JP2014212352A - 積層セラミックコンデンサ、これを含む積層セラミックコンデンサ連、および、積層セラミックコンデンサの実装体 - Google Patents

積層セラミックコンデンサ、これを含む積層セラミックコンデンサ連、および、積層セラミックコンデンサの実装体 Download PDF

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Abstract

【課題】クラックの発生が抑制できる積層セラミックコンデンサを提供する。
【解決手段】積層セラミックコンデンサ1Bは、積層部10と、厚み方向第1および第2外層部6b1,6b2と、長さ方向第1および第2外層部と、幅方向第1および第2外層部8b1,8b2とを含む。厚み方向第2外層部6b2の厚み寸法t2は、厚み方向第1外層部6b1の厚み寸法t1よりも大きく、厚み方向第2外層部6b2は、内側層6b21と外側層6b22とを含む。外側層6b22のセラミック誘電体層9は、内側層6b21のセラミック誘電体層3よりもTiに対するSiの組成比が高く、外側層6b22は、内側層6b21との境界部P1においてSiの含有率が高い。長さ方向第1および第2外層部の長さ寸法は、幅方向第1および第2外層部8b1,8b2の幅寸法w1,w2よりも大きい。
【選択図】図15

Description

本発明は、コンデンサ素子の一種である積層セラミックコンデンサ、これを含む積層セラミックコンデンサ連、および、積層セラミックコンデンサの実装体に関する。
一般に、コンデンサ素子は、内部電極層と誘電体層とが交互に積層された素体と、当該素体の外表面に設けられた外部電極とを備えており、積層セラミックコンデンサは、このうちの誘電体層がセラミック誘電体材料によって構成されたものである。
通常、積層セラミックコンデンサは、内部電極層としての複数の導電体層と複数のセラミック誘電体層とが交互に密に積層されてなる直方体形状の積層部を内部に有しており、セラミック誘電体層からなる外層部と、比較的少数の導電体層がセラミック誘電体層の内部に含まれてなる外層部とが、当該積層部を覆うように設けられることにより、上述した素体が構成されている。
積層セラミックコンデンサにおいては、上述したセラミック誘電体層にクラックが発生する不良モードが存在している。当該クラックの発生は、製品としての信頼性が低下する原因になったり、製造過程における歩留まりの悪化を招来したりする。
クラックの発生の抑制が図られた積層セラミックコンデンサが開示された文献としては、たとえば特開2012−248581号公報(特許文献1)がある。当該特許文献1に開示された積層セラミックコンデンサにおいては、上述した積層部を積層方向において挟み込むセラミック誘電体層からなる一対の外層部のうち、配線基板に実装される側の主面を規定する方の外層部が他方の外層部よりも厚く形成されている。
特開2012−248581号公報
上記特許文献1に開示された積層セラミックコンデンサは、積層セラミックコンデンサが実装された配線基板が外力を受けて撓んだ場合に当該積層セラミックコンデンサに対して付与される外部応力に起因したクラックの発生を抑制するものである。
しかしながら、本発明者らが鋭意研究を行なった結果、当該構成を採用しつつ上述した他方の外層部の厚みを増したり上述した積層部の厚みを増したりした場合に、積層セラミックコンデンサの素体の焼成時において、積層部と外層部との境界部分において顕著にクラックが発生してしまう事実があることを発見した。この種のクラックは、上述した外部応力に起因したクラックとは異なり、積層セラミックコンデンサの素体の焼成時においてセラミック誘電体層と導電体層との熱収縮率の差によって生じる内部応力が原因となって発生するものと推察される。
したがって、本発明は、上述した知見に基づいてなされたものであり、セラミック誘電体層と導電体層との熱収縮率の差によって生じる内部応力に起因するクラックの発生が抑制できる積層セラミックコンデンサ、これを含む積層セラミックコンデンサ連、および、積層セラミックコンデンサの実装体を提供することを目的とする。
本発明に基づく積層セラミックコンデンサは、厚み方向に沿って交互に積層された複数の導電体層および複数のセラミック誘電体層にて構成された積層部を内部に含む素体と、上記素体の外部に設けられた外部電極とを備えている。上記素体の外表面は、上記厚み方向において相対して位置する第1主面および第2主面と、上記厚み方向と直交する長さ方向において相対して位置する第1端面および第2端面と、上記厚み方向および上記長さ方向のいずれにも直交する幅方向において相対して位置する第1側面および第2側面とによって構成されている。上記外部電極は、上記第1端面を覆うように設けられた第1外部電極と、上記第2端面を覆うように設けられた第2外部電極とを含んでいる。上記複数の導電体層のうちの一部は、上記積層部から上記第1端面側に向けて延設された第1引出し部を介して上記第1外部電極に接続されており、上記複数の導電体層のうちの他の一部は、上記積層部から上記第2端面側に向けて延設された第2引出し部を介して上記第2外部電極に接続されている。上記厚み方向において、上記素体は、セラミック誘電体層にて構成されかつ上記第1主面を規定する厚み方向第1外層部と、セラミック誘電体層にて構成されかつ上記第2主面を規定する厚み方向第2外層部と、上記積層部を含みかつ上記厚み方向第1外層部および上記厚み方向第2外層部の間に位置する厚み方向内層部とに区分される。上記長さ方向において、上記素体は、上記第1引出し部に該当する部分の導電体層およびセラミック誘電体層にて構成されかつ上記第1端面を規定する長さ方向第1外層部と、上記第2引出し部に該当する部分の導電体層およびセラミック誘電体層にて構成されかつ上記第2端面を規定する長さ方向第2外層部と、上記積層部を含みかつ上記長さ方向第1外層部および上記長さ方向第2外層部の間に位置する長さ方向内層部とに区分される。上記幅方向において、上記素体は、セラミック誘電体層にて構成されかつ上記第1側面を規定する幅方向第1外層部と、セラミック誘電体層にて構成されかつ上記第2側面を規定する幅方向第2外層部と、上記積層部を含みかつ上記幅方向第1外層部および上記幅方向第2外層部の間に位置する幅方向内層部とに区分される。上記厚み方向内層部に含まれる複数の導電体層のうち、上記第1主面に最も近い位置に配置された第1導電体層は、上記厚み方向第1外層部を構成するセラミック誘電体層に隣接しており、上記厚み方向内層部に含まれる複数の導電体層のうち、上記第2主面に最も近い位置に配置された第2導電体層は、上記厚み方向第2外層部を構成するセラミック誘電体層に隣接している。上記厚み方向内層部、上記厚み方向第1外層部および上記厚み方向第2外層部に含まれるセラミック誘電体層の各々は、主成分としてチタン酸バリウムおよび副成分としてSiを含んでいる。上記厚み方向第2外層部の上記厚み方向における寸法は、上記厚み方向第1外層部の上記厚み方向における寸法よりも大きい。上記厚み方向第2外層部は、上記厚み方向内層部に隣接して位置する内側層と、上記内側層に隣接して位置し、上記第2主面を規定する外側層とを含んでいる。上記外側層に含まれるセラミック誘電体層の含有成分におけるTiに対するSiの組成比は、上記内側層に含まれるセラミック誘電体層の含有成分におけるTiに対するSiの組成比よりも高い。上記外側層は、上記内側層との境界部において、上記外側層の上記厚み方向における中央部に比較してSiの含有率が高い。上記長さ方向第1外層部の上記長さ方向における寸法および上記長さ方向第2外層部の上記長さ方向における寸法は、いずれも上記幅方向第1外層部の上記幅方向における寸法および上記幅方向第2外層部の上記幅方向における寸法よりも大きい。
上記本発明に基づく積層セラミックコンデンサにあっては、上記長さ方向第1外層部の上記長さ方向における寸法および上記長さ方向第2外層部の上記長さ方向における寸法が、いずれも上記幅方向第1外層部の上記幅方向における寸法および上記幅方向第2外層部の上記幅方向における寸法の1.15倍以上であることが好ましい。
上記本発明に基づく積層セラミックコンデンサにあっては、上記積層部の上記厚み方向における寸法が、上記積層部の上記幅方向における寸法よりも大きいことが好ましい。
上記本発明に基づく積層セラミックコンデンサにあっては、上記幅方向第1外層部の上記幅方向における寸法および上記幅方向第2外層部の上記幅方向における寸法が、いずれも上記厚み方向第1外層部の上記厚み方向における寸法よりも大きいことが好ましい。
上記本発明に基づく積層セラミックコンデンサにあっては、上記幅方向第1外層部の上記幅方向における寸法および上記幅方向第2外層部の上記幅方向における寸法が、いずれも上記内側層の上記厚み方向における寸法よりも大きいことが好ましい。
上記本発明に基づく積層セラミックコンデンサにあっては、上記積層部に含まれる上記複数の導電体層の各々の厚みが、上記積層部に含まれる上記複数のセラミック誘電体層の各々の厚みの0.8倍以下であることが好ましい。
上記本発明に基づく積層セラミックコンデンサにあっては、上記厚み方向第1外層部の上記厚み方向における寸法が、40[μm]以下であることが好ましい。
上記本発明に基づく積層セラミックコンデンサにあっては、上記素体の上記厚み方向における寸法が、上記素体の上記幅方向における寸法よりも大きくてもよい。
本発明に基づく積層セラミックコンデンサ連は、上記本発明に基づく積層セラミックコンデンサを複数備えているとともに、複数の凹部が間隔を隔てて設けられた長尺状のキャリアテープ、および、上記複数の凹部を塞ぐように上記キャリアテープに貼付けられたカバーテープを含む包装体をさらに備えており、上記複数の積層セラミックコンデンサが、上記複数の積層セラミックコンデンサの各々の上記第2主面が上記複数の凹部の各々の底部側を向いた状態となるように、上記複数の凹部内にそれぞれ収納されてなるものである。
本発明に基づく積層セラミックコンデンサの実装体は、上記本発明に基づく積層セラミックコンデンサと、当該積層セラミックコンデンサが実装された被実装体とを備えており、上記積層セラミックコンデンサが、上記積層セラミックコンデンサの上記第2主面が上記被実装体側を向いた状態となるように、上記被実装体に実装されてなるものである。
本発明によれば、セラミック誘電体層と導電体層との熱収縮率の差によって生じる内部応力に起因するクラックの発生が抑制できる積層セラミックコンデンサ、これを含む積層セラミックコンデンサ連、および、積層セラミックコンデンサの実装体とすることができる。
本発明の実施の形態1における積層セラミックコンデンサの概略斜視図である。 図1中に示すII−II線に沿った模式断面図である。 図1中に示すIII−III線に沿った模式断面図である。 図2中に示すIV−IV線に沿った模式断面図である。 図2中に示すV−V線に沿った模式断面図である。 図1に示す積層セラミックコンデンサの製造フローを示す図である。 図1に示す積層セラミックコンデンサに含まれる素体を構成する素材シート群の積層構造を示す分解斜視図である。 図6に示す原料シート群の圧着工程を説明するための模式断面図である。 図6に示す原料シート群の圧着工程を説明するための模式断面図である。 本発明の実施の形態1における積層セラミックコンデンサの実装体の模式断面図である。 本発明の実施の形態1における積層セラミックコンデンサ連の平面図である。 図11に示すXII−XII線に沿った模式断面図である。 本発明の実施の形態2における積層セラミックコンデンサの概略斜視図である。 図13中に示すXIV−XIV線に沿った模式断面図である。 図13中に示すXV−XV線に沿った模式断面図である。 本発明の実施の形態2に基づいた変形例に係る積層セラミックコンデンサの模式断面図である。 本発明の実施の形態2に基づいた変形例に係る積層セラミックコンデンサの模式断面図である。 第1検証試験における検証例1〜7に係る積層セラミックコンデンサの設計条件および評価結果を示す表である。 第2検証試験における検証例8〜14に係る積層セラミックコンデンサの設計条件および評価結果を示す表である。 第3検証試験における検証例15〜35に係る積層セラミックコンデンサの設計条件および評価結果を示す表である。 第4検証試験における検証例36〜39に係る積層セラミックコンデンサの設計条件および評価結果を示す表である。 第4検証試験において、積層セラミックコンデンサを実装した配線基板を撓ませた方法を示す模式図である。 積層セラミックコンデンサの断面を走査型電子顕微鏡で観察した拡大像の一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
<実施の形態1>
(積層セラミックコンデンサ1Aの構成)
図1は、本発明の実施の形態1における積層セラミックコンデンサの概略斜視図である。また、図2および図3は、それぞれ図1中に示すII−II線およびIII−III線に沿った模式断面図であり、図4および図5は、図2中に示すIV−IV線およびV−V線に沿った模式断面図である。まず、これら図1ないし図5を参照して、本実施の形態における積層セラミックコンデンサ1Aの構成について説明する。
図1ないし図5に示すように、積層セラミックコンデンサ1Aは、全体として略直方体形状を有する電子部品であり、素体2と、一対の外部電極である第1外部電極5aおよび第2外部電極5bとを備えている。
図2ないし図5に示すように、素体2は、直方体形状を有しており、所定の方向に沿って交互に積層されたセラミック誘電体層3と導電体層としての内部電極層4とによって構成されている。なお、ここで言う直方体形状には、素体2のコーナー部および稜部に丸みが付けられたものや、素体2の表面に全体的に見て無視できる程度の段差や凹凸が設けられたもの等が含まれる。
セラミック誘電体層3は、ABO(「A」はBaを含み、「B」はTiを含む)で表わされるペロブスカイト型化合物を主成分としている。上記ABOで表わされるペロブスカイト型化合物としては、代表的にはチタン酸バリウム(BaTiO)が挙げられる。
また、セラミック誘電体層3は、副成分としてSiを含んでいる。Siは、主成分である上記ABOで表わされるペロブスカイト型化合物にガラスまたはSiO等のSi化合物が添加されることにより、セラミック誘電体層3に含まれている。その他にも、Mn化合物、Mg化合物、Co化合物、Ni化合物、希土類化合物等が、主成分である上記ABOで表わされるペロブスカイト型化合物に添加されていてもよい。
なお、本実施の形態においては、セラミック誘電体層3は、必ずしも上述したABO(「A」はBaを含み、「B」はTiを含む)で表わされるペロブスカイト型化合物を主成分とするセラミック誘電体材料にて構成されている必要はなく、他の高誘電率のセラミック誘電体材料(たとえば、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、ジルコン酸カルシウム等を主成分とするもの)を用いて構成されていてもよい。
一方、内部電極層4を構成する材料としては、Ni、Cu、Ag、Pd、Au等の金属、または、これらの金属の少なくとも1種を含む合金(たとえばAgとPdとの合金等)を用いることができる。内部電極層4の厚みは、焼成後において0.3[μm]以上2[μm]以下であることが好ましい。
