JP2014215188A - 車輪速検出機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】フロントフォークの軸線より後方で且つフロントフォークの後方に備えられるブレーキキャリパより前方に配置される車輪速センサの配置自由度を向上させる技術を提供することを課題とする。【解決手段】パルサリング51は、ホイール72に取り付けられる平板上の平板部65と、この平板部65の外周縁が屈曲した屈曲部65aから径方向外側に向けて幅方向外側に延びる切頭円錐状の内側傾斜部66と、内側傾斜部66の外周部分から車軸61方向内側に向けて外径が広がるように傾斜する傾斜面67と、この傾斜面67に被検出部52としての検出孔52aが形成される。車輪速センサ53は、傾斜面67に対向するように傾斜して取り付けられる。このため、パルサリング51の外径が比較的小さい場合でも、車輪速センサ53の先端部58を、フロントフォーク16Lの後端75よりも前方に配置することができる。【選択図】図3

Description

本発明は、車輪の回転速度を検出する車輪速検出機構の改良に関する。
自動二輪車において、ABS(Anti−lock Brake System)、車体制御、エンジン制御及び車速表示のために、車輪速を検出する。このような車輪速を検出する車輪速検出機構を備えた自動二輪車が知られている(例えば、特許文献1(図8)参照。)。
特許文献1の図8に示すように、車輪速検出機構(80)(括弧付き数字は、特許文献1記載の符号を示す。以下同じ。)において、車輪(14)にパルサリング(52)が設けられ、フロントフォーク(13)にブラケット75を介して車輪速センサ(60)が設けられる。この車輪速センサ(60)をパルサリング(52)の被検出部に対向するように配置することで車輪速を検出する。
自動二輪車の前輪では、飛び石等の影響を受け難くするために、フロントフォーク(13)の後方に車輪速センサ(60)を配置している。
一方で、フロントフォーク(13)の後方には、ブレーキキャリパ(77)が配置されるため、フロントフォーク(13)とブレーキキャリパ(77)との間のスペースが狭くなり、フロントフォーク(13)後方の車輪速センサ(60)の配置位置は限られていた。
そこで、フロントフォークの軸線より後方で且つフロントフォークの後方に備えられるブレーキキャリパより前方に配置される車輪速センサの配置自由度を向上させる技術が求められる。
特開2001−165949公報
本発明は、フロントフォークの軸線より後方で且つフロントフォークの後方に備えられるブレーキキャリパより前方に配置される車輪速センサの配置自由度を向上させる技術を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、フロントフォークに回転可能に支持される車輪に設けられこの車輪と共に回転するパルサリングと、前記フロントフォークに支持され前記パルサリングに形成された被検出部を検出する車輪速センサと、前記フロントフォークの後方に設けられるブレーキキャリパと、を備える車輪速検出機構であって、前記パルサリングは、外周部分が車軸方向内側に向けて傾斜する傾斜面を有し、前記被検出部は、前記傾斜面上に形成され、前記車輪速センサは、前記被検出部に対向するように傾斜して配置されると共に、前記フロントフォークの軸線より後方で且つ前記ブレーキキャリパより前方に配置されることを特徴とする。
請求項2に係る発明では、フロントフォークの車輪を支持する車軸は、フロントフォークの軸線に対して前方にオフセットされていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、車両側面視で、車輪速センサの少なくとも一部がフロントフォークに重なっていることを特徴とする。
請求項4に係る発明では、パルサリングは、板材をプレスすることで形成されていることを特徴とする。
請求項5に係る発明では、傾斜面の傾斜角は、パルサリングの回転面に対する傾斜角が30°以上60°以下の範囲であることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、車輪速センサは、フロントフォークの軸線より後方で且つブレーキキャリパより前方に配置される。フロントフォークの後方に車輪速センサが配置されるので、前方からの飛び石等をフロントフォークで防ぎ、車輪速センサを保護できる。また、車輪速センサの後方もブレーキキャリパにより保護できる。
加えて、パルサリングは、外周部分が車軸方向内側に向けて傾斜する傾斜面を有し、被検出部は、傾斜面上に形成される。車輪速センサは、被検出部に対向するように傾斜して配置されるので、フロントフォークとブレーキキャリパとの間の狭いスペースであっても被検出部を検出できる配置が可能になり、車輪速センサを配置する設計の自由度が向上する。
