JP2014214591A - 折戸 - Google Patents
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Abstract
Description
一方、障子を開閉するときに障子を室内側又は室外側へ引く方向に操作する折戸では、障子を閉じたときに、ラッチが横枠のレールを見込み方向から乗り越えてレールに係合して障子の閉じ状態を保持するラッチ構造を設けることが公知である。
また、障子を横枠の長手方向に操作して障子を折り畳んで開く折戸では、ラッチに室内外方向の力を付与することができず、ラッチがレールを乗り越えることができないので、従来のラッチ構造を用いることができない。
折り畳んで開き位置にある障子を閉じるときに、障子に設けたローラーラッチのローラーは、室内側から横枠に設けたラッチ受けの傾斜部に当接した後、傾斜部にガイドされて移動し、障子を閉じる直前では付勢部材の付勢力により横枠の長手方向に移動して、横枠長手方向の付勢力を与えつつ係合保持部に納まり、障子が容易に開いたりがたついたりするのを防止する。
このように、本発明によれば、障子を開閉するための遊びやけり出し機構を設けなくとも横枠の長手方向の引き操作で障子を開閉できると共にかかる引き操作で開閉する障子に適合できるラッチ構造を備えた折戸を提供できる。
また、障子を開くときには、ローラーは付勢部材の付勢力に抗して横枠の長手方向に移動して係合保持部から離脱した後、障子の折れにより、傾斜部に沿って移動するので、障子の開きをスムーズにおこなうことができる。
障子を閉じる場合に、障子を勢い良く引き操作したときには、障子が戸先枠に当たって跳ね返るおそれがあるが、障子が閉じるときにローラーは傾斜部にガイドされて移動すると共に傾斜部が室外側ほど戸先枠に近くなるように傾斜しているので、障子が跳ね返えろうとしたときにローラーに作用する室内側へ向かう力は傾斜部が受けるから、障子の跳ね返りを防止することができる。
障子がスライドする為の遊びが不要なので、折戸の開口部を有効に利用することができ、遊びにごみが溜まることもなく、けり出し機構も不要なので部品点数が少なくて済む。
図2〜図4に示すように、本実施の形態に係る折戸1は、枠3と、枠3内に設けた折り畳可能な障子5とを備えている。枠3は、上枠(横枠)7と、下枠(横枠)9と、戸先側竪枠(戸先枠)11、戸尻側竪枠13とで枠組みされており、各枠7、9、11、13にはシール材14が取付けてある。
障子5は、室外側から見て左扉(戸尻側扉)15と、右扉17と、左扉15と右扉17との間に設けた中央框19と、右扉17の右側(戸先側)に設けた戸先扉21とを備えており、右扉17の戸先側框22には室内側と室外側に各々突設するハンドル23が設けてある。
図1に示すように、左扉15の中央框側端部25の上端及び右扉17の中央框側端部27の上端には各々端部キャップ29が取付けてあり、中央框19の上端には中央框キャップ31が取付けてある。また、中央框19には、その室外側に左カバー33と右カバー35とが設けてあり、左カバー33と左扉15の中央框側端部25とは左アーム37で連結しており、右カバー35と右扉17の中央框側端部27とは右アーム39で連結している。尚、図示を省略しているが、各端部キャップ29、31及びアーム37、39は、障子5の下端側にも上端側と同様に設けてある。
中央框19の見付部43には、左側端部に左扉15の被軸着部46を回動自在に軸着する左扉軸着部47が設けてあり、右側端部に右扉17の被軸着部48を回動自在に軸着する左扉軸着部49が設けてある。中央框19の見込み部45の室外側端部にはレール41よりも室外側に、左右のカバー33、35の各被軸着部50を各々回動自在に軸着する左カバー軸着部51と右カバー軸着部53とが設けてある。
左カバー33は、左扉15の中央框側端部25を室外側から遮蔽し、且つ左扉15が閉じ位置にあるときに左扉15の中央框側端部25と中央框19とで囲む左空間55を区画している。
右カバー35は、右扉17の中央框側端部27を室外側から遮蔽し且つ右扉17が閉じ位置にあるときに右扉17の中央框側端部27と中央框19とで囲む右空間57を区画している。
