JP2014198528A - ヘッドライトの支持構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヘッドライトとスクリーンを一体化し、フロントカウルをヘッドライトステーとしてヘッドパイプへ支持するようにしても、光軸調整に際して、スクリーンとフロントカウルの間に外観を損なう間隙を形成しないようにする。
【解決手段】ヘッドライト24の上部にスクリーン28を一体に取付け、ヘッドライト24をエーミング軸48にて揺動自在にフロントカウル26へ支持させ、調整ボルト52にて位置決めする。フロントカウル26はヘッドパイプ20へ支持させる。
フロントカウル26は、ヘッドパイプ20へ取付けられたカウルステー60と、これと結合してヘッドライト24を支持するインナーカウル70と、その外側を覆うサイドカウル80からなり、サイドカウル80の上部に、スクリーン28の側部後端に形成された後方延出部58の内側へ重なるオーバーラップ部85を突出形成する。
【選択図】図2

Description

この発明は、自動2輪車等の車両におけるヘッドライトの支持構造に係り、特に、フロントカウルをヘッドライト支持ステーとして利用するとともに、光軸調整を可能にしたものに関する。
フロントカウルにヘッドライト及びウインカを支持させるとともに,フロントカウルを車体側へ回動自在に支持させて、フロントカウルをヘッドライトステーとして兼用するとともに、ヘッドライトをフロントカウルと一緒に回動させることにより、ヘッドライトの光軸調整を行うようにしたものがある(特許文献1参照)。また、仕向国の仕様により、フロントカウルにナンバープレートを支持させたものもある。
特許第3480724号公報
ところで、上記フロントカウルをヘッドライトステーとして兼ねさせた従来例では、光軸調整時に、ヘッドライトがフロントカウルに対して一体に回動してしまう。また、フロントカウルにウインカやナンバープレートのような部品が取付けられている場合、この部品も、ヘッドライト及びフロントカウルと一緒に回動してしまうこととなる。しかし、ウインカやナンバープレートのようなフロントカウルへ一体化されるとともに視認性が要求される部品は、ヘッドライトの光軸調整時においても、前方からの一定の視認性を維持する必要がある。
したがって、このような部品が光軸調整の影響を受けないように、ヘッドライトをフロントカウルに対して回動自在に支持させることも考えられるが、このようにすると、回動するヘッドライトとフロントカウルの間に間隙が生じる。特に、スクリーンをヘッドライト側へ取付けてヘッドライトと一体に回動させるようにすると、側面視でスクリーンとフロントカウルとの間に、外観上無視できない比較的大きな隙間が生じてしまう。
また、スクリーンをフロントカウル側と一体にして、ヘッドライトと別体にすれば、ヘッドライトの回動により、正面でスクリーンとヘッドライトの間に形成される隙間が変化するため、ヘッドライトからスクリーンに流れる走行風の流れを乱したり、正面視の外観に影響を生ずることがある。
そこで、本願発明は、フロントカウルをヘッドライトステーに利用するとともに、上記課題を解決することを目的とする。
上記課題を解決するため、ヘッドライトの支持構造に係る請求項1に記載した発明は、ヘッドライト(24)と、このヘッドライトの上方に配置されるスクリーン(28)と、前記ヘッドライト(24)を支持するとともに車体へ支持されるフロントカウル(26)とを備え、
前記スクリーン(28)は、前記ヘッドライト(24)に支持され、前記フロントカウル(26)は、ヘッドライトステーを兼ねてヘッドライトを光軸調整可能に支持するとともに、前記ヘッドライト(24)の側方にてウインカ(30)を支持し、前記フロントカウル(26)の一部に、側面視で前記スクリーン(28)の下部内側へ配置されるオーバーラップ部(85)を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載した発明は上記請求項1において、前記スクリーン(28)は、側面視で前記ヘッドライト(24)よりも後方に延出する後方延出部(58)を備え、この後方延出部の下方に前記オーバーラップ部(85)が配置されることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は上記請求項1又は2において、前記ヘッドライト(24)は、光源の光を前方へ反射する反射面を備えた本体部(46)と、本体部の前方へ配置され、光を透過する透光部(44)を備え、前記スクリーン(28)は、連結部材(54)を介して前記ヘッドライト(24)へ取付けられ、前記連結部材(54)の左右方向両端部は、ヘッドライトの前記本体部(46)の上部へ取付けられることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は上記請求項1〜3のいずれか1項において、前記ヘッドライト(24)は、上下方向中間部において車幅方向へ延びる光軸調整用のエーミング軸(48)を設け、下端を前記フロントカウル(26)に位置規制を兼ねた調整ボルト(52)で固定したことを特徴とする。
