JP2014206729A - 位相シフトマスクブランク及びその製造方法、位相シフトマスクの製造方法、並びに表示装置の製造方法 - Google Patents

位相シフトマスクブランク及びその製造方法、位相シフトマスクの製造方法、並びに表示装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ウェットエッチングにより位相効果を有効に発現する断面形状に形成可能な表示装置製造用の位相シフトマスクブランクを提供する。【解決手段】透明基板21と、透明基板21の主表面上に形成された、露光光に含まれる代表波長の光の位相を略180度変える性質を有しかつクロム系材料から構成される光半透過膜22と、この光半透過膜22上に形成された、金属シリサイド系材料から構成されるエッチングマスク膜23とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、ウェットエッチングにより形成される位相シフト膜パターンの断面形状が良好となる位相シフトマスクブランクおよびその製造方法、この位相シフトマスクブランクを用いた位相シフトマスクおよびその製造方法に関する。また、本発明は、表示装置製造用の位相シフトマスクブランクおよびその製造方法、この位相シフトマスクブランクを用いた表示装置製造用の位相シフトマスクの製造方法、並びにこの位相シフトマスクを用いた表示装置の製造方法に関する。
現在、液晶表示装置に採用されている方式として、VA(Vertical alignment)方式やIPS(In Plane Switching)方式がある。これらの方式により、高精細、高速表示性能、広視野角の液晶表示装置の実現が図られている。これらの方式を適用した液晶表示装置では、透明導電膜によるラインアンドスペースパターンで画素電極を形成することによって、応答速度、視野角を改善することができる。最近では、応答速度および視野角の更なる向上や、液晶表示装置の光利用効率の向上、すなわち、液晶表示装置の低消費電力化やコントラスト向上の観点から、ラインアンドスペースパターンのピッチ幅の微細化が求められている。例えば、ラインアンドスペースパターンのピッチ幅を6μmから5μmへ、さらに5μmから4μmへと狭くすることが望まれている。
また、液晶表示装置や有機EL表示装置の製造の際には、必要なパターニングが施された、複数の導電膜や絶縁膜を積層することによってトランジスタなどの素子を形成する。その際、積層される個々の膜のパターニングに、フォトリソグラフィー工程を利用することが多い。例えば、これらの表示装置に用いられる薄膜トランジスタには、フォトリソグラフィー工程によって、絶縁層にコンタクトホールを形成し、上層のパターンと下層のパターンとを接続する構成を有するものがある。最近では、このような表示装置において、明るく、精細な像を、十分な動作速度を持って表示し、かつ、消費電力を低減させるニーズが高まっている。こうした要求を満たすために、表示装置の構成素子を、微細化し、高集積化することが求められている。例えば、コンタクトホールの径を2μmから1.5μmへと小さくすることが望まれている。
このような背景から、ラインアンドスペースパターンやコンタクトホールの微細化に対応できる表示装置製造用のフォトマスクが望まれている。
ラインアンドスペースパターンやコンタクトホールの微細化を実現するに当たり、従来のフォトマスクでは、表示装置製造用の露光機の解度限界が3μmであるため、十分な工程尤度(Process Margin)なしに、解像限界に近い最小線幅の製品を生産しなければならない。このため、表示装置の不良率が高くなる問題があった。
例えば、コンタクトホールを形成するためのホールパターンを有するフォトマスクを使用し、これを被転写体に転写することを考えた場合、直径が3μmを超えるホールパターンであれば従来のフォトマスクで転写することができた。しかしながら、直径が3μm以下のホールパターン、特に、直径が2.5μm以下のホールパターンを転写することは非常に困難であった。直径が2.5μm以下のホールパターンを転写するためには、例えば高NAを持つ露光機へ転換することも考えられるが、大きな投資が必要となる。
そこで、解像度を向上させて、ラインアンドスペースパターンやコンタクトホールの微細化に対応するため、表示装置製造用のフォトマスクとして、位相シフトマスクが注目されている。
最近、液晶表示装置製造用のフォトマスクとして、クロム系位相シフト膜を備えた位相シフトマスクが開発された。
特許文献1には、透明基板と、透明基板上に形成された遮光層と、遮光層の周囲に形成され、300nm以上500nm以下の波長領域のいずれかの光に対して180度の位相差をもたせることが可能な酸化窒化クロム系材料からなる位相シフト層とを備えたハーフトーン型位相シフトマスクが記載されている。この位相シフトマスクは、透明基板上の遮光層をパターニングし、遮光層を被覆するように位相シフト層を透明基板上に形成し、位相シフト層上にフォトレジスト層を形成し、フォトレジスト層を露光および現像することでレジストパターンを形成し、レジストパターンをエッチングマスクとして位相シフト層をパターニングすることにより製造される。
特開2011−13283号公報
本発明者らはクロム系位相シフト膜を備えた位相シフトマスクについて鋭意検討した。その結果、レジストパターンをマスクとして、ウェットエッチングによりクロム系位相シフト膜をパターニングした場合、レジスト膜とクロム系位相シフト膜との界面にウェットエッチング液が浸入し、界面部分のエッチングが早く進行することがわかった。形成されたクロム系位相シフト膜パターンのエッジ部分の断面形状は、傾斜を生じ、裾を引くテーパー形状となった。
クロム系位相シフト膜パターンのエッジ部分の断面形状がテーパー形状である場合、クロム系位相シフト膜パターンのエッジ部分の膜厚が減少するに従い、位相シフト効果が薄れる。このため、位相シフト効果を十分に発揮することができない。また、レジスト膜とクロム系位相シフト膜との界面へのウェットエッチング液の浸み込みは、クロム系位相シフト膜とレジスト膜との密着性がよくないことに起因する。このため、クロム系位相シフト膜パターンのエッジ部分の断面形状を厳密に制御することが難しく、線幅(CD)を制御することが非常に困難であった。
さらに、本発明者らはこれらの問題点を解決するために位相シフト膜パターンのエッジ部分の断面形状を垂直化する方法を鋭意検討した。これまでに、位相シフト膜の膜組成(例えば、窒素含有量)に傾斜を持たせて膜厚方向のエッチング速度に変化をもたせる方法や、位相シフト膜に添加物を加えてエッチング時間を制御する方法が開発された。しかし、これらの方法では、大面積の位相シフトマスク全体における透過率の均一性を実現することが非常に困難であった。
このため、本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、ウェットエッチングにより、位相シフト効果を十分に発揮できる断面形状に位相シフト膜をパターニング可能な位相シフトマスクブランク及びその製造方法、位相シフト効果を十分に発揮できる位相シフト膜パターンを有する位相シフトマスクの製造方法、特に、位相シフト効果を十分に発揮できる断面形状に位相シフト膜をパターニング可能な表示装置製造用の位相シフトマスクブランク及びその製造方法、位相シフト効果を十分に発揮できる位相シフト膜パターンを有する表示装置製造用の位相シフトマスクの製造方法、並びにこの位相シフトマスクを用いた表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、ウェットエッチングにより、CDバラツキの小さい断面形状に位相シフト膜をパターニング可能な位相シフトマスクブランク及びその製造方法、CDバラツキの小さい位相シフト膜パターンを有する位相シフトマスクの製造方法、特に、CDバラツキの小さい断面形状に位相シフト膜をパターニング可能な表示装置製造用の位相シフトマスクブランク及びその製造方法、CDバラツキの小さい位相シフト膜パターンを有する表示装置製造用の位相シフトマスクの製造方法、並びにこの位相シフトマスクを用いた表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、光学特性が均一な位相シフトマスクブランク及びその製造方法、光学特性が均一な位相シフトマスクの製造方法、特に、光学特性が均一な表示装置製造用の位相シフトマスクブランク及びその製造方法、光学特性が均一な表示装置製造用の位相シフトマスクの製造方法、並びにこの位相シフトマスクを用いた表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
(構成1)透明基板と、
前記透明基板の主表面上に形成された、露光光に含まれる代表波長の光の位相を略180度変える性質を有しかつクロム系材料から構成される光半透過膜と、
該光半透過膜上に形成された、金属シリサイド系材料から構成されるエッチングマスク膜と
を備えることを特徴とする位相シフトマスクブランク。
(構成2)前記エッチングマスク膜は、遮光性を有することを特徴とする構成1記載の位相シフトマスクブランク。
(構成3)表示装置製造用の位相シフトマスクブランクにおいて、
透明基板と、
前記透明基板の主表面上に形成された、露光光に含まれる代表波長の光の位相を第1の角度変える性質を有しかつクロム系材料から構成される光半透過膜と、
該光半透過膜上に形成された、露光光に含まれる代表波長の光の位相を第2の角度変える性質を有しかつ金属シリサイド系材料から構成されるエッチングマスク膜と
を備え、
前記第1の角度と前記第2の角度との和は略180度であることを特徴とする位相シフトマスクブランク。
(構成4)前記光半透過膜と前記エッチングマスク膜との界面に組成傾斜領域が形成され、該組成傾斜領域では、前記光半透過膜のウェットエッチング速度を遅くする成分の割合が、深さ方向に向かって段階的および/または連続的に増加していることを特徴とする構成1乃至3のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランク。
(構成5)前記光半透過膜は、該光半透過膜と前記エッチングマスク膜との界面および該光半透過膜と前記透明基板との界面を除いた部分の組成が、実質的に均一であることを特徴とする構成1乃至4のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランク。
(構成6)前記光半透過膜は、複数の層から構成されていることを特徴とする構成1乃至5のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランク。
(構成7)前記クロム系材料は、クロムの炭化物、クロムの窒化炭化物、クロムの酸化炭化物、またはクロムの酸化窒化炭化物であることを特徴とする構成1乃至6のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランク。
(構成8)前記金属シリサイド系材料は、金属とケイ素とを含み、金属とケイ素の比率は、金属:ケイ素=1:1以上1:9以下であることを特徴とする構成1乃至7のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランク。
(構成9)前記金属シリサイド系材料は、金属シリサイド、金属シリサイドの窒化物、金属シリサイドの酸化物、金属シリサイドの炭化物、金属シリサイドの酸化窒化物、金属シリサイドの炭化窒化物、金属シリサイドの酸化炭化物、または金属シリサイドの酸化炭化窒化物であることを特徴とする構成1乃至8のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランク。
(構成10)前記金属シリサイド系材料は、金属シリサイドの窒化物、金属シリサイドの酸化窒化物、金属シリサイドの炭化窒化物、または金属シリサイドの酸化炭化窒化物であって、窒素の含有量は、25原子%以上55原子%以下であることを特徴とする構成9記載の位相シフトマスクブランク。
(構成11)前記エッチングマスク膜上に形成された、クロム系材料から構成されるレジスト密着性向上膜を備えることを特徴とする構成1乃至10のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランク。
(構成12)前記位相シフトマスクブランクは、表示装置製造用位相シフトマスクブランクであることを特徴とする構成1、2、4乃至11のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランク。
(構成13)
透明基板を準備する準備工程と、
前記透明基板の主表面上に、スパッタリングにより、露光光に含まれる代表波長の光の位相を略180度変える性質を有しかつクロム系材料から構成される光半透過膜を形成する半透過膜形成工程と、
前記光半透過膜上に、スパッタリングにより、金属シリサイド系材料から構成されるエッチングマスク膜を形成するエッチングマスク膜形成工程と
を備えることを特徴とする位相シフトマスクブランクの製造方法。
(構成14)表示装置製造用の位相シフトマスクブランクの製造方法において、
透明基板を準備する準備工程と、
前記透明基板の主表面上に、スパッタリングにより、露光光に含まれる代表波長の光の位相を第1の角度変える性質を有しかつクロム系材料から構成される光半透過膜を形成する半透過膜形成工程と、
前記光半透過膜上に、スパッタリングにより、露光光に含まれる代表波長の光の位相を第2の角度変える性質を有しかつ金属シリサイド系材料から構成されるエッチングマスク膜を形成するエッチングマスク膜形成工程と
を備え、
前記第1の角度と前記第2の角度との和は略180度であることを特徴とする位相シフトマスクブランクの製造方法。
(構成15)前記半透過膜形成工程は、スパッタガス雰囲気でスパッタパワーを印加してクロム系材料から構成される光半透過膜を成膜する成膜工程と、前記光半透過膜のウェットエッチング速度を遅くする成分を含むガス雰囲気に該光半透過膜を曝す曝露工程とを含み、該曝露工程は、前記光半透過膜を大気に曝すことなく前記成膜工程後に連続して行われることを特徴とする構成13または14記載の位相シフトマスクブランクの製造方法。
