JP2014199824A - 双極型二次電池およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
集電体11は導電性材料から構成され、その両面に活物質層が形成されて電池の電極となり、最終的には電池を構成する。本実施形態において、集電体は、それぞれの層の表面に極性(正極・負極)の異なる活物質層が形成された電池(双極型電池)に用いられる。なお、図1に示すように、複数の単電池層が積層されてなる発電要素を有する電池において最外層に位置する電極は電池反応に関与しないため、最外層に位置する集電体においては、発電要素の内側のみに活物質層が存在すればよい。
活物質層13、15は活物質を含み、必要に応じてその他の添加剤をさらに含む。
電解質層17は、正極活物質層13と負極活物質層15との間の空間的な隔壁(スペーサ)として機能する。また、これと併せて、充放電時における正負極間でのリチウムイオンの移動媒体である電解質を保持する機能をも有する。電解質層17を構成する電解質としては、液体電解質またはポリマー電解質が用いられうる。電解質層17の構成材料の詳細については後述する。
シール部31は、電解質層17の漏れを防止するために単電池層19の周辺部に配置されている。このほかにも、電池内で隣り合う集電体同士が接触したり、積層電極の端部の僅かな不ぞろいなどによる短絡が起こったりするのを防止することもできる。該シール部31の構成材料としては、例えば、PE、PPなどのポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ゴム、ポリイミドなどが挙げられる。なかでも、耐蝕性、耐薬品性、製膜性、経済性などの観点からは、ポリオレフィン樹脂が好ましい。
双極型二次電池10においては、電池外部に電流を取り出す目的で、最外層集電体(11a、11b)に電気的に接続された集電板(正極集電板25および負極集電板27)が外装材であるラミネートシート29の外部に取り出されている。具体的には、正極用最外層集電体11aに電気的に接続された正極集電板25と、負極用最外層集電体11bに電気的に接続された負極集電板27とが、外装材29の外部に取り出される。
正極および負極端子板は、必要に応じて使用する。例えば、最外部の集電体11a、11bから正極集電板25及び負極集電板27を直接取り出す場合には、正極および負極端子板は用いなくてもよい。
正極および負極リードに関しても、必要に応じて使用する。例えば、最外部の集電体11a、11bから出力電極端子(正極集電板25及び負極集電板27)を直接取り出す場合(図7参照のこと)には、正極および負極リードは用いなくてもよい。
電池外装材としては、従来公知の金属缶ケースを用いることができる。そのほか、図1に示すようなラミネートシート29を用いて発電要素21をパックして、外装材としてもよい。ラミネートシート29は、例えば、PP、アルミニウム、ナイロンがこの順に積層されてなる3層構造のラミネートフィルム等から構成されうる。
図2は、本発明に係る双極型二次電池の代表的な実施形態である積層型の扁平な双極型二次電池の外観を表した斜視図である。
本実施形態の組電池は、上記実施形態の双極型二次電池10を複数個接続して構成したものである。詳しくは、少なくとも2つ以上用いて、直列化あるいは並列化あるいはその両方で構成される。直列、並列化することで容量および電圧を自由に調節することが可能になる。なお、本実施形態の組電池では、上記実施形態の双極型二次電池のほか、他の二次電池(例えば、双極型でない通常のリチウムイオン二次電池など)を用いて、これらを直列に、並列に、または直列と並列とに、複数個組み合わせて、組電池を構成することもできる。
本発明の双極型二次電池10または組電池37は、車両の駆動用電源として用いられうる。本発明の双極型二次電池10または組電池37は、例えば、自動車ならばハイブリット車、燃料電池車、電気自動車(いずれも四輪車(乗用車、トラック、バスなどの商用車、軽自動車など)のほか、二輪車(バイク)や三輪車を含む)に用いられうる。これにより、高寿命で信頼性の高い自動車が提供されうる。ただし、用途が自動車に限定されるわけではなく、例えば、他の車両であれば、電車などの移動体の各種電源であっても適用は可能であるし、無停電電源装置などの載置用電源として利用することも可能である。
