JP2014215687A - 情報管理システム、装置、方法およびプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、多忙な業務の中では、それぞれの業務上での直接的な利益が無い場合、情報共有を主体とする職種間の連携は負担感が大きい。適切な情報共有を機能させるためには、どれだけ簡単な情報提供が可能となるかが大きな鍵となる。レガシーな情報共有のやり方としては、被介護者の自宅に置かれた申し送りのための連絡ノートや、介護サービスの提供記録としてのヘルパーの活動記録票などの書類の他、関係者が会して行われるケアカンファレンスや訪問介護事業所におけるミーティングなどがある。
一方で、介護や医療の関連従業者のITリテラシが十分であるとはいえず、ICT機器に対する苦手意識や過度な負担感を生じてしまう恐れもある。また、要介護者本人の生活に最も密接に関わるのは家族やヘルパーであり、様々な個性を持つ要介護者にとって質の高いサービスを効率よく提供するためには、そうしたエンドユーザに近いところから発信される情報が重要である。しかし、従来から存在する介護情報システムの多くは、介護事業所で働く事務職員やケアプラン作成を行うケアマネージャを主なユーザとして想定しており、エンドユーザが用いることを考慮していない。
本実施形態に係る情報管理システムの利用例について図1の概念図を参照して説明する。本実施形態では、被介護者に対してヘルパーが介護サービスを実施し、ヘルパーのサービス内容を介護事業所のスタッフ、ケアマネージャが管理および修正する例について説明する。なお、これに限らず、治験や実験、研究など観察記録、実験記録などを定常的に取得する作業であれば、本実施形態に係る情報管理システムを利用することができる。
本実施形態にかかる情報管理システム100は、ユーザ端末101、介護情報サーバ102、他ユーザ端末103およびPC(Personal Computer)端末104を含む。また、ユーザ端末101、介護情報サーバ102、他ユーザ端末103およびPC端末104はそれぞれ、インターネットなどのネットワークを介して相互に接続される。
ヘルパーBが被介護者F宅を訪問する場合、事前に被介護者Fのこれまでの情報を事業所のPC端末104またはヘルパーBが利用するユーザ端末101で確認することができる。その後、実際に訪問し、介護サービスを実施し、サービスの実施内容に関する記録票150を作成する。
また、上述のように内容が共有されることにより被介護者F宅を次に訪問する予定のある介護従事者は、事前に被介護者Fの生活の様子を知ることができる。例えば、生活介助に関しては、被介護者Fの希望や日用品の状況などの申し送りが有効である。また、身体介助や看護、リハビリ等においても、被介護者Fの身体状態や禁忌など、重要な申し送りを漏れなく迅速に共有することができる。
加えて、介護業務管理にも活用でき、報告情報の共有はリアルタイムに行われ、適切な勤怠管理やサービス提供状態の把握ができる。さらには、被介護者Fの家族への情報共有にも有効である。どんなサービスをいつ受けたか即時にわかり、かつメール等による記録も自動的に残せるため、不在時にも安心感を得られるとともに、サービスレベルの確認も随時行うことができる。
ユーザ端末101は、読取部201、抽出部202、共有範囲設定部203、表示部204および送受信部205を含む。
読取部201は、記入される情報の型式および記入位置と情報を共有するユーザとを指定したフォーマットを用いて、介護情報が記入された記録票を読み取り、記録票画像を得る。記録票の読み取りは、例えば読取部201がカメラであれば、記録票を撮影すればよいし、読取部201がスキャナであれば、スキャン処理を行なえばよい。なお、記録票以外の同一の被介護者に関する画像である介護記録画像を撮影した場合も、記録票画像と関連付ける。
抽出部202は、読取部201から記録票画像を受け取り、記録票に記入される介護情報が記入された領域を抽出し、介護情報を共有するユーザと介護情報のうち共有する情報が記入される領域の画像とを示す共有範囲情報を抽出する。なお、記録票に予め介護情報を共有する共有範囲が設定されていれば、記録票画像から抽出すればよい。
共有範囲設定部203は、ユーザの指示により共有範囲の変更および追加を設定する。
表示部204は、記録票画像と共有するユーザの範囲とを表示する。具体的な表示例については図7を参照して後述する。
送受信部205は、共有範囲情報を介護情報サーバ102に送信する。また、介護記録画像が関連付けられていれば、介護記録画像も介護情報サーバ102に送信する。また、ユーザの指示により、介護情報サーバ102から、介護情報および介護記録画像を受信するようにしてもよい。
