[実施形態]
図1は本発明の一実施形態に係る情報共有システム1の全体構成を示した図である。情報共有システム1は、企業体の職員等のユーザが、その企業体の顧客等の対象の各々に関しメッセージ等の各種情報を、スマートフォン等の各自が使用する通信装置を用いて容易に共有することを可能とするシステムである。
以下の説明において、情報共有システム1は在宅医療サービスの関係者の間で情報を共有するために用いられるものとする。在宅医療サービスの関係者とは、例えば、在宅医療サービスの依頼者と提供者である。在宅医療サービスの依頼者は、通常、患者の保護者又は患者の保護者等である。在宅医療サービスの提供者は、通常、医療従事者、福祉従事者等である。以下、情報共有システム1を利用する在宅医療サービスの関係者を単にユーザという。この場合、ユーザは、対象である患者に関しメッセージ等の各種情報を共有する。
情報共有システム1は、ユーザの間で共有される各種情報を蓄積し、ユーザが使用する通信装置に配信するサーバシステム11と、情報共有システム1の管理者であるユーザが使用する通信装置12を備える。通信装置12は電話機能を備えないコンピュータにより実現される通信装置である。
情報共有システム1は、さらに、在宅医療サービスの提供主体の法人Zの職員(以下、「法人職員」という)であるユーザAが使用する通信装置13(A)と、法人Zと連携して在宅医療サービスを提供する企業体(デイサービスセンター等)の職員(以下、「連携職員」という)であるユーザBが使用する通信装置13(B)と、在宅医療サービスの依頼者であるユーザCが使用する通信装置13(C)を備える。
以下、通信装置13(A)、13(B)、13(C)の各々を区別しない場合、それらを「通信装置13」という。通信装置13は、電話機能を備える携帯可能なコンピュータであるスマートフォンにより実現される通信装置である。
通信装置12と通信装置13の各々は、通信ネットワークNを介して、サーバシステム11との間でデータ通信を行う。また、通信装置13の各々は、電話網Tを介して、他の通信装置13や、ユーザが使用している通信装置13以外の電話機K、L等との間で通話のための音声データの送受信を行う。
図1においては、サーバシステム11が1つの装置により構成される例が示されているが、サーバシステム11が2以上の装置により構成されてもよい。例えば、サーバシステム11が、通信装置12及び通信装置13の各々との間でデータの送受信を行うWebサーバ装置と、Webサーバ装置により送受信されるデータを記憶する記憶装置とにより構成されてもよい。
また、図1においては、通信装置12が1つである例が示されているが、通信装置12の数は情報共有システム1の管理者の数に応じて変化する。また、以下の説明においては、説明を簡易にするために、情報共有システム1の管理者のみが電話機能を備えない通信装置12を用いるものとするが、情報共有システム1の管理者以外のユーザが電話機能を備える通信装置13に加えて、もしくは通信装置13に代えて、通話機能を備えない通信装置12を用いてもよい。
また、図1においては、法人職員が使用する通信装置13(A)が1つである例が示されているが、通信装置13(A)の数は情報共有システム1を利用する法人職員の数に応じて変化する。同様に、通信装置13(B)の数は情報共有システム1を利用する連携職員の数に応じて変化し、通信装置13(C)の数は情報共有システム1を利用する依頼者の数に応じて変化する。
図2は、サーバシステム11を実現するために用いられるコンピュータ10のハードウェア構成を示した図である。コンピュータ10は各種データ処理を行うプロセッサ101と、各種データを記憶するメモリ102と、通信ネットワークNを介して外部の装置との間で各種データの送受信を行う通信インタフェース103を備える。
プロセッサ101がメモリ102に記憶されているサーバシステム11用のプログラムに従い各種データ処理を行うと、コンピュータ10がサーバシステム11として機能する。サーバシステム11が備える機能は、一般的なWebサーバシステムが備える機能であるため、その説明を省略する。
図3は、通信装置12を実現するために用いられるコンピュータ20のハードウェア構成を示した図である。コンピュータ20は、各種データ処理を行うプロセッサ201と、各種データを記憶するメモリ202と、通信ネットワークNを介して外部の装置との間で各種データの送受信を行う通信インタフェース203を備える。コンピュータ20は、さらに、各種情報を表示する表示装置204と、ユーザによる各種操作を受け付ける操作装置205を備える。表示装置204は、例えば、液晶ディスプレイ等である。操作装置205は、例えば、キーボードとタッチパッド等である。
なお、図3においては、表示装置204と操作装置205がコンピュータ20に内蔵されている例が示されているが、コンピュータ20が外部装置との間でデータの入出力を行う入出力インタフェースを備え、表示装置204と操作装置205の少なくとも一部がコンピュータ20に対する外部装置であり、それらの外部装置が入出力インタフェースを介してコンピュータ20に接続されていてもよい。
プロセッサ201がメモリ202に記憶されている通信装置12用のプログラムに従い各種データ処理を行うと、コンピュータ20が通信装置12として機能する。通信装置12が備える機能は、一般的なWebクライアント装置が備える機能であるため、その説明を省略する。
図4は、通信装置13を実現するために用いられるコンピュータ30のハードウェア構成を示した図である。コンピュータ30は、各種データ処理を行うプロセッサ301と、各種データを記憶するメモリ302と、通信ネットワークNを介して外部の装置との間で各種データの送受信を行う第1通信インタフェース303を備える。コンピュータ30は、さらに、各種情報を表示する表示装置とユーザによるタッチ操作を受け付けるタッチパネルが積層された装置であるタッチスクリーン304を備える。タッチスクリーン304が備える表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ等である。
コンピュータ30は、さらに、通話時にユーザの音声を集音するマイク305と、通話時に通話相手の音声を発音するスピーカ306と、電話網Tを介して他の電話機との間で音声データの送受信を行う第2通信インタフェース307を備える。