請求項5に記載した発明は上記請求項1〜4のいずれか1項において、前記フロントカウル(26)の前記ヘッドライト(24)下方に、ナンバーステー(34)の後端を支持し、前端にナンバープレート(32)を支持したことを特徴とする。
請求項6に記載した発明は上記請求項1〜5のいずれか1項において、前記フロントカウル(26)は、インナー部材(60・70)と、その外側を覆う左右一対のアウター部材(80)とを備え、前記インナー部材(60・70)は、ヘッドライトステーを兼ね、車体に対してヘッドライトを回動可能に支持するとともに、前記ヘッドライト(24)の側方にて前記ウインカ(30)及び前記アウター部材(80)を支持し、このアウター部材(80)は、一部に前記オーバーラップ部(85)を備えることを特徴とする。
請求項7に記載した発明は上記請求項6において、インナー部材は、ステー部(60)とインナー本体部(70)を備え、前記ステー部(60)は、前記インナー本体部(70)を支持するとともに車体へ支持されてヘッドライトステーを兼ね、前記インナー本体部(70)は、前記ヘッドライト(24)を回動可能に支持するとともに、前記ヘッドライト(24)の側方にて前記ウインカ(30)及びサイドカバー(80)を支持することを特徴とする。
請求項8に記載した発明は上記請求項6又は7において、インナー部材は、上部にてメータ(90)を支持することを特徴とする。
請求項9に記載した発明は、前記ヘッドライト(24)と、このヘッドライトの上方に配置される前記スクリーン(28)と、前記ヘッドライト(24)を支持するとともに車体へ支持される前記フロントカウル(26)とを備え、前記スクリーン(28)は、前記ヘッドライト(24)に支持され、
前記フロントカウル(26)は、前記ヘッドライト(24)の側方を覆うとともに、このヘッドライトの側方に前記ウインカ(30)を支持し、前記フロントカウル(26)の一部に、側面視でスクリーンステー(54)の下部外側へ配置されるオーバーラップ部(110)を備えたことを特徴とする。
請求項10に記載した発明は上記請求項9において、前記ヘッドライト(24)の上方にメーターユニット(90)が配置されるとともに、側面視でこのメーターユニット(90)と前記ヘッドライト(24)と前記スクリーンステー(54)とが前後に隣接して配置されることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、フロントカウルにヘッドライトステーを兼ねさせるとともに、ヘッドライトをフロントカウルに対して回動自在にしたので、ヘッドライトを回動させて光軸調整しても、フロントカウルに支持されているウインカは光軸調整に影響されず、前方からの視認性を一定に維持できる。
また、ヘッドライトとスクリーンが一体になっているため、フロントカウルに対して、ヘッドライトと一緒にスクリーンが移動する。しかし、側面視でスクリーンの内側にオーバーラップ部が配置されているため、スクリーンとフロントカウルとの間がオーバーラップ部で塞がれ、外観を損なうような隙間が生じず、ヘッドライトとスクリーンを一体にしても、外観を良好とすることができる。
そのうえ、ヘッドライトとスクリーンとが上下に一体になっているので、ヘッドライトからスクリーンに流れる走行風を良好のまま維持でき、かつ正面視の隙間は一定のため、正面視の外観を良好に維持できる。
請求項2の発明によれば、スクリーンの後方延出部下方にオーバーラップ部が配置されるので、ヘッドライトの後方で、スクリーンとヘッドライトの境界線に沿ってスクリーンとフロントカウルの境界を配置することができるので、外観を向上できる。
請求項3の発明によれば、スクリーンステーを介してヘッドライトの本体部にスクリーンを固定したので、透光部が樹脂の特性上締結困難であるところ、透光部を避けてスクリーンを剛性の高い本体部へ支持させることができ、透光部の劣化を避けて耐久性を高めることができる。
請求項4の発明によれば、ヘッドライトの上下方向中間部を車幅方向へ延びる光軸調整用のエーミング軸でフロントカウルへ支持させ、下端を位置規制を兼ねた調整ボルトでフロントカウルに固定したのでヘッドライトをエーミング軸と調整ボルトでフロントカウルへ支持させることができる。