素体2は、セラミック誘電体層3となるセラミックグリーンシートの表面に内部電極層4となる導電パターンが印刷された原料シートを複数準備し、これら複数の原料シートを積層して圧着することでマザーブロックを製作し、当該マザーブロックを分断することによって複数のチップに個片化された後にこれらが焼成されることによって製作される。なお、その詳細については後述することとする。
図1ないし図5に示すように、第1外部電極5aおよび第2外部電極5bは、素体2の所定方向の両端部に位置する外表面を覆うように互いに離間して設けられている。第1外部電極5aおよび第2外部電極5bは、それぞれ導電膜にて構成されている。
第1外部電極5aおよび第2外部電極5bは、素体2の上記両端部を覆うように設けられた下地層と、この下地層を覆うように設けられためっき層とを含んでいる。下地層を構成する材料としては、Ni、Cu、Ag、Pd、Au等の金属、または、これらの金属の少なくとも1種を含む合金(たとえばAgとPdとの合金等)を用いることができる。下地層の厚みは、10[μm]以上50[μm]以下であることが好ましい。
下地層は、焼成後の素体2の上記両端部に塗布した導電性ペーストを焼き付けることで形成されてもよいし、焼成前の素体2の上記両端部に塗布した導電性ペーストを内部電極層4と同時に焼成することで形成されてもよい。それ以外にも、下地層は、素体2の上記両端部にめっきを施すことで形成されてもよいし、素体2の上記両端部に塗布した熱硬化性樹脂を含む導電性樹脂を硬化させることで形成されてもよい。
なお、下地層を導電性樹脂から形成した場合には、積層セラミックコンデンサ1Aが実装された被実装体(たとえば後述する配線基板101)が外力を受けて撓んだ際に生ずる外部応力による素体2への負荷を低減することができ、これにより素体2にクラックが発生することを抑制することができる。
めっき層を構成する材料としては、Ni、Sn、Cu、Ag、Pd、Au等の金属、または、これらの金属の少なくとも1種を含む合金(たとえばAgとPdとの合金等)を用いることができる。
めっき層は、複数の層から構成されていてもよい。この場合、めっき層としては、Niめっき層の上にSnめっき層が形成された2層構造であることが好ましい。ここで、Niめっき層は、半田バリア層として機能することになり、Snめっき層は、半田の濡れ性を良好にする。1層当たりのめっき層の厚みは、1.0[μm]以上10[μm]以下であることが好ましい。
図2、図4および図5に示すように、積層方向に沿ってセラミック誘電体層3を挟んで隣り合う一対の内部電極層4のうちの一方は、積層セラミックコンデンサ1Aの内部において第1外部電極5aに第1引出し部4c1を介して接続されており、積層方向に沿ってセラミック誘電体層3を挟んで隣り合う一対の内部電極層4のうちの他方は、積層セラミックコンデンサ1Aの内部において第2外部電極5bに第2引出し部4c2を介して接続されている。ここで、図4および図5に示すように、複数の内部電極層4は、いずれも平面視した状態において矩形状の形状を有している。
これにより、本実施の形態における積層セラミックコンデンサ1Aにあっては、第1外部電極5aと第2外部電極5bとの間が、複数のコンデンサ要素が電気的に並列に接続された構造となっている。なお、第1引出し部4c1は、内部電極層4のうちの、後述する有効領域(すなわち、複数の内部電極層4が積層方向に重なった領域)と第1外部電極5aとの間に位置する部分であり、第2引出し部4c2は、内部電極層4のうちの、後述する有効領域と第2外部電極5bとの間に位置する部分である。
本実施の形態においては、素体2の内部に含まれるすべての導電体層が第1外部電極5aおよび第2外部電極5bのいずれかに接続されている場合を例示しているが、これに限らず、複数の導電体層のうちの少なくとも一部が第1外部電極5aに接続されているとともに、複数の導電体層のうちの残る少なくとも一部が第2外部電極5bに接続されていればよい。すなわち、複数の導電体層の中に、第1外部電極5aおよび第2外部電極5bのいずれにも接続されていないものが含まれていてもよい。
図2および図3に示すように、本実施の形態における積層セラミックコンデンサ1Aにあっては、上述した複数の内部電極層4のうち、第1引出し部4c1および第2引出し部4c2を除く部分が当該積層セラミックコンデンサ1Aの静電容量を決定する部分(いわゆる有効領域)となっており、当該静電容量を決定する部分の複数の内部電極層4とこれらの間に位置するセラミック誘電体層3とによって構成される部分が、セラミック誘電体層3と内部電極層4とが厚み方向に沿って密に積層された積層部10を形成している。
ここで、図1ないし図5を参照して、積層セラミックコンデンサ1Aの向きを表わす用語として、セラミック誘電体層3と内部電極層4との積層方向を厚み方向Tとして定義し、第1外部電極5aおよび第2外部電極5bが並ぶ方向であって厚み方向Tに直交する方向を長さ方向Lとして定義し、これら厚み方向Tおよび長さ方向Lのいずれにも直交する方向を幅方向Wとして定義し、以下の説明においては、これら用語を使用する。
また、図2ないし図5を参照して、直方体形状の素体2の6つの外表面のうち、厚み方向Tにおいて相対して位置する一対の外表面をそれぞれ第1主面2a1および第2主面2a2と定義し、長さ方向Lにおいて相対して位置する一対の外表面をそれぞれ第1端面2b1および第2端面2b2と定義し、幅方向Wにおいて相対して位置する一対の外表面をそれぞれ第1側面2c1および第2側面2c2として定義し、以下の説明においては、これら用語を使用する。
ここで、図1ないし図5に示すように、第1外部電極5aおよび第2外部電極5bは、素体2の長さ方向Lの両端部に位置する外表面を覆うように形成されている。より詳細には、第1外部電極5aは、素体2の第1端面2b1を覆うとともに、素体2の第1端面2b1寄りの部分に位置する部分の第1主面2a1、第2主面2a2、第1側面2c1、第2側面2c2を覆うように設けられており、第2外部電極5bは、素体2の第2端面2b2を覆うとともに、素体2の第2端面2b2寄りの部分に位置する部分の第1主面2a1、第2主面2a2、第1側面2c1、第2側面2c2を覆うように設けられている。
図2および図3に示すように、素体2は、厚み方向Tにおいて、厚み方向内層部6aと、厚み方向第1外層部6b1と、厚み方向第2外層部6b2とに区分される。
厚み方向内層部6aは、上述した積層部10を含んでおり、セラミック誘電体層3と内部電極層4とによって構成されている。このうち、厚み方向内層部6aを構成する内部電極層4は、積層部10に含まれる部分の内部電極層4と、積層部10に含まれる内部電極層4のうちの一部から第1端面2b1側に向けて延設されることで第1外部電極5aに接続された上記第1引出し部4c1を構成する部分の内部電極層4と、積層部10に含まれる内部電極層4のうちの他の一部から第2端面2b2側に向けて延設されることで第2外部電極5bに接続された上記第2引出し部4c2を構成する部分の内部電極層4とを含んでいる。
厚み方向第1外層部6b1は、セラミック誘電体層3によって構成されており、内部電極層4を含んでいない。厚み方向第1外層部6b1は、第1主面2a1が位置する側の厚み方向内層部6aの表面を覆っており、これにより厚み方向第1外層部6b1は、素体2の第1主面2a1を規定している。
厚み方向第2外層部6b2は、セラミック誘電体層3によって構成されており、内部電極層4を含んでいない。厚み方向第2外層部6b2は、第2主面2a2が位置する側の厚み方向内層部6aの表面を覆っており、これにより厚み方向第2外層部6b2は、素体2の第2主面2a2を規定している。
以上により、厚み方向内層部6aは、厚み方向Tにおいて、厚み方向第1外層部6b1と厚み方向第2外層部6b2とによって挟み込まれた状態とされている。なお、厚み方向内層部6aに含まれる内部電極層4のうち、第1主面2a1に最も近い位置に配置された第1導電体層としての第1最外層4aは、上述した厚み方向第1外層部6b1を構成するセラミック誘電体層3に隣接して設けられ、厚み方向内層部6aに含まれる内部電極層4のうち、第2主面2a2に最も近い位置に配置された第2導電体層としての第2最外層4bは、上述した厚み方向第2外層部6b2を構成するセラミック誘電体層3に隣接して設けられている。
また、図2、図4および図5に示すように、素体2は、長さ方向Lにおいて、長さ方向内層部7aと、長さ方向第1外層部7b1と、長さ方向第2外層部7b2とに区分される。
長さ方向内層部7aは、上述した積層部10を含んでおり、複数のセラミック誘電体層3と複数の内部電極層4とによって構成されている。このうち、長さ方向内層部7aを構成する複数の内部電極層4は、積層部10に含まれる部分の内部電極層4のみを含んでいる。
長さ方向第1外層部7b1は、上記第1引出し部4c1を構成する部分の内部電極層4とセラミック誘電体層3とによって構成されている。長さ方向第1外層部7b1は、第1端面2b1が位置する側の長さ方向内層部7aの表面を覆っており、これにより長さ方向第1外層部7b1は、素体2の第1端面2b1を規定している。
長さ方向第2外層部7b2は、上記第2引出し部4c2を構成する部分の内部電極層4とセラミック誘電体層3とによって構成されている。長さ方向第2外層部7b2は、第2端面2b2が位置する側の長さ方向内層部7aの表面を覆っており、これにより長さ方向第2外層部7b2は、素体2の第2端面2b2を規定している。
以上により、長さ方向内層部7aは、長さ方向Lにおいて、長さ方向第1外層部7b1と長さ方向第2外層部7b2とによって挟み込まれた状態とされている。
さらに、図3ないし図5に示すように、素体2は、幅方向Wにおいて、幅方向内層部8aと、幅方向第1外層部8b1と、幅方向第2外層部8b2とに区分される。
幅方向内層部8aは、上述した積層部10を含んでおり、複数のセラミック誘電体層3と複数の内部電極層4とによって構成されている。このうち、幅方向内層部8aを構成する内部電極層4は、積層部10に含まれる部分の内部電極層4と、第1引出し部4c1を構成する部分の内部電極層4と、第2引出し部4c2を構成する部分の内部電極層4とを含んでいる。
幅方向第1外層部8b1は、セラミック誘電体層3によって構成されており、内部電極層4を含んでいない。幅方向第1外層部8b1は、第1側面2c1が位置する側の幅方向内層部8aの表面を覆っており、これにより幅方向第1外層部8b1は、素体2の第1側面2c1を規定している。
幅方向第2外層部8b2は、セラミック誘電体層3によって構成されており、内部電極層4を含んでいない。幅方向第2外層部8b2は、第2側面2c2が位置する側の幅方向内層部8aの表面を覆っており、これにより幅方向第2外層部8b2は、素体2の第2側面2c2を規定している。
以上により、幅方向内層部8aは、幅方向Wにおいて、幅方向第1外層部8b1と幅方向第2外層部8b2とによって挟み込まれた状態とされている。
このように、本実施の形態における積層セラミックコンデンサ1Aにおいては、複数の内部電極層4と複数のセラミック誘電体層3とが交互に密に積層されてなる直方体形状の積層部10を素体2の内部に含んでおり、セラミック誘電体層3からなる外層部(すなわち、厚み方向第1外層部6b1、厚み方向第2外層部6b2、幅方向第1外層部8b1および幅方向第2外層部8b2)と、比較的少数の内部電極層4がセラミック誘電体層3の内部に含まれてなる外層部(すなわち、長さ方向第1外層部7b1および長さ方向第2外層部7b2)とが、当該積層部10を覆うように設けられることによって素体2が形成されている。
(積層部10の寸法)
図3に示すように、本実施の形態における積層セラミックコンデンサ1Aにおいては、積層部10の厚み方向Tにおける寸法T1が、積層部10の幅方向Wにおける寸法W1よりも大きい(T1>W1)ことが好ましい。このように構成した場合には、積層部10を幅方向Wにおいて大型化させることなく積層部10を大きく構成することが可能になり、積層部10において厚み方向Tに沿って積層されるセラミック誘電体層3および内部電極層4の積層数を積み増すことができる。したがって、積層セラミックコンデンサ1Aの体格を幅方向Wにおいて大型化させることなく(換言すれば、積層セラミックコンデンサ1Aを実装するために必要となる実装面積の増大を防止しつつ)、静電容量の増加を図ることができる。
一方、図2に示すように、本実施の形態における積層セラミックコンデンサ1Aにおいては、積層部10の長さ方向Lにおける寸法L1が、積層部10の厚み方向Tにおける寸法T1よりも大きい(L1>T1)ことが好ましい。これは、長さ方向Lにおいては、第1外部電極5aと第2外部電極5bとの間の絶縁性を確保する上で相当程度これらを離間させて設けることが必要になるところ、自ずと積層部10の長さ方向Lにおける寸法L1が大きくなるためであり、また、積層部10が長さ方向Lに大きい分だけ上述した積層部10の厚み方向Tにおける積み増しを減らしても静電容量の増加を相当程度に確保することができるためでもある。
(素体2の寸法)
図2および図3に示すように、本実施の形態における積層セラミックコンデンサ1Aにあっては、素体2の厚み方向Tにおける寸法T0が、素体2の幅方向Wにおける寸法W0よりも大きい(T0>W0)ことが好ましく、また、素体2の長さ方向Lにおける寸法L0が、素体2の厚み方向Tにおける寸法T0よりも大きい(L0>T0)ことが好ましい。これは、高密度実装のために積層セラミックコンデンサ1Aを可能な限り小型に構成するためには、上述した積層部10を最大限大きく確保した上で各種の外層部(すなわち、上述した厚み方向第1外層部6b1、厚み方向第2外層部6b2、長さ方向第1外層部7b1、長さ方向第2外層部7b2、幅方向第1外層部8b1および幅方向第2外層部8b2)を可能な限り小さくする必要があるためであり、そのため素体2の外形における寸法関係が積層部10の寸法関係に応じたものとなるようにすることが好ましいためである。
(寸法t1と寸法t2との関係)
図2および図3に示すように、厚み方向第2外層部6b2の厚み方向Tにおける寸法t2は、厚み方向第1外層部6b1の厚み方向Tにおける寸法t1よりも大きい(t2>t1)。このように構成することにより、当該厚み方向第2外層部6b2によって規定される第2主面2a2が配線基板等の被実装体に向いた状態となるように積層セラミックコンデンサ1Aが実装されることにより、当該被実装体が外力を受けて撓んだ場合に積層セラミックコンデンサ1Aに対して付与される外部応力に起因したクラックの発生が抑制できる。
(内部応力に起因したクラックの発生の抑制)
前述したように、積層セラミックコンデンサにあっては、セラミック誘電体層と導電体層との熱収縮率の差によって生じる内部応力がセラミック誘電体層に剪断力として作用することにより、セラミック誘電体層にクラックが生じることがある。
当該クラックは、幅方向においては、もっぱら幅方向内層部と幅方向第1外層部および幅方向第2外層部の境界部分において発生し易く、当該境界部分のうちの積層部の幅方向における端部を起点に当該端部の近傍に位置する素体の表面に至るように形成される。