なお、共有範囲情報に該当する画像だけを抽出して送信するのではなく、画像共有しない介護情報について、共有しない介護情報が記入されている領域に黒または白の画像を重畳するなどしてマスキング処理を行なって、マスキング処理後の画像全体を共有してもよい。こうすることで、領域の抽出処理を省略することができ、処理を簡略化することができる。
また、他ユーザ端末103は、少なくとも表示部204と送受信部205とが含まれていればよく、ユーザ端末101と同様の構成であってもよい。
送受信部251は、共有範囲情報の画像および介護記録画像をユーザ端末101から受信する。
画像認識部252は、共有範囲情報の画像をOCR処理し、共有範囲情報に含まれる介護情報のデータを抽出する。
データ格納部253は、利用者ごとに、共有範囲情報に含まれる介護情報を抽出したデータと介護記録画像とを対応付けて格納する。
共有範囲判定部254は、介護情報の閲覧要求があった場合に、閲覧要求をしてきたユーザが、介護情報の共有範囲のユーザに含まれるかどうかを判定する。
送受信部251は、閲覧要求に応じて、介護情報の共有範囲のユーザに含まれるユーザにのみ、介護情報と介護記録画像とを送信する。
図4に示す書式設定テーブル300は、型名301、表記例302および説明303がそれぞれ対応付けられる。型名301は、記入欄にどのように情報が記入されるかを示す。表記例302は、具体的な表記の一例を示す。説明303は、対応する型にどのように記入するかの説明である。
例えば、記入欄を自由に記述可能な欄とする場合は、テンプレートにおいて、破線による矩形領域を設定すればよい。また、記入欄をチェックボックスとする場合は、テンプレートにおいて、内容を示すラベルと太線による正方形とを設定し、正方形内にチェックが記入されることでラベルが選択されると判定すればよい。
事前に設定されるフォーマット400は、必要に応じて様々な情報項目を含む。例えば、図4に示す記録票の場合、利用者401、担当402、実施年月日403、体温404、血圧405、実施サービス内容406、備考欄407、申し送り事項記入欄408および共有範囲設定欄409を含む。
利用者401、担当402、実施年月日403については、自由記述の欄とする。体温404、血圧405については、数字が入力されるように1つの矩形に1つの数字が記入されるようにする。
実施サービス内容406は、入浴、掃除、清拭、掃除、調理といった具体的な実施サービスの内容を記入する箇所であり、チェックボックスで選択するようにする。また、図4の例では、服薬の指定時間についてもチェックボックスを設定する。
備考欄407は、サービスの実施者が気がついた点などを記入する箇所であり、自由記述の欄とする。
申し送り事項記入欄408は、プライバシー面で特に機微な内容などを記入する箇所であり、自由記述の欄とする。さらに、「訪問者のみ」などといったラベルを設定することで、申し送り事項記入欄408を共有しないように介護情報サーバ102にデータを送信しないマスキング設定を行うことができる。
また、共有範囲設定欄409は必須ではなく、システムで予め設定された共有範囲を用いるようにしてもよい。この場合のフォーマットを用いた記録票の一例を図5に示す。
このように共有範囲設定欄409を設けないフォーマット500とすることで、ヘルパーはユーザ端末101による読み取りだけの処理となり、簡易な処理とすることができる。
ステップS601では、撮影画面を起動する。撮影画面の起動は、読取部201を起動するアプリケーションなどをユーザが選択することにより行えばよい。
ステップS602では、読取部201が、記録票をユーザ端末で撮影する。撮影は、表示されるガイドフレームに収まるようにして行えばよい。また、撮影後の補正が行われるため、斜めからの撮影によるゆがみについては特に留意せず、記録票全体が撮影範囲に入ればよい。
ステップS603では、抽出部202および共有範囲設定部203が、撮影した画像から共有範囲情報を抽出し、共有範囲の確認処理を行なう。なお、撮影ごとに、必要に応じて共有範囲をカスタマイズすることもできるが、あらかじめ設定した範囲で問題ない場合は、ただ単に撮影するだけでもよい。
ステップS604では、表示部204が、撮影した画像および共有範囲の設定が正しいかどうかの確認を表示する。ユーザからの指示が、撮影した画像および共有範囲の設定が正しいという指示である場合は、ステップS605に進み、撮影した画像および共有範囲の設定が正しくないという指示である場合は、ステップS602へ戻り、再び同様の処理を繰り返す。
ステップS605では、表示部204が、続けて撮影を行なうかどうかの確認を表示する。続けて撮影する場合は、ステップS602へ進み同様の処理を繰り返す。一方、これ以上撮影を行わない場合は、ステップS606へ進む。
