JP2016082033A - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

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博之 和田
康平 島田
Kohei Shimada
康平 島田
健次 高木
Kenji Takagi
健次 高木
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Abstract

【課題】内部電極の積層方向を容易に把握でき、実装後の特性のばらつきを低減する。【解決手段】内層部11mにおいて積層されている一部の誘電体層には、複数の薄膜誘電体層12eおよび少なくとも1つの厚膜誘電体層12fが含まれている。厚膜誘電体層12fは、複数の薄膜誘電体層12eの各々より厚い。積層体11の積層方向における積層体11の厚さの寸法T1は、第1側面115と第2側面116とを最短で結ぶ方向における積層体11の幅の寸法W1より大きい。【選択図】図3

Description

本発明は、積層セラミックコンデンサに関し、特に、大容量の積層セラミックコンデンサに関する。
高容量値を確保しつつ機械的応力破壊によるクラックの発生を抑制することを図った積層セラミックコンデンサを開示した先行文献として、特開平11‐150037号公報(特許文献1)がある。
特許文献1に記載された積層セラミックコンデンサにおいては、複数個のコンデンサ層と、外表面層を形成する最外誘電体層とに加え、コンデンサ層の誘電体層よりも厚みの厚い中間誘電体層をこのコンデンサ層の間に介在させることによりコンデンサ素子が構成されている。
特開平11‐150037号公報
積層セラミックコンデンサは、誘電体層と内部電極とが交互に積層された積層体、および、積層体の両端部に形成された外部電極から構成される。積層セラミックコンデンサは回路基板に実装される際、積層セラミックコンデンサの向きによって、回路基板の実装面と内部電極の積層方向とが平行になる場合と、回路基板の実装面と内部電極の積層方向とが垂直になる場合とがある。このような回路基板の実装面と内部電極との位置関係により、積層セラミックコンデンサに発生する浮遊容量の値が変動し、積層セラミックコンデンサの特性がばらつくことがある。
一般的な積層セラミックコンデンサは、横断面が正方形である直方体状の外形を有しているため、外見から内部電極の積層方向を把握することが難しい。そのため、回路基板の実装面と内部電極との位置関係を一定にして積層セラミックコンデンサを回路基板に実装することは容易ではない。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、内部電極の積層方向を容易に把握でき、実装後の特性のばらつきを低減できる、積層セラミックコンデンサを提供することを目的とする。
本発明に基づく積層セラミックコンデンサは、誘電体層と内部電極とが交互に積層されて構成され、積層方向において互いに反対側に位置する第1主面および第2主面を有する積層体と、積層体の表面の一部に設けられて内部電極と電気的に接続された1対の外部電極とを備える。積層体は、第1主面と第2主面とを結び互いに積層体の反対側に位置する第1端面および第2端面、ならびに、第1主面と第2主面とを結ぶとともに第1端面と第2端面とを結んで互いに積層体の反対側に位置する第1側面および第2側面をさらに有する。積層体は、複数の誘電体層のうち最も第1主面側に位置する誘電体層である第1外層部、複数の誘電体層のうち最も第2主面側に位置する誘電体層である第2外層部、および、第1外層部と第2外層部との間に挟まれた内層部に区分される。内層部にて積層されている誘電体層には、複数の薄膜誘電体層および少なくとも1つの厚膜誘電体層が含まれる。厚膜誘電体層は、複数の薄膜誘電体層の各々より厚い。上記積層方向における積層体の厚さの寸法は、第1側面と第2側面とを最短で結ぶ方向における積層体の幅の寸法より大きい。
本発明の一形態においては、内層部は、上記積層方向から見て、全ての内部電極が重なっている領域である。積層体は、第1側面と第2側面とを最短で結ぶ方向において、内層部と、第1端面と内層部との間に位置する第1マージン部と、第2端面と内層部との間に位置する第2マージン部とから構成されている。上記積層方向において厚膜誘電体層と隣接して厚膜誘電体層を互いの間に挟んでいる少なくとも1対の内部電極は、第1マージン部または第2マージン部にて、それぞれ厚膜誘電体層側とは反対側に向かって湾曲している。
本発明の一形態においては、第2外層部は、第1外層部より厚い。第2外層部は、複数の誘電体層のうち最も第2主面側に位置する誘電体層からなる外側外層部および外側外層部の第1主面側に隣接して位置する誘電体層からなる内側外層部を含む。外側外層部は、第1外層部とは異なる色彩を有する。外側外層部における内側外層部との境界部には、Si、MgおよびAlが偏析している。
本発明の一形態においては、第1外層部を構成する誘電体層の含有成分は、外側外層部を構成する誘電体層の含有成分と比較して、Mnの含有率が高い。
本発明によれば、内部電極の積層方向を容易に把握でき、実装後の積層セラミックコンデンサの特性のばらつきを低減できる。
本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの外観を示す斜視図である。 図1の積層セラミックコンデンサをII−II線矢印方向から見た断面図である。 図1の積層セラミックコンデンサをIII−III線矢印方向から見た断面図である。 図2の積層セラミックコンデンサをIV−IV線矢印方向から見た断面図である。 図2の積層セラミックコンデンサをV−V線矢印方向から見た断面図である。 本発明の実施形態1に係る積層セラミックコンデンサの製造方法を示すフローチャートである。 本発明の実施形態1に係る積層セラミックコンデンサの外側外層が設けられる前の一部積層体を構成する単位シート群の積層構造を示す分解斜視図である。 マザーシート群が圧着されている状態を示す断面図である。 圧着されたマザーシート群と複数の第2のセラミックグリーンシートとを圧着している途中の状態を示す断面図である。 マザー積層体が分断された状態を示す断面図である。 バレル研磨後の積層体の形状を示す断面図である。 積層セラミックコンデンサの断面を走査型電子顕微鏡で観察した拡大像の一例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサについて図を参照して説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
図1は、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの外観を示す斜視図である。図2は、図1の積層セラミックコンデンサをII−II線矢印方向から見た断面図である。図3は、図1の積層セラミックコンデンサをIII−III線矢印方向から見た断面図である。図4は、図2の積層セラミックコンデンサをIV−IV線矢印方向から見た断面図である。図5は、図2の積層セラミックコンデンサをV−V線矢印方向から見た断面図である。図1〜5においては、後述する積層体の長手方向をL、積層体の幅方向をW、積層体の厚さ方向をTで示している。
図1〜5に示すように、本発明の実施形態1に係る積層セラミックコンデンサ10は、積層体11と1対の外部電極14とを備える。積層体11は、誘電体層12と内部電極13とが交互に積層されて構成され、積層方向において互いに反対側に位置する第1主面111および第2主面112を有する。1対の外部電極14は、積層体11の表面の一部に設けられて内部電極13と電気的に接続されている。
誘電体層12と内部電極13との積層方向は、積層体11の長手方向Lおよび積層体11の幅方向Wに対して直交している。すなわち、誘電体層12と内部電極13との積層方向は、積層体11の厚さ方向Tと平行である。
積層体11は、第1主面111と第2主面112とを結び互いに積層体11の反対側に位置する第1端面113および第2端面114、ならびに、第1主面111と第2主面112とを結ぶとともに第1端面113と第2端面114とを結んで互いに積層体11の反対側に位置する第1側面115および第2側面116をさらに有している。第1側面115と第2側面116との最短距離は、第1端面113と第2端面114との最短距離未満である。すなわち、積層体11の幅方向Wの寸法W0は、積層体11の長手方向Lの寸法L0より小さい。積層体11は、直方体状の外形を有するが、角部および稜線部の少なくとも一方に丸みを有していてもよい。
積層体11は、積層体11の積層方向において、複数の内部電極13のうち最も第1主面111側に位置する内部電極13から、複数の内部電極13のうち最も第2主面112側に位置する内部電極13までを含む内層部11mと、内層部11mを互いの間に挟む第1外層部12b1および第2外層部12b2とからなる。
本実施形態においては、複数の誘電体層12は、後述するように互いに含有成分が異なるセラミックグリーンシートから形成された、複数の第1誘電体層12xおよび第2誘電体層12yを含んでいる。ただし、複数の誘電体層12の全てが同一の含有成分のセラミックグリーンシートから形成されていてもよい。