請求項2に係る発明では、フロントフォークの車輪を支持する車軸支持部は、フロントフォークの軸線に対して前方にオフセットされている。フロントフォーク後方のスペースがより狭くなる、いわゆるリーディングアクスルタイプの車両であっても、本発明によれば、車輪速センサを傾斜させて配置することで、パルサリングの大型化を抑えることができると共に、フロントフォークの後方に車輪速センサを配置することができる。
請求項3に係る発明では、車両側面視で、車輪速センサの少なくとも一部がフロントフォークに重なっている。車輪速センサをフロントフォークに近づけて配置するので、パルサリングを小型化でき、コンパクトに配置することができる。
請求項4に係る発明では、パルサリングは、板材をプレスすることで形成されている。板材をプレスするだけであるので、パルサリングの材料コスト及び加工コストを安価にできる。
請求項5に係る発明では、傾斜面の傾斜角は、パルサリングの回転面に対する傾斜角が30°以上60°以下の範囲である。仮に傾斜角が30°未満であれば、パルサリングの外径が大きくなり、フロントフォークとブレーキキャリパとの間に位置するようにすることが難しい。また仮に傾斜角が60°より大きければ、角度が急であり車輪速センサの配置が難しく、又、回転軸に対して垂直方向に近づけて配置されるにしたがい、パルサリングの外周にスペースが必要になり組み付け性も悪くなる。すなわち、傾斜角を30°以上60°以下とすることで、パルサリングの外径を抑えつつ、車輪速センサを容易に配置することができ、傾斜面とするメリットを享受することができる。
本発明に係る車輪速検出機構を採用した自動二輪車の左側面図である。 図1の要部拡大図である。 図2の3−3線断面図である。 本発明に係る車輪速検出機構の作用図である。 図2の別態様を説明する図である。 図5の6−6線断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。図中及び実施例において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」は、各々、自動二輪車に乗車する運転者から見た方向を示す。
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、自動二輪車10は、車体フレーム11と、この車体フレーム11の後部に揺動自在に懸架されるパワーユニット21と、車体フレーム11を覆う車体カバー31とを備える。
車体フレーム11は、ヘッドパイプ12と、このヘッドパイプ12から後下がりに延びるメインフレーム13と、このメインフレーム13の後端から後上がりに延びるシートレール14とからなる。
ヘッドパイプ12の下部にボトムブリッジ15を介してフロントフォーク16L(以下、Lは左を示す添え字、Rは右を示す添え字とする。)が支持され、このフロントフォーク16Lに回転可能に前輪17(車輪17)が支持される。また、ヘッドパイプ12の上部に前輪17を操舵するハンドル18が設けられ、シートレール14の上部に乗員が着座するシート19が設けられる。
パワーユニット21は、吸気系のエアクリーナ22と、排気系のマフラー23と、駆動輪としての後輪24とを備える。パワーユニット21とシートレール14との間にリヤクッション25が設けられ、リヤクッション25により衝撃が吸収される。
車体カバー31は、ヘッドパイプ12の前方を覆うフロントカバー32と、メインフレーム13の上方を覆うメインフレームカバー33と、メインフレーム13の車幅方向側方を覆うサイドカバー34と、シートレール14を覆うリヤカバー35とからなる。また、前輪17の上方は、フロントフェンダ36で覆われ、後輪24の上方は、リヤフェンダ37で覆われる。
また、自動二輪車10は、フロントフォーク16L及び前輪17に設けられ前輪17を制動するフロントブレーキ装置40と、フロントフォーク16L及び前輪17に設けられ前輪17の車輪速を検出する車輪速検出機構50とを備える。
次に本発明に係る要部について説明する。
図2に示すように、フロントブレーキ装置40は、前輪17に設けられ前輪17と共に回転するブレーキディスク41と、フロントフォーク16Lの後方にブラケット42を介して設けられブレーキディスク41を制動するブレーキキャリパ43と、このブレーキキャリパ43に接続されブレーキ液を送るブレーキホース44とを有する。なお、車輪速センサ53は、ブラケット42を介さずフロントフォーク16Lに直接取り付けてもよい。
ブラケット42は、フロントフォーク16Lの後側の上下にそれぞれ設けられたブラケット取付部45a、45bに、ボルト46によって締結される。ブレーキディスク41は、前輪17にボルト47によって締結される。
