JP2014196400A - ガスバリア層形成材料およびその製造方法、ガスバリア性積層体 - Google Patents

ガスバリア層形成材料およびその製造方法、ガスバリア性積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】高湿度条件下でも良好なガスバリア性を有し、膜凝集力も良好なガスバリア層を形成できるガスバリア層形成材料、これを用いて得られるガスバリア性積層体の提供。【解決手段】アルデヒド基を有する変性セルロースナノファイバーを含有するガスバリア層形成材料。【選択図】なし

Description

本発明は、ガスバリア層形成材料およびその製造方法、並びにガスバリア性積層体に関する。
現在、食品、医薬品、エレクロトニクス部品等を保護するガスバリア材として、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)等のPVA系樹脂を用いたガスバリア性フィルムや、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)系樹脂を用いたガスバリア性フィルムが多用されている。これらのガスバリア性フィルムは、ガラス、金属、セラミックス等を用いたガスバリア材と比較して、加工性に優れる、軽量である等の点で優れている。
しかし、PVA系樹脂を用いたガスバリア性フィルムは湿度依存性が大きく、湿度の上昇に従い、吸湿・膨潤等によってガスバリア性が大幅に低下する問題がある。
PVDC系樹脂を用いたガスバリア性フィルムは、酸素透過度に対する湿度依存性はほとんどないものの、分子構造中に塩素原子を含むことから、焼却によるダイオキシン発生のおそれがあり、環境への影響が懸念されている。
また、PVA系樹脂やPVDC系樹脂は、化石資源由来の材料をもとに製造されており、環境への負荷が避けられない。
一方、近年、化石資源の枯渇問題の解決を目指して、持続的に利用可能な環境調和型材料であるバイオマスを用いた機能性材料の開発が盛んに行われている。その中でも木材の主成分であるセルロースは、地球上に最も大量に蓄積された天然高分子材料であることから、資源循環型社会の中核を担う物質として期待が寄せられている。
木材中では、数十本以上のセルロース分子が束になって高結晶性でナノメートルオーダーの繊維径をもつ微細繊維(ミクロフィブリル)を形成しており、さらに多数の微細繊維が互いに水素結合してセルロース繊維を形成し、植物の支持体となっている。
このように安定な構造を有することから、木材に含まれる天然のセルロース繊維は、特殊な溶媒以外には不溶であり、成形性にも乏しく、機能性材料としては扱いにくい面があった。そこで、木材中のセルロース繊維を、繊維径がナノメートルオーダーになるまで微細化(ナノファイバー化)して利用しようとする試みが活発に行われている。
木材中のセルロース繊維をナノファイバー化する手法の1つとして、セルロース繊維を、比較的安定なN−オキシル化合物である2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−1−オキシラジカル(TEMPO)を触媒として用いて酸化(TEMPO酸化)する手法が報告されている(例えば特許文献1)。TEMPO酸化反応は、水系、常温、常圧で進行する環境調和型の化学改質が可能で、例えば木材パルプに適用した場合、結晶構造内部には反応が進行せず、結晶表面のセルロース分子鎖が持つ−CHOHのみを選択的に酸化しカルボキシ基へと変換することができる。結晶表面に導入されたカルボキシ基間には静電的な反発力が働くため、TEMPO酸化後の木材パルプを水中に分散させた状態で軽微な機械処理を施すと、セルロース繊維が微細繊維単位まで微細化されたセルロースシングルナノファイバー(以下CSNFと称する)の水分散液を得ることができる。このようにして得られるCSNFは、短軸径が4nm前後と微細で、長軸径500nm〜数μmに及ぶ高アスペクト比を有している。
このCSNFの水分散液を基材に塗布乾燥することによってCSNFが積層した膜(CSNF積層膜)を形成できる。該CSNF積層膜は透明性が高く、例えば透明基材上にCSNF積層膜を設けた積層体は透明性が高い。また、該CSNF積層膜は、高結晶性のCSNFが緻密に集積した構造を有しており、膜内部の空隙サイズが非常に小さいことから高い酸素バリア性を示すことが報告されている(非特許文献1)。
前記の特性から、CSNF等のセルロースナノファイバーを用いたカーボンニュートラルなガスバリア材の研究については既に多くの報告がある。
しかし、セルロースナノファイバーを用いたガスバリア材の実用化に向けては、PVA系樹脂を用いたガスバリア性フィルムの場合と同様に、高湿度条件下において、吸湿・膨潤等によってガスバリア性が低下する問題がある。
このような問題に対し、例えば特許文献2では、特定のセルロース繊維を含むガスバリア用材料からなる層を基材に設けたガスバリア性複合成形体に、さらに防湿層を積層することが提案されている(段落[0056]等)。特許文献3では、特定のセルロース繊維とPVAとを含む水性分散液で膜状のガスバリア性成形体を形成することせることが提案されている。特許文献4では、特定のセルロース繊維と層状無機化合物と塩基性物質とを含む水性分散液でガスバリア性膜状体を形成することが提案されている。
特開2008−1728号公報 特開2009−57552号公報 特開2012−41489号公報 特開2012−97236号公報
Hayaka Fukuzumi, et al. Biomacromolecules,2009,10(1),162−165
しかし、セルロースナノファイバーを用いたガスバリア材の高湿度下におけるガスバリア性は、未だ実用レベルには達していないのが現状である。
例えば特許文献2に記載の方法では、ガスバリア用材料からなる層自体の耐湿性は低く、防湿層の防湿効果により該層の吸湿速度は遅くなるものの、吸湿自体を完全に抑制できるわけではないため、最終的に酸素バリア性は低下してしまう。
特許文献3に記載の方法では、ガスバリア性成形体への湿度の影響をある程度抑えることができるものの、PVAも親水性であることから、その効果には未だ改善の余地がある。
