JP2014216334A - 光発電素子 - Google Patents

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英治 小林
拓也 本田
Takuya Honda
拓也 本田
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Abstract

【課題】発電効率に優れる光発電素子を提供する。【解決手段】一側が光入射面として用いられる光発電素子10において、一側の面に形成された凹凸構造を有するn型結晶半導体基板11と、n型結晶半導体基板11の一側に積層されるn型非晶質系半導体薄膜13と、n型結晶半導体基板11の他側に積層されるp型非晶質系半導体薄膜16とを備え、波長400nmの光における外部量子効率が75%以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、ヘテロ接合を有する光発電素子(太陽電池)に関する。
CO等の温室効果ガスを発生しないクリーンな発電手段として、また、原子力発電に代わる操業安全性の高い発電手段として、光発電素子(太陽電池)が注目されている。光発電素子の一つとして、発電効率の高いヘテロ接合を有する光発電素子がある。
このような光発電素子として、図2に示す構造の光発電素子20が開発されている。光発電素子20は、n型結晶半導体基板21の一側に第1の真性非晶質系半導体薄膜22、n型非晶質系半導体薄膜23及び第1の透明導電膜24がこの順に積層され、n型結晶半導体基板21の他側に第2の真性非晶質系半導体薄膜25、p型非晶質系半導体薄膜26及び第2の透明導電膜27がこの順に積層されている。また、第1の透明導電膜24の表面に第1の集電極28が、第2の透明導電膜27の表面には第2の集電極29が配設され、第2の集電極29に対して第1の集電極28の面積を小さくしている。このような構造を有する光発電素子20において、第1の集電極28側を主たる光入射面として用いることで、光発電素子20内部への光の入射効率が高まり、その結果出力特性が向上する(特許文献1参照)。
特許第5031007号公報
特許文献1の光発電素子においては、光入射面側に積層されるn型非晶質系半導体薄膜にn型非晶質シリコンが用いられている。例えばp型非晶質系半導体薄膜形成面側を光入射面とした場合、n型結晶半導体基板へ入射した光が最も多く吸収される入射面側に強い電界が形成されることにより、電子正孔対を効率的に分離回収できる。しかし、特許文献1の光発電素子においては、逆に光入射面側とは反対の面側に強い電界が形成されることになるので、光入射面側のn型非晶質系半導体薄膜(n型非晶質シリコン)付近で生成された電子正孔対を効率よく回収することは技術的な難易度が高くなる。そのうえ、n型非晶質シリコンはn型非晶質系炭化シリコンやn型微結晶半導体等に比べて吸収係数が大きく、透光性が十分ではないため、光入射面側にn型非晶質シリコンを積層させた光発電素子は、入射した光に対して素子内部(pn接合部分)にまで到達する際の光減少量が大きく、発電効率が十分であるとはいえない。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、発電効率に優れる光発電素子を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係る光発電素子は、一側が光入射面として用いられる光発電素子において、
一側の面に形成された凹凸構造を有するn型結晶半導体基板と、該n型結晶半導体基板の一側に積層されるn型非晶質系半導体薄膜と、前記n型結晶半導体基板の他側に積層されるp型非晶質系半導体薄膜とを備え、
波長400nmの光における外部量子効率が75%以上である。
本発明に係る光発電素子は、一側(n型結晶半導体基板に対するn型非晶質系半導体薄膜の積層側)を光入射面とした上記構成とすることにより、波長400nmの光における外部量子効率が75%以上と優れた発電効率を達成している。
