JP6003086B2 - リチウム二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウム二次電池に関する。
近年、携帯電話及びノートパソコン等の携帯機器、並びに電気自動車等の電源として、エネルギー密度が高く、自己放電が少なくサイクル性能の良いリチウム二次電池に代表される非水電解質二次電池が注目されている。
現在のリチウム二次電池の主流は、正極電位が4.2V程度までの携帯電話用を中心とした小型のリチウム二次電池であるが、例えば電気自動車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車といった自動車分野に中形または大形のリチウム二次電池を適用することが検討されており、一部、実用化している。特に、電気自動車では搭載されるリチウム二次電池から供給される電力で全ての機器を駆動させる。このため、電気自動車の航続距離や快適性を向上させるためにリチウム二次電池の高エネルギー密度化が強く望まれている。
リチウム二次電池のエネルギー密度を高める手段として、電池の充電電圧を高く設定する方法がある。充電電圧を高く設定することにより、高い放電電圧及び大きな放電容量を得ることができるので、リチウム二次電池のエネルギー密度を高くすることができる。しかしながら、このような高電圧タイプのリチウム二次電池を考慮すると、電池膨れの抑制や内部抵抗の低減といった観点からは小型のリチウム二次電池の現在の仕様では必ずしも充分であるとはいえない。
ここで、リチウム二次電池の内部抵抗を低減させることを目的の一つとする技術が特許文献1(特開2002−134169号公報)に開示されている。即ち、特許文献1には、充放電の繰り返し時に電気容量や内部抵抗の変化率が小さく、かつ低温時の内部抵抗増加が小さいため、高い電気容量を維持するというサイクル特性及び低温特性に優れた非水電解液及び該電解液を用いた非水電解液二次電池を提供することを目的として、電解質塩を有機溶媒に溶解した電解液に、不飽和結合を有するケイ素化合物を含有させる技術が提案されている(特許文献1、要約等)。
より具体的には、特許文献1においては、上記ケイ素化合物が、自己重合し易い化合物であり、サイクル初期に、電極と電解液との界面において重合反応することにより安定な被膜を形成し、サイクルに伴う内部抵抗の増加を抑制することができると開示されており、その効果を得るために、電解液に上記ケイ素化合物を0.05〜0.5体積%添加する旨が開示されている(特許文献1、段落番号[0040]等)。また、上記ケイ素化合物として、トリメトキシビニルシランが例示されている(同、段落番号[0028]等)。
また、同様のケイ素化合物を電解液に添加する技術として、例えば特許文献2(特開2002−042864号公報)に、充電後の高温保存特性及び充放電サイクル特性を向上させた非水電解質二次電池を目的として、充電放電に対して可逆性を有する正極及び負極と、電解質並びにシランカップリング剤を含有する非水電解質とを含む非水電解質二次電池が提案されており(特許文献2、要約及び特許請求の範囲等)、シランカップリング剤としてはアミノ基を有するケイ素化合物のみが開示されている。
特開2002−134169号公報 特開2002−042864号公報
しかしながら、上記の特許文献1及び2においては、電池膨れの抑制効果という観点からの安全性には触れられておらず、特に正極電位が4.35V以上となる高電圧タイプのリチウム二次電池についても検討されていない。そこで、本発明の目的は、正極の充電上限電位が4.35V以上であるリチウム二次電池において電池膨れの抑制効果に優れるリチウム二次電池を提供することにある。
上記の課題を解決すべく本発明者らが鋭意検討した結果、正極の充電上限電位が4.35V以上となるリチウム二次電池において電池膨れの抑制効果を得るためには、リチウムイオンを挿入・脱離可能な正極活物質を含む正極と、リチウムイオンを挿入・脱離可能な負極活物質を含む負極と、セパレータと、非水電解質と、を具備するリチウム二次電池において、非水電解質にトリアルコキシビニルシラン(特にトリエトキシビニルシラン)を添加すれば、正極の充電上限電位が4.35V以上である場合に電池膨れを効果的に抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
リチウムイオンを挿入・脱離可能な正極活物質を含む正極と、リチウムイオンを挿入・脱離可能な負極活物質を含む負極と、セパレータと、非水電解質と、を具備し、
前記正極の充電上限電位が4.35V以上であり、
前記非水電解質がトリアルコキシビニルシランを含むこと、
を特徴とするリチウム二次電池を提供する。
