JP2018106022A - 表示装置製造用フォトマスクの製造方法および表示装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
なお、特許文献1では、位相反転膜の上部または下部に、遮光性膜、半透過膜、エッチング阻止膜、およびハードマスク膜を始めとして転写用パターンに必要な膜のうち一つ以上の膜を含む機能性膜が配された表示装置用の位相シフトマスクブランクも提案されている。
特許文献3に記載されているCr含有基材用エッチング剤組成物は、上述のように、サイドエッチングの少ないエッチングが可能であり、クロムを含有する機能膜に対するエッチング材料としても有効である。しかしながら、このCr含有基材用エッチング剤組成物は、Cr成分のみならず、レジスト材料もエッチングしてしまう。このため、CrやCrNといったCr系材料単層膜の上にレジストパターンを形成し、Cr系材料単層膜をパターニングしようとすると、単層膜の表層が露出してエッチングされてしまうおそれがある。これを防止するため、レジストパターンの膜厚を大きくしようとすると、その膜厚の増大によりパターン倒れが生じるおそれがあり、ラインアンドスペースの線幅が1.8μmから2.0μm世代で要求される微細なパターン線幅を有するフォトマスクの製造には適さない。
一方、引用文献3には、Cr含有膜として、Au/Cr積層膜、Cu/Cr積層膜、Cr2O3−CrからなるCr系積層膜も開示されている。しかしながら、引用文献3に記載の積層膜では、表示装置製造用フォトマスクブランクに要求される耐薬性や膜面反射率を満たすことはできない。
(構成1)
露光光に対して実質的に透明な材料からなる透明基板上に、露光光の光学特性を調整する機能を有してクロムを含有する機能膜と、前記機能膜上に該機能膜をエッチングするエッチング液に対してエッチング耐性を有する材料からなるエッチングマスク膜と、前記エッチングマスク膜上に500nm以下の膜厚を有するレジスト膜とを有する表示装置製造用フォトマスクブランクを準備する工程と、
前記レジスト膜に所望のパターンを描画・現像を行うことにより、レジストパターンを形成し、該レジストパターンをマスクとして、エッチングによりパターニングして、前記エッチングマスクパターンを形成する工程と、
前記エッチングマスクパターンをマスクとして、前記機能膜を、フェリシアン化金属塩成分を含有するエッチング液によりパターニングして、前記機能膜パターンを形成する工程と、を含むことを特徴とする、表示装置製造用フォトマスクの製造方法。
前記機能膜をエッチングするエッチング液は、フェリシアン化カリウムを含むことを特徴とする構成1記載の表示装置製造用フォトマスクの製造方法。
前記機能膜は、露光光の位相を変える機能を有することを特徴とする構成1又は2記載の表示装置製造用フォトマスクの製造方法。
前記機能膜は、露光光を遮光する機能を有することを特徴とする構成1又は2記載の表示装置製造用フォトマスクの製造方法。
前記エッチングマスク膜は、チタン、タンタル、モリブデン、ジルコニウム、タングステン、ニッケル、ハフニウム、ニオブから選択される少なくとも1種以上の金属または合金の酸化物、窒化物、酸化窒化物、酸化炭化物、窒化炭化物、酸化窒化炭化物の材料で構成されていることを特徴とする構成1から4のいずれか1つに記載の表示装置製造用フォトマスクの製造方法。
前記エッチングマスク膜は、描画の際に使用するレーザー波長において、20%以下の膜面反射率を有することを特徴とする構成5記載の表示装置製造用フォトマスクの製造方法。
前記表示装置製造用フォトマスクは、マスクパターンの線幅が1.8μm以下のものを含むことを特徴とする構成1から6のいずれか1つに記載の表示装置製造用フォトマスクの製造方法。
構成1から7のいずれか1つに記載の表示装置製造用フォトマスクの製造方法によって製造されたフォトマスクを露光装置のマスクステージに載置し、前記フォトマスク上に形成された転写用パターンを表示装置基板上に形成されたレジストに露光転写する露光工程を有することを特徴とする表示装置の製造方法。
フォトマスクブランク100は、ハーフトーン型位相シフトマスクであってもよいし、グレートーンマスク(階調マスク)であってもよいし、バイナリーマスクであってもよい。
