JPH11108099A - 流体ダンパー - Google Patents

流体ダンパー

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JPH11108099A
JPH11108099A JP9275998A JP27599897A JPH11108099A JP H11108099 A JPH11108099 A JP H11108099A JP 9275998 A JP9275998 A JP 9275998A JP 27599897 A JP27599897 A JP 27599897A JP H11108099 A JPH11108099 A JP H11108099A
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JP
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cylinder
piston
communication passage
fluid
tube
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JP9275998A
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Akira Teramura
彰 寺村
Tsuneo Yamaguchi
恒雄 山口
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Obayashi Corp
Original Assignee
Obayashi Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 連通路の路長を長くして粘性抵抗力を稼ぐこ
とにより、小型・軽量化および低コスト化を図ることが
できる大容量の流体ダンパーを提供する。 【解決手段】 シリンダー12の両端部に、それぞれの
シリンダー室16,18に連通するコネクタ28,28
aを取り付け、これらコネクタ28,28aに跨ってチ
ューブ26を外付けによって接続する。2つのシリンダ
ー室16,18をチューブ26を介して連通し、シリン
ダー室16,18間に発生する圧力差によってチューブ
26を介してオイルを流通させ、この路長の長いチュー
ブ26を減衰効果を得るための連通路として用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作動流体を封入し
たシリンダーと、このシリンダー内に摺動可能に嵌合さ
れて、シリンダー内部を2つのシリンダー室に隔成する
ピストンと、ピストンによって隔成される2つのシリン
ダー室を連通する連通路とを備え、ピストン移動により
発生する2つのシリンダー室間の圧力差で作動流体が連
通路を通過して減衰力を発生させる流体ダンパーに関す
る。
【0002】
【従来の技術】この種の流体ダンパーとしては、作動流
体に非圧縮性流体であるオイルを用いたオイルダンパー
が広く知られており、これはショックアブソーバとも称
され、振動伝達側と免振対象側との間に配置されて、両
者間の振動や衝撃を吸収できるようになっている。例え
ば、ばねと組み合わせて建築物の免振装置として用いら
れ、地震や強風などによって建物の振動が効果的に抑制
されるようになっている。
【0003】図6は従来の一般的なオイルダンパー1を
示し、密閉構造に形成されてオイルが封入されるシリン
ダー2と、このシリンダー2内に摺動可能に嵌合されて
これの内部を2つのシリンダー室2a,2bに隔成する
ピストン3と、このピストン3に形成されて上記2つの
シリンダー室2a,2bを連通する連通路としてのオリ
フィス4とを備えており、上記ピストン3に取り付けら
れるピストンロッド5が、シリンダー2の両端部を液密
構造をもって摺動可能に貫通される。そして、ピストン
ロッド5に付加される軸速度υによって、2つのシリン
ダー室2a,2b間に生ずる圧力差|p2 −p1 |がオ
リフィス4でなる連通路に流量Qを発生させる。
【0004】ここで一般に流量Qは、連通路で層流(線
形)状態であるとして、ポアズイユの法則により次の