一方、当該クラックは、長さ方向においては、長さ方向内層部と長さ方向第1外層部および長さ方向第2外層部の境界部分において発生し易く、この場合には、当該境界部分のうちの積層部の長さ方向における端部を起点に当該端部の近傍に位置する素体の表面に至るように形成される。また、当該クラックは、長さ方向においては、長さ方向第1外層部および長さ方向第2外層部に含まれる導電体層とこれらに隣接するセラミック誘電体層との境界部分においても発生し易く、当該クラックは、特に層間剥離(デラミネーション)とも呼ばれる。
これらクラックは、本実施の形態の如く、厚み方向第2外層部6b2の厚み方向Tにおける寸法t2を厚み方向第1外層部6b1の厚み方向Tにおける寸法t1よりも大きく構成した場合に、特に顕著に発生するものである。
本発明者らは、鋭意研究を行なった結果、このようなセラミック誘電体層と導電体層との熱収縮率の差によって生じる内部応力を起因としたクラックは、幅方向第1外層部および幅方向第2外層部ならびに長さ方向第1外層部および長さ方向第2外層部におけるセラミック誘電体材料同士の密着力またはこれに加えて当該セラミック誘電体材料と導電体材料との密着力を高めることで改善できることに着想し、これを実現するためには、後述する本実施の形態における積層セラミックコンデンサの製造フロー(図6参照)において説明する原料シート群の圧着工程(S5)において、製造後においてこれら幅方向第1外層部、幅方向第2外層部、長さ方向第1外層部および長さ方向第2外層部となる部分に十分な加圧力を付与することが効果的であることを見出した。
その結果、製造後における積層セラミックコンデンサにおいて、以下に示す条件のうちの必要なものが充足されることにより、内部応力に起因したクラックの発生を効果的に抑制することができ、製品としての信頼性の向上や製造過程における歩留まりの向上が実現できることを突き止めた。なお、これら条件は、後述する第1検証試験および第2検証試験の評価結果に基づいて導き出されたものである。
(寸法w1および寸法w2と寸法t1との関係)
図3を参照して、幅方向第1外層部8b1の幅方向Wにおける寸法w1および幅方向第2外層部8b2の幅方向Wにおける寸法w2は、いずれも厚み方向第1外層部6b1の厚み方向Tにおける寸法t1よりも大きい(w1>t1,w2>t1)ことが好ましい。このように構成することにより、幅方向第1外層部8b1および幅方向第2外層部8b2におけるセラミック誘電体材料同士の密着力を十分に高めることができ、これらの部分において内部応力に起因するクラックの発生が効果的に抑制できる。
また、幅方向第1外層部8b1の幅方向Wにおける寸法w1および幅方向第2外層部8b2の幅方向Wにおける寸法w2は、いずれも厚み方向第1外層部6b1の厚み方向Tにおける寸法t1の1.3倍以上である(w1/t1>1.3,w2/t1>1.3)ことがさらに好ましい。このように構成することにより、さらにより確実に、幅方向第1外層部8b1および幅方向第2外層部8b2において内部応力に起因するクラックの発生が抑制できる。
また、積層部10の厚み方向Tにおける寸法T1が、積層部10の幅方向Wにおける寸法W1の1.15倍以上である(T1/W1≧1.15)場合には、幅方向第1外層部8b1の幅方向Wにおける寸法w1および幅方向第2外層部8b2の幅方向Wにおける寸法w2は、いずれも厚み方向第1外層部6b1の厚み方向Tにおける寸法t1の1.5倍以上である(w1/t1>1.5,w2/t1>1.5)ことが好ましい。このように構成することにより、積層部10の厚み方向Tにおける寸法T1が、積層部10の幅方向Wにおける寸法W1の1.15倍以上である場合にも、さらにより確実に、幅方向第1外層部8b1および幅方向第2外層部8b2において内部応力に起因するクラックの発生が抑制できることになり、特に、繰り返し熱衝撃が加えられる使用環境下においても、高い信頼性を確保することが可能になる。
(寸法l1および寸法l2と寸法t1との関係)
図2を参照して、長さ方向第1外層部7b1の長さ方向Lにおける寸法l1および長さ方向第2外層部7b2の長さ方向Lにおける寸法l2は、いずれも厚み方向第1外層部6b1の厚み方向Tにおける寸法t1よりも大きい(l1>t1,l2>t1)ことが好ましい。このように構成することにより、長さ方向第1外層部7b1および長さ方向第2外層部7b2におけるセラミック誘電体材料同士の密着力および当該セラミック誘電体材料と導電体材料との密着力を十分に高めることができ、これらの部分において内部応力に起因するクラックの発生が効果的に抑制できる。
また、長さ方向第1外層部7b1の長さ方向Lにおける寸法l1および長さ方向第2外層部7b2の長さ方向Lにおける寸法l2は、いずれも厚み方向第1外層部6b1の厚み方向Tにおける寸法t1の1.5倍以上である(l1/t1>1.5,l2/t1>1.5)ことがさらに好ましい。このように構成することにより、さらにより確実に、長さ方向第1外層部7b1および長さ方向第2外層部7b2において内部応力に起因するクラックの発生が抑制できる。
また、積層部10の厚み方向Tにおける寸法T1が、積層部10の長さ方向Lにおける寸法L1の0.67倍以上である(T1/L1≧0.67)場合には、長さ方向第1外層部7b1の長さ方向Lにおける寸法l1および長さ方向第2外層部7b2の長さ方向Lにおける寸法l2は、いずれも厚み方向第1外層部6b1の厚み方向Tにおける寸法t1の2倍以上である(l1/t1>2,l2/t1>2)ことが好ましい。このように構成することにより、積層部10の厚み方向Tにおける寸法T1が、積層部10の長さ方向Lにおける寸法L1の0.67倍以上である場合にも、さらにより確実に、長さ方向第1外層部7b1および長さ方向第2外層部7b2において内部応力に起因するクラックの発生が抑制できることになり、特に、繰り返し熱衝撃が加えられる使用環境下においても、高い信頼性を確保することが可能になる。
(寸法t1)
図2および図3を参照して、厚み方向第1外層部6b1の厚み方向Tにおける寸法t1は、40[μm]以下であることが好ましい。当該厚み方向第1外層部6b1の寸法t1が大きい場合には、積層部10を含む厚み方向内層部6aと積層部10を含まない厚み方向第1外層部6b1との間において熱収縮率の差がより顕著となり、これに起因して発生する剪断力が大幅に増加してこれらの境界部分においてクラックが発生するおそれが増大してしまう。しかしながら、上記のように構成することにより、当該熱収縮率の差を最小限に抑制することができるため、当該境界部分におけるクラックの発生を効果的に抑制することができる。
なお、上述したように厚み方向第2外層部6b2の厚み方向Tにおける寸法t2は、厚み方向第1外層部6b1の厚み方向Tにおける寸法t1よりも大きいが、当該厚み方向第2外層部6b2の厚み方向Tにおける寸法t2についても、これを大きくすることで外部応力に起因したクラックの発生が抑制できる効果との関係を考慮しつつ、これを可能な限り小さく構成することにより、積層部10を含む厚み方向内層部6aと積層部10を含まない厚み方向第2外層部6b2との境界部分におけるクラックの発生を抑制することができる。
(寸法w1および寸法w2)
図3を参照して、幅方向第1外層部8b1の幅方向Wにおける寸法w1および幅方向第2外層部8b2の幅方向Wにおける寸法w2は、いずれも52[μm]以上であることが好ましい。このように構成することにより、幅方向第1外層部8b1および幅方向第2外層部8b2におけるセラミック誘電体材料同士の密着力を十分に高めることができ、これらの部分において内部応力に起因するクラックの発生が効果的に抑制できることになる。
(寸法l1および寸法l2)
図2を参照して、長さ方向第1外層部7b1の長さ方向Lにおける寸法l1および長さ方向第2外層部7b2の長さ方向Lにおける寸法l2は、いずれも60[μm]以上であることが好ましい。このように構成することにより、長さ方向第1外層部7b1および長さ方向第2外層部7b2におけるセラミック誘電体材料同士の密着力および当該セラミック誘電体材料と導電体材料との密着力を十分に高めることができ、これらの部分において内部応力に起因するクラックの発生が効果的に抑制できることになる。
(寸法W0と寸法T1と寸法W1との関係)
図3を参照して、素体2の幅方向Wにおける寸法W0と、積層部10の厚み方向Tにおける寸法T1と、積層部10の幅方向Wにおける寸法W1とは、T1/(W0−W1)≦6.95の関係を満たしていることが好ましい。このように構成することにより、幅方向第1外層部8b1および幅方向第2外層部8b2におけるセラミック誘電体材料同士の密着力を十分に高めることができ、これらの部分において内部応力に起因するクラックの発生が効果的に抑制できることになる。
ここで、W0−W1で表される値は、幅方向第1外層部8b1の幅方向Wにおける寸法w1と、幅方向第2外層部8b2の幅方向Wにおける寸法w2とを足し合わせたもの(すなわち、W0−W1=w1+w2)であり、上記T1/(W0−W1)にて表される値は、後述する本実施の形態における積層セラミックコンデンサの製造フロー(図6参照)において説明する原料シートの積層工程(S4)後において、幅方向Wにおいて隣り合って位置することとなる別個の積層セラミックコンデンサの積層部10となる部分同士の間の部分の厚み方向Tにおける寸法と幅方向Wにおける寸法とのアスペクト比に対応した指標となるものである。
したがって、上記の関係を満たしていることにより、後述する本実施の形態における積層セラミックコンデンサの製造フロー(図6参照)において説明する原料シート群の圧着工程(S5)において、製造後においてこれら幅方向第1外層部8b1および幅方向第2外層部8b2となる部分に対して十分な加圧力を付与することができたことを示すことになるため、上記のように幅方向第1外層部8b1および幅方向第2外層部8b2において内部応力に起因するクラックの発生が効果的に抑制できることになる。
(寸法L0と寸法T1と寸法L1との関係)
図2を参照して、素体2の長さ方向Lにおける寸法L0と、積層部10の厚み方向Tにおける寸法T1と、積層部10の長さ方向Lにおける寸法L1とは、T1/(L0−L1)≦5.98の関係を満たしていることが好ましい。このように構成することにより、長さ方向第1外層部7b1および長さ方向第2外層部7b2におけるセラミック誘電体材料同士の密着力および当該セラミック誘電体材料と導電体材料との密着力を十分に高めることができ、これらの部分において内部応力に起因するクラックの発生が効果的に抑制できることになる。
ここで、L0−L1で表される値は、長さ方向第1外層部7b1の長さ方向Lにおける寸法l1と、長さ方向第2外層部7b2の長さ方向Lにおける寸法l2とを足し合わせたもの(すなわち、L0−L1=l1+l2)であり、上記T1/(L0−L1)にて表される値は、後述する本実施の形態における積層セラミックコンデンサの製造フロー(図6参照)において説明する原料シートの積層工程(S4)後において、長さ方向Lにおいて隣り合って位置することとなる別個の積層セラミックコンデンサの積層部10となる部分同士の間の部分の厚み方向Tにおける寸法と長さ方向Lにおける寸法とのアスペクト比に対応した指標となるものである。
したがって、上記の関係を満たしていることにより、後述する本実施の形態における積層セラミックコンデンサの製造フロー(図6参照)において説明する原料シート群の圧着工程(S5)において、製造後においてこれら長さ方向第1外層部7b1および長さ方向第2外層部7b2となる部分に対して十分な加圧力を付与することができたことを示すことになるため、上記のように長さ方向第1外層部7b1および長さ方向第2外層部7b2において内部応力に起因するクラックの発生が効果的に抑制できることになる。
(積層部10の内部における各部の寸法)
図2および図3を参照して、積層部10に含まれる複数の内部電極層4の各々の厚みx1は、積層部10に含まれる複数のセラミック誘電体層3の各々の厚みx2の0.8倍以下である(x1/x2≦0.8)ことが好ましい。
このように構成することにより、後述する本実施の形態における積層セラミックコンデンサの製造フロー(図6参照)において説明する原料シートの積層工程(S4)後において、積層部10となる部分において存在するセラミック素地12および導電パターン13の総厚と、当該積層部10となる部分を取り囲むように位置する、長さ方向第1外層部7b1および長さ方向第2外層部7b2ならびに幅方向第1外層部8b1および幅方向第2外層部8b2となる部分のセラミック素地12および部位によってはこれに加えて導電パターン13の総厚との差が減少することになる(図8および図9参照)。
そのため、後述する本実施の形態における積層セラミックコンデンサの製造フロー(図6参照)において説明する原料シート群の圧着工程(S5)において、製造後においてこれら長さ方向第1外層部7b1および長さ方向第2外層部7b2ならびに幅方向第1外層部8b1および幅方向第2外層部8b2となる部分に対して十分な加圧力を付与することが可能になり、これら部分において内部応力に起因するクラックの発生が効果的に抑制できることになる。
(寸法w1および寸法w2と寸法l1および寸法l2との関係)
図2および図3を参照して、長さ方向第1外層部7b1の長さ方向Lにおける寸法l1および長さ方向第2外層部7b2の長さ方向Lにおける寸法l2は、いずれも幅方向第1外層部8b1の幅方向Wにおける寸法w1および幅方向第2外層部8b2の幅方向Wにおける寸法w2よりも大きい(l1>w1,l1>w2,l2>w1,l2>w2)ことが好ましい。
ここで、上述したように、長さ方向第1外層部7b1および長さ方向第2外層部7b2は、それぞれ内部にセラミック誘電体層3に加えて第1引出し部4c1となる部分の内部電極層4および第2引出し部4c2となる部分の内部電極層4を含んでいるのに対し、幅方向第1外層部8b1および幅方向第2外層部8b2は、いずれも内部に内部電極層4を含んでおらず、セラミック誘電体層3のみにて構成されている。そのため、長さ方向第1外層部7b1および長さ方向第2外層部7b2においては、上述したように層間剥離が発生するおそれがある。
この点に関し、長さ方向第1外層部7b1および長さ方向第2外層部7b2において層間剥離の発生を抑制する観点からは、長さ方向第1外層部7b1の長さ方向Lにおける寸法l1および長さ方向第2外層部7b2の長さ方向Lにおける寸法l2を、幅方向第1外層部8b1および幅方向第2外層部8b2においてクラックが発生することが効果的に抑制できるこれら幅方向第1外層部8b1および幅方向第2外層部8b2における寸法w1,w2よりも大きくすることが必要になる。
したがって、上記のように構成することにより、長さ方向第1外層部7b1、長さ方向第2外層部7b2、幅方向第1外層部8b1および幅方向第2外層部8b2において内部応力に起因するクラックの発生が抑制できるばかりでなく、長さ方向第1外層部7b1および長さ方向第2外層部7b2において内部応力に起因する層間剥離の発生を抑制することも可能になる。