機能膜2は、露光光の光学特性を調整する機能を有し、クロムを含有する膜である。機能膜2は、露光光を遮光する機能を有する遮光膜であってもよいし、露光光の透過率を調整する機能を有する透過率調整層であってもよいし、露光光の位相を変える機能を有する位相シフト膜であってもよい。また、機能膜2は、組成を均一にした単層膜で構成されてもよく、組成を厚さ方向で傾斜させた組成傾斜膜で構成されてもよく、組成の同一な若しくは組成の異なる複数層で構成されてもよい。
機能膜2は、スパッタリング法により形成することができる。
エッチングマスク膜3は、スパッタリング法により形成することができる。
この場合、機能膜2は、露光光の位相を変える機能を有する位相シフト膜として機能する。この場合における機能膜2を位相シフト膜2、機能膜パターン2aを位相シフト膜パターン2aと適宜表記する。
露光光に対する位相シフト膜2の透過率は、位相シフト膜2として必要な値を満たす。位相シフト膜2の透過率は、露光光に含まれる所定の波長の光(以下、代表波長という)に対して、好ましくは、1%〜30%であり、より好ましくは、2%〜20%であり、さらに好ましくは3%〜10%である。すなわち、露光光が313nm以上436nm以下の波長範囲の光を含む複合光である場合、位相シフト膜2は、その波長範囲に含まれる代表波長の光に対して、上述した透過率を有する。例えば、露光光がj線、i線、h線およびg線を含む複合光である場合、位相シフト膜2は、j線、i線、h線およびg線のいずれかに対して、上述した透過率を有する。
露光光に対する位相シフト膜2の位相差は、位相シフト膜2として必要な値を満たすように調整される。位相シフト膜2の位相差は、露光光に含まれる代表波長の光に対して、好ましくは、160°〜200°であり、より好ましくは、170°〜190°である。この性質により、露光光に含まれる代表波長の光の位相を160°〜200°変えることができる。このため、位相シフト膜2を透過した代表波長の光と透明基板1のみを透過した代表波長の光との間に160〜200°の位相差が生じる。すなわち、露光光が313nm以上436nm以下の波長範囲の光を含む複合光である場合、位相シフト膜2は、その波長範囲に含まれる代表波長の光に対して、上述した位相差を有する。例えば、露光光がj線、i線、h線およびg線を含む複合光である場合、位相シフト膜2は、j線、i線、h線およびg線のいずれかに対して、上述した位相差を有する。
位相シフト膜2の透過率および位相差は、位相シフト膜2の各々の組成および厚さを調整することにより制御することができる。
透過率および位相差は、位相シフト量測定装置などを用いて測定することができる。
この場合、機能膜2は、露光光の透過を遮る機能を有する遮光膜として機能する。この場合における機能膜2を遮光膜2、機能膜パターン2aを遮光膜パターン2aと適宜表記する。
なお、上述した位相シフトマスクブランク100における遮光膜パターンについても、同様の材料を用いることができる。
また、透明基板1と遮光膜2との間に、透過率を調整する透過率調整層を有するようにしてもよい。透明基板1と遮光膜2との間に透過率調整層を形成したフォトマスクブランクは、一般にグレートーンマスクブランク(階調マスクブランク)と呼ばれる。この場合の透過率調整層は、遮光膜2を構成するクロム系材料をパターニングする際に使用するエッチング液に対して耐性を有する、金属とケイ素とを含有する金属シリサイド系材料、タンタルやジルコニウム等の金属を含有する金属系材料が使用される。前記金属シリサイド系材料や金属系材料に、酸素、窒素、炭素、フッ素等の元素を添加した材料とすることもできる。
また、透過率調整層としてクロムを含有する膜を使用することも可能である。この場合は、特開2002−189280に記載されているグレートーンマスクにおける露光光の一部を透過するグレートーン部となる透過率制御膜として使用することができる。
以下、各工程を詳細に説明する。
準備工程では、先ず、透明基板1を準備する。透明基板1の材料は、使用する露光光に対して透光性を有する材料であれば、特に制限されない。例えば、合成石英ガラス、ソーダライムガラス、無アルカリガラスが挙げられる。
遮光膜パターンを備える表示装置製造用フォトマスクブランク100を製造する場合、その後、透明基板1上に、スパッタリング法により、例えば、クロム系材料からなる遮光膜を形成する。その後、遮光膜上にレジストパターンを形成し、レジストパターンをマスクにして遮光膜をエッチングして、遮光膜パターンを形成する。その後、レジストパターンを剥離する。