請求項5の発明によれば、フロントカウルのヘッドライト下方に、ライセンスステーの後端を支持することにより、ナンバープレートをフロントカウルに支持させることができるとともに、光軸調整に影響されずに、前方からの視認性を一定に維持できる。
請求項6の発明によれば、フロントカウルを、インナー部材と、その外側左右を覆うアウター部材で構成したので、ヘッドライトステーを兼ねて高い剛性を必要とするインナー部材と、外観性の重視されるアウター部材とに機能分化させてそれぞれを形成でき、形成が容易になる。
請求項7の発明によれば、インナー部材を、車体へ支持されるステー部と、ヘッドライト及びウインカを支持するインナー本体部とで構成したので、各部を機能分化させてそれぞれを形成でき、インナー部材の形成が容易になる。
請求項8の発明によれば、インナー部材を利用してメータを支持することができ、ヘッドライト及びウインカと共に電装部品をまとめてインナー部材で支持することができる。
請求項9の発明によれば、スクリーンステーを利用してオーバーラップ部を形成できる。
請求項10の発明によれば、側面視スクリーンステーとメーターユニットを隣接して配置したので、スクリーンステーを小型化しつつ、ライト側支持部により、スクリーンとサイドカウルの上部との隙間を広い範囲で埋めることができる。

実施形態に係る車両の側面図 ヘッドライト回り部分の側面図 ヘッドライト回り部分の正面図 ヘッドライト回り部分の後方斜視図 ヘッドライト回り部分の底面図(ナンバープレート及びライセンスステーを除いた状態で図2の下方から示した図) スクリーンを取付けたヘッドライトの側面図 ヘッドライト回り部分における各構成部品(側面視)の展開図 作用説明図(図2におけるオーバーラップを拡大して示す) 別実施形態に係るヘッドライト回り部分の側面図 図9において一部を透視した図 上記別実施形態に係るヘッドライト回り部分の平面図(スクリーンを省略して半断面にして示す)
以下、図面に基づいて本願発明が鞍乗り型車両である自動2輪車に適用された一実施形態を説明する。なお、本願において、上下・左右・前後の各方向は車両を基準とする。
図1に示すように、この自動2輪車は、車体中央にエンジン10を配置して車体フレーム12に支持し、エンジン10の前後に前輪14と後輪16を配置する。
前輪14はフロントフォーク18の下端に支持される。フロントフォーク18は車体フレーム12の前端に設けられているヘッドパイプ20へ回動自在に支持され、ハンドル22にて操向される。
ヘッドパイプ20の前方には、ヘッドライト24がフロントカウル26を介して支持されている。フロントカウル26の側面にはウインカ30が支持されている。ヘッドライト24の上部にはメーターバイザーとウインドシールドを兼ねるスクリーン28が取付けられ、フロントカウル26の下部前側には、ナンバープレート32がナンバーステー34を介して取付けられている。
エンジン10の上方には燃料タンク36が配置され、燃料タンク36の後方にはシート38が配置されている。
シート38の下方には、後輪16がリヤスイングアーム40の後端に支持されている。リヤスイングアーム40の前端はピボット軸42にて揺動自在に支持されている。
以下、図2〜7に基づいて、ヘッドライト24及びスクリーン28並びにフロントカウル26を含むヘッドライト回り部分について詳細に説明する。
図6に示すように、ヘッドライト24は、前面側の透光部44と、背面側の本体部46を向かい合わせに一体化したものであり、内部にバルブ24aが収容されている。側面視にて、透光部44は透明部材であり、フロントカウル26で覆われずに前方へ露出し、本体部46はフロントカウル26で覆われている(図2参照)。
本体部46は剛性のある材料からなり、本体部上部47はスクリーンステー54の取付部をなしている。本体部46の上下方向中間部には、光軸調整用のエーミング軸48が車幅方向へ延出して一対で形成されている。エーミング軸48の下側近傍はリフレクタ部46aをなし、この内側に前方へ向かって開放された凹曲面のリフレクタ(図示省略)が配置され、その前方にバルブ24aが配置される。
本体部46の下部には位置決めボス50が下方へ突出形成され、この位置決めボス50へ位置規制を兼ねた調整ボルト52がフロントカウル26を構成するインナーカウル70(後述)の底部74に設けられた長穴75を通して取付けられている。
図2、3及び6に示すように、ヘッドライト24の本体部上部47にはスクリーンステー54が取付けられる。
