JP2014201645A - ポリエステル系樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】離型性に優れ、ハイサイクル化と成形品寸法均一性に優れるポリエステル系樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ポリエステル樹脂(A)と、示差走査型熱量計(DSC)による融点が130℃以下である離型剤(B)及び融点が180℃以上である離型剤(C)を含有することを特徴とするポリエステル系樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエステル系樹脂組成物に関するものであり、詳しくは、離型性に優れるポリエステル系樹脂組成物に関する。
ポリブチレンテレフタレート樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂は、優れた耐熱性、成形性、耐薬品性及び電気絶縁性等のエンジニアリングプラスチックとして好適な性質を有していることから、射出成形用を中心として、電気電子部品、自動車部品その他の電装部品、機械部品等に広く用いられている。
ポリエステル系樹脂等の熱可塑性樹脂には、成形時における金型からの離型性を向上させ、また金型の汚染を抑制するため、さらには、成形時の熱履歴や機械的付加による樹脂の物性低下を抑制するために、一般的に離型剤を含有させる。
近年は、射出成形サイクルを短縮させて生産性を高める、すなわち、ハイサイクル性が特に重要となってきており、ハイサイクル性に優れたポリエステル系樹脂組成物が求められている。
ポリエステル系樹脂に、離型剤として、脂肪族カルボン酸金属塩(特許文献1〜2)、脂肪酸エステルや、パラフィン(特許文献3)又はポリエチレンワックス(特許文献4)などをそれぞれ配合することが提案されている。しかし、このような離型剤を含有するポリエステル系樹脂組成物では、冷却時間を長くすることが必要で、ハイサイクル化すると抜き出し段階の際に成形品が破損したり、成形品の変形や異常が生じやすく寸法均一性を達成することが難しい。
特公昭47−32435号公報 特公昭48−4097号公報 特開昭51−39756号公報 特開平10−310689号公報
本発明の目的は、離型性に優れ、ハイサイクル化と成形品寸法均一性に優れるポリエステル系樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は、離型剤として、高融点の離型剤(B)と低融点の離型剤(C)を併用することにより、上記した問題が解決され、離型性に優れ、ハイサイクル化しても成形品の寸法均一性の良好な成形品を安定して製造できることができることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、以下のポリエステル系樹脂組成物を提供する。
[1]ポリエステル樹脂(A)と、示差走査型熱量計(DSC)による融点が130℃以下である離型剤(B)及び融点が180℃以上である離型剤(C)を含有することを特徴とするポリエステル系樹脂組成物。
[2]離型剤(B)と離型剤(C)の含有量の質量比(B)/(C)が、3/7〜8/2である上記[1]に記載のポリエステル系樹脂組成物。
[3]離型剤(B)と離型剤(C)の含有量が、ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、合計で0.1〜3質量部である上記[1]又は[2]に記載のポリエステル系樹脂組成物。
[4]離型剤(B)が、酸化ポリエチレンワックスである上記[1]乃至[3]のいずれか1項に記載のポリエステル系樹脂組成物。
[5]離型剤(C)が、カルボン酸アミド系ワックスである上記[1]乃至[4]のいずれか1項に記載のポリエステル系樹脂組成物。
本発明の樹脂組成物によれば、特定温度以上の高い融点を有する離型剤(B)と特定温度以下の低い融点を有する離型剤(C)を併用することにより、離型性に優れ、ハイサイクル化が可能で、ハイサイクルにて成形しても、得られる成形品の寸法均一性に優れるポリエステル系樹脂材料を提供するができる。
本発明の実施例及び比較例において離型性の評価のために用いた箱形成形品の形状を示す斜視図である。 図1に示した箱形成形品及びエジェクターピンを示す上面図である。 図3は、箱形成形品の底部におけるエジェクターピンの位置を示す説明図である。
[発明の概要]
本発明のポリエステル系樹脂組成物は、ポリエステル樹脂(A)と、示差走査型熱量計(DSC)による融点が130℃以下である離型剤(B)及び融点が180℃以上である離型剤(C)を含有することを特徴とする。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。以下に記載する説明は実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定して解釈されるものではない。
