JP2014214754A - 制振サポート及び制振装置 - Google Patents

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    • F16F9/34Special valve constructions; Shape or construction of throttling passages

Abstract

【課題】機器、配管などの構造物に対して、温度変化による構造物の熱膨張などのような比較的ゆっくりした振動に対して構造物を柔構造で支持することができ、機械振動や地震などの振動に対しては構造物を剛構造で支持する制振サポートを提供する。
【解決手段】ピストン12で画成された二つの圧力室11aと圧力室11bとの間は、第1流路として構成したシリンダー11の外側に配したバイパス管13と、第2流路として構成したピストン12内に形成したオリフィス15と、によって連通されている。長周期の振動に対してはオリフィス15における圧力損失に役割を分担させ、短周期の振動に対しては管路長を長く構成したバイパス管13における付加減衰に役割を分担させている。
【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、振動を緩衝する制振サポート及び制振サポートを用いた制振装置に関する。
一般に発電用プラントなどでは、温度変化の大きい運転条件下や環境の下で使用されている機器、配管などの構造物は、温度変化に伴う構造物の熱膨張を緩和できるようにするため、柔構造によって支持されている。一方、このような柔構造で支持されている構造物に対しては、耐震性に対する備えを持たせておくことが必要になる。これを解決するためのものとして、通常は柔構造で支持しているが、地震時にはこれらの構造物を剛構造で支持することができ、地震時に発生する構造物に作用する応力を抑制できる制振サポートが提案されている。
このような柔構造と剛構造とに切り替わって構造物を支持できる制振サポートとしては、例えば、配管などに適用されているメカニカルスナバを挙げることができる。メカニカルスナバは、機械要素を用いることによって支持方向の変位を回転運動に変換するなど複雑な機構になっている。このため、機械要素が固着して、支持方向の変位を吸収することができなくなることが懸念されている。
そのため、メカニカルスナバを、例えば、インターナルポンプの耐震支持装置に適用する際には、機械要素が固着することによって過大な荷重がメカニカルスナバに加わった場合の対応策が求められている。
また、制振サポートとしては、流路内を流れる作動流体の慣性抵抗や粘性抵抗を利用した構成も提案されている。この種の構成では、流路内を流れる作動流体の慣性抵抗や粘性抵抗によって、振動を減衰させる減衰力を生じさせている。また、配管などの制振サポートとしては、作動流体を封入したシリンダー内において、ピストンによって画成された圧力室間をバイパス管で連通した構成などがある。
この構成では、振動による作用を受けたピストンは、シリンダー内を摺動することになり、ピストンが摺動することによって、二つの圧力室間には圧力差が生じる。この圧力差によって、作動流体は高圧側の圧力室からバイパス管内を高加速度状態で移動して、低圧側の圧力室に流入する。このときバイパス管内を移動する作動流体を利用して、作動流体の慣性抵抗に基づく制振効果を得るとともに、バイパス管路内での粘性抵抗により振動減衰効果を得ている。
また、シリンダー内の圧力室間をバイパス管で連通させた構成としては、シリンダーに設けたバイパス管内を移動する作動流体として、磁性流体を使用した構成も用いられている。この構成では、バイパス管路に磁力を加えることによって、バイパス管路内を移動する磁性流体に対して見かけ上の粘度を制御している。そして、粘性抵抗を制御することによって、振動を減衰させる減衰力の制御を行っている。
特開平7−12981号公報 特開平11−108099号公報 特開2011−158015号公報
このように従来から、機器、配管などの構造物を柔構造で支持することにより、温度変化による構造物の熱膨張を許容し、機械等の振動発生源から伝わる振動や地震などからの振動に対しては、構造物を剛構造で支持することのできる制振サポートが各種提案されている。
しかし、メカニカルスナバを用いた構成では、メカニカルスナバとしての信頼性を高めておくためには、万一の場合に備えて、機械要素が固着してしまうという問題に対して安全対策を講じておくことが必要となる。その上、機械要素に固着を生じさせないようにするためには、十分なメンテナンスが必要になる。
また、流路内を流れる作動流体の慣性抵抗や粘性抵抗を利用した構成では、バイパス管内を移動する作動流体の慣性抵抗によって、制振サポートの支持反力を得ていても、同時に発生する粘性抵抗が大きくなる。しかも、制振サポートの伸縮速度が大きい場合には、流動抵抗が過大になってしまい、制振サポートや制振対象物に対して損傷を与えてしまう懼れがある。特に、作動流体における速度依存の抵抗力を自在に設計しておくことは、困難なことであった。
