形上の任意の点を通る半径線と歯形の接線とのなす角度のことである。換言すると、半径線に対する歯面の傾きに相当する。
チルト案内部43は、締付機構19による締付が解除された状態で行われるチルト調節時に、チルト溝36L内での締付軸21のチルト方向Yへの移動を案内する機能を果たす。チルト方向Yに関するチルト案内部43の長さである第1長さL1が、チルト方向Yとは直交する方向YAに関するチルト案内部43の長さである第2長さL2よりも大きくされている(L1>L2)。
締付軸21の一端部に螺合されたナット37と固定ブラケット18の他方の固定側板29との間には、第1介在部材60と第2介在部材70とが介在している。
第2介在部材70は、第1介在部材60の締付部61とナット37との間に介在するスラストワッシャ71と、スラストワッシャ71と第1介在部材60の締付部61との間に介在するスラスト用の針状ころ軸受72とを備えている。針状ころ軸受72を含む第2介在部材70の働きで、ナット37が締付軸21とともにスムーズに回転できるようになっている。
ロアージャケット12は、金属チューブ47と、金属チューブ47の外周に嵌合された樹脂チューブ48とを備えている。樹脂チューブ48には、複数の凸部49がその周方向Zに間隔を隔てて形成されている。図示はしないが、複数の凸部49は、樹脂チューブ48の軸方向に間隔を隔てた複数の箇所に形成されている。なお、樹脂チューブ48が廃止されて、凸部49が、金属チューブ47の外周に形成されていてもよい。
また、チルトロックが解除された状態では、図5に示すように、固定側板29L,29Rのチルト方向Yの下端29LL,29RL(自由端)側が外側方へ拡がる傾向にあり、固定側板29Lに設けられたチルトロック用の固定歯列80も、チルト方向Yの下端に近いほど、外側方に配置される傾向にある。したがって、締付軸21の中心軸線C1よりもチルト方向Yの下方に配置された高い歯たけH1を持つ第1可動歯91が、固定歯列80の対応する固定歯81と一層噛み合い易くなる。その結果、チルトロック時に、ハーフロックの発生を一層抑制することができる。
(第2実施形態)
次いで、図8および図9は本発明の第2実施形態に係る可動歯列90Aを示している。図8および図9を参照して、第2実施形態が、図4の第1実施形態と主に異なるのは、下記である。すなわち、図4の第1実施形態の可動歯列90では、第1可動歯91と第2可動歯92の歯幅は互いに等しくされている。
次いで、図10は、第2実施形態の変更例としての、本発明の第3実施形態に係る可動歯列90Bを示している。図10を参照して、本第3実施形態が、図9の第2実施形態の可動歯列90Aと異なるのは、下記である。すなわち、図9の第2実施形態の可動歯列90Aでは、歯幅の狭い第1可動歯91Aの歯すじ方向に隣接する領域は、欠歯領域NTとされ、平坦部Pにより構成されている。
(第4実施形態)
次いで、図11および図12は、第3実施形態の変更例としての、本発明の第4実施形態に係る可動歯列90Cを示している。図11を参照して、本第4実施形態が、図10の第3実施形態と異なるのは、下記である。すなわち、図10の第3実施形態の可動歯列90Bでは、第1可動歯91Aの歯すじ方向に隣接し且つ第2可動歯92と歯厚方向(チルト方向Y)に対向する領域に、第2可動歯92の歯形と等しい歯形を持つ第3可動歯100を設けている。
本第4実施形態によれば、ハーフロックの発生をより一層抑制しつつ、ロック時の可動歯列90Cと固定歯列(図示せず)との噛み合い強度を向上することができる。第3可動歯100Cの歯先部としてのR状部101Cの曲率半径が、第1可動歯91Cから歯すじ方向に遠ざかるにしたがって漸次に大きくされることで、第3可動歯100Cの歯たけH3Cを所望に設定することができ、製造し易い。
前述した第1〜第4実施形態は、チルトロック用の固定歯列と可動歯列を設けている。これに対して、図13に示す第5実施形態では、テレスコロック用の固定歯列80Dと可動歯列90Dを設けている。
そこで、テレスコ調節時に被規制部材としての機能する第2カム40Dに、テレスコロック用の固定歯列80Dを設け、テレスコ調節時に可動部材として機能するコラム側板22Lに、テレスコロック用の可動歯列90Dを設ける。
第1固定歯81Dは、互いに逆向きに傾斜する第1歯面83Dおよび第2歯面84Dと、第1歯面83Dと第2歯面84Dとの間を連結する歯先部としてのR状部85Dとを含む。一方、第2固定歯82Dは、互いに逆向きに傾斜する第1歯面86Dおよび第2歯面87Dと、第1歯面86Dと第2歯面87Dとの間を連結する歯先部としてのR状部88Dとを含む。第1固定歯81Dの圧力角と第2固定歯82Dの圧力角は互いに等しくされている。