ここで、上記リチウム二次電池における「正極の充電上限電位」とは、リチウム二次電池が、初期活性化処理(化成)も含めて、充放電サイクルにおける充電によって到達する最も高い電位のことをいう。即ち、「正極の充電上限電位が4.35V以上」とは、当該リチウム二次電池が、正極の電位が4.35V以上になるまで充電された履歴を有することを意味する。したがって、作製直後のリチウム二次電池について、初期活性化処理における充電、又は、当該初期活性化処理後の充放電サイクルにおける充電のいずれかによって、この「正極の充電上限電位」は決定されることになる。
上記本発明のリチウム二次電池においては、前記非水電解質がトリアルコキシビニルシランを10質量%以下含むこと、が好ましい。トリアルコキシビニルシランの含有量がこの上限値以下であれば、トリアルコキシビニルシランの分解反応によるリチウム二次電池の不可逆容量の増加が抑制され、リチウム二次電池の容量を損なうことなく、内部抵抗の増加を抑制することができる。
また、上記本発明のリチウム二次電池においては、前記非水電解質がトリアルコキシビニルシランを0.2質量%以上含むこと、が好ましい。トリアルコキシビニルシランの含有量がこの下限値以上であれば、内部抵抗の増加抑制という本発明の効果をより確実に得ることができる。
また、上記本発明のリチウム二次電池においては、前記トリアルコキシビニルシランが、トリエトキシビニルシランであること、が好ましい。トリアルコキシビニルシランとしてトリエトキシビニルシランを用いれば、内部抵抗の増加抑制という本発明の効果をより確実に得ることができる。
なお、上記本発明のリチウム二次電池は、単セル構造を有するものであっても、当該単セル構造を複数個有しこれらが直列及び/又は並列に接続された構造を有するもの(組電池又はモジュール電池)であってもよい。
また、本発明は、
リチウムイオンを挿入・脱離可能な正極活物質を含む正極と、リチウムイオンを挿入・脱離可能な負極活物質を含む負極と、セパレータと、非水電解質と、を具備し、
前記非水電解質がトリアルコキシビニルシランを含み、
前記正極の充電上限電位を4.35V(vs.Li/Li+)以上とするリチウム二次電池の使用方法にも関する。
本発明によれば、正極の充電上限電位が4.35V以上であるリチウム二次電池において電池膨れの抑制効果に優れるリチウム二次電池を提供することができる。
本発明のリチウム二次電池の一実施形態(本発明の実施例において作製したリチウム二次電池)の概略縦断面図である。
以下において、図面を参照しながら本発明のリチウム二次電池の好適な実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。なお、以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する場合があり、図面は、本発明を概念的に説明するためのものであるから、表された各構成要素の寸法やそれらの比は実際のものとは異なる場合もある。
図1は、本発明のリチウム二次電池の一実施形態である角型リチウム二次電池1の概略縦断面図である。図1に示すリチウム二次電池1は扁平捲回状電極群2を含んでおり、この扁平捲回状電極群2は、正極集電体及び当該正極集電体に設けられた正極合剤層を含む板状の正極3と、負極集電体及び当該負極集電体に設けられた負極合剤層を含む板状の負極4と、を、セパレータ5を介して(挟んで)捲回することにより形成されている。
扁平捲回状電極群2は、電池ケース6に収納されており、扁平捲回状電極群2の最外周に配置される正極集電体及び/又は負極集電体の端部は、内周側と外周側の両面が正極合剤層及び/又は負極合剤層を担持せずに露出していてもよく、内周側は正極合剤層及び/又は負極合剤層を担持しており外周側だけが露出していてもよい。正極集電体及び/又は負極集電体の露出部は、扁平捲回状電極群2の全側面に配置されていることが望ましい。また、最外周よりも内周に配置される正極集電体及び/又は負極集電体が更に露出していてもよい。
セパレータ5には、図示しないが、液状の非水電解質(非水電解液)が保持されているとともに、及び電池ケース6内の隙間も非水電解液で満たされている。また、電池ケース6には、従来公知の安全弁8を設けた電池蓋7がレーザー溶接によって取り付けられ、負極4は負極リード11で負極端子9と接続され、正極3は正極リード10で電池蓋7と接続されている。
ここで、本実施形態のリチウム二次電池1においてセパレータ5及び電池ケース6に含まれる非水電解液は、非水溶媒と当該非水溶媒に溶解した電解質塩とを含むものであり、更にトリアルコキシビニルシランを含有している点に特徴を有する。本実施形態において用いることのできるトリアルコキシビニルシランは、下記式(1)で示される化合物である。
Figure 0006003086
ただし、式(1)中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立してアルキル基を示し、アルキル基の炭素数は1〜6である。