このように、左右のアーム37、39と端部キャップ29との係合により、図1(a)〜(d)に示すように、左扉15の中央框側端部25と、右扉17の中央框側端部27が、各左右の空間55、57内で各々回動すると共に、左右のカバー33、35が左右の扉15、17と各々同方向に回動する。
中央框キャップ31は、図1及び図14に示すように、平面視が中央框19の形状に沿って平面視略T字形状を成しており、中央框19の上端面を覆っている。中央框キャップ31は、取付部71aを中央框19の中空に挿入して取付けてある。
一方のラッチ構造65aでは、ローラーラッチ67は左扉15の下端に設けてあり、下ラッチ受け69は下枠(横枠)9の対応する位置に設けてある。
他方のラッチ構造65bでは、ローラーラッチ67は右扉17の上端に設けてあり、上ラッチ受け70は上枠(横枠)7の対応する位置に設けてある。
図9に示すように、ラッチケース71は、障子5に取付ける取付部71aと、ローラー体73の台座73aをスライド自在に保持する台座保持部71bと、付勢部材収納部71cとを有し、台座保持部71bと付勢部材収納部71cとは連続した溝としてある。
付勢部材75は台座73aを上枠7の長手方向戸先側に向けて付勢する。
図7及び図11に示すように、他方のラッチ構造65bの上ラッチ受け70は、上枠7に取付けるものであり、一方のラッチ構造65aの下ラッチ受け69と形状が異なる以外は、一方のラッチ受け65aと同じ構成であり、同一の作用効果を奏する部分には同一の符号を付してその部分の詳細な説明を省略する。
図2及び図7に示すように障子5が閉じ状態にあるときから、図3に示すように障子5を開くときには、室内側又は室外側にあるハンドル23を見付け方向(横枠の長手方向)戸尻側へ引いてスライド操作する。
図1(a)に示すように、障子5の見付け方向戸尻側にスライド操作するときの力Fは、レール41に沿う方向の力であるから、レール41よりも室内側にある右扉軸着部49には回転モーメントとして作用し、スライド操作時に障子5が戸尻側竪框13から受ける反対方向の反力F´は左扉軸着部47に反対方向の回転モーメントとして作用する。
これにより、図1(b)(c)に示すように、これらの回転モーメントF及びF´が中央框19を室内側へ押出すようにして左扉15と右扉17とが回動し、開き切った状態では、図1(d)に示すように、左扉15と右扉17との室外側見付け面を重ねるようにして折り畳む。
また、左扉15の中央框側端部25は、左扉軸着部47回りを回動するときには、左空間55内を回動し、右扉17の中央框側端部27は、右扉軸着部49回りを回動するときには、右空間57内を回動する。
そして、図1(d)及び図3に示すように、障子5を折り畳んだ状態では、左扉15の中央框側端部25は左空間55内に納まり、右扉17の中央框側端部27は右空間57内に納まり、左扉15と右扉17とが室外側見付け面を重ねるようにして折り畳まれる。
図3に示す障子5の開き状態からハンドル23を戸先枠11側へ引いてスライド操作すると、左扉15及び右扉17は図1(d)、(c)、(b)、(a)の順序で示すように、中央框19の左扉軸着部47及び右扉軸着部49回りをそれぞれ回動すると共に左カバー33及び右カバー35が左カバー軸着部51及び右カバー軸着部53回りを回動して、図1(a)及び図2に示すように、障子5を閉じる。
一方、図7に示すように、ローラーラッチ67のローラー73cは、付勢部材75により見付け方向戸先側に向けてローラーラッチ67の台座73aを付勢してあり、図1(a)及び図2に示す障子5の閉じ状態の直前で、ローラー73cがラッチ受け69の見込み面69aに室内側から当接して、傾斜部76に案内されつつ室外側へ移動する。そして、障子5が閉じた状態でローラー73が付勢部材75に付勢されつつ係合保持部77に対向する位置に到達すると、係合保持部77側に向けて見付け方向に移動し、ローラー73cが係合保持部77に納まり、障子5の閉じ状態を保持する。
尚、閉じ状態にある障子5を開くときには、ローラー73cは、付勢部材75の付勢力に抗して見付け方向に移動しつつ室内側へ移動して係合保持部77から離脱した後、上述した障子5の折れにより、傾斜部76に沿って室内側へ移動する。