機能膜形成工程では、透明基板1上に、スパッタリング法により、クロム系材料からなる機能膜2を形成する。ここで、透明基板1上に遮光膜パターンが形成されている場合、遮光膜パターンを覆うように、機能膜2を形成する。
エッチングマスク膜形成工程では、機能膜2上に、スパッタリング法により、機能膜2をエッチングするエッチング液に対してエッチング耐性を有する材料からなるエッチングマスク膜3を形成する。また、エッチングマスク膜3は、レーザー描画光として用いられる350nm〜436nmの波長域の光に対する膜面反射率が20%以下となるように調整される。
表示装置製造用フォトマスクは、以下のレジストパターン形成工程、エッチングマスクパターン形成工程、機能膜パターン形成工程とを行うことによって製造される。
以下、各工程を詳細に説明する。
レジストパターン形成工程では、先ず、図2(a)に示すフォトマスクブランク100のエッチングマスク膜3上に、図2(b)に示すように、レジスト膜4を形成する。ただし、フォトマスクブランク100が、エッチングマスク膜3上にレジスト膜4を備えるものである場合、レジスト膜の形成は行わない。使用するレジスト材料は、特に制限されない。後述する350nm〜436nmの波長域から選択されるいずれかの波長を有するレーザー光に対して感光するものであればよい。また、レジスト膜4は、ポジ型、ネガ型のいずれであっても構わない。
レジスト膜4は、エッチングマスク膜3上に所望のパターン線幅を形成するのに必要な膜厚以上であって、500nm以下の膜厚を有する。ラインアンドスペースパターンの線幅が1.8μm以降の世代に要求されるCD均一性を得るために、レジスト膜4の膜厚は、好ましくは、エッチングマスク膜3上に所望のパターン線幅を形成するのに必要な膜厚以上であって、300nm以下とするのが望ましい。
その後、350nm〜436nmの波長域から選択されるいずれかの波長を有するレーザー光を用いて、レジスト膜4に所定のパターンを描画する。レジスト膜4に描画するパターンとして、ラインアンドスペースパターンやホールパターンが挙げられる。
その後、レジスト膜4を所定の現像液で現像して、図2(c)に示すように、エッチングマスク膜3上にレジストパターン4aを形成する。
エッチングマスクパターン形成工程では、先ず、レジストパターン4aをマスクにしてエッチングマスク膜3をエッチングして、図2(d)に示すように、エッチングマスクパターン3aを形成する。エッチングマスク膜3をエッチングするエッチング媒質(エッチング溶液、エッチングガス)は、エッチングマスク膜3を選択的にエッチングできるものであれば、特に制限されない。具体的には、水酸化カリウムと過酸化水素とを含むエッチング溶液やエッチングガスが挙げられる。
その後、フェリシアン化金属塩成分を含有するエッチング液を用いて、レジストパターン4aおよびエッチングマスクパターン3aをマスクにして機能膜2をエッチングして、図2(e)に示すように、機能膜パターン2aを形成する。フェリシアン化金属塩成分を含有するエッチング液を用いることで、クロムを含有する機能膜2に対して、エッチング速度が早く、サイドエッチングの少ないエッチングが可能となり、優れたパターン断面形状および優れたCD均一性を有する機能膜パターン2aを形成することができる。また、フェリシアン化金属塩成分を含有するエッチング液を用いることで、機能膜2だけでなくレジストパターン4aをエッチングすることができる。上述のように、レジスト膜4は、エッチングマスク膜3上に所望のパターン線幅を形成するのに必要な膜厚以上であって500nm以下の膜厚を有するようにしている。このため、フェリシアン化金属塩成分を含有するエッチング液を用いて機能膜2をパターニングする際に、レジストパターン4aを剥離することができる。このように、機能膜パターン形成工程の際にレジストパターン4aの剥離を並行して行うことができるため、レジスト剥離液を用いたレジストパターンの剥離工程を別途行う必要がなく、製造工程を短縮化でき、製造歩留まりを高めることができる。
以下、各工程を詳細に説明する。
載置工程では、実施の形態で製造された表示装置製造用フォトマスク200を露光装置のマスクステージに載置する。ここで、表示装置製造用フォトマスク200は、露光装置の投影光学系を介して表示装置基板上に形成されたレジスト膜(図示せず)に対向するように配置される。
