JP2014210374A - サーマルプリントヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ボンディングワイヤーを封止する樹脂突出高さを低減する。【解決手段】サーマルプリントヘッド10に、放熱板30とヘッド基板20と回路基板40とねじ70とを備える。ヘッド基板20は、長方形の絶縁基板の表面に間隔を置いて配列された発熱抵抗体26とそれぞれの発熱抵抗体26の両端部に接続された電極とを有して放熱板30に載置される。回路基板40は、ヘッド基板20と長辺同士が対向するように放熱板30に載置される。ヘッド基板20と回路基板40との間には、発熱抵抗体26と回路基板40とを電気的に接続する複数のボンディングワイヤー44が架け渡される。ボンディングワイヤー44などは、熱硬化性の封止樹脂48で封止される。ねじ70は、主走査方向の複数の位置で放熱板30の側面にねじ込まれて、ヘッド基板20を回路基板40側に押し込む。【選択図】図1

Description

本発明は、サーマルプリントヘッドおよびその製造方法に関する。
近年、サーマルプリントヘッドは、ビデオプリンターやイメージャー、シールプリンターなどの出力用デバイスとして注目されている。サーマルプリントヘッドは、保温層を有する支持基体上に配列された発熱抵抗体を発熱させることによって、感熱紙や、製版フィルム印画紙、メディアなどに記録を行うものである。サーマルプリントヘッドに関して、低騒音、低ランニングコストなどの利点から、様々な開発が行われている。
サーマルプリントヘッドの支持基体は、たとえばアルミナなどのセラミック基板上に、保温層としてグレーズ層を形成したものである。この支持基体の表面に抵抗体層および導電層をスパッタ法などの薄膜形成法によって積層形成し、パターニングプロセスを通すことによって、対となる発熱抵抗体と個別電極とが一線上に形成される。さらに、抵抗体層および導電層の必要部位に保護被膜層をスパッタ法などの薄膜形成法で形成することによって、サーマルプリントヘッドのヘッド基板が形成される。
このヘッド基板と別途製造された回路基板とが放熱板で合体される。ヘッド基板の放熱板への接着には、接着剤による固定、両面テープによる固定などの方法が一般的に用いられる。ヘッド基板、回路基板および放熱板の合体の後、電極に駆動IC(Integrated Circuit)を介して回路基板とボンディングワイヤーで接続される。このボンディングワイヤーを樹脂封止するなどして、サーマルプリントヘッドが完成する。
特開平7−223328号公報
ヘッド基板と回路基板との間に架け渡されるボンディングワイヤーを封止する樹脂は、たとえばエポキシを主材とする熱硬化性の硬質レジンである。一般的に、エポキシを主材とした熱硬化性の硬質レジンを硬化させるには、150℃程度の高温乾燥が必要である。高温条件下において、ヘッド基板と回路基板は各々長手方向に載るように変形する。ヘッド基板および回路基板は異なる素材で形成されているため、熱膨張の違いがある。たとえば回路基板に用いられるガラス・エポキシ銅張積層板のグレードがFR−4の場合、熱膨張率は15.0×10−6/℃(0〜150℃)である。一方、ヘッド基板に用いられるアルミナ96%の絶縁基板の熱膨張率は、7.0×10−6℃(0〜150℃)であり、両者は約2倍程度異なっている。
高温条件下では、ヘッド基板に比べて回路基板の熱変形量は大きくなっている。その状態でヘッド基板と回路基板に跨るように塗布した硬質レジンが硬化する。再び常温にもどったときには、回路基板の方がヘッド基板よりも収縮量が大きいため、ヘッド基板と回路基板の当接部の両端が内側に引き寄せられ、ヘッド基板の中央部が放熱板の長手方向側縁部の方に押し出される現象が生じる。
この現象によって、ヘッド基板に湾曲変形が生じる。ヘッド基板が湾曲した場合、その表面に形成された発熱抵抗体の配列も湾曲する。発熱抵抗体の配列が湾曲すると、発熱抵抗体の配列の両端部あるいは中央部がプラテンローラの中心からずれてしまう。このように発熱抵抗体の配列がプラテンローラの中心からずれてしまうと、プラテンローラの押し付け圧力が弱い部分で印画のかすれが生じ、鮮明な印画が得られなくなる。特に、ヘッド基板の長手方向(主走査方向)長さが大きくなると、このずれが顕著である。
そこで、ヘッド基板に湾曲変形した場合に発熱抵抗体の配列が直線状となるように、予め発熱抵抗体の配列を湾曲させておく方法がある。しかし、この方法では、事前に、熱硬化処理後の発熱抵抗体の配列の各部分での変形量の調査を行って、熱硬化後の発熱抵抗体の配列が直線状となるような発熱抵抗体の配列形状を決定する必要がある。この変形量は、材質、形状によっても異なるため、材質や形状などの設計変更が容易に行えない。