特許文献4に記載の方法では、層状化合物の添加により高湿度下におけるガスバリア性は改善する。しかし層状化合物の添加は、膜凝集力の著しい低下を引き起こす。膜凝集力の低下は、たとえば基材上にガスバリア層を積層したり、その上にさらに他の層を積層したりして積層体としたときに層間密着性が低い等の実用面での新たな問題となる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、高湿度条件下でも良好なガスバリア性を有し、膜凝集力も良好なガスバリア層を形成できるガスバリア層形成材料、これを用いて得られるガスバリア性積層体を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は以下の態様を有する。
[1]アルデヒド基を有する変性セルロースナノファイバーを含有することを特徴とするガスバリア層形成材料。
[2]前記変性セルロースナノファイバーの数平均短軸径が1nm以上100nm以下であり、数平均長軸径が100nm以上であり且つ前記数平均短軸径の50倍以上である[1]に記載のガスバリア層形成材料。
[3]前記アルデヒド基は、セルロースナノファイバーに、セルロース分子骨格中のグルコピラノース環における第2位と第3位の炭素原子間の結合の一部を開裂させ、第2位と第3位のカルビノール基の両方または片方をアルデヒド基に変換する酸化剤を作用させることによって導入されたものである[1]または[2]に記載のガスバリア層形成材料。
[4]前記酸化剤が、過ヨウ素酸および過ヨウ素酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種である[3]に記載のガスバリア層形成材料。
[5]前記酸化剤の添加量が、前記セルロースナノファイバー1g当たり0.1mmol以上10.0mmol以下の範囲内である[4]に記載のガスバリア層形成材料。
[6]前記変性セルロースナノファイバーが、N−オキシル化合物を用いた酸化反応により導入されたカルボキシ基を有する[1]〜[5]のいずれか一項に記載のガスバリア層形成材料。
[7]前記カルボキシル基の含有量が、前記変性セルロースナノファイバー1g当たり0.1mmol以上5.0mmol以下の範囲内である[6]に記載のガスバリア層形成材料。
[8]水性媒体中に前記変性セルロースナノファイバーが分散した水性分散液である[1]〜[7]のいずれか一項に記載のガスバリア層形成材料。
[9][1]〜[8]のいずれか一項に記載のガスバリア層形成材料を製造する方法であって、
水性媒体中にセルロースナノファイバーが分散した水性分散液に、セルロース分子骨格中のグルコピラノース環における第2位と第3位の炭素原子間の結合の一部を開裂させ、第2位と第3位のカルビノール基の両方または片方をアルデヒド基に変換する酸化剤を添加し、前記セルロースナノファイバーに作用させてアルデヒド基を導入し、前記変性セルロースナノファイバーを得る工程を有するガスバリア層形成材料の製造方法。
[10]基材と、前記基材の少なくとも一方の面に積層したガスバリア層と、を有し、
前記ガスバリア層が、[1]〜[8]のいずれか一項に記載のガスバリア層形成材料から形成された層であることを特徴とするガスバリア性積層体。
[11]ヒートシール可能な熱可塑性樹脂層をさらに有する[10]に記載のガスバリア性積層体。
本発明によれば、高湿度条件下でも良好なガスバリア性を有し、膜凝集力も良好なガスバリア層を形成できるガスバリア層形成材料、これを用いて得られるガスバリア性積層体を提供できる。
≪ガスバリア層形成材料≫
本発明のガスバリア層形成材料は、アルデヒド基を有する変性セルロースナノファイバーを含有する。以下、セルロースナノファイバーを「CNF」ともいう。
本発明において、「ナノファイバー」とは、数平均短軸径(平均繊維径)がナノメートルオーダー(1nm以上1μm未満)の繊維を示す。
本発明において、変性CNFの数平均短軸径は、1nm以上100nm以下が好ましく、2nm以上50nm以下がより好ましく、4nm以上20nm以下が特に好ましい。数平均短軸径が1nm以上であると、高結晶性の微細化セルロース繊維構造をとることが出来、形成されるガスバリア層のガスバリア性が良好である。数平均短軸径が100nm以下であると、高い透明性を有するガスバリア層を形成できる。
変性CNFの数平均長軸径(平均繊維長)は、100nm以上であり且つ前記数平均短軸径の50倍以上であることが好ましい。これにより、ガスバリア層を形成する際に、繊維同士が充分に絡み合い、充分な膜凝集力が得られる。
変性CNFの数平均長軸径は、200nm以上であり且つ前記数平均短軸径の100倍以上であることがより好ましい。
変性CNFの数平均長軸径の上限は、膜凝集力の点では特に限定されないが、製造し易さ等の点では、10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましい。
変性CNFの数平均短軸径は、透過型電子顕微鏡観察および原子間力顕微鏡観察により100本の繊維(変性CNF)の短軸径(最小径)を測定し、その平均値として求められる。変性CNFの数平均長軸径は、透過型電子顕微鏡観察および原子間力顕微鏡観察により100本の繊維(変性CNF)の長軸径(最大径)を測定し、その平均値として求められる。
前記変性CNFは、アルデヒド基を有する。これにより、高湿度条件下でも優れたガスバリア性を発揮するガスバリア層を形成できる。
変性CNF中のアルデヒド基の含有量は、次亜塩素酸を用いた電導度滴定法により測定できる。
天然のセルロースの分子骨格中にはアルデヒド基は含まれていないため、アルデヒド基を有する変性CNFを得るためには、セルロース分子骨格にアルデヒド基を導入する必要がある。
セルロース分子骨格へのアルデヒド基の導入方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができ、例えば、セルロースに酸化剤を反応させ、セルロースが有するC−OHをアルデヒド基に変換する方法が挙げられる。
本発明において、前記アルデヒド基は、CNFに、セルロース分子骨格中のグルコピラノース環における第2位と第3位の炭素原子間の結合の一部を開裂させ、第2位と第3位のカルビノール基の両方または片方をアルデヒド基に変換する酸化剤を作用させることによって導入されたものであることが好ましい。