本発明の実施形態は、上述した従来技術における問題点を解決することを目的になされたものであって、機器、配管などの多様な構造物の支持構造に係わることができる。しかも、温度変化によって構造物に生じた熱膨張などのように、振動の周期が長周期で振動数が低い変位挙動に対しては、低反力で減衰を行って構造物を柔構造の状態で支持することができ、機械等の振動発生源から伝わる振動や地震などに対しては、高反力となって減衰を行わせることができ、制振サポートや制振対象物に対して損傷を与えるのを防止して、構造物を剛構造の状態で支持できる制振サポート及びこの制振サポートを用いた制振装置の提供を課題にしている。
本発明の実施形態によれば、二つの構造物間を制振状態で連結する制振サポートであって、シリンダー及び前記シリンダー内を摺動するピストンと、前記シリンダー内に充填された作動流体と、を備え、
前記ピストンによって仕切られた前記シリンダーの圧力室間が、少なくとも2つの流路によって連通され、前記少なくとも2つの流路は、振動に対する減衰力が、振動数に依存して変化する第1流路と、前記振動数に依存せずに略一定になる第2流路と、から構成されていることを最も主要な特徴としている。
また、本発明の実施形態に係る制振サポートを用いて、二つの構造物間に少なくとも一つ配設した制振装置を他の最も主要な特徴としている。
本発明の実施形態に係る制振サポートでは、長周期の振動には低反力となって、制振対象物を柔構造で支持することができ、高振動数領域の振動に対しては、制振サポートや制振対象物に対して損傷を与えるのを防止して、剛構造の状態で制振対象物を支持することができる。
制振サポートの平面図である。(実施形態1) 制振サポートの断面図である。(実施形態1) 配管への適用に係わる正面図である。(実施形態1) 制振サポートの減衰特性図である。(実施形態1) 管摩擦抵抗FD1と管路出入口部での圧力損失FD2との比と、管路長さLと内径Dとの比との関係を示すグラフである。(実施形態1乃至3) 制振サポートの断面図である。(実施形態2) 制振サポートの断面図である。(実施形態3) 制振サポートの減衰特性図である。(実施形態3) 制振サポートの断面図である。(実施形態4) 配管への適用に係わる正面図である。(実施形態4) 制振サポートの断面図である。(実施形態5) 制振サポートの断面図である。(実施形態6) 制振サポートの断面図である。(実施形態7)
以下、本発明に係る制振サポートの実施形態について、図面を参照して説明する。
(実施形態1)
本発明に係る制振サポートの実施形態1について、図1から図5を用いて説明する。図1と図2(a)は、制振サポート10の正面図と断面図である。図2(b)には、図2(a)において丸で囲った部分の拡大図を示している。図1、図2(a)に示すように、作動流体が充填されたシリンダー11内には、ピストン12が摺動自在に配設されている。ピストン12の外周面には、シリンダー11の内周面との間をシールするシール部材を設けておくことも、ピストン12の外周面にメカニカルシールを施しておくこともできる。
シリンダー11内は、ピストン12によって二つの圧力室11aと圧力室11bとが画成されており、ピストン12には、ピストンロッド12aが設けられている。そして、ピストンロッド12aの端部には、クレビス16が回動自在に設けられている。また、クレビス16の配置側とは反対側になるシリンダー11の部位には、シリンダー11に設けた連結ロッド17を介して回動自在に取付金具18が設けられている。
二つの圧力室11aと圧力室11bとの間は、第1流路と第2流路との二つの流路によって連通されている。第1流路は、シリンダー11の外側に配したバイパス管13によって構成されており、第2流路は、オリフィス15を内蔵してピストン12に形成した貫通孔14によって構成されている。
バイパス管13は、管路長が十分に長く形成されており、例えば、バイパス管13の内径に対して管路長が約30倍以上の長さ寸法となるように構成されている。そして、シリンダー11の外部に導き出されたバイパス管13は、シリンダー11の外周を螺旋状に巻き回されており、バイパス管13の両端部は、シリンダー11内に開口した一対の出入口部13aによって、圧力室11aと圧力室11bとにそれぞれ連通している。
また、図2(b)に示すように、オリフィス15は、内径がdの寸法を有し、絞り部長さとしてlの寸法を有する形状に構成されている。そして、絞り部長さlの寸法は、十分に短く構成されており、例えば、オリフィス15の内径dの寸法に対して約1倍以下の長さ寸法に構成されている。
このように構成されたシリンダー11、ピストン12、バイパス管13、オリフィス15、クレビス16及び取付金具18によって制振サポート10が構成されている。図3に示すように、配管50と基礎51との間に制振サポート10を配することができる。例えば、制振サポート10のクレビス16を基礎51に固定し、配管50に設けた連結部材52に取付金具18を取り付けることで、配管50の制振装置として構成することができる。
このように、制振サポート10で配管50を支持することによって、配管50に生じる振動のうちで、温度変化に伴う配管50の熱膨張などの長周期の振動に対しては、柔構造で防振することができ、機械振動や地震等の短周期の振動に対しては、剛構造で防振することができる。
次に、図4、図5を用いて、柔構造と剛構造とで作用する制振サポート10について説明を行う。
一般に、作動流体における流体慣性が振動系に対して質量として付加されるとともに、付加減衰を発生させることが知られている。付加減衰としては、管摩擦抵抗における圧力損失によって生じる。流路の出入口部でも付加減衰は生じるが、流路の長さが流路断面に比べて十分に短い出入口部では、流体慣性も小さくなるので付加減衰は無視できるほど小さくなる。そして、流路の出入口では、付加減衰よりも出入口部での圧力損失による影響の方が大きくなる。