パターン転写工程では、表示装置製造用フォトマスク200に露光光を照射して、表示装置基板上に形成されたレジスト膜に転写用パターンを露光転写する。露光光は、313nm〜436nmの波長域から選択される複数の波長の光を含む複合光や、313nm〜436nmの波長域からある波長域をフィルターなどでカットし選択された単色光である。例えば、露光光は、i線、h線およびg線を含む複合光や、j線、i線、h線およびg線を含む混合光や、i線の単色光である。露光光として複合光を用いると、露光光強度を高くしてスループットを上げることができるため、表示装置の製造コストを下げることができる。
以下、実施例1〜6および比較例1について詳細に説明する。
実施例1におけるフォトマスクマスクブランクは、位相シフトマスクブランクである。この位相シフトマスクブランクにおける位相シフト膜は、酸化炭化窒化クロム(CrOCN)から構成される膜厚122nmの単層膜である。
この位相シフトマスクブランクにおけるエッチングマスク膜は、酸化窒化チタン(TiON)からで構成される膜厚20nmの単層膜である。
また、エッチングマスク膜は、レーザー描画の際に使用するレーザー光の波長413nmに対する膜面反射率が、15%以下になる成膜条件で成膜した。なお、透過率および位相差は、レーザーテック社製のMPM−100(商品名)を用いて測定することができる。
先ず、透明基板である合成石英ガラス基板を準備した。透明基板の両主表面は鏡面研磨されている。実施例2〜6および比較例1において準備した透明基板の両主表面も同様に鏡面研磨されている。
その後、透明基板をインライン型スパッタリング装置に搬入した。インライン型スパッタリング装置には、スパッタ室が設けられている。
その後、スパッタ室に配置されたクロムターゲットに4.0kWのスパッタパワーを印加し、ArガスとCO2ガスとN2ガスをスパッタ室内に導入しながら、400mm/分の速度で透明基板を搬送させた。透明基板がクロムターゲット付近を通過する際に、透明基板上に酸化炭化窒化クロム(CrOCN)から構成される膜厚120nmの位相シフト膜を成膜した。ここで、Arガスが100sccm、CO2ガスが50sccm、N2ガスが50sccmの流量となるようにスパッタ室内に導入した。
その後、チタンターゲットに2.0kWのスパッタパワーを印加し、ArガスとO2ガスとN2ガスをスパッタ室内に導入しながら、800mm/分の速度で透明基板を搬送させた。透明基板がチタンターゲット付近を通過する際に、位相シフト膜上にTiONからなる膜厚20nmのエッチングマスク膜を成膜した。ここで、Arガスが100sccm、O2ガスが60sccm、N2ガスが60sccmの流量となるようにスパッタ室内に導入した。
その後、位相シフト膜とエッチングマスク膜が形成された透明基板をインライン型スパッタリング装置から取り出し、洗浄を行った。
なお、位相シフト膜の成膜、エッチングマスク膜の成膜は、透明基板をインライン型スパッタリング装置外に取り出すことによって大気に曝すことなく、インライン型スパッタリング装置内で連続して行った。
先ず、上述した位相シフトマスクブランクのエッチングマスク膜上に、ノボラック系のポジ型のフォトレジストからなるレジスト膜を形成した。このときのレジスト膜の膜厚を300nmとした。
その後、レーザー描画機により、波長413nmのレーザー光を用いて、レジスト膜に所定のパターンを描画した。
その後、レジスト膜を所定の現像液で現像して、位相シフト膜上にレジストパターンを形成した。
その後、レジストパターンをマスクにしてエッチングマスク膜をエッチングして、エッチングマスクパターンを形成した。エッチングマスク膜をエッチングするエッチング溶液として、フッ化水素アンモニウムと過酸化水素を含む23℃の水溶液を用いた。
なお、位相シフトマスクの位相シフト膜パターン断面は、電子顕微鏡(日本電子株式会社製のJSM7401F(商品名))を用いて観察した。実施例2〜6および比較例1においても同様に測定した。
なお、位相シフトマスクの位相シフト膜パターンのCDばらつきは、セイコーインスツルメンツナノテクノロジー社製SIR8000を用いて測定した。実施例2〜6および比較例1においても同様に測定した。
実施例2におけるフォトマスクマスクブランクは、位相シフトマスクブランクである。 実施例2の位相シフトマスクブランクは、実施例1の位相シフトマスクブランクとはエッチングマスク膜だけが異なる。
この位相シフトマスクブランクにおけるエッチングマスク膜は、酸化チタン(TiO2)で構成される膜厚20nmの単層膜である。