以下、本発明の双極型二次電池の製造方法の好ましい形態の一例を説明するが、本発明の双極型二次電池の技術的範囲が下記の製造方法によって製造されたもののみに限定されるわけではない。また、後述する本発明の製造方法の技術的範囲が、上述した本発明の双極型二次電池が製造される形態のみに限定されることもない。
まず、適当な集電体を準備する。一方、正極活物質スラリーを調製し、集電体の一方の面に塗布する。
正極活物質スラリーが塗布された集電体を乾燥して、含まれるスラリー粘度調整溶媒を除去し、正極活物質層を形成する。それと同時に、重合開始剤がスラリー中に含まれる場合には、架橋反応を進行させて、ポリマー電解質の機械的強度を高めてもよい。乾燥には真空乾燥機などが用いられうる。乾燥の条件は塗布された正極活物質スラリーの組成に応じて決定されうるが、通常は40〜150℃で5分間〜20時間である。
一方、負極活物質スラリーを調製し、正極活物質層が形成された面と反対側の集電体の表面に塗布する。
負極活物質スラリーが塗布された集電体を乾燥して、含まれるスラリー粘度調整溶媒を除去し、負極活物質層を形成する。それと同時に、重合開始剤がスラリー中に含まれる場合には、架橋反応を進行させて、ポリマー電解質の機械的強度を高めてもよい。乾燥やその後のプレス操作については上述した通りである。これにより、双極型電極が完成する。なお、上記「(ii)正極活物質層の形成」の項で説明したプレス操作は、例えば、集電体の片面に正極活物質層を形成した後に、電池に用いる複数の正極活物質層につき、全体をまとめて行ってもよい。負極活物質層についても同様である。さらには集電体の片面に正極活物質層を形成し、他方の面に負極活物質層を形成した後に、正極活物質層および負極活物質層に対してまとめてプレス操作を行ってもよい。これにより、プレス操作に要する工数を大幅に低減することができる。一方、正極活物質層および負極活物質層を構成する各層ごとに所定の膜厚を確保するという観点からは、正極活物質層および負極活物質層を構成する各層ごとにプレス操作を行なうことが好ましい。このようにプレス操作の対象や時期については、必要に応じて適宜選択すればよい。
次いで、上述の通りに作製した双極型電極の両面の正極活物質層、負極活物質層、またはセパレータの所定の位置(中央部;電極面積またはそれより広い面積部分)に、液体電解質、ゲル原料溶液(プレゲル溶液)、または固体電解質の前駆体溶液を含浸させる。これらの溶液は、電極やセパレータ中に浸透する。また、当該含浸操作には、アプリケーターやコーターなどを用いれば微量の供給も可能である。
上記(v)で得られた双極型電極の正極周辺部の電極未塗布部分(4辺全て)に、ディスペンサ等を用いてシール部前駆体(例えば、1液性未硬化エポキシ樹脂)を塗布する。
上記で得られた双極型電極および電解質層を、正極活物質層と負極活物質層とが、電解質層を挟んで対向するように、それぞれ交互に順次積層する。その後、必要であればホットプレス機によりホットプレスする。これにより、未硬化であったシール部前駆体を硬化して、シール部を形成する。
得られた発電要素の両最外層に位置する集電体に、正極集電板および負極集電板を配設(電気的に接続)する。集電板の配設は、例えば、カーボン系導電性接着剤等を用いた接着により行なわれる。
次いで、この電極集電板が取り付けられた発電要素を、外部からの衝撃や環境による劣化を防止するために、ラミネートシート等からなる電池外装材や電池ケースの内部に真空パックする。そして、外装材の外周部を熱融着によってシールする。これにより、双極型二次電池が完成する。
・電解液系双極型電極の作製
(双極型電極の作製)
正極活物質であるLiMn2O4(平均粒子径10μm)(85質量%)、導電助剤であるアセチレンブラック(5質量%)、およびバインダであるポリフッ化ビニリデン(PVdF)(10質量%)を混合し、次いでスラリー粘度調整用溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を適量添加して、正極活物質スラリーを調製した。
LiPF6を1.0Mの濃度で含有するプロピレンカーボネート(PC)とエチレンカーボネート(EC)との当体積混合液(90質量%)を調製し、電解液とした。
上記で得られた双極型電極の正極側の電極未塗布部分(4辺全て)に、ディスペンサを用いて、シール部前駆体(1液性未硬化エポキシ樹脂)を塗布した。