式が成立する。 Q={π(d/2)4 /8μl}(p2 −p1 ) =(πd4 /128μl)(p2 −p1 ) …… ここで、d:連通路径 μ:流体粘性係数(Kg.se c/ cm 2 ) l:連通路の長さ また、粘性抵抗力fは、 f=(p2 −p1 )A …… A:ピストンの有効面積 となり、更に流量Qとピストン有効面積Aとの間には Q=υ・A …… また、 A=πD2 /4 …… D:シリンダー径 が成り立つため、,,,式から f=(128μl/πd4 )Q・A=8πμ・l(D/d)4 υ …… となる。このため、粘性抵抗係数cは次の式となる。 c=f/υ=8πμ・l(D/d)4 ……
【0005】従って、オイルダンパーの設計は、流体粘
性材料と設計速度から略定まるオリフィス4の直径d
(連通路の断面積)を決定し、次に粘性抵抗係数の目標
値からシリンダー直径Dを決定し、そして、シリンダー
2の径やピストン3の各部における耐圧設計およびシー
ル設計を行うようになっている。この場合、連通路とし
てのオリフィス4は、長さlが直径dに対して比較的短
いので、圧力降下は流体粘度にほとんど影響しない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、かかる従来の
オイルダンパーにあっては、抵抗力Fの大きな大容量の
ダンパーを設計するにあたって、直径比の4乗に比例す
る上記,式の関係から、流体粘性材料などで略決ま
るオリフィス4の直径dに対して、主にピストン3の直
径Dを大きくするよう設定される。
【0007】このため、中空シリンダー2は大口径にな
って大型化することを避け難く、しかもその耐圧仕様を
満たす必要もあって、大幅な重量増が来されてしまう。
また、建築物の免振装置として用いた場合には、オイル
ダンパー1のストロークが大きくなるため、中空シリン
ダー2の耐圧設計のために更なる重量増が来されるとと
もに、コストアップが余儀なくされてしまうという課題
があった。
【0008】そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑み
て、連通路を長くして粘性抵抗力を稼ぐことにより、ダ
ンパー自体の小型・軽量化および低コスト化が図れるよ
うにした流体ダンパーを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに請求項1に示す本発明の流体ダンパーは、作動流体
を封入したシリンダーと、このシリンダー内に摺動可能
に嵌合されて、シリンダー内部を2つのシリンダー室に
隔成するピストンと、ピストンによって隔成される2つ
のシリンダー室を連通する連通路とを備え、ピストン移
動により発生する2つのシリンダー室間の圧力差で作動
流体が連通路を通過して減衰力を発生させる流体ダンパ
ーにおいて、上記連通路の路長を、連通路断面積に対し
て十分に長く形成し、この連通路の路長によって作動流
体が通過するときの抵抗を増大する構成とする。
【0010】また、請求項2に示す本発明の流体ダンパ
ーは、上記連通路を、上記ピストンの外周面に螺旋状に
形成され、一端がピストンの一端面に開口し、他端がピ
ストンの他端面に開口する外周螺旋溝と、このピストン
の外周に摺接する上記シリンダー内周面とによって形成
する構成とする。
【0011】更に、請求項3に示す本発明の流体ダンパ
ーは、上記連通路を、上記シリンダーの内周面に螺旋状
に形成される内周螺旋溝と、このシリンダの内周に摺接
する上記ピストン外周面とによって形成する構成とす
る。
【0012】更にまた、請求項4に示す本発明の流体ダ
ンパーは、上記連通路は、一端が一方のシリンダー室に
連通し、他端が他方のシリンダー室に連通して、シリン
ダーの外周部に螺旋状に巻回された螺旋管体によって形
成する構成とする。
【0013】以上の構成により本発明の作用を以下述べ
ると、請求項1の流体ダンパーでは、連通路長を連通路
断面積に対して十分に長くしたので、作動流体の流路を
長く形成する分、シリンダ径と連通路断面積との比を小
さく設定して粘性抵抗力を増大することができ、流体ダ
ンパーによる減衰効率を、シリンダー径を大きくしたり
あるいは連通路断面積を小さくしたりせずに向上させる
ことができる。また、連通路長を長くすることにより移
動流体の質量が増すので、これによる運動エネルギーの
質量効果によって更に減衰効率の向上を図ることがで
き、長周期化機能と減衰機能とを兼ね備えた大容量の流
体ダンパーを小型・軽量化を図りつつ低コストで製造で
きる。