プロセッサ301がメモリ302に記憶されている通信装置13用のプログラムに従い各種データ処理を行うと、コンピュータ30が通信装置13して機能する。図5は、通信装置13の機能構成を示した図である。以下に通信装置13が備える機能構成を説明する。
操作手段131は、主としてプロセッサ301の制御下で動作するタッチスクリーン304が備えるタッチパネルにより実現され、ユーザの操作を受け付けて、受け付けた操作に応じたデータを生成し、他の構成部に生成したデータを引き渡す。
第1の送信手段132は、主としてプロセッサ301の制御下で動作する第1通信インタフェース303により実現され、通信ネットワークNを介して各種データをサーバシステム11に送信する。第1の送信手段132がサーバシステム11に送信するデータには、例えば、操作手段131に対しユーザが行った操作により入力されたいずれかの患者に関するメッセージを示すメッセージデータ及び当該患者を識別する対象識別データ、操作手段131に対しユーザが行った操作により入力された特定の患者の電話番号を要求する電話番号要求データ、操作手段131に対しユーザが行った操作により入力された複数の患者の中から1以上の患者を抽出するための対象の属性に関する条件を示す抽出条件データ等が含まれる。なお、本実施形態において、「患者の電話番号」は患者自身の電話番号とは限られず、患者に対する在宅医療サービスの依頼者の電話番号を意味する。
第1の受信手段133は、主としてプロセッサ301の制御下で動作する第1通信インタフェース303により実現され、通信ネットワークNを介して各種データをサーバシステム11から受信する。第1の受信手段133がサーバシステム11から受信するデータには、例えば、いずれかの患者を識別する対象識別データ及び当該患者に関するメッセージを示すメッセージデータ、いずれかの患者を識別する対象識別データ及び当該患者の電話番号を示す電話番号データ等が含まれる。
表示手段134は、主としてプロセッサ301の制御下で動作するタッチスクリーン304のディスプレイにより実現され、各種情報を表示する。表示手段134が表示する各種情報には、例えば、第1の受信手段133が受信したメッセージデータが示すメッセージ等が含まれる。なお、表示手段134は、メッセージを表示する際、そのメッセージを示すメッセージデータに対応する対象識別データが示す患者に関するメッセージとして、そのメッセージを表示する。
第2の送信手段135は、主としてプロセッサ301の制御下で動作する第2通信インタフェース307により実現され、第1の受信手段133が受信した1以上の電話番号データのうちユーザに指定された患者の対象識別データに対応する電話番号データが示す電話番号により識別される電話機に対する呼出を要求する呼出要求データを電話網Tに送信する。また、第2の送信手段135は、ユーザの通話中に集音手段138が生成したユーザの音声を表す音声データを、電話網Tを介して、通話相手の電話機に送信する。
第2の受信手段136は、主としてプロセッサ301の制御下で動作する第2通信インタフェース307により実現され、第2の送信手段135が送信した呼出要求データに応じて電話網Tにより呼出要求データの送信元の通信装置13と接続された電話機から音声を表す音声データを受信する。
発音手段137は、主としてプロセッサ301の制御下で動作するスピーカ306により実現され、ユーザの通話中に第2の受信手段136が受信した音声データが表す音声を発音する。
集音手段138は、主としてプロセッサ301の制御下で動作するマイク305により実現され、ユーザの通話中にユーザの音声を集音し当該音声を表す音声データを生成する。
以上が、通信装置13の機能構成の説明である。続いて、情報共有システム1の動作を、通信装置13又は通信装置12に表示される画面の例を示しながら説明する。
ユーザは、情報共有システム1を利用するにあたり、通信装置13又は通信装置12を操作して、サーバシステム11に対するログインを行う。情報共有システム1におけるログインの手順は一般的なサーバ・クライアントシステムにおいてクライアントの通信装置がサーバシステムにログインする際の手順であるため、その説明を省略する。
サーバシステム11にログインしたユーザは、そのユーザにサーバシステム11が付与している権限の範囲内で、通信装置13又は通信装置12を用いて、各種データのアップロード及びダウンロードを行うことができる。従って、通信装置13又は通信装置12に表示される画面の内容は、ユーザに与えられた権限によって変化する。
例えば、後述の管理画面は、管理者のみが利用可能な画面である。従って、管理者のユーザがサーバシステム11にログインした場合、通信装置13又は通信装置12には、ユーザが見たい画面を選択するためのメニュー画面に、管理者が各種設置等を行うための画面である管理画面の名称が選択肢として表示される。そして、管理者のユーザがメニュー画面において管理画面の名称を選択すると、管理画面が表示される。一方、管理者でないユーザがサーバシステム11にログインした場合、通信装置13又は通信装置12には、管理画面の名称を選択肢として含まないメニュー画面が表示される。従って、管理者でないユーザは通信装置13又は通信装置12に管理画面を表示させることはできない。
上記のように、通信装置13又は通信装置12に表示される画面は、サーバシステム11にログインしているユーザによって異なるが、以下の説明においては、全ての情報を読み書きする権限が与えられている管理者のユーザがサーバシステム11にログインしている場合に通信装置13又は通信装置12に表示される画面を例示する。
図6は、ユーザが通信装置13を用いてサーバシステム11にログインした直後に通信装置13に表示される画面(以下、「新着情報画面」という)の例である。以下に新着情報画面に表示される情報を説明する。新着情報画面は、複数の患者の各々を対象とする電子掲示板を統合した統合電子掲示板の役割を果たす画面の一例である。領域A001には、様々な患者に関し様々なユーザが書き込んだメッセージが、そのメッセージの公開時刻が新しい順に表示される。