(構成16)前記成膜工程は、クロムまたはクロム化合物を含むスパッタターゲットを使用して、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガスおよびキセノンガスからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む不活性ガスと、二酸化炭素ガスまたは炭化水素系ガスを含む活性ガスとの混合ガスからなるスパッタガス雰囲気で行われることを特徴とする構成15記載の位相シフトマスクブランクの製造方法。
(構成17)前記曝露工程は、炭素を含むガス雰囲気で行われることを特徴とする構成15または16記載の位相シフトマスクブランクの製造方法。
(構成18)前記エッチングマスク膜形成工程は、金属とケイ素とを含むスパッタターゲットを使用して、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガスおよびキセノンガスからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む不活性ガスと、酸素ガス、窒素ガス、二酸化炭素ガス、酸化窒素系ガスおよび炭化水素系ガスからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む活性ガスとの混合ガスからなるスパッタガス雰囲気で行われることを特徴とする構成13乃至17のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランクの製造方法。
(構成19)前記位相シフトマスクブランクは、表示装置製造用位相シフトマスクブランクであることを特徴とする構成13、15乃至18のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランクの製造方法。
(構成20)
構成1乃至10、12のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランクのエッチングマスク膜上、または、構成13乃至19のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランクの製造方法によって得られた位相シフトマスクブランクのエッチングマスク膜上に、レジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、
前記レジストパターンをマスクにして前記エッチングマスク膜をウェットエッチングしてエッチングマスク膜パターンを形成するエッチングマスク膜パターン形成工程と、
前記エッチングマスク膜パターンをマスクにして前記光半透過膜をウェットエッチングして光半透過膜パターンを形成する半透過膜パターン形成工程と
を有することを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。
(構成21)表示装置製造用の位相シフトマスクの製造方法において、
構成11記載の位相シフトマスクブランクのレジスト密着性向上膜上に、レジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、
前記レジストパターンをマスクにして前記レジスト密着性向上膜および前記エッチングマスク膜をウェットエッチングしてレジスト密着性向上膜パターンおよびエッチングマスク膜パターンを形成するエッチングマスク膜パターン形成工程と、
前記レジスト密着性向上膜パターンおよび前記エッチングマスク膜パターン、若しくは前記エッチングマスク膜パターンをマスクにして前記光半透過膜をウェットエッチングして光半透過膜パターンを形成する半透過膜パターン形成工程と
を有することを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。
(構成22)前記エッチングマスク膜パターン形成工程は、弗化水素酸、珪弗化水素酸、および弗化水素アンモニウムから選ばれた少なくとも一つの弗素化合物と、過酸化水素、硝酸、および硫酸から選ばれた少なくとも一つの酸化剤とを含むエッチング液を用いてウェットエッチングを行うことを特徴とする構成20または21記載の位相シフトマスクの製造方法。
(構成23)前記位相シフトマスクは、表示装置製造用位相シフトマスクであることを特徴とする構成20乃至22のいずれか一に記載の位相シフトマスクの製造方法。
(構成24)表示装置の製造方法において、
基板上にレジスト膜が形成されたレジスト膜付き基板に対して、構成23記載の位相シフトマスクの製造方法よって得られた位相シフトマスクを、前記レジスト膜に対向して配置する位相シフトマスク配置工程と、
前記露光光を前記位相シフトマスクに照射して、前記レジスト膜を露光するレジスト膜露光工程と
を有することを特徴とする表示装置の製造方法。
(構成25)前記露光光は、300nm以上500nm以下の波長範囲の光を含むことを特徴とする構成24記載の表示装置の製造方法。
(構成26)前記露光光は、i線、h線およびg線を含む複合光であることを特徴とする構成24または25記載の表示装置の製造方法。
上述したように、本発明に係る位相シフトマスクブランク、特に表示装置製造用に使用される表示装置製造用位相シフトマスクブランクによれば、透明基板の主表面上に形成された、クロム系材料から構成される光半透過膜と、光半透過膜上に形成された、金属シリサイド系材料から構成されるエッチングマスク膜とを備えている。クロム系材料から構成される光半透過膜と金属シリサイド系材料から構成されるエッチングマスク膜との密着性は高い。このため、エッチングマスク膜パターンをマスクとして、ウェットエッチングにより光半透過膜をパターニングする場合、エッチングマスク膜パターンと光半透過膜との界面へのウェットエッチング液の浸入を防止することができる。従って、ウェットエッチングにより、位相シフト効果を十分に発揮できる断面形状に光半透過膜をパターニング可能な位相シフトマスクブランクを得ることができる。また、ウェットエッチングにより、CDバラツキの小さい断面形状に光半透過膜をパターニング可能な位相シフトマスクブランクを得ることができる。
また、本発明に係る位相シフトマスクブランクの製造方法、特に表示装置製造用に使用される表示装置製造用位相シフトマスクブランクの製造方法によれば、透明基板の主表面上に、クロム系材料から構成される光半透過膜を形成し、光半透過膜上に、金属シリサイド系材料から構成されるエッチングマスク膜を形成する。上述したように、クロム系材料から構成される光半透過膜と金属シリサイド系材料から構成されるエッチングマスク膜との密着性は高い。このため、エッチングマスク膜パターンをマスクとして、ウェットエッチングにより光半透過膜をパターニングする場合、エッチングマスク膜パターンと光半透過膜との界面へのウェットエッチング液の浸入を防止することができる。従って、ウェットエッチングにより、位相シフト効果を十分に発揮できる断面形状に光半透過膜をパターニング可能な位相シフトマスクブランクを製造することができる。また、ウェットエッチングにより、CDバラツキの小さい断面形状に光半透過膜をパターニング可能な位相シフトマスクブランクを製造することができる。
また、本発明に係る位相シフトマスクの製造方法、特に表示装置製造用に使用される表示装置製造用位相シフトマスクの製造方法によれば、上述した位相シフトマスクブランクまたは上述した位相シフトマスクブランクの製造方法によって得られた位相シフトマスクブランクを用いて位相シフトマスクを製造する。このため、位相シフト効果を十分に発揮できる光半透過膜パターンを有する位相シフトマスクを製造することができる。また、CDバラツキの小さい光半透過膜パターンを有する位相シフトマスクを製造することができる。この位相シフトマスクは、ラインアンドスペースパターンやコンタクトホールの微細化に対応することができる。
また、本発明に係る表示装置の製造方法によれば、上述した位相シフトマスクの製造方法よって得られた位相シフトマスクを用いて表示装置を製造する。このため、微細なラインアンドスペースパターンやコンタクトホールを有する表示装置を製造することができる。
レジスト密着性向上膜が形成されない位相シフトマスクブランクの膜構成を示す模式図である。 レジスト密着性向上膜が形成されている位相シフトマスクブランクの膜構成を示す模式図である。 光半透過膜およびエッチングマスク膜の形成に使用するスパッタリング装置を示す模式図である。 レジスト密着性向上膜が形成されていない位相シフトマスクブランクを使用した位相シフトマスクの製造方法を説明するための工程図である。 レジスト密着性向上膜が形成されている位相シフトマスクブランクを使用した位相シフトマスクの製造方法を説明するための工程図である。 レジスト密着性向上膜が形成されている位相シフトマスクブランクを使用した他の位相シフトマスクの製造方法を説明するための工程図である。
以下、本発明の実施の形態に係る表示装置製造用の位相シフトマスクブランク及びその製造方法、この位相シフトマスクブランクを用いた表示装置製造用の位相シフトマスクの製造方法、並びにこの位相シフトマスクを用いた表示装置の製造方法を詳細に説明する。
実施の形態1.
実施の形態1では、表示装置製造用の位相シフトマスクブランクおよびその製造方法について説明する。
図1は、レジスト密着性向上膜が形成されない位相シフトマスクブランク20の膜構成を示す模式図である。この位相シフトマスクブランク20は、透明基板21の主表面上に、光半透過膜22、エッチングマスク膜23が順に形成されている。尚、エッチングマスク膜23上に、レジスト膜25を形成したものであっても構わない。また、光半透過膜22、エッチングマスク膜23は、単層、または複数層とすることができる。
図2は、レジスト密着性向上膜24が形成されている位相シフトマスクブランク20の膜構成を示す模式図である。この位相シフトマスクブランク20は、透明基板21の主表面上に、光半透過膜22、エッチングマスク膜23、レジスト密着性向上膜24が順に形成されている。尚、レジスト密着性向上膜24上に、レジスト膜25を形成したものであっても構わない。また、レジスト密着性向上膜24は、単層、または複数層とすることができる。
実施の形態1の表示装置製造用の位相シフトマスクブランクの製造方法では、透明基板21を準備する準備工程と、透明基板21の主表面上に、スパッタリングにより、クロム系材料から構成される光半透過膜22を形成する半透過膜形成工程と、光半透過膜22上に、スパッタリングにより、金属シリサイド系材料から構成されるエッチングマスク膜23を形成するエッチングマスク膜形成工程とを行う。
以下、各工程を詳細に説明する。
1.準備工程
表示装置製造用の位相シフトマスクブランク20を製造する場合、先ず、透明基板21を準備する。
透明基板21の材料は、使用する露光光に対して透光性を有する材料であれば、特に制限されない。例えば、合成石英ガラス、ソーダライムガラス、無アルカリガラスが挙げられる。
2.半透過膜形成工程
次に、透明基板21の主表面上に、スパッタリングにより、クロム系材料から構成される光半透過膜22を形成する。
詳細には、この半透過膜形成工程では、先ず、スパッタガス雰囲気でスパッタパワーを印加してクロム系材料から構成される光半透過膜22を成膜する成膜工程を行う。その後、好ましくは、光半透過膜22を大気に曝すことなく成膜工程後に連続して、光半透過膜22のウェットエッチング速度を遅くする成分を含むガス雰囲気に光半透過膜22を曝す曝露工程を行う。光半透過膜22の成膜後に連続して、光半透過膜22のウェットエッチング速度を遅くする成分を含むガス雰囲気に光半透過膜22を曝すことにより、光半透過膜22の表面からのウェットエッチング速度を遅くする成分の離脱を防止することができる。
光半透過膜22は、露光光に含まれる代表波長の光の位相を略180度変える性質を有する。または、光半透過膜22は、光半透過膜22とエッチングマスク膜23との積層構造(例えば、2層)により、露光光に含まれる代表波長の光の位相を略180度変える性質を有する。この性質により、光半透過膜22または光半透過膜22とエッチングマスク膜23との積層構造(例えば、2層)を透過した代表波長の光と透明基板のみを透過した代表波長の光との間に略180度の位相差が生じる。露光光が300nm以上500nm以下の波長範囲の光を含む複合光である場合、光半透過膜22または光半透過膜22とエッチングマスク膜23との積層構造(例えば、2層)は、その波長範囲に含まれる代表波長の光に対して、略180度の位相差を生じるように形成する。例えば、露光光がi線、h線およびg線を含む複合光である場合、光半透過膜22または光半透過膜22とエッチングマスク膜23との2層は、i線、h線およびg線のいずれかに対して、略180度の位相差を生じるように形成する。位相シフト効果を発揮するために、光半透過膜22の位相差は、i線、h線およびg線のいずれかの代表波長に対して、180度±20度の範囲に設定することが好ましい。さらに好ましくは、光半透過膜の位相差はi線、h線およびg線のいずれかの代表波長に対して、180度±10度の範囲に設定することが望ましい。また、光半透過膜22の透過率は、i線、h線およびg線のいずれかの代表波長において、1%以上20%以下が好ましい。特に好ましくは、光半透過膜の透過率は、i線、h線およびg線のいずれかの代表波長に対して、3%以上10%以下が望ましい。
光半透過膜22を構成するクロム系材料として、露光光に含まれる代表波長の光の位相を略180度変化させるため、クロム(Cr)と、酸素(O)、窒素(N)、炭素(C)から選ばれる少なくとも一種とを含むクロム化合物を使用する。クロム化合物としては、例えば、クロムの酸化物、クロムの窒化物、クロムの酸化窒化物、クロムの炭化物、クロムの窒化炭化物、クロムの酸化炭化物、またはクロムの酸化窒化炭化物が挙げられる。光半透過膜22を構成するクロム化合物の組成は、露光光に対する所望の位相差(180度±20度)、透過率(1%以上20%以下)、ウェットエッチング特性(光半透過膜パターンの断面形状やCDばらつき)、耐薬性の観点から調整する。上述の所望の位相差及び透過率を有するために、クロムが50原子%未満のクロム化合物とすることが好ましい。