該酸化剤としては、処理の簡便さから、過ヨウ素酸および過ヨウ素酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種(以下、過ヨウ素酸(塩)ともいう。)が好ましい。過ヨウ素酸塩としては、過ヨウ素酸ナトリウム、過ヨウ素酸カリウム、過ヨウ素酸アンモニウム、過ヨウ素酸ルビジウム、過ヨウ素酸セシウム等が挙げられる。過ヨウ素酸(塩)としては、扱いやすさの面から過ヨウ素酸ナトリウムが好ましい。
過ヨウ素酸(塩)をCNFに作用させた場合、通常、CNFの繊維表面のセルロース分子鎖が持つグルコピラノース単位において、下記反応式(1)に示すように、第2位と第3位の炭素間が開裂し、第2位と第3位のカルビノール基(>C−OH)がともにアルデヒド基に変換されて、アルデヒド基を2つ有する構造の単位が形成される。
過ヨウ素酸(塩)を用いた酸化反応については後で詳しく説明する。
Figure 2014196400
前記酸化剤として過ヨウ素酸(塩)を用いる場合、アルデヒド基の導入に用いる酸化剤の添加量は、前記性CNF1g当たり0.1mmol以上10.0mmol以下の範囲内であることが好ましく、0.15mmol以上5.0mmol以下であることがより好ましい。
過ヨウ素酸(塩)による処理は、前記のように、グルコピラノース環の開裂を伴う。そのため、通常の木材系天然セルロースに過ヨウ素酸(塩)を作用させると、セルロースの結晶構造が破壊されて低分子化が促進し、材料としての力学特性および保存安定性が損なわれるおそれがある。そこで、本発明者は、セルロースがミクロフィブリル単位まで微細化された状態のCSNFの結晶表面に存在するC2−C3結合の量を概算し、それらを過不足なく酸化するのに必要な過ヨウ素酸(塩)量を添加量の基準とすることで、CSNFの結晶性を損なわずに、CSNFの繊維表面にのみアルデヒド基を導入することを試みた。具体的には、木材系天然セルロースに由来するCSNFは断面が正方形で短軸幅4nmの結晶性ファイバーであることから、CSNFの繊維表面に存在するC6位の量はおよそ1.6mmol/g程度と概算できる。そしてセルロースミクロフィブリルの構造上、CSNF表面に露出しているC6位とC2−C3結合の量は等しいことから、CSNFの繊維表面にのみ過不足なくアルデヒド基を導入するために必要な過ヨウ素酸(塩)の量は1.6mmol/gと見積られる。この添加量を基準とし、CNFに作用させる過ヨウ素酸(塩)の量が0.1mmol/g以上10mmol/g以下であれば、CSNF表面のみにアルデヒド基が導入され、CSNFの高い結晶構造が維持される。そのため、低湿度条件下でのガスバリア性、透明性、膜凝集力等を損なうことなく、高湿度条件下でのガスバリア性を改善できる。
前記変性CNFは、前記アルデヒド基の他に、N−オキシル化合物を用いた酸化反応により導入されたカルボキシ基を有することが好ましい。
TEMPOをはじめとするN−オキシル化合物を用いた酸化反応では、結晶表面のセルロース分子鎖が持つグルコピラノース単位の第6位の−CHOHが高い選択性で酸化され、アルデヒド基を経てカルボキシ基に変換される。
このように結晶表面に導入されたカルボキシ基を有するCNF間には静電的な反発力が働くため、水性媒体中で再凝集しにくく、分散安定性が良好である。
N−オキシル化合物を用いた酸化反応については後で詳しく説明する。
前記変性CNF中の前記カルボキシ基の含有量は、前記変性CNF1g当たり0.1mmol以上5.0mmol以下の範囲内であることが好ましく、0.5mmol以上2.0mmol以下であることがより好ましい。カルボキシ基量が0.1mmol/g以上であると、分散安定性が良好である。5.0mmol/g以下であると、CNFの結晶構造が充分に保持され、ガスバリア性および膜凝集力が良好である。
本発明のガスバリア層形成材料は、通常、水性媒体をさらに含み、該水性媒体中に前記変性CNFが分散した水性分散液の状態で用いられる。
水性媒体としては、水、または水と有機溶剤との混合液が好ましい。該有機溶剤としては、水に溶解あるいは均一に混合し、かつ変性CNFの分散性を損なわないものであれば特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、等が挙げられる。これらの中でもアルコールが好ましい。水性媒体としては、水が特に好ましい。
水性分散液中の変性CNFの含有量は特に限定されないが、通常、水性分散液の総質量に対し、0.01質量%以上5質量%以下が好ましい。0.01質量%未満であると、成形体形成用組成物としては溶媒過多となってしまい、ガスバリア層をある程度の厚みまで厚くするのに手間がかかる。5質量%を超えると、変性CNF同士の絡み合いで粘度が上昇し、均一な攪拌が難しくなる。
本発明のガスバリア層形成材料は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、前記変性セルロース以外の他の成分をさらに含有してもよい。
該他の成分としては、例えば変性CNFの水性分散液の調製時にpH調整に用いられた成分を含有してもよい。変性CNFの水性分散液の調製方法は後で詳しく説明する。
また、該他の成分として、各種添加剤を含有してもよい。添加剤としては、当該ガスバリア層形成材料の用途等に応じて、公知の添加剤のなかから適宜選択できる。具体的には、アルコキシシラン等の有機金属化合物またはその加水分解物、無機層状化合物、無機針状鉱物、レベリング剤、消泡剤、水溶性高分子、合成高分子、無機系粒子、有機系粒子、潤滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、安定剤、磁性粉、配向促進剤、可塑剤、架橋剤等が挙げられる。
[ガスバリア層形成材料の製造方法]
本発明のガスバリア層形成材料は、前記変性CNFを製造し、必要に応じて他の成分を配合することにより製造できる。
前記変性CNFは、公知の方法を利用して製造できる。例えば、前記アルデヒド基が、セルロース分子骨格中のグルコピラノース環における第2位と第3位の炭素原子間の結合の一部を開裂させ、第2位と第3位のカルビノール基の両方または片方をアルデヒド基に変換する酸化剤の作用によって導入されたものである場合、水性媒体中にCNFが分散した水性分散液(CNF分散液)に該酸化剤を添加し、CNF分散液中のCNFに作用させてアルデヒド基を導入する。これにより、水性媒体中に変性CNFが分散した水性分散液(変性CNF分散液)が得られる。