第1外層部12b1は、複数の誘電体層12のうち最も第1主面111側に位置する第1誘電体層12xを含む。第2外層部12b2は、複数の誘電体層12のうち最も第2主面112側に位置する第2誘電体層12yからなる外側外層部12b22および外側外層部12b22の第1主面111側に隣接して位置する第1誘電体層12xからなる内側外層部12b21を含む。ただし、第1外層部12b1の構成は上記に限られず、第1外層部12b1が、複数の誘電体層12のうち最も第1主面111側に位置する第2誘電体層12yからなる外側外層部および外側外層部の第2主面112側に隣接して位置する第1誘電体層12xからなる内側外層部を含んでいてもよい。
内層部11mにおいては、第1誘電体層12xと内部電極13とが交互に積層された状態で、複数の誘電体層12のうちの一部の第1誘電体層12xと全ての内部電極13とが積層されている。すなわち、内層部11mは、全ての内部電極13を含んでいる。全ての内部電極13の各々は、平面視にて略矩形状である。
内層部11mは、積層体11の積層方向から見て、全ての内部電極13が重なっている領域である。積層体11は、積層体11の長手方向Lにおいて、内層部11mと、第1端面113と内層部11mとの間に位置する第1マージン部11n1と、第2端面114と内層部11mとの間に位置する第2マージン部11n2とから構成されている。第1マージン部11n1および第2マージン部11n2の各々においては、内層部11mに比較して、内部電極13の積層数が略半分である。
内層部11mにおいて積層されている一部の第1誘電体層12xには、複数の薄膜誘電体層12eおよび少なくとも1つの厚膜誘電体層12fが含まれている。厚膜誘電体層12fは、複数の薄膜誘電体層12eの各々より厚い。
本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、内層部11mに厚膜誘電体層12fを1つのみ含んでいるが、これに限られず、内層部11mに複数の厚膜誘電体層12fを含んでいてもよい。
内層部11mは、厚膜誘電体層12fより第1主面111側に位置する第1内層部11m1と、厚膜誘電体層12fより第2主面112側に位置する第2内層部11m2と、厚膜誘電体層12fが位置する第3内層部11m3とから構成されている。
1対の外部電極14は、積層体11の長手方向Lの両側に設けられている。具体的には、1対の外部電極14のうちの一方は、積層体11の長手方向Lの第1端面113側に設けられ、1対の外部電極14のうちの他方は、積層体11の長手方向Lの第2端面114側に設けられている。本実施形態においては、1対の外部電極14のうちの一方は、第1端面113から、第1主面111、第2主面112、第1側面115および第2側面116の各々に亘って設けられている。1対の外部電極14のうちの他方は、第2端面114から、第1主面111、第2主面112、第1側面115および第2側面116の各々に亘って設けられている。ただし、1対の外部電極14の配置は上記に限られず、複数の内部電極13の各々と電気的に接続可能、かつ、積層セラミックコンデンサ10が実装可能となるように、積層体11の表面の一部に設けられていればよい。
1対の外部電極14のうちの一方は、複数の内部電極13のうちの一部の内部電極13と、第1端面113にて接続されている。1対の外部電極14のうちの他方は、複数の内部電極13のうちの残部の内部電極13と、第2端面114にて接続されている。一部の内部電極13と残部の内部電極13とは、第1内層部11m1および第2内層部11m2の各々において第1誘電体層12xを間に挟んで互いに対向するように、1層ずつ交互に積層されている。
本実施形態においては、厚膜誘電体層12fは、1対の外部電極14のうちのいずれか一方の同じ外部電極に接続された1対の内部電極13に隣接して挟まれているが、これに限られず、厚膜誘電体層12fが、互いに異なる外部電極に接続された1対の内部電極13に隣接して挟まれていてもよい。
本実施形態においては、積層体11の積層方向において厚膜誘電体層12fと隣接して厚膜誘電体層12fを互いの間に挟んでいる1対の内部電極13は、第1マージン部11n1または第2マージン部11n2にて、それぞれ厚膜誘電体層12f側とは反対側に向かって湾曲している。すなわち、厚膜誘電体層12fの第1主面111側に隣接して位置する内部電極13は、第1マージン部11n1または第2マージン部11n2にて、第1主面111側に向かって湾曲し、厚膜誘電体層12fの第2主面112側に隣接して位置する内部電極13は、第1マージン部11n1または第2マージン部11n2にて、第2主面112側に向かって湾曲している。
図3に示すように、積層体11の積層方向における積層体11の厚さの寸法T0は、第1側面115と第2側面116とを最短で結ぶ方向における積層体11の幅の寸法W0より大きい。
積層体11の積層方向における内層部11mの厚さの寸法T1は、第1側面115と第2側面116とを最短で結ぶ方向である積層体11の幅方向Wにおいて複数の内部電極13が位置する内層部11mの幅の寸法W1より大きい。積層体11の積層方向における内層部11mの厚さの寸法T1は、第1側面115と第2側面116とを最短で結ぶ方向における積層体11の幅の寸法W0より大きい。積層体11の積層方向における内層部11mの厚さの寸法T1は、積層体11の長手方向Lにおける内層部11mの長さの寸法L1より小さい。
本実施形態においては、第2外層部12b2は、第1外層部12b1より厚い。すなわち、第2外層部12b2の厚さの寸法t2は、第1外層部12b1の厚さの寸法t1より大きい。
積層体11の積層方向における積層体11の厚さの寸法T0は、内層部11mの厚さの寸法T1、第1外層部12b1の厚さの寸法t1、および、第2外層部12b2の厚さの寸法t2を足し合わせた寸法である。
厚膜誘電体層12fの厚さの寸法t3は、複数の薄膜誘電体層12eの各々の厚さの寸法t4の2倍以上である。
以下、積層セラミックコンデンサ10の各々の構成について詳細に説明する。
複数の内部電極13の各々を構成する材料としては、Ni、Cu、Ag、Pd、Auなどの金属、または、これらの金属の少なくとも1種を含む合金、たとえばAgとPdとの合金などを用いることができる。複数の内部電極13の各々の厚さは、焼成後において0.3μm以上2.0μm以下であることが好ましい。
1対の外部電極14の各々は、積層体11の両端部を覆うように設けられた下地層と、この下地層を覆うように設けられためっき層とを含む。下地層を構成する材料としては、Ni、Cu、Ag、Pd、Auなどの金属、または、これらの金属の少なくとも1種を含む合金、たとえばAgとPdとの合金などを用いることができる。下地層の厚さは、10.0μm以上50.0μm以下であることが好ましい。
下地層の形成方法としては、焼成後の積層体11の両端部に塗布した導電性ペーストを焼き付け、または、焼成前の積層体11の両端部に塗布した導電性ペーストを内部電極13と同時に焼成してもよい。それ以外にも、下地層の形成方法としては、積層体11の両端部にめっきする、または、積層体11の両端部に塗布した熱硬化性樹脂を含む導電性樹脂を硬化させてもよい。
下地層を導電性樹脂から形成した場合には、積層セラミックコンデンサ10を実装した被実装体が外力を受けて撓んだ際に生ずる外部応力による積層体11への負荷を低減し、積層体11にクラックが発生することを抑制することができる。したがって、第2外層部12b2を厚くしたうえで、導電性樹脂を含む1対の外部電極14を形成することにより、積層体11にクラックが発生することをより一層抑制することができる。
めっき層を構成する材料としては、Sn、Ni、Cu、Ag、Pd、Auなどの金属、または、これらの金属の少なくとも1種を含む合金、たとえばAgとPdとの合金などを用いることができる。
めっき層は、複数の層から構成されていてもよい。この場合、めっき層としては、Niめっき層の上にSnめっき層が形成された2層構造であることが好ましい。Niめっき層は、半田バリア層として機能する。Snめっき層は、半田との濡れ性が良好である。1層当たりのめっき層の厚さは、1.0μm以上10.0μm以下であることが好ましい。
複数の誘電体層12の各々は、ABO3(AはBaを含み、BはTiを含み、Oは酸素)で表されるペロブスカイト型化合物を主成分とする。すなわち、複数の第1誘電体層12xおよび第2誘電体層12yの各々は、ともに主成分としてチタン酸バリウムであるBaTiO3を含む。
また、複数の誘電体層12の各々は、副成分としてSiを含む。主成分である上記のABO3で表されるペロブスカイト型化合物に、ガラスまたはSiO2などのSi化合物が添加されることにより、Siが副成分として含まれる。その他にも、Mn化合物、Mg化合物、Co化合物,Ni化合物、Al化合物または希土類化合物などが、主成分である上記のABO3で表されるペロブスカイト型化合物に添加されていてもよい。
外側外層部12b22を構成する第2誘電体層12yの含有成分は、内層部11mに含まれる一部の第1誘電体層12x、第1外層部12b1を構成する第1誘電体層12x、および、内側外層部12b21を構成する第1誘電体層12xの各々の含有成分と比較して、Tiに対するSiの組成比が高い。組成比は、Siに限らず、モル比として表すことができる。以下の説明においては、組成比をモル比と記載する。複数の誘電体層12の各々におけるTiに対するSiのモル比は、波長分散型X線分析装置:WDX(wavelength-dispersive X-ray spectrometer)を用いて測定することができる。