スクリーンステー54は金属板等からなる剛性部材であり、スクリーン28の内側へ重なるように、その曲面に沿って左右方向へ延び(図3)、両側部は、本体部46の本体部上部47の後面へ曲がり込む取付部56をなし、ここでボルト等の適当な結合部材により本体部上部47へ固定されている(図2)。
スクリーンステー54の左右方向中間部は、ヘッドライト24よりも上方へ突出して配置されるとともに、ここに締結部57aが設けられている。
スクリーン28は透明樹脂からなり、側面視で後方斜め上がりに傾斜するとともに、前方へ凸に湾曲する曲面をなし、走行風Wを上方へ向けて整流する(図2)。
スクリーン28の両側部は、ヘッドライト24の側方へ回り込み、側面後部はヘッドライト24の本体部上部47よりも長く後方へ延出し、フロントカウル26の側面上部の後端近傍まで達する後方延出部58をなす(図2)。
後方延出部58より前方のスクリーン28における下部形状は、ヘッドライト24の上部曲面に沿う曲面形状をなし、後方延出部58より前方に取付穴55が設けられている。
取付穴55はスクリーン28の左右に、2つずつ対をなして設けられ、各対において2つの取付穴55は斜め方向に間隔をもって形成されている(図6)。
図2に示すように、スクリーン28はスクリーンステー54の上に重ねられ、締結部57aと取付穴55を一致させてボルト等の適当な結合部材57で締結することにより、スクリーンステー54を介してヘッドライト24へ取付一体化されている。
これにより、スクリーン28はヘッドライト24と一体に回動可能となり、スクリーン28の下縁部とヘッドライト24の上部間における合わせ部の間隙は微少なものとなり、しかも間隙の大きさは不変となり、ヘッドライト24の回動時にも一定となる。
フロントカウル26は、インナー部材であるカウルステー60及びインナーカウル70と、アウター部材であるサイドカウル80で構成される。
カウルステー60はインナーカウル70を支持するとともに、ヘッドパイプ20へ固定される剛性の支持部材である。
インナーカウル70は、ヘッドライト24及びウインカ30並びにサイドカウル80を支持する部材であり、カウルステー60及びサイドカウル80と一体化される。
ヘッドライト24はエーミング軸48にてインナーカウル70へ回動自在に支持される。
サイドカウル80はカウルステー60及びインナーカウル70の外側へ重なる外観部材であり、インナーカウル70に対してはアウターカウルとなり、走行風を整流する。
以下、フロントカウル26の各構成部材について図7を中心にして詳細に説明する。
カウルステー60は剛性のある樹脂からなり、本体部上部47近傍の上部62と、ウインカ30近傍の下部64とを一体に備える。
上部62は、前方へ屈曲して略水平に前方へ延出する部分であり、その前端部から前方斜め上がりに延出するメーター支持部66を一体に備える。上部62はインナーカウル70の上端部79と重なり、取付部62a(図7)にてボルト等の適宜結合部材68(図4)で、インナーカウル70の上端部79に設けられた取付座部79a(図7)へ上方から結合一体化される。
カウルステー60の下部64における下端後側には取付部64aが設けられ、ここにインナーカウル70の底部74の後端部に設けられた取付座部74a(図7)に重ねられてボルト等の適宜結合部材で結合一体化される。
メーター支持部66には、メーターユニット90が取付けられる。メーターユニット90はスピードメータ等、各種のメータ類が一体化されたユニットであり、本願発明のメーターに相当する。
インナーカウル70は、正面視で略U字状をなし、左右の側部72とこれらを連結する底部74とからなる(図3参照)よう、剛性のある樹脂からなる。
側部72は、側面視で略L字状をなし(図2参照)、上下方向中間部にエーミング軸48が嵌合する支持穴76が貫通形成され、その上下にサイドカウル80を取付けるためのボス78が外側方へ突出形成されている。
支持穴76の下方近傍には、ウインカ30の取付部73が設けられている。支持穴76へエーミング軸48を嵌合することにより、ヘッドライト24はフロントカウル26(インナーカウル70)に対して回動自在に支持される。
底部74には、車体中心に沿って前後方向へ長い長穴75(図5)が設けられている。
この長穴75上には位置決めボス50が位置し(図6参照)、この長穴75を貫通する調整ボルト52を締め付けると、ヘッドライト24がインナーカウル70に対して固定され、弛めると調整ボルト52がヘッドライト24とともに長穴75内を前後移動可能になる。これにより、ヘッドライト24がエーミング軸48を中心にして回動可能になる。