上記で得られた双極型電極−セパレータ積層体を、負極面を上にした状態で、各電極が接触せずかつ電極の面方向に対して垂直方向にずれがなく電極およびシール部位(シール部前駆体塗布部)の外側をチャックすることのできるクリップ機構を備えた双極型電極保持機構に6枚セットした。ここで、最下部に位置する双極型電極には、シール部前駆体が塗布されておらず、セパレータも設置されていないものを用いた。
電極保持機構にセットされた6枚の双極型電極の負極面上に、上記で調製した電解液をマイクロピペットにより1mLずつ垂らし、各双極型電極の負極活物質層中に染み込ませた。
電極保持機構を下降させながら、電極受け台上に前記6枚の双極型電極をずれのないように積層した。これにより、単電池層が5層積層されてなる発電要素を作製した。
上記で得られた発電要素を、ホットプレス部位を有する真空チャンバ内に電極受け台ごと導入した。その後、真空チャンバ内を加熱・減圧し、60℃にて30分間、10Torrの圧力で減圧処理した。
上記で減圧処理した発電要素を、30Torrの圧力条件下で、真空チャンバ内のホットプレス部位に電極受け台ごと移動させた。その後、前記ホットプレス部位により当該発電要素を80℃にて1時間、1kg/cm2の面圧でホットプレスした。これにより、シール部前駆体(1液性未硬化エポキシ樹脂)が所定の厚さまでプレスされるとともに硬化し、単電池層の外周部にシール部が形成された。また、このホットプレスにより、単電池層の全体(すなわち、負極活物質層、セパレータおよび正極活物質層)に電解液が浸透した。
上記真空チャンバ内をリークして大気圧に戻した後、真空チャンバから発電要素を取り出し、当該発電要素の両端に、電流取出し用の集電板およびリードを接続した。次いで、リードが外部に導出するように、発電要素全体を外装(アルミラミネートフィルム)中に入れ、外装内部を真空としてパックすることにより、液体電解質型の双極型ラミネート電池を完成させた。なお、完成した電池における電解質を、10Torrの圧力条件下で25℃にて1時間静置した際の減量は0.5質量%であった。
上述した実施例1において、電解液を、イオン液体であるN−メチル−N−プロピルピペリジニウム・TFSIにLiTFSIを0.5Mの濃度で含有させたものに変更した。また、真空チャンバ内での減圧処理条件を120℃、5Torrに変更した。それ以外は上述した実施例1と同様の手法により、液体電解質型の双極型ラミネート電池を完成させた。なお、完成した電池における電解質を、10Torrの圧力条件下で25℃にて1時間静置した際の減量は0.1質量%であった。
上記実施例1および2で得られた双極型ラミネート電池を用い、充放電サイクル試験を行なった。
初回充放電(1サイクル)終了時、および100サイクル終了時にラミネート電池の厚さを測定した。そして、測定された厚さの、電池作製後(充放電試験前)の厚さに対する増加百分率(膨張率)を算出した。膨張率(%)の算出結果を下記の表1に示す。
また、初回充放電(1サイクル目)の放電容量、および100サイクル目の放電容量をそれぞれ測定した。そして、1サイクル目から100サイクル目まで、放電容量が維持された割合を百分率(容量維持率)として算出した。容量維持率(%)の算出結果を下記の表2に示す。
以下、参考のために、上述した実施例1および2の変形例として、電解質の組成や減圧処理の条件等を変更した場合にどのような性能(膨張率、容量維持率)が得られるかを理論的に予測した結果を、実施例・比較例のいずれに該当するかと併せて記載する。
上述した実施例1において、上記電解液100質量部に対して低沸点溶媒であるアセトン(10質量部)およびメタノール(10質量部)を添加した混合液を電解液として用いる。それ以外は上述した実施例1と同様の手法により、液体電解質型の双極型ラミネート電池を完成させる。
上述した実施例2において、上記電解液100質量部に対して低沸点溶媒であるアセトン(10質量部)およびメタノール(10質量部)を添加した混合液を電解液として用いる。それ以外は上述した実施例2と同様の手法により、液体電解質型の双極型ラミネート電池を完成させる。
・ゲル電解質系双極型電極の作製
上述した実施例1において、電解液をプレゲル溶液に変更する。当該プレゲル溶液は、PCとECとの当体積混合液にLiPF6を1.0Mの濃度に溶解させた電解液(90質量%)と、ホストポリマー(HFP成分を10質量%含むポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(PVdF−HFP))(10質量%)とを混合し、さらに粘度調整溶媒としてジメチルカーボネート(DMC)を適量添加したものである。このプレゲル溶液は負極面に塗布され、DMCは乾燥される。そして、残存した電解液およびホストポリマーは、真空中でのホットプレス時に可塑化し、単電池層の全体に浸透する。それ以外は上述した実施例1と同様の手法により、ゲル電解質型の双極型ラミネート電池を完成させる。