ウェットエッチングにより光半透過膜22をパターニングして、位相シフト効果を十分に発揮できる断面形状を有する光半透過膜パターンとするため、上述のクロム化合物は、光半透過膜22のウェットエッチング速度を遅くする成分を含むことが望ましい。光半透過膜22のウェットエッチング速度を遅くする成分として、例えば、上述に挙げた炭素(C)の他にフッ素(F)が挙げられる。光半透過膜22を構成する望ましいクロム系材料として、例えば、クロムの炭化物、クロムの窒化炭化物、クロムの酸化炭化物、クロムの酸化窒化炭化物、クロムのフッ化物が挙げられる。
光半透過膜22の成膜工程は、クロムまたはクロム化合物を含むスパッタターゲットを使用して、例えば、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガスおよびキセノンガスからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む不活性ガスと、酸素ガス、窒素ガス、一酸化窒素ガス、二酸化窒素ガス、二酸化炭素ガス、炭化水素系ガス、フッ素系ガスからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む活性ガスとの混合ガスからなるスパッタガス雰囲気で行われる。炭化水素系ガスとしては、例えば、メタンガス、ブタンガス、プロパンガス、スチレンガス等が挙げられる。好ましくは、光半透過膜22のウェットエッチング速度を遅くする成分を有するガスを含むスパッタガス雰囲気で行うことが望ましい。光半透過膜22のウェットエッチング速度を遅くする成分を有するガスとして、二酸化炭素ガス、炭化水素系ガス、フッ素系ガスなどの活性ガスが挙げられる。
光半透過膜22の成膜後、必要に応じて、光半透過膜22のウェットエッチング速度を遅くする成分を含むガス雰囲気に光半透過膜22を曝す曝露工程を行うことができる。
光半透過膜22の成膜後の曝露工程は、光半透過膜22のウェットエッチング速度を遅くする成分を有するガスを含む曝露用ガス雰囲気に光半透過膜22を曝すことにより行われる。光半透過膜22のウェットエッチング速度を遅くする成分を有するガスとして、二酸化炭素ガス、炭化水素系ガス、フッ素系ガスなどの活性ガスが挙げられる。曝露用ガス雰囲気中には、不活性ガスとして、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス、キセノンガスなどが含まれていてもよく、また、活性ガスとして、酸素ガス、窒素ガスなどが含まれていてもよい。曝露用ガス雰囲気中の光半透過膜22のウェットエッチング速度を遅くする成分を有するガスの含有比率は、スパッタガス雰囲気中の光半透過膜22のウェットエッチング速度を遅くする成分を有するガスの含有比率と同じ、またはスパッタガス雰囲気中の光半透過膜22のウェットエッチング速度を遅くする成分を有するガスの含有比率より高いことが好ましい。
光半透過膜22は1つの層から構成される場合および複数の層から構成される場合のいずれであってもよい。光半透過膜22が複数の層から構成される場合、光半透過膜22の成膜工程および光半透過膜22の成膜後の曝露工程は複数回行われることが好ましい。成膜工程が複数回行われる場合、光半透過膜22の成膜時にスパッタターゲットに印加するスパッタパワーを小さくすることができる。したがって、成膜工程が複数回行われる場合、成膜工程に起因する光半透過膜22の欠陥数を低減することができるので好ましい。光半透過膜22が複数の層から構成される場合、光学特性(透過率、位相差)の制御性の観点から、同一の材料を選択することが好ましい。
3.エッチングマスク膜形成工程
次に、光半透過膜22上に、スパッタリングにより、金属シリサイド系材料から構成されるエッチングマスク膜23を形成する。
エッチングマスク膜23は、光半透過膜22との間でエッチング選択性を有していればよい。エッチングマスク膜23は、光半透過膜22との間でのエッチング選択性に加えて、露光光に対して遮光性を有する場合および露光光の位相を変える性質を有する場合のいずれであってもよい。エッチングマスク膜23が遮光性を有する場合には、光透過膜パターン上に光半透過膜パターンより狭いエッチングマスク膜パターンを設けることにより、露光光に含まれる代表波長の光の位相を略180度変える位相シフト部を、エッチングマスク膜パターンが積層していない光半透過膜パターンの部分により構成し、遮光部を、光半透過膜パターンとエッチングマスク膜パターンとが積層している部分により構成し、光透過部を、透明基板21が露出している部分により構成することができる。エッチングマスク膜23が露光光の位相を変える性質を有する場合には、光半透過膜22とエッチングマスク膜23との積層構造(例えば、2層)により、露光光に含まれる代表波長の光の位相を略180度変える性質を有するように構成することにより、露光光に含まれる代表波長の光の位相を略180度変える位相シフト部を、光半透過膜パターンと光半透過膜パターン上に設けられるエッチングマスク膜パターンとの積層構造(例えば、2層)により構成することができる。
エッチングマスク膜23を構成する金属シリサイド系材料は、金属と、ケイ素とを含むものであれば、特に制限されない。ウェットエッチングによるエッチングマスク膜パターンの断面形状を良好にし、さらにエッチングマスク膜パターンをマスクにしてウェットエッチングにより光半透過膜パターンの断面形状を良好にするためには、金属とケイ素の比率は、金属:ケイ素=1:1以上1:9以下とすることが好ましい。特に好ましくは、エッチングマスク膜23を構成する金属シリサイド系材料における金属とケイ素の比率は、金属:ケイ素=1:2以上1:8以下が望ましい。金属として、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)などの遷移金属が挙げられる。エッチングマスク膜を構成する金属シリサイド系材料として、例えば、金属シリサイド、金属シリサイドの窒化物、金属シリサイドの酸化物、金属シリサイドの炭化物、金属シリサイドの酸化窒化物、金属シリサイドの炭化窒化物、金属シリサイドの酸化炭化物、または金属シリサイドの酸化炭化窒化物が挙げられる。具体的には、モリブデンシリサイド(MoSi)、その窒化物、酸化物、炭化物、酸化窒化物、炭化窒化物、酸化炭化物、および酸化炭化窒化物、タンタルシリサイド(TaSi)、その窒化物、酸化物、炭化物、酸化窒化物、炭化窒化物、酸化炭化物、および酸化炭化窒化物、タングステンシリサイド(WSi)、その窒化物、酸化物、炭化物、酸化窒化物、炭化窒化物、酸化炭化物、および酸化炭化窒化物、チタンシリサイド(TiSi)、その窒化物、酸化物、炭化物、酸化窒化物、炭化窒化物、酸化炭化物、および酸化炭化窒化物、ならびにジルコニウムシリサイド(ZrSi)、その窒化物、酸化物、炭化物、酸化窒化物、炭化窒化物、酸化炭化物、および酸化炭化窒化物が挙げられる。中でも、光半透過膜22との密着性向上と、光半透過膜22及びエッチングマスク膜の断面制御性の点から、金属シリサイド系材料は、金属シリサイドの窒化物、金属シリサイドの酸化窒化物、金属シリサイドの炭化窒化物であることが好ましい。この場合、窒素の含有量は、25原子%以上55原子%以下であることが望ましい。また、エッチングマスク膜23に反射率低減機能を持たせるには、さらに酸素を含むことが好ましい。
このエッチングマスク膜形成工程は、金属とケイ素とを含むスパッタターゲットを使用して、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガスおよびキセノンガスからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む不活性ガスと、酸素ガス、窒素ガス、二酸化炭素ガス、酸化窒素系ガスおよび炭化水素系ガスからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む活性ガスとの混合ガスからなるスパッタガス雰囲気で行われる。酸化窒素系ガスとして、例えば、一酸化窒素ガス、二酸化窒素ガス、一酸化二窒素ガスが挙げられる。
エッチングマスク膜23は1つの層から構成される場合および複数の層から構成される場合のいずれであってもよい。エッチングマスク膜23が複数の層から構成される場合、エッチングマスク膜23の成膜時にスパッタターゲットに印加するスパッタパワーを小さくすることができる。エッチングマスク膜23が、単に、光半透過膜22をパターニングする際のマスク機能のみを有する場合、エッチングマスク膜23の膜厚はできる限り薄い方が好ましい。この場合、エッチングマスク膜23の膜厚は、5nm以上75nm以下が好ましい。表示装置製造用の位相シフトマスクブランクのサイズは、一辺が10インチ以上と大きく、面内に渡って均一にエッチングマスク膜23を形成することが難しい。従って、エッチングマスク膜のマスク機能を維持し、光半透過膜22の断面形状を良好にするためには、エッチングマスク膜の膜厚は、10nm以上50nm以下とすることが望ましい。
また、エッチングマスク膜23が、光半透過膜22との間でのエッチング選択性に加えて、露光光に対して遮光性を有する場合や、露光光の位相を変える性質を有する場合、光半透過膜22との組み合わせにおいて、所望の光学特性が得られるように、エッチングマスク膜の材料、組成、膜厚を調整する。エッチングマスク膜23に遮光性を持たせて、光半透過膜22との組み合わせにおいて、光学濃度(OD)を2.5以上とする場合や、エッチングマスク膜23に位相を変える性質を持たせる場合には、断面形状を考慮し、エッチングマスク膜の膜厚は、75nm以上150nm以下、好ましくは100nm以上130nm以下とすることが望ましい。
4.レジスト密着性向上膜形成工程
次に、必要に応じて、エッチングマスク膜23上に、スパッタリングにより、クロム系材料から構成されるレジスト密着性向上膜24を形成する。
レジスト密着性向上膜24は、レジスト膜25との密着性を向上させる性質を有する。レジスト密着性向上膜24は、レジスト膜25との密着性を向上させる性質に加えて、遮光性を有する場合および光半透過性を有する場合のいずれであってもよい。
レジスト密着性向上膜24を構成するクロム系材料は、クロム(Cr)を含むものであれば、特に制限されない。レジスト密着性向上膜24を構成するクロム系材料のクロム含有量は、光半透過膜22を構成するクロム系材料のクロム含有量よりも大きいことが好ましい。レジスト密着性向上膜24を構成するクロム系材料として、例えば、クロムの窒化物、酸化物、炭化物、フッ化物、酸化窒化物、炭化窒化物、フッ化窒化物、炭化酸化物、フッ化酸化物、フッ化炭化物、酸化炭化窒化物、酸化フッ化窒化物、炭化フッ化窒化物、炭化フッ化酸化物、および酸化炭化フッ化窒化物などのクロム化合物を使用することができる。
レジスト密着性向上膜24が、単に、レジスト膜25との密着性を向上させる性質のみを有する場合、位相シフトマスク30の製造過程において、クロムのウェットエッチング液によりレジスト密着性向上膜24は剥離される。レジスト密着性向上膜24の剥離過程において、ウェットエッチング液が光半透過膜パターン22’の側面に接触することになるので、レジスト密着性向上膜24の剥離時間をできる限り短くすることが好ましい。
また、レジスト密着性向上膜24をウェットエッチングにより所望のパターンに形成する際、形成されるレジスト密着性向上膜パターンの断面形状が悪いと、レジスト密着性向上膜パターンをマスクにしてエッチングされるエッチングマスク膜23や光半透過膜22の各パターンの断面形状が悪化する。
以上のような観点から、レジスト密着性向上膜24の膜厚は、光半透過膜22の膜厚よりも薄い方が好ましい。レジスト密着性向上膜24の膜厚は、3nm以上30nm以下が好ましく、さらに好ましくは、5nm以上25nm以下が望ましい。
また、クロムのウェットエッチング液における、レジスト密着性向上膜24のウェットエッチング速度は、光半透過膜22のウェットエッチング速度よりも速い方が好ましい。レジスト密着性向上膜24のウェットエッチング速度は、クロム系材料のクロムの含有量により制御することができる。ウェットエッチング速度を速くするために、レジスト密着性向上膜24は、窒素を含有する膜であることが好ましい。具体的には、クロムの窒化物、クロムの酸化窒化物、クロムの窒化炭化物、クロムの酸化窒化炭化物のクロム化合物から選択することができる。クロム化合物における窒素の含有量は、5原子%以上45原子%以下が好ましく、さらに好ましくは、10原子%以上40原子%以下が望ましい。
また、レジスト密着性向上膜24が、レジスト膜25との密着性を向上させる性質に加えて、露光光に対して遮光性を有する場合や、露光光の位相を変える性質を有する場合、光半透過膜22、エッチングマスク膜23との組み合わせにおいて、所望の光学特性が得られるように、レジスト密着性向上膜の材料、組成、膜厚を調整する。
このレジスト密着性向上膜形成工程は、クロムまたはクロム化合物を含むスパッタターゲットを使用して、例えば、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガスおよびキセノンガスからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む不活性ガスと、酸素ガス、窒素ガス、二酸化炭素ガス、酸化窒素系ガス、炭化水素系ガスおよびフッ素系ガスからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む活性ガスとの混合ガスからなるスパッタガス雰囲気で行われる。酸化窒素系ガスとして、例えば、一酸化窒素ガス、二酸化窒素ガス、一酸化二窒素ガスが挙げられる。
実施の形態1の表示装置製造用の位相シフトマスクブランク20は、このような準備工程と、半透過膜形成工程と、エッチングマスク膜形成工程と、必要に応じて、レジスト密着性向上膜とにより製造される。
図3は光半透過膜22、エッチングマスク膜23、およびレジスト密着性向上膜24の形成に使用するスパッタリング装置の一例を示す模式図である。
図3に示すスパッタリング装置11はインライン型であり、搬入チャンバーLL、第1スパッタチャンバーSP1、バッファーチャンバーBU、第2スパッタチャンバーSP2、および搬出チャンバーULLの5つのチャンバーから構成されている。これら5つのチャンバーが順番に連続して配置されている。