底部74の長穴75近傍には、車体中心C上に通し穴74bが設けられ(図5),ここにナンバーステー34が、その取付部35を底部74の下面側から重ね(図2)、ボルト締結等の適宜結合手段で取付けられている。
サイドカウル80は、左右から、ヘッドライト24の側面並びにインナーカウル70及びカウルステー60を覆う剛性のある樹脂部材であり、外表面は滑らかな曲面をなして走行風を整流する。
サイドカウル80の前縁82はヘッドライト24の透光部44側面に沿い、上端前側部84はスクリーン28の後方延出部58下部に沿う。この上端前側部84は、一部が斜め上方へ突出して後方延出部58の内側へ入り込むオーバーラップ部85をなす。
上下方向中間部には、ウインカ30の取付腕部30aが貫通する貫通穴86が形成されている。
また、貫通穴86を挟む上下には、インナーカウル70のボス78と対応する位置に通し穴88が形成されている。
貫通穴86より上方側の上部83は、インナーカウル70の側部72上部及びカウルステー60の上部62を側方から覆う。
貫通穴86より下方側の下部89は、インナーカウル70の側部72下部を覆う。
下部89の下縁部87は、側面視で後方斜め下がりに形成され、前部からはインナーカウル70の底部74が部分的に覆われず露出されている。
サイドカウル80の後部は、上部83と下部89の間に前方へ入り込む凹部81が形成されている。カウルステー60の下部64はサイドカウル80で覆われず、凹部81にて露出されている。
次に、本実施形態の作用を説明する。
まず、ヘッドライト24を車体へ支持するには、インナーカウル70の左右側部72間へヘッドライト24の本体部46を入れ、側部72の内側へ重ね、エーミング軸48を支持穴76へ嵌合して回動自在に支持させる。また、位置決めボス50を底部74の長穴75上へ重ね、下方より調整ボルト52を長穴75へ通して位置決めボス50へ締結する。
続いて、左右の側部72へ外方からサイドカウル80を重ね、通し穴88をボス78に合わせてボルト88a(図2)で締結一体化する。なお、この取付はボルト88aによらず、係合等適宜結合手段が可能である。
その後、貫通穴86からウインカ30の取付腕部30aを差し込んで、インナーカウル70の取付部73へ締結等で取付けることにより、ウインカ30はサイドカウル80から外方へ突出した状態でインナーカウルへ支持される。
さらに、ヘッドライト24の本体部上部47へスクリーンステー54の取付部56を重ね、ボルトの締結等で結合する。続いて、スクリーン28をスクリーンステー54の上に重ね、ナット部等の締結部57aと取付穴55を一致させ、取付穴55へ結合部材57を通してスクリーンステー54の締結部57aへ締結すると、スクリーン28はスクリーンステー54を介してヘッドライト24の上部へ一体化される。このとき、後方延出部58の内側へオーバーラップ部85が重なる。
次に、予めヘッドパイプ20側へ取付けられたカウルステー60に対して、その上部62にインナーカウル70の上端部79を重ね、その取付座部79aと上部62の取付部62aとを結合部材68で結合一体化する。これにより、フロントカウル26はヘッドライト24と一体化した状態で組み立てられる。メーターユニット90は予めカウルステー60へ取付けておくか、フロントカウル26の組立後にメーター支持部66へ取付ける。
なお、カウルステー60のヘッドパイプ20に対する取付も、フロントカウル26の組立後としてもよい。
これにより、フロントカウル26は、ヘッドパイプ20に支持されるとともに、ライト支持ステーとして機能し、ヘッドライト24及びウインカ30を支持する。
次に、光軸調整について説明する。
ヘッドライト24は左右のエーミング軸48と調整ボルト52の3点でフロントカウル26(インナーカウル70)へ支持される。
また、ヘッドライト24はエーミング軸48により、フロントカウル26に対して回動自在であり、調整ボルト52により位置決めされる。
そこで、図6に示すように、調整ボルト52を弛めると、ヘッドライト24はエーミング軸48を中心にして回動可能になるので、ヘッドライト24を回動させて光軸を所定に調整してから調整ボルト52を締め付けると、調整状態でヘッドライト24が固定される。
このため、ヘッドライト24の本体部46における上下方向中間部を光軸調整用のエーミング軸48でインナーカウル70(フロントカウル26)へ支持させ、下端のボス50を位置規制を兼ねた調整ボルト52で底部74に固定したので、ヘッドライト24をエーミング軸48と調整ボルト52でフロントカウルへ支持させることができる。