出入口における圧力損失は、振動数に依存しない特性を示し、管摩擦抵抗における圧力損失による付加減衰は、振動数に依存する特性を示すことが知られている。
本実施形態では、流路断面が流路の長さ方向に対して十分に短い構成の出入口部における圧力損失と、管摩擦抵抗における圧力損失と、を用いて制振サポートを構成している。そして、振動数に依存しない特性を有する出入口部での圧力損失を得るため、管路長が管路内径に比べて十分に短くなる構成として、例えば、オリフィス15を用いた構成にしている。
また、管摩擦抵抗における圧力損失による付加減衰は、振動数に依存する特性を示すので、この付加減衰を得るため、管路長が管路内径に比べて十分に長い構成として、例えば、バイパス管13を設けた構成にしている。そして、バイパス管13を用いることによって、管路内径に比べて管路長を十分に長く構成することができ、管路長を調整することによって、管摩擦抵抗の大きさを所望の大きさとなるように設計することができる。そして、付加減衰の効果をより大きく奏させることが可能になる。
図3において、配管50が制振サポート10の軸方向に変位した場合には、ピストン12によって仕切られた上部の圧力室11aと下部の圧力室11bとの間において容積変動が発生する。そして、バイパス管13あるいは貫通孔14に形成したオリフィス15を通って、作動流体が圧力室11aと圧力室11bとの間を流れることになる。
このときバイパス管13とオリフィス15とにおける流路では、それぞれ流動抵抗が発生することになるが、その大きさが異なることになるので、バイパス管13の流路又はオリフィス15を設けた流路のうちで流動抵抗が小さい方の流路に多くの作動流体が流れることになる。
図4に戻って説明を行うと、バイパス管13のような管路長が管路内径に比べて十分に長い管路構成では、付加減衰を生じさせるバイパス管13の減衰係数Cは、幅の細い点線で示すように、振動数に対して比例して増加する振動数依存性を有することが知られている。
また、オリフィス15では、絞り部長さlの寸法が、内径dの寸法に比べて十分に短く構成されているので、オリフィス15を流れる作動流体の流体慣性は小さくなり、付加減衰も無視できるほど小さくなる。そのため、オリフィス15での減衰係数Cは、幅の広い点線で示すように、振動数に依存せず略一定となる。
この関係を図示すると、横軸に振動数(Hz)、縦軸に減衰係数Cを示した図4のようになる。図4に示すように、振動数が低い場合には、バイパス管13の減衰係数Cは、オリフィス15の減衰係数Cに比べて小さくなっている。これにより、バイパス管13側での流動抵抗が低くなるため、作動流体は主にバイパス管13側を通って低圧側の圧力室11a又は圧力室11bに流れることになる。そして、制振サポート10の減衰係数Cとしては、実線で示すように振幅依存性を持つ形となる。
また、振動数が高くなると、バイパス管13側の減衰係数Cは、略一定状態になっているオリフィス15の減衰係数Cに比べて増加する。そして、作動流体は、主にオリフィス15側を流れることになる。このときにおける制振サポート10の減衰係数Cとしては、実線で示すように振幅依存性を持たずに振動数に対して略一定になっていく。
減衰係数C、減衰係数C及び減衰係数Cにおける関係としては、(1/C)=(1/C)+(1/C)のような関係として表すことができる。
このように本実施形態では、例えば、配管50に発生した振動が、低振動数領域での振動であるときには、制振サポート10での減衰抵抗を小さくすることができ、柔構造の状態で配管50を支持することができる。高振動数領域での振動であるときには、制振サポート10での減衰抵抗を大きくすることができ、振動数に依存せず略一定の減衰係数になって、剛構造の状態で配管50を支持することができるようになる。
図5は、バイパス管13の管摩擦抵抗FD1と出入口部13aでの圧力損失FD2との比であるFD1/FD2と、バイパス管13の長さLと内径Dとの比であるL/Dと、の関係を示している。この関係から分かるように、L/Dの関係はレイノルズ数Reに依存し、臨界レイノルズ数付近である約2000前後では、バイパス管の長さLと内径Dとの比(L/D)が30以上、即ち、バイパス管の長さLが内径Dの30倍以上になると、管摩擦抵抗FD1が出入口部13aでの圧力損失FD2よりも大きくなる。その結果、バイパス管13での付加減衰が支配的となる。
また、オリフィス15における絞り部長さlの寸法と、オリフィス15の内径dの寸法との比(l/d)の関係を、バイパス管13における長さLと内径Dとの比(L/D)を用いて表すと、図5における比(L/D)、即ち、比(l/d)を1倍以下に構成すれば、オリフィス15の絞り部における出入口部での圧力損失FD2に比べて、絞り部での管摩擦抵抗FD1を無視できるほど小さくすることができる。このときオリフィス15では、振動数に依存しない減衰抵抗が支配的となる。
このように、バイパス管13やオリフィス15における出入口部での圧力損失FD2と管摩擦抵抗FD1とを、図5で示したバイパス管13の長さLと内径Dとの比(L/D)に基づいて設定すれば、制振サポート10の構成としては、振動数に対して自在な減衰特性を持たせた構成にすることができる。