また、長さ方向第1外層部7b1の長さ方向Lにおける寸法l1および長さ方向第2外層部7b2の長さ方向Lにおける寸法l2は、いずれも幅方向第1外層部8b1の幅方向Wにおける寸法w1および幅方向第2外層部8b2の幅方向Wにおける寸法w2の1.15倍以上である(l1/w1>1.15,l1/w2>1.15,l2/w1>1.15,l2/w2>1.15)ことがさらに好ましい。このように構成することにより、さらにより確実に、長さ方向第1外層部7b1および長さ方向第2外層部7b2において内部応力に起因する層間剥離の発生が抑制できる。
(積層セラミックコンデンサ1Aの製造フロー)
図6は、図1に示す積層セラミックコンデンサの製造フローを示す図である。次に、この図6を参照して、本実施の形態における積層セラミックコンデンサ1Aの製造フローについて説明する。なお、以下に示す積層セラミックコンデンサ1Aの製造フローは、製造過程の途中段階まで一括して加工処理を行なうことでマザーブロックを製作し、その後にマザーブロックを分断して複数のチップに個片化し、個片化後のチップにさらに加工処理を施すことによって複数の積層セラミックコンデンサ1Aを同時に大量に生産するものである。
図6に示すように、上述した積層セラミックコンデンサ1Aを製造するに際しては、まず、セラミックスラリーの調製が行なわれる(工程S1)。具体的には、セラミックス粉末、バインダおよび溶剤等が所定の配合比率で混合され、これによりセラミックスラリーが形成される。
次に、セラミックグリーンシートが形成される(工程S2)。具体的には、セラミックスラリーがキャリアフィルム上においてダイコータ、グラビアコータ、マイクログラビアコータ等を用いてシート状に成形されることにより、セラミックグリーンシートが製作される。
次に、原料シートが形成される(工程S3)。具体的には、セラミックグリーンシートに導電体ペーストが所定のパターンを有するようにスクリーン印刷法またはグラビア印刷法等を用いて印刷されることにより、セラミックグリーンシート上に所定の導電パターンが設けられた原料シートが形成される。
ここで、上記工程S3において製作される原料シートについて詳細に説明する。図7は、図1に示す積層セラミックコンデンサに含まれる素体を構成する素材シート群の積層構造を示す分解斜視図である。
図7に示すように、素体2は、構成の異なる複数の素材シート11A,11B1,11B2からなる素材シート群11を材料として製作され、より詳細には、これら構成の異なる複数の素材シート11A,11B1,11B2が所定の順番で積層されて圧着および焼成されることによって製作される。
素材シート11Aは、その表面に導電パターンが形成されていないセラミック素地12のみからなるものである。素材シート11Aは、焼成後において厚み方向第1外層部6b1または厚み方向第2外層部6b2を構成する部分のセラミック誘電体層3になる。
素材シート11B1,11B2は、セラミック素地12の表面に所定の形状の導電パターン13が形成されたものである。素材シート11B1,11B2のうちの導電パターン13は、焼成後において内部電極層4になる。また、素材シート11B1,11B2のうちのセラミック素地12は、焼成後において主として厚み方向内層部6aを構成する部分のセラミック誘電体層3になる。
上記工程S3において製作される原料シートは、図7において示した素材シート11B1,11B2の各々について、その各々の素材シートを単位ユニットとして同形状の素材シートが平面的にマトリックス状に並ぶように複数敷き詰められたレイアウトを有するものである。
なお、素材シート11B1と素材シート11B2は同形状であるため、これらを含む原料シートとしては、同一の導電パターンを有するものが使用でき、後述する原料シートの積層工程において同一の導電パターンを有する原料シートを半ピッチずつずらして積層することにより、図7において示した如くの素材シート11B1,11B2の積層構造を得ることができる。
なお、原料シートとしては、上述した導電パターンを有するものの他にも、上記工程S3を経ることなく製作されたセラミックグリーンシートのみからなるものも準備される。
次に、図6に示すように、原料シートが積層される(工程S4)。具体的には、上述した複数の原料シートが所定のルールに従って積層されることにより、積層後の原料シート群の内部において、上述した単位ユニットが、それぞれ積層方向において図7において示した積層構造を有するように配置される。
次に、原料シート群が圧着される(工程S5)。具体的には、たとえば静水圧プレス法等を用いて原料シート群がその積層方向に沿って加圧されることで圧着される。
図8および図9は、図6に示す原料シート群の圧着工程を説明するための模式断面図である。なお、図8は、製造される積層セラミックコンデンサ1Aの長さ方向Lに沿った断面図であり、図9は、幅方向Wに沿った断面図である。また、図8および図9においては、(A)において圧着前の状態を示しており、(B)において圧着後の状態を示している。
図8および図9に示すように、圧着工程においては、所定のルールに従って積層された原料シート群20が、一対の加圧板50によって積層方向に沿って挟み込まれ、当該加圧板50が静水圧によって加圧されることで原料シート群20が圧着される。
図8(A)に示すように、原料シート群20には、長さ方向Lにおいて、導電パターン13が多数存在する領域Xと、導電パターン13が比較的少数のみ存在する領域Yとが交互に存在する。ここで、導電パターン13が多数存在する領域Xは、積層セラミックコンデンサ1Aの完成時において長さ方向内層部7aとなる部位であり、導電パターン13が比較的少数のみ存在する領域Yは、積層セラミックコンデンサ1Aの完成時において長さ方向第1外層部7b1および長さ方向第2外層部7b2となる部位である。
一方、図9(A)に示すように、原料シート群20には、幅方向Wにおいて、導電パターン13が多数存在する領域Xと、導電パターン13が存在しない領域Zとが交互に存在する。ここで、導電パターン13が多数存在する領域Xは、積層セラミックコンデンサ1Aの完成時において幅方向内層部8aとなる部位であり、導電パターン13が存在しない領域Zは、積層セラミックコンデンサ1Aの完成時において幅方向第1外層部8b1および幅方向第2外層部8b2となる部位である。
ここで、一対の加圧板50と原料シート群20との間には、シート状の弾性体60が介装される。当該シート状の弾性体60は、原料シート群20を一対の加圧板50で加圧する際の加圧力を部位ごとに調整するためのものであり、たとえばポリエチレンテレフタラート(PET)樹脂からなるものが利用できる。
セラミック素地12は、セラミック誘電体材料にて形成されているため、比較的柔らかく圧下し易い。これに対し、導電パターン13は、導電体材料にて形成されているため、比較的硬く圧下し難い。また、領域Xにおいては、導電パターンが密に多数存在し、領域Yおよび領域Zには、導電パターン13が存在しないかあるいは存在しても領域Xに比べて少数であるため、領域Xについては、比較的圧下し難く、領域Yおよび領域Zについては、比較的圧下し易い。
そのため、上述したように、一対の加圧板50と原料シート群20との間にシート状の弾性体60を介装させて圧着を行なうことにより、圧着に際して弾性体60が弾性変形することにより、部位ごとの加圧力を調整することが可能になる。
ここで、上述したように、内部応力に起因するクラックの発生を抑制する観点からは、本圧着工程において、上記領域Yおよび領域Zにおいて原料シート群20が十分な加圧力をもって圧着されることが重要であり、そのためには、上述した条件のうちの必要なものが充足されることが前提となる。
以上により、圧着後において、図8(B)および図9(B)に示す如くの形状のマザーブロック30が製作されることになる。
次に、図6に示すように、マザーブロックが分断される(工程S6)。具体的には、押し切りやダイシングが実施されることによってマザーブロックが行列状に分断され、これにより上述したチップの切り出しが行なわれる。ここで、切り出されたチップは、図7において示した如くの積層構造を有するものとなる。
次に、チップの焼成が行なわれる(工程S7)。具体的には、切り出されたチップが所定の温度に加熱され、これによりセラミック誘電体材料および導電体材料の焼結処理が行なわれる。
次に、チップのバレル研磨が行なわれる(工程S8)。具体的には、焼成後のチップが、バレルと呼ばれる小箱内にセラミック誘電体材料よりも硬度の高いメディアボールとともに封入され、当該バレルを回転させることにより、チップの研磨が行なわれる。これにより、チップの外表面(特に角部やコーナー部)に曲面状の丸みがもたされることになり、上述した素体2が形成される。
次に、外部電極が形成される(工程S9)。具体的には、たとえば素体2の第1端面2b1を含む部分の端部および第2端面2b2を含む部分の端部に導電体ペーストが塗布されることで金属膜が形成され、形成された金属膜の焼結処理が実施された後に当該金属膜にNiめっき、Snめっきが順に施されることにより、素体2の外表面上に第1外部電極5aおよび第2外部電極5bが形成される。
上述した一連の工程を経ることにより、図1ないし図5に示した構造を有する積層セラミックコンデンサ1Aの製造が完了する。
(作用および効果)
本実施の形態における積層セラミックコンデンサ1Aにあっては、上述した条件のうち、少なくとも、長さ方向第1外層部7b1の長さ方向Lにおける寸法l1および長さ方向第2外層部7b2の長さ方向Lにおける寸法l2が、いずれも幅方向第1外層部8b1の幅方向Wにおける寸法w1および幅方向第2外層部8b2の幅方向Wにおける寸法w2よりも大きい(l1>w1,l1>w2,l2>w1,l2>w2)という条件が充足されている。
したがって、本実施の形態における積層セラミックコンデンサ1Aとすることにより、上述したように、長さ方向第1外層部7b1、長さ方向第2外層部7b2、幅方向第1外層部8b1および幅方向第2外層部8b2において内部応力に起因するクラックの発生が抑制できるばかりでなく、長さ方向第1外層部7b1および長さ方向第2外層部7b2において内部応力に起因する層間剥離の発生が抑制できることになり、製品としての信頼性の向上や製造過程における歩留まりの向上が実現できる。
(積層セラミックコンデンサの実装体100)
図10は、本実施の形態における積層セラミックコンデンサの実装体の断面図である。以下、この図10を参照して、本実施の形態における積層セラミックコンデンサの実装体100について説明する。
図10に示すように、本実施の形態における積層セラミックコンデンサの実装体100は、上述した本実施の形態における積層セラミックコンデンサ1Aと、積層セラミックコンデンサ1Aが実装された被実装体としての配線基板101とを備えている。積層セラミックコンデンサ1Aは、第2主面2a2が配線基板101側を向いた状態となるように、配線基板101に実装されている。なお、被実装体としては、配線基板101以外のものを使用してもよい。
具体的には、配線基板101は、間隔を隔てて設けられた一対のランド102を表面に有しており、当該一対のランド102の一方および他方にそれぞれ対向するように、積層セラミックコンデンサ1Aの第1外部電極5aおよび第2外部電極5bが配置されている。一対のランド102の一方と第1外部電極5aとの間および一対のランド102の他方と第2外部電極5bとの間には、それぞれ接合材である半田103が位置しており、当該半田103によって一対のランド102の一方と第1外部電極5aおよび一対のランド102の他方と第2外部電極5bがそれぞれ接合されている。なお、接合材としては、上述した半田103以外のものを使用してもよい。
ここで、一対のランド102の幅方向Wにおける寸法WLは、素体2の幅方向Wにおける寸法W0よりも小さいことが好ましい。このように構成した場合には、一対の第1外部電極5aおよび第2外部電極5bは、半田103が凝固する際に幅方向Wに沿って半田103から圧縮応力を受けることになる。当該圧縮応力は、積層部10と厚み方向第2外層部6b2との境界部分にも作用することになるため、上記のように構成することにより、当該境界部分に作用する応力が緩和されることになり、当該境界部分にクラックが発生することを抑制することができる。
また、一対のランド102の幅方向Wにおける寸法WLは、積層部10の幅方向Wにおける寸法W1よりも小さいことが好ましい。このように構成した場合には、上述した半田103が凝固する際に積層部10と厚み方向第2外層部6b2との境界部分に作用する圧縮応力をより高めることができ、当該境界部分に作用する応力がさらに緩和されてクラックの発生がより確実に抑制できることになる。
(積層セラミックコンデンサ連200)
図11は、本実施の形態における積層セラミックコンデンサ連の平面図であり、図12は、図11に示すXII−XII線に沿った模式断面図である。以下、これら図11および図12を参照して、本実施の形態における積層セラミックコンデンサ連200について説明する。
図11および12に示すように、本実施の形態における積層セラミックコンデンサ連200は、複数の上述した本実施の形態における積層セラミックコンデンサ1Aと、これら複数の積層セラミックコンデンサ1Aを一括して包装する包装体201とを備えている。包装体201は、複数の積層セラミックコンデンサ1Aをそれぞれ収納する複数の凹部202aが間隔を隔てて設けられた長尺状のキャリアテープ202と、複数の凹部202aを塞ぐように当該キャリアテープ202に貼付けられたカバーテープ203とを含んでいる。複数の積層セラミックコンデンサ1Aの各々は、それらの第2主面2a2がそれぞれ複数の凹部202aの底部202b側を向いた状態となるように、複数の凹部202a内にそれぞれ収納されている。
積層セラミックコンデンサ連200に含まれる複数の積層セラミックコンデンサ1Aは、包装体201から1つずつ取り出されて上述した配線基板101に実装される。具体的には、キャリアテープ202からカバーテープ203を剥がした状態で、積層セラミックコンデンサ1Aは、その第1主面2a1側からチップマウンター等の吸着ヘッドによって吸着保持され、これによりキャリアテープ202から取り出されて配線基板101に実装される。
そのため、上記のように、キャリアテープ202の凹部202a内に収納された積層セラミックコンデンサ1Aが、その第2主面2a2が凹部202aの底部202b側を向いた状態とされていることにより、チップマウンター等による実装作業がスムーズに行なえることになる。したがって、本実施の形態における積層セラミックコンデンサ連200とすることにより、上述した本実施の形態における積層セラミックコンデンサの実装体100を容易に製造することができる。
<実施の形態2>
(積層セラミックコンデンサ1Bの構成)
図13は、本発明の実施の形態2における積層セラミックコンデンサの概略斜視図である。また、図14および図15は、それぞれ図13中に示すXIV−XIV線およびXV−XV線に沿った模式断面図である。以下、これら図13ないし図15を参照して、本実施の形態における積層セラミックコンデンサ1Bの構成について説明する。