上述した参考例3において、上記プレゲル溶液100質量部に対して低沸点溶媒であるアセトン(10質量部)およびメタノール(10質量部)を添加し、さらに粘度調整溶媒としてジメチルカーボネート(DMC)を適量添加したものをプレゲル溶液として用いる。それ以外は上述した参考例3と同様の手法により、ゲル電解質型の双極型ラミネート電池を完成させる。
上述した参考例3において、プレゲル溶液を構成する電解液を、イオン液体であるN−メチル−N−プロピルピペリジニウム・TFSIにLiTFSIを0.5Mの濃度で含有させたものに変更する。また、真空チャンバ内での減圧処理条件を120℃、5Torrに変更する。それ以外は上述した参考例3と同様の手法により、ゲル電解質型の双極型ラミネート電池を完成させる。
上述した参考例4において、プレゲル溶液を構成する電解液を、イオン液体であるN−メチル−N−プロピルピペリジニウム・TFSIにLiTFSIを0.5Mの濃度で含有させたものに変更する。また、真空チャンバ内での減圧処理条件を120℃、5Torrに変更する。それ以外は上述した参考例4と同様の手法により、ゲル電解質型の双極型ラミネート電池を完成させる。
上述した参考例6において、プレゲル溶液を構成するホストポリマーを、リチウムイオン伝導性ポリマーであるポリエチレンオキシド(PEO)に変更する。それ以外は上述した参考例6と同様の手法により、ゲル電解質型の双極型ラミネート電池を完成させる。
・固体電解質系双極型電極の作製
(双極型電極の作製)
正極活物質であるLiMn2O4(平均粒子径10μm)(22質量%)、導電助剤であるアセチレンブラック(6質量%)、ホストポリマーであるPEO(18質量%)、支持塩であるLi(C2F5SO2)2N(9質量%)、スラリー粘度調整溶媒であるNMP(45質量%)、および熱重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(微量)を混合して、正極活物質スラリーを調製する。
ホストポリマーであるPEO(64.5質量%)、および支持塩であるLi(C2F5SO2)2N(35.5質量%)を混合し、低沸点溶媒であるアセトン20質量%およびメタノール20質量%を添加する。さらに、スラリー粘度調整溶媒としてアセトニトリルを適量添加して、固体電解質スラリーを調製する。
上記で得られた双極型電極−電解質層積層体を、負極面を上にした状態で、各電極が接触せずかつ電極の面方向に対して垂直方向にずれがなく電極およびシール部の外側をチャックすることのできるクリップ機構を備えた双極型電極保持機構に6枚セットする。ここで、最下部に位置する双極型電極には、シール部を貼付せず、電解質層も形成しない。
電極保持機構を下降させながら、電極受け台上に前記6枚の双極型電極をずれのないように積層する。これにより、単電池層が5層積層されてなる発電要素を作製する。
上記で得られた発電要素を、ホットプレス部位を有する真空チャンバ内に電極受け台ごと導入する。その後、真空チャンバ内を加熱・減圧し、120℃にて30分間、5Torrの圧力で減圧処理する。
上記で減圧処理した発電要素を、30Torrの圧力条件下で、真空チャンバ内のホットプレス部位に電極受け台ごと移動させる。その後、前記ホットプレス部位により当該発電要素を80℃にて1時間、1kg/cm2の面圧でホットプレスする。これにより、隣接する双極型電極における負極活物質層と電解質層とを密着させる。
上記真空チャンバ内をリークして大気圧に戻した後、真空チャンバから発電要素を取り出し、当該発電要素の両端に、電流取出し用の集電板およびリードを接続する。次いで、リードが外部に導出するように、発電要素全体を外装(アルミラミネートフィルム)中に入れ、外装内部を真空としてパックすることにより、固体電解質型の双極型ラミネート電池を完成させる。
上述した実施例1において、電解液を、電解液(添加前)の全量に対して脱水剤であるテトラエチルオルトシリケート(TEOS;Si(OCH2CH3)4)を1質量%添加したものに変更する。それ以外は上述した実施例1と同様の手法により、液体電解質型の双極型ラミネート電池を完成させる。