トレイ(図示せず)に搭載された透明基板21は、所定の搬送速度で、矢印Sの方向に、搬入チャンバーLL、第1スパッタチャンバーSP1、バッファーチャンバーBU、第2スパッタチャンバーSP2、および搬出チャンバーULLの順番に搬送されることができる。また、トレイ(図示せず)に搭載された透明基板21は、矢印Sと逆の方向に、搬出チャンバーULL、第2スパッタチャンバーSP2、バッファーチャンバーBU、第1スパッタチャンバーSP1、および搬入チャンバーLLの順番に戻されることができる。
搬入チャンバーLLおよび搬出チャンバーULLは、仕切板によりスパッタリング装置11の外部から仕切られることができる。第1スパッタチャンバーSP1、バッファーチャンバーBU、第2スパッタチャンバーSP2は、GV(ゲートバルブ)で仕切られておらず、3つのチャンバーが連結した大きな容器で構成されている。
搬入チャンバーLL、バッファーチャンバーBU、および搬出チャンバーULLは、排気を行う排気装置(図示せず)に接続されている。
第1スパッタチャンバーSP1には、搬入チャンバーLL側に、光半透過膜22を形成するためのクロムを含む第1スパッタターゲット13が配置され、第1スパッタターゲット13付近には、第1ガス導入口GA1(図示せず)が配置されている。また、第1スパッタチャンバーSP1には、バッファーチャンバーBU側に、エッチングマスク膜23を形成するための金属とケイ素とを含む第2スパッタターゲット14が配置され、第2スパッタターゲット14付近には、第2ガス導入口GA2(図示せず)が配置されている。
第2スパッタチャンバーSP2には、バッファーチャンバーBU側に、レジスト密着性向上膜24を形成するためのクロムを含む第3スパッタターゲット15が配置され、第3スパッタターゲット15付近には、第3ガス導入口GA3(図示せず)が配置されている。
図3では、第1スパッタターゲット13、第2スパッタターゲット14、および第3スパッタターゲット15に、ハッチングを付して示している。
図3に示すインライン型のスパッタリング装置11を用いて、光半透過膜22、エッチングマスク膜23、および、必要に応じて、レジスト密着性向上膜24を形成する場合、先ず、光半透過膜22を形成するため、トレイ(図示せず)に搭載された透明基板21を搬入チャンバーLLに搬入する。
スパッタリング装置11の内部を所定の真空度にした後、第1ガス導入口GA1から所定の流量のスパッタリングガスを導入し、第1スパッタターゲット13に所定のスパッタパワーを印加する。ウェットエッチングにより形成される光半透過膜パターンの断面形状を積極的に制御する際には、スパッタリング装置11の内部を所定の真空度にした後、第1ガス導入口GA1から所定流量の光半透過膜のウェットエッチング速度を遅くする成分を有するガスを含むスパッタリングガスを導入し、また、第3ガス導入口GA3から第2スパッタチャンバーSP2に、光半透過膜のウェットエッチング速度を遅くする成分を有するガスを含む曝露用ガスを導入し、第1スパッタターゲット13に所定のスパッタパワーを印加する。スパッタパワーの印加、スパッタリングガスの導入、曝露用ガスの導入は、透明基板12が搬出チャンバーULLに搬送されるまで継続する。
その後、トレイ(図示せず)に搭載された透明基板21を、所定の搬送速度で、矢印Sの方向に、搬入チャンバーLL、第1スパッタチャンバーSP1、バッファーチャンバーBU、第2スパッタチャンバーSP2、および搬出チャンバーULLの順番に搬送する。透明基板12が第1スパッタチャンバーSP1の第1スパッタターゲット13付近を通過する際に、反応性スパッタリングにより、透明基板21の主表面上に、所定の膜厚のクロム系材料から構成される光半透過膜22が成膜される。また、ウェットエッチングにより形成される光半透過膜パターンの断面形状を積極的に制御する際には、透明基板21が第2スパッタチャンバーSP2を通過する間、光半透過膜22が、光半透過膜22のウェットエッチング速度を遅くする成分を有するガスを含む曝露用ガス雰囲気に曝される。
2層目の光半透過膜22の成膜を行う場合、トレイ(図示せず)に搭載された透明基板21を、矢印Sと逆の方向に、搬出チャンバーULL、第2スパッタチャンバーSP2、バッファーチャンバーBU、第1スパッタチャンバーSP1、および搬入チャンバーLLの順番に戻し、再度、上述した光半透過膜22の成膜を行う。透明基板21を搬入チャンバーLLに戻す際、第1スパッタチャンバーSP1および第2スパッタチャンバーSP2に、光半透過膜22のウェットエッチング速度を遅くする成分を有するガスを含む曝露用ガスを導入することが好ましい。これにより、透明基板21を搬入チャンバーLLに戻す間、光半透過膜22を、光半透過膜22のウェットエッチング速度を遅くする成分を有するガスを含む曝露用ガス雰囲気に曝すことができる。
3層目および4層目の光半透過膜22の成膜を行う場合も、同様に行う。
このようにして透明基板21の主表面上に光半透過膜22を形成した後、スパッタリング装置11の外部に透明基板21を取り出さずに連続してエッチングマスク膜23を形成する場合には、トレイ(図示せず)に搭載された透明基板21を、矢印Sと逆の方向に、搬出チャンバーULL、第2スパッタチャンバーSP2、バッファーチャンバーBU、第1スパッタチャンバーSP1、および搬入チャンバーLLの順番に戻す。一方、光半透過膜22の形成後、一旦スパッタリング装置11の外部に透明基板21を取り出した後、エッチングマスク膜23を形成する場合には、トレイ(図示せず)に搭載された透明基板21を搬入チャンバーLLに搬入した後、上述したように、スパッタリング装置11の内部を所定の真空度にする。
その後、第2スパッタターゲット14に所定のスパッタパワーを印加し、第2ガス導入口GA2からスパッタリングガスを導入する。この場合、エッチングマスク膜23の成膜後、第2スパッタチャンバーSP2で連続してレジスト密着性向上膜24を成膜しない場合には、第1スパッタチャンバーSP1と第2スパッタチャンバーSP2との圧力バランスをとるため、第3ガス導入口GA3から圧力バランス用ガスを導入する。エッチングマスク膜23の成膜後、第2スパッタチャンバーSP2で連続してレジスト密着性向上膜24を成膜する場合には、第3スパッタターゲット15に所定のスパッタパワーを印加し、第3ガス導入口GA3からスパッタリングガスを導入する。スパッタパワーの印加、スパッタリングガスの導入、圧力バランス用ガスの導入は、透明基板12が搬出チャンバーULLに搬送されるまで継続する。
その後、トレイ(図示せず)に搭載された透明基板21を、所定の搬送速度で、矢印Sの方向に、搬入チャンバーLL、第1スパッタチャンバーSP1、バッファーチャンバーBU、第2スパッタチャンバーSP2、および搬出チャンバーULLの順番に搬送する。透明基板21が第1スパッタチャンバーSP1の第2スパッタターゲット14付近を通過する際に、反応性スパッタリングにより、光半透過膜22上に、所定の膜厚の金属シリサイド系材料から構成されるエッチングマスク膜23が成膜される。また、エッチングマスク膜23の成膜後、第2スパッタチャンバーSP2で連続してレジスト密着性向上膜24を成膜するために、第3スパッタターゲット15にスパッタパワーを印加し、第3ガス導入口GA3からスパッタリングガスを導入した場合には、透明基板21が第2スパッタチャンバーSP2の第3スパッタターゲット15付近を通過する際に、反応性スパッタリングにより、エッチングマスク膜23上に、所定の膜厚のクロム系材料から構成されるレジスト密着性向上膜24が成膜される。
その後、このようにして光半透過膜22上にエッチングマスク膜23のみを形成した後、エッチングマスク膜23上にレジスト密着性向上膜24を形成しない場合には、透明基板21をスパッタリング装置11の外部に取り出す。
また、このようにして光半透過膜22上にエッチングマスク膜23を形成し、さらに、エッチングマスク膜23上にレジスト密着性向上膜24を形成した場合も、透明基板21をスパッタリング装置11の外部に取り出す。
また、このようにして光半透過膜22上にエッチングマスク膜23のみを形成した後、スパッタリング装置11の外部に透明基板21を取り出さずに連続してレジスト密着性向上膜24を形成する場合には、トレイ(図示せず)に搭載された透明基板21を、矢印Sと逆の方向に、搬出チャンバーULL、第2スパッタチャンバーSP2、バッファーチャンバーBU、第1スパッタチャンバーSP1、および搬入チャンバーLLの順番に戻す。一方、エッチングマスク膜23の形成後、一旦スパッタリング装置11の外部に透明基板21を取り出した後、レジスト密着性向上膜24を形成する場合には、トレイ(図示せず)に搭載された透明基板21を搬入チャンバーLLに搬入した後、上述したように、スパッタリング装置11の内部を所定の真空度にする。
その後、第3スパッタターゲット15に所定のスパッタパワーを印加し、第3ガス導入口GA3からスパッタリングガスを導入する。この場合、第1スパッタチャンバーSP1と第2スパッタチャンバーSP2との圧力バランスをとるため、第1ガス導入口GA1および第2ガス導入口GA2の少なくとも1つから圧力バランス用ガスを導入する。スパッタパワーの印加、スパッタリングガスの導入、圧力バランス用ガスの導入は、透明基板21が搬出チャンバーULLに搬送されるまで継続する。
その後、トレイ(図示せず)に搭載された透明基板21を、所定の搬送速度で、矢印Sの方向に、搬入チャンバーLL、第1スパッタチャンバーSP1、バッファーチャンバーBU、第2スパッタチャンバーSP2、および搬出チャンバーULLの順番に搬送する。透明基板21が第2スパッタチャンバーSP2の第3スパッタターゲット15付近を通過する際に、反応性スパッタリングにより、エッチングマスク膜23上に、所定の膜厚のクロム系材料から構成されるレジスト密着性向上膜24が成膜される。
その後、このようにしてエッチングマスク膜23上にレジスト密着性向上膜24を形成した後、透明基板21をスパッタリング装置11の外部に取り出す。
このようにして製造された実施の形態1の表示装置製造用の位相シフトマスクブランク20は、透明基板21と、透明基板21の主表面上に形成された、クロム系材料から構成される光半透過膜22と、光半透過膜22上に形成された、金属シリサイド系材料から構成されるエッチングマスク膜23と、必要に応じて、レジスト密着性向上膜24とを備えている。また、光半透過膜22とエッチングマスク膜23との界面に組成傾斜領域が形成されていることが好ましい。
組成傾斜領域は、位相シフトマスクブランク20に対するX線光電子分光法(XPS)による深さ方向の組成分析結果において、光半透過膜22に起因するクロム(Cr)ピークが出現してからエッチングマスク膜23に起因するシリコン(ケイ素:Si)ピークおよびモリブデン(Mo)ピークが消失するまでの領域である。
組成傾斜領域では、光半透過膜22のウェットエッチング速度を遅くする成分(例えば、炭素(C))の割合が、深さ方向に向かって段階的および/または連続的に増加していることが好ましい。このことから、ウェットエッチング速度を遅くする成分(例えば、炭素(C))の光半透過膜22の表面からの離脱が防止されている。
光半透過膜22の組成は実質的に均一であることが好ましい。ただし、光半透過膜22とエッチングマスク膜23との界面には、上述した組成傾斜領域が形成され、光半透過膜22と透明基板21との界面にも、組成が傾斜する領域が形成されるため、それらの部分の組成は均一ではない。光半透過膜22の組成が実質的に均一な組成均一領域は、位相シフトマスクブランクに対するXPSによる深さ方向の組成分析結果において、エッチングマスク膜23に起因するシリコン(Si)ピークおよびモリブデン(Mo)ピークが消失してから透明基板21に起因する酸素(O)ピークが出現するまでの領域である。
上記組成均一領域では、クロム(Cr)および光半透過膜22のウェットエッチング速度を遅くする成分(例えば、炭素(C))のそれぞれの割合の変動が、5原子%以下、好ましくは3原子%以下である。
光半透過膜22が複数の層から構成される場合、各層の厚さ方向の中心付近における光半透過膜22のウェットエッチング速度を遅くする成分(例えば、炭素(C))の組成に対する各層の界面における光半透過膜22のウェットエッチング速度を遅くする成分(例えば、炭素(C))の組成の減少が5原子%以下、好ましくは3原子%以下である。
この実施の形態1の表示装置製造用の位相シフトマスクブランクの製造方法によれば、透明基板21の主表面上に、クロム系材料から構成される光半透過膜22を形成し、光半透過膜22上に、金属シリサイド系材料から構成されるエッチングマスク膜23を形成する。クロム系材料から構成される光半透過膜22と金属シリサイド系材料から構成されるエッチングマスク膜23との密着性は高い。このため、エッチングマスク膜パターンをマスクとして、ウェットエッチングにより光半透過膜22をパターニングする場合、エッチングマスク膜パターンと光半透過膜22との界面へのウェットエッチング液の浸入を防止することができる。従って、ウェットエッチングにより、位相シフト効果を十分に発揮できる断面形状に光半透過膜22をパターニング可能な位相シフトマスクブランク20を製造することができる。また、ウェットエッチングにより、CDバラツキの小さい断面形状に光半透過膜をパターニング可能な位相シフトマスクブランク20を製造することができる。
また、この実施の形態1の表示装置製造用の位相シフトマスクブランク20によれば、透明基板21の主表面上に形成された、クロム系材料から構成される光半透過膜22と、光半透過膜22上に形成された、金属シリサイド系材料から構成されるエッチングマスク膜23とを備えている。クロム系材料から構成される光半透過膜22と金属シリサイド系材料から構成されるエッチングマスク膜23との密着性は高い。このため、エッチングマスク膜パターンをマスクとして、ウェットエッチングにより光半透過膜22をパターニングする場合、エッチングマスク膜パターンと光半透過膜22との界面へのウェットエッチング液の浸入を防止することができる。従って、ウェットエッチングにより、位相シフト効果を十分に発揮できる断面形状に光半透過膜22をパターニング可能な位相シフトマスクブランク20を得ることができる。また、ウェットエッチングにより、CDバラツキの小さい断面形状に光半透過膜22をパターニング可能な位相シフトマスクブランク20を得ることができる。
実施の形態2.