なお、メッセージの公開時刻は、通常、メッセージが書き込まれた時刻であるが、メッセージを書き込む際に、ユーザが未来の時刻を公開時刻として指定した場合、その指定された公開時刻がメッセージの公開時刻となる。
領域A002には、ユーザによりまだ読まれていないメッセージの数が表示される。領域A003、領域A004、領域A005には、ユーザが、領域A001に表示されるメッセージを絞り込むための条件を入力するための入力ボックスが表示される。
領域A003において、ユーザは登録されている複数の施設の全て、又は、それらの施設のいずれか1つを指定することができる。領域A001には、領域A003において指定された施設を主所属施設として利用している患者に関するメッセージが抽出されて表示される。
領域A004において、ユーザは、例えば、「未読」、「直近2日」、「直近3日」のいずれかを選択することができる。領域A004において「未読」が指定された場合、領域A001には、ユーザによりまだ読まれていないメッセージが抽出されて表示される。領域A004において「直近2日」又は「直近3日」が指定された場合、領域A001には、公開時刻が指定された条件を満たすメッセージが抽出されて表示される。
領域A005において、ユーザは登録されている複数の連絡種別の全て、又は、それらの連絡種別のいずれか1つを指定することができる。領域A001には、領域A005において指定された連絡種別が属性として付されたメッセージが抽出されて表示される。
領域A006には、メニュー画面へ移動するためのアイコン(以下、「メニューアイコン」という)が表示される。図7は、メニュー画面の例である。メニュー画面には、通信装置13が表示可能な画面の名称が選択肢としてリスト表示される。ユーザは、メニューアイコンにタッチ等の操作を行って通信装置13又は通信装置12にメニュー画面を表示させた後、メニュー画面でいずれかの画面の名称にタッチ等の操作を行って、希望する画面を通信装置13又は通信装置12に表示させることができる。
図6に戻り、新着情報画面の説明を続ける。領域A001には、メッセージに加え、そのメッセージの各種属性が表示される。領域A001に表示されている1番目のメッセージを例に、それらの属性を説明する。領域A001に表示されている1番目のメッセージは、「状態安定 カニューレ交換」である。「中山 花子」は、メッセージの対象の患者の氏名を示している。「くれお診療所」は、メッセージの対象の患者の主所属施設を示している。「21秒前」は、メッセージの公開時刻から現在時刻までの経過時間を示している。
「既読」は、メッセージがユーザにより既に読まれていることを示している。「優先度」は、メッセージを書き込んだユーザがメッセージに付した優先度を示す。この実施形態において、優先度は、例えば、「1」、「2」、「3」のいずれかである(例えば、数が多い程、優先度が高い)。
「診療記録」は、メッセージを書き込んだユーザがメッセージに付した連絡種別を示す。連絡種別は、管理者により施設毎に登録された複数の選択肢の中からメッセージを書き込むユーザが選択できる。
「法人職員」は、メッセージを書き込んだユーザの種別を示す。この実施形態において、ユーザの種別は、例えば、「法人職員」、「連携職員」、「ご家族」のいずれかである。なお、「ご家族」は、患者に対する在宅医療サービスの提供を依頼した依頼者(患者の保護者等)を意味する。
「ミヤケ ツバサ」は、メッセージを書き込んだユーザの氏名を示している。「[血圧 (mmHg):125/55][脈拍(回/分):56]」は、メッセージを書き込んだユーザが測定した患者の生体情報を示している。
上述したメッセージの属性の一部の項目は、領域A003〜A005においてユーザにより指定される抽出条件の抽出キーとして用いられる。
上述したように、新着情報画面に表示される情報のうち、主所属施設、連絡種別等は、登録されている選択肢の中からユーザが選択する情報である。それらの選択肢等は、予め管理者によってサーバシステム11に登録されている。管理者は通信装置13又は通信装置12を用いてサーバシステム11にログインした後、メニュー画面を開き、「管理」を選択することで、管理画面を通信装置13又は通信装置12に表示させることができる。
管理画面には、各種登録画面の名称が選択肢としてリスト表示される。管理画面に表示される各種登録画面の名称は、例えば、「患者登録」、「ユーザ登録」、「施設登録」、「定型文登録」、「連絡種別登録」である。以下にこれらの名称に応じた登録画面を説明する。なお、以下に例示の登録画面は、通信装置12に表示されるフォーマットの画面であるが、管理者は通信装置13を用いてログインし、通信装置13に各種登録画面を表示させることもできる。
図8は、患者登録画面の例である。患者登録画面は、患者の各種属性を登録するための画面である。患者登録画面において登録可能な患者の属性は、例えば、患者ID(患者を識別する対象識別データの一例)、主所属施設、氏名、性別、生年月日、患者カードID、電話番号、メールアドレス、住所、連携職員/ご家族等である。
主所属施設は、後述の施設登録画面において登録されている施設から選択される。連携職員/ご家族は、後述のユーザ登録画面において登録されているユーザのうち、ユーザの種別が「連携職員」又は「ご家族」のユーザから選択される。なお、連携職員/ご家族は、複数選択が可能である。
また、管理者は、患者登録画面において、患者に関する各種情報を示すデータを格納したファイル(画像ファイル、テキストファイル等)を患者に関する情報として登録することができる。ユーザは患者に関するメッセージを書き込む際にもファイルを登録することができるが、その場合、登録されるファイルはメッセージに関するファイルとして、メッセージと共に表示される。従って、メッセージの公開時刻が古くなると、タイムライン表示において、メッセージと共に登録されたファイルは探し出すのが困難になる。一方、患者に関する情報として登録されるファイルは、後述の患者情報画面においてユーザが容易に閲覧できる。
患者登録画面において管理者により入力された各種情報は、患者テーブルに格納され、サーバシステム11が内蔵する記憶装置、又は、サーバシステム11がデータを読み書き可能な外部の記憶装置に記憶される。