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、配管50に生じた熱変形などの長周期の振動に対しては、制振サポート10の減衰係数Cを低く設定することができる。そして、制振サポート10は、長周期の振動に対しては低反力となって柔構造で支持することができる。また、所定の振動数以上の高振動数領域での振動が配管50に生じたときには、制振サポート10における減衰係数Cを略一定に設定することができるので、制振サポート10は振動数に依存せずに安定した減衰力を得ることができ、剛構造で支持することができる。
なお、オリフィス15は貫通孔14内部における絞り部分として形成されるだけでなく、ピストン12の厚みを上述した絞り部長さlとし、貫通孔14の径を上述したオリフィスの内径dとして、貫通孔14自体をオリフィス15として構成する場合を含めることができる。
本発明の実施形態に係る制振サポート10で使用する作動流体としては、水などの低粘性の流体を用いることも、一般のオイルダンパーにて使用される粘性流体を用いることもできる。また、作動流体の粘性によって制振サポート10の減衰係数の特性を変化させたりする構成にしておくことも、バイパス管13の長さ、内径やオリフィス15の大きさや形状などを適宜組み合わせることによって、制振サポート10の減衰係数Cの特性を変化させることができ、制振サポート10に所定の振動数特性を持たせることができる。
(実施形態2)
次に、本発明に係る制振サポート10の実施形態2について、図6を用いて説明する。なお、実施形態1と同様の構成については同一の符号を付すことで、重複する説明は省略する。
実施形態1ではバイパス管13をシリンダー11の外部に設けた構成について説明を行ったが、実施形態2では、バイパス管13をピストン10の内部に螺旋状に形成している。ピストン10の内部に形成したバイパス管13を、ピストン10の外周側に形成しておくことで、螺旋状に形成したバイパス管13の管路長を長く構成しておくことができる。
そして、オリフィス15は、実施形態1と同様にピストン10に穿設した貫通孔14内に形成しておくことができる。
なお、以下では、バイパス管13をピストン10内に形成した構成について説明を行うが、バイパス管13をピストン10の外周面に形成した螺旋状の溝として形成しておくことも、また、シリンダー11の内周面に形成した螺旋状の溝として形成しておくこともできる。そして、バイパス管13をシリンダー11の内周面に形成した場合には、ピストン10の摺動範囲を超えてシリンダー11の内周面に形成しておくことが望ましい構成になる。
このように、制振サポート10を構成することにより、実施形態1の構成と同様に、制振サポート10が伸縮変位した場合には、圧力室11aと圧力室11bとの間で容積変動が発生して、バイパス管13あるいは貫通孔14のオリフィス15を通って作動流体が、二つの圧力室11a、11b間を移動することになる。
このときバイパス管13とオリフィス15には流動抵抗が発生し、流動抵抗の小さい流路に多くの作動流体が流れることになる。このときに生じる流動抵抗の特性は、実施形態1の構成の場合と同様になる。
実施形態2においても、実施形態1の場合と同様に、図3に示すような配管50に生じた熱変形などによる長周期の振動に対しては、制振サポート10の減衰係数Cを低く設定することができる。そして、このときには、制振サポート10は長周期の振動に対しては低反力となって、例えば配管50を柔構造で支持することができる。
高振動数領域での振動が配管50に生じたときには、制振サポート10での減衰抵抗を大きくすることができ、振動数に依存せず略一定の減衰係数になって、例えば配管50を剛構造の状態で支持することができるようになる。
また、バイパス管13がシリンダー11の内部に配置される構成になるため、制振サポート10の取り扱いが容易になるとともに、バイパス管13が外部に露呈しない構成になるので、制振サポート10の構成としては、コンパクトな設計が可能となる。さらに、バイパス管13とシリンダー11との接続部がなくなり、より堅固な構成となる。
(実施形態3)
次に、本発明に係る制振サポート20の実施形態3について、図7及び図8を用いて説明する。なお、実施形態1と同様の構成については同一の符号を付すことで、重複する説明は省略する。
実施形態3では、図7に示すように、上部シリンダー21と下部シリンダー22とを上下二段にして直列に連接した構成になっている。上部シリンダー21内には上部ピストン23が摺動自在に配設されており、上部ピストン23によって上部シリンダー21内は二つの圧力室21a、21bに画成されている。下部シリンダー22内には下部ピストン24が摺動自在に配設されており、下部ピストン24によって下部シリンダー22内は、二つの圧力室22a、22bに画成されている。
そして、上部ピストン23と下部ピストン24とは、ピストンロッド23aによって連結されており、一体的に摺動することができる。また、下部ピストン24には、ピストンロッド24aが設けられており、ピストンロッド24aの端部には、クレビス16が回動自在に設けられている。また、クレビス16の配置側とは反対側になる上部シリンダー21の部位には、上部シリンダー21に設けた連結ロッド17を介して回動自在に取付金具18が設けられている。