該製造方法において、アルデヒド基が導入されるCNFは、N−オキシル化合物を用いた酸化反応により導入されたカルボキシ基を有するものであることが好ましい。このようなCNFは、水性媒体中での分散安定性が良好である。ただし本発明はこれに限定されるものではなく、該カルボキシ基を有さないCNFにアルデヒド基を導入してもよい。
以下、木材系天然セルロースから、N−オキシル化合物を用いた酸化反応により導入されたカルボキシ基と、セルロース分子骨格中のグルコピラノース環における第2位と第3位の炭素原子間の結合の一部を開裂させ、第2位と第3位のカルビノール基の両方または片方をアルデヒド基に変換する酸化剤を用いた酸化反応によって導入されたアルデヒド基と、を有する変性CNFを製造する方法の一例を説明する。
この例の製造方法は、木材系天然セルロースを、N−オキシル化合物を用いて酸化して酸化セルロースを得る工程(第一酸化工程)と、該酸化セルロースを水性媒体中で微細化してCNF分散液を調製する工程(微細化工程)と、該CNF分散液に過ヨウ素酸(塩)を添加し、酸化して変性CNFを得る工程(第二酸化工程)とを含む。
(第一酸化工程)
木材系天然セルロースとしては、特に限定されず、針葉樹パルプや広葉樹パルプ、古紙パルプ、など、一般的にセルロースナノファイバーの製造に用いられるものを用いることができる。精製および微細化のしやすさから、針葉樹パルプが好ましい。
N−オキシル化合物としては、TEMPO(2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−1−オキシラジカル)、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシル、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−エトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−アセトアミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、等が挙げられる。その中でも、TEMPOが好ましい。
N−オキシル化合物の使用量は、触媒としての量でよく、特に限定されない。通常、酸化処理する木材系天然セルロースの固形分に対して0.1〜5.0質量%程度である。
N−オキシル化合物を用いた酸化方法としては、木材系天然セルロースを水中に分散させ、N−オキシル化合物の共存下で酸化処理する方法が挙げられる。
このとき、N−オキシル化合物とともに、共酸化剤を併用することが好ましい。この場合、反応系内において、N−オキシル化合物が順次共酸化剤により酸化されてオキソアンモニウム塩が生成し、該オキソアンモニウム塩によりセルロースが酸化される。かかる酸化処理によれば、温和な条件でも酸化反応が円滑に進行し、カルボキシ基の導入効率が向上する。酸化処理を温和な条件で行うと、セルロースの結晶構造を維持しやすい。
前記共酸化剤としては、ハロゲン、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸や過ハロゲン酸、またはそれらの塩、ハロゲン酸化物、窒素酸化物、過酸化物など、酸化反応を推進することが可能であれば、いずれの酸化剤も用いることができる。入手の容易さや反応性から、次亜塩素酸ナトリウムが好ましい。
前記共酸化剤の使用量は、酸化反応を促進することができる量でよく、特に限定されない。通常、酸化処理する木材系天然セルロースの固形分に対して1〜200質量%程度である。
前記N−オキシル化合物および共酸化剤とともに、臭化物およびヨウ化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物をさらに併用してもよい。これにより、酸化反応を円滑に進行させることができ、カルボキシル基の導入効率を改善することができる。
該化合物としては、臭化ナトリウムまたは臭化リチウムが好ましく、コストや安定性から、臭化ナトリウムがより好ましい。
該化合物の使用量は、酸化反応を促進することができる量でよく、特に限定されない。通常、酸化処理する木材系天然セルロースの固形分に対して1〜50質量%程度である。
前記酸化反応の反応温度は、4〜50℃が好ましく、10〜40℃がより好ましい。
4℃以下であると、試薬の反応性が低下し反応時間が長くなってしまう。50℃以上であると副反応が促進して試料が低分子化し、成形体を形成した際の材料特性を損なってしまう。
前記酸化処理の反応時間は、反応温度、所望のカルボキシ基量等を考慮して適宜設定でき、特に限定されないが、通常、1〜5時間程度である。
前記酸化反応時の反応系のpHは、9〜11が好ましい。該pHは、20℃におけるpHである。pHが9以上であると、反応を効率よく進めることができる。pHが11を超えると副反応が進行し、試料の分解が促進されてしまうおそれがある。
前記酸化処理においては、酸化が進行するにつれて、カルボキシ基が生成することにより系内のpHが低下してしまう。酸化処理中、反応系のpHを9〜11に保つことが好ましい。反応系のpHを9〜11に保つ方法としては、pHの低下に応じてアルカリ水溶液を添加する方法が挙げられる。アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、アンモニア水溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液、水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液、水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム水溶液などの有機アルカリなどが挙げられる。コストなどの面から水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。
前記N−オキシル化合物による酸化反応は、反応系にアルコールを添加することにより停止させることができる。このとき、反応系のpHは前記の範囲内に保つことが好ましい。