外側外層部12b22を構成する第2誘電体層12yの含有成分におけるTiに対するSiのモル比は、1.3mol%以上3.0mol%以下であることが好ましい。外側外層部12b22を構成する第2誘電体層12yの含有成分におけるTiに対するSiのモル比が、1.3mol%未満である場合、または、3.0mol%より高い場合は、外側外層部12b22の信頼性が低下するおそれがある。
外側外層部12b22を構成する第2誘電体層12yの含有成分におけるTiに対するSiのモル比は、内側外層部12b21を構成する第1誘電体層12xの含有成分におけるTiに対するSiのモル比より、0.3mol%以上高いことが好ましく、0.8mol%以上高いことがさらに好ましい。
外側外層部12b22における内側外層部12b21との境界部12zは、外側外層部12b22の中央部12mに比較してSiの含有率が高い。また、外側外層部12b22における第2主面112側の表層部12sは、外側外層部12b22の中央部12mに比較してSiの含有率が高い。なお、外側外層部12b22においてSiの含有率が高い、境界部12zおよび表層部12sの各々は、電界放出型波長分散X線分光器:FE−WDX(field emission wavelength-dispersive X-ray spectrometer)を用いて作成した元素マッピングにより確認することができる。
外側外層部12b22は、第1外層部12b1とは異なる色彩を有する。本実施形態においては、第1外層部12b1を構成する第1誘電体層12xの含有成分が、外側外層部12b22を構成する第2誘電体層12yの含有成分と比較して、Mnの含有率が高い。そのため、後述するように、外側外層部12b22の色彩が、第1外層部12b1の色彩に比較して明るくなる。ただし、色彩の違いはMnの含有率によるものに限られず、外側外層部12b22を構成する第2誘電体層12y、および、第1外層部12b1を構成する第1誘電体層12xの少なくとも一方が、顔料を含むことにより、外側外層部12b22と第1外層部12b1との色彩が異なっていてもよい。
本実施形態においては、外側外層部12b22における内側外層部12b21との境界部12zには、Si、MgおよびAlが偏析している。また、外側外層部12b22における内側外層部12b21との境界部12zは、積層体11の長手方向Lにおいて、第1および第2マージン部11n1,11n2に対応する位置に、内側外層部12b21側に突出した湾曲部12zwを有する。
以下、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ10の製造方法について説明する。
図6は、本発明の実施形態1に係る積層セラミックコンデンサの製造方法を示すフローチャートである。なお、以下に示す積層セラミックコンデンサの製造方法は、製造過程の途中段階まで一括して加工処理を行なうことでマザー積層体を作製し、その後にマザー積層体を分断して個片化し、個片化後の軟質積層体にさらに加工処理を施すことによって複数の積層セラミックコンデンサ10を同時に大量に生産する方法である。
図6に示すように、積層セラミックコンデンサ10を製造する際には、まず、第1のセラミックスラリーの調製が行なわれる(工程S11)。具体的には、セラミックス粉末、バインダーおよび溶剤などが所定の配合比率で混合され、これにより第1のセラミックスラリーが形成される。
次に、第1のセラミックグリーンシートが形成される(工程S12)。具体的には、第1のセラミックスラリーがキャリアフィルム上においてダイコータ、グラビアコーター、または、マイクログラビアコータなどを用いてシート状に成形されることにより、第1のセラミックグリーンシートが製作される。
次に、マザーシートが形成される(工程S13)。具体的には、第1のセラミックグリーンシートに導電性ペーストが所定のパターンを有するようにスクリーン印刷法またはグラビア印刷法などを用いて印刷されることにより、第1のセラミックグリーンシート上に所定の導電パターンが設けられたマザーシートが形成される。
ここで、製作されるマザーシートについて説明する。図7は、本発明の実施形態1に係る積層セラミックコンデンサの外側外層が設けられる前の一部積層体を構成する単位シート群の積層構造を示す分解斜視図である。
図7に示すように、一部積層体11pは、構成の異なる複数の単位シート120a,130a,130bからなる単位シート群を材料として製作され、より詳細には、これら構成の異なる複数の単位シート120a,130a,130bが所定の順番で積層されて圧着および焼成されることによって製作される。
単位シート120aは、その表面に導電パターンが形成されていないセラミック基材12xrのみからなるものである。単位シート120aは、焼成後において第1外層部12b1、内側外層部12b21または第3内層部11m3の第1誘電体層12xを構成する部分になる。
単位シート130a,130bは、セラミック基材12xrの表面に所定の形状の導電パターン13rが形成されたものである。単位シート130a,130bのうちの導電パターン13rは、焼成後において第1内層部11m1および第2内層部11m2の各々の内部電極13を構成する部分になる。また、単位シート130a,130bのうちのセラミック基材12xrは、焼成後において第1内層部11m1および第2内層部11m2の各々の第1誘電体層12xを構成する部分になる。ただし、複数の単位シート130a,130bのうち最も下側に積層された単位シート130a,130bのうちのセラミック基材12xrは、焼成後において第1外層部12b1または内側外層部12b21の第1誘電体層12xを構成する部分になる。
マザーシートは、図7において示した単位シート130a,130bの各々について、その各々の単位シートを単位ユニットとして同形状の単位シートが平面的にマトリックス状に並ぶように複数配置されたレイアウトを有するものである。
なお、単位シート130aと単位シート130bとは同形状であるため、これらを含むマザーシートとしては、同一の導電パターンを有するものが使用でき、後述するマザーシートの積層工程において同一の導電パターンを有するマザーシートを半ピッチずつずらして積層することにより、図7において示した単位シート130a,130bの積層構造を得ることができる。
なお、マザーシートとしては、導電パターン13rを有するマザーシートの他に、上記工程S13を経ることなく製作された第1のセラミックグリーンシートも準備される。
次に、マザーシートが積層される(工程S14)。具体的には、複数のマザーシートが所定のルールに従って積層されることにより、積層後のマザーシート群の内部において、上記の単位ユニットが、それぞれ積層方向において図7において示した積層構造を有するように配置される。
次に、マザーシート群が圧着される(工程S15)。図8は、マザーシート群が圧着されている状態を示す断面図である。図8においては、2つの一部積層体11pに相当する部分のみ図示している。図8に示すように、本実施形態においては、第1外層部12b1を構成する複数のマザーシート、内層部11mを構成する複数のマザーシート、および、内側外層部12b21を構成する複数のマザーシートが、この順で積層されて、マザーシート群が構成されている。
ベース90の上面に取り付けられたラバー93上に載置されたマザーシート群は、内側外層部12b21を構成するマザーシート側から、平板金型91および平板金型91の下面に取り付けられたラバー93が矢印92で示すようにマザーシート群の積層方向に沿って押し付けられることにより、加圧されて圧着される。
マザーシート群においては、内層部11mに相当する位置の積層密度が、第1および第2マージン部11n1,11n2に相当する位置の積層密度より密である。そのため、マザーシート群に押し付けられたラバー93は、図8中の点線93sで示すように、内層部11mに対応する位置から第1および第2マージン部11n1,11n2に対応する位置に向けて流動変形して第3内層部11m3側に凸状に膨出し、マザーシート群の第1および第2マージン部11n1,11n2に相当する位置のマザーシート同士を圧着して密着させる。
すなわち、ベース90の上面に取り付けられたラバー93は、第1および第2マージン部11n1,11n2に対応する位置において上側に凸状に膨出し、平板金型91の下面に取り付けられたラバー93は、第1および第2マージン部11n1,11n2に対応する位置において下側に凸状に膨出する。
これにより、第1外層部12b1側に位置する導電パターン13rは、第1および第2マージン部11n1,11n2に対応する位置において上側(第3内層部11m3側)に凸状に湾曲する。内側外層部12b21側に位置する導電パターン13rは、第1および第2マージン部11n1,11n2に対応する位置において下側(第3内層部11m3側)に凸状に湾曲する。
このとき、第3内層部11m3を構成する複数のマザーシートのセラミック基材12xrは、第1内層部11m1を構成するマザーシートと第2内層部11m2を構成する複数のマザーシートとに挟まれて、内層部11mに対応する位置から第1および第2マージン部11n1,11n2に対応する位置に向けて流動変形する。
これにより、第3内層部11m3に隣接して位置する導電パターン13rは、第1および第2マージン部11n1,11n2に対応する位置において第3内層部11m3から離れる方向に凸状に湾曲する。
