JP6730847B2 - 制振装置 - Google Patents

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本発明の実施形態は、制振装置に関するものである。
一般に、発電用プラントなど温度変化の大きい運転条件や環境で使用されている機器、配管などの構造物(制振対象物)は、温度変化による制振構造物の熱膨張を緩和するように柔構造に支持されている。一方、このような柔構造に支持されている構造物(支持構造物)は、流体や機械などの振動源や地震に対する耐震性が問題となる。このため、地震の発生時などには、これらの制振対象物を剛構造で支持することで、地震などが発生した時に制振対象物に作用する応力を抑制する制振装置が考案されている。
このような制振対象物を支持する制振装置としては、例えば、配管などに適用されているメカニカルスナバ、オイルスナッバ、または流体(液体)の慣性抵抗や粘性抵抗を利用したものなどが提案されている。
流体(液体)の慣性抵抗や粘性抵抗を利用したものは、制振対象物に対して、流体や機械などの振動発生源から生じる振動や地震が発生した時に生じる振動などが制振対象物に伝わる際、制振対象物に減衰力を与えることで振動エネルギーを吸収し、振動を抑制する方法である。このような方法を利用した制振装置では、例えば、シリンダー内部に粘性のある作動流体を内包し、シリンダーとピストンに相対的な動きが生じると、ピストン内に設けたオリフィスをシリンダー内の作動流体が通過し、オリフィス内を流れる作動流体の慣性抵抗や粘性抵抗によって、振動を減衰させる減衰力を生じさせている。この減衰力によって、機器、配管などの制振対象物の振動が抑制される。
特開2014−214754号公報
しかしながら、シリンダーとピストンとの間に設けられるシール材の損傷などによりシリンダー内の作動流体が喪失したり、制震装置の設置環境が想定外に高温となって作動流体が気化すると、作動流体の慣性抵抗や粘性抵抗が喪失し、振動の減衰力を損失する可能性がある。このような場合、機械などの振動発生源から伝わる振動や地震などで生じる振動により、制振対象物の振幅が増大し、ピストンの変位量が想定外に大きくなると、シリンダーの内壁とピストンとが激しく衝突し、ピストンまたはシリンダーなどが損傷し、制震装置の制振対象物を支持する機能を喪失する可能性がある。また、シリンダーとピストンとの衝突による衝撃力が制振対象物に伝播して制振対象物を損傷する可能性がある。
このような制震装置を原子力発電設備などで長期間安定して使用するためには、機械などの振動発生源で生じる振動や地震で生じる振動などに対して、ピストンの変位量が想定外に大きくなった場合でも、制振対象物に伝わる振動エネルギーを安定して吸収できるように、ピストンに作用する衝撃力を低減する必要がある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、ピストンの変位量が想定外の大きさになった場合でも、ピストンに作用する衝撃力を安定して低減することができる制振装置を提供することにある。
一の実施形態による制震装置は、作動流体が収容されるシリンダーと、前記シリンダー内に摺動可能に収容され、前記シリンダーを2つの圧力室に画成するピストンと、前記ピストンに連結され、前記シリンダーを貫通するピストンロッドと、前記シリンダー内に収容され、前記ピストンロッドの摺動方向に、前記ピストンと所定間隔を隔てて、前記ピストンを挟むように設けられた一対の弾性部材と、を具備してなり、前記弾性部材が、前記ピストンの作動域の外側に配置されてなる。
他の実施形態による制震装置は、作動流体が収容される前記シリンダーと、前記シリンダー内に摺動可能に収容され、前記シリンダーを2つの圧力室に画成するピストンと、前記ピストンに連結され、前記シリンダーを貫通するピストンロッドと、前記シリンダーの外側に設けられ、前記ピストンロッドの一端を収容する連結部材と、前記ピストンロッドの外周に設けられた張出部材と、前記連結部材の内側に配置され、前記ピストンロッドの摺動方向に、前記張出部材と所定間隔を隔てて、前記張出部材を挟むように設けられた一対の弾性部材と、を具備してなり、前記弾性部材が、前記ピストンの作動域に対応する前記張出部材の移動範囲よりも外側に配置されてなる。