本発明に係る光発電素子において、前記n型非晶質系半導体薄膜を構成するn型非晶質系半導体がn型非晶質系炭化シリコン又はn型微結晶半導体であることが好ましい。n型非晶質系炭化シリコンはバンドギャップが広く、またn型微結晶半導体は吸収率が低く(光透過率が高く)、発電効率を高めることができる。
本発明に係る光発電素子において、前記n型非晶質系半導体が前記n型非晶質系炭化シリコンであり、該n型非晶質系炭化シリコンを構成する炭化シリコンがSi1−x(0.05≦x≦0.25)で表されることが好ましい。SiとCとの比がこのような範囲のn型非晶質系炭化シリコンを用いることで、バンドギャップを適当な範囲に制御することができ、発電効率をより高めることができる。
本発明に係る光発電素子において、前記n型非晶質系半導体薄膜の一側に積層される第1の透明導電膜を備え、該第1の透明導電膜の膜厚が50nm以上70nm以下であることが好ましい。このような膜厚の第1の透明導電膜を一側に設けることにより、透光性と集電性とをバランスよく高めることなどができ、発電効率をさらに高めることができる。
本発明に係る光発電素子において、前記p型非晶質系半導体薄膜の他側に積層される第2の透明導電膜を備えることが好ましい。このように、基板を基準に光入射面と反対側(他側)に透明導電膜を設けることにより、発電効率をより高めることができる。
本発明に係る光発電素子において、前記n型結晶半導体基板と前記n型非晶質系半導体薄膜との間に介在する第1の真性非晶質系半導体薄膜と、前記n型結晶半導体基板と前記p型非晶質系半導体薄膜との間に介在する第2の真性非晶質系半導体薄膜とをさらに有することが好ましい。このように、n型結晶半導体基板とn型非晶質系半導体薄膜及びp型非晶質系半導体との間にそれぞれ真性非晶質系半導体薄膜を介在させることで、光生成キャリアの再結合を抑制し、発電効率をより高めることができる。
本発明に係る光発電素子において、前記n型結晶半導体基板と前記n型非晶質系半導体薄膜とが直接接合されており、前記n型結晶半導体基板と前記p型非晶質系半導体薄膜との間に介在する真性非晶質系半導体薄膜をさらに有することも好ましい。このようにすることで、pn接合間の光生成キャリアの再結合が抑制され、一方、光入射面側には真性非晶質系半導体薄膜を設けないことにより透光性が高まるため、発電効率をより高めることができる。
本発明に係る光発電素子において、前記凹凸構造は異方性エッチングにより形成された多数のピラミッド形状からなることが好ましい。このような凹凸構造を設けることにより、電効率をさらに高めることができる。
ここで、真性非晶質系半導体薄膜における「真性」とは、不純物が意図的にドープされていないことをいい、原料に本来含まれる不純物や製造過程において非意図的に混入した不純物が存在するものも含む意味である。「非晶質系」とは、非晶質のみならず、微結晶を含む意味である。また、「微結晶」とは、ラマン分光法により結晶ピークが観察されるものを意味する。
本発明に係る光発電素子は、波長400nmの光における外部量子効率が75%以上と高く、発電効率に優れる。
本発明の一実施の形態に係る光発電素子を示す端面図である。 従来例に係る光発電素子を示す端面図である。 実施例1、5及び比較例1の測定結果を示すグラフである。 実施例1〜4、参考例1〜2及び比較例1の測定結果を示すグラフである。 参考例3の測定結果を示すグラフである。 膜厚測定方法を示す模式図である。
続いて、添付した図面を参照しながら本発明を具体化した実施の形態について説明する。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る光発電素子10は、板状の多層構造体である。光発電素子10は、n型結晶半導体基板11と、n型結晶半導体基板11の一側(図1における上側)にこの順で積層される第1の真性非晶質系半導体薄膜12、n型非晶質系半導体薄膜13及び第1の透明導電膜14と、n型結晶半導体基板11の他側(図1における下側)にこの順で積層される第2の真性非晶質系半導体薄膜15、p型非晶質系半導体薄膜16及び第2の透明導電膜17とを有する。さらに、光発電素子10は、第1の透明導電膜14の表面(一側)に配設される集電極18と、第2の透明導電膜17の表面(他側)に配設される集電極19とを有する。