図9は、ユーザ登録画面の例である。ユーザ登録画面は、ユーザの各種属性を登録するための画面である。ユーザ登録画面において登録可能なユーザの属性は、例えば、氏名、メールアドレス、電話番号、性別、生年月日、種別、社員番号、主所属施設、優先表示施設、権限等である。種別は、「法人職員」、「連携職員」、「ご家族」のいずれかから選択される。権限は、「管理者」、「一般ユーザ」等の予め登録されている権限グループの中から選択され、ユーザ登録画面において登録された権限グループに応じて、ユーザが情報共有システム1の利用において読み書きが可能な情報の範囲が決定される。
ユーザ登録画面において管理者により入力された各種情報は、ユーザテーブルに格納され、サーバシステム11が内蔵する記憶装置、又は、サーバシステム11がデータを読み書き可能な外部の記憶装置に記憶される。
図10は、施設登録画面の例である。施設登録画面は、施設の各種属性を登録するための画面である。施設登録画面において登録可能な施設の属性は、例えば、施設名、住所、電話番号、種別等である。種別は、「法人内施設」、「連携施設」等の予め登録されている施設の種別から選択される。
施設登録画面において管理者により入力された各種情報は、施設テーブルに格納され、サーバシステム11が内蔵する記憶装置、又は、サーバシステム11がデータを読み書き可能な外部の記憶装置に記憶される。
図11は、定型文登録画面の例である。定型文登録画面は、多くのユーザにより頻繁に書き込まれるメッセージを、ユーザが選択するだけで入力可能な定型文として登録するための画面である。例えば、図6の領域A001に表示されている1番目のメッセージに含まれる「状態安定」や「カニューレ交換」は定型文の例である。ユーザにより頻繁に書き込まれるメッセージの中には、そのユーザが所属する施設に固有のものがある。そこで、定型文登録画面において、管理者は、施設名を選択した後、選択した施設名の施設に属するユーザが選択可能な定型文を入力し、その定型文を登録する。また、管理者は、定型文を登録する際、表示順を数値(例えば、数値が小さい程、上に表示される)を入力する。
定型文登録画面において管理者により入力された各種情報は、定型文テーブルに格納され、サーバシステム11が内蔵する記憶装置、又は、サーバシステム11がデータを読み書き可能な外部の記憶装置に記憶される。
図12は、連絡種別登録画面の例である。連絡種別登録画面は、メッセージの書き込み時にユーザが選択するメッセージの種別である連絡種別の選択肢を登録するための画面である。連絡種別登録画面において、管理者は、種別名、フォントカラー、バックグラウンドカラー、表示順を入力する。フォントカラーとバックグランドカラーは、連絡種別が表示される際の文字及び背景の色である。表示順は、連絡種別が選択肢としてリスト表示されるときの順序を示す数値(例えば、数値が小さい程、上に表示される)である。
連絡種別登録画面において管理者により入力された各種情報は、連絡種別テーブルに格納され、サーバシステム11が内蔵する記憶装置、又は、サーバシステム11がデータを読み書き可能な外部の記憶装置に記憶される。
以上が、各種登録画面の説明である。ユーザは、図6に示した新着情報画面の他に、タイムライン画面と申し送り画面において、メッセージを閲覧することができる。また、ユーザは、タイムライン画面において、新たなメッセージを電子掲示板に書き込むことができる。
図13は、タイムライン画面の例である。ユーザは、例えば、新着情報画面(図6)の領域A001に表示されているメッセージに対しタッチ等の操作を行うことで、そのメッセージの対象である患者のタイムライン画面を通信装置13又は通信装置12に表示させることができる。以下にタイムライン画面に表示される情報を説明する。
タイムライン画面は、複数の患者の各々を対象とする電子掲示板の役割を果たす画面の一例である。領域A101には、対象の患者の氏名が表示される。領域A102には、対象の患者に関し、様々なユーザが書き込んだメッセージがそのメッセージに付加された属性と共にタイムライン表示される。なお、タイムライン表示とは、メッセージを公開時刻順に表示する方式を意味する。なお、タイムライン画面においては、公開時刻が新しいメッセージほど、下方に表示される。
領域A102において、各メッセージにはメッセージを書き込んだユーザのアイコンが表示される。そして、タイムライン画面を閲覧しているユーザ(以下、「閲覧ユーザ」という)が書き込んだメッセージに関しては、メッセージを書き込んだ閲覧ユーザのアイコンがメッセージの右側に表示され、閲覧ユーザではないユーザが書き込んだメッセージに関しては、メッセージを書き込んだユーザ(閲覧ユーザではないユーザ)のアイコンがメッセージの左側に表示される。従って、ユーザは、自分が書き込んだメッセージと他のユーザが書き込んだメッセージを直感的に判別できる。
さらに、メッセージを書き込んだユーザの種別(法人職員、連携職員、ご家族、閲覧ユーザのいずれか)によって、そのメッセージの背景色が異なる。従って、ユーザは、各メッセージを書き込んだユーザの種別を直感的に判別できる。
領域A102に表示されているメッセージを例に、メッセージ及びそのメッセージと共に表示される属性を説明する。領域A102の上側のメッセージは閲覧ユーザが書き込んだメッセージであるため、アイコンがメッセージの右側に表示されている。「診療記録」は連絡種別を示す。3つの星印は優先度を示す。「送」マークはこのメッセージが申し送りの内容を含むメッセージであることを示す。「定期処方 状態安定 採血」はメッセージである。「09:46」は公開時刻を示す。「送信済」はメッセージを示すメッセージデータが、通信装置13又は通信装置12からサーバシステム11に送信済みであることを示す。
「削除」の文字は操作ボタンの役割を果たし、ユーザはこの文字に対しタッチ等の操作を行うことによりメッセージ(及びメッセージに付加されている属性)をサーバシステム11から削除することができる。「再編集」の文字は操作ボタンの役割を果たし、ユーザはこの文字に対しタッチ等の操作を行うことによりメッセージ及びメッセージに付加されている属性を編集することができる。なお、メッセージ及び属性の編集は、領域A103において行われる。
「法人職員」はメッセージを書き込んだユーザの種別を示す。「ミヤケ ツバサ」はメッセージを書き込んだユーザの氏名を示す。
