JP2014205877A - Zn−Al−Mg系合金めっき用めっき浴槽および浴中浸漬部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 侵食性が低く、かつZn−Al−Mg系合金めっき鋼板のめっき浴中にMgの酸化物やMgを含有したZn−Al系複合酸化物の発生が抑制されるめっき浴槽および/または浴中浸漬部材を提供する。【解決手段】Zn−Al−Mg系合金めっき浴中に鋼板を浸漬させる際のめっき浴槽や浴中浸漬部材に用いられる素材が、Zn−(1〜22)質量%Al−(1〜10)質量%Mgであるとともに、めっき浴浸漬部材および/または浴中浸漬部材に用いる素材を鉄系材料とする。【選択図】図1
Description
本発明は、Zn−Al−Mg系合金めっき鋼板のめっき浴槽および浴中浸漬部材に関する。
耐食性のある鋼材として、Zn−Al合金めっきが知られている。そして、Zn−Al合金めっき浴槽材料として、炭素鋼や鋳鋼を用いたもの、その他クロム(Cr)含有量を調整した亜鉛めっき浴槽用鋼や耐火物(セラミックス)が使用されることは既に知られている(特許文献1、2を参照)。
近年は、さらに耐食性の優れた鋼材として、Zn−Al−Mg系合金めっき鋼板が提案されている(特許文献3を参照)。
Zn−Al−Mg系合金めっき鋼板のめっき層に含まれているMgは、鋼板に対し優れた耐食性を付与する。しかしながらMgは反応性が高いため、Zn−Al−Mg系合金めっき浴用のめっき浴槽の浴槽材料として炭素鋼や鋳鋼を用いた場合、Mgの反応性の高さ故にめっき浴槽の侵食速度が大きく、当該めっき浴槽を長期間にわたって使用することが困難であるという問題があった。
また、Zn−Al−Mg系合金めっき浴用のめっき浴槽の浴槽材料に上述のアルミナ系(Al2O3)やシリカ系(SiO2)の耐火物(セラミックス)を用いると、めっき浴中のMgが耐火物の酸素と反応して酸化され、耐火物の表面にはMgの酸化物やMgを含有したZn−Al系複合酸化物が生成し成長する。
しかも、Mgの酸化物やMgを含有したZn−Al系複合酸化物は、合金めっき浴よりも比重が小さいため、めっき浴中で耐火物の壁に生成して成長すると浮力により耐火物表面から引き剥がされ、めっき浴表面に浮き上がり、浴中機器に噛み込んだり、スナウト内に浮上したりすると押し疵や板破断を引き起こす可能性がある。そのため、Mgの酸化物やMgを含有したZn−Al系複合酸化物が発生すると、それらを除去する作業が必要となる。
本発明は、このような問題に鑑みて導出したものであり、侵食性が低く、かつZn−Al−Mg系合金めっき鋼板のめっき浴中にMgの酸化物やMgを含有したZn−Al系複合酸化物の発生が抑制されるめっき浴槽および/または浴中浸漬部材を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、Zn−Al−Mg系合金めっき浴中に鋼板を浸漬させるためのめっき浴槽であって、前記Zn−Al−Mgの組成がZn−(1〜22)質量%Al−(1〜10)質量%Mgであるとともに、前記めっき浴槽に用いる素材を鉄系材料とすることを特徴とする。
また、本発明は、鋼板が浸漬されるZn−Al−Mg系合金めっき浴中に用いられる浴中浸漬部材であって、前記Zn−Al−Mgの組成がZn−(1〜22)質量%Al−(1〜10)質量%Mgであるとともに、前記浴中浸漬部材に用いる素材を鉄系材料とすることを特徴とする。
さらに、本発明のZn−Al−Mg系合金めっき用めっき浴槽および/または浴中浸漬部材に用いる鉄系材料として、オーステナイト系ステンレスまたはフェライト系ステンレスを用いることが好ましい。
本発明によるZn−Al−Mg系合金めっき用めっき浴槽および/または浴中浸漬部材は、アルミナ系(Al2O3)やシリカ系(SiO2)等の耐火物ではなく、鉄系、特にオーステナイト系ステンレスや、フェライト系ステンレスを用い、Zn−Al−Mgの組成がZn−(1〜22)質量%Al−(1〜10)質量%Mgである場合に有効であり、特にZn−6質量%Al−3質量%Mgである場合に有効である。Zn−Al−Mg系合金めっき用めっき浴中に含まれるMgの反応性は高いが、めっき浴中にMgの酸化物やMgを含有したZn−Al系複合酸化物を発生させることなく鋼板をめっきすることが可能である。
本発明によれば、侵食性が低く、かつZn−Al−Mg系合金めっき鋼板のめっき浴内にMgの酸化物やMgを含有したZn−Al系複合酸化物の発生が抑制されるめっき浴槽および/または浴中浸漬部材を提供することができる。
本発明のZn−Al−Mg系合金めっき鋼板のめっきラインについて、図1を用いて説明する。図1において、めっき浴槽10にはZn−Al−Mg系合金めっき浴金属20が満たされている。Zn−Al−Mgの組成は、Zn−(1〜22)質量%Al−(1〜10)質量%Mgである場合に耐食性に優れており、特にZn−6質量%Al−3質量%Mgである場合に優れた耐食性を示す。
Zn−Al−Mg系合金めっき浴金属20の温度は約450℃であり、焼鈍炉とめっき浴金属20との間に設けられるスナウト30の内部は無酸素状態となっている。焼鈍炉を通過した鋼板1は、Zn−Al−Mg系合金めっき浴金属20に浸漬されてめっき処理が施される。Zn−Al−Mg系合金めっき浴金属20に浸漬された鋼板は、シンクロール42およびサポートロール44に案内されて、めっき浴から引き上げられ、不活性ガス吹付けによる付着量調整を経て、冷却工程等(図示せず)へと移る。
ところで、めっき浴金属中のMgの含有量が1.0質量パーセント以上であるような場合には、めっき浴槽や、浴中浸漬部材への攻撃性(反応性)が高くなり、侵食やMgの酸化物やMgを含有したZn−Al系複合酸化物発生といった問題が引き起こされる。そこで、本発明によるめっき浴槽10およびには、鉄系材料としてステンレス鋼(SUS)を用いる。