上部シリンダー21における二つの圧力室21aと圧力室21bとの間は、第1流路として構成したバイパス管13によって連通されている。バイパス管13は、上部シリンダー21の外部において螺旋状に巻かれた構成になっている。図7では、バイパス管13を上部シリンダー21の外部に配設した構成を示しているが、バイパス管13を実施形態2で説明したように、上部ピストン23の内部や外周面に形成しておくことも、上部シリンダー21の内周面に形成しておくこともできる。
また、下部シリンダー22における二つの圧力室22aと圧力室22bとの間は、第2流路として構成した貫通孔14によって連通しており、貫通孔14内には、オリフィス15が配されている。
なお、上部シリンダー21にバイパス管13を配設し、下部シリンダー22にオリフィス15を設けた構成について説明を行ったが、上部シリンダー21にオリフィス15を設け、下部シリンダー22にバイパス管13を設けた構成にしておくこともできる。また、直列に配した上部シリンダー21と下部シリンダー22の組を、複数組用いて直列に配した構成にしておくことも、複数組を並列に配した構成にしておくこともできる。
このように構成することによって、例えば、図3で示す配管50が制振サポート20の軸方向に変位した場合には、上部ピストン23によって画成された二つの圧力室21aと圧力室21bとの間で容積変動が発生し、バイパス管13を通って作動流体が二つの圧力室21a、21b間を移動することになる。同時に、下部シリンダー22では、下部ピストン24によって画成された二つの圧力室22aと圧力室22bとの間で容積変動が発生し、貫通口14に形成したオリフィス15を通って作動流体が、二つの圧力室22a、22b間を移動することになる。
実施形態1の場合と同様に、このときには、バイパス管13とオリフィス15には流動抵抗が発生する。流動抵抗は、上部シリンダー21と下部シリンダー22とにおいて別々に発生する。上部ピストン23と下部ピストン24とが、ピストンロッド23aによって直列的に連結された構成になっているので、両ピストンは一体となって軸方向に摺動することになる。
そして、バイパス管13とオリフィス15におけるそれぞれの流動抵抗が加算されて、制振サポート20の反力となる。バイパス管13における付加減衰の減衰係数Cは、振動数に対して、例えば比例するように増加する振動数依存性を有し、またオリフィス15での減衰係数Cは、振動数に依存せずに略一定となる。
これにより、制振サポート20の減衰係数Cとしては、図8に示すように、幅の広い点線で示した減衰係数Cと、幅の細い点線で示した減衰係数Cとの和として、実線で示すようになる。このように、制振サポート20としては、振動数が低い場合にも任意の減衰を生じさせることができ、振動数の増加に従って減衰係数Cが上昇するように設定することが可能となる。
実施形態3によれば、実施形態1と同様に、例えば、図3で示した配管50の熱変形など長周期の振動に対しては、制振サポート20の減衰係数Cを低く設定することができる。即ち、低振動数領域においては、制振サポート20における減衰係数Cは、オリフィス15での減衰係数Cの影響を大きく受けることになるので、特に、オリフィス15の内径dと絞り部長さlを調整することにより、所望の減衰係数Cを制振サポート20に持たせておくことができる。そして、制振サポート20は、長周期の振動には低反力となって、例えば配管50を所定の減衰係数C以上を持った柔構造で支持することができる。
また、例えば、配管50に発生した振動が高振動数領域の振動であるときには、制振サポート20における減衰係数Cは、バイパス管13での減衰係数Cの影響を大きく受けることになるので、制振サポート20での減衰抵抗をバイパス管13での減衰係数Cの増大に伴って大きくすることができる。そして、所望の減衰係数Cを制振サポート20に持たせることができるので、例えば配管50を剛構造の状態で支持することができるようになる。
(実施形態4)
本発明に係る制振サポート30の実施形態4について、図9乃至図11を用いて説明する。また、以下で説明する実施形態4乃至7では、実施形態1乃至3において構成したバイパス管13及びオリフィス15の構成に加えて、更に第2バイパス管31、32、38、39を設けた構成になっている。そのため、実施形態4乃至7の構成を示す図9乃至図13においては、実施形態1乃至3におけるバイパス管13及びオリフィス15の構成の図示を省略している。更に、実施形態1と同様の構成については同一の符号を付すことで、重複する説明は省略する。
図9に示すように、作動流体を充填したシリンダー11は、ピストン33によって二つの圧力室11aと圧力室11bとに画成されている。ピストン33の摺動時の液密性を高めるため、ピストン33の外周面には、シール部材37が設けられている。シール部材37を設ける代わりに、ピストン33の外周面にメカニカルシールを施しておくこともできる。
ピストン33には、一端側に延びたピストンロッド33aと他端側に延びたピストンロッド33bとが設けられており、ピストンロッド33aとピストンロッド33bとは、一体に構成しておくことも、別体に構成しておくこともできる。ピストンロッド33aの端部には、回動自在にクレビス16が取り付けられており、ピストンロッド33bは、シリンダー11に連結された連結金具36によって形成された収納空間36a内に挿入されている。そして、連結金具36には、取付金具18が回動自在に取り付けられている。