本発明によれば、ピストンの変位量が想定外の大きさになった場合でも、ピストンに作用する衝撃力を安定して低減することができる。
第1の実施形態による制振装置を適用した図である。 制振装置の構成を示す概略断面図である。 弾性部材の予圧縮力の無い条件での制振装置の反力特性を示す説明図である。 弾性部材に予圧縮力を加えた条件での制振装置の反力特性を示す説明図である。 第2の実施形態による制振装置の構成を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態による制振装置について、図面を参照して説明する。なお、理解の容易のため、図面における各部材の縮尺は実際とは異なる場合がある。また、以下の説明において、軸方向とは、シリンダー、ピストン、またはピストンロッドの軸方向をいう。図1は、第1の実施形態に係る制振装置を適用した図である。図1に示すように、制振装置10Aは、制振対象物11に制振装置10Aに連結されたクレビス12を取り付け、制振装置10Aに連結された他方のクレビス13を支持構造体14に固定し、制振対象物11を支持構造体14に連結して、制振対象物11を制振した状態で支持している。制振対象物11は、例えば、原子炉設備の配管や原子炉1次系機器などであり、支持構造体14は、基礎、天井、側壁、または床などである。
図2は、制振装置の構成を示す概略断面図である。図2に示すように、制振装置10Aは、シリンダー21と、ピストン部22と、受け板23と、弾性部材24と、連結部材25とを有する。
シリンダー21は、作動流体26が収容される圧力室27を内部に形成している。
作動流体26としては、例えば、水などの低粘度の液体、シリコンオイル、鉱物油など粘性のある液体が用いられる。
ピストン部22は、シリンダー21内に摺動可能に収容されたピストン31と、ピストン31に連結され、シリンダー21を貫通するピストンロッド32とを有する。ピストンロッド32は、シリンダー21の一端21a、21bおよびピストン31を貫通して圧力室27の外側の連結部材25内に延びている。シリンダー21内は、ピストン31によって、圧力室27内には2つの圧力室27A、27Bが画成されている。
ピストン31は、2つの圧力室27A、27Bを連通する貫通孔33を有する。作動流体26が収容されたシリンダー21内に、ピストン31が摺動自在に設けられている。ピストン31の外周面、すなわちピストン31のシリンダー21側の面には、シリンダー21の内周面との間をシールするシール部材、またはメカニカルシールを設けてもよい。
貫通孔33は、同一の大きさの内径を有するが、ピストン31は、貫通孔33の内部に、貫通孔33の径よりもさらに小さい内径を有するオリフィスを設けてもよい。
シリンダー21とピストンロッド32との間の摺動部には樹脂などのシール部材35がはめ込まれ、ピストンロッド32の軸方向に摺動可能な構造としつつ、作動流体26のシリンダー21の外部への流出を防いでいる。
受け板23は、圧力室27の内側にピストンロッド32に沿ってピストン31を挟むように一対設けられている。この一対の受け板23は、一対の弾性部材24同士の間に設けられている。受け板23は、ピストンロッド32の周方向にリング状に形成されてもよいし、ピストンロッド32の周囲を囲うように複数の部材をリング状に配置して構成されてもよい。また、受け板23とピストンロッド32との間の摺動部にはシール部材35がはめ込まれ、ピストンロッド32の軸方向に摺動可能な構造としている。
弾性部材24は、シリンダー21の内側に、ピストン31及び一対の受け板23を挟むように設けられている。一対の弾性部材24は、シリンダー21内の両端にピストン31と所定間隔を隔てて設けられている。弾性部材24として、例えば、皿ばね、コイルばねなどが用いられる。本実施形態では、弾性部材24は、皿ばねを複数積層して構成されている。なお、所定間隔とは、ピストン31と弾性部材24との距離が、後述するピストン31の作動域よりも長い距離であることをいう。