折り畳んで開き位置にある障子5を閉じるときに、障子5に設けたローラーラッチ67のローラー73cは、室内側から下枠9に設けた下ラッチ受け69の傾斜部76に当接した後、傾斜部76にガイドされて移動し、障子5を閉じる直前では付勢部材75の付勢力により下枠9の長手方向に移動して、横枠長手方向の付勢力を与えつつ係合保持部77に納まり、障子5が容易に開いたりがたついたりするのを防止する。
このように、本実施の形態によれば、障子5を開閉するための遊びやけり出し機構を設けなくとも上枠7の長手方向の引き操作で障子5を開閉できると共にかかる引き操作で開閉する障子5に適合できるラッチ構造65a、65bを備えた折戸1を提供できる。
また、障子5を開くときには、ローラー73cは付勢部材75の付勢力に抗して上枠7の長手方向に移動して係合保持部77から離脱した後、障子5の折れにより、傾斜部76に沿って移動するので、障子5の開きをスムーズにおこなうことができる。
障子5を閉じる場合に、障子5を勢い良く引き操作したときには、障子5が戸先枠11に当たって跳ね返るおそれがあるが、障子5が閉じるときにローラー73cは傾斜部76にガイドされて移動すると共に傾斜部76が室外側ほど戸先枠11に近くなるように傾斜しているので、障子5が跳ね返えろうとしたときにローラーに作用する室内側へ向かう力は傾斜部76が受けるから、障子5の跳ね返りを防止することができる。
障子5がスライドする為の遊びが不要なので、折戸1の開口部を有効に利用することができ、遊びにごみが溜まることもなく、けり出し機構も不要なので部品点数が少なくて済む。
閉じ状態にある障子5を一方及び他方のラッチ構造65a、65bにより保持することで、障子5が容易に開いたりがたついたりするのを防止すると共に枠3に設けた各シール材14による水密及び気密を高めることができる。
一方のラッチ構造65aは左扉15の下端に設け、他方のラッチ構造65bは右扉17の上端に設けているので、障子5が閉じ状態から開くときに、上下で個別に、ローラーラッチ67のローラー73cをラッチ受け67から離脱する力を作用し易い。したがって、一方と他方のラッチ構造65a、65bを共に上端や下端に設ける場合に比較して、小さい力でラッチを解除して障子5を開くことができる。また、一方のラッチ構造65aと他方のラッチ構造65bとで障子5の対角位置で閉じ位置にある障子5を押えているので、ラッチ構造65a、65bによる障子5の閉鎖力を高めることができる。
障子5を閉じ位置から開くときに、ローラーラッチ67のローラー73cは、係合保持部77から離脱する方向に円弧状の軌跡を描いて移動するので、離脱に要する力を小さくできる。
ローラーラッチ67は、台座73aをラッチケース71に収めて、一端部を台座73aに取付けた垂直軸73bの一端にローラー73cを保持する構成(片持ち)にしてあるので、ローラー73cを簡易な構成で見付け方向に移動自在に保持することができる。
ラッチ受け69の係合保持部77は障子5よりも室外側に位置しているから、ローラー73cを係合保持部77に係合及び離脱するときに、左右の扉15、17が回動して移動するときの力を利用できるので、軽い力でローラー73を係合保持部77に係合及び係合保持部77から離脱できる。
一方及び他方のラッチ構造65a、65bは、共に障子5の吊元側框に設けたヒンジ14から離れた位置にあるので、近い位置にある場合に比較して、各ラッチ構造65a、65bのローラー73cと係合保持部77とが係合し及び離脱するときに必要な力を小さくできる。
また、図1(a)に示す障子の閉じ状態から、中央框19を室内側へ向けて押した場合(押し操作)にも、右扉軸着部49及び左扉軸着部47回りを左右の扉15、17が回動するから、左右の扉15、17を中央框19から容易に折ることができる。
仮に、スライド操作したときに左右の扉15、17の折りを案内する案内部材を設けた場合にはかかる案内部材は、中央框19を室内側へ向けて押すと無理な力がかかり破損するおそれがあるが、本発明では、上述のように、ハンドルによるスライド操作のみならず、中央框19を室内側へ向けて押す押し操作によっても左右の扉15、17を中央框19から折ることができるので、押し操作による案内部材の破損を防止できる。
図1(a)に示すように、左扉15の中央框側端部25を左カバー33で室外側から遮蔽し、右扉17の中央框側端部27を右カバー35で室外側から遮蔽しているので、各扉15、17の中央框側端部25、27が室外側から見えないので外観が良い。