領域A102の下側のメッセージは、閲覧ユーザではないユーザが書き込んだメッセージであるため、アイコンがメッセージの左側に表示されている。このメッセージは、種別が「連携職員」の「オカモト アスカ」という氏名のユーザにより書き込まれたことが判る。
「診療記録」は連絡種別を示す。「翌日TEL」は、対象の患者の登録されている電話番号に翌日、電話をかける必要があることを示す。「書類」は、対象の患者に関する書類を準備する必要があることを示す。2つの星印は優先度を示す。「送」マークはこのメッセージが申し送りの内容を含むメッセージであることを示す。「明日診療予定です([脈拍(回/分):55])」はメッセージである。このメッセージには、患者から測定した脈拍の測定値が含まれている。「10:07」は公開時刻を示す。
「未読」はそのメッセージが閲覧ユーザによってまだ読まれていないことを示す。本実施形態において、メッセージは以下のいずれかが行われた場合、閲覧ユーザにより読まれたものと判断され、その属性が未読から既読に変更される。
(1)メッセージに対しタッチ等の操作が行われ、そのメッセージに関するメッセージ詳細画面が開かれた場合
(2)メッセージが領域A102に表示されている状態で、領域A104に表示される「全て既読にする」ボタンに対しタッチ等の操作が行われた場合
上述のように、ユーザは領域A102に表示されているメッセージにタッチ等の操作を行うことで、そのメッセージに関するメッセージ詳細画面を通信装置13又は通信装置12に表示させることができる。
図14は、メッセージ詳細画面の例である。メッセージ詳細画面には、タイムライン画面に表示されていたメッセージ及びそのメッセージの基本的な属性に加え、このメッセージに添付されているファイル名、このメッセージが閲覧ユーザによって読まれた時刻等の補足的な情報が表示される。
図13に戻り、タイムライン画面に表示される情報の説明を続ける。領域A103は、ユーザがメッセージ及びその属性を入力又は編集するための領域である。図15は、領域A103を拡大した図である。領域A103には、「宛先選択」ボタン、「添付ファイル」ボタン、「対応」ボタン、「公開日」ボタン、「定型文」ボタン、「測定値」ボタン、「送信」ボタンが含まれる。
ユーザが「宛先選択」ボタンに対しタッチ等の操作を行うと、タイムライン画面の対象の患者に関し、患者登録画面(図8)の連絡先一覧において登録された連携職員及びご家族の氏名のリストがポップアップ表示される。ユーザは、そのリストからいずれかの氏名を選択することで、書き込むメッセージを閲覧できるユーザを選択することができる。なお、本実施形態においては、法人職員には全てのメッセージを閲覧できる権限が与えられる。従って、「宛先選択」ボタンにタッチ等の操作がされず、宛先のユーザが選択されない場合、メッセージは法人職員であるユーザには閲覧されるが、連携職員やご家族には閲覧されない。
ユーザが「添付ファイル」ボタンにタッチ等の操作を行うと、以下の2つの操作を選択することができる。
(1)通信装置13のカメラ機能により画像を撮影し、撮影された画像を表す画像データのファイル名をポップアップされる窓で指定する。なお、ファイル名を指定する窓に何も入力しない場合には、システムにより自動的に決定されたファイル名が自動付与されるため、ユーザはファイル名を指定しなくてもよい。
(2)通信装置13又は通信装置12に記憶されているファイルを選択するための窓がポップアップ表示される。その窓において、ユーザはメッセージに添付するファイルを選択する。
(1)においてユーザによりファイル名の指定された画像データのファイル、又は、(2)においてユーザにより選択されたファイルは、メッセージとともに添付ファイルとして送信される。
ユーザが「対応」ボタンにタッチ等の操作を行うと、「物品・薬剤」、「往診調整」、「書類」を選択肢として含むリストがポップアップ表示される。ユーザは、そのリストからいずれかの選択肢を選択することによって、書き込むメッセージが選択した対応を要することを伝えるためのメッセージであることを閲覧者に示すことができる。
ユーザが「公開日」ボタンにタッチ等の操作を行うと、日時を入力するための窓がポップアップ表示される。ユーザは、その窓においてメッセージの公開時刻(通常は未来の時刻)を指定することができる。なお、「公開日」ボタンにタッチ等の操作が行われない場合、メッセージの公開時刻は「送信」ボタンにタッチ等の操作が行われた時点の時刻となる。
ユーザが「定型文」ボタンにタッチ等の操作を行うと、登録されている定型文を選択肢として含むリストがポップアップ表示される。ユーザは、そのリストからいずれかの選択肢を選択することによって、定型文をメッセージとして入力することができる。ユーザによりメッセージとして入力された定型文は、領域A1035に表示される。なお、ユーザは複数回、「定型文」ボタンにタッチ等の操作を行い、リストから選択肢を選択する操作を繰り返すことによって、複数の定型文を含むメッセージを入力することができる。
ユーザが「測定値」ボタンにタッチ等の操作を行うと、測定値を入力するための窓がポップアップ表示される。その窓には、予め登録されている測定項目を選択肢として含むリストと、測定値を入力する入力ボックスが表示される。ユーザが、その窓において、リストからいずれかの選択肢を選択し、入力ボックスに測定値を入力すると、測定項目及びその測定項目に関する測定値がメッセージに付加される。
領域A103には、上述したボタンに加え、チェックボックス及び入力ボックスが含まれている。領域A1031に表示される「申送」チェックボックスは、メッセージが申し送り内容を示すメッセージである場合にユーザがチェックを入れるボックスである。領域A1032に表示される「翌TEL」チェックボックスは、メッセージが翌日に患者の電話番号に電話をかけることを指示するメッセージである場合にユーザがチェックを入れるボックスである。
ユーザが領域A1033のボックスにタッチ等の操作を行うと、ボックスが拡張し、連絡種別を選択肢として含むリストが表示される。ユーザは、そのリストからいずれかの選択肢を選択することで、メッセージの連絡種別を指定することができる。