この光軸調整において、スクリーン28はヘッドライト24と一体であるため、スクリーン28はヘッドライト24と一体に回動し、後方延出部58も回動することにより、上端前側部84との間隔が変化する。
そこで、上端前側部84にオーバーラップ部85を設け、後方延出部58と上端前側部84の間に側面視で間隙が生じないようにした。このためこの部分の側面視に外観される間隙が生じなくなり、外観性が向上した。
図8は、光軸調整時におけるオーバーラップ部85を示し、スクリーン28がヘッドライト24とともに、A→B→Cと回動すると、後方延出部58は、線a→b→cと回動し、上端前側部84の間に間隙はG1→G2→G3と次第に拡大変化する。Aの状態がヘッドライト24に設定された調整最大角度であり、このときの間隙G3が最大となる。しかし、この状態でも、後方延出部58と上端前側部84の間は、オーバーラップ部85で塞がれており、上端前側部84はオーバーラップ部85で後方延出部58へ接続しているように見え、外観上問題となるような間隙は現れないようになっている。
そのうえ、スクリーン28の後方延出部58下方にオーバーラップ部85が配置され、ヘッドライト24の後方で、スクリーン28とヘッドライト24の境界線に沿ってスクリーン28とフロントカウル26の境界を配置することができるので、外観を向上できる。
また、この光軸調整に際して、ウインカ30は車体側へ不動に固定されているフロントカウル26へ取付けられているため、取付位置が変化しない。したがって、光軸調整をしても、ウインカ30の視認性に影響が生じないので、ウインカ30の取付位置を調整し直す必要がなく、光軸調整が容易になる。
さらに、スクリーン28はスクリーンステー54を介してヘッドライト24へ取付けられており、スクリーンステー54はヘッドライト24の本体部46における本体部上部47へ取付けられている。このため、風圧を受けるスクリーン28の直接取付が困難な透光部44を避けて、剛性の高い本体部46の本体部上部47へ取付けることができ、スクリーン28をヘッドライト24と一体化することが可能となる。
このスクリーン28とヘッドライト24の一体化により、光軸調整をしても、スクリーン28とヘッドライト24の間隙が一定に保たれ変化しないので、スクリーン28による防風効果を一定にできる。したがって、ヘッドライト24からスクリーン28に流れる走行風Wを良好のまま維持でき、かつ正面視の隙間は一定のため、正面視の外観を良好に維持できる。
また、スクリーンステー54を介してスクリーン28をヘッドライト24へ固定したので、透光部44が樹脂の特性上締結困難であるところ、透光部44を避けてスクリーン28を、剛性の高いヘッドライト24の本体部46における本体部上部47へ支持させることができ、透光部44の劣化を避けて耐久性を高めることができる。
また、スクリーンステー54を設けることにより、スクリーン28をヘッドライト24より上方となる比較的高い位置で結合部材57により取付けることができるので、スクリーン28のヘッドライト24に重なる部分を少なくして、スクリーン28を小型化できる。
さらに、ナンバーステー34をボルト33bにより底部74の下面へ取付けたので、別体のナンバーステー34を容易にフロントカウル26へ取付けることができる。
しかも、光軸調整機構である調整ボルト52の邪魔にならずに取付できる。
また、フロントカウルのヘッドライト24下方となる底部74に、ナンバーステー34の後端を支持することにより、ナンバープレート32をフロントカウルへ支持させたので、光軸調整に影響されずに、ナンバープレート32に対して前方からの視認性を一定に維持できる。
そのうえ、フロントカウル26を、カウルステー60とインナーカウル70からなるインナー部材と、その外側左右を覆うサイドカウル80(アウター部材)で構成したので、ヘッドライトステーを兼ねて高い剛性を必要とするインナー部材と、外観性の重視されるアウター部材とに機能分化させてそれぞれを形成でき、形成が容易になる。
しかも、インナー部材を、ヘッドパイプ20(車体)へ支持されるカウルステー60(ステー部)と、ヘッドライト24及びウインカ30を支持するインナーカウル70(インナー本体部)とで構成したので、各部を機能分化させてそれぞれを形成でき、インナー部材の形成が容易になる。
また、カウルステー60(インナー部材)を利用してメーターユニット90を支持することができ、ヘッドライト24及びウインカ30と共に電装部品をまとめてインナー部材で支持することができる。
次に、図9〜11により別実施形態を説明する。なお、この実施形態は、オーバーラップ部に関して若干の変更をしたものであり、他の部分は共通するので、前実施形態と共通機能を有する部材については共通符号を用い、原則として重複説明を省略する。