二つの圧力室11a、11bの間は、一対の第2バイパス管31、32によって連通している。一対の第2バイパス管31、32は、二つの圧力室11a、11b間を連通する第3流路を構成している。
なお、二つの圧力室11a、11b間を連通する第1流路は、実施形態1乃至3における図示せぬバイパス管13によって構成され、第2流路は、実施形態1乃至3における図示せぬオリフィス15によって構成されてもいる。
図9に戻ると、一方の第2バイパス管32には、許容する流れ方向を矢印で示すように両方向リリーフ弁35が配設されており、二つの圧力室11a、11b間で所定圧以上の圧力差が生じたときには、両方向リリーフ弁35によって高圧側の圧力室から低圧側の圧力室に圧力を逃がすことができる。
図10における制振サポート30で示すように、図9に示した両方向リリーフ弁35を用いる代わりに、一対の第2バイパス管38、39にそれぞれリリーフ弁40、41を配設した構成にしておくこともできる。図10において、許容する流れ方向を矢印で示しているように、リリーフ弁40とリリーフ弁41とにおける圧力を逃がす方向を逆向きに構成している。図9では、第2バイパス管32に両方向リリーフ弁35を配した構成を示しているが、第2バイパス管31にも両方向リリーフ弁35を配した構成にしておくこともできる。
図10に示すように、配管50と基礎51との間に複数の制振サポート30を配することができる。例えば、制振サポート30のクレビス16を基礎51に固定し、取付金具18を配管50に設けた連結部材52に取り付けることで、配管50の制振装置を構成することができる。
このように構成された実施形態4では、例えば、図10で示す配管50において熱膨張などの影響によって長周期の振動が発生したり、地震等によって短周期の振動が発生して、制振サポート30が長手方向に往復運動した場合には、二つの圧力室11a、11b間において容積変動が発生する。そして、実施形態1乃至3で示した図示せぬバイパス管13とオリフィス15及び実施形態4以降における第2バイパス管31,32又は第2バイパス管38、39を通って、作動流体が二つの圧力室11a、11b間を移動することになる。
図示せぬバイパス管13とオリフィス15を作動流体が移動することに伴って制振サポート30で生じる減衰特性については、実施形態1乃至3での説明を用いることでその説明を省略し、ここでは、第2バイパス管31、32又は第2バイパス管38、39における作用について説明を行う。
地震などの短周期の振動が発生した場合には、二つの圧力室11a、11b間では、シリンダー11とピストン33との間での相対加速度に比例した振動圧が、流体と構造物との間での連成力として発生する。この連成力によって、制振サポート30の伸縮に伴う相対加速度に対して、配管50を支持する支持反力を得ることができる。
また、第2バイパス管32に設けた両方向リリーフ弁35に作用する圧力や第2バイパス管38、39にそれぞれ設けたリリーフ弁40、41に作用する圧力が、所定の圧力を超えたときには、両方向リリーフ弁35やリリーフ弁40、41が作動して、高圧側の圧力を低圧側に逃がすことになる。これによって、作動流体の圧力が調整される。
「発明が解決しようとする課題」の欄において上述したように、流路内を流れる作動流体の慣性抵抗や粘性抵抗を利用する構成として、制振サポートに単にバイパス管を設けただけの構成では、バイパス管内を移動する作動流体の慣性抵抗によって、制振サポートの支持反力を得ていても、同時に発生する粘性抵抗が大きくなってしまう。しかも、制振サポートの伸縮速度が大きい場合には、流動抵抗が過大になってしまい、制振サポートや制振対象物に対して損傷を与えてしまうことになる。
これに対して、本実施形態4では、制振サポート30として上述した構成を備えているので、例えば、配管50を例に挙げて説明を続ければ、配管50に生じた熱変形など長周期の振動に対しては柔構造で配管50を支持して、配管50の変位を吸収することができる。また、機械等の振動源や地震などによって配管50が振動した場合などでは、流体と構造物との間での連成力によって、配管50を剛構造で支持することができる。
しかも、第2バイパス管32や第2バイパス管41、41には、両方向リリーフ弁35やリリーフ弁40、41をそれぞれ設けているので、二つの圧力室11a、11b間で過大な圧力差が発生した場合には、制振サポート30が完全なる剛構造になってしまうのを防止できる。
即ち、両方向リリーフ弁35やリリーフ弁40、41によって高圧側の圧力を開放する構成になっているので、制振サポート30や制振対象物である配管50が破損するような過大な反力の発生を防止できる。
(実施形態5)
本発明に係る制振サポート30の実施形態5について、図11を用いて説明する。なお、実施形態4と同様の構成については、同一の符号を付すことで、重複する説明は省略する。実施形態5の構成は、実施形態4の図9に示した両方向リリーフ弁35、あるいは図10に示した一対のリリーフ弁40、41の代わりに、ピストン33の内部にチェック弁42、43を組み込んだ構成になっている。他の構成は、実施形態4における構成と同様の構成になっている。
なお、図10に用いた一対のリリーフ弁40、41の代わりに、図11で示すようなチェック弁42、43を用いた構成にしておくこともできる。