【0014】請求項2の流体ダンパーでは、ピストン両
側のシリンダ室を相互に連通させる上記連通路を、ピス
トン外周面に形成されて一端が当該ピストンの一端面に
開口し、他端が当該ピストンの他端面に開口する外周螺
旋溝と、このピストンが嵌合摺接するシリンダー内周面
とによって形成するようにしたので、ピストンをシリン
ダ内に組み付けるだけの作業で、流路断面積に比して路
長が十分に長い連通路を流体ダンパー内部に組み込んで
容易に設けることができ、部品点数の増加を来すことも
ない。
【0015】請求項3の流体ダンパーでは、ピストン両
側のシリンダ室を相互に連通させる上記連通路を、シリ
ンダ内周面に形成されてた内周螺旋溝とこのシリンダに
嵌合摺接されるピストン外周面とによって形成するよう
にしたので、上記請求項2の場合と同様に、ピストンを
シリンダ内に組み付けるだけの作業で、流路断面積に比
して路長が十分に長い連通路を流体ダンパー内部に組み
込んで容易に設けることができ、部品点数の増加を来す
こともない。
【0016】更にまた、請求項4に示す本発明の流体ダ
ンパーでは、シリンダーの外周部に螺旋状に巻回されて
一端が一方のシリンダー室に連通し、他端が他方のシリ
ンダー室に連通する管体で連通路を形成するようにした
ので、この管体をシリンダーの外周の全長に亘って自由
に巻回することができるため、この管体で形成される連
通路をより長く設定することができる。また、この管体
はシリンダー外側に巻回されるため、ピストン厚さやシ
リンダー肉厚の制約を受けることが無く、その管径や管
長を自由に選択して設計の自由度を大幅に向上すること
ができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面を参照して詳細に説明する。図1,図2は本発明の流
体ダンパーの第1実施形態を示し、図1は中央縦断面
図、図2は連通路長に対する粘性抵抗係数を従来と比較
して示す特性図である。尚、本実施形態の流体ダンパー
は、作動流体として非圧縮性流体であるオイルを用いた
オイルダンパー10に例を取って述べる。
【0018】図1に示すように本実施形態のオイルダン
パー10は、従来と同様にオイルが封入されるシリンダ
ー12と、このシリンダー12内に摺動可能に嵌合され
るピストン14と、このピストン14によって両側に隔
成されるシリンダー室16,18と、このピストン14
の中心部に一体に取り付けられるピストンロッド20と
を備える。上記シリンダー12は両端部が端板12a,
12bで閉止される筒状に形成され、これら端板12
a,12bの中心部に形成した挿通穴22,22aに、
オイルシール24を介して上記ピストンロッド20が摺
動自在に挿通される。
【0019】ここで、本実施形態にあっては上記シリン
ダー12の両端部に、それぞれのシリンダー室16,1
8に連通するコネクタ28,28aを取り付け、これら
コネクタ28,28aに跨ってチューブ26を外付けに
よって接続する。このように2つのシリンダー室16,
18は上記チューブ26を介して連通され、これらシリ
ンダー室16,18間に発生する圧力差によって上記チ
ューブ26内をオイルが流通し、このチューブ26を連
通路として用いるようになっている。
【0020】従って、この実施形態にあってはシリンダ
ー12の両端部間に跨って外付けされるチューブ26に
よって2つのシリンダー室16,18を連通したので、
ピストンロッド20に軸速度υが付加されることにより
ピストン14が移動し、2つのシリンダー室16,18
に圧力差|p1 −p2 |が発生すると、この圧力差を均
衡させるようにチューブ26内をオイルが流通する。す
ると、チューブ26内に上記式に示した粘性抵抗力が
発生し、これによって減衰力を得ることができる。
【0021】このとき、本実施形態では上記連通路がシ
リンダー12の両端部に跨って外付けされるチューブ2
6によって構成され、このチューブ26が長く設定され
るようになっており、更には、このチューブ26を湾曲
させる等してその長さを任意に設定できるようになって
いる。このため、上記チューブ26の長さに対応する連
通路長Lを、連通路径dつまり流路断面積に対して十分
に長くすることができる。
【0022】従って、本実施形態での粘性抵抗係数C
は、上記式に示した従来の粘性抵抗係数cに比較して
C=(L/l)cの関係が成立する。即ち、この関係は