車輪速検出機構50は、前輪17に設けられ前輪17と共に回転する環状のパルサリング51と、フロントフォーク16Lにブラケット42を介して設けられパルサリング51の被検出部52を検出する車輪速センサ53と、この車輪速センサ53に接続され検出情報を伝達するケーブル54とを有する。
車輪速センサ50は、センサ取付部55を有し、このセンサ取付部55がボルト56によってブラケット42に締結される。パルサリング51は、前輪17にボルト57によって締結される。
フロントフォーク16Lは、下部前側に車軸61を支持する車軸支持部62Lが形成される。車軸支持部62Lは、フロントフォーク16Lの下部に前方へ膨出するように形成される。従って、車軸支持部62Lは、フロントフォーク16Lの軸線63に対して前方にオフセットされる。フロントフォーク16Lは、いわゆるリーディングアクスルのフロントフォーク16Lである。
前輪17は車軸61に支持され、車軸61は車軸支持部62L、62Rにナット64によって締結される。前輪17、ブレーキディスク41及びパルサリング51は、車軸61を同軸とする。パルサリング51の外径は、ブレーキディスク41の外径よりも小さい。車両側面視で、車輪速センサ53の先端部58がフロントフォーク16Lに重なっている。
次に本発明に係る要部を断面図に基づいて説明する。
図3に示すように、前輪17は、車軸61に軸受71を介して回転自在に支持されるホイール72によって支持されている。また、車軸61には、ホイール72と左右の車軸支持部62L、62Rとの間に設けられるカラー74L、74Rが通される。
パルサリング51は、ホイール72に取り付けられる平板上の平板部65と、この平板部65の外周縁が屈曲した屈曲部65aから径方向外側に向けて幅方向外側に延びる円錐状(切頭円錐状)の内側傾斜部66と、内側傾斜部66の外周部分から車軸61方向内側に向けて外径が広がるように傾斜する傾斜面67と、この傾斜面67に被検出部52としての検出孔52aが形成される。
車輪速センサ53は、傾斜面67に対向するように傾斜して取り付けられる。このため、パルサリング51の外径が比較的小さい場合でも、車輪速センサ53の先端部58を、フロントフォーク16Lの後端75よりも前方に配置することができる。車輪速センサ53が検出する検出孔52aは、側面視でフロントフォーク16Lと重なっている。即ち、車輪速センサ53を傾斜させることにより、フロントフォーク16Lの内側まで延ばすことができ、側面視、フロントフォーク16Lと検出孔52aが重なっていても、車輪速センサ53をパルサリング51の検出孔52aが検出可能な位置まで潜り込ませることができる。
パルサリング51の回転面68に対する傾斜面67の傾斜角は、αである。傾斜角αは、30°以上60°以下の範囲に設定されていることが好ましい。
仮に、傾斜角αが30°未満であれば、車輪速センサ53の方向を車軸61方向に近づけて配置しなくてはならず、先端部58が、フロントフォーク16Lの後端よりも後方に位置するため、パルサリング51の外径が大きくなる傾向になる。
また仮に、傾斜角αが60°より大きければ、車輪速センサ53の方向を車軸61直角方向に近づけて配置しなくてはならず、ブレーキディスク41とのクリアランスが狭くなる傾向になり、組み付け性が低下する。
したがって好ましくは、傾斜角αを30°以上60°以下とすることで、パルサリング51の外径が大きくなることを抑えつつ、車輪速センサ53を狭いスペースに容易に配置することができ、傾斜面67を設けるメリットを享受することができる。
また、パルサリング51は、板材をプレスすることで形成される。このため、傾斜面67を形成することが容易であり、パルサリング51を安価にすることができる。
以上の述べた車輪速検出機構50の作用を次に説明する。
図4(a)は比較例に係る車輪速検出機構100を説明する図であり、フロントフォーク101の車軸支持部102は、フロントフォーク101の軸線103に対して前方にオフセットされている。このため、フロントフォーク101とその後方のブレーキキャリパ104との間のスペースは狭い。パルサリング105は、全体が平板状に形成されており、車輪速センサ106の配置スペースがほとんどない。
このため広いスペースがあるフロントフォーク101の前方に、車輪速センサ106が配置される。想像線で示すフロントフェンダ107の一部を車輪速センサ106の前方まで延ばすことで、前方からの飛び石等から車輪速センサ106を保護する。また、フロントフェンダ107の一部を延ばさない場合であっても、別途、車輪速センサを保護する部品が必要となり、部品点数が多くなり好ましくない。
図4(b)は実施例に係る車輪速検出機構50は、フロントフォーク16Lの車軸支持部62Lは、フロントフォーク16Lの軸線63に対して前方にオフセットされている。このため、フロントフォーク16Lとその後方のブレーキキャリパ43との間のスペースは狭い。パルサリング51の外周部分は車軸61方向内側に向けて外径が広がるように傾斜する傾斜面67を有する。