そこで、本発明は、サーマルプリントヘッドのヘッド基板の湾曲を容易に抑制することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明は、サーマルプリントヘッドにおいて、長方形で一方の長辺側の側面に複数のねじ穴が形成された放熱板と、絶縁基板の表面に間隔を置いて配列されたヒータとそれぞれのヒータの両端部に接続された電極とを有して前記放熱板に載置された長方形のヘッド基板と、前記ヘッド基板と長辺同士が対向するように前記放熱板に載置された回路基板と、前記ヘッド基板と前記回路基板との間に架け渡されて前記ヒータのそれぞれと前記回路基板とを電気的に接続する複数のボンディングワイヤーと、前記ヘッド基板および前記回路基板に跨って帯状に延びて前記ボンディングワイヤーを封止する熱硬化性の封止樹脂と、前記ねじ穴にねじ込まれて頭が前記ヘッド基板の側面を前記回路基板側に押す複数ねじと、を具備することを特徴とする。
また、本発明は、サーマルプリントヘッドの製造方法において、長方形の絶縁基板との表面にその絶縁基板の長手方向に間隔を置いて配列された複数のヒータと前記ヒータの両端部に接続された電極とを形成してヘッド基板を得る工程と、前記ヒータを駆動する駆動回路を搭載した回路基板を形成する工程と、長方形で一方の長辺側の側面に複数のねじ穴が形成された放熱板を製造する工程と、前記ヘッド基板および前記回路基板を前記放熱板に載置する工程と、前記ヘッド基板と前記回路基板との間にボンディングワイヤーを架け渡す工程と、前記ボンディングワイヤーを熱硬化性の樹脂で封止する封止工程と、前記封止工程の後に、前記ヒータの配列の位置を測定する測定工程と、前記測定工程の後に、前記ねじ穴に前記ヒータの配列の位置に応じたねじ込み量でねじをねじ込む工程と、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、サーマルプリントヘッドのヘッド基板の湾曲を容易に抑制することができる。
本発明に係るサーマルプリントヘッドの第1の実施の形態の断面図である。 本発明に係るサーマルプリントヘッドの第1の実施の形態の一部切欠き上面図である。 本発明に係るサーマルプリントヘッドの第1の実施の形態を用いたサーマルプリンタの一部の断面図である。 本発明に係るサーマルプリントヘッドの第2の実施の形態の断面図である。
本発明に係るサーマルプリントヘッドのいくつかの実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、これらの実施の形態は単なる例示であり、本発明はこれに限定されない。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明に係るサーマルプリントヘッドの一実施の形態の断面図である。図2は、本実施の形態におけるサーマルプリントヘッドの一部切欠き上面図である。
本実施の形態のサーマルプリントヘッド10は、ヘッド基板20、放熱板30および回路基板40を有している。ヘッド基板20は、長方形板状の絶縁基板22を有している。絶縁基板22は、たとえばアルミナなどのセラミック板21の表面にガラスのグレーズ層25を被着させた、電気絶縁性の平板である。
絶縁基板22の表面には、たとえば絶縁基板22の長辺方向に所定の間隔を置いて短辺方向に延びる抵抗体層23と、その抵抗体層23の表面に形成された金属配線層28とが積層されている。金属配線層28は、絶縁基板22の短辺方向の一部に切欠部が形成されていて、抵抗体層23の金属配線層28と重なり合わない部分が発熱抵抗体26となる。発熱抵抗体26に接続された金属配線層28は、発熱抵抗体26に電流を供給する電極となる。発熱抵抗体26の列は、絶縁基板22の一方の表面に長辺に沿って帯状に延びる発熱領域24を形成している。発熱領域24が延びる方向を主走査方向と呼ぶ。絶縁基板22、発熱抵抗体26および金属配線層28は、保護膜29で被覆されている。保護膜29には、金属配線層28の一部を露出させる開口が形成されている。
発熱抵抗体26を発熱させる駆動回路は、たとえば回路基板40の上に駆動用IC42などによって形成されている。
放熱板30は、たとえばアルミニウムなどの金属で形成された板である。放熱板30の一方の面には、放熱面55および接着面52が形成されている。放熱面55と接着面52との間は、主走査方向に延びる溝53で仕切られている。