従来の連通路長l=1.0とし、従来の粘性抵抗係数c
=1.0とした場合に、図2に示すように本実施形態の
L,Cは比例関係をもって増大するため、本実施形態の
粘性抵抗係数Cを著しく大きくすることができる。従っ
て、シリンダー室16,18の圧力差|p1 −p2 |が
僅かである場合にも、著しく大きな粘性抵抗力Fを得る
ことができるようになる。また、連通路長Lを長くする
ことによって大きな粘性抵抗力Fを得るので、作動流体
としてのオイルには大きな粘度を要求する必要は無く、
水のようにサラサラした粘度の低いオイルを採用でき
る。
【0023】また、上記ピストン14の移動に伴って大
径のシリンダー室16,18内の容積変化分のオイル
が、小径のチューブ26内を一度に通過するため、この
オイルはこのチューブ26内を高速移動することにな
る。このとき、オイルがチューブ26内を高速移動する
際の運動エネルギーEによって、減衰効果に加えて質量
効果が得られることになる。即ち、運動エネルギーE
は、シリンダー12内で移動される流体質量をm1 、連
通路内を移動する流体質量をm2 とすれば、 E=(1/2)(m1 +m2 )V2 …… として得られるが、従来では連通路長lが著しく短いた
め、連通路部分での流体質量m2 は無視されてきた。と
ころが、本実施形態では連通路長Lが十分に長いため、
連通路内での移動流体質量m2 は、シリンダー12内で
移動される流体質量m1 に対して、m1 <m2 となるこ
ともあり十分に大きなものとなる。また、チューブ26
径を大きくすると、連通路内の移動流体質量m2 を更に
大きくすることができる。
【0024】このため、本実施形態でのオイルダンパー
10の運動エネルギーEは、上記式によりm2 が付加
された大きな値となって得られ、これが質量効果となっ
てより大きな減衰力を発生させることができる。
【0025】ところで、このように質量効果が得られる
ことにより、以下に述べるように管摩擦による不具合を
排除することができる。つまり、一般的にはオイルダン
パーの減衰効率を上げる場合には、粘性抵抗力Fを決定
づける一要因である(D/d)を大きくするために、連
通路径dを小さくすると共にシリンダ径Dを大きく設定
するのであるが、本実施形態のように連通路長Lを十分
に長く設定することによって粘性抵抗力Fの増大化を図
ると、管摩擦により流体移動の高速化が阻害される面が
生じるものの、上記質量効果が有効に働くようになるか
ら、逆にこの連通路径dを大きく設定するともにシリン
ダ径Dを小さく設定することが可能となる。つまり、連
通路径dが大きくなると移動流体質量m2 が更に大きく
なることから、質量効果により発生する減衰力増加分が
より大きくなり、シリンダ径Dと連通路径dとの比(D
/d)が小さくなることによる減衰力低下分を相殺また
は補って余ることになる。
【0026】また、このように連通路径dを大きくしつ
つ連通路長Lが十分に延長されることにより、チューブ
26を通過するオイルの線形性を保つ速度(カイン)範
囲が拡大して、粘性抵抗力を増大することができる。従
って、本実施形態のオイルダンパー10では、シリンダ
ー12の径Dを大きくすることなく減衰効率を増大させ
て大容量化することができるとともに、オイルダンパー
10の可及的な小型化並びに軽量化が図れ、もってコス
トの低減化をも達成することができる。
【0027】従って、本実施形態のオイルダンパー10
は、質量効果と減衰効果とが相俟って、長周期化機能と
高減衰機能とを兼ね備えた大容量の装置となり、例えば
免震ビルや制振ビルのダンパーとして適用することによ
り、それぞれ大きな効果を得ることができる。
【0028】図3は本発明の第2実施形態を示すオイル
ダンパー10aで、上記第1実施形態と同一構成部分に
同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。
【0029】即ち、本実施形態のオイルダンパー10a
は、ピストン14の外周面に外周螺旋溝30が形成さ
れ、ピストン14がシリンダー12に嵌合された状態
で、当該外周螺旋溝30とシリンダー12内周面とによ
り閉断面を有する連通路32が形成される構成となって
いる。即ち、この外周螺旋溝30の一端はピストン14
の一端面14aに開口してシリンダー室16に連通し、
かつ他端はピストン14の他端面14bに開口してシリ
ンダー室18に連通している。