一対の弾性部材24同士の間には、シリンダー21とピストンロッド32と受け板23とストッパー36とにより、圧力室27A、27Bが形成され、圧力室27A、27Bは密閉空間となっている。
シリンダー21の内面には、受け板23を固定するストッパー36が固定して設けられている。ストッパー36は、シリンダー21の周方向にリング状に形成されていてもよいし、シリンダー21の内周に沿ってリング状に複数の部材を配置して構成されていてもよい。ストッパー36は、受け板23とピストン31との間であって、後述するピストン31の作動域の外側に配置されている。そのため、シリンダー21内に作動流体26が収容され、作動流体26中に受け板23および弾性部材24が浸漬された状態でも、ストッパー36で受け板23および弾性部材24の移動を抑制することができる。これにより、受け板23および弾性部材24をシリンダー21内の両端側に安定して配置させることができる。
ストッパー36は、受け板23に所定以上の圧力が加えられた際に、ストッパー36は受け板23と離反するように溶接などによって固定されていてもよい。ストッパー36は、受け板23とピストン31との間に設けられているため、ストッパー36を受け板23に固定することにより、ピストン31が受け板23と接触して、ピストン31により、受け板23がストッパー36と分離する方向に加圧された際、前記溶接などによる固定が破壊されて、受け板23がストッパー36から分離する。そのため、ピストン31が受け板23に接触しても、ピストン31に大きい衝撃力が生じることがない。また、受け板23とストッパー36とを結合させておくことにより、制振装置の通常の作動によって受け板23に圧力がかかっても、受け板23とストッパー36との結合が維持される。受け板23とストッパー36とが接触した状態では、受け板23およびストッパー36は、圧力室27をピストンロッド32の軸方向に隔てる隔壁として作用し、作動流体26の動作空間(シリンダー21とピストンロッド32と受け板23とストッパー36とにより形成される空間)を密閉空間とすることができる。受け板23よりも弾性部材24側の空間Aと、受け板23よりもピストン31側の空間Bとで作動流体26が流通しないため、制振装置10Aの減衰性能に影響は与えない。
また、ピストン31は、ピストン31の受け板23と対向する面にピストン起部37を有し、ピストン起部37は、ピストンロッド32に周状に設けられている。受け板23は、ピストン31と対向する面に受け板突起部38を有する。受け板突起部38は受け板23と一体に設けられている。受け板突起部38も、受け板23と同様、ピストンロッド32の周囲を囲うようにリング状に形成されていてもよいし、ピストンロッド32の周囲を囲うように複数の部材をリング状に配置して構成されていてもよい。ピストン31と受け板23とが接触する際には、これらピストン起部37と受け板突起部38とが接触する。また、受け板突起部38とピストンロッド32との間の摺動部にもシール部材35がはめ込まれ、ピストンロッド32が受け板23および受け板突起部38との間をピストンロッド32の軸方向に摺動可能に保たれる。
連結部材25は、シリンダー21の外側に設けられ、シリンダー21の一端21a側に溶接などにより結合され、シリンダー21と同軸上に配置されている。連結部材25は、内部に空間を有し、ピストンロッド32の先端側の一部が収容されている。
連結部材25には連結ロッド39を介してクレビス12が設置される。ピストンロッド32は、シリンダー21の一端21b側にクレビス13が設置される。クレビス12、13は、回転自在な継手構造である。クレビス12が制振対象物11に、クレビス13が支持構造体14にそれぞれ連結され、制振対象物11が制振装置10Aを介して支持構造体14に連結されて、制振対象物11は、制振装置10Aにより制振した状態で支持される。