添加するアルコールとしては、反応をすばやく終了させるためメタノール、エタノール、プロパノールなどの低分子量のアルコールが好ましく、反応により生成される副産物の安全性などから、エタノールが特に好ましい。
酸化処理後の反応液は、そのまま微細化工程に供してもよいが、N−オキシル化合物等の触媒、不純物等を除去するために、反応液に含まれる酸化セルロースを回収し、洗浄液で洗浄することが好ましい。
酸化セルロースの回収は、ガラスフィルターや20μm孔径のナイロンメッシュを用いたろ過等の公知の方法により実施できる。
酸化セルロースの洗浄に用いる洗浄液としては蒸留水が好ましい。
(微細化工程)
酸化セルロースを微細化する方法としてはまず、酸化セルロースに水性媒体を加えて懸濁させる。
水性媒体としては、前記と同様のものが挙げられ、水が特に好ましい。
必要に応じて、酸化セルロースや生成するCNFの分散性を上げるために、懸濁液のpH調整を行ってもよい。pH調整に用いられるアルカリ水溶液としては、前記第一酸化工程の説明で挙げたアルカリ水溶液と同様のものが挙げられる。
続いて該懸濁液に物理的解繊処理を施して、酸化セルロースを微細化する。
物理的解繊処理としては、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー、ボールミル、ロールミル、カッターミル、遊星ミル、ジェットミル、アトライター、グラインダー、ジューサーミキサー、ホモミキサー、超音波ホモジナイザー、ナノジナイザー、水中対向衝突などの機械的処理が挙げられる。
このような物理的解繊処理を行うことで、懸濁液中の酸化セルロースが微細化され、繊維表面にカルボキシ基を有するCNFの分散液を得ることができる。
微細化工程で得られるCNF分散液に含まれるCNFの数平均短軸径および数平均長軸径は、製造しようとする変性CNF(ガスバリア層形成材料に含有させる変性CNF)の数平均短軸径および数平均長軸径と同様にすることが好ましい。該数平均短軸径および数平均長軸径は、物理的解繊処理の時間や回数により調整できる。CNFの数平均短軸径変性および数平均長軸径は、変性CNFの数平均短軸径および数平均長軸径と同様の方法で測定される。
(第二酸化工程)
次に、微細化工程で得られたCNF分散液に過ヨウ素酸(塩)を添加し、CNF分散液中のCNFを酸化処理する。これにより、上述したように、CNFが有するセルロース分子骨格のグルコピラノース環における第2位と第3位の炭素間が開裂し、第2位と第3位のカルビノール基がともにアルデヒド基に変換され、変性CNFが生成する。
このときの過ヨウ素酸(塩)の添加量は、CNF分散液に含まれるCNF1g当たり0.1mmol以上10.0mmol以下の範囲内であることが好ましく、0.15mmol以上5mmol以下であることがより好ましい。該範囲内であると、上述したように、CSNF表面にのみ過不足なくアルデヒド基を導入することができ、低湿度条件下でのガスバリア性、透明性、膜凝集力等を損なうことなく、高湿度条件下でのガスバリア性を改善できる。
過ヨウ素酸(塩)による酸化処理方法は特に限定しないが、一般に、過ヨウ素酸(塩)によるパルプやセルロースの反応では、セルロースのβ−1,4−グリコシド結合の切断などの副反応が生じることや、過ヨウ素酸(塩)自体が光に対して不安定であることが知られている。これらの影響を低減するために、第二酸化工程は、暗所のもと、室温以下の温度(例えば4〜30℃)でCNF分散液に過ヨウ素酸(塩)を添加し、適宜攪拌操作することにより行うことが望ましい。過ヨウ素酸(塩)による酸化処理時間も特に限定はしないが、反応を完全に進行させるため、48時間程度攪拌し続けることが好ましい。
上記のようにして、カルボキシ基およびアルデヒド基が導入された変性CNFの分散液が得られる。
得られた分散液は、そのまま本発明のガスバリア層形成材料としてもよく、必要に応じて、希釈、濃縮、任意成分の配合等を行って本発明のガスバリア層形成材料としてもよい。
なお、本発明において用いられるCNFは、アルデヒド基を有するものであれば、その製造方法については上記の方法に限定されない。
たとえば原料として用いるセルロースの種類は木材系天然セルロースに限定されず、例えばコットンリンター、竹、麻、バガス、ケナフ、バクテリアセルロース、ホヤセルロース、バロニアセルロースといった非木材系天然セルロースを用いてもよい。材料調達の容易さおよび安定供給の面から、木材系天然セルロースが好ましい。
アルデヒド基が導入されるCNFは、前述のN−オキシル化合物による酸化処理および物理的解繊処理の組み合わせにより得られるものに限定されず、該酸化処理、希酸加水分解処理等による化学処理、物理的解繊処理、酵素処理等の公知の方法のいずれか1種を単独で用いて得られたものでも、2種以上を組み合わせて得られたものでもよい。また、バクテリアセルロースも、アルデヒド基が導入されるCNFとして用いることが出来る。積層体を形成した時の透明性を考慮すると、各種セルロース系材料を、前述のN−オキシル化合物による酸化処理および物理的解繊処理の組み合わせにより微細化したCNFを用いることが好ましい。
本発明のガスバリア層形成材料は、ガスバリア層の形成に用いられる。
本発明のガスバリア層形成材料を用いたガスバリア層の形成は、公知の方法と同様にして実施できる。例えば、水性媒体中に前記変性CNFが分散し、任意に他の成分が配合された水性分散液を用い、これを基材上に塗布する等によって該水性分散液からなる塗膜を形成し、該塗膜を乾燥することによりガスバリア層を形成できる。
このようにして形成されたガスバリア層は、多数の変性CNFが緻密に積層した構造を有するCNF積層膜であり、低湿度条件下で優れたガスバリア性を発揮する。また、変性CNFがアルデヒド基を有することで、高湿度条件下でも該ガスバリア性が低下しにくい。これは、ガスバリア層の形成時に、前記変性CNFに導入されたアルデヒド基が、セルロースが元来有する水酸基との間でヘミアセタール結合を形成することによると考えられる。すなわち、該ヘミアセタール結合によって変性CNF同士が架橋し、該架橋によって、吸湿によるガスバリア層の膨潤が抑制され、該膨潤によるガスバリア性の低下が抑制されると考えられる。