n型結晶半導体基板11としては、n型の半導体特性を有する結晶体の基板であれば特に限定されず公知のものを用いることができる。n型結晶半導体基板11を構成する結晶半導体としては、シリコン(Si)の他、SiC、SiGe、SiN等を挙げることができるが、生産性等の点からシリコンが好ましい。n型結晶半導体基板11は、単結晶体であってもよいし、多結晶体であってもよい。
n型結晶半導体基板11の一側の面には、微細な凹凸構造が形成されている。この凹凸構造は他側の面にも形成されていてもよい。この凹凸構造は、光の乱反射による光閉じ込めを有効にする。この凹凸構造の高さとしては、数μm〜数十μm程度である。このような凹凸構造は、例えば、約1〜5質量%の水酸化ナトリウムを含むエッチング液に基板材料を浸漬し、基板材料の(100)面を異方性エッチングすることにより得ることが出来る。本実施の形態においては、n型結晶半導体基板11の上下(一側及び他側)の面の略全面を覆うように多数のピラミッド形状を有する凹凸構造が不規則に配置されている(図示しない)。前記凹凸構造の高さ(大きさ)は不揃いであって、隣り合う凹凸部の一部が重なっていてもよい。
第1の真性非晶質系半導体薄膜12は、n型結晶半導体基板11の一側に積層されている。換言すれば、真性非晶質系半導体薄膜12は、n型結晶半導体基板11とn型非晶質系半導体薄膜13との間に介在している。第1の真性非晶質系半導体薄膜12を構成する半導体としては、シリコン(Si)の他、SiC、SiGe、SiN等を挙げることができるが、生産性等の点からシリコンが好ましい。真性非晶質系半導体薄膜12の膜厚としては特に限定されないが、例えば1nm以上10nm以下とすることができ、4nm以下が好ましい。この膜厚が1nm未満の場合は、欠陥が発生しやすくなることなどにより、キャリアの再結合が生じやすくなる。また、この膜厚が10nmを超える場合は、短絡電流の低下や、光吸収量の増加が生じやすくなる。
第1の真性非晶質系半導体薄膜12は、例えば、化学気相成長法(例えば、プラズマCVD法等)などの公知の方法により製膜することができる。プラズマCVD法により、シリコンから構成される第1の真性非晶質系半導体薄膜12を形成する場合、原料ガスとしては例えばSiHとHとの混合ガスを用いることができる。
n型非晶質系半導体薄膜13は、真性非晶質系半導体薄膜12の一側に積層されている。n型非晶質系半導体薄膜13を構成するn型非晶質系半導体としては、光発電素子10が所定の外部量子効率を発揮できるものであれば特に制限されないが、n型非晶質系(非晶質又は微結晶)炭化シリコン又はn型微結晶半導体が好ましい。n型微結晶半導体を構成する半導体としては、シリコン、SiC、SiGe、SiN、SiO等を挙げることができるが、シリコンが好ましい。n型非晶質系炭化シリコン及びn型微結晶半導体は吸収係数が小さい、すなわち光透過率が高く、発電効率を高めることができる。また、n型非晶質系炭化シリコンはバンドギャップが広いことからも、発電効率を高めることができる。
n型非晶質系半導体薄膜13は、化学気相成長法(例えば、プラズマCVD法等)などの公知の方法により製膜することができる。プラズマCVD法によりn型非晶質系炭化シリコンから構成されるn型非晶質系半導体薄膜13を形成する場合、原料ガスとしては例えばSiHとHと炭化水素(例えばCH)との混合ガスを用いることができる。また、プラズマCVD法によりn型微結晶半導体(シリコン)から構成されるn型非晶質系半導体薄膜13を形成する場合、原料ガスとしては例えばSiHと多量(例えばSiHに対して数十倍)のHとの混合ガスを用いることができる。