制振装置10Aでは、連結部材25の端部がクレビス12で制振対象物11に連結され、ピストンロッド32の端部がクレビス13で支持構造体14にそれぞれ連結されて、制振対象物11を制振した状態で支持している。流体や機械などの振動発生源から生じる振動や地震が発生した時に生じる振動などが制振装置10Aに伝わると、クレビス13、14の間に振動による相対変位が発生し、制振装置10Aのサポート方向、すなわちシリンダー21、ピストン31、およびピストンロッド32の軸方向にピストン31がシリンダー21内で往復運動する。この時、作動流体26は、ピストン31の貫通孔33を通過し、作動流体26が圧力室27A、27Bの一方から他方に流れる。このピストン31の移動によって生じる作動流体26の流動抵抗によりシリンダー21とピストン31との間の相対的な動きに対して作動流体26に反力(抵抗力)が発生し、ピストン31に作用する衝撃力を低減し、振動エネルギーを減衰させる。
本実施形態では、ピストン起部37と受け板突起部38との距離は、ピストン31の作動域以上、すなわち、ピストン31の作動時におけるピストンの変位量の最大値以上としている。なお、ピストン起部37と受け板突起部38との距離は、シリンダー21およびピストン31の軸方向におけるピストン起部37と受け板突起部38との最短距離である。また、ピストン31の作動域とは、作動流体26がシリンダー21内に一部または全部充填されている状態でピストン31が移動した際に、ピストン31の移動によって作動流体26に流動抵抗を生じさせて作動流体26による反力を生じさせながらピストン31がシリンダー21内を往復運動できる変位量の最大値であり、例えば、通常の作動時でピストン31が最大移動するピストンの変位量のみならず、通常想定される地震などが発生しても故障などが発生しない時にピストン31が最大移動するピストンの変位量である。本実施形態では、ピストン起部37と受け板突起部38との距離を、上記のように、通常想定されるピストン31の変位量以上に設定されているため、例えば、通常想定される地震などで生じる振動では、ピストン起部37と受け板突起部38との接触により、振動エネルギーを吸収する減衰性能の変化は生じない。すなわち、「ピストン31の作動域」とは、制振装置10Aが作動流体26の劣化や喪失がなく、仕様として所定の性能を発揮する健全な状態において、仕様として想定されているピストン31の移動量の最大値である。本実施形態では、ピストン31の受け板23と対向する面にピストン起部37が設けられているため、ピストン起部37の受け板23側の端部の移動量の最大値となる。したがって、受け板23は、ピストン31の作動域の外側に配置されているといえる。また、弾性部材24は受け板23よりもシリンダー21の両端側に配置されているため、弾性部材24もピストン31の作動域の外側に配置されていることになる。
また、ピストン起部37と受け板突起部38との距離は、ピストン31の作動域の1.0〜2.0倍であることが好ましく、より好ましくは、1.2〜1.5倍である。ピストン起部37と受け板突起部38との距離が、上記範囲内であれば、ピストン31の作動域以上の状態を確保できるため、通常想定される地震などで生じる振動でも、ピストン起部37と受け板突起部38との接触を十分防ぐことができると共に、制振装置10Aの大きさを抑えることができる。
例えば、シール部材35が損傷したり、制振装置10Aの設計温度が想定外に高温となることで作動流体26が気化するなどにより、シリンダー21内の作動流体26を喪失すると、制振装置10Aは作動流体26による反力を喪失する。この場合、作動流体26による反力が失われるため、ピストン31の変位量が想定外に大きくなる可能性がある。このような場合、従来の制震装置では、ピストン31がシリンダー21の内壁に衝突し、大きい衝撃力が発生する可能性がある。本実施形態では、シリンダー21内に弾性部材24を設けることにより、ピストン31の変位量が想定外に大きくなった場合、弾性部材24が変形してばね反力を発生することで、ピストン31に作用する衝撃力を低減することができる。
よって、本実施形態によれば、シリンダー21内の作動流体26の喪失や劣化などによりピストン31の変位量が想定外で大きくなった際に、弾性部材24でピストン31に作用する衝撃力が低減され、制振対象物11に伝わる振動エネルギーを安定して吸収できるため、制振装置10Aの損傷、制振対象物11の支持機能の喪失、または制振装置10Aが取り付けられた制振対象物11への加速度の伝播などを防止することができる。