なお、本願明細書において、「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
[ポリエステル樹脂(A)]
本発明のポリエステル系樹脂組成物の主成分であるポリエステル樹脂(A)としては、ジカルボン酸化合物とジヒドロキシ化合物の重縮合、オキシカルボン酸化合物の重縮合、又はこれらの化合物の混合物の重縮合などによって得られる熱可塑性ポリエステル樹脂であり、ホモポリエステル、コポリエステルのいずれであってもよい。
ポリエステル樹脂を構成するジカルボン酸化合物としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。
これらは周知のように、遊離酸以外にジメチルエステルなどのエステル形成性誘導体として重縮合反応に用いることができる。オキシカルボン酸としてはパラオキシ安息香酸、オキシナフトエ酸、ジフェニレンオキシカルボン酸などが挙げられる。これらは単独で重縮合させることもできるが、ジカルボン酸化合物に少量併用することが多い。
ジヒドロキシ化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリオキシアルキレングリコールなどの脂肪族ジオールが主として用いられるが、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどの芳香族ジオールやシクロヘキサンジオールなどの脂環式ジオールも用いることができる。
またこのような二官能性化合物以外に、分岐構造を導入するためトリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンなどの三官能以上の多官能化合物や、分子量調節のための脂肪酸などの単官能化合物を少量併用することもできる。
本発明の樹脂組成物に用いられるポリエステル樹脂(A)としては、通常は主としてジカルボン酸化合物とジヒドロキシ化合物とからなる重縮合物、すなわち計算上、ジカルボン酸化合物とジヒドロキシ化合物のエステルである構造単位が、樹脂全体の好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上を占めるものを用いる。ジカルボン酸化合物としては芳香族ジカルボン酸が好ましく、ジヒドロキシ化合物としては脂肪族ジオールが好ましい。
ポリエステル樹脂(A)として、このなかでも好ましいのは、酸性分の95モル%以上がテレフタル酸であり、アルコール成分の95モル%以上が脂肪族ジオールであるポリアルキレンテレフタレートである。その代表的なものはポリブチレンテレフタレートおよびポリエチレンテレフタレートであり、これらはホモエステルに近いもの、すなわち樹脂全体の95質量%以上がテレフタル酸成分および1,4−ブタンジオール又はエチレングリコール成分からなるものであるのが好ましい。本発明では、ポリブチレンテレフタレートが好ましい。
ポリブチレンテレフタレートは、テレフタル酸以外のジカルボン酸単位を含んでいてもよいが、他のジカルボン酸の具体例としては、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニル−2,2’−ジカルボン酸、ビフェニル−3,3’−ジカルボン酸、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ビス(4,4’−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類、1,4−シクロへキサンジカルボン酸、4,4’−ジシクロヘキシルジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸類、および、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸類等が挙げられる。
ジオール単位としては、1,4−ブタンジオールの外に他のジオール単位を含んでいてもよいが、他のジオール単位の具体例としては、炭素原子数2〜20の脂肪族または脂環族ジオール類、ビスフェノール誘導体類等が挙げられる。具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオぺンチルグリコール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノ一ル、4,4’−ジシクロヘキシルヒドロキシメタン、4,4’−ジシクロヘキシルヒドロキシプロパン、ビスフェノ一ルAのエチレンオキシド付加ジオール等が挙げられる。更に、グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオールも挙げられる。