前記の変性CNF間のヘミアセタール結合の形成は、水性分散液中では可逆的に進行するが、乾燥工程を経て系内から水が除去されることにより、平衡がヘミアセタール結合形成側に傾く。そのため、本発明のガスバリア層形成材料は、水性分散液であることが好適である。かかる水性分散液は、塗布前は、当該水性分散液中に分散した変性CNFが相互に完全に架橋すること無く存在しているため、良好な塗布性を有しており、塗布後は、乾燥工程にて架橋が進み、架橋構造を有するCNF積層膜を形成できる。このように、一液系の塗布乾燥処理により、架橋構造を有するCNF積層膜を形成できるため、大量生産にも適している。
≪ガスバリア性積層体≫
本発明のガスバリア性積層体は、基材と、前記基材の少なくとも一方の面に積層したガスバリア層と、を有し、
前記ガスバリア層が、前記本発明のガスバリア層形成材料から形成された層であることを特徴とする。
基材としては、特に制限は無く、公知の種々のシート状の基材を用いることができ、例えばプラスチックフィルム、ガラス板、セルロース系基材、等が挙げられる。
プラスチックフィルムを構成するプラスチック材料としては、例えば、ポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル系(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、セルロース系(トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セロファン等)、ポリアミド系(6−ナイロン、6,6−ナイロン等)、アクリル系(ポリメチルメタクリレート等)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、エチレンビニルアルコール等の有機高分子化合物が挙げられる。また、前述の有機高分子化合物の中から、少なくとも1種以上の成分を持つ、或いは共重合成分に持つ、或いはそれらの化学修飾体を成分に有する有機高分子材料も可能である。また、ポリ乳酸、バイオポリオレフィンなど植物から化学合成されるバイオプラスチック、ヒドロキシアルカノエートなど微生物が生産するプラスチック等を用いることも可能である。
セルロース系基材は、セルロース系材料から構成される基材であり、セルロース系材料としては、紙、セロハン、アセチル化セルロース、セルロース誘導体、微細化セルロース繊維等が挙げられる。
環境等への配慮から基材にも環境負荷の少ないものが求められる場合、基材としては、上記のうち、植物から化学合成されるバイオプラスチックを含む基材、微生物が生産するプラスチックを含む基材、セルロース系基材等が好ましい。
基材は、可塑剤、酸化防止剤、難燃剤、充填剤、帯電防止剤、結晶化促進剤、発泡剤、光沢剤、濡れ性改良剤等の添加剤を含有してもよい。
基材は、コロナ放電、プラズマ処理、酸化処理等の表面処理が施されていてもよい。
基材の厚さは、当該ガスバリア性積層体の用途等に応じて適宜設定でき特に限定されないが、通常、1〜100μm程度である。
本発明のガスバリア層形成材料を用いたガスバリア層の形成は、公知の方法と同様にして実施できる。例えば、水性媒体中に前記変性CNFが分散し、任意に他の成分が配合された水性分散液を用い、これを基材上に塗布する等によって該水性分散液からなる塗膜を形成し、該塗膜を乾燥することによりガスバリア層(前記変性CNFが積層した変性CNF積層膜)が形成される。
前記水性分散液の塗布は、公知の塗布方法を用いて実施できる。例えば、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、ディップコーター、スピンコーター等のコーターを用いて塗布できる。
前記水性分散液の乾燥は、熱風乾燥、熱ロール乾燥、赤外線照射など、公知の乾燥方法を用いて実施できる。乾燥条件としては、特に限定しないが、乾燥温度としては20℃以上200℃以下が好ましく、30℃以上150℃以下がより好ましい。20℃以下では水性媒体の除去に時間がかかりすぎてしまい、200度以上では変性CNFが熱分解し黄変してしまうおそれがある。
ガスバリア層の厚み(乾燥後の厚み)は、所望のガスバリア性に応じて適宜設定でき特に限定されないが、0.1〜5μmが好ましく、0.2 〜3μmがより好ましい。該厚みが0.1μm以上であると、ガスバリア層を設けることによるガスバリア性の向上効果が充分に得られ、5μm以下であると、透明性および生産性が良好である。
ガスバリア層の厚みは、前記水性分散液の塗布量、塗布回数等によって調整できる。
ガスバリア層は、基材の片面のみに設けてもよく、両面に設けてもよい。
本発明のガスバリア性積層体は、前記基材および前記ガスバリア層に加えて、ヒートシール可能な熱可塑性樹脂層(以下、ヒートシール層ともいう。)をさらに有することが好ましい。
ヒートシール層は、袋状包装体などを形成する際に密封層として設けられるものである。
ヒートシール層としては、公知のものを用いることができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体またはそれらの金属架橋物等の樹脂の1種からなるフィルムが用いられる。
ヒートシール層の厚さは、目的に応じて決められるが、一般的には15〜200μmの範囲である。
本発明のガスバリア性積層体は、必要に応じて、前記基材、前記ガスバリア層および前記ヒートシール層以外の他の層をさらに有してもよい。ただしヒートシール層を有する場合、該ヒートシール層は、当該ガスバリア性積層体の少なくとも一方の最外層に配置される。
本発明のガスバリア性積層体が有してもよい他の層としては、たとえば、前記ガスバリア層または基材とヒートシール層との間に設けられる中間フィルム層、印刷層等が挙げられる。また、各層をドライラミネート法やウェットラミネート法で積層する場合には、該積層のための接着層(ラミネート用接着剤層)を有してもよい。また、ヒートシール層を溶融押し出し法で積層する場合には、該積層のためのプライマー層やアンカーコート層などを有してもよい。
中間フィルム層は、ボイルおよびレトルト殺菌時の破袋強度を高めるために設けられる。中間フィルム層を構成するフィルムとしては、機械強度及び熱安定性の面から、二軸延伸ナイロンフィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリプロレンフィルムの内から選ばれる少なくとも1種が好ましい。フィルムの厚さは、材質や要求品質等に応じて決められるが、通常、10〜30μmの範囲内である。