【0030】従って、この実施形態では、ピストン14
の移動に伴ってシリンダー室16,18間に圧力差|p
1 −p2 |が発生すると、ピストン14の外周面に形成
した外周螺旋溝30による連通路32を介して2つのシ
リンダー室16,18間でオイルの流通が起こり、上記
第1実施形態と同様に連通路32にオイル流量Qが生ず
る。このとき、上記連通路32の長さLは、L=nπD
(n:巻数)として得られるため、その連通路長Lは従
来のピストン14内部に直線的に形成されていた連通路
に比較して格段に長く設定することができ、上記第1実
施形態と同様の機能を発揮して、減衰効果を増大するこ
とができる。また、連通路32をピストン14外周面に
螺旋状に形成することにより、オイルダンパー10aを
部品点数を増加させることなくコンパクトに構成するこ
とができる。
【0031】図4は本発明の第3実施形態を示すオイル
ダンパー10bで、上記各実施形態と同一構成部分に同
一符号を付して重複する説明を省略して述べる。
【0032】即ち、本実施形態のオイルダンパー10b
は、シリンダー12の内周面に内周螺旋溝40を形成し
てあり、ピストン14が嵌合された状態で、この嵌合部
分において内周螺旋溝40とピストン14の外周面とに
より閉断面を有した連通路42が形成される構成となっ
ている。即ち、この連通路42は内周螺旋溝40がピス
トン14の両端面14a,14bに位置する部分でそれ
ぞれシリンダ室16,18に臨んで開口し、両シリンダ
室16,18を連通している。
【0033】従って、上記連通路42はピストン14の
外周部の厚さに対応する部分で螺旋状の連通路42を構
成するため、上記第2実施形態に示した連通路32と同
様に長さを十分に長く設定でき、減衰効率を向上するこ
とができるとともに、オイルダンパー10bをコンパク
トに構成することができる。
【0034】図5は本発明の第4実施形態を示すオイル
ダンパー10cで、上記各実施形態と同一構成部分に同
一符号を付して重複する説明を省略して述べる。
【0035】即ち、本実施形態のオイルダンパー10c
は、シリンダー14の外周に螺旋状に巻回される螺旋管
体50を設け、この螺旋管体50を連通路として用い
る。この螺旋管体50の一端50aを一方のシリンダー
室16に連通し、他端50bを他方のシリンダー室18
に連通することにより、2つのシリンダー室16,18
はこの螺旋管体50を介して連通される。
【0036】従って、この実施形態にあっては連通路と
して用いた螺旋管体50は、シリンダー12の外周部の
全長に亘って自由に巻回することができるため、この管
体50で形成される連通路をより長く設定することがで
き、減衰効率を向上することができる。また、この管体
50はシリンダー12の外側に巻回されるため、ピスト
ン14の厚さやシリンダー12の肉厚に制約されること
なく、その管径を自由に選択して設計の自由度を大幅に
向上することができる。
【0037】ところで、上記各実施形態では作動流体と
してオイルを用いたオイルダンパー10,10a,10
b,10cに例を取って説明したが、作動流体はオイル
および非圧縮性流体に限ることなく、空気等の他の圧縮
性流体を用いた場合にあっても本発明を適用することが
できる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
に示す流体ダンパーでは、連通路の路長を、連通路の断
面積に対して十分に長くしたので、この連通路を通過す
る作動流体の粘性抵抗力を大きくできるのは勿論のこ
と、作動流体の流路長が長くなる分、連通路の端面積を
大きくできるようになり、延いては、連通路を通過する
作動流体の線形性を保つ速度(カイン)範囲が拡大し
て、運動エネルギーの増大による粘性抵抗力をも増大す
ることができる。従って、流体ダンパーによる減衰効率
は、シリンダー径を大きくすることなく向上することが
できるため、流体ダンパーの大容量化を図りつつ小型・
軽量化および低コスト化を達成することができる。ま
た、連通路を長くすることにより、2つのシリンダー室
間の圧力差が小さくても著しく大きな粘性抵抗力を得る
て、大容量化を達成することができ、長周期化機能と高
減衰機能とを兼ね備えて、建物の免震装置および制振装
置に適用して大きな効果を得ることができる。
【0039】本発明の請求項2に示す流体ダンパーにあ