ポリブチレンテレフタレートは、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールとを重縮合させたポリブチレンテレフタレート単独重合体が好ましいが、また、カルボン酸単位として、前記のテレフタル酸以外のジカルボン酸一種以上および/またはジオール単位として、前記1,4−ブタンジオール以外のジオール一種以上を含むポリブチレンテレフタレート共重合体であってもよい。ポリブチレンテレフタレートは、機械的性質、耐熱性の観点から、ジカルボン酸単位中のテレフタル酸の割合が、好ましくは70モル%以上であり、より好ましくは90モル%以上である。同様に、ジオール単位中の1,4−ブタンジオールの割合が、好ましくは70モル%以上であり、より好ましくは90モル%以上である。
また、上記のような二官能性モノマー以外に、分岐構造を導入するためトリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の三官能性モノマーや分子量調節のため脂肪酸等の単官能性化合物を少量併用することもできる。
ポリブチレンテレフタレートは、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分またはこれらのエステル誘導体と、1,4−ブタンジオールを主成分とするジオール成分を、回分式または通続式で溶融重合させて製造することができる。また、溶融重合で低分子量のポリブチレンテレクタレート樹脂を製造した後、さらに窒素気流下または減圧下固相重合させることにより、重合度(または分子量)を所望の値まで高めることができる。
ポリブチレンテレフタレートは、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と1,4−ブタンジオールを主成分とするジオール成分とを、連続式で溶融重縮合する製造法が好ましい。
エステル化反応を遂行する際に使用される触媒は、従来から知られているものであってよく、例えば、チタン化合物、錫化合物、マグネシウム化合物、カルシウム化合物等を挙げることができる。これらの中で特に好適なものは、チタン化合物である。エステル化触媒としてのチタン化合物の具体例としては、例えば、テトラメチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタンアルコラート、テトラフェニルチタネート等のチタンフェノラート等を挙げることができる。
ポリブチレンテレフタレートは、共重合により変性したポリブチレンテレフタレート樹脂であってもよいが、その具体的な好ましい共重合体としては、ポリアルキレングリコール類(特にはポリテトラメチレングリコール(PTMG))を共重合したポリエステルエーテル樹脂や、ダイマー酸共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂、特にはイソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂が挙げられる。なお、これらの共重合体は、共重合量が、ポリブチレンテレフタレート全セグメント中の1モル%以上、50モル%未満のものをいう。中でも、共重合量が好ましくは2〜50モル%、より好ましくは3〜40モル%、さらに好ましくは4〜30モル%、特に好ましくは5〜20モル%である。
そして、これら共重合体の好ましい含有量は、ポリエステル樹脂(A)の総量100質量%中に、1〜40質量%、更には3〜30質量%、特には5〜20質量%である。
また、本発明に用いられるポリエステル樹脂(A)として、ポリブチレンテレフタレートに、ポリエチレンテレフタレートを添加したものを用いることも好ましい。
ポリエステル樹脂(A)の固有粘度([η])は、適宜選択して決定すればよいが、通常0.5〜2dl/gであることが好ましく、中でも樹脂組成物の成形性および機械的特性の観点から0.6〜1.5dl/gであることが好ましい。固有粘度が0.5dl/g以上のものを用いると、樹脂組成物から得られる成形品の機械的強度が十分高くなる傾向にあり、2dl/g以下であると樹脂組成物の流動性が向上し、成形性が向上する傾向にある。
なお、本明細書中において、ポリエステル樹脂の固有粘度は、テトラクロロエタンとフェノールとの1:1(質量比)の混合溶媒中、30℃で測定した値である。
[離型剤(B)]
離型剤(B)は、示差走査型熱量測定(DSC)による融点が130℃以下である離型剤である。
本明細書において、融点とは、示差走査型熱量測定(DSC)による融点をいい、融解のメインピークのピーク温度(℃)をいう。具体的には、30℃から予想される融点+40℃まで20℃/分で昇温した際に検出される発熱メインピークのピークトップの温度(℃)をいう。
離型剤(B)は、ポリエステル樹脂(A)に配合されて、成形品が金型から容易に剥離できるように、離型性を高める機能を有する。具体的には、金型内に充填された溶融樹脂が固化した後の突き出し時において、成形品が変形したり、突き破ったり等の不具合を生じず、安定的、且つ、円滑な突き出し工程が可能となるものである。