このように構成された実施形態4では、実施形態4と同様に、例えば、図10に示すような配管50に対する制振サポート30として用いた場合には、配管50に熱膨張などによる長周期の変位変動が発生して、制振サポート30が支持方向に往復運動した場合には、二つの圧力室11a、11b間において容積変動が発生し、第2バイパス管31を通って作動流体は、二つの圧力室11a、11b間を容易に移動できる。
これによって、地震などの短周期の振動が発生した場合には、実施形態4で説明したように、二つの圧力室11a、11b間では、シリンダー11とピストン33との間での相対加速度に比例した振動圧が、流体と構造物との間での連成力として発生する。この連成力によって、制振サポート30の伸縮に伴う相対加速度に対して、例えば、配管50を剛構造で支持する支持反力を得ることができる。
そして、二つの圧力室11a、11b間での圧力差が所定の圧力差以上となったときには、チェック弁42又はチェック弁43の一方が開いて、高圧側の圧力を低圧側に逃がすことができる。これによって、作動流体の圧力が異常な高圧状態になるのを防止できる。チェック弁42、43における設定圧力は、弁体42a、43aを押圧しているバネ42b、43bのバネ力を調整することによって、任意の設定圧にすることができる。
このように、実施形態5の制振サポート30は、上述した構成を備えているので、実施形態4と同様に、例えば、配管50を例に挙げて説明を続ければ、配管50に生じた熱変形など長周期の振動に対しては、柔構造で配管50を支持することができ、配管50の変位を吸収できる。また、機械等の振動源や地震などによって配管50が振動した場合などでは、流体と構造物との間での連成力によって、配管50を剛構造で支持することができる。
しかも、ピストン33の内部に一対のチェック弁42、43を備えているので、二つの圧力室11a、11b間で過大な圧力差の発生を防止でき、制振サポート30が完全なる剛構造になってしまうのを防止できる。そして、制振サポート30や制振対象物である配管50が破損するような過大な反力の発生を防止できる。
(実施形態6)
本発明に係る制振サポート30の実施形態6について、図12を用いて説明する。なお、実施形態4と同様の構成については、同一の符号を付すことで、重複する説明は省略する。実施形態6の構成は、第2バイパス管31に短絡管45を配設した構成になっている。他の構成は、実施形態4と同様の構成になっている。
短絡管45は、シリンダー11と第2バイパス管31との連結部位に対して近い位置に配設されており、第2バイパス管31の管路長を短絡する形で配設されている。短絡管45には、両方向リリーフ弁35が配設されている。そして、二つの圧力室11a、11b間における圧力差が、所定の圧力差以上になったときには、両方向リリーフ弁35によって高圧側の圧力を低圧側に逃がすことができる。
そして、実施形態4の場合と同様に、例えば、配管50を例に挙げて説明を続ければ、配管50に生じた熱変形などの長周期の振動に対しては、制振サポート30によって柔構造で配管50を支持することができ、配管50の変位を吸収することができる。また、機械等の振動源や地震などによって配管50が振動した場合などでは、流体と構造物との間での連成力によって、配管50を剛構造で支持することができる。
しかも、第2バイパス管31には、両方向リリーフ弁40を備えた短絡管45が設けられているので、二つの圧力室11a、11b間で過大な圧力差が発生するのを防止でき、制振サポート30が完全なる剛構造になってしまうのを防止できる。そして、制振サポート30や制振対象物である配管50が破損するような過大な反力の発生を防止できる。
(実施形態7)
本発明に係る制振サポート30の実施形態7について、図13を用いて説明する。なお、実施形態4と同様の構成については、同一の符号を付すことで、重複する説明は省略する。実施形態7の構成では、実施形態4における図10で示した一対の第2バイパス管38、39におけるそれぞれの管の内径を異ならせた構成になっている。
図13では、第2バイパス管39における管内径が、第2バイパス管38における管内径よりも大径に構成されており、第2バイパス管39は大口径バイパス管として構成されている。各第2バイパス管38、39には、それぞれ許容する流れ方向を逆向きに配設したリリーフ弁40、41が設けられている。他の構成は、実施形態4と同様の構成になっている。
そして、実施形態4の場合と同様に、例えば、配管50を例に挙げて説明を続ければ、配管50に生じた熱変形などの長周期の振動に対しては、制振サポート30によって柔構造で配管50を支持することができ、配管50の変位を吸収することができる。また、機械等の振動源や地震などによって配管50が振動した場合などでは、流体と構造物との間での連成力によって、配管50を剛構造で支持することができる。
しかも、第2バイパス管38は小口径バイパス管として構成され、第2バイパス管39は大口径バイパス管として構成されており、バイパス管としての内径が異なるため、制振サポート30の伸縮方法によって、第2バイパス管38と第2バイパス管39とでは、異なる振動圧が流体と構造物との間での連成力としてそれぞれ発生する。
これによって、制振サポート30の伸縮方法によって、異なる流体付加質量が制振対象物である、例えば配管50に与えられることとなり、制振サポート30の伸縮方法によって制振対象物の共振振動数が変動することとなる。このため、振動系の共振振動数が振動中に変化し共振応答が卓越しないため、地震時などのように応答抑制効果を大いに改善することができる。