式(1)で示されるトリアルコキシビニルシランの具体例としては、例えばトリエトキシビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、トリプロポキシビニルシラン、ジエトキシメトキシビニルシラン及びエトキシジメトキシビニルシラン等が挙げられる。なかでも、トリメトキシビニルシラン又はトリエトキシビニルシランを用いた場合に、本発明の効果がより確実に得られることを本発明者らは確認している(後述の実施例参照)。
リチウム二次電池1は、電解液に式(1)のトリアルコキシビニルシランが含まれることにより、上記のように4.35V以上の正極電位において電池膨れの抑制効果に優れるが、その作用効果について本発明者らは次のように考えている。
即ち、式(1)で示されるトリアルコキシビニルシランは、R1、R2及びR3の炭素数にかかわらず非水電解液等の溶液中で(−Si−O−)と(−R1)、(−R2)又は(−R3)とに解離し、正極の正極合剤に含まれる正極活物質の表面がOH基(−OH)で覆われていることから、(−Si−O)と(−OH)とが水素結合を形成し、正極活物質の表面にトリアルコキシビニルシラン分子が固定化される。これにより、トリアルコキシビニルシランのビニル基の部分における付加重合反応が促進され、隣接するトリアルコキシビニルシラン同士が結合し、正極活物質の表面に保護層を形成する。このようなトリアルコキシビニルシランによる保護機能により、非水電解液中の非水溶媒の酸化分解量が著しく減少し、その反応性生物であるガス発生量も著しく減少することにより、電池膨れが抑制されるものと考えられる。
また、式(1)において、式(1)中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立してアルキル基を示し、アルキル基の炭素数は1〜6である。炭素数の上限が6であるのは、炭素数が増加するにしたがって疎水性が増加し、電解液中に溶解することなく相分離を引き起こしてしまう虞があるという理由によるものである。また、R1、R2及びR3がアルキル基であることにより、電子供与性を持つアルキル基を有することで正極上において重合反応が進行しやすくなるという効果があると考えられる。
リチウム二次電池1の非水電解液に含まれる電解質塩としては、本発明の技術の分野において従来公知のものを用いることができ、例えばLiClO4、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiCF3CO2、LiC(CF33、LiC(C253、LiCF3SO3、LiCF3CF2SO3、LiCF3CF2CF2SO3、LiN(SO2CF32、LiN(SO2CF2CF32、LiN(COCF32、LiN(COCF2CF32、LiPF3(CF2CF33、LiB(C242、LiBF2(C24)、LiPF2(C242及びLiPF4(C24)等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は二種以上混合して使用することができる。導電性の観点からは電解質塩としてLiPF6が好適であり、LiPF6を主成分として、LiBF4等の他の化合物を混合して用いることもできる。
また、非水電解液に含まれる非水溶媒としても、本発明の技術の分野において従来公知のものを用いることができ、例えば環状カーボネート、鎖状カーボネート及び環状スルホン等が挙げられ、より具体的には、エチレンカーボネ−ト(EC)、プロピレンカ−ボネ−ト(PC)、ブチレンカーボネート(BC)等の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)等の鎖状カーボネート類、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等の脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン類、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,2−ジエトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)等の鎖状エーテル類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の環状エーテル類、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エチルエーテル、1,3−プロパンサルトン、アニソール、ジメチルスルホキシド、並びにN−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいが、非水電解液の導電性及び粘度を調整するという観点等から、2種以上を混合して用いてもよい。なかでも環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合溶媒または環状カーボネートと鎖状カーボネートと脂肪族カルボン酸エステルとの混合溶媒が好ましい。例えばエチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)との3:7混合非水溶媒が好適に用いられる。