上述した実施例2において、電解液を、電解液(添加前)の全量に対してTEOSを1質量%添加したものに変更する。また、真空チャンバ内での減圧処理条件を100℃、3Torrに変更する。それ以外は上述した実施例2と同様の手法により、液体電解質型の双極型ラミネート電池を完成させる。
上述した参考例3において、プレゲル溶液に、TEOSをさらに添加したものを用いる。この際、TEOSの添加量は、プレゲル溶液中の電解液成分(DMCを除く)の全量に対して1質量%とする。それ以外は上述した参考例3と同様の手法により、ゲル電解質型の双極型ラミネート電池を完成させる。
上述した参考例11において、プレゲル溶液を構成する電解液を、イオン液体であるN−メチル−N−プロピルピペリジニウム・TFSIにLiTFSIを0.5Mの濃度で含有させたものに変更する。また、真空チャンバ内での減圧処理条件を100℃、3Torrに変更する。それ以外は上述した参考例11と同様の手法により、ゲル電解質型の双極型ラミネート電池を完成させる。
上述した参考例12において、プレゲル溶液を構成するホストポリマーを、PEOに変更する。それ以外は上述した参考例12と同様の手法により、ゲル電解質型の双極型ラミネート電池を完成させる。
上述した実施例1において、真空チャンバ内での減圧処理条件を25℃、20Torrに変更する。それ以外は上述した実施例1と同様の手法により、液体電解質型の双極型ラミネート電池を完成させる。
上述した参考例3において、真空チャンバ内での減圧処理条件を25℃、20Torrに変更する。それ以外は上述した参考例3と同様の手法により、ゲル電解質型の双極型ラミネート電池を完成させる。
上述した参考例5において、真空チャンバ内での減圧処理条件を25℃、20Torrに変更する。それ以外は上述した参考例5と同様の手法により、ゲル電解質型の双極型ラミネート電池を完成させる。
上述した参考例1〜13(本願の実施例に対応)および比較参考例1〜3(本願の比較例に対応)で得られる双極型ラミネート電池について、上述した充放電サイクル試験を行なった場合の上記膨張率および上記容量維持率の値を予測した。この予測結果を下記の表3に示す。
11 集電体、
11a 正極側の最外層集電体、
11b 負極側の最外層集電体、
13 正極活物質層、
15 負極活物質層、
17 電解質層、
19 単電池層、
21 発電要素、
25 正極集電板、
27 負極集電板、
29 ラミネートシート、
31 シール部、
35 装脱着可能な小型の組電池、
37 組電池、
39 接続治具、
40 電気自動車。
Claims (17)
- 集電体の一方の面に正極活物質層が形成され、他方の面に負極活物質層が形成された双極型電極と電解質を含む電解質層とが、前記正極活物質層、前記電解質層、および前記負極活物質層がこの順に積層されてなる少なくとも1つの単電池層が形成されるように積層され、前記単電池層の外周部にシール部が形成されてなる発電要素を有する双極型二次電池であって、
前記電解質を60℃にて1時間、10Torrの圧力条件下に静置した際の減量が、静置前の当該電解質の質量に対して1質量%以下である、双極型二次電池。 - 集電体の一方の面に正極活物質層が形成され、他方の面に負極活物質層が形成された双極型電極と電解質を含む電解質層とが、前記正極活物質層、前記電解質層、および前記負極活物質層がこの順に積層されてなる少なくとも1つの単電池層が形成されるように積層され、前記単電池層の外周部にシール部が形成されてなる発電要素を有する双極型二次電池であって、
前記電解質を150℃にて1時間、10Torrの圧力条件下に静置した際の減量が、静置前の当該電解質の質量に対して1質量%以下である、双極型二次電池。 - 前記電解質中に水より低沸点の溶媒を含む、請求項1または2に記載の電池。
- 前記溶媒が、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、および炭化水素系溶媒からなる群から選択される1種または2種以上である、請求項3に記載の電池。
- 前記溶媒が、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、n−ヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、シクロペンタン、トテラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、および1,2−ジメトキシエタンからなる群から選択される1種または2種以上である、請求項4に記載の電池。