印刷層は、包装袋などとして実用的に用いるために形成される。
印刷層は、ウレタン系、アクリル系、ニトロセルロース系、ゴム系、塩化ビニル系等の従来から用いられているインキバインダー樹脂に各種顔料、体質顔料及び可塑剤、乾燥剤、安定剤等の添加剤などが添加されてなるインキにより構成される層であり、文字、絵柄等が形成された様態となっている。
ラミネート用接着剤層として用いられる接着剤としては、積層される各層の材質に応じてアクリル系、ポリエステル系、エチレン−酢酸ビニル系、ウレタン系、塩化ビニル−酢酸ビニル系、塩素化ポリプロピレン系などの公知の接着剤を用いることができる。
本発明のガスバリア性積層体の層構成は、当該ガスバリア性積層体の用途等を考慮して適宜設定できる。
包装材料として用いる場合の本発明のガスバリア性積層体の好ましい層構成例(a)〜(c)を以下に示す。ただし本発明のガスバリア性積層体はこれらの層構成例に限定されるものではない。
(a)基材/ガスバリア層/ラミネート用接着剤層/ヒートシール層。
(b)基材/ガスバリア層/印刷層/ラミネート用接着剤層/ヒートシール層。
(c)基材/ガスバリア層/ラミネート用接着剤層/中間フィルム層/ラミネート用接着剤層/ヒートシール層。
本発明のガスバリア性積層体は、上述のようにして基材の少なくとも一方の面にガスバリア層を形成し、必要に応じて、ヒートシール層および他の層を、所望の層構成となるように積層することにより製造できる。
ガスバリア層の形成方法は上記のとおりである。
ヒートシール層の積層方法としては、ヒートシール層を形成するフィルムを、ラミネート用接着剤層を形成するための接着剤(2液硬化型ウレタン樹脂など)を用いて貼り合わせるドライラミネート法等を用いることが一般的であるが、これに限定されず、公知の方法により積層することができる。
中間フィルム層の積層方法としては、ラミネート用接着剤層を形成するための接着剤(2液硬化型ウレタン樹脂など)を用いて貼り合わせるドライラミネート法を用いることができる。
印刷層は、グラビア印刷、フレキソ印刷等の公知の印刷法により形成できる。
ヒートシール層または中間フィルム層の積層時に、ラミネート用接着剤層を形成するための接着剤の塗布方法としては、公知の塗布法を用いることができる。例えば、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、ディップコーター等を用いて塗布できる。接着剤の塗布量としては、1〜10g/mが好ましい。
本発明のガスバリア性積層体は、前記本発明のガスバリア層形成用材料から形成されたガスバリア層を有することから、基材単独の場合に比べて、優れたガスバリア性を有する。該ガスバリア性は、低湿度条件下はもちろん、高湿度条件下でも良好である。具体的には、相対湿度40%、30℃の条件下で5cc(cm/m・day・Pa)以下の酸素バリア性があれば、食品用包装材料として実用化の可能性があり、本発明におけるガスバリア積層体は該条件を十分に満たしている。
本発明のガスバリア性積層体がヒートシール層を有する場合、該ガスバリア性積層体は、袋状包装体などの形状に容易に加工でき、包装材料として有用である。特に、ガスバリア性を有することから、酸素ガス、水蒸気、その他各種ガスによって変質や腐敗、劣化等が生じるおそれのある物品、例えば食品、医薬品、エレクトロニクス部品等、の包装に用いられる包装材料として有用である。
また、本発明のガスバリア性積層体は、ガスバリア層が透明であるため、表示のために任意に設けられる印刷層以外の他の層(基材、ヒートシール層、任意の中間フィルム層等)として透明なものを用いることで、内容物の視認が可能な透明包装材料とすることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明の技術範囲はこれらの実施形態に限定されるものではない。
以下の各例において、「%」は、特に断りのない限り、質量%(w/w%)を示す。
[実施例1〜12]
(木材セルロースのTEMPO酸化)
針葉樹クラフトパルプ70gを蒸留水3500gに懸濁し、蒸留水350gにTEMPOを0.7g、臭化ナトリウムを7g溶解させた溶液を加え、20℃まで冷却した。ここに2mol/L、密度1.15g/mLの次亜塩素酸ナトリウム水溶液450gを滴下により添加し、酸化反応を開始した。系内の温度は常に20℃に保ち、反応中のpHの低下は0.5Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加することでpH10に保ち続けた。セルロースの質量に対して、水酸化ナトリウムが3.00mmol/gになったと時点で、過剰量のエタノールを添加し反応を停止させた。その後、ガラスフィルターを用いて蒸留水によるろ過洗浄を繰り返し、酸化パルプを得た。
(酸化パルプのカルボキシル基量測定)
上記TEMPO酸化で得た酸化パルプを固形分重量で0.1g量りとり、1%濃度で水に分散させ、塩酸を加えてpHを2.5とした。その後0.5N水酸化ナトリウム水溶液を用いた電導度滴定法により、酸化パルプ1g当たりのカルボキシル基量(mmol/g)を求めた。結果は1.6mmol/gであった。
(酸化パルプの解繊処理)
前記TEMPO酸化で得た酸化パルプ1gを99gの蒸留水に分散させ、ジューサーミキサーで30分間微細化処理し、CNF濃度1%のCNF水分散液を得た。
該CNF水分散液に含まれるCNFの数平均短軸径は4nm、数平均長軸径は1110nmであった。
(CNFへのアルデヒド基導入)
表1に示したNaIO添加量(CNF1gに対して添加する過ヨウ素酸ナトリウムのモル量)に相当する過ヨウ素酸ナトリウムを、実施例毎に100mLの蒸留水に溶解させた。得られた過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を、前記CNF水分散液100mLに対し10分間かけて添加した。該CNF水分散液と過ヨウ素酸ナトリウムの混合液を暗所において20℃で48時間攪拌し、変性CNF濃度約0.5%の変性CNF水分散液を得た。