本実施形態における「非水電解液」は、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)やポリアクリロニトリル(PAN)等のポリマーマトリックスに電解質塩が保持されてゲル状態となるいわゆる「ポリマー電解質」等の非水電解質であってもよい。
非水電解液における非水溶媒に対する電解質塩の混合割合は、従来公知の技術に基づいて、非水電解液の効果を得る範囲で適宜選択すればよい。例えば、電解質塩の非水溶媒に対する溶解量は、特に限定されないが、例えば0.2〜5モル/リットルが好ましく、0.5〜2.5モル/リットルが更に好ましい。
なお、リチウム二次電池1の充放電特性を改良する目的で、非水電解液に種々の添加剤を加えることができる。添加剤としては、例えばビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)等が挙げられる。これらの添加剤は、正極3及び/又は負極4上に、良好な皮膜を形成し、電池の長寿命化に寄与する。
非水電解液におけるトリアルコキシビニルシランの含有量も、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択すればよいが、非水電解液がトリアルコキシビニルシランを10質量%以下含むことが好ましい。トリアルコキシビニルシランの含有量がこの上限値以下であれば、トリアルコキシビニルシランの分解反応によるリチウム二次電池の不可逆容量の増加が抑制され、リチウム二次電池の容量を損なうことなく、内部抵抗の増加を抑制することができる。
また、リチウム二次電池1の非水電解液は、トリアルコキシビニルシランを0.2質量%以上含むことが好ましい。トリアルコキシビニルシランの含有量がこの下限値以上であれば、内部抵抗の増加抑制という本発明の効果をより確実に得ることができる。
次に、リチウム二次電池1における非水電解液以外の構成要素について説明する。
正極3を構成する正極集電体としては、本発明の技術の分野で従来公知のものを用いることができ、例えばアルミニウム箔及びアルミニウム合金箔等が挙げられる。
正極集電体の両面に塗布されて形成される正極合剤層は、正極活物質を含む。正極活物質としては、本発明の分野において従来公知のものを用いることができ、例えばコバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム及びマンガン酸リチウム等のリチウム含有遷移金属酸化物が挙げられる。リチウム含有遷移金属酸化物の遷移金属の一部が他元素で置換されていてもよい。より具体的には、例えばLiNi1/3Mn1/3Co1/32等の層状岩塩型酸化物、LiNi0.5Mn1.54及びLiMPO4(M=Mn、Fe、Co及び/又はNi)等が挙げられる。また、リチウム含有遷移金属酸化物の粒子の表面が、他元素で被覆されていてもよい。1種の正極活物質を単独で用いてもよく2種以上の正極活物質を組み合わせて用いてもよい。
正極合剤層は、正極活物質と少量の結着剤(例えばポリエチレンテレフタレート(PTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)等)を含む正極合剤を正極集電体に塗布して担持させて形成することができる。正極合剤には、導電材(例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛等)や分散媒(例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)等)を少量添加してもよい。
他方、負極4を構成する負極集電体としては、本発明の技術の分野で従来公知のものを用いることができ、例えば銅箔等が挙げられる。
負極集電体の両面に塗布されて形成される負極合剤層は、負極活物質を含む。負極活物質としても、本発明の分野において従来公知のものを用いることができ、例えば炭素材料(例えばグラファイト(黒鉛)、天然黒鉛、人造黒鉛、ハードカーボン)、リチウムと合金化可能な元素(例えばAl、Si、Zn、Ge、Cd、Sn、Pb)、ケイ素化合物(例えばSiOx(0<x<2))、スズ化合物(例えばSnO)、リチウム金属、合金(例えばNi−Si合金、Ti−Si合金)、Co34等のコンバージョン材料、Li4Ti512、Li1.10.92等の酸化物材料等を用いることができる。1種の負極活物質を単独で用いてもよく2種以上の負極活物質を組み合わせて用いてもよい。
負極活物質は、負極集電体に直接蒸着してもよいが、少量の結着剤(例えばPVDF、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリアクリル酸)等を単独または併用して含む負極合剤を負極集電体に塗布して担持して形成させることもできる。また、正極3の正極合剤と同様に、負極合剤に導電材を添加してもよい。分散媒(例えば水)を少量添加してもよい。