放熱面55には、たとえばシリコーン樹脂62が塗布される。接着面52には、一枚の両面テープ61が貼付される。ヘッド基板20および回路基板40は、放熱板30の同じ側の面に対向するように載置される。ヘッド基板20の金属配線層28の一部を露出させる開口が配列された近傍の長辺と、回路基板40の駆動用IC42が配置された近傍の長辺とは、対向するように配置されている。より具体的には、ヘッド基板20は、放熱面55および接着面52を跨いで放熱板30に載置される。回路基板40は、接着面52に載置される。
したがって、ヘッド基板20の発熱領域24の下面と放熱板30との間には、シリコーン樹脂62が介在することになる。また、両面テープ61は、ヘッド基板20と放熱板30との間から回路基板40と放熱板30との間に広がっている。ヘッド基板20および回路基板40は、両面テープ61で放熱板30に固定される。シリコーン樹脂62もヘッド基板20と放熱板30との間の固定にある程度は寄与する。
駆動用IC42と金属配線層28とは、保護膜に形成された開口を通じて、たとえばボンディングワイヤー44によって電気的に接続されている。また、駆動用IC42と回路基板40に形成された配線パターンの間も、たとえばボンディングワイヤー44によって電気的に接続されている。駆動用IC42およびボンディングワイヤー44は、たとえば封止樹脂48によって封止されている。発熱領域24に所定の発熱パターンを形成するための制御信号や駆動電力は、たとえばコネクタを介して回路基板40に入力される。
放熱板30の発熱領域24に近い側の側面には、突出部72と窪み部71が交互に形成されている。窪み部71には、放熱板30の短手方向に延びるねじ穴が形成されている。このねじ穴にはねじ70がねじ込まれている。ねじ70は、放熱板30の長手方向、すなわち主走査方向の複数の位置に設けられている。たとえば400mmの記録幅を持つ場合には、ねじ70を等間隔に5か所にねじ込むようにした。ねじ70の頭は、ヘッド基板20の側面を押している。ねじ70は、放熱板30の側面の窪み部71にねじ込まれているため、窪み部71の両側の突出部72によって保護されることとなる。
図3は、本実施の形態のサーマルプリントヘッドを用いたサーマルプリンタの一部の断面図である。
本実施の形態のサーマルプリントヘッド10を用いたサーマルプリンタは、所定の弾性を持つ材料で円筒状に形成されたプラテンローラ58を有している。このプラテンローラ58は、発熱領域24が延びる方向である主走査方向に平行な直線上に軸59を持つ。また、プラテンローラ58の側面が発熱領域24に接するように配置され、軸59を中心に回転可能に設けられる。
プラテンローラ58の回転によって、プラテンローラ58と発熱領域24との間に挿入された感熱紙などの被印刷体57は、主走査方向に垂直な副走査方向に移動する。プラテンローラ58によって被印刷体57を発熱領域24に押し付けつつ、その被印刷体57を副走査方向に移動させ、発熱領域24の発熱パターンを被印刷体57の移動とともに変化させることにより、所望の画像を媒体上に形成する。
次に、このサーマルプリントヘッドの製造方法について説明する。
まず、ヘッド基板20、放熱板30および回路基板40をそれぞれ製造する。次に、放熱板30の放熱面55に熱硬化性のシリコーン樹脂62を塗布する。また、放熱板30の接着面52に両面テープ61を貼る。
その後、ヘッド基板20の発熱領域24の裏側が放熱面55に対向し、回路基板40との接続部が設けられた側の裏面が接着面52に対向するように、ヘッド基板20を放熱板30に載置する。また、回路基板40を裏面が接着面52に対向するように放熱板30に載置する。
このようにしてヘッド基板20と回路基板40とを放熱板30に固定した後、回路基板40に駆動用IC42を取り付ける。また、駆動用IC42とヘッド基板20との間、および、駆動用IC42と回路基板40上の端子との間をボンディングワイヤー44で結線する。ワイヤーボンディングの後、駆動用IC42およびボンディングワイヤー44を封止樹脂48で封止し、熱硬化させる。
次に、この熱硬化によって生じたヘッド基板20の湾曲を測定する。具体的には、主走査方向の複数の位置で、発熱領域24の位置を測定する。その後、この発熱領域24のたわみ量に応じてねじ70のねじ込み量を決定し、所定の深さまでねじ70をねじ込む。主走査方向の両端部のねじ込み量は小さく、主走査方向の中央部付近のねじ込み量が大きくなる。
主走査方向の中央部付近のねじ70のねじ込み量を相対的に大きくすることにより、ヘッド基板20への押付け力が大きくなり、ヘッド基板20の湾曲が矯正される。その結果、発熱領域24の湾曲が矯正され、発熱領域24の直線性が向上する。その後、コネクタなどの部品をはんだ付けするなどしてサーマルプリントヘッド10が完成する。