すなわち、第1内層部11m1を構成する複数のマザーシートにおいて、第3内層部11m3に隣接して位置する導電パターン13rは、第1および第2マージン部11n1,11n2に対応する位置において下側(第3内層部11m3から離れる方向)に凸状に湾曲する。第2内層部11m2を構成する複数のマザーシートにおいて、第3内層部11m3に隣接して位置する導電パターン13rは、第1および第2マージン部11n1,11n2に対応する位置において上側(第3内層部11m3から離れる方向)に凸状に湾曲する。
図9は、圧着されたマザーシート群と複数の第2のセラミックグリーンシートとを圧着している途中の状態を示す断面図である。図9においては、2つの軟質積層体11qに相当する部分のみ図示している。図9に示すように、圧着されたマザーシート群と複数の第2のセラミックグリーンシートとは、外側外層部12b22を構成するマザーシート側から、平板金型91を矢印92で示すようにマザーシート群の積層方向に沿って押し付けられることにより、加圧されて圧着される。これにより、マザー積層体が作製される。
図10は、マザー積層体が分断された状態を示す断面図である。図10においては、2つの軟質積層体11qに相当する部分のみ図示している。図10に示すように、複数の第2のセラミックグリーンシートは、圧着されたマザーシート群の上面の形状に倣って、内層部11mに対応する位置から第1および第2マージン部11n1,11n2に対応する位置に向けて流動変形して、第1および第2マージン部11n1,11n2に対応する位置において下側に凸状に膨出している。
そのため、外側外層部12b22における内側外層部12b21との境界部12zは、積層体11の長手方向Lにおいて、第1および第2マージン部11n1,11n2に対応する位置に、内側外層部12b21側に突出した湾曲部12zwを有する。
次に、マザー積層体が分断される(工程S25)。具体的には、押し切りまたはダイシングによってマザー積層体が行列状に分断され、これにより軟質積層体11qの切り出しが行なわれる。
次に、軟質積層体11qの焼成が行なわれる(工程S26)。具体的には、切り出された軟質積層体11qが所定の温度に加熱され、これによりセラミック誘電体材料および導電体材料が焼成される。焼成温度は、セラミック誘電体材料および導電体材料の種類に応じて適宜設定され、たとえば、900℃以上1300℃以下の範囲内で設定される。
次に、軟質積層体11qのバレル研磨が行なわれる(工程S27)。具体的には、焼成後の軟質積層体11qが、バレルと呼ばれる小箱内にセラミック材料よりも硬度の高いメディアボールとともに封入され、当該バレルを回転させることにより、軟質積層体11qの研磨が行なわれる。
図11は、バレル研磨後の積層体の形状を示す断面図である。図11に示すように、積層体11は、外表面(特に角部および稜線部)に曲面状の丸みがもたされている。
次に、外部電極が形成される(工程S28)。具体的には、積層体11の第1端面113を含む部分の端部および第2端面114を含む部分の端部に導電性ペーストが塗布されることで金属膜が形成され、金属膜が焼成された後に当該金属膜にNiめっき、Snめっきが順に施されることにより、積層体11の外表面上に1対の外部電極14が形成される。
上記の一連の工程を経ることにより、図1〜5に示した構造を有する積層セラミックコンデンサ10が製造される。
本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ10においては、積層体11の積層方向における積層体11の厚さの寸法T0は、第1側面115と第2側面116とを最短で結ぶ方向における積層体11の幅の寸法W0より大きい。また、誘電体層12と内部電極13との積層方向は、積層体11の厚さ方向Tと平行である。
よって、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、外見から内部電極13の積層方向を容易に把握できる。従って、回路基板の実装面と内部電極13との位置関係を一定にして積層セラミックコンデンサ10を回路基板に容易に実装することができる。その結果、実装後の積層セラミックコンデンサ10の特性のばらつきを低減できる。
本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ10においては、内層部11mが、厚膜誘電体層12fからなる第3内層部11m3を含むため、第1内層部11m1および第2内層部11m2の各々の電歪による積層体11の歪みを抑制することができる。
具体的には、積層セラミックコンデンサ10に交流電圧または交流成分が重畳された直流電圧が印加された場合、第1内層部11m1および第2内層部11m2に電歪が生ずる。交流電圧または交流成分の周期に合わせて電歪が繰り返し発生することにより、第1内層部11m1および第2内層部11m2を振動源とする振動が発生する。
厚膜誘電体層12fにおいては電歪がほとんど生じないため、内層部11mが第3内層部11m3を含むことにより積層体11の歪みを抑制することができる。その結果、電歪により積層体11にクラックが発生することを抑制できる。
本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ10においては、第1および第2マージン部11n1,11n2に位置する第1誘電体層12x同士の密着性を向上することができる。その結果、第1および第2マージン部11n1,11n2に位置する第1誘電体層12xにおいて、クラック(層間剥離)が発生することを抑制することができる。
また、第1外層部12b1側に位置する内部電極13が、第1および第2マージン部11n1,11n2に対応する位置において湾曲していることにより、第1外層部12b1と内層部11mとの境界にてクラック(層間剥離)が発生することをより抑制することができる。
さらに、内側外層部12b21側に位置する内部電極13が、第1および第2マージン部11n1,11n2に対応する位置において湾曲していることにより、内層部11mと第2外層部12b2との境界にてクラック(層間剥離)が発生することをより抑制することができる。
また、厚膜誘電体層12fと隣接して厚膜誘電体層12fを互いの間に挟んでいる1対の内部電極13が、第1マージン部11n1または第2マージン部11n2にて、それぞれ厚膜誘電体層12f側とは反対側に向かって湾曲していることにより、第1内層部11m1と第3内層部11m3との境界、および、第2内層部11m2と第3内層部11m3との境界の各々にて、クラック(層間剥離)が発生することをより抑制することができる。
さらに、外側外層部12b22における内側外層部12b21との境界部12zが、積層体11の幅方向Wにおいて、第1および第2マージン部11n1,11n2に対応する位置に、内側外層部12b21側に突出した湾曲部12zwを有することにより、外側外層部12b22が1対の湾曲部12zwによって内側外層部12b21を挟持するため、後述する外側外層部12b22の熱収縮による収縮力を内側外層部12b21に効果的に作用させることができる。その結果、焼成時の誘電体層および導電体層の熱収縮率の差によって内層部11mと第2外層部12b2との境界に作用する内部応力を効果的に緩和できるため、内層部11mと第2外層部12b2との境界にてクラック(層間剥離)が発生することをより抑制することができる。
本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ10においては、外側外層部12b22を構成する第2誘電体層12yの含有成分が、内層部11mに含まれる一部の第1誘電体層12x、および内側外層部12b21を構成する第1誘電体層12xの各々の含有成分と比較して、Tiに対するSiのモル比が高い。すなわち、外側外層部12b22が内側外層部12b21よりSiを多く含んでいる。Siの含有率の高い誘電体層の方が、焼成時の熱収縮率が大きい。そのため、焼成時の熱収縮率は、外側外層部12b22の方が内側外層部12b21より大きくなる。その結果、外側外層部12b22の熱収縮率は、内層部11mの内部電極13の熱収縮率に近くなる。
よって、積層セラミックコンデンサ10においては、焼成時の誘電体層および内部電極の熱収縮率の差によって内層部11mと第2外層部12b2との境界に作用する内部応力が緩和されるため、内層部11mと第2外層部12b2との境界にてクラック(層間剥離)が発生することを抑制することができる。
外側外層部12b22を構成する第2誘電体層12yの含有成分におけるTiに対するSiのモル比が、内側外層部12b21を構成する第1誘電体層12xの含有成分におけるTiに対するSiのモル比より、0.3mol%以上高いことにより、内層部11mと第2外層部12b2との境界にてクラック(層間剥離)が発生することを効果的に抑制することができ、0.8mol%以上高いことにより、内層部11mと第2外層部12b2との境界にてクラック(層間剥離)が発生することをさらに効果的に抑制することができる。
好ましくは、外側外層部12b22の厚さの寸法が内側外層部12b21の厚さの寸法以上である。これにより、外側外層部12b22の熱収縮による応力緩和効果を内層部11mと第2外層部12b2との境界に及ぼしやすくすることができる。