離型剤(B)としては、天然ワックス、ポリオレフィン系化合物、脂肪酸エステル系化合物、シリコーン系化合物が好ましく挙げられる。
天然ワックスとしては、カルナバワックス、蜜蝋精製ワックス等が挙げられる。
ポリオレフィン系化合物としては、パラフィンワックス及びポリエチレンワックスから選ばれる化合物が挙げられ、中でも、ポリオレフィン系化合物の分散が良好であるという点から、質量平均分子量が、700〜10000、更には900〜8000のポリエチレンワックスが好ましい。
また、ポリオレフィン系化合物は、カルボキシル基(カルボン酸(無水物)基、即ちカルボン酸基および/またはカルボン酸無水物基を表す。以下同様。)、ハロホルミル基、エステル基、カルボン酸金属塩基、水酸基、アルコシル基、エポキシ基、アミノ基、アミド基等のポリエステル樹脂と親和性のある官能基を付与することが好ましい。この濃度は、ポリオレフィン系化合物の酸価として、1〜40mgKOH/gであることが好ましく、10〜35mgKOH/gがより好ましく、18〜30mgKOH/gがさらに好ましい。
また、揮発分が少なく、同時に離型性の改良効果も著しい点で、ポリオレフィン系化合物としては、酸化ポリエチレンワックスが好ましい。
なお、酸価は、0.5mol KOHエタノール溶液による電位差滴定法(ASTM D1386)に従って測定することができる。
脂肪酸エステル系化合物としては、飽和又は不飽和の脂肪族1価又は2価のカルボン酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類等の脂肪酸エステル類やその部分鹸化物等が挙げられる。中でも、炭素数11〜28、好ましくは炭素数17〜21の脂肪酸とアルコールで構成されるモノ又はジ脂肪酸エステルが好ましい。
脂肪族カルボン酸としては、パルミチン酸、ステアリン酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラリアコンタン酸、モンタン酸、アジピン酸、アゼライン酸等が挙げられる。また、脂肪族カルボン酸は、脂環式のカルボン酸であってもよい。
アルコールとしては、飽和又は不飽和の1価又は多価アルコールを挙げることができる。これらのアルコールは、フッ素原子、アリール基などの置換基を有していてもよい。これらの中では、炭素数30以下の1価又は多価の飽和アルコールが好ましく、炭素数30以下の脂肪族飽和1価アルコール又は多価アルコールが更に好ましい。ここで脂肪族とは、脂環式化合物も含有する。
かかるアルコールの具体例としては、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2−ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
なお、上記のエステル化合物は、不純物として脂肪族カルボン酸及び/又はアルコールを含有していてもよく、複数の化合物の混合物であってもよい。
脂肪酸エステル系化合物の具体例としては、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノベヘネート、グリセリンジベヘネート、グリセリン−12−ヒドロキシモノステアレート、ソルビタンモノベヘネート、ぺンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリストールジステアレート、ステアリルステアレート、エチレングリコールモンタン酸エステル等が挙げられる。
また、シリコーン系化合物としては、ポリエステル樹脂との相溶性等の点から、変性されている化合物が好ましい。変性シリコーンオイルとしては、ポリシロキサンの側鎖に有機基を導入したシリコーンオイル、ポリシロキサンの両末端および/または片末端に有機基を導入したシリコーンオイル等が挙げられる。導入される有機基としては、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、カルビノール基、メタクリル基、メルカプト基、フェノール基等が挙げられ、好ましくはエポキシ基が挙げられる。変性シリコーンオイルとしては、ポリシロキサンの側鎖にエポキシ基を導入したシリコーンオイルが特に好ましい。
但し、上記のとおり、離型剤(B)の融点は130℃以下であることが必要であり、好ましくは120℃、より好ましくは110℃以下、更に好ましくは105℃以下である。離型剤(B)の融点の下限については制限はないが、好ましくは−10℃以上、より好ましくは10℃以上、更に好ましくは30℃以上、特に好ましくは40℃以上である。
離型剤(B)の融点が130℃を超えると、表面に離型剤が析出しにくくなり、離型効果が低下し、また離型剤(C)の融点に至るものでは、両者を併用する本発明の意味がなくなる。
[離型剤(C)]