本第5実施形態によれば、ハーフロックの発生を抑制することができる。また、第1固定歯81Dの圧力角と第2固定歯82Dの圧力角とは等しくされているので、製造し易い。
Claims (9)
- チルト調整またはテレスコ調整のときに、ステアリングホイールとともに変位することが規制される被規制部材と、
チルト調整またはテレスコ調整のときに、前記ステアリングホイールとともに変位する可動部材と、
操作レバーの回転操作に応じて締付方向に沿って前記可動部材と前記被規制部材を締め付ける締付機構と、
前記被規制部材に設けられた固定歯列と、
前記可動部材に設けられ、前記固定歯列と噛合可能な可動歯列と、を備え、
前記固定歯列および前記可動歯列の何れか一方は、少なくとも1つの第1歯と、残りの第2歯と、を含み、
前記第1歯と前記第2歯の圧力角は互いに等しくされ、
前記第1歯の歯先部としてのR状部の第1曲率半径を、前記第2歯の歯先部としてのR状部の第2曲率半径よりも小さくすることにより、前記第1歯の歯たけを、前記第2歯の歯たけよりも高くしているステアリング装置。 - 請求項1において、前記ステアリングホイールが一端に連結されたステアリングシャフトを回転可能に支持するコラムジャケットと、
挿通溝が形成されて前記コラムジャケットに固定されたコラム側板と、を備え、
前記被規制部材は、前記固定歯列をチルトロック用として有し、チルト方向に延びるチルト溝が形成された固定側板であり、
前記固定側板のチルト方向の上端が、車体に固定される固定端であって、前記固定側板のチルト方向の下端が、チルトロックが解除された状態で前記固定端よりも外側方に配置される自由端であり、
前記締付機構は、前記固定側板のチルト溝と前記コラム側板の挿通溝とを挿通する締付軸と、前記可動歯列をチルトロック用として有し、前記締付軸によって軸方向に移動可能に支持されて前記固定側板を前記コラム側板側へ締め付け、チルト調節時に前記可動部材として機能する締付部材と、を含み、
前記固定歯列の固定歯および前記可動歯列の可動歯のそれぞれは、チルト方向に並び、 前記可動歯列は、前記第1歯としての第1可動歯と、前記第2歯としての第2可動歯とを含み、
前記第1可動歯は、前記締付軸の中心軸線よりもチルト方向の下方に配置されているステアリング装置。 - 請求項2において、前記第1可動歯は、前記可動歯列のなかでチルト方向の最も下方に単一で設けられているステアリング装置。
- 請求項2または3において、前記第1可動歯の歯幅が、前記第2可動歯の歯幅よりも短くされているステアリング装置。
- 請求項4において、前記可動歯列は、前記第1可動歯の歯すじ方向に隣接し且つ前記第2可動歯とチルト方向に対向する領域として、欠歯領域を含むステアリング装置。
- 請求項4において、前記可動歯列は、前記第1可動歯の歯すじ方向に隣接し且つ前記第2可動歯とチルト方向に対向する領域に、前記第2可動歯の歯形と等しい歯形を持つ第3可動歯を含むステアリング装置。
- 請求項4において、前記可動歯列は、前記第1可動歯の歯すじ方向に隣接し且つ前記第2可動歯とチルト方向に対向する領域に、第1可動歯と歯すじ方向に連続する第3可動歯を含み、
前記第3可動歯の歯たけが、前記第1可動歯から歯すじ方向に遠ざかるにつれて前記第1可動歯の歯たけに等しい歯たけから連続的または段階的に低くされているステアリング装置。 - 請求項7において、前記第3可動歯の歯先部としてのR状部の曲率半径が、前記第1可動歯から歯すじ方向に遠ざかるにしたがって前記第1可動歯の第1曲率半径と等しい曲率半径から連続的または段階的に大きくされているステアリング装置。
- 請求項1において、前記ステアリングホイールが一端に連結されたステアリングシャフトを回転可能に支持しテレスコ調節時にテレスコ方向に移動するコラムジャケットと、
前記可動歯列をテレスコロック用として有し、前記コラムジャケットに固定されてテレスコ調節時に前記可動部材として機能するコラム側板と、を備え、
前記固定歯列の固定歯および前記可動歯列の可動歯のそれぞれは、テレスコ方向に並び、
前記固定歯列は、前記第1歯としての第1固定歯と、前記第2歯としての第2固定歯とを含むステアリング装置。
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