n型非晶質系半導体薄膜13を構成するn型非晶質系半導体がn型非晶質系炭化シリコンである場合、この炭化シリコンは、Si1−x(0<x<1)で表され、Si1−x(0.05≦x≦0.25)であることが好ましく、Si1−x(0.1≦x≦0.2)であることがより好ましい。SiとCとの比がこのような範囲のn型非晶質系炭化シリコンを用いることで、バンドギャップを適当な範囲に制御することができ、発電効率をより高めることができる。この組成比xは、例えば原料ガスにおける炭化水素の比率を変更することなどにより調整することができる。
n型非晶質系半導体薄膜13の膜厚としては、特に限定されないが、例えば2nm以上20nm以下が好ましく、3nm以上10nm以下がより好ましい。このような範囲の膜厚とすることで、キャリアの再結合を抑制しつつ光の高透過性を維持することができる。
第1の透明導電膜14は、n型非晶質系半導体薄膜13の一の面側に積層されている。第1の透明導電膜14を構成する透明電極材料としては、例えば、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide:ITO)、タングステンドープインジウム酸化物(Indium Tungsten Oxide:IWO)、セリウムドープインジウム酸化物(Indium Cerium Oxide:ICO)、IZO(Indium Zinc Oxide)、AZO(アルミドープZnO)、GZO(ガリウムドープZnO)等の公知の材料を挙げることができる。これらの中でも、良好な導電性と透光性とを両立させることができるなどの点から、IWOが好ましい。また、第1の透明導電膜14の膜厚も特に限定されないが、透光性と集電性とを両立させることができるなどの点から50nm以上70nm以下が好ましく、60nm以上68nm以下がより好ましい。
第1の透明導電膜14の成膜方法としては、特に制限されず、例えばスパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法(反応性プラズマ蒸着法)等、公知の方法を用いることができるが、イオンプレーティング法を用いることが好ましい。高エネルギー粒子が生じないイオンプレーティング法により形成することにより、n型非晶質系半導体薄膜13表面の劣化を抑制することができる。従って、このようにすることで、良好な品質を維持したn型非晶質系半導体薄膜13を用いることができ、発電効率を高めることができる。また、イオンプレーティング法を用いることで、密着性の高い第1の透明導電膜14を形成でき、このことも発電効率を高める原因になっていると考えられる。
第2の真性非晶質系半導体薄膜15は、n型結晶半導体基板11の他側に積層されている。第2の真性非晶質系半導体薄膜15を構成する半導体や製膜方法は、第1の真性非晶質系半導体薄膜12と同様とすることができる。第2の真性非晶質系半導体薄膜15の膜厚としては、例えば1nm以上10nm以下とすることができる。
p型非晶質系半導体薄膜16は、第2の真性非晶質系半導体薄膜15の他側に積層されている。p型非晶質系半導体薄膜16の膜厚としては特に限定されないが、例えば1nm以上20nm以下が好ましく、3nm以上10nm以下がより好ましく、5nm以下がさらに好ましい。このような範囲の膜厚とすることで、キャリアの再結合の発生と直列抵抗とをバランスよく低減することができる。
p型非晶質系半導体薄膜16を構成する半導体としては、p型非晶質系のシリコンのほか、SiC、SiGe、SiN等を挙げることができるが、生産性等の点からシリコンが好ましい。p型非晶質系半導体薄膜16も、化学気相成長法(例えば、プラズマCVD法等)などの公知の方法により製膜することができる。プラズマCVD法により、シリコンから構成されるp型非晶質系半導体薄膜16を形成する場合、原料ガスとしては例えばSiHとHとBとの混合ガスを用いることができる。