その他の点は実施例1と同様の方法により、実施例2の位相シフトマスクブランクを製造した。
実施例3におけるフォトマスクマスクブランクは、位相シフトマスクブランクである。 実施例3の位相シフトマスクブランクは、実施例1の位相シフトマスクブランクとは位相シフト膜だけが異なる。
この位相シフトマスクブランクにおける位相シフト膜は、透明基板側から順に配置された、酸化炭化窒化クロム(CrOCN)から構成される位相シフト層(膜厚89nm)と炭化クロム(CrC)から構成されるメタル層(膜厚10nm)と酸化炭化窒化クロム(CrOCN)から構成される反射率低減層(膜厚30nm)とから構成される。
位相シフト層(CrOCN)のCr含有率は32原子%であり、メタル層(CrC)のCr含有率は46原子%であり、反射率低減層(CrOCN)のCr含有率は28原子%であった。
なお、Cr含有率は、アルバックファイ社製のSAM670型走査型オージェ電子分光装置(商品名)を用いて測定した。
その後、クロムターゲットに0.4kWのスパッタパワーを印加し、ArガスとCH4ガスとの混合ガス(Arガス中に8%の濃度でCH4ガスが含まれている混合ガス)を100sccmの流量でスパッタ室内に導入しながら、400mm/分の速度で透明基板を搬送させた。透明基板がクロムターゲット付近を通過する際に、位相シフト層上に炭化クロム(CrC)から構成される膜厚10nmのメタル層を成膜した。
その後、クロムターゲットに2.0kWのスパッタパワーを印加し、ArガスとN2ガスとCO2ガスとの混合ガスをスパッタ室内に導入しながら、200mm/分の速度で透明基板を搬送させた。透明基板がクロムターゲット付近を通過する際に、メタル層上に酸化炭化窒化クロム(CrOCN)から構成される膜厚30nmの反射率低減層を成膜した。ここで、混合ガスは、Arが35sccm、N2が35sccm、CO2が18.2sccmの流量となるようにスパッタ室内に導入した。
その他の点は実施例1と同様の方法により、実施例3の位相シフトマスクブランクを製造した。
実施例4におけるフォトマスクマスクブランクは、位相シフトマスクブランクである。 実施例4の位相シフトマスクブランクは、実施例1の位相シフトマスクブランクにおけるエッチングマスク膜を、酸化タンタル(TaO)で構成される膜厚20nmの単層膜とした。
その他の点は実施例1と同様の方法により、実施例4の位相シフトマスクブランクを製造した。
エッチングマスク膜をエッチングするエッチング溶液として、水酸化カリウムと過酸化水素を含む55℃の水溶液を用いた。また、レジストパターンおよびエッチングマスクパターンをマスクにして位相シフト膜をエッチングして、位相シフト膜パターンを形成した後、エッチングマスクパターンは除去しない以外の点は実施例1と同様の方法により、実施例4の位相シフトマスクを製造した。
実施例5におけるフォトマスクマスクブランクは、位相シフトマスクブランクである。 実施例5の位相シフトマスクブランクは、実施例1の位相シフトマスクブランクにおけるエッチングマスク膜を、酸化窒化タンタルボロン(TaBON)で構成される膜厚20nmの単層膜とした。
その他の点は実施例1と同様の方法により、実施例5の位相シフトマスクブランクを製造した。
エッチングマスク膜をエッチングするエッチング溶液として、実施例4と同様に、水酸化カリウムと過酸化水素を含む55℃の水溶液を用いた。また、レジストパターンおよびエッチングマスクパターンをマスクにして位相シフト膜をエッチングして、位相シフト膜パターンを形成した後、エッチングマスクパターンは除去しない以外の点は実施例1と同様の方法により、実施例5の位相シフトマスクを製造した。
実施例6におけるフォトマスクマスクブランクは、バイナリーマスクブランクである。
実施例6のバイナリーマスクブランクにおける遮光膜は、露光光を遮光する機能を有する遮光層と、マスクパターン描画光の反射を低減する反射率低減層とを有し、遮光層と反射率低減層を合わせてマスクパターン用の遮光膜を形成する。遮光層は、酸化窒化クロム(CrON)から構成され、反射率低減層は、2層(上層部、下層部)の酸化炭化窒化クロム(CrOCN)から構成される。
このバイナリーマスクブランクにおけるエッチングマスク膜は、実施例1と同じ酸化窒化チタン(TiON)から構成される膜厚20nmの単層膜とした。