図13ないし図15に示すように、本実施の形態における積層セラミックコンデンサ1Bは、厚み方向第2外層部6b2の構成において、上述した実施の形態1における積層セラミックコンデンサ1Aと相違している。具体的には、積層セラミックコンデンサ1Bは、厚み方向第2外層部6b2として、厚み方向内層部6aに隣接して位置する内側層6b21と、当該内側層6b21に隣接して位置しかつ第2主面2a2を規定する外側層6b22とを含んでいる。
内側層6b21は、厚み方向内層部6aおよび厚み方向第1外層部6b1と同種(すなわち同一の組成)のセラミック誘電体材料からなるセラミック誘電体層3によって構成されており、外側層6b22は、厚み方向内層部6aおよび厚み方向第1外層部6b1と異種(すなわち異なる組成)のセラミック誘電体材料からなるセラミック誘電体層9によって構成されている。
厚み方向内層部6a、厚み方向第1外層部6b1および内側層6b21を構成するセラミック誘電体層3ならびに外側層6b22を構成するセラミック誘電体層9は、いずれもABO(「A」はBaを含み、「B」はTiを含む)で表わされるペロブスカイト型化合物を主成分としている。上記ABOで表わされるペロブスカイト型化合物としては、代表的にはチタン酸バリウム(BaTiO)が挙げられる。
また、厚み方向内層部6a、厚み方向第1外層部6b1および内側層6b21を構成するセラミック誘電体層3ならびに外側層6b22を構成するセラミック誘電体層9は、いずれも副成分としてSiを含んでいる。Siは、主成分である上記ABOで表わされるペロブスカイト型化合物にガラスまたはSiO等のSi化合物が添加されることにより、セラミック誘電体層3およびセラミック誘電体層9に含まれている。その他にも、Mn化合物、Mg化合物、Co化合物、Ni化合物、希土類化合物等が、主成分である上記ABOで表わされるペロブスカイト型化合物に添加されていてもよい。
ここで、外側層6b22を構成するセラミック誘電体層9の含有成分におけるTiに対するSiの組成比は、厚み方向内層部6a、厚み方向第1外層部6b1および内側層6b21を構成するセラミック誘電体層3の含有成分におけるTiに対するSiの組成比(典型的には、当該組成比はモル比にて表わされる)よりも高い。なお、セラミック誘電体層3,9の各々におけるTiに対するSiのモル比は、波長分散型X線分析装置(WDX:wavelength-dispersive X-ray spectrometer)を用いて測定することができる。
外側層6b22を構成するセラミック誘電体層9の含有成分におけるTiに対するSiのモル比は、1.3[mol%]以上3.0[mol%]以下であることが好ましい。外側層6b22を構成するセラミック誘電体層9の含有成分におけるTiに対するSiのモル比が、1.3[mol%]未満である場合、または、3.0[mol%]より高い場合は、外側層6b22の信頼性が低下するおそれがある。
外側層6b22を構成するセラミック誘電体層9の含有成分におけるTiに対するSiのモル比は、内側層6b21を構成するセラミック誘電体層3の含有成分におけるTiに対するSiのモル比より、0.4[mol%]以上高いことが好ましく、0.8[mol%]以上高いことがさらに好ましい。
外側層6b22における内側層6b21との境界部P1は、外側層6b22の厚み方向Tにおける中央部に比較してSiの含有率が高い。また、外側層6b22における第2主面2a2側の表層部P2は、外側層6b22の厚み方向Tにおける中央部に比較してSiの含有率が高い。なお、外側層6b22においてSiの含有率が高い境界部P1および表層部P2の各々は、電界放出型波長分散X線分光器(FE−WDX:field emission wavelength-dispersive X-ray spectrometer)を用いて作成した元素マッピングにより確認することができる。
(作用および効果)
本実施の形態における積層セラミックコンデンサ1Bにあっても、上述した実施の形態1において示した条件のうち、少なくとも、幅方向第1外層部8b1の幅方向Wにおける寸法w1および幅方向第2外層部8b2の幅方向Wにおける寸法w2が、いずれも厚み方向第1外層部6b1の厚み方向Tにおける寸法t1よりも大きい(w1>t1,w2>t2)という条件が充足されている。したがって、上述した実施の形態1において説明した効果と同様の効果が得られることになる。
さらに、本実施形態における積層セラミックコンデンサ1Bにおいては、上述したように、外側層6b22を構成するセラミック誘電体層9の含有成分が、厚み方向内層部6a、厚み方向第1外層部6b1および内側層6b21を構成するセラミック誘電体層3の含有成分と比較して、Tiに対するSiのモル比が高い。すなわち、外側層6b22が、内側層6b21よりもSiを多く含んでいる。ここで、Siの含有率が高いセラミック誘電体層は、Siの含有率が低いセラミック誘電体層よりも熱収縮率が大きくなる。そのため、外側層6b22の熱収縮率は、内側層6b21の熱収縮率よりも大きくなり、その結果、外側層6b22の熱収縮率は、厚み方向内層部6aに含まれる内部電極層4の熱収縮率に近くなる。
したがって、積層セラミックコンデンサ1Bにおいては、厚み方向内層部6aと厚み方向第2外層部6b2との境界部分に作用する、セラミック誘電体層と内部電極層との熱収縮率の差によって生じる内部応力が緩和できることになり、当該部分においてクラックが発生することを効果的に抑制できることになる。
ここで、上述したように、外側層6b22を構成するセラミック誘電体層9の含有成分におけるTiに対するSiのモル比が、内側層6b21を構成するセラミック誘電体層3の含有成分におけるTiに対するSiのモル比よりも、0.4[mol%]以上高いことにより、上記境界部分においてクラックが発生することがより効果的に抑制することができ、また、当該モル比が0.8[mol%]以上高いことにより、上記境界部分においてクラックが発生することがさらにより効果的に抑制することができる。
本実施の形態における積層セラミックコンデンサ1Bにあっては、以下に示す条件のうちの必要なものが充足されることにより、内部応力に起因したクラックの発生をより効果的に抑制することができ、製品としての信頼性の向上や製造過程における歩留まりの向上が実現できる。なお、これら条件は、後述する第1検証試験ないし第4検証試験の評価結果に基づいて導き出されたものである。
(寸法w1および寸法w2と寸法t21との関係)
図15を参照して、幅方向第1外層部8b1の幅方向Wにおける寸法w1および幅方向第2外層部8b2の幅方向Wにおける寸法w2は、いずれも厚み方向第2外層部6b2のうちの内側層6b21の厚み方向Tにおける寸法t21よりも大きい(w1>t21,w2>t21)ことが好ましい。このように構成することにより、幅方向第1外層部8b1および幅方向第2外層部8b2におけるセラミック誘電体材料同士の密着力を十分に高めることができ、これらの部分において内部応力に起因するクラックの発生が効果的に抑制できる。
また、幅方向第1外層部8b1の幅方向Wにおける寸法w1および幅方向第2外層部8b2の幅方向Wにおける寸法w2は、いずれも厚み方向第2外層部6b2のうちの内側層6b21の厚み方向Tにおける寸法t21の1.3倍以上である(w1/t21>1.3,w2/t21>1.3)ことがさらに好ましい。このように構成することにより、さらにより確実に、幅方向第1外層部8b1および幅方向第2外層部8b2において内部応力に起因するクラックの発生が抑制できる。
また、積層部10の厚み方向Tにおける寸法T1が、積層部10の幅方向Wにおける寸法W1の1.15倍以上である(T1/W1≧1.15)場合には、幅方向第1外層部8b1の幅方向Wにおける寸法w1および幅方向第2外層部8b2の幅方向Wにおける寸法w2は、いずれも厚み方向第2外層部6b2のうちの内側層6b21の厚み方向Tにおける寸法t21の1.5倍以上である(w1/t21>1.5,w2/t21>1.5)ことが好ましい。このように構成することにより、積層部10の厚み方向Tにおける寸法T1が、積層部10の幅方向Wにおける寸法W1の1.15倍以上である場合にも、さらにより確実に、幅方向第1外層部8b1および幅方向第2外層部8b2において内部応力に起因するクラックの発生が抑制できることになり、特に、繰り返し熱衝撃が加えられる使用環境下においても、高い信頼性を確保することが可能になる。
(寸法l1および寸法l2と寸法t1との関係)
図14を参照して、長さ方向第1外層部7b1の長さ方向Lにおける寸法l1および長さ方向第2外層部7b2の長さ方向Lにおける寸法l2は、いずれも厚み方向第2外層部6b2のうちの内側層6b21の厚み方向Tにおける寸法t21よりも大きい(l1>t21,l2>t21)ことが好ましい。このように構成することにより、長さ方向第1外層部7b1および長さ方向第2外層部7b2におけるセラミック誘電体材料同士の密着力および当該セラミック誘電体材料と導電体材料との密着力を十分に高めることができ、これらの部分において内部応力に起因するクラックの発生が効果的に抑制できる。
また、長さ方向第1外層部7b1の長さ方向Lにおける寸法l1および長さ方向第2外層部7b2の長さ方向Lにおける寸法l2は、いずれも厚み方向第2外層部6b2のうちの内側層6b21の厚み方向Tにおける寸法t21の1.5倍以上である(l1/t21>1.5,l2/t21>1.5)ことがさらに好ましい。このように構成することにより、さらにより確実に、長さ方向第1外層部7b1および長さ方向第2外層部7b2において内部応力に起因するクラックの発生が抑制できる。
また、積層部10の厚み方向Tにおける寸法T1が、積層部10の長さ方向Lにおける寸法L1の0.67倍以上である(T1/L1≧0.67)場合には、長さ方向第1外層部7b1の長さ方向Lにおける寸法l1および長さ方向第2外層部7b2の長さ方向Lにおける寸法l2は、いずれも厚み方向第2外層部6b2のうちの内側層6b21の厚み方向Tにおける寸法t21の2倍以上である(l1/t21>2,l2/t21>2)ことが好ましい。このように構成することにより、積層部10の厚み方向Tにおける寸法T1が、積層部10の長さ方向Lにおける寸法L1の0.67倍以上である場合にも、さらにより確実に、長さ方向第1外層部7b1および長さ方向第2外層部7b2において内部応力に起因するクラックの発生が抑制できることになり、特に、繰り返し熱衝撃が加えられる使用環境下においても、高い信頼性を確保することが可能になる。
(寸法t21と寸法t22との関係)
図14および図15を参照して、厚み方向第2外層部6b2のうちの外側層6b22の厚み方向Tにおける寸法t22は、厚み方向第2外層部6b2のうちの内側層6b21の厚み方向Tにおける寸法t21以上であることが好ましい。このように構成することにより、外側層6b22の熱収縮による上述した応力緩和効果を厚み方向内層部6aと厚み方向第2外層部6b2との境界部分に作用させ易くでき、その結果、当該部分におけるクラックの発生が効果的に抑制できる。
(寸法t21)
図14および図15を参照して、厚み方向第2外層部6b2のうちの内側層6b21の厚み方向Tにおける寸法t21は、20[μm]以上であることが好ましい。このように構成することにより、外側層6b22に含有されるSiが厚み方向内層部6a内に拡散することが抑制できる。厚み方向内層部6aのSiの含有率が高くなり過ぎると、厚み方向内層部6aに含まれるセラミック誘電体層3にて焼成時にセラミック粒子の粒成長が進み過ぎることになり、当該セラミック誘電体層3の耐電圧性が低下し、その結果、厚み方向内層部6aにおいて短絡が発生し易くなってしまう。したがって、上記のように構成することにより、厚み方向内層部6aに含まれるセラミック誘電体層3の耐電圧性を維持して短絡の発生を抑制することができる。
また、厚み方向第2外層部6b2のうちの内側層6b21の厚み方向Tにおける寸法t21は、厚み方向第1外層部6b1の厚み方向Tにおける寸法t1よりも小さくてもよい。このように構成した場合にも、内側層6b21の外側に外側層6b22が位置しているため、水分が当該内側層6b21および外側層6b22が位置する側から厚み方向内層部6aに侵入することが抑制可能であり、厚み方向第2外層部6b2のうちの内側層6b21の厚み方向Tにおける寸法t21を十分に薄くしても、信頼性が低下することはない。
(寸法t22)
図14および図15を参照して、厚み方向第2外層部6b2のうちの外側層6b22の厚み方向Tにおける寸法t22は、30[μm]以上であることが好ましい。このように構成することにより、外側層6b22の熱収縮による上述した応力緩和効果を厚み方向内層部6aと厚み方向第2外層部6b2との境界部分に相当程度に作用させることができるため、当該部分におけるクラックの発生が効果的に抑制できる。
(境界部P1および表層部P2に関して)
上述したように、本実施の形態における積層セラミックコンデンサ1Bにあっては、外側層6b22における内側層6b21との境界部P1および外側層6b22における第2主面2a2側の表層部P2において、外側層6b22の厚み方向Tにおける中央部に比較してSiの含有率が高くなるように構成されている。このような構成は、焼成時において、セラミック粒子の粒界からSiが偏析する温度および気体雰囲気にすることで実現できる。
より詳細には、焼成時において、セラミック粒子の粒界からSiが偏析する温度および気体雰囲気にすることにより、Siの含有量が多い外側層6b22においては、セラミック粒子の粒成長が進み、粗大化したセラミック粒子の粒界からSiが偏析する。偏析したSiは、セラミック粒子の粒界に沿って移動し、外側層6b22の境界部P1および表層部P2の各々に向けて集まる。その結果、外側層6b22の境界部P1および表層部P2の各々において、外側層6b22の厚み方向Tにおける中央部よりもSiの含有率が高くなる。
ここで、外側層6b22における内側層6b21との境界部P1が、外側層6b22の厚み方向Tにおける中央部に比較してSiの含有率が高いことにより、外側層6b22と内側層6b21との密着力が向上することになる。これは、上記のようにセラミック粒子の粒界に沿って移動したSiが、外側層6b22と内側層6b21との界面に多数存在する微小な隙間を埋めることにより、外側層6b22と内側層6b21とを結合させるためと考えられる。したがって、内側層6b21の形成と外側層6b22の形成とを個別に行なえば、内側層6b21と外側層6b22との界面に微小な隙間を生じさせることができ、偏析したSiの境界部P1においてSiの濃縮を促すことができ、外側層6b22と内側層6b21との密着力の向上を図ることができると考えられる。
外側層6b22における第2主面2a2側の表層部P2が、外側層6b22の厚み方向Tにおける中央部に比較してSiの含有率が高いことにより、第1外部電極5aおよび第2外部電極5bの形成時において、素体2の機械的強度が低下することが抑制できる。これは、第1外部電極5aおよび第2外部電極5bの形成時において、第1外部電極5aおよび第2外部電極5bに含まれるガラス成分が素体2のセラミック誘電体材料と反応した場合に素体2の機械的強度が低下することになるが、外側層6b22のSiの含有率が高い場合に、第1外部電極5aおよび第2外部電極5bに含まれるガラス成分と素体2のセラミック誘電体材料とが反応することが抑制できるためである。