また、本実施形態においては、弾性部材24には、シリンダー21の軸方向に予圧縮を与えておくことが好ましい。本実施形態では、ストッパー36は、弾性部材24に予圧縮力を与え、受け板23が弾性部材24によりストッパー36に付勢(所定の力で押し当てられる状態となるように調整)させられる位置に設けている。弾性部材24に予圧縮力を与えておくことにより、弾性部材24の配置された空間を長くすることなく反力を増加させることができるため、ピストン31に作用する衝撃力を低減する効果を増大させることができる。また、予圧縮力は、ピストン31の作動域においてピストン31に生じる圧力(例えば、制振装置10Aの通常動作の範囲においてピストン31に生じる圧力(仕様圧力))以上に設定することにより、ピストン31の作動域の範囲でピストン31が移動しても、受け板23とストッパー36の結合が維持されるため、制振装置10Aが振動エネルギーを吸収する減衰性能の低下は生じない。
図3は、弾性部材24の予圧縮力の無い条件での制振装置の反力特性を示す説明図であり、図4は、弾性部材24に予圧縮力を加えた条件での制振装置の反力特性を示す説明図である。δ0は、図2に示すように、ピストンが初期位置(移動範囲の中央)にあるときの、ピストン起部37と受け板突起部38の距離である。図2に示すように、ピストン31の作動変位が、ピストン起部37と受け板突起部38が接触し弾性部材24が変形動作を開始する接触変位δ0を超えると、弾性部材24のばね反力が増加し、例えば、図3に示すように、弾性部材24が予圧縮受けていない場合には、衝突エネルギーA1が吸収される。一方、ストッパー36の位置を弾性部材24側に調整して、弾性部材24が受け板23を介して予圧縮を受けている場合には、例えば、図4に示すように、弾性部材24に予圧縮力F0を加えておくことにより、大きな衝突エネルギーB1を吸収することができる。
また、受け板23のシリンダー21内での移動に対して摩擦力を与える摺動部材を設けるなど減衰機構を付加してもよい。これにより、作動流体26を喪失した際に、ピストン31と受け板23との衝突振動をより抑制することができる。
なお、本実施形態では、ピストン31がピストン起部37を備え、受け板23が受け板突起部38を備えているが、どちらか一方のみ設けてもよい。なお、受け板23の強度や、受け板23のピストンロッド32に対向する面にシール用の部材を設ける場合の設置性から、受け板突起部38は設けたほうが好ましい。
また、本実施形態では、受け板23を設け、ピストン起部37と受け板突起部38との距離が、ピストン31の移動によって生じる作動流体26の流れを抑制して減衰力を生じさせるピストン31の変位量以上となるように調整したが、受け板23は設けなくてもよい。すなわち、ピストン3またはピストン起部37が直接弾性部材24に接触する構成であってもよい。このとき、ピストン31またはピストン起部37と弾性部材24との距離は、ピストン31の作動時におけるピストン31の変位量の最大値以上として設定される。
(第2の実施形態)
第2の実施形態による制振装置について、図面を参照して説明する。なお、上記実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。図5は、第2の実施形態による制振装置を示す概略断面図である。図5に示すように、制振装置10Bは、制振装置10Aのシリンダー21内に設けられていた一対の受け板23、一対の弾性部材24、ストッパー36、および受け板突起部38を、連結部材25内に設けたものであり、ピストンロッド32の外周に張出部材51を有する。
連結部材25の内部にピストンロッド32が延長され、ピストンロッド32の外周に張出部材51が設けられている。張出部材51は、ピストンロッド32の外周に一対の受け板23および弾性部材24同士の間に設けられている。連結部材25の内部には、作動流体26は収容されない。張出部材51のピストンロッド32への結合方法は、溶接などで固定できれば特に限定されない。
一対の弾性部材24は、連結部材25の内側の両端に配置され、ピストンロッド32の摺動方向に、張出部材51と所定間隔を隔てて、一対の受け板23および張出部材51を挟むように設けられている。本実施形態では、一対の弾性部材24は、ピストン31の作動域に対応する張出部材51の移動範囲よりも外側に配置されている。