図9〜11において、ヘッドライト24とスクリーン28は一体化されている。
なお、前実施形態同様に、ヘッドライト24はインナーカウルへ回動自在に取付けられ、インナーカウルはサイドカウル80と一体化され、かつ車体フレーム側へ固定されたカウルステーへ取付けられている。またこのカウルステーにメーターユニット90が支持されている。
図10に示すように、スクリーン28はスクリーンステー54の前部へ取付けられ、スクリーンステー54の後端部はヘッドライト24へ取付けられている。スクリーン28の左右両側の上部28aは、後方へ斜め上がりに延出し、メーターユニット90の本体部をなす前部90aの側方を横切り、その内側にメーターユニット90の前部90aの一部が重なって配置されている。
サイドカウル80も上部80aを含む部分は、ヘッドライト24の傾斜と同様に、後方へ斜め上がりに延出し、上部80aは、メーターユニット90の前部90aから連続して同様の傾斜でヘッドライト24の本体部上部47よりも後方へ延出する部分である後部90bよりもさらに上方へ延出し、その内側に後部90bの大部分と、後部90bからさらに下方へ延出する下方延出部90cを覆っている。
スクリーン28及びサイドカウル80は、側面視にて相互に対向する縁部の一部が最も接近しており、この双方の最接近縁部28b及び80bは、メーターユニット90の前部90aとヘッドライト24の本体部上部47との間に位置し、極小の間隙を形成し、互いに略平行している。80cはウインカ30(図3参照)の取付用突部である。
スクリーンステー54は、スクリーン28の下に重なるスクリーン側支持部100とヘッドライト24の上方を斜め下がりに後方へ延出するライト側支持部110とを一体に有する側面視略L字形の金属又は樹脂製の部材である。スクリーン側支持部100には締結部57aが設けられ、ここでスクリーン28を結合部材57で締結するようになっている。
ライト側支持部110は、スクリーン側支持部100の左右両側で屈曲し、ヘッドライト24の上部側面とサイドカウル80の上部80aの間へ入り(図11参照)、一部がヘッドライト24の本体部上部47の側面と交差するよう後方へ斜め下がりに延出している(図10参照)。
図10では見えていないが、ライト側支持部110はヘッドライト24の本体部上部47の後面に対してボルト止め適宜手段で結合されている。ライト側支持部110の大部分はサイドカウル80の内側へ重なっている。
また、スクリーンステー54とメーターユニット90は側面視(図10)にて隣接して配置されている。特に、メーターユニット90の前部90aにおける表示面である上面とライト側支持部110は略平行にそれぞれ後方下がりに傾斜し、ライト側支持部110は最接近縁部28b及び80bと重なっている。このため、ライト側支持部110はスクリーン28とサイドカウル80との隙間を埋めるオーバーラップ部を兼ねることになる。
このようにすると、スクリーン28とヘッドライト24へ一体化されているので、ヘッドライト24を光軸調整のために回動させると、スクリーン28もヘッドライト24と一体に回動する。このため、スクリーン28と車体側へ固定されているサイドカウル80の上部80aとの間で、最接近縁部28b及び80bの間隙が変化する。しかし、この間隙が拡大する方向に変化しても、最接近縁部28b及び80b間はライト側支持部110にて埋められており、側面視で外観される隙間が生じない。すなわち、スクリーンステー54側にオーバーラップ部(ライト側支持部110)を設けても、前実施形態同様にスクリーン28とサイドカウル80間における側面視の隙間を生じさせず、外観を向上させることができる。
また、側面視スクリーンステー54とメーターユニット90を隣接して配置したので、スクリーンステー54を小型化しつつ、ライト側支持部110により、スクリーン28とサイドカウル80の上部80aとの隙間を広い範囲で埋めることができる。
なお、本願発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、発明の原理内において種々に変形や応用が可能である。例えば、カウルステー60とインナーカウル70は必ずしも別体にする必要はなく、カウルステー60とインナーカウル70を一体に形成することもできる。

20:ヘッドパイプ、24:ヘッドライト、26:フロントカウル、28:スクリーン、30:ウインカ、44:透光部、46:本体部、48:エーミング軸、52:調整ボルト、54:スクリーンステー、58:延出部、60:カウルステー、70:インナーカウル、75:長穴、80:サイドカウル、85:オーバーラップ部、110:ライト側支持部(オーバーラップ部)