離型剤(C)は、示差走査型熱量計(DSC)による融点が180℃以上である離型剤である。離型剤(C)は、離型剤(B)と併用することで、離型効果が得られにくい金型温度が高い状況においても、また、複雑な形状の成形品においても、離型剤(C)が効果的に働き、成形品全体に渡り均一に優れた離型効果が得られ、離型剤(B)の単独使用に較べて離型性が高まり、冷却時間を短縮することが可能となる。特に、局部的に高温となり蓄熱しやすいボスやコアピン等を有する金型を使用する場合に、より広範囲な金型温度での成形が可能となる。
離型剤(C)としては、融点が180℃以上であれば制限はないが、高融点のワックス等が好ましく挙げられる。
高融点のワックスとしては、カルボン酸アミド系ワックスが挙げられ、特に高級脂肪族モノカルボン酸と多塩基酸とジアミンの縮合物からなるものが好ましい。
高級脂肪族モノカルボン酸としては、好ましくは炭素数12〜22の飽和脂肪族モノカルボン酸であり、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、ベヘン酸が挙げられる。ヒドロキシ基含有脂肪族モノカルボン酸であってもよい。ヒドロキシ基含有脂肪族モノカルボン酸として、12−ヒドロキシステアリン酸が挙げられる。これらの飽和脂肪族モノカルボン酸及びヒドロキシ基含有脂肪族モノカルボン酸は単独で使用してもよく、2種以上使用してもよい。
多塩基酸は、二塩基酸以上のカルボン酸が好ましく、脂肪族ジカルボン酸がより好ましい。脂肪族ジカルボン酸として、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタン酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸として、フタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキシルコハク酸等の脂環式ジカルボン酸が挙げられる。
これらの多塩基酸は単独で使用してもよく、2種以上使用してもよい。
ジアミンとしては、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、メタキシレンジアミン、トリレンジアミン、パラキシレンジアミン、フェニレンジアミン、イソホロンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4−ジアミノジフェニルメタンが好ましく挙げられる。
これらのジアミンは単独で使用してもよく、2種以上使用してもよい。
このような成分からなる高融点のワックスの製造方法はよく知られており、例えば、飽和脂肪族モノカルボン酸、多塩基酸及び脂肪族ジアミンを、無溶媒で160〜300℃に加熱しながら2〜10時間、脱水縮合反応させ、脂肪族ジアミンと、脂肪族モノカルボン酸及び脂肪族ジカルボン酸とが縮合し、アミド化合物として高融点のワックスが得られる。
離型剤(C)の融点は、180℃以上であるが、好ましくは190℃、より好ましくは200℃以上である。融点の上限は、制限はないが、通常は300℃以下、好ましくは280℃以下である。
なお、離型剤(C)の融点は、離型剤(B)の融点測定と同様の手法による求めることができる。
また、離型剤(C)の酸価は、1〜30mgKOH/gであることが好ましく、5〜25mgKOH/gであることがより好ましく、10〜20mgKOH/gであることがさらに好ましい。
[離型剤(B)及び離型剤(C)の含有量]
離型剤(B)と離型剤(C)の含有量の割合は、(B)と(C)の質量比(B)/(C)で、3/7〜8/2であることが好ましい。(B)の質量比が3を下回ると、十分に冷却された場合の金型滑り性が低下するため、その条件での離型性が悪化しやすくなり、8を超えると、冷却時間が短い場合等のハイサイクル成形条件下での離型性が悪化しやすい傾向となり好ましくない。質量比(B)/(C)は、より好ましくは4/6〜7/3であり、さらに好ましくは5/5〜6/4である。
また、離型剤(B)と離型剤(C)の含有量は、ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、(B)及び(C)の合計で、0.1〜3質量部であることが好ましく、より好ましくは0.15質量部以上、さらに好ましくは0.2質量部以上である。また2.5質量部以下であることがより好ましく、さらに好ましくは2質量部以下、特に好ましくは1.5質量部以下である。
0.1質量部未満であると、溶融成形時の離型不良により表面性が低下する傾向があり、一方、3質量部を超えると、樹脂組成物の練り込み作業性が低下し、また成形品表面に曇りが見られる場合がある。
[その他含有成分]