ユーザが領域A1034のボックスにタッチ等の操作を行うと、ボックスが拡張し、優先度を選択肢として含むリストが表示される。ユーザは、そのリストからいずれかの選択肢を選択することで、メッセージの優先度を指定することができる。
領域A1035の入力ボックスは、ユーザがメッセージを入力するためのボックスである。ユーザは、既述のように、「定型文」ボタンにタッチ等の操作を行って、領域A1035の入力ボックスに定型文を入力することができる。また、ユーザは、領域A1035の入力ボックスに、自由にメッセージを入力することもできる。
ユーザが、上述したメッセージ及び各種属性の入力を終え、「送信」ボタンにタッチ等の操作を行うと、通信装置13又は通信装置12からサーバシステム11に対し、通信ネットワークNを介して、入力したメッセージ及び各種属性を示すメッセージデータが、そのメッセージの対象である患者を識別する対象識別データ(患者ID)と共に送信される。
サーバシステム11はサーバシステム11又は通信装置12から送信されてくるメッセージデータを、一緒に送信されてくる対象識別データと対応付けて記憶装置に記憶する。記憶装置に記憶されたそれらのデータは、その後、いずれかのユーザがメッセージを閲覧する際に、そのユーザの使用する通信装置13又は通信装置12に送信され、新着情報画面、タイムライン画面等におけるメッセージの表示に用いられる。
図13に戻り、タイムライン画面の説明を続ける。既述のように、領域A104には「全て既読にする」ボタンが表示される。ユーザが「全て既読にする」ボタンにタッチ等の操作を行うと、その時点でタイムライン画面に表示されているメッセージが全て既読となる。
領域A105には「電話」ボタンが表示される。ユーザは「電話」ボタンにタッチ操作を行って、タイムライン画面の対象の患者の電話番号に、電話網Tを介して電話をかけることができる。なお、通信装置12においてはタイムライン画面に「電話」ボタンは表示されない。通信装置12は電話網Tを介して電話機に電話をかける機能を有さないためである。
図16は、ユーザが「電話」ボタンにタッチ操作を行った場合に通信装置13が表示する画面の遷移を示した図である。図16(A)は、対象の患者が「中山 一郎」のタイムライン画面である。ユーザが図16(A)のタイムライン画面に表示されている「電話」ボタンにタッチ操作を行うと、図16(B)に示すような電話発信画面が表示される。電話発信画面は、情報共有システム1を利用するためのアプリケーションプログラム(電子掲示板アプリ)の画面であってもよいし、通信装置13においてユーザが電話をかける際に用いる電話用のアプリケーションプログラム(電話機アプリ)の画面であってもよい。後者の場合、電子掲示版アプリにおいて、「電話」ボタンにタッチ操作が行われると、電子掲示版アプリがインアクティブ化され、電話機アプリがアクティブ化されて、図16(B)の電話発信画面に表示されることになる。以下の説明において、電話発信画面は電子掲示板アプリとは異なる電話機アプリにより表示されるものとする。
通信装置13は、図16(A)の画面においてユーザが「電話」ボタンにタッチ操作を行うと、そのタッチ操作に応じて、対象の患者の電話番号を要求する電話番号要求データをサーバシステム11に通信ネットワークNを介して送信する。サーバシステム11は、通信装置13から受信した電話番号要求データに応じて、対象の患者に関し登録されている電話番号(複数の電話番号が登録されている場合はそれらの最初の電話番号)を示す電話番号データを通信ネットワークNを介して通信装置13に送信する。通信装置13は、サーバシステム11から受信した電話番号データが示す電話番号を図16(B)の電話発信画面に表示する。
図16(B)の例では、患者「中山 一郎」に関する電話番号として、例えば父親の「中山 太郎」の電話番号が登録されており、その電話番号が自動的に電話発信画面の電話番号入力欄に入力されている。なお、図16(B)の例では、電話番号に加え「中山 太郎」の氏名が表示されている。通信装置13の電話帳を参照して、電子掲示版アプリから引き渡された電話番号が電話帳に登録されている場合、その電話番号に対応付けて電話帳に登録されている氏名を電話発信画面に表示する。
図16(B)の画面において、ユーザが発信先を確認して、「電話」ボタンにタッチ操作を行うと、通信装置13は電話番号入力欄に入力されている電話番号により識別される電話機の呼出を要求する呼出要求データを電話網Tに送信する。通信装置13は、呼出要求データを送信した後、発信先の電話番号の電話機と接続されるまでの間、ダイヤル中であることを示す図16(C)の画面を表示する。
電話網Tは、通信装置13から送信された呼出要求データに応じて発信先の電話番号の電話機を呼び出し、その電話機が呼び出しに応じた場合、その電話機と発信元の通信装置13の間に音声通話のための接続を確立する。その後、通信装置13のユーザは、発信先の電話番号の電話機のユーザとの間で通話を行うことができる。通話中、通信装置13は図16(D)の画面を表示する。
ユーザは、図16(D)の画面の「通話を終了」ボタンにタッチ操作を行って、通話相手との通話を終了することができる。通話が終了されると、通信装置13は図16(B)の電話発信画面が表示される前に表示していた画面(この場合、図16(A)のタイムライン画面)を表示する。図16(B)〜(D)の画面が電話機アプリの画面である場合、通話の終了に伴い、電話機アプリがインアクティブ化され、電子掲示版アプリがアクティブ化されて、図16(A)のタイムライン画面が表示されることになる。
なお、図16(B)の画面においてユーザが「電話」ボタンの右の「×」ボタンにタッチ操作を行った場合や、図16(C)の画面においてユーザが「通話を終了」ボタンにタッチ操作を行った場合も、通信装置13は図16(A)のタイムライン画面を表示する。
このように、情報共有システム1においては、ユーザが患者の電話番号に電話網Tを介して電話をかけたい場合、登録されている電話番号をメモ用紙に書き取ったり、電子掲示版アプリと電話機アプリの切り替えを行ったりする手間を要さない。
図13に戻り、タイムライン画面の説明を続ける。タイムライン画面の領域A106には、「患者情報詳細」ボタンが表示される。ユーザが「患者情報詳細」ボタンにタッチ等の操作を行うと、通信装置13又は通信装置12には、図17に示す患者情報画面が表示される。