このように、本実施の形態によれば、ヘッド基板20の湾曲は、ねじ70のねじ込み量を変えることによって強制できる。つまり、サーマルプリントヘッド10のヘッド基板20の湾曲を容易に抑制することができる。また、この方法では、ヘッド基板20、回路基板40、封止樹脂48の材質や形状を変化させた場合でも、同様に湾曲を矯正することができる。
[第2の実施の形態]
図4は、本発明に係るサーマルプリントヘッドの第2の実施の形態の断面図である。
本実施の形態では、放熱板30にリブ73が設けられている。このリブ73は、放熱板30の長手方向に延びている。リブ73は、放熱板30の本体部とヘッド基板20の反対側の端面部分で結合している。また、リブ73にはねじ70が挿通する貫通孔が形成されている。ねじ70は、この貫通孔を通過し、放熱板30に形成されたねじ穴にねじ込まれる。ねじ70を放熱板30にねじ込むことによって、リブ73が、本体部との結合部分を中心としてヘッド基板20に向かう方向に変形し、ヘッド基板20を回路基板40側に押し込む。
本実施の形態でも、樹脂48の熱硬化によって生じたヘッド基板20の湾曲を測定し、たわみ量に応じてねじ70のねじ込み量を決定し、所定の深さまでねじ70をねじ込む。主走査方向の中央部付近のねじ70のねじ込み量を相対的に大きくすることにより、ヘッド基板20への押付け力が大きくなり、ヘッド基板20の湾曲が矯正される。その結果、発熱領域24の湾曲が矯正され、発熱領域24の直線性が向上する。
このように、本実施の形態によれば、ヘッド基板20の湾曲は、ねじ70のねじ込み量を変えることによって強制できる。つまり、サーマルプリントヘッド10のヘッド基板20の湾曲を容易に抑制することができる。
また、本実施の形態では、ねじ70がヘッド基板20に直接接触していない。このため、ねじ70のねじ込みの際に、ねじ70の頭がヘッド基板に接触しながら回転することがなく、ヘッド基板20に傷が生じる可能性が小さくなる。
10…サーマルプリントヘッド、20…ヘッド基板、21…セラミック板、22…絶縁基板、23…抵抗体層、24…発熱領域、25…グレーズ層、26…発熱抵抗体、28…金属配線層、29…保護膜、30…放熱板、40…回路基板、42…駆動用IC、44…ボンディングワイヤー、48…封止樹脂、49…シリコーン樹脂、52…接着面、53…溝、55…放熱面、57…被印刷体、58…プラテンローラ、59…軸、61…両面テープ、62…シリコーン樹脂、70…ねじ、71…窪み部、72…突出部、73…リブ

Claims (3)

  1. 長方形で一方の長辺側の側面に複数のねじ穴が形成された放熱板と、
    絶縁基板の表面に間隔を置いて配列されたヒータとそれぞれのヒータの両端部に接続された電極とを有して前記放熱板に載置された長方形のヘッド基板と、
    前記ヘッド基板と長辺同士が対向するように前記放熱板に載置された回路基板と、
    前記ヘッド基板と前記回路基板との間に架け渡されて前記ヒータのそれぞれと前記回路基板とを電気的に接続する複数のボンディングワイヤーと、
    前記ヘッド基板および前記回路基板に跨って帯状に延びて前記ボンディングワイヤーを封止する熱硬化性の封止樹脂と、
    前記ねじ穴にねじ込まれて頭が前記ヘッド基板の側面を前記回路基板側に押す複数ねじと、
    を具備することを特徴とするサーマルプリントヘッド。
  2. 前記放熱板は前記長辺側の側面に設けられて前記ねじが挿通する貫通孔が形成されて前記ヘッド基板の側面に接するリブを有することを特徴とする請求項1に記載のサーマルプリントヘッド。
  3. 長方形の絶縁基板との表面にその絶縁基板の長手方向に間隔を置いて配列された複数のヒータと前記ヒータの両端部に接続された電極とを形成してヘッド基板を得る工程と、
    前記ヒータを駆動する駆動回路を搭載した回路基板を形成する工程と、
    長方形で一方の長辺側の側面に複数のねじ穴が形成された放熱板を製造する工程と、
    前記ヘッド基板および前記回路基板を前記放熱板に載置する工程と、
    前記ヘッド基板と前記回路基板との間にボンディングワイヤーを架け渡す工程と、
    前記ボンディングワイヤーを熱硬化性の樹脂で封止する封止工程と、
    前記封止工程の後に、前記ヒータの配列の位置を測定する測定工程と、
    前記測定工程の後に、前記ねじ穴に前記ヒータの配列の位置に応じたねじ込み量でねじをねじ込む工程と、
    を具備することを特徴とするサーマルプリントヘッドの製造方法。

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