本発明のポリエステル系樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、種々の添加剤を含有していても良い。このような添加剤としては、安定剤、難燃剤、難燃助剤、滴下防止剤、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、炭素繊維、タルク、ワラストナイト、マイカ等の強化充填材、紫外線吸収剤、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤、着色剤等が挙げられる。また、成形加工時の計量安定性改善を目的として、滑剤等を外添してもよい。
<安定剤>
本発明のポリエステル系樹脂組成物は、安定剤を含有することが、熱安定性改良や、機械的強度、透明性や色相の悪化を防止する効果を有するという点で好ましい。安定剤としては、リン系安定剤、イオウ系安定剤およびフェノール系安定剤が好ましい。
リン系安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜リン酸エステル、リン酸エステル等が挙げられ、中でも有機ホスフェート化合物、有機ホスファイト化合物又は有機ホスホナイト化合物が好ましい。
有機ホスフェート化合物としては、好ましくは、下記一般式:
(RO)3−nP(=O)OH
(式中、Rは、アルキル基またはアリール基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。nは0〜2の整数を示す。)
で表される化合物である。より好ましくは、Rが炭素原子数8〜30の長鎖アルキルアシッドホスフェート化合物が挙げられる。炭素原子数8〜30のアルキル基の具体例としては、オクチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、トリアコンチル基等が挙げられる。
長鎖アルキルアシッドホスフェートとしては、例えば、オクチルアシッドホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、デシルアシッドホスフェート、ラウリルアシッドホスフェート、オクタデシルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、ベヘニルアシッドホスフェート、フェニルアシッドホスフェート、ノニルフェニルアシッドホスフェート、シクロヘキシルアシッドホスフェート、フェノキシエチルアシッドホスフェート、アルコキシポリエチレングリコールアシッドホスフェート、ビスフェノールAアシッドホスフェート、ジメチルアシッドホスフェート、ジエチルアシッドホスフェート、ジプロピルアシッドホスフェート、ジイソプロピルアシッドホスフェート、ジブチルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジラウリルアシッドホスフェート、ジステアリルアシッドホスフェート、ジフェニルアシッドホスフェート、ビスノニルフェニルアシッドホスフェート等が挙げられる。これらの中でも、オクタデシルアシッドホスフェートが好ましく、このものはADEKA社の商品名「アデカスタブ AX−71」として、市販されている。
有機ホスファイト化合物としては、好ましくは、好ましくは、下記一般式:
O−P(OR)(OR
(式中、R、R及びRは、それぞれ水素原子、炭素原子数1〜30のアルキル基または炭素原子数6〜30のアリール基であり、R、R及びRのうちの少なくとも1つは炭素原子数6〜30のアリール基である。)
で表される化合物が挙げられる。
有機ホスファイト化合物としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジラウリルハイドロジェンホスファイト、トリエチルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、トリステアリルホスファイト、ジフェニルモノデシルホスファイト、モノフェニルジデシルホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、水添ビスフェノールAフェノールホスファイトポリマー、ジフェニルハイドロジェンホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェニルジ(トリデシル)ホスファイト)、テトラ(トリデシル)4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジラウリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(4−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、水添ビスフェノールAペンタエリスリトールホスファイトポリマー、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。これらの中でも、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが好ましい。