患者情報画面の領域A201には、患者の氏名が表示される。領域A202には、患者の属性のうち主所属施設、生年月日、性別が表示される。領域A203には、この患者に関し登録されている添付ファイルのファイル名がリスト表示される。ユーザは、領域A203に表示されるいずれかのファイル名にタッチ等の操作を行うことで、そのファイル名のファイルを開いて通信装置13又は通信装置12に表示させることができる。
領域A204には「詳細」ボタンが表示される。ユーザが「詳細」ボタンにタッチ等の操作を行うと、この患者に関し登録されている全ての属性を表示する患者情報詳細画面が表示される。患者情報詳細画面は、患者登録画面(図8)と同様の画面であるが、ユーザは、患者情報詳細画面においては登録されているデータの編集はできない。
ユーザが管理者である場合、領域A205には「編集」ボタンが表示される。ユーザが「編集」ボタンにタッチ等の操作を行うと、患者登録画面(図8)が表示され、管理者であるユーザは登録されている患者に関する情報を編集することができる。
ユーザが通信装置13を用いている場合、領域A206には「電話」ボタンが表示される。ユーザが「電話」ボタンにタッチ操作を行うと、図16に示したように、ユーザは対象の患者の電話番号に電話をかけることができる。なお、ユーザが患者情報画面において「電話」ボタンにタッチ操作を行って電話をかけた場合、通話が終了した際に表示される画面は患者情報画面である。
領域A207には「タイムライン」ボタンが表示される。ユーザは「タイムライン」ボタンにタッチ等の操作を行って、対象の患者のタイムライン画面(図13)を通信装置13又は通信装置12に表示させることができる。
領域A208にはメニューアイコンが表示される。ユーザはメニューアイコンにタッチ等の操作を行って、メニュー画面(図7)を通信装置13又は通信装置12に表示させることができる。
図13に戻り、タイムライン画面の説明を続ける。タイムライン画面の領域A107にはメニューアイコンが表示される。ユーザはメニューアイコンにタッチ等の操作を行って、メニュー画面(図7)を通信装置13又は通信装置12に表示させることができる。
図18は、申し送り画面の例である。申し送り画面は、様々な患者に関し書き込まれたメッセージのうち、図15の領域A1031の「申送」チェックボックスがチェックされたメッセージのみを抽出して表示する画面である。申し送り画面の領域A301には、抽出されたメッセージが表示される。
領域A302には、ユーザが領域A301に表示されるメッセージを抽出するための条件を指定する入力ボックスが表示される。領域A302においてユーザは、メッセージの公開時刻が満たすべき時間帯、メッセージの対象の患者の主所属施設、メッセージに付加されている連絡種別、メッセージの対象の患者の氏名、メッセージの差出人の氏名、翌日TELの指示の有無、対応(物品・薬剤、往診調整、書類)の指示の有無を、領域A301に表示されるメッセージの抽出条件として指定することができる。
また、ユーザは、領域A303において、最大3つまで、領域A301に表示されるメッセージの並び順の条件を指定することができる。ユーザが領域A303において並び順を指定しない場合、領域A301にはメッセージが公開時刻の新しい順に表示される。
ユーザが必要に応じて、領域A302において抽出条件を指定し、領域A303において並び順の条件を指定した後、領域A304に表示される「適用」ボタンにタッチ等の操作を行うと、領域A301には指定された抽出条件を満たすメッセージが、指定された並び順の条件に従いソートされて表示される。
ユーザは、領域A301に表示されているメッセージをプリンタ又はCSV形式のファイルに出力したい場合、領域A305の「全て選択」ボタンにタッチ等の操作を行って領域A301に表示されている全メッセージを選択するか、領域A305の「全て解除」ボタンにタッチ等の操作を行っていずれのメッセージも選択されていない状態にした後、必要に応じて、領域A301においてメッセージの左側に表示されているチェックボックスにタッチ等の操作を行って、出力対象のメッセージを選択する。その後、ユーザは領域A306の「印刷」ボタン、又は「CSV出力」ボタンにタッチ等の操作を行って、選択したメッセージをプリンタ又はCSV形式のファイルに出力する。
ユーザが通信装置13を用いている場合、領域A301において、各メッセージの右上には「電話」ボタンが表示される。ユーザが「電話」ボタンにタッチ操作を行うと、図16に示したように、ユーザはメッセージの対象の患者の電話番号に電話をかけることができる。なお、ユーザが申し送り画面において「電話」ボタンにタッチ操作を行い電話をかけた場合、通話が終了した際に表示される画面は申し送り画面である。
領域A308にはメニューアイコンが表示される。ユーザはメニューアイコンにタッチ等の操作を行って、メニュー画面(図7)を通信装置13又は通信装置12に表示させることができる。
ユーザは、メニュー画面(図7)のリストに含まれる「患者リスト」にタッチ等の操作を行って、図19に示す患者リスト画面を通信装置13又は通信装置12に表示させることができる。患者リスト画面の領域A401には、サーバシステム11に登録されている患者の氏名が、生年月日等の基本的な属性とともにリスト表示される。領域A401には、閲覧ユーザの優先表示施設を主所属施設としている患者が上位に表示される。なお、優先表示施設とは、ユーザ登録画面(図9)において管理者によりユーザ毎に登録された属性である。
ユーザは、領域A402において、領域A401に表示される患者を抽出する条件と、領域A401に表示される患者の並び順の条件を指定することができる。ユーザが領域A402において指定できる抽出条件は、患者の主所属施設、患者の状態(「現在の患者」又は「休止・死亡を含む患者」)、患者ID、患者名である。また、ユーザが領域A402において指定できる並び順の条件は、患者名の読み仮名の昇順又は降順である。
また、ユーザは、領域A403において、領域A401に表示される患者の読み仮名の冒頭の音を指定することができる。
ユーザは、領域A401に表示されているいずれかの患者の氏名にタッチ等の操作を行うことで、その患者のタイムライン画面(図13)を通信装置13又は通信装置12に表示させることができる。