実施の形態2では、表示装置製造用の位相シフトマスクの製造方法について、図4乃至図6を用いて説明する。図4は、レジスト密着性向上膜が形成されてない位相シフトマスクブランクを使用して位相シフトマスクを作製する位相シフトマスクの製造方法を説明するための工程図である。図5及び図6は、レジスト密着性向上膜が形成されている位相シフトマスクブランクを使用して位相シフトマスクを作製する位相シフトマスクの製造方法を説明するための工程図である。
実施の形態2の表示装置製造用の位相シフトマスクの製造方法では、先ず、実施の形態1で説明した表示装置製造用の位相シフトマスクブランクの製造方法によって得られた位相シフトマスクブランク20のエッチングマスク膜23上もしくはレジスト密着性向上膜24上に、または、実施の形態1で説明した表示装置製造用の位相シフトマスクブランク20のエッチングマスク膜23上もしくはレジスト密着性向上膜24上に、レジストパターン25’を形成するレジストパターン形成工程を行う。
詳細には、このレジストパターン形成工程では、先ず、エッチングマスク膜23上またはレジスト密着性向上膜24上にレジスト膜25を形成する(図4(a)、図5(a)、図6(a))。その後、レジスト膜25に対して所定のパターンを描画する。その後、レジスト膜25を所定の現像液で現像して、レジストパターン25’を形成する(図4(b)、図5(b)、図6(b))。
レジスト膜25に描画するパターンとして、ラインアンドスペースパターンやホールパターンが挙げられる。
次に、レジスト密着性向上膜24が形成されていない場合には、レジストパターン25’をマスクにしてエッチングマスク膜23をウェットエッチングしてエッチングマスク膜パターン23’を形成するエッチングマスク膜パターン形成工程を行う(図4(c))。また、レジスト密着性向上膜24が形成されている場合には、レジストパターン25’をマスクにしてレジスト密着性向上膜24をウェットエッチングしてレジスト密着性向上膜パターン24’を形成し、さらに、レジストパターン25’およびレジスト密着性向上膜パターン24’をマスクにしてエッチングマスク膜23をウェットエッチングしてエッチングマスク膜パターン23’を形成するエッチングマスク膜パターン形成工程を行う(図5(c)、図6(c))。
エッチングマスク膜23をウェットエッチングするエッチング液は、エッチングマスク膜23を選択的にエッチングできるものであれば、特に制限されない。例えば、弗化水素酸、珪弗化水素酸、および弗化水素アンモニウムから選ばれた少なくとも一つの弗素化合物と、過酸化水素、硝酸、および硫酸から選ばれた少なくとも一つの酸化剤とを含むエッチング液が挙げられる。具体的には、フッ化水素アンモニウムと過酸化水素の混合溶液を純水で希釈したエッチング液が挙げられる。
レジスト密着性向上膜24をウェットエッチングするエッチング液は、レジスト密着性向上膜24を選択的にエッチングできるものであれば、特に制限されない。具体的には、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸とを含むエッチング液が挙げられる。
クロム系材料膜の下層に金属シリサイド系材料膜が設けられている場合、クロム系材料膜をウェットエッチングするとき、金属シリサイド系材料膜から金属イオンが溶け出し、電子がクロム系材料膜に供給され、クロム系材料膜のウェットエッチングが遅くなるという現象が生じる。しかし、上述したエッチングマスク膜パターン形成工程では、エッチングマスク膜23が金属シリサイド系材料で構成され、エッチングマスク23膜の下層に設けられている光半透過膜22がクロム系材料から構成されているため、このような現象は生じない。このため、エッチングマスク膜23をウェットエッチングする際の面内でのエッチング速度を均一にすることができる。
次に、エッチングマスク膜パターン23’、または、レジスト密着性向上膜パターン24’およびエッチングマスク膜パターン23’をマスクにして光半透過膜22をウェットエッチングして光半透過膜パターン22’を形成する半透過膜パターン形成工程を行う。
詳細には、レジスト密着性向上膜24が形成されていない場合には、レジストパターン25’を剥離した後(図4(d))、エッチングマスク膜パターン23’をマスクにして光半透過膜22をウェットエッチングして光半透過膜パターン22’を形成する半透過膜パターン形成工程を行う(図4(e))。
また、レジスト密着性向上膜24が形成されている場合には、レジストパターン25’を剥離した後(図5(d))、エッチングマスク膜パターン23’をマスクにして光半透過膜22をウェットエッチングして光半透過膜パターン22’を形成する半透過膜パターン形成工程を行う(図5(e))。この場合、光半透過膜22をウェットエッチングする際に、レジスト密着性向上膜24が除去される。又は、レジストパターン25’、レジスト密着性向上膜パターン24’及びエッチングマスク膜パターン23’をマスクにして光半透過膜22をウェットエッチングして光半透過膜パターン22’を形成する半透過膜パターン形成工程を行った後(図6(d))、レジストパターン25’とレジスト密着性向上膜パターン24’を剥離する(図6(e))。
光半透過膜22をウェットエッチングするエッチング液は、光半透過膜22を選択的にエッチングできるものであれば、特に制限されない。具体的には、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸とを含むエッチング液が挙げられる。
露光光に含まれる代表波長の光の位相を略180度変える位相シフト部が、光半透過膜パターン22’から構成され、光透過部が、透明基板21が露出している部分から構成されるタイプ(以下、第1のタイプという場合がある)の位相シフトマスク30を製造する場合には、半透過膜パターン形成工程後、エッチングマスク膜パターン23’を剥離する(図4(f)、図5(f)、図6(f))。この場合、光半透過膜パターン22’は露光光に含まれる代表波長の光の位相を略180度変える性質を有する。
また、光半透過膜パターン22’上に光半透過膜パターン22’より狭いエッチングマスク膜パターン23’が設けられ、露光光に含まれる代表波長の光の位相を略180度変える位相シフト部が、エッチングマスク膜パターン23’が積層していない光半透過膜パターン22’の部分から構成され、遮光部が、光半透過膜パターン22’エッチングマスク膜パターン23’とが積層している部分から構成され、光透過部が、透明基板21が露出している部分から構成されるタイプ(以下、第2のタイプという場合がある)の位相シフトマスク30を製造する場合には、半透過膜パターン形成工程後、エッチングマスク膜パターン23’を、光半透過膜パターン22’より狭い所定のパターンにパターニングする(図4(g)、図5(g)、図6(g))。この場合、光半透過膜パターン22’は露光光に含まれる代表波長の光の位相を略180度変える性質を有し、エッチングマスク膜パターン23’は遮光性を有する。
また、露光光に含まれる代表波長の光の位相を略180度変える位相シフト部が、光半透過膜パターン22’とエッチングマスク膜パターン23’とが積層している部分から構成され、光透過部が、透明基板21が露出している部分から構成されるタイプ(以下、第3のタイプという場合がある)の位相シフトマスク30を製造する場合には、エッチングマスク膜パターン23’は残存させる(図4(e)、図5(e)、図6(e))。この場合、光半透過膜パターン22’およびエッチングマスク膜パターン23’は、光半透過膜パターン22’とエッチングマスク膜パターン23’との2層により、露光光に含まれる代表波長の光の位相を略180度変える性質を有する。
このようなレジストパターン形成工程と、エッチングマスク膜パターン形成工程と、半透過膜パターン形成工程とにより、表示装置製造用の位相シフトマスク30が製造される。
このようにして製造された実施の形態2の表示装置製造用の位相シフトマスク30は、第1のタイプの場合、透明基板21と、透明基板21の主表面上に形成された、クロム系材料から構成される光半透過膜パターン22’とを備えている(図4(f)、図5(f)、図6(f)を参照)。光半透過膜パターン22’が位相シフト部を構成し、透明基板21が露出している部分が光透過部を構成する。
第2のタイプの位相シフトマスク30の場合、透明基板21と、透明基板21の主表面上に形成された、クロム系材料から構成される光半透過膜パターン22’と、光半透過膜パターン22’上に形成された、金属シリサイド系材料から構成されるエッチングマスク膜パターン23’とを備えている(図4(g)、図5(g)、図6(g)を参照)。エッチングマスク膜パターン23’が積層していない光半透過膜パターン22’の部分が位相シフト部を構成し、光半透過膜パターン22’とエッチングマスク膜パターン23’とが積層している部分が遮光部を構成し、透明基板21が露出している部分が光透過部を構成する。光半透過膜パターン22’上に形成されたエッチングマスク膜パターン23’が設けられている場合、露光機によってマスクパターンを認識しやすくなる。また、光半透過膜パターン22’を透過した露光光によるレジスト膜25の減膜を防止することができる。
第3のタイプの位相シフトマスク30の場合、透明基板21と、透明基板21の主表面上に形成された、クロム系材料から構成される光半透過膜パターン22’と、光半透過膜パターン22’上に形成された、金属シリサイド系材料から構成されるエッチングマスク膜パターン23’とを備えている(図4(e)、図5(e)、図6(e)を参照)。光半透過膜パターン22’とエッチングマスク膜パターン23’とが積層している部分が位相シフト部を構成し、透明基板21が露出している部分が光透過部を構成する。位相シフト部が光半透過膜パターン22’とエッチングマスク膜パターン23’とから構成される場合、クロム系材料及び金属シリサイド系材料の種類並びにそれらの組成を調節することにより、i線、h線およびg線による位相差のばらつき(変動)を小さくすることができる。
光半透過膜パターン22’として、ラインアンドスペースパターンやホールパターンが挙げられる。
第1および第2のタイプの位相シフトマスク30の場合、光半透過膜パターン22’は、露光光に含まれる代表波長の光の位相を略180度変える性質を有する。この性質により、位相シフト部を構成する光半透過膜パターン22’を透過した露光光と光透過部を構成する透明基板21を透過した露光光との間に略180度の位相差が生じる。この第1および第2のタイプの位相シフトマスク30における光半透過膜パターン22’の膜厚、及びそれらの位相シフトマスク30を作製するための位相シフトマスクブランク20における光半透過膜の膜厚は、所望の光学特性(透過率、位相差)が得られるように80nm以上180nm以下の範囲で適宜調整される。
第3のタイプの位相シフトマスク30の場合、光半透過膜パターン22’およびエッチングマスク膜パターン23’は、光半透過膜パターン22’とエッチングマスク膜パターン23’との2層により、露光光に含まれる代表波長の光の位相を略180度変える性質を有する。この性質により、位相シフト部を構成する光半透過膜パターン22’とエッチングマスク膜パターン23’とを透過した露光光と光透過部を構成する透明基板21を透過した露光光との間に略180度の位相差が生じる。この第3のタイプの位相シフトマスク30における光半透過膜パターン22’の膜厚、及びそれらの位相シフトマスク30を作製するための位相シフトマスクブランク20における光半透過膜の膜厚は、所望の光学特性(透過率、位相差)が得られるように75nm以上200nm以下の範囲で適宜調整される。
露光光が300nm以上500nm以下の波長範囲の光を含む複合光である場合、光半透過膜パターン22’、または、光半透過膜パターン22’とエッチングマスク膜パターン23’との2層は、その波長範囲に含まれる代表波長の光に対して、略180度の位相差を生じる。例えば、露光光がi線、h線およびg線を含む複合光である場合、光半透過膜パターン22’、または、光半透過膜パターン22’とエッチングマスク膜パターン23’との2層は、i線、h線およびg線のいずれかに対して、略180度の位相差を生じる。
光半透過膜パターン22’は、露光光に含まれる代表波長の光の位相を略180度変化させるため、クロム(Cr)と、酸素(O)、窒素(N)、炭素(C)から選ばれる少なくとも一種とを含むクロム化合物からなるクロム系材料から構成される。クロム化合物としては、例えば、クロムの酸化物、クロムの窒化物、クロムの酸化窒化物、クロムの炭化物、クロムの窒化炭化物、クロムの酸化炭化物、またはクロムの酸化窒化炭化物が挙げられる。光半透過膜パターン22’を構成するクロム化合物の組成は、露光光に対する所望の位相差(180度±20度)、透過率(1%以上20%以下)、ウェットエッチング特性(光半透過膜パターン22’の断面形状やCDばらつき)、耐薬性の観点から調整する。上述の所望の位相差及び透過率を有するために、クロムが50原子%未満のクロム化合物とすることが好ましい。
ウェットエッチングにより光半透過膜22をパターニングして、位相シフト効果を十分に発揮できる断面形状を有する光半透過膜パターン22’とするため、上述のクロム化合物は、光半透過膜22のウェットエッチング速度を遅くする成分を含むことが望ましい。光半透過膜22のウェットエッチング速度を遅くする成分として、例えば、上述に挙げた炭素(C)の他にフッ素(F)が挙げられる。光半透過膜パターン22’を構成する望ましいクロム系材料膜として、例えば、例えば、クロム炭化膜、クロム窒化炭化膜、クロム酸化炭化膜、クロム酸化窒化炭化膜、クロムのフッ化膜が挙げられる。
光半透過膜パターン22’の組成は実質的に均一であることが好ましい。ただし、光半透過膜パターン22’の上面には、上述した組成傾斜領域が形成され、光半透過膜パターン22’と透明基板21との界面にも、組成が傾斜する領域が形成されるため、それらの部分の組成は均一ではない。
エッチングマスク膜パターン23’は、金属とケイ素とを含む金属シリサイド系材料から構成される。金属として、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)などの遷移金属が挙げられる。エッチングマスク膜パターン23’を構成する金属シリサイド系材料膜として、例えば、金属シリサイド膜、金属シリサイド窒化膜、金属シリサイド酸化膜、金属シリサイド炭化膜、金属シリサイド酸化窒化膜、金属シリサイド炭化窒化膜、金属シリサイド酸化炭化膜、または金属シリサイド酸化炭化窒化膜が挙げられる。具体的には、モリブデンシリサイド(MoSi)膜、モリブデンシリサイド(MoSi)の窒化膜、酸化膜、炭化膜、酸化窒化膜、炭化窒化膜、酸化炭化膜、および酸化炭化窒化膜、タンタルシリサイド(TaSi)膜、タンタルシリサイド(TaSi)の窒化膜、酸化膜、炭化膜、酸化窒化膜、炭化窒化膜、酸化炭化膜、および酸化炭化窒化膜、タングステンシリサイド(WSi)膜、タングステンシリサイド(WSi)の窒化膜、酸化膜、炭化膜、酸化窒化膜、炭化窒化膜、酸化炭化膜、および酸化炭化窒化膜、チタンシリサイド(TiSi)膜、チタンシリサイド(TiSi)の窒化膜、酸化膜、炭化膜、酸化窒化膜、炭化窒化膜、酸化炭化膜、および酸化炭化窒化膜、ならびにジルコニウムシリサイド(ZrSi)膜、ジルコニウムシリサイド(ZrSi)の窒化膜、酸化膜、炭化膜、酸化窒化膜、炭化窒化膜、酸化炭化膜、および酸化炭化窒化膜が挙げられる。
この実施の形態2の表示装置製造用の位相シフトマスクの製造方法によれば、実施の形態1で説明した表示装置製造用の位相シフトマスクブランクの製造方法により得られた位相シフトマスクブランク、または、実施の形態1で説明した表示装置製造用の位相シフトマスクブランクを用いて位相シフトマスクを製造する。このため、位相シフト効果を十分に発揮できる垂直に近い断面形状の光半透過膜パターン22’を有する位相シフトマスク30を製造することができる。また、CDバラツキの小さい光半透過膜パターン22’を有する位相シフトマスク30を製造することができる。この位相シフトマスク30は、ラインアンドスペースパターンやコンタクトホールの微細化に対応することができる。
実施の形態3.