第2の透明導電膜17は、p型非晶質系半導体薄膜16の他側に積層されている。第2の透明導電膜17を形成する材料や製膜方法は、第1の透明導電膜14と同様である。第2の透明導電膜17の膜厚としては、特に限定されないが例えば50nm以上100nm以下程度である。なお、光発電素子10においては、両面に透明導電膜14、17がそれぞれ設けられている。すなわち、光が入射しない側にも透明な導電膜を積層している。このように、n型非晶質系半導体薄膜13又はp型非晶質系半導体薄膜16と集電極18、19との間に透明導電膜14、17を設けることにより発電効率を高めることができる。
集電極18、19は、互いに平行に形成される複数のバスバー電極、及びこれらのバスバー電極に直交し、互いに平行に形成される複数のフィンガー電極を有する。
バスバー電極及びフィンガー電極は、それぞれ線状又は帯状であり、導電性材料から形成されている。この導電性材料としては、銀ペースト等の導電性接着剤や、銅線等の金属導線を用いることができる。各バスバー電極の幅としては、例えば0.5mm以上2mm以下程度であり、各フィンガー電極の幅としては、例えば10μm以上300μm以下程度である。また、各フィンガー電極間の間隔としては、例えば0.5mm以上4mm以下程度である。
集電極18、19の配設は公知の方法で行うことができる。集電極18、19の材料として導電性接着剤が用いられている場合、スクリーン印刷やグラビアオフセット印刷等の印刷法により形成することができる。また、集電極18、19に金属導線を用いる場合、導電性接着剤や低融点金属(半田等)によりの透明導電膜14、17上に固定することができる。
このような構造を有する光発電素子10は、通常、複数のものを直列に接続して使用される。複数の光発電素子10を直列接続して使用することで、発電電圧を高めることができる。
光発電素子10においては、一側(pn接合部分を基準にn型非晶質系半導体薄膜13側)を光入射面として使用される。この場合の光発電素子10の波長400nmの光における外部量子効率は75%以上と高く、優れた発電効率を有する。なお、外部量子効率を向上させるために、透明導電膜14の膜厚を薄くすると横方向の集電性の悪化により曲線因子(フィルファクター:FF)が低下し、n型非晶質系半導体薄膜13を薄くするとパッシベーション性能の悪化により開放電圧が低下する。従って、総合的に判断すると最大出力を発揮するには波長400nmの光における外部量子効率は85%程度(80%以上90%以下)であることが好ましい。なお、外部量子効率は、実施例の方法(JISC8915「結晶系太陽電池分光感度特性測定方法」)にて測定した値とする。
本発明は前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲でその構成を変更することもできる。例えば、光発電素子10が有する第1の真性非晶質系半導体薄膜12及び第2の真性非晶質系半導体薄膜15は必須の構成要件ではない。また、n型結晶半導体基板とn型非晶質系半導体薄膜とが直接接合させ、n型結晶半導体基板とp型非晶質系半導体薄膜との間にのみ真性非晶質系半導体薄膜を介在させてもよい(図1の光発電素子10から第1の真性非晶質系半導体薄膜12のみを省いた構造)。このように、n型結晶半導体基板とp型非晶質系半導体薄膜との間にのみ真性非晶質系半導体薄膜を介在させた構造とすることで、pn接合間の光生成キャリアの再結合が抑制され、一方、光入射面側(pn接合部分を基準とした一側)には真性非晶質系半導体薄膜を設けないことにより透光性が高まるため、発電効率をより高めることができる。
また、他側(光入射面と反対側)の集電極は、バスバー電極とフィンガー電極とからなる構造ではなく、全面に導電性材料が積層された構造とすることもできる。このような構造の集電極はめっきや金属箔の積層等により形成することができる。さらには、他側の第2の透明導電膜及び集電極の代わりに、めっきや金属箔から形成される不透明な導電膜を用いることもできる。他側をこのような構造にすることで、他側の集電効率を高めることができる。また、一側からの入射光のうち、pn接合部分を透過した入射光が、全面積層された集電極又は不透明な導電膜により反射するため発電効率を高めることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明の内容をより具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1〜4、参考例1〜2>