ユーザが通信装置13を用いている場合、領域A401において、各患者の情報の右側には「電話」ボタンが表示される。ユーザはいずれかの患者に応じた「電話」ボタンにタッチ操作を行って、図16に示したように、その患者の電話番号に電話をかけることができる。なお、ユーザが患者リスト画面において「電話」ボタンにタッチ操作を行って電話をかけた場合、通話が終了した際に表示される画面は患者リスト画面である。
なお、患者リスト画面に表示される「電話」ボタンに対しユーザがタッチ操作を行った場合に通信装置13が電話をかける処理に用いる電話番号を示す電話番号データは、通信装置13が領域A401に患者リストを表示する際にサーバシステム11から予め受信しておいてもよいし、ユーザが「電話」ボタンに対しタッチ操作を行った際に通信装置13がサーバシステム11から受信してもよい。
前者の場合、通信装置13は、後述する領域A402又は領域A403においてユーザが抽出条件を指定する毎に、ユーザにより指定された抽出条件を示す抽出条件データを通信ネットワークNを介してサーバシステム11に送信する。サーバシステム11は、登録されている患者のうち抽出条件データが示す抽出条件を満たす患者を識別する対象識別データとそれらの患者に関し登録されている各種属性(氏名、生年月日、電話番号等)を示すデータを通信ネットワークNを介して通信装置13に送信する。通信装置13は、サーバシステム11から受信するデータに含まれる電話番号データを記憶しておく。そして、通信装置13は、ユーザによりいずれかの患者に応じた「電話」ボタンに対するタッチ操作が行われた際、その患者に関し記憶していた電話番号データを用いて電話をかける処理を行う。
後者の場合、通信装置13は、ユーザによりいずれかの患者に応じた「電話」ボタンに対するタッチ操作が行われた際、ユーザにより指定された患者の電話番号を要求する電話番号要求データを通信ネットワークNを介してサーバシステム11に送信する。サーバシステム11は、電話番号要求データに応じて、ユーザにより指定された患者に関し登録されている電話番号を示す電話番号データを通信ネットワークNを介して通信装置13に送信する。通信装置13は、サーバシステム11から受信した電話番号データを用いて電話をかける処理を行う。
ユーザは、領域A401において、いずれかの患者の情報の右側に表示されている「i」ボタンにタッチ等の操作を行うことで、その患者の患者情報画面(図17)を通信装置13又は通信装置12に表示させることができる。
また、領域A404にはメニューアイコンが表示される。ユーザはメニューアイコンにタッチ等の操作を行って、メニュー画面(図7)を通信装置13又は通信装置12に表示させることができる。
上述した情報共有システム1によれば、通信装置13を用いるユーザは情報共有システム1において提供される電子掲示版において情報の共有を行う対象に関し登録されている電話番号に、電話網を介して容易に電話をかけることができる。なお、その場合、電話の発信先の電話機は、情報共有システム1を構成する通信装置13でなくてもよい。
上述した実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々に変形することができる。例えば、上述した実施形態において示した各種の画面は例示であって、それらの画面に表示される情報の種別や、それらの画面において表示される項目の配置等は様々に変更されてよい。また、上述した実施形態において示した画面の遷移経路も例示であって、様々に変更されてよい。以下にそれらの変形の例を示す。
(1)上述した実施形態においては、対象の患者に関し登録されている電話番号が複数ある場合、ユーザがタイムライン画面等において「電話」ボタンにタッチ操作を行うと、電子掲示版アプリは電話機アプリに対し、それらの複数の電話番号の最初のものを引き渡し、通信装置13は最初の電話番号に電話をかけられる状態となる(図16(A)及び(B))。
これに代えて、対象の患者に関し登録されている電話番号が複数ある場合、ユーザがタイムライン画面等において「電話」ボタンにタッチ操作を行うと、電子掲示版アプリは電話機アプリに対し、それらの複数の電話番号の全てを引き渡し、通信装置13がそれら複数の電話番号からユーザに電話をかける相手の電話番号を選択させる画面を表示する構成が採用されてもよい。
図20は、この変形例において、通信装置13が電話をかける際に表示する画面の遷移を示した図である。例えば、患者である「中山 一郎」に関し複数の電話番号が登録されており、「中山 一郎」に関するタイムライン画面(図20(A))においてユーザが「電話」ボタンにタッチ操作を行うと、電子掲示版アプリから電話機アプリに「中山 一郎」に関し登録されている複数の電話番号が全て引き渡され、通信装置13はそれらの電話番号を選択肢としてリスト表示する(図20(B))。ユーザがリスト表示されている電話番号のいずれかにタッチ操作を行うと、通信装置13はユーザによりタッチ操作が行われた電話番号に対し電話をかける処理を行う(図20(C))。
電話をかけた相手が呼出に応えない等の理由で、ユーザが相手と通話せずに「通話を終了」ボタンにタッチ操作を行い、呼出を終了した場合、通信装置13は図20(B)の画面を表示する。ユーザは通信装置13に再び表示される図20(B)の画面においてリスト表示される電話番号のいずれかにタッチ操作を行うことによって、患者に関し登録されている複数の電話番号に順次呼出を行うことができる。なお、ユーザが電話をかけた相手と通話をした後にその通話を終了した場合、通信装置13は、例えば、図20(B)の画面ではなく図20(A)の画面を表示する。
(2)本発明は、上述したサーバシステム11に例示されるシステム、通信装置12に例示される通信装置、通信装置13に例示される通信装置、コンピュータにこれらの装置が行う手順を実行させるためのプログラム、コンピュータにこれらの装置が行う手順を実行させるためのプログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な非一過性の記録媒体、コンピュータにこれらの装置が行う手順を実行させるためのコンピュータ読み取り可能な非一過性の記録媒体に記録されたコンピュータプログラム製品を提案するものである。