実施の形態3では、表示装置の製造方法について説明する。
実施の形態3の表示装置の製造方法では、先ず、基板上にレジスト膜が形成されたレジスト膜付き基板に対して、実施の形態2に説明した表示装置製造用の位相シフトマスクの製造方法によって得られた位相シフトマスク30を、レジスト膜に対向して配置する位相シフトマスク配置工程を行う。
次に、露光光を位相シフトマスク30に照射して、レジスト膜を露光するレジスト膜露光工程を行う。
露光光は、例えば、300nm以上500nm以下の波長範囲の光を含む複合光である。具体的には、i線、h線およびg線を含む複合光である。
この実施の形態3の表示装置の製造方法によれば、実施の形態2で説明した表示装置製造用の位相シフトマスクの製造方法により得られた位相シフトマスクを用いて表示装置を製造する。このため、微細なラインアンドスペースパターンやコンタクトホールを有する表示装置を製造することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。
実施例1.
A.位相シフトマスクブランクおよびその製造方法
実施例1の位相シフトマスクブランクを製造するため、先ず、透明基板12として、3045サイズ(330mm×450mm×5mm)の合成石英ガラス基板を準備した。
その後、合成石英ガラス基板を、主表面を下側に向けてトレイ(図示せず)に搭載し、図3に示すインライン型のスパッタリング装置11の搬入チャンバーLLに搬入した。第1スパッタチャンバーSP1には、搬入チャンバーLL側に、第1スパッタターゲット13として、クロムからなるスパッタターゲットが配置されている。また、第1スパッタチャンバーSP1には、バッファーチャンバーBU側に、第2スパッタターゲット14として、モリブデンシリサイド(Mo:Si=1:4)からなるスパッタターゲットが配置されている。また、第2スパッタチャンバーSP2には、バッファーチャンバーBU側に、第3スパッタターゲット15として、クロムからなるスパッタターゲットが配置されている。
合成石英ガラス基板の主表面上に光半透過膜を形成するため、まず、第1スパッタチャンバーSP1の第1スパッタターゲット13付近に配置された第1ガス導入口GA1からアルゴン(Ar)ガスと窒素(N)ガスと二酸化炭素(CO)ガスとの混合ガス(Ar:50sccm、N:50sccm、CO:25sccm)を導入し、第1スパッタターゲット13に9.0kWのスパッタパワーを印加した。また、第2スパッタチャンバーSP2の第3スパッタターゲット15付近に配置された第3ガス導入口GA3からアルゴン(Ar)ガスと窒素(N)ガスと二酸化炭素(CO)ガスとの混合ガス(Ar:50sccm、N:50sccm、CO:25sccm)を導入した。第1スパッタターゲット13へのスパッタパワーの印加、第1ガス導入口GA1および第3ガス導入口GA3からのArガスとNガスとCOガスとの混合ガスの導入は、合成石英ガラス基板が搬出チャンバーULLに搬送させるまで継続した。
その後、トレイ(図示せず)に搭載された合成石英ガラス基板を、矢印Sの方向に、搬入チャンバーLL、第1スパッタチャンバーSP1、バッファーチャンバーBU、第2スパッタチャンバーSP2、および搬出チャンバーULLの順番に搬送した。合成石英ガラス基板が、第1スパッタチャンバーSP1の第1スパッタターゲット13付近を通過する際に、反応性スパッタリングにより、合成石英ガラス基板の主表面上に、膜厚60nmのクロム酸化窒化炭化膜(CrCON)からなる1層目の光半透過膜が成膜された。尚、合成石英ガラス基板の搬送速度は、上述の膜厚となるように、所定の搬送速度で行った。合成石英ガラス基板が、第2スパッタチャンバーSP2を通過する間、1層目の光半透過膜は、ArガスとNガスとCOガスとの混合ガス雰囲気に曝された。
その後、トレイ(図示せず)に搭載された合成石英ガラス基板を、矢印Sと逆の方向に、搬出チャンバーULL、第2スパッタチャンバーSP2、バッファーチャンバーBU、第1スパッタチャンバーSP1、および搬入チャンバーLLの順番に搬送し、搬入チャンバーLLに戻した。合成石英ガラス基板を搬入チャンバーLLに戻す間、第3ガス導入口GA3からArガスとNガスとCOガスとの混合ガス(Ar:50sccm、N:50sccm、CO:25sccm)を導入し、1層目の光半透過膜を、ArガスとNガスとCOガスとの混合ガス雰囲気に曝した。
その後、第1スパッタターゲット13へのスパッタパワーの印加、第1ガス導入口GA1および第3ガス導入口GA3からのArガスとNガスとCOガスとの混合ガスの導入を行い、上述した方法と同じ方法により、1層目の光半透過膜上に、膜厚60nmのクロム酸化窒化炭化膜(CrCON)からなる2層目の光半透過膜を成膜し、成膜後に、2層目の光半透過膜を、ArガスとNガスとCOガスとの混合ガス雰囲気に曝した。
このようにして、合成石英ガラス基板の主表面上に、2層のクロム酸化窒化炭化膜(CrCON)からなる合計膜厚120nmの光半透過膜を形成した。
その後、トレイ(図示せず)に搭載された合成石英ガラス基板を、矢印Sと逆の方向に搬送し、搬入チャンバーLLに戻した。合成石英ガラス基板を搬入チャンバーLLに戻す間、上述した方法と同じ方法により、2層目の光半透過膜を、ArガスとNガスとCOガスとの混合ガス雰囲気に曝した。
その後、光半透過膜上にエッチングマスク膜を形成するため、第1スパッタチャンバーSP1の第2スパッタターゲット14付近に配置された第2ガス導入口GA2からアルゴン(Ar)ガスと一酸化窒素(NO)ガスとの混合ガス(Ar:60sccm、NO:45sccm)を導入し、第2スパッタターゲットに8.0kWのスパッタパワーを印加した。また、第2スパッタチャンバーSP2の第3スパッタターゲット15付近に配置された第3ガス導入口GA3からアルゴン(Ar)ガス(115sccm)を導入した。第2スパッタターゲット14へのスパッタパワーの印加、第2ガス導入口GA2からのArガスとNOガスとの混合ガスの導入、および第3ガス導入口GA3からのArガスの導入は、合成石英ガラス基板が搬出チャンバーULLに搬送させるまで継続した。
その後、トレイ(図示せず)に搭載された合成石英ガラス基板を、矢印Sの方向に、搬出チャンバーULLまで搬送した。合成石英ガラス基板が、第1スパッタチャンバーSP2の第2スパッタターゲット14付近を通過する際に、反応性スパッタリングにより、光半透過膜上に、膜厚100nmのモリブデンシリサイド酸化窒化膜(MoSiON)からなるエッチングマスク膜が成膜された。尚、合成石英ガラス基板の搬送速度は、上述の膜厚となるように、所定の搬送速度で行った。
このようにして、光半透過膜上に、1層のモリブデンシリサイド酸化窒化膜(MoSiON)からなる膜厚100nmのエッチングマスク膜を形成した。
その後、第2スパッタチャンバーと搬出チャンバーとを仕切板によって完全に仕切った後、搬出チャンバーを大気圧状態に戻して、光半透過膜とエッチングマスク膜とが形成された合成石英ガラス基板をスパッタリング装置11から取り出した。
このようにして、合成石英ガラス基板上に、光半透過膜とエッチングマスク膜とが形成された位相シフトマスクブランクを得た。
得られた位相シフトマスクブランクの光半透過膜について、日本Lasertec社製のMPM−100により透過率、位相差を測定した。光半透過膜の透過率、位相差の測定には、同一のトレイにセットして作製された、合成石英ガラス基板の主表面上に2層のクロム酸化窒化炭化膜(CrCON)(合計膜厚120nm)が成膜された光半透過膜付き基板(ダミー基板)を用いた。光半透過膜の透過率、位相差は、エッチングマスク膜を形成する前に光半透過膜付き基板(ダミー基板)を搬出チャンバーULLから取り出し、測定した。その結果、透過率は5.0%(波長:365nm)、位相差は180度(波長:365nm)であった。また、波長365nm〜436nmにおける位相差の変動幅は、25度であった。
また、得られた位相シフトマスクブランクのエッチングマスク膜について、島津製作所社製の分光光度計SolidSpec−3700により、反射率、光学濃度を測定した。エッチングマスク膜の表面反射率は12.0%(波長:436nm)、光学濃度ODは4.0であった。このエッチングマスク膜は、膜表面での反射率が低い遮光膜として機能することが分かった。
また、得られた位相シフトマスクブランクについて、X線光電子分光法(XPS)による深さ方向の組成分析を行った。その結果、光半透過膜に起因するクロム(Cr)ピークが出現してからエッチングマスク膜に起因するシリコン(Si)ピークおよびモリブデン(Mo)ピークが消失するまでの領域である組成傾斜領域では、光半透過膜のウェットエッチング速度を遅くする炭素(C)の含有率が、深さ方向に向かって段階的および/または連続的に増加していた。
エッチングマスク膜に起因するシリコン(Si)ピークおよびモリブデン(Mo)ピークが消失してから合成石英ガラス基板に起因する酸素(O)ピークが出現するまでの組成均一領域では、クロム(Cr)の含有量が平均47原子%、炭素(C)の含有量が平均7原子%、酸素(O)の含有量が平均32原子%、窒素(N)の含有量が平均14原子%であった。
上述した位相シフトマスクブランクの製造方法では、光半透過膜とエッチングマスク膜とを真空を破ることなく連続して形成した。本願発明の効果を確実に得るためには、光半透過膜とエッチングマスク膜とを真空を破ることなく連続して形成することが好ましい。光半透過膜とエッチングマスク膜とを真空を破ることなく連続して形成することにより、光半透過膜の最表面から合成石英ガラス基板に到達までの組成の変動を小さくすることができる。
なお、光半透過膜を形成後に大気中で保管したり、光半透過膜をエッチングマスク膜形成前に洗浄したとしても、一定の範囲の組成変化であれば、実施例1と同様の効果を得ることができる。
B.位相シフトマスクおよびその製造方法
上述のようにして製造された位相シフトマスクブランクを用いて位相シフトマスクを製造するため、先ず、位相シフトマスクブランクのエッチングマスク膜上に、レジスト塗布装置を用いてフォトレジスト膜を塗布した。
その後、加熱・冷却工程を経て、膜厚1000nmのフォトレジスト膜を形成した(図4(a)を参照)。
その後、レーザー描画装置を用いてフォトレジスト膜を描画し、現像・リンス工程を経て、エッチングマスク膜上にラインパターンの幅が2.0μmおよびスペースパターンの幅が2.0μmのラインアンドスペースパターンのレジストパターンを形成した(図4(b)を参照)。
その後、レジストパターンをマスクにして、フッ化水素アンモニウムと過酸化水素との混合溶液を純水で希釈したモリブデンシリサイドエッチング液によりエッチングマスク膜をウェットエッチングして、エッチングマスク膜パターンを形成した(図4(c)を参照)。
その後、レジストパターンを剥離した(図4(d)を参照)。
その後、エッチングマスク膜パターンをマスクにして、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸とを含むクロムエッチング液により光半透過膜をウェットエッチングして、光半透過膜パターンを形成した(図4(e)を参照)。
その後、フッ化水素アンモニウムと過酸化水素との混合溶液を純水で希釈したモリブデンシリサイドエッチング液によりエッチングマスク膜パターンを除去した(図4(f)を参照)。
このようにして、合成石英ガラス基板上に、光半透過膜パターンが形成された位相シフトマスクを得た。
得られた位相シフトマスクの断面を日本電子株式会社製走査電子顕微鏡JSM7401Fにより観察した。以下の実施例および比較例において、位相シフトマスクの断面の観察には、同じ装置を用いた。
光半透過膜パターンの断面は、合成石英ガラス基板と接する部分では裾を引き、角度は42度であった。また、エッチングマスク膜パターンと接していた部分ではほぼ垂直である形状であり、角度は93度であった。
位相シフトマスクの光半透過膜パターンのCDばらつきを、セイコーインスツルメンツナノテクノロジー社製SIR8000により測定した。CDばらつきの測定は、基板の周縁領域を除外した270mm×390mmの領域について、5×5の地点で測定した。CDばらつきは、目標とするラインアンドスペースパターン(ラインパターンの幅:2.0μm、スペースパターンの幅:2.0μm)からのずれ幅である。以下の実施例および比較例において、CDばらつきの測定には、同じ装置を用いた。
CDばらつきは0.096μmと良好であった。
実施例2.
実施例2では、光半透過膜パターン上に光半透過膜パターンより狭いエッチングマスク膜パターンが設けられる位相シフトマスクと、その位相シフトマスクを作製するために用いる位相シフトマスクブランクについて説明する。この場合、光半透過膜パターン上の光半透過膜パターンの幅よりも狭いエッチングマスク膜パターンが遮光膜パターンとして機能する。
A.位相シフトマスクブランクおよびその製造方法
実施例1と同じ方法により、位相シフトマスクブランクを製造した。
B.位相シフトマスクおよびその製造方法
実施例1と同じ方法により、エッチングマスク膜パターンおよび光半透過膜パターンを形成した(図4(e)を参照)。
その後、レジスト塗布装置を用いて、エッチングマスク膜パターンを覆うように、フォトレジスト膜を塗布した。
その後、加熱・冷却工程を経て、膜厚1000nmのフォトレジスト膜を形成した。
その後、レーザー描画装置を用いてフォトレジスト膜を描画し、現像・リンス工程を経て、エッチングマスク膜パターン上にラインパターンの幅が1.0μmのレジストパターンを形成した。
その後、レジストパターンをマスクにして、フッ化水素アンモニウムと過酸化水素との混合溶液を純水で希釈したモリブデンシリサイドエッチング液によりエッチングマスク膜をウェットエッチングして、光半透過膜パターンの幅よりも狭いエッチングマスク膜パターンを形成した(図4(g)を参照)。
その後、レジストパターンを剥離した。
このようにして、合成石英ガラス基板上に、光半透過膜パターンと光半透過膜パターンの幅よりも狭いエッチングマスク膜パターンとが形成された位相シフトマスクを得た。
得られた位相シフトマスクの断面を観察した。
光半透過膜パターンの断面は、合成石英ガラス基板と接する部分では裾を引き、角度は42度であった。また、エッチングマスク膜パターンと接していた部分ではほぼ垂直である形状であり、角度は93度であった。
また、光半透過膜パターンのCDばらつきは0.096μmと良好であった。
実施例3.