- 前記電解質が脱水剤を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電池。
- 前記脱水剤が下記化学式1:
で表されるアルコキシド化合物である、請求項6に記載の電池。 - 前記MがSiまたはGeである、請求項7に記載の電池。
- 前記Rがメチル基またはエチル基である、請求項7または8に記載の電池。
- 前記電解質における水分の含有量が、当該電解質の全量に対して50質量ppm以下である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の電池。
- 前記電解質がイオン液体を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の電池。
- 前記イオン液体を構成するカチオンがアンモニウム、ホスホニウムカチオンおよびスルホニウムカチオンからなる群から選択される1種または2種以上であり、前記イオン液体を構成するアニオンがBF4 −、AlF4−、PF6 −、AsF6 −、SbF6 −、ClO4 −、AlCl4 −、CF3SO3 −、C2F5SO3 − 、C3F7SO3 − 、C4F9SO3 − 、CH3SO3 − 、C2H5SO3 − 、CH3OSO3 − 、C2H5OSO3 − 、(FO2S)2N−(FSI)、(CF3SO2)2N−(TFSI)、CF3CO2 −、(C2F5SO2)2N−(BETI)、(C4F9SO2)2N−、(CF3SO2)3C−、(C2F5SO2)3C−、(CN)2N−、(CF3)3PF3 −、(C2F5)3PF3 −、(C3F7)3PF3 −、および(C4F9)3PF3 −からなる群から選択される1種または2種以上である、請求項11に記載の電池。
- 前記イオン液体を構成するカチオンが、N−エチル−N−メチルピペリジニウム、N−メチル−N−プロピルピペリジニウム、N−ブチル−N−メチルピペリジニウム、N−ヘキシル−N−メチルピペリジニウム、N−エチル−N−メチルピロリジニウム、N−メチル−N−プロピルピロリジニウム、N−ブチル−N−メチルピロリジニウム、N−ヘキシル−N−メチルピロリジニウム、N,N,N−トリメチル−N−エチルアンモニウム、N,N,N−トリメチル−N−プロピルアンモニウム、N,N,N−トリメチル−N−ブチルアンモニウム、N,N,N−トリメチル−N−ヘキシルアンモニウム、N,N,N−トリエチル−N−メチルアンモニウム、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニムからなる群から選択される1種または2種以上であり、前記イオン液体を構成するアニオンが、FSI、TFSI、BETIからなる群から選択される1種または2種以上である請求項12に記載の電池。
- 前記電解質がポリマーを含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の電池。
- 双極型リチウムイオン二次電池である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の電池。
- 請求項1〜15のいずれか1項に記載の双極型二次電池の製造方法であって、
双極型電極を準備する工程と、
電解質を準備する工程と、
前記双極型電極と電解質層またはその前駆体とを積層して、前記単電池層を含む積層体を得る工程と、
前記単電池層の外周部にシール部を形成する工程と、を含み、
前記シール部を形成する工程の前または当該工程と同時に、前記電解質を10Torr未満の圧力で減圧処理する工程をさらに含む、双極型二次電池の製造方法。 - 請求項1〜15のいずれか1項に記載の双極型二次電池の製造方法であって、
双極型電極を準備する工程と、
電解質を準備する工程と、
前記双極型電極と電解質層またはその前駆体とを積層して、前記単電池層を含む積層体を得る工程と、
前記単電池層の外周部にシール部を形成する工程と、を含み、
前記電解質が水より低沸点の溶媒または脱水剤を含み、前記シール部を形成する工程の前または当該工程と同時に、前記電解質を20Torr未満の圧力で減圧処理する工程をさらに含む、双極型二次電池の製造方法。
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