このため、車両側面視で、車輪速センサ53の一部を、フロントフォーク16Lに重なるように配置できる。車輪速センサ53をフロントフォーク16Lに近づけるので、フロントフォーク16Lとブレーキキャリパ43との間の狭いスペースであっても、車輪速センサ53を配置できる。加えて、車輪速センサ53の前方は、フロントフォーク16Lで保護することができるので、別途、保護用のカバー部品を設ける必要がなく、部品コストを抑えることができる。さらに加えて、外観性も向上させることができる。
次に図2の別態様について説明する。なお、図2に示した構成と同一構成については同一符号を付け、詳細説明は省略する。
図5に示すように、フロントフォーク16Lの軸線63上に、前輪17を支持する車軸61が配置される。フロントフォーク16Lの後方にブレーキキャリパ43が配置される。フロントフォーク16Lの後方で且つブレーキキャリパ43の前方に車輪速センサ53が配置される。
車輪速センサ53の前方は、フロントフォーク16Lで保護することができると共に、車輪速センサ53の後方は、ブレーキキャリパ43で保護することができる。車輪速センサ53を保護するための部品を別途設ける必要がないので、部品コストを抑えることができる。
次に図3の別態様について説明する。なお、図3に示した構成と同一構成については同一符号を付け、詳細説明は省略する。
図6に示すように、フロントフォーク16L、16Rの下端部により、車軸61が支持されている。このため、フロントフォーク16Lの後方は、比較的広いスペースとなり、車輪速センサ53の配置自由度が高まる。
また、パルサリング51の傾斜面67の傾斜角αを変更することで、車輪速センサ53の配置角度も変更することができ、配置の設計自由度をより高めることができる。
尚、本発明は、実施の形態では、車輪速センサが車両の左側に設けられているが、車輪速センサが車両の右側に設けられていても差し支えない。パルサリングは、焼結された材料や、切削加工された材料で形成しても差し支えない。また、実施の形態では自動二輪車に適用したが、鞍乗り型四輪車にも適用可能であり、パルサリングに形成された被検出部を車輪速センサで検出する車輪速検出機構を備えた車両であれば、一般の鞍乗り型車両に適用することは差し支えない。
本発明は、車輪の回転速度を検出する車輪速検出機構を備えた自動二輪車に好適である。
10…自動二輪車、16L、16R…フロントフォーク、17…車輪(前輪)、43…ブレーキキャリパ、50…車輪速検出機構、51…パルサリング、52…被検出部、53…車輪速センサ、61…車軸、62L、62R…車軸支持部、63…フロントフォークの軸線、67…傾斜面、α…傾斜角。

Claims (5)

  1. フロントフォーク(16L)に回転可能に支持される車輪(17)に設けられこの車輪(17)と共に回転するパルサリング(51)と、
    前記フロントフォーク(16L)に支持され前記パルサリング(51)に形成された被検出部(52)を検出する車輪速センサ(53)と、前記フロントフォーク(16L)の後方に設けられるブレーキキャリパ(43)と、を備える車輪速検出機構(50)であって、
    前記パルサリング(51)は、外周部分が車軸(61)方向内側に向けて傾斜する傾斜面(67)を有し、
    前記被検出部(52)は、前記傾斜面(67)上に形成され、
    前記車輪速センサ(53)は、前記被検出部(52)に対向するように傾斜して配置されると共に、前記フロントフォーク(16L)の軸線(63)より後方で且つ前記ブレーキキャリパ(43)より前方に配置されることを特徴とする車輪速検出機構。
  2. 前記フロントフォーク(16L)の前記車輪(17)を支持する車軸(61)は、前記フロントフォーク(16L)の軸線(63)に対して前方にオフセットされていることを特徴とする請求項1記載の車輪速検出機構。
  3. 車両側面視で、前記車輪速センサ(53)の少なくとも一部が前記フロントフォーク(16L)に重なっていることを特徴とする請求項2記載の車輪速検出機構。
  4. 前記パルサリング(51)は、板材をプレスすることで形成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の車輪速検出機構。
  5. 前記傾斜面の傾斜角(α)は、前記パルサリング(51)の回転面 に対する前記傾斜角(α)が30°以上60°以下の範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の車輪速検出機構。
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