受け板23は、ピストンロッド32に沿って弾性部材24と張出部材51との間に設けられ、ストッパー36によって連結部材25の内部の両端に位置するように調整されている。受け板23は、ピストン31と対向する面に受け板突起部38を有し、受け板突起部38は受け板23と一体に設けられている。受け板23と受け板突起部38とは一体化され、ピストンロッド32との間には僅かな間隙が設けられ、ピストンロッド32の軸方向に摺動する構造となっている。張出部材51と受け板突起部38との距離は、例えば地震などで通常想定されるピストン31の変位量よりも大きく設定されており、通常の使用時には接触させない構造とする。すなわち、ピストン31および張出部材51はピストンロッド32によって連動して移動するため、受け板23は、ピストン31の作動域に対応する張出部材51の移動範囲よりも外側に配置されている。また、受け板23に受け板突起部38を設けることで、受け板23の強度を確保できる。なお、張出部材51がピストン31の作動域を超えて移動した場合に張出部材51が受け板突起部38を介して受け板23を押せる大きさであればよいため、張出部材51がピストン31の作動域を超えて移動した場合でも張出部材51はストッパー36と干渉しない大きさにすることは容易である。そのため、受け板突起部38などのように張出部材51や受け板23には突起部を設けなくともよい。
ストッパー36は、連結部材25の内面に固定され、受け板23と張出部材51との間であって、ピストン31の作動域に対応する張出部材51の移動範囲よりも外側に配置されている。
制振装置10Bでは、クレビス12、13同士の間に振動による相対変位が発生し、制振装置10Bのサポート方向(シリンダー21、ピストン31、およびピストンロッド32の軸方向)にピストン31がシリンダー21内で往復運動した場合には、実施例1と同様に、作動流体26がピストン31を貫通する貫通孔33を通過し、シリンダー21とピストン31に相対速度に応じた流動抵抗により反力が発生し、ピストン31に作用する衝撃力を低減し、振動エネルギーを減衰させる。よって、制振装置10Bを制振対象物11と支持構造体14との間に設置することにより、地震が発生した場合などには、制振装置10Bは、振動エネルギーを吸収して、制振対象物11に振動が伝わるのを低減することができる。本実施形態では、張出部材51と受け板突起部38との距離は、ピストン31の作動時におけるピストンの変位量以上に設定されているため、張出部材51と受け板突起部38との接触により、振動エネルギーを吸収する減衰性能の変化は生じない。また、シリンダー21内の作動流体26が喪失するなどにより、ピストン31に想定外の大きい変位が発生し、張出部材51と受け板突起部38とが接触しても、弾性部材24が変形してばね反力を発生させることにより、ピストン31に作用する衝撃力を低減することができる。
よって、本実施形態においても、制振装置10Bが作動流体26を喪失や劣化などによりピストン31の変位量が大きくなった場合でも、弾性部材24でピストン31に作用する衝撃力が低減され、制振対象物11に伝わる振動エネルギーを安定して吸収できるため、制振装置10Bの損傷、制振対象物11の支持機能の喪失、または制振装置10Bが取り付けられた制振対象物11への加速度の伝播などを防止することができる。また、本実施形態では、ピストン部22と、受け板23および弾性部材24とを分離して直列に配置しているため、圧力室27の容積を小さくすることができる。なお、連結部材25の内部には作動流体26が収容されないため、受け板23、ストッパー38が全周にわたって設けられていなくとも、制振装置10Bが振動エネルギーを吸収する減衰性能の低下は生じない。
以上説明した各実施形態によれば、ピストン31の変位量が想定外の大きさになった場合でも、ピストン31に作用する衝撃力を安定して低減することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。例えば、第2の実施形態の制振装置10Bについても、第1の実施形態で説明したように弾性部材24に予圧縮力を持たせる構成とすることができる。