好ましくは、外側外層部12b22の厚さの寸法t22が30μm以上である。これにより、外側外層部12b22の熱収縮により内側外層部12b21に作用する収縮力を必要値以上確保することができる。
好ましくは、内側外層部12b21の厚さの寸法t21が20μm以上である。これにより、外側外層部12b22が含有するSiが内層部11m内に拡散することを抑制できる。内層部11mのSi含有率が高くなりすぎると、内層部11mに含まれる第1誘電体層12xにて焼成時にセラミック粒子の粒成長が進みすぎ、第1誘電体層12xの耐電圧性が低下する。その結果、内層部11mにて短絡が発生しやすくなる。よって、内側外層部12b21の厚さの寸法t21が20μm以上であることにより、内層部11mに含まれる第1誘電体層12xの耐電圧性を維持して短絡の発生を抑制することができる。
内側外層部12b21の厚さの寸法t21が、第1外層部12b1の厚さの寸法t1以下であってもよい。内側外層部12b21が薄くても、内側外層部12b21の外側に外側外層部12b22が位置しているため、水分が内側外層部12b21を通過して内層部11mに浸入することにより内層部11mにて短絡が発生することを抑制できる。
サイドギャップ12cの最大寸法が、第1外層部12b1の厚さの寸法t1より大きいことが好ましい。第1外層部12b1を薄くした場合には、焼成時の誘電体層および内部電極の熱収縮率の差によって内層部11mと第1外層部12b1との境界に作用する内部応力が緩和されるため、内層部11mと第1外層部12b1との境界にてクラック(層間剥離)が発生することを抑制することができる。
一方、サイドギャップ12cの最大寸法を大きくした場合には、マザーシート群の圧着時に、サイドギャップ12cに位置する複数の第1誘電体層12xに圧力を負荷させやすくなり、サイドギャップ12cに位置する第1誘電体層12x同士の密着性を向上することができる。その結果、サイドギャップ12cに位置する第1誘電体層12xにおいて、クラック(層間剥離)が発生することを抑制することができる。
サイドギャップ12cの平均寸法((W0−W1)/2)が、第1外層部12b1の厚さの寸法t1より大きいことがより好ましい。マザー積層体の分断により互いに隣り合うように分割された2つの積層体において互いに隣接しているサイドギャップ12c同士の和の半分が、サイドギャップ12cの平均寸法((W0−W1)/2)に相当する。したがって、サイドギャップ12cの平均寸法((W0−W1)/2)が、第1外層部12b1の厚さの寸法t1より大きい場合、マザーシート群の圧着時に、サイドギャップ12cに位置する複数の第1誘電体層12xに圧力を負荷させやすくなり、サイドギャップ12cに位置する第1誘電体層12x同士の密着性を向上することができる。その結果、サイドギャップ12cに位置する第1誘電体層12xにおいて、クラック(層間剥離)が発生することを抑制することができる。すなわち、第1側面115側のサイドギャップ12cの寸法と、第2側面116側のサイドギャップ12cの寸法とに差があった場合にも、上記のクラック(層間剥離)の発生の抑制および内層部11mにおける短絡の発生の抑制の両方の効果をより安定して得ることができる。
サイドギャップ12cの最大寸法が、内側外層部12b21の厚さの寸法t21より大きいことが好ましい。内側外層部12b21を薄くした場合には、外側外層部12b22の熱収縮による収縮力を内側外層部12b21に作用させやすくすることができるため、焼成時の誘電体層および内部電極の熱収縮率の差によって内層部11mと内側外層部12b21との境界に作用する内部応力を効果的に緩和して、内層部11mと第2外層部12b2との境界にてクラック(層間剥離)が発生することを抑制することができる。
サイドギャップ12cの最大寸法または平均寸法((W0−W1)/2)が、30μmより大きく、かつ、90μm未満であることがさらに好ましい。サイドギャップ12cの最大寸法または平均寸法((W0−W1)/2)が、30μmより大きいことにより、内層部11mと内側外層部12b21との境界にてクラック(層間剥離)が発生することを安定して抑制することができる。サイドギャップ12cの最大寸法または平均寸法((W0−W1)/2)が、90μm以上である場合には、積層セラミックコンデンサ10の静電容量が小さくなりすぎるため好ましくない。すなわち、サイドギャップ12cの最大寸法または平均寸法((W0−W1)/2)が、90μm未満であることにより、積層セラミックコンデンサ10の静電容量を確保することができる。
上記のように、複数の第1誘電体層12xおよび第2誘電体層12yの各々は、ともに主成分としてチタン酸バリウムを含むため、内側外層部12b21と外側外層部12b22との界面における化学結合を密にして、内側外層部12b21と外側外層部12b22との密着性を向上することができる。その結果、内側外層部12b21と外側外層部12b22との境界にてクラック(層間剥離)が発生することを抑制することができる。
上記のように、外側外層部12b22における内側外層部12b21との境界部12zは、外側外層部12b22の中央部12mに比較してSiの含有率が高い。また、外側外層部12b22における第2主面112側の表層部12sは、外側外層部12b22の中央部12mに比較してSiの含有率が高い。
ここで、外側外層部12b22の境界部12zおよび表層部12sの各々において、外側外層部12b22の中央部12mよりSiの含有率を高くする方法について説明する。積層セラミックコンデンサ10の焼成時に、セラミック粒子の粒界からSiが偏析する温度および気体雰囲気にすることで、Si含有率が高い外側外層部12b22においては、セラミック粒子の粒成長が進み、粗大化したセラミック粒子の粒界からSiが偏析する。偏析したSiは、セラミック粒子の粒界に沿って移動して外側外層部12b22の境界部12zおよび表層部12sの各々に集まる。その結果、外側外層部12b22の境界部12zおよび表層部12sの各々において、外側外層部12b22の中央部12mよりSiの含有率が高くなる。
外側外層部12b22における内側外層部12b21との境界部12zが、外側外層部12b22の中央部12mに比較してSiの含有率が高いことにより、外側外層部12b22と内側外層部12b21との密着力を向上することができる。その理由は、上記のようにセラミック粒子の粒界に沿って移動したSiが、外側外層部12b22と内側外層部12b21との界面に多数存在する微小な隙間を埋めて、外側外層部12b22と内側外層部12b21とを結合させるためと考えられる。したがって、内側外層部12b21の形成と外側外層部12b22の形成とを別々に行なうことにより、内側外層部12b21と外側外層部12b22との界面に微小な隙間を生じさせることで、偏析したSiの境界部12zでの濃縮を促すことができ、逆に、外側外層部12b22と内側外層部12b21との密着力の向上を図ることができると考えられる。この現象は、境界部12zに偏析したMgおよびAlにおいても同様に生じる。なお、境界部12zに偏析する元素は、内側外層部12b21のセラミック粒子から偏析した元素であってもよい。
外側外層部12b22における第2主面112側の表層部12sが、外側外層部12b22の中央部12mに比較してSiの含有量が多いことにより、外部電極14の形成時に積層体11の機械的強度が低下することを抑制できる。その理由は、外部電極14の形成時に、外部電極14に含まれるガラス成分が積層体11のセラミック誘電体材料と反応した場合、積層体11の機械的強度が低下する。この場合、積層セラミックコンデンサ10を実装時または実装後に外力を受けた際に、積層体11の中央側における外部電極14との接触部の端部を起点として、積層体11にクラックが発生しやすくなる。外側外層部12b22のSi含有量が多い場合、外部電極14に含まれるガラス成分と積層体11のセラミック誘電体材料とが反応することを抑制できる。その結果、外部電極14の形成時に積層体11の機械的強度が低下することを抑制できる。
複数の誘電体層12の各々において、主成分である上記のABO3で表されるペロブスカイト型化合物に希土類化合物が添加されている場合、内層部11mに含まれる一部の第1誘電体層12x、および内側外層部12b21を構成する第1誘電体層12xの各々の含有成分は、外側外層部12b22を構成する第2誘電体層12yの含有成分と比較して、Tiに対する希土類元素のモル比が高いことが好ましい。すなわち、内層部11mおよび内側外層部12b21が、外側外層部12b22より希土類元素を多く含んでいることが好ましい。
希土類元素としては、Dy、Gd、YまたはLaなどが、積層セラミックコンデンサ10の機能を高めるために添加される。具体的には、希土類元素を添加することにより、積層セラミックコンデンサ10において、容量温度特性の安定化、および、絶縁抵抗の高温負荷寿命の長期化を図ることができる。
しかし、希土類元素は、セラミック粒子の粒界または偏析層に濃縮しやすい傾向を有し、水溶性フラックスに溶出しやすい特性を有する。そのため、積層セラミックコンデンサ10の実装時に半田付けに用いられる水溶性フラックスに含まれるアジピン酸などの有機酸に、希土類元素を含むセラミック成分が溶出することがある。この場合、セラミック成分が溶出して脆化した積層体の外層部にクラックが発生することがある。