その他の点は実施例1と同様の方法により、実施例6のバイナリーマスクブランクを製造した。
比較例1の位相シフトマスクブランクにおける位相シフト膜は、酸化炭化窒化クロム(CrOCN)から構成される位相シフト層(膜厚122nm)のみから構成される。比較例1の位相シフトマスクブランクは、エッチングマスク膜を備えていない点で実施例1のフォトマスクブランクと異なる。
先ず、上述した位相シフトマスクブランクの位相シフト膜上に、ノボラック系のポジ型のフォトレジストからなるレジスト膜を形成した。このときのレジスト膜の膜厚を525nmとした。
その後、レジスト膜を所定の現像液で現像して、位相シフト膜上にレジストパターンを形成した。
その後、レジストパターンをマスクにして位相シフト膜をエッチングして、位相シフト膜パターンを形成した。位相シフト膜をエッチングするエッチング溶液として、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸とを含む23℃の水溶液を用いた。
その後、レジスト剥離液を用いて、レジストパターンを剥離した。
上述した位相シフトマスクブランクを用いて製造された位相シフトマスクの位相シフト膜パターン断面は、傾斜角度が50度であり、良好と言えるものではなかった。
2...機能膜(位相シフト膜、遮光膜)
2a...機能膜パターン(位相シフト膜パターン、遮光膜パターン)
3...エッチングマスク膜
3a...エッチングマスクパターン
4...レジスト膜
4a...レジストパターン
100...フォトマスクブランク(位相シフトマスクブランク、バイナリーマスクブランク)
200...フォトマスク(位相シフトマスク、バイナリーマスク)
Claims (8)
- 露光光に対して実質的に透明な材料からなる透明基板上に、露光光の光学特性を調整する機能を有してクロムを含有する機能膜と、前記機能膜上に該機能膜をエッチングするエッチング液に対してエッチング耐性を有する材料からなるエッチングマスク膜と、前記エッチングマスク膜上に500nm以下の膜厚を有するレジスト膜とを有する表示装置製造用フォトマスクブランクを準備する工程と、
前記レジスト膜に所望のパターンを描画・現像を行うことにより、レジストパターンを形成し、該レジストパターンをマスクとして、エッチングによりパターニングして、前記エッチングマスクパターンを形成する工程と、
前記エッチングマスクパターンをマスクとして、前記機能膜を、フェリシアン化金属塩成分を含有するエッチング液によりパターニングして、前記機能膜パターンを形成する工程と、を含むことを特徴とする、表示装置製造用フォトマスクの製造方法。 - 前記機能膜をエッチングするエッチング液は、フェリシアン化カリウムを含むことを特徴とする請求項1記載の表示装置製造用フォトマスクの製造方法。
- 前記機能膜は、露光光の位相を変える機能を有することを特徴とする請求項1又は2記載の表示装置製造用フォトマスクの製造方法。
- 前記機能膜は、露光光を遮光する機能を有することを特徴とする請求項1又は2記載の表示装置製造用フォトマスクの製造方法。
- 前記エッチングマスク膜は、チタン、タンタル、モリブデン、ジルコニウム、タングステン、ニッケル、ハフニウム、ニオブから選択される少なくとも1種以上の金属または合金の酸化物、窒化物、酸化窒化物、酸化炭化物、窒化炭化物、酸化窒化炭化物の材料で構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の表示装置製造用フォトマスクの製造方法。
- 前記エッチングマスク膜は、描画の際に使用するレーザー波長において、20%以下の膜面反射率を有することを特徴とする請求項5記載の表示装置製造用フォトマスクの製造方法。
- 前記表示装置製造用フォトマスクは、マスクパターンの線幅が1.8μm以下のものを含むことを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の表示装置製造用フォトマスクの製造方法。
- 請求項1から7のいずれか1つに記載の表示装置製造用フォトマスクの製造方法によって製造されたフォトマスクを露光装置のマスクステージに載置し、前記フォトマスク上に形成された転写用パターンを表示装置基板上に形成されたレジストに露光転写する露光工程を有することを特徴とする表示装置の製造方法。
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