っては、上記連通路を、一端がピストンの一端面に開口
し、かつ他端がピストンの他端面に開口して当該ピスト
ンの外周面に螺旋状に形成した外周螺旋溝と、このピス
トンが嵌合するシリンダー内周面とにより形成したの
で、連通路断面積に比してその路長が十分に長い連通路
を、シリンダ内にピストンを組み付けるだけの作業で容
易に流体ダンパー内部に組み込んで設けることができ、
これによって減衰効率を著しく向上することができると
ともに、コンパクト化を図ることができる。
【0040】本発明の請求項3に示す流体ダンパーにあ
っては、上記連通路を、上記シリンダーの内周面に螺旋
状に形成した内周螺旋溝と、シリンダーの内周面に嵌合
摺接する上記ピストンの外周面とにより形成し、内周螺
旋溝はピストンの両端面に位置する部分でそれぞれのシ
リンダ室に臨んで開口し、両シリンダー室を連通させる
構成としたので、上記請求項2の場合と同様に、連通路
断面積に比してその路長が十分に長いく連通路を、シリ
ンダ内にピストンを組み付けるだけの作業で容易に流体
ダンパー内部に組み込んで設けることができ、これによ
って減衰効率を著しく向上することができるとともに、
コンパクト化を図ることができる。
【0041】本発明の請求項4に示す流体ダンパーにあ
っては、上記連通路を、シリンダーの外周に螺旋状に巻
回され、一端が一方のシリンダー室に連通し、他端が他
方のシリンダー室に連通する管体としたので、この管体
をシリンダーの外周の全長に亘って自由に巻回すること
ができるため、この管体で形成される連通路をより長く
設定することができる。また、この管体はシリンダー外
側に巻回されるため、ピストン厚さやシリンダー肉厚に
制約されることなく、その管径を自由に選択して設計の
自由度を大幅に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す中央縦断面図であ
る。
【図2】本発明の第1実施形態の連通路長に対する粘性
抵抗係数を従来と比較して示す特性図である。
【図3】本発明の第2実施形態を示す中央縦断面図であ
る。
【図4】本発明の第3実施形態を示す中央縦断面図であ
る。
【図5】本発明の第4実施形態を示す中央縦断面図であ
る。
【図6】従来の流体ダンパーを示す中央縦断面図であ
る。
【符号の説明】
10 オイルダンパー(流体ダンパー) 12 シリンダー 14 ピストン 16,18 シリンダー室 20 ピストンロッド 26 チューブ(連通路) 30 外周螺旋溝 32 連通路 40 内周螺旋溝 42 連通路 50 螺旋管体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作動流体を封入したシリンダーと、この
    シリンダー内に摺動可能に嵌合されて、シリンダー内部
    を2つのシリンダー室に隔成するピストンと、ピストン
    によって隔成される2つのシリンダー室を連通する連通
    路とを備え、ピストン移動により発生する2つのシリン
    ダー室間の圧力差で作動流体が連通路を通過して減衰力
    を発生させる流体ダンパーにおいて、 上記連通路の路長を、連通路断面積に対して十分に長く
    形成し、この連通路の路長によって作動流体が通過する
    ときの抵抗を増大することを特徴とする流体ダンパー。
  2. 【請求項2】 上記連通路は、上記ピストンの外周面に
    螺旋状に形成され、一端がピストンの一端面に開口し、
    他端がピストンの他端面に開口する外周螺旋溝と、この
    ピストンの外周に摺接する上記シリンダー内周面とによ
    って形成されていることを特徴とする請求項1に記載の
    流体ダンパー。
  3. 【請求項3】 上記連通路は、上記シリンダーの内周面
    に螺旋状に形成される内周螺旋溝と、このシリンダの内
    周に摺接する上記ピストン外周面とによって形成されて
    いることを特徴とする請求項1に記載の流体ダンパー。
  4. 【請求項4】 上記連通路は、一端が一方のシリンダー
    室に連通し、他端が他方のシリンダー室に連通して、リ
    ンダーの外周部に螺旋状に巻回された螺旋管体によって
    形成されていることを特徴とする請求項1に記載の流体
    ダンパー。
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