n型単結晶シリコン基板の一側に、第1の真性非晶質系シリコン薄膜(膜厚2nm)、n型非晶質系炭化シリコン(Si1−x)薄膜(膜厚6nm)及び第1の透明導電膜(IWO、膜厚65nm)をこの順に積層した。なお、n型単結晶シリコン基板は、両面に無数のピラミッド形状を有する微細な凹凸構造が形成されたものを用いた。この凹凸構造は、約3質量%の水酸化ナトリウムを含むエッチング液に基板材料を浸漬し、基板材料の(100)面を異方性エッチングすることにより形成した。
ついで、n型単結晶シリコン基板の他側に、第2の真性非晶質系シリコン薄膜(膜厚6nm)、p型非晶質系シリコン薄膜(膜厚4nm)及び第2の透明導電膜(IWO、膜厚65nm)をこの順に積層した。各半導体薄膜(シリコン薄膜及び炭化シリコン薄膜)は、プラズマCVD法により積層した。各透明導電膜は、イオンプレーティング法により積層した。
次いで、第1及び第2の透明導電膜の表面(外側の面)にそれぞれ、集電極として、平行な複数のバスバー電極と、このバスバー電極にそれぞれ直交する複数のフィンガー電極を形成した。この集電極は、銀ペーストを用いてスクリーン印刷により形成した。このようにして、実施例1〜4、参考例1〜2の光発電素子を得た。
一側のn型非晶質系炭化シリコン(Si1−x)薄膜の炭素含有率xは以下の通りである。n型非晶質系炭化シリコン中の炭素含有率は、PHI社製QuanteraSXMを用いて、X線光電子分光法(XPS)により求めた。励起X線源は単色化Al、検出領域は100μmφ、検出深さは約4〜5nmであって、定量精度は±1atomic%程度である。
実施例1:x=0.05
実施例2:x=0.13
実施例3:x=0.19
実施例4:x=0.25
参考例1:x=0.28
参考例2:x=0.30
<実施例5>
n型非晶質系炭化シリコン薄膜の代わりに、n型微結晶シリコン薄膜を積層したこと以外は実施例1等と同様にして実施例5の光発電素子を得た。
<比較例1>
n型非晶質系炭化シリコン薄膜の代わりに、n型非晶質シリコン薄膜を積層したこと以外は実施例1等と同様にして比較例1の光発電素子を得た。
<参考例3>
一側に、第1の真性非晶質系シリコン薄膜(膜厚7nm)、n型非晶質系シリコン薄膜(膜厚5nm)及び第1の透明導電膜(膜厚65nm)をこの順に積層し、他側に、第2の真性非晶質系シリコン薄膜(膜厚7nm)、p型非晶質系シリコン薄膜(膜厚5nm)及び第2の透明導電膜(膜厚65nm)をこの順に積層したこと以外は実施例1等と同様にして参考例3の光発電素子を得た。
実施例1、実施例5及び比較例1における各光発電素子の外部量子効率(EQE/%)及び反射率(Reflectance/%)を測定し、内部量子効率(IQE/%)を算出した。なお、光入射面は一側とした。これらの測定結果を図3に示す。また、外部量子効率はJISC8915「結晶系太陽電池分光感度特性測定方法」に定められた方法に準拠して測定した。
図3に示されるように、n型非晶質系炭化シリコン薄膜又はn型微結晶シリコン薄膜を光入射面側に備える実施例1及び実施例5の光発電素子の300nmから600nmにおける外部量子効率及び内部量子効率は、n型非晶質シリコン薄膜に比べて高い。具体的には、n型非晶質系炭化シリコン薄膜又はn型微結晶シリコン薄膜を光入射面側に備える光発電素子の波長400nmにおける外部量子効率は75%以上と高く(実施例1:76%、実施例5:75%)、波長400nmにおける内部量子効率も80%以上と高いので、すなわち発電効率が高いことがわかる。