実施例3では、位相シフト部が光半透過膜パターンとエッチングマスク膜パターンとから構成される位相シフトマスクと、その位相シフトマスクを作製するために用いる位相シフトマスクブランクについて説明する。この場合、光半透過膜パターン上のエッチングマスク膜パターンが光半透過膜パターンとして機能し、光半透過膜パターンとエッチングマスク膜パターンとの2層により、露光光に含まれる代表波長の光の位相を略180度変える。
A.位相シフトマスクブランクおよびその製造方法
実施例1と同じインライン型のスパッタリング装置11を使用し、3345サイズの合成石英ガラス基板の主表面上に、各膜厚が60nmであるクロム酸化窒化膜(CrON)からなる光半透過膜とモリブデンシリサイド酸化窒化膜(MoSiON)からなるエッチングマスク膜とを形成した。
まず、合成石英ガラス基板の主表面上にクロム酸化窒化膜(CrON)を形成するため、第1スパッタチャンバーSP1の第1スパッタターゲット13付近に配置された第1ガス導入口GA1からアルゴン(Ar)ガスと一酸化窒素ガス(NO)ガスとの混合ガス(Ar:50sccm、NO:90sccm)を導入し、第1スパッタターゲット13に9.0kWのスパッタパワーを印加した。また、第2スパッタチャンバーSP2の第3スパッタターゲット付近15に配置された第3ガス導入口GA3からアルゴン(Ar)ガスと一酸化窒素ガス(NO)との混合ガス(Ar:50sccm、NO:90sccm)を導入した。第1スパッタターゲット13へのスパッタパワーの印加、第1ガス導入口GA1および第3ガス導入口3からのArガスとNOガスとの混合ガスの導入は、合成石英ガラス基板が搬出チャンバーULLに搬送させるまで継続した。
その後、トレイ(図示せず)に搭載された合成石英ガラス基板を、矢印Sの方向に、搬入チャンバーLL、第1スパッタチャンバーSP1、バッファーチャンバーBU、第2スパッタチャンバーSP2、および搬出チャンバーULLの順番に搬送した。尚、合成石英ガラス基板の搬送速度は、上述の膜厚となるように、所定の搬送速度で行った。
その後、クロム酸化窒化膜(CrON)上にモリブデンシリサイド酸化窒化膜(MoSiON)を形成するため、トレイ(図示せず)に搭載された合成石英ガラス基板を、搬入チャンバーLLに戻した後、第1スパッタチャンバーSP1の第2スパッタターゲット14付近に配置された第2ガス導入口GA2からアルゴン(Ar)ガスと一酸化窒素(NO)ガスとの混合ガス(Ar:60sccm、NO:45sccm)を導入し、第2スパッタターゲットに8.0kWのスパッタパワーを印加した。また、第2スパッタチャンバーSP2の第3スパッタターゲット15付近に配置された第3ガス導入口GA3からアルゴン(Ar)ガス(115sccm)を導入した。第2スパッタターゲット14へのスパッタパワーの印加、第2ガス導入口GA2からのArガスとNOガスとの混合ガスの導入、および第3ガス導入口GA3からのArガスの導入は、合成石英ガラス基板が搬出チャンバーULLに搬送させるまで継続した。
その後、トレイ(図示せず)に搭載された合成石英ガラス基板を、矢印Sの方向に、搬出チャンバーULLまで搬送した。尚、合成石英ガラス基板の搬送速度は、上述の膜厚となるように、所定の搬送速度で行った。
その後、第2スパッタチャンバーと搬出チャンバーとを仕切板によって完全に仕切った後、搬出チャンバーを大気圧状態に戻して、クロム酸化窒化膜(CrON)からなる光半透過膜とモリブデンシリサイド酸化窒化膜(MoSiON)からなるエッチングマスク膜とが形成された合成石英ガラス基板をスパッタリング装置11から取り出した。
このようにして、合成石英ガラス基板上に、光半透過膜とエッチングマスク膜とが形成された位相シフトマスクブランクを得た。
実施例1と同様に、得られた位相シフトマスクブランクについて、日本Lasertec社製のMPM−100により透過率、位相差を測定した。その結果、透過率は5.0%(波長:365nm)、位相差は180度(波長:365nm)であった。また、波長365nm〜436nmにおける位相差の変動幅は、20度であった。
B.位相シフトマスクおよびその製造方法
上述のようにして製造された位相シフトマスクブランクを用いて、実施例1と同じ方法により光半透過膜をウェットエッチングする工程(図4(e)を参照)までを行い、位相シフトマスクを製造した。
得られた位相シフトマスクの断面を観察した。
光半透過膜パターンの断面は、実施例1と同様に、合成石英ガラス基板と接する部分では裾を引き、角度は35度であり、エッチングマスク膜パターンと接している部分ではほぼ垂直である形状であり、角度は95度であった。
CDばらつきは0.098μmと良好であった。
実施例4.
実施例4では、光半透過膜上に、エッチングマスク膜、レジスト密着性向上膜を形成する場合について説明する。
A.位相シフトマスクブランクおよびその製造方法
実施例1と同じ方法により、3345サイズの合成石英ガラス基板の主表面上に、2層のクロム酸化窒化炭化膜(CrCON)からなる合計膜厚120nmの光半透過膜を形成した。
その後、トレイ(図示せず)に搭載された合成石英ガラス基板を、矢印Sと逆の方向に搬送し、搬入チャンバーLLに戻した。合成石英ガラス基板を搬入チャンバーLLに戻す間、実施例1と同じ方法により、2層目の光半透過膜を、ArガスとNガスとCOガスとの混合ガス雰囲気に曝した。
その後、第1スパッタチャンバーSP1の第2スパッタターゲット14付近に配置された第2ガス導入口GA2からアルゴン(Ar)ガスと一酸化窒素(NO)ガスとの混合ガス(Ar:60sccm、NO:45sccm)を導入し、第2スパッタターゲットに8.0kWのスパッタパワーを印加した。また、第2スパッタチャンバーSP2の第3スパッタターゲット15付近に配置された第3ガス導入口GA3からアルゴン(Ar)ガスと窒素(N)ガスとの混合ガス(Ar:50sccm、N:20sccm)を導入し、第3スパッタターゲットに3.0kWのスパッタパワーを印加した。第2スパッタターゲット14へのスパッタパワーの印加、第2ガス導入口GA2からのArガスとNOガスとの混合ガスの導入、第3スパッタターゲット15へのスパッタパワーの印加、および第3ガス導入口GA3からのArガスとNガスとの混合ガスの導入は、合成石英ガラス基板が搬出チャンバーULLに搬送させるまで継続した。
その後、トレイ(図示せず)に搭載された合成石英ガラス基板を、矢印Sの方向に、搬出チャンバーULLまで搬送した。合成石英ガラス基板が、第1スパッタチャンバーSP1の第2スパッタターゲット14付近を通過する際に、反応性スパッタリングにより、光半透過膜上に、膜厚60nmのモリブデンシリサイド酸化窒化膜(MoSiON)からなるエッチングマスク膜が成膜された。また、合成石英ガラス基板が、第2スパッタチャンバーSP2の第3スパッタターゲット15付近を通過する際に、反応性スパッタリングにより、エッチングマスク膜上に、膜厚20nmのクロム窒化膜(CrN、窒素(N)の含有量は15原子%)からなるレジスト密着性向上膜が成膜された。尚、合成石英ガラス基板の搬送速度は、上述の膜厚となるように所定の搬送速度で行った。
このようにして、光半透過膜上に、1層のモリブデンシリサイド酸化窒化膜(MoSiON)からなる膜厚60nmのエッチングマスク膜を形成し、エッチングマスク膜上に、1層のクロム窒化膜(CrN)からなる膜厚20nmのレジスト密着性向上膜を形成した。
その後、第2スパッタチャンバーと搬出チャンバーとを仕切板によって完全に仕切った後、搬出チャンバーを大気圧状態に戻して、光半透過膜とエッチングマスク膜とレジスト密着性向上膜とが形成された合成石英ガラス基板をスパッタリング装置11から取り出した。
このようにして、合成石英ガラス基板上に、光半透過膜とエッチングマスク膜とレジスト密着性向上膜とが形成された位相シフトマスクブランクを得た。
B.位相シフトマスクおよびその製造方法
上述のようにして製造された位相シフトマスクブランクを用いて位相シフトマスクを製造するため、先ず、位相シフトマスクブランクのレジスト密着性向上膜上に、レジスト塗布装置を用いてフォトレジスト膜を塗布した。
その後、加熱・冷却工程を経て、膜厚1000nmのフォトレジスト膜を形成した(図6(a)を参照)。
その後、レーザー描画装置を用いてフォトレジスト膜を描画し、現像・リンス工程を経て、レジスト密着性向上膜上にラインパターンの幅が2.0μmおよびスペースパターンの幅が2.0μmのラインアンドスペースパターンのレジストパターンを形成した(図6(b)を参照)。
その後、レジストパターンをマスクにして、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸とを含むクロムエッチング液によりレジスト密着性向上膜をウェットエッチングして、レジスト密着性向上膜パターンを形成した。
その後、レジストパターンおよびレジスト密着性向上膜パターンをマスクにして、フッ化水素アンモニウムと過酸化水素との混合溶液を純水で希釈したモリブデンシリサイドエッチング液によりエッチングマスク膜をウェットエッチングして、エッチングマスク膜パターンを形成した(図6(c)を参照)。
その後、レジストパターン、レジスト密着性向上膜パターン、およびエッチングマスク膜パターンをマスクにして、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸とを含むクロムエッチング液により光半透過膜をウェットエッチングして、光半透過膜パターンを形成した(図6(d)を参照)。
その後、レジストパターンを剥離した。
その後、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸とを含むクロムエッチング液によりレジスト密着性向上膜パターンを除去し(図6(e)を参照)、さらに、フッ化水素アンモニウムと過酸化水素との混合溶液を純水で希釈したモリブデンシリサイドエッチング液によりエッチングマスク膜パターンを除去した(図6(f)を参照)。
このようにして、合成石英ガラス基板上に、光半透過膜パターンが形成された位相シフトマスクを得た。
得られた位相シフトマスクの断面を観察した。
光半透過膜パターンの断面は、実施例1と同様に、合成石英ガラス基板と接する部分では裾を引き、角度は30度であり、エッチングマスク膜パターンと接していた部分ではほぼ垂直である形状であり、角度は98度であった。
CDばらつきは0.098μmと良好であった。
比較例1.
比較例1では、光半透過膜上にエッチングマスク膜を形成しなかった場合について説明する。
A.位相シフトマスクブランクおよびその製造方法
実施例1と同じ方法により、3345サイズの合成石英ガラス基板の主表面上に、2層のクロム酸化窒化炭化膜(CrCON)からなる合計膜厚120nmの光半透過膜を形成した。
その後、第2スパッタチャンバーと搬出チャンバーとを仕切板によって完全に仕切った後、搬出チャンバーを大気圧状態に戻して、光半透過膜が形成された合成石英ガラス基板をスパッタリング装置11から取り出した。
このようにして、合成石英ガラス基板上に、光半透過膜が形成された位相シフトマスクブランクを得た。
B.位相シフトマスクおよびその製造方法
上述のようにして製造された位相シフトマスクブランクを用いて位相シフトマスクを製造するため、先ず、位相シフトマスクブランクの光半透過膜上に、レジスト塗布装置を用いてフォトレジスト膜を塗布した。
その後、加熱・冷却工程を経て、膜厚1000nmのフォトレジスト膜を形成した。
その後、レーザー描画装置を用いてフォトレジスト膜を描画し、現像・リンス工程を経て、光半透過膜上にラインパターンの幅が2.0μmおよびスペースパターンの幅が2.0μmのラインアンドスペースパターンのレジストパターンを形成した。
その後、レジストパターンをマスクにして、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸とを含むクロムエッチング液により光半透過膜をウェットエッチングして、光半透過膜パターンを形成した。
その後、レジストパターンを剥離した。
このようにして、合成石英ガラス基板上に、光半透過膜パターンが形成された位相シフトマスクを得た。
得られた位相シフトマスクの断面を観察した。
光半透過膜パターンの断面は、合成石英ガラス基板と接する部分では裾を引き、角度は15度であった。また、レジスト膜パターンと接していた部分では、ウェットエッチング液の浸み込みが激しく、角度は160度であった。
CDばらつきは0.251μmであった。
実施例5.
上記実施例1において、エッチングマスク膜の材料をモリブデンシリサイド窒化膜(MoSiN)とし、膜厚を25nmにした以外は、実施例1と同じ方法により位相シフトマスクブランク、位相シフトマスクを製造した。尚、エッチングマスク膜の形成は、第2ガス導入口GA2からアルゴン(Ar)ガスと窒素(N2)ガスとの混合ガス(Ar:50sccm、N2:90sccm)を導入し、第2スパッタターゲットに印加するパワーを2.0kWとした。
得られたエッチングマスク膜の組成は、モリブデン(Mo)が15原子%、ケイ素(Si)が40原子%、窒素(N)が45原子%であった。
得られた位相シフトマスクの断面を観察した。
光半透過膜パターンの断面は、合成石英ガラス基板と接する部分では裾を引き、角度は50度であった。
また、エッチングマスク膜パターンと接していた部分ではほぼ垂直である形状であり、角度は92度であった。
また、光半透過膜パターンのCDばらつきは、0.080μmと良好であった。
実施例1で得られた位相シフトマスクと比べて、光半透過膜パターンのCDばらつきが0.016μm改善した。これは、エッチングマスク膜の膜厚が実施例1と比べて薄く、かつエッチングマスク膜パターンの断面形状が良好なパターンが形成され、エッチングマスク膜パターンをマスクにして光半透過膜パターンを形成したことによると思われる。
実施例6.