有機ホスホナイト化合物としては、好ましくは、下記一般式:
−P(OR)(OR
(式中、R、R及びRは、それぞれ水素原子、炭素原子数1〜30のアルキル基又は炭素原子数6〜30のアリール基であり、R、R及びRのうちの少なくとも1つは炭素原子数6〜30のアリール基である。)
で表される化合物が挙げられる。
有機ホスホナイト化合物としては、テトラキス(2,4−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、およびテトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト等が挙げられる。
イオウ系安定剤としては、従来公知の任意のイオウ原子含有化合物を用いることが出来、中でもチオエーテル類が好ましい。具体的には例えば、ジドデシルチオジプロピオネート、ジテトラデシルチオジプロピオネート、ジオクタデシルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ドデシルチオプロピオネート)、チオビス(N−フェニル−β−ナフチルアミン)、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、テトラメチルチウラムモノサルファイド、テトラメチルチウラムジサルファイド、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルイソプロピルキサンテート、トリラウリルトリチオホスファイトが挙げられる。これらの中でも、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ドデシルチオプロピオネート)が好ましい。
フェノール系安定剤としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−ネオペンチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)等が挙げられる。これらの中でも、ペンタエリスリト−ルテトラキス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましい。
安定剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
安定剤の含有量は、ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、好ましくは0.001〜1質量部である。安定剤の含有量が0.001質量部未満であると、樹脂組成物の熱安定性や相溶性の改良が期待しにくく、成形時の分子量の低下や色相悪化が起こりやすく、1質量部を超えると、過剰量となりシルバーの発生や、色相悪化が更に起こりやすくなる傾向がある。安定剤の含有量は、より好ましくは0.001〜0.7質量部であり、更に好ましくは、0.005〜0.5質量部である。
<他の熱可塑性樹脂>
また、本発明のポリエステル系樹脂組成物には、ポリエステル樹脂(A)以外の他の熱可塑性樹脂を、本発明の効果を損わない範囲で含有することができる。その他の熱可塑性樹脂としては、具体的には、例えば、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリフェニレンオキサイド、ポリスチレン系樹脂、ポリフェニレンサルファイドエチレン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン等が挙げられる。
[樹脂組成物の製造方法]
本発明のポリエステル系樹脂組成物の製造方法としては、樹脂組成物調製の常法に従って行うことができる。通常は各成分及び所望により添加される種々の添加剤を一緒にしてよく混合し、次いで一軸又は二軸押出機で溶融混練する。また各成分を予め混合することなく、ないしはその一部のみを予め混合し、フィーダーを用いて押出機に供給して溶融混練し、本発明の樹脂組成物を調製することもできる。さらには、ポリエステル樹脂(A)の一部に他の成分の一部を配合したものを溶融混練してマスターバッチを調製し、次いでこれに残りの他の成分を配合して溶融混練してもよい。
なお、ガラス繊維等の繊維状の強化充填材を用いる場合には、押出機のシリンダー途中のサイドフィーダーから供給することも好ましい。
溶融混練に際しての加熱温度は、通常220〜300℃の範囲から適宜選ぶことができる。温度が高すぎると分解ガスが発生しやすく、不透明化の原因になる場合がある。それ故、剪断発熱等に考慮したスクリュー構成の選定が望ましい。混練り時や、後行程の成形時の分解を抑制する為、酸化防止剤や熱安定剤の使用が望ましい。