ステップS606では、表示部204が、全画像について画像および共有範囲の設定が正しいかどうかの確認を表示する。ユーザからの指示が、全画像について画像および共有範囲の設定が正しいことを示す場合は、ステップS607へ進み、全画像について画像および共有範囲の設定が正しくないことを示す場合は、ステップS602へ戻り、同様の処理を繰り返す。
なお、実際の訪問者のみが閲覧できるように設定した、プライバシー面で特に機微な申し送り事項記入欄については、読取部201による撮影後、抽出部202が申し送り事項記入欄の領域を抽出し、共有範囲設定部203が申し送り事項記入欄の領域をマスクしてもよい。この際、電子データとしてユーザ端末101、他ユーザ端末103への保存や介護情報サーバ102への送信がされないようにする。
また、ユーザ端末101側で共有範囲設定部203を有さない場合は、一度介護情報サーバ102へ画像を送信し、各記入欄の領域に関する抽出処理を行った後、介護情報サーバ102から領域が抽出されたデータを受けとってマスキングをおこなえばよい。この際、介護情報サーバ102への送信される画像に外部からアクセスできないようなセキュリティ設定をすることが望ましい。
次に、表示部204に表示される確認画面の一例について図7を参照して説明する。
図7は、記録票701をユーザ端末101で撮影した場合であり、表示部204には、確認画面702が表示される。
また、撮影した画像の共有範囲を表示および設定する共有範囲ボタン705を表示する。共有範囲ボタン705は、既にシステムにより共有範囲が設定されている場合は、システムで決定された共有範囲を表示してもよい。例えば、共有範囲が設定されていることは、例えば、「ヘルパー」「S責」などを反転表示させて他の表示と区別すればよい。また、記録票701に共有範囲の記入欄がある場合は、記録票701を撮影後に、記入された共有範囲を抽出して共有範囲ボタン705に反映してもよい。さらに、共有範囲ボタン705をタッチすることで、ユーザ端末101の利用者が共有範囲を設定できるようにしてもよい。
なお、共有範囲ボタン705に誤って触れることにより、意図しない範囲まで指定してしまう可能性がある。よって、共有範囲を画面上で設定する場合は、パスワードを入力後に共有範囲を設定可能としたり、共有範囲ボタン705を触れた場合にユーザに確認を促す画面を表示したりすることで、ユーザにアクションを求めるようにしてもよい。
次に、他ユーザ端末103またはPC端末104から処理される介護情報サーバ102のグラフ閲覧確認処理について図8を参照して説明する。
ステップS801では、介護情報サーバ102にアクセスし、表示したい介護情報と期間とを選択する。
ステップS802では、介護情報サーバ102からデータを受け取り、介護情報をグラフ表示する。このようにすることで、他ユーザ端末103またはPC端末104を利用するユーザ(スタッフ、ケアマネージャなど)は、報告内容をグラフ表示や統計処理して一覧することもでき、介護計画の修正などに役立てることができる。以上で、グラフ閲覧確認処理を終了する。
ステップS901では、図8に示す処理のように介護情報サーバ102にアクセスし、所望の介護情報を抽出する。
ステップS902では、介護情報に関連付く介護記録画像の確認が必要であるかどうかの判定を利用者に求める。介護記録画像の確認が必要である場合は、ステップS903に進み、介護記録画像の確認が必要でない場合は、ステップS904に進む。
ステップS903では、介護記録画像の閲覧要求を介護情報サーバ102に送信し、介護記録画像を受け取って表示する。
ステップS904では、介護情報の修正が必要であるかどうかの判定を利用者に求める。介護情報の修正が必要である場合は、ステップS905に進み、介護情報の修正が必要でない場合は処理を終了する。
ステップS905では、介護情報に関する修正および追加を受け付ける。以上で修正確認処理を終了する。
図10では、利用者宅において現場の介護業務を行うホームヘルパーや訪問看護師のような介護従事者1001と、それらを管理するサービス提供責任者や事業所スタッフ、ケアマネージャなどの管理者1002とが本実施形態に係る情報管理システムを利用する場合を想定する。
介護サービス現場である利用者宅等において、介護従事者1001がユーザ端末101を用いて記録票の撮影登録1050と、その後、介護情報の確認および修正1051とを行う。管理者1002は、登録された介護情報の確認および修正1052を行ない、必要に応じて介護情報のグラフ化1053を行なう。図10に示すように、介護従事者1001は、モバイル端末による撮影やスキャンが可能な場合は、介護業務終了時に随時情報共有が可能である。この場合、業務終了後すぐに情報が共有されるため、迅速な情報の活用が可能となる。また、通常持ち帰っている作業実施記録の写しを事業所にて電子化してもよい。介護従事者1001としては記入フォーマットの変更だけで情報共有が可能となる。また、介護従事者1001の管理者1002は、必要に応じて業務結果の確認および修正を行うことができる。逐次業務内容などを確認できることで、効率的な従事者の手配など介護業務の管理に役立てることができる。