(他の副成分について)
セラミック誘電体層3,9の各々において、主成分である上記ABOで表わされるペロブスカイト型化合物に希土類化合物が添加されている場合には、厚み方向内層部6a、厚み方向第1外層部6b1および内側層6b21を構成するセラミック誘電体層3の含有成分は、外側層6b22を構成するセラミック誘電体層9の含有成分と比較して、Tiに対する希土類元素のモル比が高いことが好ましい。すなわち、厚み方向内層部6a、厚み方向第1外層部6b1および内側層6b21が、外側層6b22より希土類元素を多く含んでいることが好ましい。
希土類元素としては、Dy、Gd、YまたはLa等が積層セラミックコンデンサ1Bの機能を高めるために添加される。具体的には、希土類元素を添加することにより、積層セラミックコンデンサ1Bにおいて、容量温度特性の安定化および絶縁抵抗の高温負荷寿命の長期化を図ることができる。
しかしながら、希土類元素は、セラミック粒子の粒界または偏析層に濃縮しやすい傾向を有しており、水溶性フラックスに溶出し易い特性を有している。そのため、積層セラミックコンデンサ1Bの実装時において、半田付けに用いられる水溶性フラックスに含まれるアジピン酸等の有機酸に、希土類元素を含むセラミック成分が溶出することがある。この場合には、セラミック成分が溶出して脆化した素体の外層部にクラックが発生することがある。
そのため、厚み方向内層部6a、厚み方向第1外層部6b1および内側層6b21を構成するセラミック誘電体層3の含有成分におけるTiに対する希土類元素のモル比は、0.3[mol%]以上であることが好ましく、外側層6b22を構成するセラミック誘電体層9の含有成分におけるTiに対する希土類元素のモル比は、0.3[mol%]未満であることが好ましい。このように構成することにより、容量温度特性の安定化、および、絶縁抵抗の高温負荷寿命の長期化を図ることができるとともに、外側層6b22からセラミック成分が溶出して外側層6b22が脆化することによって外側層6b22にクラックが発生することが抑制できる。
なお、ここでは、その詳細な説明は省略するが、上記の特徴点を具備することで上記の効果が得られることは、希土類元素としてのDyの含有量を種々変えて行なった検証試験(後述する第1検証試験ないし第4検証試験とは異なる検証試験)により確認されており、Dyの代わりにGd、YまたはLaを用いた場合の効果も同様に確認されている。
また、セラミック誘電体層3,9の各々において、主成分である上記ABOで表わされるペロブスカイト型化合物にMn化合物が添加されている場合には、厚み方向内層部6a、厚み方向第1外層部6b1および内側層6b21を構成するセラミック誘電体層3の含有成分が、外側層6b22を構成するセラミック誘電体層9の含有成分と比較して、Tiに対するMnのモル比が高いことが好ましい。すなわち、厚み方向内層部6a、厚み方向第1外層部6b1および内側層6b21が、外側層6b22よりMnを多く含んでいることが好ましい。
Mnの含有量が少ないセラミック誘電体層は、Mnの含有量が多いセラミック誘電体層に比較して色彩が明るくなる。そのため、このように構成することにより、外側層6b22の色彩を、厚み方向内層部6a、厚み方向第1外層部6b1および内側層6b21の色彩よりも明るくすることができる。したがって、積層セラミックコンデンサ1Bの第1主面2a1と第2主面2a2とを視覚的に容易に判別することが可能になる。
そのため、撮像カメラ等によって積層セラミックコンデンサ1Bを撮像して画像処理等を行なうことにより、積層セラミックコンデンサ1Bの厚み方向Tにおける向きを識別することが可能になるため、積層セラミックコンデンサ1Bの実装時において、第2主面2a2が配線基板101等の被実装体側を向くように積層セラミックコンデンサ1Bの向きを自動的に揃えることができる。
たとえば、厚み方向内層部6a、厚み方向第1外層部6b1および内側層6b21を構成するセラミック誘電体層3の含有成分におけるTiに対するMnのモル比は、0.08[mol%]以上にすることが好ましく、外側層6b22を構成するセラミック誘電体層9の含有成分におけるTiに対するMnのモル比は、0.08[mol%]未満にすることが好ましい。
なお、ここでは、その詳細な説明は省略するが、上記の特徴点を具備することで上記の効果が得られることは、Mnの含有量を種々変えて行なった検証試験(後述する第1検証試験ないし第4検証試験とは異なる検証試験)により確認されている。
<変形例>
図16および図17は、本発明の実施の形態2に基づいた変形例に係る積層セラミックコンデンサの模式断面図である。なお、これら図16および図17に示す断面は、それぞれ図14および図15に示した断面に対応している。以下、これら図16および図17を参照して、本変形例に係る積層セラミックコンデンサ1Cについて説明する。
図16および図17に示すように、本変形例に係る積層セラミックコンデンサ1Cは、厚み方向第2外層部6b2に含まれる外側層6b22が、その一部において厚み方向第2外層部6b2に含まれる内側層6b21側に向けて迫り出すように湾曲している点においてのみ、上述した本実施の形態における積層セラミックコンデンサ1Bと構成が相違している。
具体的には、図16に示すように、外側層6b22は、長さ方向第1外層部7b1および長さ方向第2外層部7b2に対応する部分において内側層6b21側に向けて迫り出しており、これにより湾曲膨出部9aが形成されている。また、図17に示すように、外側層6b22は、幅方向第1外層部8b1および幅方向第2外層部8b2に対応する部分において内側層6b21側に向けて迫り出しており、これにより湾曲膨出部9bが形成されている。
このような湾曲膨出部9a,9bは、外側層6b22を構成するセラミック誘電体層9となる素材シートを内側層6b21が既に形成されたマザーブロックに対してさらに貼付けた後にこれを圧着するに際して、加圧板と当該素材シートが貼付けられたマザーブロックとの間に弾性体を介在させることにより、容易に実現が可能である。また、弾性体の厚みや材質、加圧する際の加圧力、貼付ける素材シートの厚み、既に形成されたマザーブロックの外表面の形状等を適宜調節することにより、当該湾曲膨出部9a,9bの形状を調整することも可能である。
このように構成された積層セラミックコンデンサ1Cにおいては、外側層6b22と内側層6b21との境界面が非平面形状になるため、外側層6b22と内側層6b21との密着力が高まることになり、これを平面形状とした場合に比べてこれら外側層6b22と内側層6b21との間において剥離が発生することが未然に防止できることになる。したがって、当該構成を採用することにより、より信頼性の高い積層セラミックコンデンサとすることができる。
なお、以上において説明した本実施の形態における積層セラミックコンデンサ1Bおよび変形例に係る積層セラミックコンデンサ1Cについても、上述した実施の形態1における積層セラミックコンデンサ1Aの場合と同様の態様にて、被実装体に実装されたり、積層セラミックコンデンサ連に組み入れられたりすることができる。
<第1検証試験>
図18は、第1検証試験における検証例1〜7に係る積層セラミックコンデンサの設計条件および評価結果を示す表である。
第1検証試験は、積層セラミックコンデンサの幅方向第1外層部の幅方向における寸法w1および幅方向第2外層部の幅方向における寸法w2を種々変えるとともに、積層部の厚み方向における寸法T1を種々変えた場合に、素体の焼成後ならびに熱衝撃試験の終了後において素体にクラックが発生したか否かを確認したものである。
図18に示すように、第1検証試験においては、検証例1〜7の合計7種類の積層セラミックコンデンサをそれぞれ20サンプルずつ製作した。なお、これら検証例1〜7に係る積層セラミックコンデンサは、いずれも上述した実施の形態1において説明した積層セラミックコンデンサの製造フローに基づいて製作されたものであり、いずれも上述した実施の形態1において説明した如くの構成を有するものである。
これら検証例1〜7においては、素体の長さ方向における寸法L0が設計値でいずれも1220[μm]であり、積層部の長さ方向における寸法L1が設計値でいずれも1100[μm]であり、積層部の幅方向における寸法W1が設計値でいずれも640[μm]である。
また、これら検証例1〜7においては、厚み方向第1外層部の厚み方向における寸法t1が設計値でいずれも40[μm]であり、厚み方向第2外層部の厚み方向における寸法t2が設計値でいずれも140[μm]であり、長さ方向第1外層部の長さ方向における寸法l1および長さ方向第2外層部の長さ方向における寸法l2が設計値でいずれも60[μm]である。
積層部の厚み方向における寸法T1は、検証例1において設計値で640[μm]であり、検証例2,3において設計値で677[μm]であり、検証例4において設計値で718[μm]であり、検証例5,6において設計値で736[μm]であり、検証例7において設計値で834[μm]である。これに伴い、素体の厚み方向における寸法T0は、検証例1において設計値で820[μm]であり、検証例2,3において設計値で857[μm]であり、検証例4において設計値で898[μm]であり、検証例5,6において設計値で916[μm]であり、検証例7において設計値で1014[μm]である。
幅方向第1外層部の幅方向における寸法w1および幅方向第2外層部の幅方向における寸法w2は、検証例1,2において設計値で40[μm]であり、検証例3〜5において設計値で52[μm]であり、検証例6,7において設計値で60[μm]である。これに伴い、素体の幅方向における寸法W0は、検証例1,2において設計値で720[μm]であり、検証例3〜5において設計値で744[μm]であり、検証例6,7において設計値で760[μm]である。
なお、検証例1〜7における設計値での各部の寸法比は、図18の各種寸法比の欄に記載したとおりであり、このうちAR1は、T1/(W0−W1)で表わされる値である。
また、検証例1〜7においては、焼成後の積層部に含まれる内部電極層の厚みx1が設計値でいずれも0.71[μm]であり、焼成後の積層部に含まれるセラミック誘電体層の厚みx2が設計値でいずれも0.89[μm]である(すなわち、x1/x2がおおよそ0.8)。ここで、検証例1においては、積層部に含まれる内部電極層の積層数を401とし、積層部に含まれるセラミック誘電体層の積層数を400とした。なお、検証例2〜7における積層部に含まれる内部電極層およびセラミック誘電体層の積層数は、いずれも検証例1における積層部に含まれる内部電極層およびセラミック誘電体層の積層数以上である。
第1検証試験においては、上述した設計条件に基づいて製作された検証例1〜7に係る積層セラミックコンデンサのうち、検証例1〜7のそれぞれ10サンプルについて、焼成後において、積層セラミックコンデンサの中心を含みかつ幅方向および厚み方向のいずれにも平行なW−T断面を研磨によって露出させて光学顕微鏡で観察してクラックの有無を確認するとともに、残る検証例1〜7のそれぞれ10サンプルについて、熱衝撃試験機に投入することでこれらに熱衝撃サイクルを付与し、当該熱衝撃サイクルの付与終了後において、上記W−T断面を研磨によって露出させて光学顕微鏡で観察してクラックの有無を確認した。
なお、検証例1〜7の評価に関し、焼成後に上記W−T断面を観察した当該検証例1〜7に含まれる10サンプル中に1つでもクラックが確認された場合にクラックが「有り」とし、1つもクラックが発見されなかった場合にクラックが「無し」とした。また、検証例1〜7の評価に関し、熱衝撃サイクルの付与終了後に上記W−T断面を観察した当該検証例1〜7に含まれる10サンプル中に1つでもクラックが確認された場合にクラックが「有り」とし、1つもクラックが発見されなかった場合にクラックが「無し」とした。
その結果、図18の評価結果の欄に示すように、検証例1,3,4,6,7においては、焼成後のものおよび熱衝撃サイクルの付与終了後のものの両者についてクラックが「無し」と判定され、検証例2においては、焼成後のものおよび熱衝撃サイクルの付与終了後のものの両者についてクラックが「有り」と判定され、検証例5においては、焼成後のものについてクラックが「無し」と判定されるとともに熱衝撃サイクルの付与終了後のものについてクラックが「有り」と判定された。
以上の結果に基づけば、幅方向第1外層部の幅方向における寸法w1および幅方向第2外層部の幅方向における寸法w2が、いずれも厚み方向第1外層部の厚み方向における寸法t1よりも大きい(w1>t1,w2>t1)場合に、焼成時においてクラックの発生が効果的に抑制できることが分かる。
また、幅方向第1外層部の幅方向における寸法w1および幅方向第2外層部の幅方向における寸法w2が、いずれも厚み方向第1外層部の厚み方向における寸法t1の1.3倍以上である(w1/t1>1.3,w2/t1>1.3)場合に、焼成時においてもクラックの発生がさらに効果的に抑制できることが分かる。
また、積層部の厚み方向における寸法T1が、積層部の幅方向における寸法W1の1.15倍以上である(T1/W1≧1.15)場合には、幅方向第1外層部の幅方向における寸法w1および幅方向第2外層部の幅方向における寸法w2が、いずれも厚み方向第1外層部の厚み方向における寸法t1の1.5倍以上である(w1/t1>1.5,w2/t1>1.5)場合に、焼成時のみならず使用環境下においてもクラックの発生が効果的に抑制できることが分かる。
さらに、素体の幅方向における寸法W0と、積層部の厚み方向における寸法T1と、積層部の幅方向における寸法W1とが、AR1(=T1/(W0−W1))≦6.95の関係を満たしている場合に、焼成時のみならず使用環境下においてもクラックの発生が効果的に抑制できることが分かる。
<第2検証試験>
図19は、第2検証試験における検証例8〜14に係る積層セラミックコンデンサの設計条件および評価結果を示す表である。
第2検証試験は、積層セラミックコンデンサの長さ方向第1外層部の長さ方向における寸法l1および長さ方向第2外層部の長さ方向における寸法l2を種々変えるとともに、積層部の厚み方向における寸法T1を種々変えた場合に、素体の焼成後ならびに熱衝撃試験の終了後において素体にクラックが発生したか否かを確認したものである。
図19に示すように、第2検証試験においては、検証例8〜14の合計7種類の積層セラミックコンデンサをそれぞれ20サンプルずつ製作した。なお、これら検証例8〜14に係る積層セラミックコンデンサは、いずれも上述した実施の形態1において説明した積層セラミックコンデンサの製造フローに基づいて製作されたものであり、いずれも上述した実施の形態1において説明した如くの構成を有するものである。
これら検証例8〜14においては、素体の幅方向における寸法W0が設計値でいずれも752[μm]であり、積層部の長さ方向における寸法L1が設計値でいずれも1100[μm]であり、積層部の幅方向における寸法W1が設計値でいずれも640[μm]である。