本発明のポリエステル系樹脂組成物は、温度270℃、せん断速度91.2sec−1における3分後の溶融粘度に対する60分後の溶融粘度の比(60min/3min)が2.7以下であることが好ましい。溶融粘度の比(60min/3min)が2.7より大きくなると、熱安定性が低下するため樹脂劣化が生じやすく、得られる成形品が所望の物性を有さない場合がある。溶融粘度の比(60min/3min)は、より好ましくは2.65以下であり、2.6以下であることがさらに好ましく、下限は好ましくは2.5である。
[成形体]
本発明のポリエステル系樹脂組成物を用いて成形体を製造する方法は、特に限定されず、ポリエステル樹脂組成物について一般に採用されている成形法を任意に採用できる。その例を挙げると、射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシスト等の中空成形法、断熱金型を使用した成形法、急速加熱金型を使用した成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサート成形、IMC(インモールドコーティング成形)成形法、押出成形法、シート成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法、ブロー成形法等が挙げられる。中でも射出成形が好ましい。
成形体の形状、大きさ、厚み等は任意であり、その用途としては、電気電子機器部品、OA機器部品、自動車等の輸送機器用部品、産業機械用部品、その他民生用部品等に好適である。
以下、実施例を示して本発明について更に具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定して解釈されるものではない。
以下の実施例および比較例において、使用した成分は、以下の表1の通りである。
Figure 2014201645
(実施例1〜14、比較例1〜7)
表1に示す各成分を表2〜表4に示す割合(質量部)にて、タンブラーミキサーで均一に混合した後、二軸押出機(日本製鋼所社製「TEX30XCT」、L/D=42)を使用し、シリンダー設定温度270℃、スクリュー回転数200rpmの条件で溶融混練した樹脂組成物を、水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてペレット化し、ポリエステル樹脂組成物のペレットを得た。
[離型性の評価]
得られたペレットを用い、ファナック製「α100iA型」射出成形機を使用して、シリンダー温度250℃、金型温調機設定温度80℃にて、図1に示すような中央部に仕切りを有する箱形成形品(タテ30mm、ヨコ54mm、奥行き34mm、肉厚1.5mm)を、図1の箱形成形品の矢印で示す左側壁の最前面中央付近に設けたサイドゲート(ゲート厚み1.5mm×ゲート幅3mm)より、樹脂を注入して成形した。
図2は、図1に示した箱形成形品及びエジェクターピンを上方から見た上面図であり、図3は、箱形成形品の底部にエジェクターピンが当たる位置を示す説明図である。成形品の抜き出しは、図2に示す圧力センサー付きエジェクターピン大小合計4本を、図3に示すような箱形成形品の底板にそれぞれを当接させ突き出すことにより行った。
冷却時間を30秒からスタートし、冷却時間を20秒、10秒、8秒、6秒、5秒、4秒、3秒と次第に短縮して成形を行い、金型から箱形成形品を、エジェクターピンにて突き出して抜き出した。
得られた箱形成形品の底板の変形と突き出し時に発生した音により、以下の三段階の基準で判定を行った。
「○:底板の変形無し、かつ、突き出し時の音発生無し」
「△:底板の変形有り、かつ、突き出し時に異音発生有り」
「×:底板の突き破り有り」
評価結果を、以下の表2〜4に示す。
Figure 2014201645
Figure 2014201645
Figure 2014201645
本発明のポリエステル系樹脂組成物は、離型性に優れるので、各種の成形品をハイサイクルで製造でき、産業上の利用性は非常に高いものがある。

Claims (5)

  1. ポリエステル樹脂(A)と、示差走査型熱量計(DSC)による融点が130℃以下である離型剤(B)及び融点が180℃以上である離型剤(C)を含有することを特徴とするポリエステル系樹脂組成物。
  2. 離型剤(B)と離型剤(C)の含有量の質量比(B)/(C)が、3/7〜8/2である請求項1に記載のポリエステル系樹脂組成物。
  3. 離型剤(B)と離型剤(C)の含有量が、ポリエステル樹脂(A)100質量部に対し、合計で0.1〜3質量部である請求項1又は2に記載のポリエステル系樹脂組成物。
  4. 離型剤(B)が、酸化ポリエチレンワックスである請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリエステル系樹脂組成物。
  5. 離型剤(C)が、カルボン酸アミド系ワックスである請求項1乃至4のいずれか1項に記載のポリエステル系樹脂組成物。
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