そのため、内層部11mに含まれる一部の第1誘電体層12x、および内側外層部12b21を構成する第1誘電体層12xの各々の含有成分におけるTiに対する希土類元素のモル比は、0.3mol%以上、外側外層部12b22を構成する第2誘電体層12yの含有成分におけるTiに対する希土類元素のモル比は、0.3mol%未満であることが好ましい。
内層部11mに含まれる第1誘電体層12xの含有成分におけるTiに対する希土類元素のモル比が0.3mol%以上であることにより、積層セラミックコンデンサ10において、容量温度特性の安定化、および、絶縁抵抗の高温負荷寿命の長期化を図ることができる。
外側外層部12b22を構成する第2誘電体層12yの含有成分におけるTiに対する希土類元素のモル比が0.3mol%未満であることにより、外側外層部12b22からセラミック成分が溶出して外側外層部12b22が脆化することによって外側外層部12b22にクラックが発生することを抑制できる。これらの特徴およびその効果は、希土類元素としてのDyの含有率を種々変えて行なった実験により確認できており、Dyの代わりにGd、YまたはLaを用いた場合の効果も同様に確認できている。
複数の誘電体層12の各々において、主成分である上記のABO3で表されるペロブスカイト型化合物にMn化合物が添加されている場合、内層部11mに含まれる一部の第1誘電体層12x、第1外層部12b1を構成する第1誘電体層12x、および、内側外層部12b21を構成する第1誘電体層12xの各々の含有成分は、外側外層部12b22を構成する第2誘電体層12yの含有成分と比較して、Tiに対するMnのモル比が高いことが好ましい。すなわち、内層部11mおよび内側外層部12b21が、外側外層部12b22よりMnを多く含んでいることが好ましい。
Mnの含有率の少ない誘電体層の方が、色彩が明るくなる。そのため、内層部11m、第1外層部12b1および内側外層部12b21の各々が、外側外層部12b22よりMnを多く含んでいることにより、外側外層部12b22の色彩が、内層部11m、第1外層部12b1および内側外層部12b21の各々の色彩に比較して明るくなる。これにより、積層セラミックコンデンサ10の第1主面111と第2主面112とを視覚的に容易に判別することが可能となる。
よって、撮像カメラなどによって積層セラミックコンデンサ10を観察することにより、積層セラミックコンデンサ10における第1主面111と第2主面112との互いの向きを識別することができるため、積層セラミックコンデンサ10の実装時に、第2主面112が実装面となるように、積層セラミックコンデンサ10の向きを自動的に揃えることが可能となる。
たとえば、内層部11mに含まれる一部の第1誘電体層12x、第1外層部12b1を構成する第1誘電体層12x、および内側外層部12b21を構成する第1誘電体層12xの各々の含有成分におけるTiに対するMnのモル比は、0.08mol%以上、外側外層部12b22を構成する第2誘電体層12yの含有成分におけるTiに対するMnのモル比は、0.08mol%未満であることが好ましい。これらの特徴およびその効果は、Mnの含有率を種々変えて行なった実験により確認できている。さらに、外側外層部12b22を構成する第2誘電体層12yに、チタン酸バリウムよりヤング率の高い材料を含有させることにより、積層セラミックコンデンサ10の曲げ強度を向上することができる。
以下、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ10の実施例および比較例を製造し、それらの特性値を比較した実験例について説明する。
(実験例)
本実験例においては、実施例1〜10および比較例1〜4に係る積層セラミックコンデンサについて実験を行なった。表1は、実施例1〜10および比較例1〜4に係る積層セラミックコンデンサにおける各寸法を示す表である。
Figure 2016082033
まず、実施例1に係るセラミックコンデンサの製造方法について説明し、実施例2〜10および比較例1〜4に係る積層セラミックコンデンサについては、実施例1に係るセラミックコンデンサとの相違点についてのみ後述する。
(実施例1)
まず、BaCO3粉末とTiO2粉末とを、Tiに対するBaの組成比が1.001になるよう秤量し、ZrO2製のボールを使ったボールミルを用いて湿式混合し、得られた混合物を乾燥させた後、解砕した。解砕して得られた粉末を、1000℃の温度で加熱し、平均粒子径が0.16μmのBaTiO3粉末を作製した。
このBaTiO3粉末100モル部に対し、1.0モル部のDy、1.2モル部のMg、0.1モル部のMn、0.5モル部のAl、および、0.4モル部のBaをそれぞれ金属セッケン溶液として添加し、さらに1.5モル部のSiをアルコキシドとして添加し、分散媒をトルエンおよびエチルアルコールの混合系として、ZrO2製のボールを使ったボールミルを用いて湿式混合した。
得られた混合物から分散媒を除去した後、400℃の温度で加熱して有機分を除去し、整粒することにより、基材成分の原料粉末を作製した。この基材成分の原料粉末に、ポリブチラール系のバインダー樹脂および可塑剤を添加し、分散媒をトルエンおよびエチルアルコールの混合系として、ZrO2製のボールを使ったボールミルを用いて湿式混合することにより、第1のセラミックスラリーを調製した。
第1のセラミックスラリーをグラビアコーターを用いてシート成形し、厚さの寸法が1.3μmのセラミックグリーンシートを作製した。作製した複数のセラミックグリーンシートのうちの一部において、セラミックグリーンシート上に、スクリーン印刷法などにより内部電極形成用の導電ペーストを所定のパターンとなるように塗布した。導電ペーストは、金属粉末としてのNi粉末を含んでいる。
このようにして、内部電極13となる導電パターンが形成されたセラミックグリーンシートと、導電パターンが形成されていないセラミックグリーンシートとを用意した。
導電パターンが形成されたセラミックグリーンシートを、導電パターンが偏って位置する側が互い違いになるように交互に234枚積層した。その上に、厚膜誘電体層12fを構成する、導電パターンが形成されていないセラミックグリーンシートを19枚積層した。さらにその上に、厚膜誘電体層12fが、1対の外部電極14のうちのいずれか一方の同じ外部電極14に接続された1対の内部電極13に隣接して挟まれるようになるように、導電パターンが形成されたセラミックグリーンシートを、導電パターンが偏って位置する側が互い違いになるように交互に234枚積層した。これにより内層部11mを構成するセラミックグリーンシート群が積層された。
次に、内層部11mを構成するセラミックグリーンシート群の積層方向の一方側に、導電パターンが形成されていないセラミックグリーンシートを積層厚さが49μmとなるように積層し、他方側に、導電パターンが形成されていないセラミックグリーンシートを積層厚さが256μmとなるように積層することにより、マザー積層体を作製した。
積層体11の長さの寸法が1.68mm、積層体11の幅の寸法が0.95mmとなるように、マザー積層体をカットして分割することにより、複数の直方体状の軟質積層体を作製した。
軟質積層体を、N2の気流中において270℃の温度で加熱してバインダー樹脂を燃焼させた後、N2、H2およびH2Oを含む気流中において、800℃から最高温度である1220℃に達するまで30℃/分の昇温速度となるように加熱し、1220℃で60分間保持することにより焼成した。
軟質積層体をバレル研磨して得られた積層体11の長手方向Lの両端面に内部電極を露出させた。積層体11の長さの寸法は1.68mm、積層体11の幅の寸法は0.95mm、積層体11の厚さの寸法は、1.12mmであった。積層体11の長手方向Lの両端面に銅を主成分とする導電性ペーストを塗布した後、窒素雰囲気中において800℃の温度で加熱することにより、積層体11の長手方向Lの両端面にCuからなる焼結金属層を焼き付けた。
その後、バレルめっき法により焼結金属層上に、Niめっき層を形成した。さらに、バレルめっき法によりNiめっき層上に、Snめっき層を形成した。これにより、積層体11の長手方向Lの両端面に外部電極14を形成した。
上記の工程により、表1に示すように、複数の薄膜誘電体層12eの各々の厚さの寸法t4が1.1μm、厚膜誘電体層12fの厚さの寸法t3が22μmである、実施例1に係る積層セラミックコンデンサ10を作製した。
(実施例2)
実施例2に係る積層セラミックコンデンサは、第1外層部12b1の厚さの寸法t1、および、第2外層部12b2の厚さの寸法t2の各々がともに0.125mmである点のみ、実施例1に係る積層セラミックコンデンサ10と異なる。
(実施例3)
実施例3に係る積層セラミックコンデンサは、厚膜誘電体層12fを2つ有する点が主に、実施例1に係る積層セラミックコンデンサ10と異なる。実施例3に係る積層セラミックコンデンサにおいては、厚膜誘電体層12fが1つ増えた分に対応して、内部電極13の数が減るとともに、内層部11m内において、積層体11の積層方向における内部電極13の配置が略3等分されている。
(実施例4)
実施例4に係る積層セラミックコンデンサは、厚膜誘電体層12fの厚さの寸法t3が15.4μmである点、および、厚膜誘電体層12fを2つ有する点が主に、実施例1に係る積層セラミックコンデンサ10と異なる。実施例4に係る積層セラミックコンデンサにおいては、厚膜誘電体層12fが1つ増えた分から厚膜誘電体層12fの厚さの寸法t3が小さくなった分を差し引いた分に対応して、内部電極13の数が減るとともに、内層部11m内において、積層体11の積層方向における内部電極13の配置が略3等分されている。