上述した説明では、第2バイパス管38、39におけるそれぞれの管内径を異ならせた構成について、説明を行ったが、第2バイパス管38、39におけるそれぞれの管路長を異ならせた構成にしても、同様の効果を奏することができる。また、第2バイパス管38、39にそれぞれリリーフ弁40、41を設けた構成について説明を行ったが、リリーフ弁40、41の代わりに、両方向リリーフ弁を設けた構成にしておくこともできる。
このように、二つの圧力室11a、11b間で過大な圧力差が発生するのを防止でき、制振サポート30が完全なる剛構造になってしまうのを防止できる。そして、制振サポート30や制振対象物である配管50が破損するような過大な反力の発生を防止できる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、組み合わせ、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
本発明は、本発明の技術思想を適用することができる制振サポートに対しては、本発明の技術思想を好適に適用することができる。
1…制振装置、10…制振サポート、11…シリンダー、12…ピストン、13…バイパス管、13a…出入口部、15…オリフィス、20…制振サポート、21…上部シリンダー、22…下部シリンダー、23…上部ピストン、24…下部ピストン、30…制振サポート、31,32…バイパス管、33…ピストン、35…両方向リリーフ弁、38,39…バイパス管、40,41…リリーフ弁、42,43…チェック弁、45…短絡管。

Claims (13)

  1. 二つの構造物間を制振状態で連結する制振サポートであって、
    シリンダー及び前記シリンダー内を摺動するピストンと、
    前記シリンダー内に充填された作動流体と、
    を備え、
    前記ピストンによって仕切られた前記シリンダーの圧力室間が、少なくとも2つの流路によって連通され、
    前記少なくとも2つの流路は、振動に対する減衰力が、振動数に依存して変化する第1流路と、前記振動数に依存せずに略一定になる第2流路と、から構成されていることを特徴とする制振サポート。
  2. 前記第1流路が、前記シリンダーの外部に設けられたバイパス管路であり、
    前記第2流路が、前記ピストンに形成されオリフィスを有する貫通孔であることを特徴とする請求項1に記載の制振サポート。
  3. 前記第1流路が、前記ピストンに形成したバイパス管路であり、
    前記第2流路が、前記ピストンに形成されオリフィスを有する貫通孔であることを特徴とする請求項1に記載の制振サポート。
  4. 前記バイパス管路の管路長が、前記バイパス管路内径の約30倍以上に形成され、
    前記オリフィスの絞り部長さが、前記オリフィス内径の約1倍以下に形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の制振サポート。
  5. 前記圧力室間を連通する流路として、前記第1流路及び前記第2流路以外に第3流路を更に備え、
    前記第3流路にリリーフ弁が配設されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の制振サポート。
  6. 前記リリーフ弁が、両方向リリーフ弁であることを特徴とする請求項5に記載の制振サポート。
  7. 前記第3流路に、前記第3流路を短絡する短絡流路が形成され、
    前記リリーフ弁が前記短絡流路に配設されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の制振サポート。
  8. 前記第3流路が、少なくとも2つのバイパス管路を備え、
    前記少なくとも2つのバイパス管路に、それぞれ許容する流れの方向を異ならせたリリーフ弁又はチェック弁を配設し、
    前記二つのリリーフ弁又はチェック弁によって、前記両方向リリーフ弁を構成していることを特徴とする請求項6又は7に記載の制振サポート。
  9. 前記少なくとも2つのバイパス管路が、それぞれ前記ピストンに形成されていることを特徴とする請求項8に記載の制振サポート。
  10. 前記少なくとも2つのバイパス管路が、それぞれの管路断面積及び/又は管路長さを異ならせて構成されていることを特徴とする請求項8又は9に記載の制振サポート。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の制振サポートを用いて、二つの構造物間に前記制振サポートを少なくとも一つ配設したことを特徴とする制振装置。
  12. 前記制振サポートを直列に配した組が、少なくとも一組以上配設されていることを特徴とする請求項11に記載の制振装置。
  13. 前記直列に配した制振サポートにおける各シリンダーには、前記第1流路、あるいは、前記第2流路、のうちいずれかの流路が構成され、
    前記第1流路を備えた前記シリンダーと、前記第2流路を備えた前記シリンダーとが、直列に配されていることを特徴とする請求項12に記載の制振装置。
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