セパレータ5としては、本発明の分野で従来公知のものを用いることができるが、例えばポリエチレン及び/又はポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂で構成された微多孔膜が挙げられる。なかでも、ポリエチレンで構成された単層膜、ポリエチレン層とポリプロピレン層とで構成された多層膜等も用いることができる。また、セパレータの表面に無機物等をコートしたものを用いてもよい。
また、電池ケース6及び電池蓋7としては、本発明の分野において従来公知のものを用いることができ、例えば鉄又はアルミニウム等で構成されたものを用いることができる。鉄缶はアルミニウム缶に比べて硬いため、衝撃を受けた際の変形は小さくなる傾向にあり、電池ケース6内の扁平捲回状電極群2も大きなダメージを受けにくい。なお、アルミニウム缶を用いる場合、電池ケース6と正極3とを導通させてもよく、その場合、扁平捲回状電極群2の最外周には、正極集電体の露出部を配置することができる。
また、本実施形態のリチウム二次電池は、充電を制御する制御回路とともに使用されるが、当該制御回路は、各リチウム二次電池にそれぞれ装着されていてもよく、複数のリチウム二次電池に対して1個の制御回路が装着されていてもよい。
以上、本発明のリチウム二次電池の一実施の形態について説明したが、本発明のリチウム二次電池は図1に示す角型に限られるものではなく、種々の形状を採り得るが、本発明の電池膨れの抑制効果がより顕著に得られるという観点からは、電池ケースがその外形において扁平部分を有する形状(例えば角型又は長円筒型)であるのが好ましい。
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるわけではない。
≪実施例1:トリエトキシビニルシラン使用≫
(1)正極の作製
正極活物質であるLiNi1/3Mn1/3Co1/32と、導電材であるアセチレンブラックと、結着剤であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)と、93:3:4の質量比で混合し、これに分散媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を混合して、ペースト状の正極合剤を調製した。
得られたペースト状の正極合剤を、厚み15μmのアルミニウム箔の両面に塗布して正極合剤層を形成し、130℃で乾燥させて塗布後の正極合剤層からNMPを除去した。この時点での片面の正極合剤の塗布質量はそれぞれ18mg/cm2とした。ついで、NMP除去後の正極合剤層を、110℃に加熱したローラープレス機により加圧成型した後、130℃で14時間減圧乾燥して水分を完全に除去し、アルミニウム箔の両面に正極合剤層を有する板状の正極を得た。
(2)負極の作製
負極活物質であるグラファイトと、結着剤であるSBR及びCMCとを、グラファイト:SBR:CMC=97:2:1の質量比で混合し、これに分散媒である水を混合して、ペースト状の負極合剤を調製した。
得られたペースト状の負極合剤を、厚み10μmの銅箔の両面に塗布して負極合剤層を形成し、80℃で乾燥させて水分を除去した。この時点での片面の負極合剤の塗布質量はそれぞれ11mg/cm2とした。ついで、水分除去後の負極合剤層を、常温のローラープレス機により加圧成型した後、常温で24時間減圧乾燥して、負極合剤層中の水分を完全に除去し、銅箔の両面に負極合剤層有する板状の負極を得た。
(3)非水電解液の調製
エチレンカーボネート及びエチルメチルカーボネートを3:7の体積比で混合して混合非水溶媒を得た。この混合非水溶媒に、電解質塩であるLiPF6を1.0モル/リットルの濃度で溶解させて、溶液を得た。更に、この溶液に、添加剤として東京化成工業(株)製のトリエトキシビニルシランを0.5質量%の濃度になるように溶解させ、非水電解液を調製した。この非水電解液の水分量は50ppm未満とした。
(4)リチウム二次電池の作製
本実施例においては、図1に示す構造を有する角型のリチウム二次電池を作製した。厚み27μmのポリエチレン製微多孔膜からなるセパレータを、上記のようにして作製した正極及び負極の間に位置するようにして積層して、積層体を捲回して両側に対向する扁平部分を形成して扁平捲回状電極群を作製した。
ついで、この扁平捲回状電極群を、角型のアルミニウム製電池ケース(高さ49mm、幅34mm、厚み5.17mm)に収納し、この電池ケースの内部に上記のようにして調製した非水電解液を2.6ミリリットル{限界注液量(即ち、電池ケースの空間体積からエレメント(電極群)の体積を引き、エレメント(電極群)中の空間体積を足した容量)の90%}}を注入し、封口して設計容量0.8Ahのリチウム二次電池を作製した。
(5)初期活性化処理