(実施例5)
実施例5に係る積層セラミックコンデンサは、第1外層部12b1の厚さの寸法t1、および、第2外層部12b2の厚さの寸法t2の各々がともに0.125mmである点、厚膜誘電体層12fの厚さの寸法t3が15.4μmである点、ならびに、厚膜誘電体層12fを2つ有する点が主に、実施例1に係る積層セラミックコンデンサ10と異なる。実施例5に係る積層セラミックコンデンサにおいては、厚膜誘電体層12fが1つ増えた分から厚膜誘電体層12fの厚さの寸法t3が小さくなった分を差し引いた分に対応して、内部電極13の数が減るとともに、内層部11m内において、積層体11の積層方向における内部電極13の配置が略3等分されている。
(実施例6)
実施例6に係る積層セラミックコンデンサは、厚膜誘電体層12fが、互いに異なる外部電極14に接続された1対の内部電極13に隣接して挟まれている点のみ、実施例1に係る積層セラミックコンデンサ10と異なる。
(実施例7)
実施例7に係る積層セラミックコンデンサは、厚膜誘電体層12fの厚さの寸法t3が2.2μmである点、および、厚膜誘電体層12fを5つ有する点が主に、実施例1に係る積層セラミックコンデンサ10と異なる。実施例7に係る積層セラミックコンデンサにおいては、全ての厚膜誘電体層12fが占める厚さが小さくなった分に対応して、内部電極13の数が増えるとともに、内層部11m内において、積層体11の積層方向における内部電極13の配置が略6等分されている。
(実施例8)
実施例8に係る積層セラミックコンデンサは、複数の薄膜誘電体層12eの各々の厚さの寸法t4が0.8μmである点が主に、実施例1に係る積層セラミックコンデンサ10と異なる。実施例8に係る積層セラミックコンデンサにおいては、全ての薄膜誘電体層12eが占める厚さが小さくなった分に対応して、内部電極13の数が増えている。
(実施例9)
実施例9に係る積層セラミックコンデンサは、第2外層部12b2下記の第2のセラミックスラリーから形成されたセラミックグリーンシートで構成される外側外層部12b22を含む点のみ、実施例1に係る積層セラミックコンデンサ10と異なる。外側外層部12b22の厚さの寸法t22は、0.07mmとした。
(実施例10)
実施例10に係る積層セラミックコンデンサは、第1外層部12b1の厚さの寸法t1が0.21mm、および、第2外層部12b2の厚さの寸法t2が0.04mmである点、ならびに、第2外層部12b2下記の第2のセラミックスラリーから形成されたセラミックグリーンシートで構成される外側外層部12b22を含む点のみ、実施例1に係る積層セラミックコンデンサ10と異なる。外側外層部12b22の厚さの寸法t22は、0.025mmとした。
(第2のセラミックスラリーの調整)
まず、BaCO3粉末とTiO2粉末とを、Tiに対するBaの組成比が1.001になるよう秤量し、ZrO2製のボールを使ったボールミルを用いて湿式混合し、得られた混合物を乾燥させた後、解砕した。解砕して得られた粉末を、1000℃の温度で加熱し、平均粒子径が0.16μmのBaTiO3粉末を作製した。
このBaTiO3粉末100モル部に対し、0.8モル部のMgCO3、0.4モル部のBaCO3、および、1.8モル部のSiO2を添加し、分散媒を純水として、ZrO2製のボールを使ったボールミルを用いて湿式混合した。
得られた混合物から分散媒を除去した後、整粒することにより、基材成分の原料粉末を作製した。この基材成分の原料粉末に、ポリブチラール系のバインダー樹脂および可塑剤を添加し、分散媒をトルエンおよびエチルアルコールの混合系として、ZrO2製のボールを使ったボールミルを用いて湿式混合することにより、第2のセラミックスラリーを調製した。
(比較例1)
比較例1に係る積層セラミックコンデンサは、積層体11の厚さの寸法が0.95mmである点、および、厚膜誘電体層12fが設けられていない点が主に、実施例1に係る積層セラミックコンデンサ10と異なる。比較例1に係る積層セラミックコンデンサにおいては、積層体11の厚さの寸法が小さくなった分だけ、第2外層部12b2の厚さの寸法t2が小さくなるとともに、厚膜誘電体層12fが無くなった分に対応して、内部電極13の数が増えている。
(比較例2)
比較例2に係る積層セラミックコンデンサは、積層体11の厚さの寸法が0.95mmである点が主に、実施例1に係る積層セラミックコンデンサ10と異なる。比較例2に係る積層セラミックコンデンサにおいては、積層体11の厚さの寸法が小さくなった分だけ、第2外層部12b2の厚さの寸法t2が小さくなっている。
(比較例3)
比較例3に係る積層セラミックコンデンサは、厚膜誘電体層12fが設けられていない点が主に、実施例1に係る積層セラミックコンデンサ10と異なる。比較例3に係る積層セラミックコンデンサにおいては、厚膜誘電体層12fが無くなった分に対応して、内部電極13の数が増えている。
(比較例4)
比較例4に係る積層セラミックコンデンサは、厚膜誘電体層12fの代わりに薄膜誘電体層12eより薄い超薄膜誘電体層が設けられている点が主に、実施例1に係る積層セラミックコンデンサ10と異なる。超薄膜誘電体層の厚さの寸法は、0.8μmとした。
(評価条件)
上記のように作製した実施例1〜10および比較例1〜4に係る積層セラミックコンデンサについて、電歪によるクラックの発生、および、曲げ強度について評価した。
電歪によるクラックの発生の評価においては、実施例1〜10および比較例1〜4に係る積層セラミックコンデンサの各々に、室温にて、パルス状でそのピークが80Vになる電圧を、極性を反転させながら印加する試験を行なった。
電歪によるクラックの発生の評価においては、14種類の積層セラミックコンデンサをそれぞれ20個作製し、20個中1つでもクラックの発生が認められた積層セラミックコンデンサがあった場合にはbad、20個全ての積層セラミックコンデンサにおいてクラックの発生が認められなかった場合にはgoodと評価した。クラックの発生の有無は、積層体の中心を通るLT断面を研磨により露出させ、露出断面を光学顕微鏡にて観察することにより確認した。
曲げ強度の評価においては、積層セラミックコンデンサの長手方向Lの中央部で、JIS規格(JIS R 1601)に準じた曲げ試験を行なった。
積層体11の厚さの寸法が1.12mmで、積層体11の幅の寸法が0.95mmである、実施例1〜10および比較例3,4の各々の積層セラミックコンデンサにおいては、外観から内部電極13の積層方向を容易に把握できるため、試験基板と内部電極13の積層方向とが垂直になるように、試験基板上に積層セラミックコンデンサを配置した。
第2外層部12b2が外側外層部12b22を含む実施例9,10の各々の積層セラミックコンデンサにおいては、外側外層部12b22が白っぽい色で、他の部分が薄茶色であるため、外観から容易に第2主面112を把握することができる。これを利用して、実施例9の積層セラミックコンデンサにおいては、試験基板と第2主面112とが対向するように、試験基板上に積層セラミックコンデンサを配置した。実施例10の積層セラミックコンデンサにおいては、試験基板と第1主面111とが対向するように、試験基板上に積層セラミックコンデンサを配置した。
比較例1,2の各々の積層セラミックコンデンサにおいては、積層体11の厚さの寸法と幅の寸法とが同一であるため、外観から内部電極13の積層方向を把握できない。そのため、試験基板と内部電極13の積層方向との関係を一定にすることなく、試験基板上に積層セラミックコンデンサを配置した。
曲げ強度の評価においては、14種類の積層セラミックコンデンサをそれぞれ20個作製し、20個の積層セラミックコンデンサの曲げ強度の平均値が、25N/mm2未満である場合にはbad、25N/mm2以上である場合にはgoodと評価した。
(評価結果)
表2は、実施例1〜10および比較例1〜4に係る積層セラミックコンデンサにおける特性値および評価結果を示す表である。
Figure 2016082033
表2に示すように、厚膜誘電体層12fが設けられた実施例1〜10および比較例2の積層セラミックコンデンサにおいては、電歪によるクラックの発生は認められなかった。一方、厚膜誘電体層12fが設けられていない比較例1,3,4の積層セラミックコンデンサにおいては、電歪によるクラックの発生が認められた。このことから、厚膜誘電体層12fが電歪によるクラックの発生を抑制する機能を有することが確認できた。
試験基板と内部電極13の積層方向とが垂直になるように、試験基板上に積層セラミックコンデンサを配置した、実施例1〜10および比較例3,4の積層セラミックコンデンサにおいては、曲げ強度の平均値が25N/mm2以上であった。一方、試験基板と内部電極13の積層方向との関係を一定にすることなく、試験基板上に積層セラミックコンデンサを配置した、比較例1,2の積層セラミックコンデンサにおいては、曲げ強度の平均値が25N/mm2未満であった。このことから、試験基板と内部電極13の積層方向とが垂直になるように、試験基板上に積層セラミックコンデンサを配置することにより、積層セラミックコンデンサの曲げ強度のバラツキを低減できることが確認できた。よって、外観から内部電極13の積層方向を把握できることが重要であることが確認できた。