なお、上述した例では、携帯端末による書類の撮影という手段を用いたが、現場の書類をスキャナやFAXなどで電子化する方法を用いても構わない。例えば、携帯用スキャナ装置を介護従事者が携帯し、業務終了時に読み取りを行う方法の他、リアルタイム性は劣るが、写しを事業所に持ち帰った後にPC端末等でスキャンする方法でもよい。
以上に示した本実施形態に係る情報管理システムによれば、入力情報の種類および型と情報の共有範囲とを事前に設定したフォーマット用紙を用いて、手書きの書類を読み取る処理を行なうことにより、訪問介護サービス実施記録票や連絡ノートなど従来の書類に関してのノウハウを有効活用しつつ、簡略化した処理で情報を共有できる。また、手書きの業務実施報告や介護ノートを書くのに加えて、端末でそれを撮影することで、簡単かつ適切に情報共有ができる。また、同じ利用者の情報を別の介護従事者に適切に共有することで、申し送り事項の確実で迅速な伝達が可能になる。例えば、生活介助に買い物がある場合に、訪問前に必要な物がわかると事前の手配準備が可能になるなど、業務の効率化が可能である。また、フォーマット用紙に記載された共有範囲の設定を、必要に応じてチェックマーク記入程度の操作により指定することもでき、より適切な情報共有を行うことができる。
Claims (5)
- 記入される情報の型式および記入位置と情報を共有するユーザとを指定したフォーマットを用いて、利用者に関する情報である利用者情報が記入された該フォーマットの画像を読み取る読取手段と、
前記記入位置の領域を抽出し、該利用者情報を共有するユーザと該利用者情報のうち共有する情報が記入される領域の画像とを示す共有範囲情報を抽出する抽出手段と、
前記共有範囲情報を送信する第1送信手段と、を具備する端末、および
前記端末から前記共有範囲情報を受信する受信手段と、
前記共有範囲情報を前記利用者ごとに区別して格納する格納手段と、
前記利用者情報の取得要求がある場合、該取得要求が前記共有範囲情報に含まれるユーザからの要求であるかどうかを判定する判定手段と、
前記共有範囲情報で指定されたユーザのみに前記利用者情報を送信する第2送信手段と、を具備するサーバを具備することを特徴とする情報管理システム。 - 前記端末は、該利用者情報を共有するユーザを前記領域ごとに設定する設定手段をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の情報管理システム。
- 記入される情報の型式および記入位置と情報を共有するユーザとを指定したフォーマットを用いて、利用者に関する情報である利用者情報が記入された該フォーマットの画像を読み取る読取手段と、
前記記入位置の領域を抽出し、該利用者情報を共有するユーザと該利用者情報のうち共有する情報が記入される領域の画像とを示す共有範囲情報を抽出する設定手段と、
前記共有範囲情報を前記利用者ごとに区別して格納する格納手段と、
前記利用者情報の取得要求がある場合、該取得要求が前記共有範囲情報に含まれるユーザからの要求であるかどうかを判定する判定手段と、
前記共有範囲情報で指定されたユーザのみに前記利用者情報を送信する送信手段と、を具備することを特徴とする情報管理装置。 - 端末とサーバとを具備する情報管理システムで用いられる情報管理方法であって、前記情報管理方法は、
前記端末が、
記入される情報の型式および記入位置と情報を共有するユーザとを指定したフォーマットを用いて、利用者に関する情報である利用者情報が記入された該フォーマットの画像を読み取り、
前記記入位置の領域を抽出し、該利用者情報を公開するユーザと該利用者情報のうち共有する情報が記入される領域の画像とを示す共有範囲情報を抽出し、
前記共有範囲情報を前記サーバに送信し、
前記サーバが、
前記端末から前記共有範囲情報を受信し、
前記共有範囲情報を前記利用者ごとに区別して格納手段に格納し、
前記利用者情報の取得要求がある場合、該取得要求が前記共有範囲情報に含まれるユーザからの要求であるかどうかを判定し、
前記共有範囲情報で指定されたユーザのみに前記利用者情報を送信することを特徴とする情報管理方法。 - コンピュータを、請求項1または請求項2に記載の情報管理システムの各手段として実行させるためのプログラム。
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