次に、実施例1〜4、参考例1〜2及び比較例1における各光発電素子の曲線因子(フィルファクター:FF)、最大出力Pmaxを測定した。なお、一側を主たる光入射面として測定した。測定結果を図4に示す。比較例1の炭素含有率(図中Atomic concentration ratio of C contained x)はXPSの検出下限である1%未満であったため、炭素含有率=0としてプロットしている。
図4に示されるように、n型非晶質系炭化シリコン薄膜の炭素含有率が0.19を超えたあたりからFFが悪化しており、その結果炭素含有率が0のn型非晶質シリコン薄膜を備える光発電素子(比較例1)に比べ、炭素含有率が0.05〜0.25のn型非晶質系炭化シリコン薄膜を備える光発電素子(実施例1〜4)のPmaxは高く、炭素含有率が0.25を超えたn型非晶質系炭化シリコン薄膜を備える光発電素子(参考例1、2)のPmaxは低いことがわかる。このことから、n型非晶質系炭化シリコン薄膜は、Si1−x(0.05≦x≦0.25)で表されるものが好ましい。
以下、本実施例の作用効果について詳しく説明する。図5に参考例3の光発電素子の外部量子効率(EQE/%)を示す。なお、図中の実線(incident light from the n+−a−Si:H side)は一側を光入射面として測定し、図中の破線(incident light from the p+−a−Si:H side)は他側を光入射面として測定した値である。参考例3の光発電素子における各薄膜層の膜厚は一側と他側とで対称であるものの、一側を光入射面とした場合の300nmから600nmにおける外部量子効率は、他側を光入射面とした場合よりも高いことがわかる。この結果は、p型非晶質系シリコン薄膜の吸収係数がn型非晶質系シリコン薄膜の吸収係数よりも高いことを示唆している。すなわち、n型非晶質系シリコン薄膜が形成されている一側を光入射面としたほうが、p型非晶質系シリコン薄膜が形成されている他側を光入射面とするよりも、光学的ロスは少ないことがわかる。ただし、n型非晶質系シリコン薄膜が形成されている一側を光入射面とすると、光入射面側とは逆の面側に強い電界が形成されることになるので、光入射面側のn型非晶質系半導体薄膜(n型非晶質シリコン薄膜)付近で生成された電子正孔対を効率よく回収することは技術的な難易度が高くなる。具体的には、例えばCZ法で引き上げられたn型単結晶シリコン基板の比抵抗が0.5〜3.0Ωcmであった場合、1ms以上の少数キャリアライフタイムを有していなければ最大出力を発揮できない。ここでいうパッシベーション性能を高めるとは少数キャリアライフタイムを高めることと同義であり、主に、単結晶シリコン基板と非晶質系半導体薄膜との接合界面の欠陥密度(界面準位密度)を低減化させる意味と、透明導電膜と非晶質系シリコン薄膜との間の金属−半導体接合部との空間電荷層のオーバーラップを防ぐ意味とを含んでいる。特に後者は、金属−半導体接合部のバンドベンディングの結果として引き起こされるものであって、n型非晶質系半導体薄膜を薄くしすぎると著しい少数キャリアライフタイムの低下を招く。このため、一側のn型非晶質系半導体薄膜の膜厚は、例えば2nm以上20nm以下が好ましく、光学ロスの低減等も考慮すると3nm以上10nm以下がより好ましい。すなわち、単にn型非晶質系半導体薄膜を薄く積層して外部量子効率を高めるだけでは最大出力を発揮できず、n型非晶質系半導体薄膜を吸収係数のより小さなn型非晶質系炭化シリコン又はn型微結晶半導体等に置き換えることによって最大出力を発揮することができる。