このリチウム二次電池を、初期活性化処理に供した。即ち、25℃の温度雰囲気下で、電流0.2CA(約5時間率)、電圧4.35V及び8時間の定電流定電圧充電を行い、ついで、電流0.2CA(約5時間率)及び終止電圧2.75Vの定電流放電を行った(ただし、1時間率(1CA)=0.8Aとした。)。なお、充電と放電の間には10分間の休止時間を設けた。これにより、正極の充電上限電位が4.35V以上の本発明のリチウム二次電池1を得た。
≪実施例2:トリメトキシビニルシラン使用≫
非水電解液に添加したトリエトキシビニルシランに代えてトリメトキシビニルシラン(東京化成工業(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、リチウム二次電池2を作製した。
≪比較例1:トリアルコキシビニルシラン不使用≫
トリエトキシビニルシランを非水電解液に添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、比較リチウム二次電池1を作製した。
≪比較例2:3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン使用≫
非水電解液に添加したトリエトキシビニルシランに代えて3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン(東京化成工業(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較リチウム二次電池2を作製した。
≪比較例3:アミノプロピルトリメトキシシシラン使用≫
非水電解液に添加したトリエトキシビニルシランに代えてアミノプロピルトリメトキシシシラン(東京化成工業(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較リチウム二次電池3を作製した。
≪比較例4:トリメトキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン使用≫
非水電解液に添加したトリエトキシビニルシランに代えてトリメトキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン(東京化成工業(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較リチウム二次電池4を作製した。
[評価及び測定]
(1)電池厚さ測定
上記のようにして得たリチウム二次電池1及び2並びに比較リチウム二次電池1〜4について、作製直後及び初期活性化処理終了後24時間経過後に、長側面の中心部を当該長側面に対して略垂直な方向から(短側面の面方向に略水平な方向に)ノギスで挟み、電池厚みを測定した。初期活性化処理終了後24時間経過後の測定値T2を「電池厚み(mm)」として表1に示した。なお、作製直後の測定値T1(5.14mm)であった。
(2)内部抵抗測定(参考)
上記のようにして得たリチウム二次電池1及び2並びに比較リチウム二次電池1〜4について、初期活性化処理終了後24時間経過後の内部抵抗R(mΩ、1kHz)を、日置電機(株)製のHIOKI3560 AC HITESTERを用いて測定した。結果を表1に示した。
Figure 0006003086
表1に示す結果から、本発明のリチウム二次電池は、正極の充電上限電位が4.35V以上であるが電池膨れの抑制効果に優れることがわかる。なお、実施例及び比較例の全てのリチウム二次電池について、4.35V充電時の正極電位は4.43V(vs.Li/Li+)であることを確認した。
1・・・リチウム二次電池、
2・・・扁平捲回状電極群、
3・・・正極、
4・・・負極、
5・・・セパレータ、
6・・・電池ケース、
7・・・電池蓋、
8・・・安全弁、
9・・・負極端子、
10・・・正極リード、
11・・・負極リード。

Claims (3)

  1. リチウムイオンを挿入・脱離可能な正極活物質を含む正極と、リチウムイオンを挿入・脱離可能な負極活物質を含む負極と、セパレータと、非水電解と、を具備し、
    前記非水電解がトリアルコキシビニルシランを含み、
    前記正極活物質が、リチウム含有遷移金属酸化物であり、
    前記正極の充電上限電位が4.35V(vs.Li/Li)以上となる条件下で使用されるリチウム二次電池。
  2. 前記非水電解がトリアルコキシビニルシランを10質量%以下含むこと、を特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池。
  3. リチウムイオンを挿入・脱離可能な正極活物質を含む正極と、リチウムイオンを挿入・脱離可能な負極活物質を含む負極と、セパレータと、非水電解と、を具備し、
    前記非水電解がトリアルコキシビニルシランを含み、
    前記正極活物質が、リチウム含有遷移金属酸化物であり、
    前記正極の充電上限電位を4.35V(vs.Li/Li)以上とするリチウム二次電池の使用方法。
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