また、これら検証例8〜14においては、厚み方向第1外層部の厚み方向における寸法t1が設計値でいずれも40[μm]であり、厚み方向第2外層部の厚み方向における寸法t2が設計値でいずれも140[μm]であり、幅方向第1外層部の幅方向における寸法w1および幅方向第2外層部の幅方向における寸法w2が設計値でいずれも56[μm]である。
積層部の厚み方向における寸法T1は、検証例8において設計値で640[μm]であり、検証例9,10において設計値で677[μm]であり、検証例11において設計値で718[μm]であり、検証例12,13において設計値で736[μm]であり、検証例14において設計値で834[μm]である。これに伴い、素体の厚み方向における寸法T0は、検証例8において設計値で820[μm]であり、検証例9,10において設計値で857[μm]であり、検証例11において設計値で898[μm]であり、検証例12,13において設計値で916[μm]であり、検証例14において設計値で1014[μm]である。
長さ方向第1外層部の長さ方向における寸法l1および長さ方向第2外層部の長さ方向における寸法l2は、検証例8,9において設計値で40[μm]であり、検証例10〜12において設計値で60[μm]であり、検証例13,14において設計値で80[μm]である。これに伴い、素体の長さ方向における寸法L0は、検証例8,9において設計値で1180[μm]であり、検証例10〜12において設計値で1220[μm]であり、検証例13,14において設計値で1260[μm]である。
なお、検証例8〜14における設計値での各部の寸法比は、図19の各種寸法比の欄に記載したとおりであり、このうちAR2は、T1/(L0−L1)で表わされる値である。
また、検証例8〜14においては、焼成後の積層部に含まれる内部電極層の厚みx1が設計値でいずれも0.71[μm]であり、焼成後の積層部に含まれるセラミック誘電体層の厚みx2が設計値でいずれも0.89[μm]である(すなわち、x1/x2がおおよそ0.8)。ここで、検証例8においては、積層部に含まれる内部電極層の積層数を401とし、積層部に含まれるセラミック誘電体層の積層数を400とした。なお、検証例9〜14における積層部に含まれる内部電極層およびセラミック誘電体層の積層数は、いずれも検証例8における積層部に含まれる内部電極層およびセラミック誘電体層の積層数以上である。
第2検証試験においては、上述した設計条件に基づいて製作された検証例8〜14に係る積層セラミックコンデンサのうち、検証例8〜14のそれぞれ10サンプルについて、焼成後において、積層セラミックコンデンサの中心を含みかつ長さ方向および厚み方向のいずれにも平行なL−T断面を研磨によって露出させて光学顕微鏡で観察してクラックの有無を確認するとともに、残る検証例8〜14のそれぞれ10サンプルについて、熱衝撃試験機に投入することでこれらに熱衝撃サイクルを付与し、当該熱衝撃サイクルの付与終了後において、上記L−T断面を研磨によって露出させて光学顕微鏡で観察してクラックの有無を確認した。
なお、検証例8〜14の評価に関し、焼成後に上記L−T断面を観察した当該検証例8〜14に含まれる10サンプル中に1つでもクラックが確認された場合にクラックが「有り」とし、1つもクラックが発見されなかった場合にクラックが「無し」とした。また、検証例8〜14の評価に関し、熱衝撃サイクルの付与終了後に上記L−T断面を観察した当該検証例8〜14に含まれる10サンプル中に1つでもクラックが確認された場合にクラックが「有り」とし、1つもクラックが発見されなかった場合にクラックが「無し」とした。
その結果、図19の評価結果の欄に示すように、検証例8,10,11,13,14においては、焼成後のものおよび熱衝撃サイクルの付与終了後のものの両者についてクラックが「無し」と判定され、検証例9においては、焼成後のものおよび熱衝撃サイクルの付与終了後のものの両者についてクラックが「有り」と判定され、検証例12においては、焼成後のものについてクラックが「無し」と判定されるとともに熱衝撃サイクルの付与終了後のものについてクラックが「有り」と判定された。
以上の結果に基づけば、長さ方向第1外層部の長さ方向における寸法l1および長さ方向第2外層部の長さ方向における寸法l2が、いずれも厚み方向第1外層部の厚み方向における寸法t1よりも大きい(l1>t1,l2>t1)場合に、焼成時においてクラックの発生が効果的に抑制できることが分かる。
また、長さ方向第1外層部の長さ方向における寸法l1および長さ方向第2外層部の長さ方向における寸法l2が、いずれも厚み方向第1外層部の厚み方向における寸法t1の1.5倍以上である(l1/t1>1.5,l2/t1>1.5)場合に、焼成時においてもクラックの発生がさらに効果的に抑制できることが分かる。
また、積層部の厚み方向における寸法T1が、積層部の長さ方向における寸法L1の0.67倍以上である(T1/L1≧0.67)場合には、長さ方向第1外層部の長さ方向における寸法l1および長さ方向第2外層部の長さ方向における寸法l2が、いずれも厚み方向第1外層部の厚み方向における寸法t1の2倍以上である(l1/t1>2,l2/t1>2)場合に、焼成時のみならず使用環境下においてもクラックの発生が効果的に抑制できることが分かる。
さらに、素体の長さ方向における寸法L0と、積層部の厚み方向における寸法T1と、積層部の長さ方向Lにおける寸法L1とが、AR2(=T1/(L0−L1))≦5.98の関係を満たしている場合に、焼成時のみならず使用環境下においてもクラックの発生が効果的に抑制できることが分かる。
<第3検証試験>
図20は、第3検証試験における検証例15〜35に係る積層セラミックコンデンサの設計条件および評価結果を示す表である。
第3検証試験は、上述した実施の形態2において示したように、厚み方向第2外層部として内側層と外側層とを含む積層セラミックコンデンサにおいて、内側層および外側層の各々の厚み方向における寸法およびSiの含有量を種々変えた場合に、素体の焼成後において素体にクラックが発生したか否かと、信頼性が確保できているか否かとを確認したものである。
図20に示すように、第3検証試験においては、検証例15〜35の合計21種類の積層セラミックコンデンサをそれぞれ20サンプルずつ作製した。なお、これら検証例15〜35に係る積層セラミックコンデンサは、いずれも上述した実施の形態1において説明した積層セラミックコンデンサの製造フローに準じて製作されたものであり、いずれも上述した実施の形態2において説明した如くの構成を有するものである。
これら検証例15〜35においては、厚み方向第1外層部の厚み方向における寸法t1が設計値でいずれも40[μm]であり、厚み方向第2外層部の厚み方向における寸法t2が設計値でいずれも100[μm]であり、積層部の厚み方向における寸法T1が設計値でいずれも620[μm]である。
また、これら検証例15〜35においては、焼成後の積層部に含まれる内部電極層の厚みx1が設計値でいずれも0.8[μm]であり、その積層数はいずれも330である。また、これら検証例15〜35においては、内側層等(より詳細には、厚み方向内層部、厚み方向第1外層部および内側層)を構成するセラミック誘電体層の含有成分におけるTiに対するSiのモル比が、いずれも1.3[mol%]である。
外側層を構成するセラミック誘電体層の含有成分におけるTiに対するSiのモル比は、検証例15〜21において1.7[mol%]であり、検証例22〜28において2.9[mol%]であり、検証例29〜35において3.3[mol%]である。なお、検証例15〜35における内側層等を構成するセラミック誘電体層のSi量と外側層を構成するセラミック誘電体層のSi量との差は、図20に記載したとおりである。
内側層の厚み方向における寸法t21は、検証例15〜21において、それぞれ順に+10[μm]刻みで10[μm]〜70[μm]であり、検証例22〜28において、それぞれ順に+10[μm]刻みで10[μm]〜70[μm]であり、検証例29〜35において、それぞれ順に+10[μm]刻みで10[μm]〜70[μm]である。
一方、外側層の厚み方向における寸法t22は、検証例15〜21において、それぞれ順に−10[μm]刻みで90[μm]〜30[μm]であり、検証例22〜28において、それぞれ順に−10[μm]刻みで90[μm]〜30[μm]であり、検証例29〜35において、それぞれ順に−10[μm]刻みで90[μm]〜30[μm]である。
第3検証試験においては、上述した設計条件に基づいて製作された検証例15〜35に係る積層セラミックコンデンサのうち、検証例15〜35のそれぞれ10サンプルについて、焼成後において、積層セラミックコンデンサの中心を含みかつ幅方向および厚み方向のいずれにも平行なW−T断面を研磨によって露出させて光学顕微鏡で観察してクラックの有無を確認するとともに、残る検証例15〜35のそれぞれ10サンプルについて、超加速ライフ試験機に投入することによりそれらの信頼性を確認した。ここで、超加速ライフ試験機に投入することで行なった信頼性試験は、サンプルを150[℃]の温度雰囲気中に置いて当該サンプルに8[V]の電圧を継続的に印加し、当該サンプルのIR値が10[kΩ]以下になるまでの時間を測定したものである。
なお、検証例15〜35の評価に関し、焼成後に上記W−T断面を観察した当該検証例15〜35に含まれる10サンプル中に1つでもクラックが確認された場合にクラックが「有り」とし、1つもクラックが発見されなかった場合にクラックが「無し」とした。また、検証例15〜35の評価に関し、超加速ライフ試験機に投入することで行なった信頼性試験の結果、IR値が10[kΩ]以下になるまでの時間が10時間を超えた場合に信頼性が「良」であるとし、当該時間が10時間を下回った場合に信頼性が「不可」であるとした。
その結果、図20の評価結果の欄に示すように、外側層の厚み方向における寸法t22が内側層の厚み方向における寸法t21以上である検証例15〜19,22〜26,29〜33において、いずれもクラックが「無し」と判定された。また、上記クラックが「無し」と判定された検証例15〜19,22〜26,29〜33のうち、外側層を構成するセラミック誘電体層の含有成分におけるTiに対するSiのモル比が2.9[mol%]より大きく、かつ、内側層の厚み方向における寸法t21が20[μm]未満である検証例29を除くすべてについて、信頼性が「良」であると判定された。
以上の結果に基づけば、外側層の厚み方向における寸法t22が、内側層の厚み方向における寸法t21以上である場合に、焼成時においてクラックの発生が効果的に抑制できることが分かる。また、内側層の厚み方向における寸法t21が、20[μm]以上である場合に、厚み方向内層部に含まれるセラミック誘電体層の耐電圧性を維持して短絡の発生を抑制することができることが分かる。
<第4検証試験>
図21は、第4検証試験における検証例36〜39に係る積層セラミックコンデンサの設計条件および評価結果を示す表であり、図22は、当該第4検証試験において、積層セラミックコンデンサを実装した配線基板を撓ませた方法を示す模式図である。
第4検証試験は、上述した実施の形態2において示したように、厚み方向第2外層部として内側層と外側層とを含む積層セラミックコンデンサにおいて、内側層および外側層の各々のSiの含有量を種々変えた場合に、外部応力を積層セラミックコンデンサに付与した場合にクラックが発生するか否かを確認したものである。
図21に示すように、第4検証試験においては、検証例36〜39の合計4種類の積層セラミックコンデンサをそれぞれ10サンプルずつ作製した。なお、これら検証例36〜39に係る積層セラミックコンデンサは、いずれも上述した実施の形態1において説明した積層セラミックコンデンサの製造フローに準じて製作されたものであり、いずれも上述した実施の形態2において説明した如くの構成を有するものである。
これら検証例36〜39においては、厚み方向第1外層部の厚み方向における寸法t1が設計値でいずれも100[μm]であり、厚み方向第2外層部の厚み方向における寸法t2が設計値でいずれも100[μm]であり、積層部の厚み方向における寸法T1が設計値でいずれも620[μm]である。
また、これら検証例36〜39においては、内側層の厚み方向における寸法t21が設計値でいずれも50[μm]であり、外側層の厚み方向における寸法t22が設計値でいずれも50[μm]である。また、これら検証例36〜39においては、焼成後の積層部に含まれる内部電極層の厚みx1が設計値でいずれも0.8[μm]であり、その積層数はいずれも330である。
内側層等(より詳細には、厚み方向内層部、厚み方向第1外層部および内側層)を構成するセラミック誘電体層の含有成分におけるTiに対するSiのモル比は、検証例36,38において1.3[mol%]であり、検証例37において1.7[mol%]であり、検証例39において2.9[mol%]である。
外側層を構成するセラミック誘電体層の含有成分におけるTiに対するSiのモル比は、検証例36,37において1.7[mol%]であり、検証例38,39において2.9[mol%]である。なお、検証例36〜39における内側層等を構成するセラミック誘電体層のSi量と外側層を構成するセラミック誘電体層のSi量との差は、図21に記載したとおりである。
第4検証試験においては、上述した設計条件に基づいて製作された検証例36〜39に係る積層セラミックコンデンサのそれぞれ10サンプルについて、これらを被実装体にそれぞれ実装し、被実装体に外部応力を加えることで積層セラミックコンデンサの各々に内部電極層に到達するクラックが発生したか否かを確認した。
被実装体に外部応力を加える方法としては、図22に示すように、積層セラミックコンデンサ1Bを実装した被実装体としての配線基板101を、実装された積層セラミックコンデンサ1Bが下方を向くように配置し、当該配線基板101を両端において下方から支持部301によって支持し、当該状態において配線基板101の上面側から図中に示す矢印DR方向に向けて押圧治具300を配線基板101に垂直に押し当て、これにより配線基板101を下方に向けて撓ませる方法を採用した。当該方法を採用して配線基板101を撓ませることにより、積層セラミックコンデンサ1Bには、半田および第1外部電極5aおよび第2外部電極5bを介して外部応力としての引張応力が付与される。
当該方法にて外部応力を検証例36〜39に係る積層セラミックコンデンサのそれぞれ10サンプルに対して加えた後、当該積層セラミックコンデンサを配線基板から取り外し、積層セラミックコンデンサの内部の断面を研磨によって露出させて光学顕微鏡で観察して内部電極層に到達するクラックがあるか否かを確認した。
なお、検証例36〜39の評価に関し、上記断面を観察した当該検証例36〜39に含まれる10サンプル中に1つでも内部電極層に到達するクラックが確認された場合にクラックが「有り」とし、1つも内部電極層に到達するクラックが発見されなかった場合にクラックが「無し」とした。