Claims (10)

  1. ヘッドライト(24)と、このヘッドライトの上方に配置されるスクリーン(28)と、前記ヘッドライト(24)を支持するとともに車体へ支持されるフロントカウル(26)とを備え、
    前記スクリーン(28)は、前記ヘッドライト(24)に支持され、
    前記フロントカウル(26)は、ヘッドライトステーを兼ねてヘッドライトを光軸調整可能に支持するとともに、前記ヘッドライト(24)の側方にてウインカ(30)を支持し、
    前記フロントカウル(26)の一部に、側面視で前記スクリーン(28)の下部内側へ配置されるオーバーラップ部(85)を備えたことを特徴とするヘッドライトの支持構造。
  2. 前記スクリーン(28)は、側面視で前記ヘッドライト(24)よりも後方に延出する後方延出部(58)を備え、この後方延出部の下方に前記オーバーラップ部(85)が配置されることを特徴とする請求項1に記載したヘッドライトの支持構造。
  3. 前記ヘッドライト(24)は、光源の光を前方へ反射する反射面を備えた本体部(46)と、本体部の前方へ配置され、光を透過する透光部(44)を備え、
    前記スクリーン(28)は、連結部材(54)を介して前記ヘッドライト(24)へ取付けられ、
    前記連結部材(54)の左右方向両端部は、ヘッドライトの前記本体部(46)の上部へ取付けられることを特徴とする請求項1又は2に記載したヘッドライトの支持構造。
  4. 前記ヘッドライト(24)は、上下方向中間部において車幅方向へ延びる光軸調整用のエーミング軸(48)を設け、下端を前記フロントカウル(26)に位置規制を兼ねた調整ボルト(52)で固定したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載したヘッドライトの支持構造。
  5. 前記フロントカウル(26)の前記ヘッドライト(24)下方に、ナンバーステー(34)の後端を支持し、前端にナンバープレート(32)を支持したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載したヘッドライトの支持構造。
  6. 前記フロントカウル(26)は、インナー部材(60・70)と、その外側を覆う左右一対のアウター部材(80)とを備え、
    前記インナー部材(60・70)は、ヘッドライトステーを兼ね、車体に対してヘッドライトを回動可能に支持するとともに、前記ヘッドライト(24)の側方にて前記ウインカ(30)及び前記アウター部材(80)を支持し、
    前記アウター部材(80)は、一部に前記オーバーラップ部(85)を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載したヘッドライトの支持構造。
  7. インナー部材は、ステー部(60)とインナー本体部(70)を備え、
    前記ステー部(60)は、前記インナー本体部(70)を支持するとともに車体へ支持されてヘッドライトステーを兼ね、
    前記インナー本体部(70)は、前記ヘッドライト(24)を回動可能に支持するとともに、このヘッドライト(24)の側方にて前記ウインカ(30)及びサイドカバー(80)を支持することを特徴とする請求項6に記載したヘッドライトの支持構造。
  8. インナー部材は、上部にてメータ(90)を支持することを特徴とする請求項6又は7に記載したヘッドライトの支持構造。
  9. 前記ヘッドライト(24)と、このヘッドライトの上方に配置される前記スクリーン(28)と、前記ヘッドライト(24)を支持するとともに車体へ支持される前記フロントカウル(26)とを備え、
    前記スクリーン(28)は、前記ヘッドライト(24)に支持され、
    前記フロントカウル(26)は、前記ヘッドライト(24)の側方を覆うとともに、このヘッドライト(24)の側方に前記ウインカ(30)を支持し、前記フロントカウル(26)の一部に、側面視でスクリーンステー(54)の下部外側へ配置されるオーバーラップ部(110)を備えたことを特徴とするヘッドライトの支持構造。
  10. 前記ヘッドライト(24)の上方にメーターユニット(90)が配置されるとともに、側面視で前記メーターユニット(90)と前記ヘッドライト(24)と前記スクリーンステー(54)とが前後に隣接して配置されることを特徴とする請求項9に記載したヘッドライトの支持構造。
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