10A、10B 制振装置
11 制振対象物
12、13 クレビス
14 支持構造体
21 シリンダー
22 ピストン部
23 受け板
24 弾性部材
25 連結部材
26 作動流体
27、27A、27B 圧力室
31 ピストン
32 ピストンロッド
33 貫通孔
35 シール部材
36 ストッパー
37 ピストン起部
38 受け板突起部
39 連結ロッド
51 張出部材
A、B 空間
F サポート反力
0 弾性部材予圧縮力
δ サポート変位
δ0 接触変位
δ1 最大移動変位
1 弾性部材吸収エネルギー
1 弾性部材吸収エネルギー

Claims (9)

  1. 作動流体が収容されるシリンダーと、
    前記シリンダー内に摺動可能に収容され、前記シリンダーを2つの圧力室に画成するピストンと、
    前記ピストンに連結され、前記シリンダーを貫通するピストンロッドと、
    前記シリンダー内に収容され、前記ピストンロッドの摺動方向に、前記ピストンと所定間隔を隔てて、前記ピストンを挟むように設けられた一対の弾性部材と、を具備してなり、
    前記弾性部材が、前記ピストンの作動域の外側に配置されてなり、
    前記ピストンロッドに沿って前記弾性部材と前記ピストンとの間に設けられた一対の受け板をさらに具備してなり、
    前記受け板が、前記作動域の外側に配置されてなる、制振装置。
  2. 前記シリンダーの内面に固定され、前記受け板と前記ピストンとの間であって、かつ前記作動域の外側に配置されたストッパーをさらに具備してなり、
    前記受け板および前記ストッパーは、それぞれ前記ピストンロッドの周方向に設けられ、
    記受け板と前記ストッパーが接触した状態では、前記受け板と前記ストッパーが、前記圧力室を前記ピストンロッドの軸方向に隔てる隔壁となる、請求項に記載の制振装置。
  3. 前記受け板と前記ストッパーとが溶接によって固定されてなり、前記ピストンが前記受け板に接触して前記受け板が加圧された場合に、前記受け板と前記ストッパーとが分離されるように構成された、請求項に記載の制振装置。
  4. 前記ピストンの前記受け板と対向する面に設けられたピストン起部と、前記受け板の前記ピストンと対向する面に設けられた受け板突起部との少なくとも何れか一方をさらに具備してなる、請求項の何れか一項に記載の制振装置。
  5. 前記弾性部材が前記シリンダーの軸方向に予圧縮されてなり、前記受け板が前記弾性部材によって前記ストッパーに付勢される、請求項2または3の何れか一項に記載の制振装置。
  6. 作動流体が収容されるシリンダーと、
    前記シリンダー内に摺動可能に収容され、前記シリンダーを2つの圧力室に画成するピストンと、
    前記ピストンに連結され、前記シリンダーを貫通するピストンロッドと、
    前記シリンダーの外側に設けられ、前記ピストンロッドの一端を収容する連結部材と、
    前記ピストンロッドの外周に設けられた張出部材と、
    前記連結部材の内側に配置され、前記ピストンロッドの摺動方向に、前記張出部材と所定間隔を隔てて、前記張出部材を挟むように設けられた一対の弾性部材と、を具備してなり、
    前記弾性部材が、前記ピストンの作動域に対応する前記張出部材の移動範囲よりも外側に配置されてなることを特徴とする、制振装置。
  7. 前記ピストンロッドに沿って前記弾性部材と前記張出部材との間に設けられた一対の受け板をさらに具備してなり、
    前記受け板が、前記作動域に対応する前記張出部材の移動範囲よりも外側に配置されてなる、請求項に記載の制振装置。
  8. 前記連結部材の内面に固定され、前記受け板と前記張出部材との間であって、かつ前記作動域に対応する前記張出部材の移動範囲よりも外側に配置されたストッパーをさらに具備してなる、請求項に記載の制振装置。
  9. 前記弾性部材が前記シリンダーの軸方向に予圧縮されてなり、前記受け板が前記弾性部材によって前記ストッパーに付勢される、請求項に記載の制振装置。
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