さらに、第2外層部12b2が外側外層部12b22を含む実施例9,10の積層セラミックコンデンサにおいては、20個の積層セラミックコンデンサのうちの80%以上の積層セラミックコンデンサの曲げ強度が、30N/mm2以上であった。
実施例9,10の各々の積層セラミックコンデンサにおいて、積層体11の中心を通るLT断面を研磨により露出させ、露出断面を光学顕微鏡にて観察した結果、外側外層部12b22における内側外層部12b21との境界部12z(厚さが約5μmの範囲)に、球状または棒状で、最大長さが0.5μm以上2.0μm以下の偏析物が確認された。この偏析物の成分を検出下限濃度が約0.1wt%であるフィールドエミッション型電子プローブマイクロアナライザで調べたところ、主としてSi、MgおよびAlであることが分かった。
このことから、外側外層部12b22を設けることにより、外側外層部12b22における内側外層部12b21との境界部12zに偏析物が濃縮され、外側外層部12b22と内側外層部12b21との密着力が向上して、積層セラミックコンデンサの曲げ強度が増加したと考えられる。
以下、積層セラミックコンデンサの誘電体層および内部電極の厚さの測定方法について説明する。図12は、積層セラミックコンデンサの断面を走査型電子顕微鏡で観察した拡大像の一例を示す図である。図12においては、積層セラミックコンデンサにて埋め込み樹脂9と接している第2主面112側の一部を図示している。
積層セラミックコンデンサの誘電体層および内部電極の厚さを測定する際には、まず、図12に示すように、積層セラミックコンデンサの断面を走査型電子顕微鏡で観察した拡大像において、積層体の積層方向に延びてかつ積層体の中心を通る直線Lcを引く。次に、直線Lcと平行な複数の直線を等間隔(ピッチS)に引く。ピッチSは、測定しようとする誘電体層または内部電極の厚さの5倍〜10倍程度で決めればよく、たとえば、厚さが1μmの誘電体層を測る場合には、ピッチS=5μmとする。また、直線Lcの両側に同じ本数の直線を引く。すなわち、直線Lcを合わせて奇数本の直線を引く。図12においては、直線La〜直線Leまでの5本の直線を図示している。
次に、直線La〜直線Leの各直線上において、誘電体層および内部電極の厚さを測定する。ただし、直線La〜直線Leの各直線上において、内部電極が欠損して、この内部電極を挟む誘電体層同士が繋がっている場合、または、測定位置の拡大像が不明瞭である場合は、さらに直線Lcから離れた直線上において、厚さまたは距離を測定する。
たとえば、誘電体層12の厚さを測定する際には、図12に示すように、直線La上の厚さD1、直線Lb上の厚さD2、直線Lc上の厚さD3、直線Ld上の厚さD4、および、直線Le上の厚さD5を測定し、これらの平均値を誘電体層12の厚さとする。
たとえば、内層部11mの複数の誘電体層12の平均厚さを算出する際には、内層部11mの厚さ方向Tの略中央に位置する誘電体層12とその両側にそれぞれ位置する2層ずつの誘電体層12とを合わせた5層の誘電体層12の各々について上記の方法により厚さを測定し、その平均値を内層部11mの複数の誘電体層12の平均厚さとする。
なお、誘電体層12の積層数が5層未満である場合には、全ての誘電体層12について上記の方法により厚さを測定し、その平均値を複数の誘電体層12の平均厚さとする。
サイドギャップ12cの長さの寸法の測定方法としては、積層体11の中心を通るWT断面を研磨により露出させ、露出断面を光学顕微鏡にて観察し、最も長いサイドギャップ12cの長さを測定する。
内層部11mの幅の寸法W1の測定方法としては、積層体11の中心を通るWT断面を研磨により露出させ、露出断面を光学顕微鏡にて観察し、最も第1主面111側に位置する内部電極13、最も第2主面112側に位置する内部電極13、および、内層部11mの積層方向の中央の最も近くに位置する内部電極13の各々の幅の寸法を測定し、3つの測定値の平均値を算出して求める。
内層部11mの厚さの寸法T1の測定方法としては、積層体11の中心を通るWT断面を研磨により露出させ、露出断面を光学顕微鏡にて観察し、積層体11の中心を通り、かつ、最も第1主面111側に位置する内部電極13と最も第2主面112側に位置する内部電極13とを最短距離で結ぶ、線分の長さを測定して求める。
第1外層部12b1または第2外層部12b2の厚さの測定方法としては、積層体11の中心を通るWT断面を研磨により露出させ、露出断面を光学顕微鏡にて観察し、積層体11の幅方向Wの中央において第1外層部12b1または第2外層部12b2の厚さを測定する。
第1誘電体層12xまたは第2誘電体層12yの含有成分の組成分析は、ICP(Inductively coupled plasma)発光分光分析または波長分散型X線分析装置(WDX)により行なうことができる。ICP発光分光分析により元素分析する場合は、分析試料を粉末状にした後、酸によって溶解し、溶解液をICP発光分光分析することにより組成を特定する。WDXにより元素分析する場合は、樹脂埋めした積層体を研磨することによってWT断面を露出させ、走査型電子顕微鏡(SEM)に付設されたWDXを用いて組成を特定する。
外側外層部においてSiの含有率が高い内側外層部との境界部は、樹脂埋めした積層体を研磨することによってWT断面を露出させ、走査型電子顕微鏡(SEM)によって露出断面の反射電子像を撮像して観察することにより確認できる。または、走査型電子顕微鏡(SEM)に付設された波長分散型X線分析装置(WDX)を用いて露出断面の元素マッピングを作成し、Siの含有率が高い部分を特定することにより境界部を確認できる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
9 埋め込み樹脂、10 積層セラミックコンデンサ、11 積層体、11m1 第1内層部、11m2 第2内層部、11m3 第3内層部、11m 内層部、11n1 第1マージン部、11n2 第2マージン部、11p 一部積層体、11q 軟質積層体、12 誘電体層、12b1 第1外層部、12b2 第2外層部、12b22 外側外層部、12b21 内側外層部、12c サイドギャップ、12e 薄膜誘電体層、12f 厚膜誘電体層、12m 中央部、12s 表層部、12x 第1誘電体層、12xr セラミック基材、12y 第2誘電体層、12z 境界部、12zw 湾曲部、13 内部電極、13r 導電パターン、14 外部電極、90 ベース、91 平板金型、93 ラバー、111 第1主面、112 第2主面、113 第1端面、114 第2端面、115 第1側面、116 第2側面、120a,130a,130b 単位シート、L 長手方向、T 厚さ方向、W 幅方向。

Claims (4)

  1. 誘電体層と内部電極とが交互に積層されて構成され、積層方向において互いに反対側に位置する第1主面および第2主面を有する積層体と、
    前記積層体の表面の一部に設けられて前記内部電極と電気的に接続された1対の外部電極とを備え、
    前記積層体は、前記第1主面と前記第2主面とを結び互いに前記積層体の反対側に位置する第1端面および第2端面、ならびに、前記第1主面と前記第2主面とを結ぶとともに前記第1端面と前記第2端面とを結んで互いに前記積層体の反対側に位置する第1側面および第2側面をさらに有し、
    前記積層体は、複数の前記誘電体層のうち最も第1主面側に位置する誘電体層である第1外層部、複数の前記誘電体層のうち最も第2主面側に位置する誘電体層である第2外層部、および、該第1外層部と該第2外層部との間に挟まれた内層部に区分され、
    前記内層部にて積層されている誘電体層には、複数の薄膜誘電体層および少なくとも1つの厚膜誘電体層が含まれ、
    前記厚膜誘電体層は、複数の前記薄膜誘電体層の各々より厚く、
    前記積層方向における前記積層体の厚さの寸法は、前記第1側面と前記第2側面とを最短で結ぶ方向における前記積層体の幅の寸法より大きい、積層セラミックコンデンサ。
  2. 前記内層部は、前記積層方向から見て、全ての前記内部電極が重なっている領域であり、
    前記積層体は、前記第1側面と前記第2側面とを最短で結ぶ方向において、前記内層部と、前記第1端面と前記内層部との間に位置する第1マージン部と、前記第2端面と前記内層部との間に位置する第2マージン部とから構成されており、
    前記積層方向において前記厚膜誘電体層と隣接して前記厚膜誘電体層を互いの間に挟んでいる少なくとも1対の内部電極は、前記第1マージン部または前記第2マージン部にて、それぞれ厚膜誘電体層側とは反対側に向かって湾曲している、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
  3. 前記第2外層部は、前記第1外層部より厚く、
    前記第2外層部は、複数の前記誘電体層のうち最も第2主面側に位置する前記誘電体層からなる外側外層部および該外側外層部の第1主面側に隣接して位置する誘電体層からなる内側外層部を含み、
    前記外側外層部は、前記第1外層部とは異なる色彩を有し、
    前記外側外層部における前記内側外層部との境界部には、Si、MgおよびAlが偏析している、請求項1または2に記載の積層セラミックコンデンサ。
  4. 前記第1外層部を構成する誘電体層の含有成分は、前記外側外層部を構成する誘電体層の含有成分と比較して、Mnの含有率が高い、請求項3に記載の積層セラミックコンデンサ。
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