上記実施例5において、エッチングマスク膜を形成する際に使用する第2スパッタターゲット14を、モリブデンシリサイド(Mo:Si=1:2)からなるスパッタターゲットにした以外は実施例5と同様にして、位相シフトマスクブランク、位相シフトマスクを製造した。
得られたエッチングマスク膜の組成は、モリブデン(Mo)が24原子%、ケイ素(Si)が26原子%、窒素(N)が50原子%であった。
得られた位相シフトマスクの断面を観察した。
光半透過膜パターンの断面は、合成石英ガラス基板と接する部分では裾を引き、角度は51度であった。
また、エッチングマスク膜パターンと接していた部分ではほぼ垂直である形状であり、角度は92度であった。
また、光半透過膜パターンのCDばらつきは、0.076μmと良好であった。
実施例5で得られた位相シフトマスクと比べて、光半透過膜パターンのCDばらつきが若干良好であった。これは、エッチングマスク膜の組成が実施例5と比べて金属の割合が高く、エッチングマスク膜のエッチング速度が速くなったので、エッチングマスク膜パターンの断面形状のサイドエッチング量が少なくなり、このエッチングマスク膜パターンをマスクにして光半透過膜パターンを形成したことによると思われる。
実施例7.
上述の実施例1において、光半透過膜を形成する際、第2スパッタチャンバーSP2の第3ガス導入口GA3からいかなるガスも導入しなかった。それ以外は、実施例1と同じ方法により、位相シフトマスクブランクおよび位相シフトマスクを製造した。
得られた位相シフトマスクの断面を観察した。
光半透過膜のパターン断面は、合成石英ガラス基板と接する部分では裾を引き、角度は38度であった。
また、エッチングマスク膜パターンと接していた部分ではほぼ垂直である形状であり、角度は97度であった。
また、光半透過膜パターンのCDばらつきは、0.105μmと良好であった。
なお、上述の実施例では、クロム酸化窒化炭化膜(CrCON)を成膜した後、ArガスとNガスとCOガスとの混合ガス雰囲気に曝す例を説明したが、NガスとCOガスとの混合ガスやCOガス雰囲気に曝す場合であっても同等の効果が得られる。
また、上述の実施例では、光半透過膜の材料としてクロム酸化窒化炭化膜(CrCON)の例を説明したが、これに限られない。光半透過膜の材料としてクロム炭化膜(CrC)やクロム窒化炭化膜(CrCN)やクロム酸化炭化膜(CrOC)であってもよい。
また、上述の実施例で光半透過膜上に、エッチングマスク膜、レジスト密着性向上膜が形成された位相シフトマスクブランクから透明基板上に光半透過膜パターンが形成された位相シフトマスクを用いて説明したが、これに限られない。上記レジスト密着性向上膜として、露光光に対して遮光性を有する機能をもたせたり、露光光の位相を変える機能を持たせることができる。その場合に製造される位相シフトマスクとしては、光半透過膜パターン上に該光半透過膜パターンの幅よりも狭いエッチングマスク膜パターン、レジスト密着性向上膜パターンが形成された位相シフトマスクとしても構わない。
また、上述の実施例では、表示装置製造用の位相シフトマスクブランク表示装置製造用の位相シフトマスクの例を説明したが、これに限られない。本発明の位相シフトマスクブランクや位相シフトマスクは、半導体装置製造用、MEMS製造用、プリント基板用等にも適用できる。
また、上述の実施例では、透明基板のサイズが、3345サイズ(330mm×450mm)の例を説明したが、これに限られない。表示装置製造用の位相シフトマスクブランクの場合、大型(Large Size)の透明基板が使用され、該透明基板のサイズは、一辺の長さが、10インチ以上である。表示装置製造用の位相シフトマスクブランクに使用する透明基板のサイズは、例えば、330mm×450mm以上2280mm×3130mm以下である。
また、半導体装置製造用、MEMS製造用、プリント基板用の位相シフトマスクブランクの場合、小型(Small Size)の透明基板が使用され、該透明基板のサイズは、一辺の長さが9インチ以下である。上記用途の位相シフトマスクブランクに使用する透明基板のサイズは、例えば、63.1mm×63.1mm以上228.6mm×228.6mm以下である。通常、半導体製造用、MEMS製造用は、6025サイズ(152mm×152mm)や5009サイズ(126.6mm×126.6mm)が使用され、プリント基板用は、7012サイズ(177.4mm×177.4mm)や、9012サイズ(228.6mm×228.6mm)が使用される。
11 スパッタリング装置、 LL 搬入チャンバー、 SP1 第1スパッタチャンバー、 BU バッファーチャンバー、 SP2 第2スパッタチャンバー、 ULL 搬出チャンバー、 12 透明基板、 13 第1スパッタターゲット、 GA11 第1ガス導入口、 GA12 第2ガス導入口、 14 第2スパッタターゲット、 GA21 第3ガス導入口、 GA22 第4ガス導入口、 15 第3スパッタターゲット、 GA31 第5ガス導入口、 GA32 第6ガス導入口、 20 位相シフトマスクブランク、 21 透明基板、 22 光半透過膜、 22’光半透過膜パターン、 23 エッチングマスク膜、 23’ エッチングマスク膜パターン、 24 レジスト密着性向上膜、 24’ レジスト密着性向上膜パターン、 25 レジスト膜、 25’ レジストパターン、 30 位相シフトマスク。

Claims (26)

  1. 透明基板と、
    前記透明基板の主表面上に形成された、露光光に含まれる代表波長の光の位相を略180度変える性質を有しかつクロム系材料から構成される光半透過膜と、
    該光半透過膜上に形成された、金属シリサイド系材料から構成されるエッチングマスク膜と
    を備えることを特徴とする位相シフトマスクブランク。
  2. 前記エッチングマスク膜は、遮光性を有することを特徴とする請求項1記載の位相シフトマスクブランク。
  3. 表示装置製造用の位相シフトマスクブランクにおいて、
    透明基板と、
    前記透明基板の主表面上に形成された、露光光に含まれる代表波長の光の位相を第1の角度変える性質を有しかつクロム系材料から構成される光半透過膜と、
    該光半透過膜上に形成された、露光光に含まれる代表波長の光の位相を第2の角度変える性質を有しかつ金属シリサイド系材料から構成されるエッチングマスク膜と
    を備え、
    前記第1の角度と前記第2の角度との和は略180度であることを特徴とする位相シフトマスクブランク。
  4. 前記光半透過膜と前記エッチングマスク膜との界面に組成傾斜領域が形成され、該組成傾斜領域では、前記光半透過膜のウェットエッチング速度を遅くする成分の割合が、深さ方向に向かって段階的および/または連続的に増加していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランク。
  5. 前記光半透過膜は、該光半透過膜と前記エッチングマスク膜との界面および該光半透過膜と前記透明基板との界面を除いた部分の組成が、実質的に均一であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランク。
  6. 前記光半透過膜は、複数の層から構成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランク。
  7. 前記クロム系材料は、クロムの炭化物、クロムの窒化炭化物、クロムの酸化炭化物、またはクロムの酸化窒化炭化物であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランク。
  8. 前記金属シリサイド系材料は、金属とケイ素とを含み、金属とケイ素の比率は、金属:ケイ素=1:1以上1:9以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランク。
  9. 前記金属シリサイド系材料は、金属シリサイド、金属シリサイドの窒化物、金属シリサイドの酸化物、金属シリサイドの炭化物、金属シリサイドの酸化窒化物、金属シリサイドの炭化窒化物、金属シリサイドの酸化炭化物、または金属シリサイドの酸化炭化窒化物であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランク。
  10. 前記金属シリサイド系材料は、金属シリサイドの窒化物、金属シリサイドの酸化窒化物、金属シリサイドの炭化窒化物、または金属シリサイドの酸化炭化窒化物であって、窒素の含有量は、25原子%以上55原子%以下であることを特徴とする請求項9記載の位相シフトマスクブランク。
  11. 前記エッチングマスク膜上に形成された、クロム系材料から構成されるレジスト密着性向上膜を備えることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランク。
  12. 前記位相シフトマスクブランクは、表示装置製造用位相シフトマスクブランクであることを特徴とする請求項1、2、4乃至11のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランク。
  13. 透明基板を準備する準備工程と、
    前記透明基板の主表面上に、スパッタリングにより、露光光に含まれる代表波長の光の位相を略180度変える性質を有しかつクロム系材料から構成される光半透過膜を形成する半透過膜形成工程と、
    前記光半透過膜上に、スパッタリングにより、金属シリサイド系材料から構成されるエッチングマスク膜を形成するエッチングマスク膜形成工程と
    を備えることを特徴とする位相シフトマスクブランクの製造方法。
  14. 表示装置製造用の位相シフトマスクブランクの製造方法において、
    透明基板を準備する準備工程と、
    前記透明基板の主表面上に、スパッタリングにより、露光光に含まれる代表波長の光の位相を第1の角度変える性質を有しかつクロム系材料から構成される光半透過膜を形成する半透過膜形成工程と、
    前記光半透過膜上に、スパッタリングにより、露光光に含まれる代表波長の光の位相を第2の角度変える性質を有しかつ金属シリサイド系材料から構成されるエッチングマスク膜を形成するエッチングマスク膜形成工程と
    を備え、
    前記第1の角度と前記第2の角度との和は略180度であることを特徴とする位相シフトマスクブランクの製造方法。
  15. 前記半透過膜形成工程は、スパッタガス雰囲気でスパッタパワーを印加してクロム系材料から構成される光半透過膜を成膜する成膜工程と、前記光半透過膜のウェットエッチング速度を遅くする成分を含むガス雰囲気に該光半透過膜を曝す曝露工程とを含み、該曝露工程は、前記光半透過膜を大気に曝すことなく前記成膜工程後に連続して行われることを特徴とする請求項13または14記載の位相シフトマスクブランクの製造方法。
  16. 前記成膜工程は、クロムまたはクロム化合物を含むスパッタターゲットを使用して、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガスおよびキセノンガスからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む不活性ガスと、二酸化炭素ガスまたは炭化水素系ガスを含む活性ガスとの混合ガスからなるスパッタガス雰囲気で行われることを特徴とする請求項15記載の位相シフトマスクブランクの製造方法。
  17. 前記曝露工程は、炭素を含むガス雰囲気で行われることを特徴とする請求項15または16記載の位相シフトマスクブランクの製造方法。
  18. 前記エッチングマスク膜形成工程は、金属とケイ素とを含むスパッタターゲットを使用して、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガスおよびキセノンガスからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む不活性ガスと、酸素ガス、窒素ガス、二酸化炭素ガス、酸化窒素系ガスおよび炭化水素系ガスからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む活性ガスとの混合ガスからなるスパッタガス雰囲気で行われることを特徴とする請求項13乃至17のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランクの製造方法。
  19. 前記位相シフトマスクブランクは、表示装置製造用位相シフトマスクブランクであることを特徴とする請求項13、15乃至18のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランクの製造方法。
  20. 請求項1乃至10、12のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランクのエッチングマスク膜上、または、請求項13乃至19のいずれか一に記載の位相シフトマスクブランクの製造方法によって得られた位相シフトマスクブランクのエッチングマスク膜上に、レジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、
    前記レジストパターンをマスクにして前記エッチングマスク膜をウェットエッチングしてエッチングマスク膜パターンを形成するエッチングマスク膜パターン形成工程と、
    前記エッチングマスク膜パターンをマスクにして前記光半透過膜をウェットエッチングして光半透過膜パターンを形成する半透過膜パターン形成工程と
    を有することを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。
  21. 表示装置製造用の位相シフトマスクの製造方法において、
    請求項11記載の位相シフトマスクブランクのレジスト密着性向上膜上に、レジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、
    前記レジストパターンをマスクにして前記レジスト密着性向上膜および前記エッチングマスク膜をウェットエッチングしてレジスト密着性向上膜パターンおよびエッチングマスク膜パターンを形成するエッチングマスク膜パターン形成工程と、
    前記レジスト密着性向上膜パターンおよび前記エッチングマスク膜パターン、若しくは前記エッチングマスク膜パターンをマスクにして前記光半透過膜をウェットエッチングして光半透過膜パターンを形成する半透過膜パターン形成工程と
    を有することを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。
  22. 前記エッチングマスク膜パターン形成工程は、弗化水素酸、珪弗化水素酸、および弗化水素アンモニウムから選ばれた少なくとも一つの弗素化合物と、過酸化水素、硝酸、および硫酸から選ばれた少なくとも一つの酸化剤とを含むエッチング液を用いてウェットエッチングを行うことを特徴とする請求項20または21記載の位相シフトマスクの製造方法。
  23. 前記位相シフトマスクは、表示装置製造用位相シフトマスクであることを特徴とする請求項20乃至22のいずれか一に記載の位相シフトマスクの製造方法。
  24. 表示装置の製造方法において、
    基板上にレジスト膜が形成されたレジスト膜付き基板に対して、請求項23記載の位相シフトマスクの製造方法よって得られた位相シフトマスクを、前記レジスト膜に対向して配置する位相シフトマスク配置工程と、
    前記露光光を前記位相シフトマスクに照射して、前記レジスト膜を露光するレジスト膜露光工程と
    を有することを特徴とする表示装置の製造方法。
  25. 前記露光光は、300nm以上500nm以下の波長範囲の光を含むことを特徴とする請求項24記載の表示装置の製造方法。
  26. 前記露光光は、i線、h線およびg線を含む複合光であることを特徴とする請求項24または25記載の表示装置の製造方法。
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