ステンレス鋼は、オーステナイト系ステンレスや、フェライト系ステンレスであることが好ましい。ステンレス鋼は、めっき浴槽10だけでなく、シンクロール42、サポートロール44、さらにはこれらの軸受(図示せず)に代表される浴中浸漬部材にも用いてよい。Zn−Al−Mg系合金めっき浴金属20におけるMgは非常に反応性が高いため、めっき浴に関する部材をステンレス鋼にすることにより、めっき浴中におけるMgの酸化物やMgを含有したZn−Al系複合酸化物の発生を抑制できるとともに、めっき浴槽および/または浴中浸漬部材の侵食を抑制することができる。
本発明の実施のために用いるステンレス鋼は、例えばオーステナイト系ステンレス鋼のSUS304である。SUS316やSUS316Lを用いてもよい。
Zn−Al−Mg系合金めっき浴槽に用いる材質を比較する。具体的には、めっき浴槽の材質が、Zn−Al系めっき浴金属とZn−Al−Mg系合金めっき浴金属に与える影響について定性的に記載する。まず、めっき浴槽の材質に耐火物(セラミックス)を用いた場合においては、Zn−Al系めっき浴金属中ではZn−Al系複合酸化物の発生が少ないのに対し、Zn−Al−Mg系合金めっき浴槽中ではMgの酸化物やMgを含有したZn−Al系複合酸化物が発生してしまう。
次に、めっき浴槽の材質に炭素鋼や鋳鋼を用いた場合においては、Zn−Al系めっき浴金属中でもZn−Al−Mg系合金めっき浴中でもめっき浴槽が侵食されてしまう。最後に、めっき浴槽の材質にステンレス鋼を用いた場合においては、Zn−Al系めっき浴金属中でもZn−Al系複合酸化物の発生はなく、Zn−Al−Mg系合金めっき浴中でもMgの酸化物やMgを含有したZn−Al系複合酸化物の発生はなく、さらにめっき浴槽の侵食が抑制された。
このように、Zn−Al−Mg系合金めっき鋼板の製造におけるZn−Al−Mg系合金めっき浴は、Zn−Al−Mg系合金めっき金属のうちMgの反応性の高さ故にめっき浴槽の材質として耐火物(セラミックス)や炭素鋼や鋳鋼を用いることは適切ではなく、ステンレス鋼を用いることが最も適していることがわかる。また、めっき浴槽の材質だけでなく、Zn−Al−Mg系合金めっき金属に接触する可能性のある部材、すなわち、シンクロール、サポートロールさらにはこれらの軸受(図示せず)についても、ステンレス鋼を用いることが好ましい。
なお、本発明は上記実施形態および実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
1 鋼板
10 めっき浴槽
20 Zn−Al−Mg系合金めっき浴金属
30 スナウト
42 シンクロール
44 サポートロール
10 めっき浴槽
20 Zn−Al−Mg系合金めっき浴金属
30 スナウト
42 シンクロール
44 サポートロール
Claims (4)
- Zn−Al−Mg系合金めっき浴中に鋼板を浸漬させるためのめっき浴槽であって、
前記Zn−Al−Mgの組成がZn−(1〜22)質量%Al−(1〜10)質量%Mgであるとともに、
前記めっき浴槽に用いる素材を鉄系材料とする
ことを特徴とする、Zn−Al−Mg系合金めっき用めっき浴槽。 - 前記めっき浴槽に用いる鉄系材料として、オーステナイト系ステンレスまたはフェライト系ステンレスを用いる
ことを特徴とする請求項1に記載のZn−Al−Mg系合金めっき用めっき浴槽。 - 鋼板が浸漬されるZn−Al−Mg系合金めっき浴中に用いられる浴中浸漬部材であって、
前記Zn−Al−Mgの組成がZn−(1〜22)質量%Al−(1〜10)質量%Mgであるとともに、
前記浴中浸漬部材に用いる素材を鉄系材料とする
ことを特徴とする、Zn−Al−Mg系合金めっき浴中に用いられる浴中浸漬部材。 - 前記浴中浸漬部材に用いる鉄系材料として、オーステナイト系ステンレスまたはフェライト系ステンレスを用いる
ことを特徴とする請求項3に記載のZn−Al−Mg系合金めっき浴中に用いられる浴中浸漬部材。
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---|---|---|---|---|
CN114411077A (zh) * | 2022-01-18 | 2022-04-29 | 辽宁石源科技有限公司 | 一种镀锌铝或锌铝镁合金的高耐蚀不锈钢及热镀工艺 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS59173258A (ja) * | 1983-03-22 | 1984-10-01 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 溶融合金めつき装置 |
JPH10226865A (ja) * | 1996-12-13 | 1998-08-25 | Nisshin Steel Co Ltd | 耐食性および表面外観の良好な溶融Zn−Al−Mgめっき鋼板およびその製造法 |
JP2002322534A (ja) * | 2001-04-23 | 2002-11-08 | Nippon Steel Corp | 溶融亜鉛めっき釜用鋼および溶融亜鉛めっき釜 |
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- 2013-04-12 JP JP2013083434A patent/JP2014205877A/ja active Pending
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