図1(a)〜(d)に示すように、折戸1を閉じ位置から開くときに、左扉15と左カバー33が同方向に回動すると共に左扉15の中央框側端部25が左空間55内を回動するので、左扉15の中央框側端部25と中央框19との間に手を挟むのを防止できる。同様に、右扉17と右カバー35が同方向に回動すると共に右扉17の中央框側端部27が右空間57内を回動するので、右扉17の中央框側端部27と中央框19との間に手を挟むのを防止できる。
図1及び図5に示すように、左右の扉15、17に装着する端部キャップ29は平面視で左右対称形状としてあるので、左扉15の下端に装着するものを右扉17の上端に用いることができ、同様に左扉15の上端に装着するものを右扉17の下端に用いることができるから、部品種類を少なくできる。
図12に、本発明の第2実施の形態にかかる折戸1を示す。この第2実施の形態では、左扉15に設ける一方のラッチ構造65aでは、左扉15の上端部にローラーラッチ67を設け、上枠に上ラッチ受け70を設けたことが、第1実施の形態と異なっている。即ち、第2実施の形態では、一方のラッチ構造65a及び他方のラッチ構造65bは、いずれも障子5の上端部と上枠7とに設けている。
尚、第2実施の形態では、ハンドル23、23は戸先扉21の戸先側に設けている。
即ち、他方のラッチ構造65bでは、中央框19の上部にローラーラッチ67を設けて、上枠にラッチ受け69を設けている。
ローラーラッチ67のラッチケース71は、第1実施の形態で説明した中央框19の上端部に装着する中央框キャップ31が兼ねており、平面視が中央框19の形状に沿って平面視略T字形状を成している。図14に示す取付部71aは中央框19の上端に固定してある。ローラー保持部71b及び付勢部材収納部71cは、平面視において左右対称に各々2つ設けてあるが、使用するのは左右一方のローラー保持部71b及び付勢部材収納部71cである。
中央框19の上端と上枠7とに他方のラッチ構造65bを設けているので、左扉15や右扉17に設ける場合に比較して、折り位置にある中央框19で障子5の閉じ状態を強く保持することができると共に上枠7のシール材14との密着力を下枠9のシール材との密着力よりも高めることができる。これにより、浴室で要求される障子上側のシール性を高めることができる。
例えば、中央框19、左扉15の中央框側端部25及び右扉17の中央框側端部27の形状は、上述した実施の形態に限らず、図15(a)に示すように、横断面において、中央框19は略3角形形状にして、左扉15の中央框側端部25及び右扉17の中央框側端部27の端面を見込み方向に傾斜した形状としても良い。また、図15(b)に示すように、横断面において、中央框19は室内側が開いた略V字形状としても良い。
第1実施の形態や第3実施の形態において、ハンドル23は、第2実施の形態のように戸先扉23に設けても良く、第2実施の形態のハンドル23を第1実施の形態や第3実施のように右扉17の戸先側端部に設けても良い。
折戸1は、浴室戸に限らず、クローゼット等の収納スペースに用いる戸や間仕切り等であってもよい。
5 障子
7 上枠(横枠)
9 下枠(横枠)
11 戸先側竪枠(戸先枠)
65a 一方のラッチ構造
65b 他方のラッチ構造
67 ローラーラッチ
69 下ラッチ受け
69a 見込み面
70 上ラッチ受け
73b 垂直軸
73c ローラー
75 付勢部材
76 傾斜部
77 係合保持部
Claims (1)
- 横枠の長手方向の引き操作で室内側へ突設するように折り畳んで開く障子と、障子に設けたローラーラッチと、横枠に設けたラッチ受けとを備え、ローラーラッチは、障子の室内側面よりも室内側に突設し且つ垂直軸回りに回動自在なローラーと、ローラーを横枠の長手方向に付勢する付勢部材とを有し、ラッチ受けは、障子の室内側面よりも室内側に突設してあると共に見込み面に、室外側ほど戸先枠に近くなるように傾斜した傾斜部と、傾斜部に連続して傾斜部の室外側に設けた係合保持部とを有し、障子が閉じ方向に移動したときに、ローラーがラッチ受けの傾斜部にガイドされて障子を閉じたときに係合保持部に納まること特徴とする折戸。
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