ここで、本明細書における各膜(n型非晶質系半導体薄膜等)の膜厚について説明する。平滑部51と凹凸部(凹凸構造)52を両方有する仮想的な基板50を図6に示す。例えば透過型電子顕微鏡(TEM)を用いることで、基板50に垂直な厚さt、平面に垂直な厚さt’、凹凸部52の角度αをそれぞれ測定することができる。本明細書において、平滑部51に積層された非晶質系シリコン薄膜53の膜厚はtを指し、凹凸部52に積層された非晶質系シリコン薄膜53の膜厚はt’を指す。実際の作業では、測定時間の短縮が可能であり、かつ簡便である触針段差計等を用いた膜厚評価方法を用いるのが好ましい。例えば、KOH又はNaOHを40〜50℃に加熱した液で非晶質系シリコン薄膜53をウェットエッチングすることにより段差54を形成させ、触針段差計を用いた膜厚評価方法によりtが測定される。三角関数からt’=t×cosαが成り立つので、測定されたtにより、t’が算出される。TEM測定で得られたt’と、触針段差計を用いた膜厚評価方法により算出されたt’とは一致することが確認されたので、触針段差計を用いた膜厚評価方法を採用した。なお、触針段差計を用いた膜厚評価方法は、あらかじめ段差をつけておいたサンプルの上を、針でサンプルに触れて水平に表面をなぞることによって、サンプルの段差に応じて針を上下させる測定方法である。前記膜厚評価方法により、透明導電膜の膜厚についても同様に測定することができる。
10:光発電素子、11:n型結晶半導体基板、12:第1の真性非晶質系半導体薄膜、13:n型非晶質系半導体薄膜、14:第1の透明導電膜、15:第2の真性非晶質系半導体薄膜、16:p型非晶質系半導体薄膜、17:第2の透明導電膜、18、19:集電極、50:基板、51:平滑部、52:凹凸部、53:非晶質系シリコン薄膜、54:段差

Claims (8)

  1. 一側が光入射面として用いられる光発電素子において、
    一側の面に形成された凹凸構造を有するn型結晶半導体基板と、該n型結晶半導体基板の一側に積層されるn型非晶質系半導体薄膜と、前記n型結晶半導体基板の他側に積層されるp型非晶質系半導体薄膜とを備え、
    波長400nmの光における外部量子効率が75%以上であることを特徴とする光発電素子。
  2. 請求項1記載の光発電素子において、前記n型非晶質系半導体薄膜を構成するn型非晶質系半導体がn型非晶質系炭化シリコン又はn型微結晶半導体であることを特徴とする光発電素子。
  3. 請求項2記載の光発電素子において、前記n型非晶質系半導体が前記n型非晶質系炭化シリコンであり、該n型非晶質系炭化シリコンを構成する炭化シリコンがSi1−x(0.05≦x≦0.25)で表されることを特徴とする光発電素子。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の光発電素子において、前記n型非晶質系半導体薄膜の一側に積層される第1の透明導電膜を備え、該第1の透明導電膜の膜厚が50nm以上70nm以下であることを特徴とする光発電素子。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光発電素子において、前記p型非晶質系半導体薄膜の他側に積層される第2の透明導電膜を備えることを特徴とする光発電素子。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の光発電素子において、前記n型結晶半導体基板と前記n型非晶質系半導体薄膜との間に介在する第1の真性非晶質系半導体薄膜と、前記n型結晶半導体基板と前記p型非晶質系半導体薄膜との間に介在する第2の真性非晶質系半導体薄膜とをさらに有することを特徴とする光発電素子。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の光発電素子において、前記n型結晶半導体基板と前記n型非晶質系半導体薄膜とが直接接合されており、前記n型結晶半導体基板と前記p型非晶質系半導体薄膜との間に介在する真性非晶質系半導体薄膜をさらに有することを特徴とする光発電素子。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の光発電素子において、前記凹凸構造は異方性エッチングにより形成された多数のピラミッド形状からなることを特徴とする光発電素子。
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