その結果、図21の評価結果の欄に示すように、内側層を構成するセラミック誘電体層のSi量と外側層を構成するセラミック誘電体層のSi量とに差を生じさせた検証例36,38において、いずれも内部電極層に到達するクラックが「無し」と判定され、内側層を構成するセラミック誘電体層のSi量と外側層を構成するセラミック誘電体層のSi量とに差を生じさせていない検証例37,39において、いずれも内部電極層に到達するクラックが「有り」と判定された。
以上の結果に基づけば、外側層を構成するセラミック誘電体層のSi量を内側層を構成するセラミック誘電体層のSi量よりも多くすることで外側層に上述したSiの含有率が高い境界部が形成されるようにすることにより、クラックの進展防止またはクラックの進展方向を変更させて、クラックが内部電極層に到達することを抑制する効果が得られるものと考えられる。
<各部の寸法の測定方法>
以下においては、積層セラミックコンデンサの各部の寸法を測定する際の測定方法について説明する。
図23は、積層セラミックコンデンサの断面を走査型電子顕微鏡で観察した拡大像の一例を示す図である。図23においては、積層セラミックコンデンサにて埋め込み樹脂400と接している第2主面2a2側の一部を図示している。
積層セラミックコンデンサのセラミック誘電体層および導電体層(内部電極層)の厚みを測定する際には、まず、図23に示すように、積層セラミックコンデンサの断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した拡大像において、素体の厚み方向に延びてかつ素体の中心を通る直線Lcを引く。次に、直線Lcと平行な複数の直線をピッチSにて等間隔にて引く。ピッチSは、測定しようとするセラミック誘電体層3または導電体層4の厚みの5倍〜10倍程度で決めればよく、たとえば、厚みが1μmのセラミック誘電体層3を測る場合には、ピッチSを5μmとする。また、直線Lcの両側に同じ本数の直線を引く。すなわち、直線Lcを含めて奇数本の直線を引く。図23においては、直線La〜直線Leまでの5本の直線を引いた場合を図示している。
次に、直線La〜直線Leの各直線上において、セラミック誘電体層3および導電体層4の厚みを測定する。ただし、直線La〜直線Leの各直線上において、導電体層4が欠損して、この導電体層4を挟むセラミック誘電体層3同士が繋がっている場合、または、測定位置の拡大像が不明瞭である場合は、さらに直線Lcから離れた直線上において、厚みまたは距離を測定する。
たとえば、セラミック誘電体層3の厚みを測定する際には、図23に示すように、直線La上の厚みD1、直線Lb上の厚みD2、直線Lc上の厚みD3、直線Ld上の厚みD4、および、直線Le上の厚みD5を測定し、これらの平均値をセラミック誘電体層3の厚みとする。
また、たとえば、積層部に含まれる複数のセラミック誘電体層の平均厚みを算出する際には、積層部の厚み方向の略中央に位置するセラミック誘電体層とその両側にそれぞれ位置する2層ずつのセラミック誘電体層とを合わせた5層のセラミック誘電体層の各々について上記の方法により厚みを測定し、その平均値を積層部に含まれる複数のセラミック誘電体層の平均厚みとする。
なお、セラミック誘電体層の積層数が5層未満である場合には、全てのセラミック誘電体層について上記の方法により厚みを測定し、その平均値を複数のセラミック誘電体層の平均厚みとする。また、導電体層の積層数が5層未満である場合には、全ての導電体層について上記の方法により厚みを測定し、その平均値を複数の導電体層の平均厚みとする。
幅方向第1外層部の幅方向における寸法および幅方向第2外層部の幅方向における寸法の測定方法としては、素体の中心を含みかつ幅方向および厚み方向のいずれにも平行なW−T断面を研磨により露出させ、露出断面を光学顕微鏡にて観察し、第1主面に最も近い位置に配置された導電体層に隣接する部分の幅方向における寸法および/または第2主面に最も近い位置に配置された導電体層に隣接する部分の幅方向における寸法を測定する。
長さ方向第1外層部の長さ方向における寸法および長さ方向第2外層部の長さ方向における寸法の測定方法としては、素体の中心を含みかつ長さ方向および厚み方向のいずれにも平行なL−T断面を研磨により露出させ、露出断面を光学顕微鏡にて観察し、第1主面に最も近い位置に配置された導電体層に隣接する部分の長さ方向における寸法および/または第2主面に最も近い位置に配置された導電体層に隣接する部分の長さ方向における寸法を測定する。
積層部の幅方向における寸法の測定方法としては、素体の中心を含みかつ幅方向および厚み方向のいずれにも平行なW−T断面を研磨により露出させ、露出断面を光学顕微鏡にて観察し、第1主面に最も近い位置に配置された導電体層、第2主面に最も近い位置に配置された導電体層、および、積層部の厚み方向における中央部に最も近い位置にある導電体層の各々の幅方向における寸法を測定し、3つの測定値の平均値を算出して求める。
積層部の厚み方向における寸法の測定方法としては、素体の中心を含みかつ幅方向および厚み方向のいずれにも平行なW−T断面を研磨により露出させ、露出断面を光学顕微鏡にて観察し、素体の中心を含み、かつ、第1主面に最も近い位置に配置された導電体層と第2主面に最も近い位置に配置された導電体層とを最短距離で結ぶ線分の長さを測定して求める。
厚み方向第1外層部の厚み方向における寸法、厚み方向第2外層部の厚み方向における寸法、厚み方向第2外層部に含まれる内側層の厚み方向における寸法、および、厚み方向第2外層部に含まれる外側層の厚み方向における寸法の測定方法としては、素体の中心を含みかつ幅方向および厚み方向のいずれにも平行なW−T断面を研磨により露出させ、露出断面を光学顕微鏡にて観察し、素体の幅方向の中央においてこれらの厚みを測定する。
<各部の組成の分析方法>
以下においては、積層セラミックコンデンサの各部の組成を分析する際の分析方法について説明する。
セラミック誘電体層の含有成分の組成分析は、ICP(Inductively coupled plasma)発光分光分析または波長分散型X線分析装置(WDX)により行なうことができる。ICP発光分光分析により元素分析する場合は、分析試料を粉末状にした後、酸によって溶解し、溶解液をICP発光分光分析することにより組成を特定する。WDXにより元素分析する場合は、樹脂によって埋め込んだ素体を研磨することによって上記W−T断面を露出させ、走査型電子顕微鏡(SEM)に付設されたWDXを用いて組成を特定する。
外側層においてSiの含有率が高い内側層との境界部は、樹脂によって埋め込んだ素体を研磨することによって上記W−T断面を露出させ、走査型電子顕微鏡(SEM)によって露出断面の反射電子像を撮像して観察することにより確認できる。また、走査型電子顕微鏡(SEM)に付設された波長分散型X線分析装置(WDX)を用いて露出断面の元素マッピングを作成し、Siの含有率が高い部分を特定することにより境界部を確認することもできる。
今回開示した上記実施の形態およびその変形例はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1A〜1C 積層セラミックコンデンサ、2 素体、2a1 第1主面、2a2 第2主面、2b2 第2端面、2b1 第1端面、2c1 第1側面、2c2 第2側面、3 セラミック誘電体層、4 内部電極層(導電体層)、4a 第1最外層、4b 第2最外層、4c1 第1引出し部、4c2 第2引出し部、5a 第1外部電極、5b 第2外部電極、6a 厚み方向内層部、6b1 厚み方向第1外層部、6b2 厚み方向第2外層部、6b21 内側層、6b22 外側層、7a 長さ方向内層部、7b1 長さ方向第1外層部、7b2 長さ方向第2外層部、8a 幅方向内層部、8b1 幅方向第1外層部、8b2 幅方向第2外層部、9 セラミック誘電体層、9a,9b 湾曲膨出部、10 積層部、11 素材シート群、11A,11B1,11B2 素材シート、12 セラミック素地、13 導電パターン、20 原料シート群、30 マザーブロック、50 加圧板、60 弾性体、100 積層セラミックコンデンサの実装体、101 配線基板、102 ランド、103 半田、200 積層セラミックコンデンサ連、201 包装体、202 キャリアテープ、202a 凹部、202b 底部、203 カバーテープ、300 押圧治具、301 支持部、400 埋め込み樹脂、P1 境界部、P2 表層部。

Claims (10)

  1. 厚み方向に沿って交互に積層された複数の導電体層および複数のセラミック誘電体層にて構成された積層部を内部に含む素体と、前記素体の外部に設けられた外部電極とを備えた積層セラミックコンデンサであって、
    前記素体の外表面は、前記厚み方向において相対して位置する第1主面および第2主面と、前記厚み方向と直交する長さ方向において相対して位置する第1端面および第2端面と、前記厚み方向および前記長さ方向のいずれにも直交する幅方向において相対して位置する第1側面および第2側面とによって構成され、
    前記外部電極は、前記第1端面を覆うように設けられた第1外部電極と、前記第2端面を覆うように設けられた第2外部電極とを含み、
    前記複数の導電体層のうちの一部が、前記積層部から前記第1端面側に向けて延設された第1引出し部を介して前記第1外部電極に接続され、
    前記複数の導電体層のうちの他の一部が、前記積層部から前記第2端面側に向けて延設された第2引出し部を介して前記第2外部電極に接続され、
    前記厚み方向において、前記素体は、セラミック誘電体層にて構成されかつ前記第1主面を規定する厚み方向第1外層部と、セラミック誘電体層にて構成されかつ前記第2主面を規定する厚み方向第2外層部と、前記積層部を含みかつ前記厚み方向第1外層部および前記厚み方向第2外層部の間に位置する厚み方向内層部とに区分され、
    前記長さ方向において、前記素体は、前記第1引出し部に該当する部分の導電体層およびセラミック誘電体層にて構成されかつ前記第1端面を規定する長さ方向第1外層部と、前記第2引出し部に該当する部分の導電体層およびセラミック誘電体層にて構成されかつ前記第2端面を規定する長さ方向第2外層部と、前記積層部を含みかつ前記長さ方向第1外層部および前記長さ方向第2外層部の間に位置する長さ方向内層部とに区分され、
    前記幅方向において、前記素体は、セラミック誘電体層にて構成されかつ前記第1側面を規定する幅方向第1外層部と、セラミック誘電体層にて構成されかつ前記第2側面を規定する幅方向第2外層部と、前記積層部を含みかつ前記幅方向第1外層部および前記幅方向第2外層部の間に位置する幅方向内層部とに区分され、
    前記厚み方向内層部に含まれる複数の導電体層のうち、前記第1主面に最も近い位置に配置された第1導電体層は、前記厚み方向第1外層部を構成するセラミック誘電体層に隣接し、
    前記厚み方向内層部に含まれる複数の導電体層のうち、前記第2主面に最も近い位置に配置された第2導電体層は、前記厚み方向第2外層部を構成するセラミック誘電体層に隣接し、
    前記厚み方向内層部、前記厚み方向第1外層部および前記厚み方向第2外層部に含まれるセラミック誘電体層の各々は、主成分としてチタン酸バリウムおよび副成分としてSiを含み、
    前記厚み方向第2外層部の前記厚み方向における寸法が、前記厚み方向第1外層部の前記厚み方向における寸法よりも大きく、
    前記厚み方向第2外層部は、前記厚み方向内層部に隣接して位置する内側層と、前記内側層に隣接して位置し、前記第2主面を規定する外側層とを含み、
    前記外側層に含まれるセラミック誘電体層の含有成分におけるTiに対するSiの組成比は、前記内側層に含まれるセラミック誘電体層の含有成分におけるTiに対するSiの組成比よりも高く、
    前記外側層は、前記内側層との境界部において、前記外側層の前記厚み方向における中央部に比較してSiの含有率が高く、
    前記長さ方向第1外層部の前記長さ方向における寸法および前記長さ方向第2外層部の前記長さ方向における寸法が、いずれも前記幅方向第1外層部の前記幅方向における寸法および前記幅方向第2外層部の前記幅方向における寸法よりも大きい、積層セラミックコンデンサ。
  2. 前記長さ方向第1外層部の前記長さ方向における寸法および前記長さ方向第2外層部の前記長さ方向における寸法が、いずれも前記幅方向第1外層部の前記幅方向における寸法および前記幅方向第2外層部の前記幅方向における寸法の1.15倍以上である、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
  3. 前記積層部の前記厚み方向における寸法が、前記積層部の前記幅方向における寸法よりも大きい、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
  4. 前記幅方向第1外層部の前記幅方向における寸法および前記幅方向第2外層部の前記幅方向における寸法が、いずれも前記厚み方向第1外層部の前記厚み方向における寸法よりも大きい、請求項1から3のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
  5. 前記幅方向第1外層部の前記幅方向における寸法および前記幅方向第2外層部の前記幅方向における寸法が、いずれも前記内側層の前記厚み方向における寸法よりも大きい、請求項1から4のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
  6. 前記積層部に含まれる前記複数の導電体層の各々の厚みが、前記積層部に含まれる前記複数のセラミック誘電体層の各々の厚みの0.8倍以下である、請求項1から5のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
  7. 前記厚み方向第1外層部の前記厚み方向における寸法が、40[μm]以下である、請求項1から6のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
  8. 前記素体の前記厚み方向における寸法が、前記素体の前記幅方向における寸法よりも大きい、請求項1から7のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の複数の積層セラミックコンデンサと、
    複数の凹部が間隔を隔てて設けられた長尺状のキャリアテープ、および、前記複数の凹部を塞ぐように前記キャリアテープに貼付けられたカバーテープを含む包装体とを備え、
    前記複数の積層セラミックコンデンサの各々の前記第2主面が前記複数の凹部の各々の底部側を向いた状態となるように、前記複数の積層セラミックコンデンサが前記複数の凹部内にそれぞれ収納されている、積層セラミックコンデンサ連。
  10. 請求項1から8のいずれかに記載の複数の積層セラミックコンデンサと、
    前記積層セラミックコンデンサが実装された被実装体とを備え、
    前記積層セラミックコンデンサの前記第2主面が前記被実装体側を向いた状態となるように、前記積層セラミックコンデンサが前記被実装体に実装されている、積層セラミックコンデンサの実装体。
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