該変性CNF水分散液に含まれる変性CNFの数平均短軸径は4nm、数平均長軸径は1094nmであった。
(ガスバリア性積層体の作製と評価)
変性CNF水分散液を、膜厚25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にバーコーター#16を用いて塗布し、120℃で10分乾燥して、変性CNFを含む層(ガスバリア層)を形成した。形成されたガスバリア層の膜厚を、反射分光式膜厚計(FE-3000、大塚電子)を用いて測定した。測定結果は表1に併記した。
次に、形成されたガスバリア層の上に、ラミネート用接着剤層を介してヒートシール層をドライラミネーション法により貼り合わせ、50℃、4日間養生した。これにより、基材(PETフィルム)/ガスバリア層/ラミネート用接着剤層/ヒートシール層の層構成のガスバリア性積層体を得た。
ヒートシール層としては、厚さが70μmの未延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム(RXC22、三井化学東セロ社製)を使用し、ラミネート用接着剤層を形成する接着剤としては、二液硬化型ポリウレタン系ラミネート用接着剤(A525/A52、三井化学ポリウレタン社製)を使用した。接着剤は、グラビアコート法により、乾燥後の塗布量が3.0g/mとなるようにガスバリア層上に塗布した。
実施例1〜12で得られたガスバリア性積層体は、透明な外観を有していた。
これらのガスバリア性積層体について、下記の評価を行った。結果は表1に併記した。
<酸素透過度(等圧法)の測定>
ガスバリア性積層体の酸素透過度(cm/m・day・Pa)を、酸素透過度測定装置MOCON−OXTRAN(モダンコントロール社製)を用いて、30℃・40%RH雰囲気下および30℃・70%RH雰囲気下で測定した。
<膜密着強度の測定>
ガスバリア性積層体を幅15mm×長さ10cmの短冊状に切り抜き試験片とした。該試験片について、JIS−K−7127に準拠して、引張り速度300mm/minでT字剥離を行い、基材(PETフィルム)とヒートシール層(CPPフィルム)との間の密着強度(N/15mm)を測定した。試験環境は25℃・70%RHとした。
該密着強度が大きいほど、ガスバリア層の膜凝集力が大きいことを示す。
[比較例1]
実施例1〜12の(酸化パルプの解繊処理)で得られたCNF濃度1%のCNF水分散液を蒸留水でCNF濃度0.5%となるように希釈して、ガスバリア層形成用塗布液とした。
このガスバリア層形成用塗布液を、前記(ガスバリア性積層体の作製と評価)における変性CNF水分散液の代わりに用いた以外は実施例1〜12と同様の方法にてガスバリア性積層体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1〜12の(酸化パルプの解繊処理)で得られたCNF濃度1%のCNF水分散液に、CNFに対する固形分質量比で10%に相当する層状化合物(ソマシフ、コープケミカル社製)を添加するとともに、蒸留水でCNF濃度0.5%となるように希釈して、ガスバリア層形成用塗布液とした。
このガスバリア層形成用塗布液を、前記(ガスバリア性積層体の作製と評価)における変性CNF水分散液の代わりに用いた以外は実施例1〜12と同様の方法にてガスバリア性積層体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例3]
実施例1〜12の(酸化パルプの解繊処理)で得られたCNF濃度1%のCNF水分散液に、CNFに対する固形分質量比で10%に相当する層状化合物(合成マイカPDM-5B、トピー社製)を添加するとともに、蒸留水でCNF濃度0.5%となるように希釈して、ガスバリア層形成用塗布液とした。
このガスバリア層形成用塗布液を、前記(ガスバリア性シートの作製と評価)における変性CNF水分散液の代わりに用いた以外は実施例1〜12と同様の方法にて、ガスバリア性積層体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2014196400
酸素透過度測定の結果、実施例1〜12のガスバリア性積層体は、アルデヒド基を導入していないCNFを用いた比較例1のガスバリア性積層体に比較して、30℃・70%RHの高湿度条件下において高い酸素バリア性を示した。これは、変性CNF表面に導入されたアルデヒド基により、変性CNF同士がヘミアセタール結合を形成し架橋したためである。
また、実施例1〜12においては、過ヨウ素酸ナトリウムの添加量が増えるに従い、高湿度下における酸素バリア性がさらに改善する傾向が見られた。特に実施例11、12においては、変性CNF表面に存在するC2−C3結合の量以上の過ヨウ素酸ナトリウムを添加していることから、変性CNF表面からアルデヒド基を有するセルロース由来のオリゴマー成分が脱落し、そのオリゴマー成分と新たに露出した変性CNF表面がさらにヘミアセタール結合を形成することによって、ガスバリア層内部における架橋構造が一層強固となり、酸素バリア性が向上したのではないかと考えられる。
アルデヒド基を導入していないCNFの分散液に層状化合物を配合した比較例2,3においては、比較例1に比べて、高湿度条件下での酸素バリア性が改善していたものの、密着強度が著しく低下しており、実用に耐えうる積層体ではないことが判明した。
これに対し、実施例1〜12のガスバリア性積層体は、比較例2〜3に見られるような大幅な密着強度の低下は生じず、特に実施例2〜11では、比較例1よりも高い密着強度を示した。これはヘミアセタール結合の形成により、ガスバリア層の膜凝集力が上昇したためだと考えられる。実施例12においては若干の密着強度の低下が見られたが、これは過ヨウ素酸ナトリウムの添加量が増えたことにより変性CNFの結晶構造が一部崩壊した可能性が考えられる。
実施例1〜12および比較例1〜3にて作製したガスバリア性積層体についての評価結果から、CNFにアルデヒド基アルデヒド基を導入することによって、膜凝集力を充分に維持しつつ、高湿度条件下での酸素バリア性を高めることが可能となることが確認された。
本発明により、低環境負荷プロセスにより作製された、カーボンニュートラルで実用性の高いガスバリア材の提供が可能となる。

Claims (11)

  1. アルデヒド基を有する変性セルロースナノファイバーを含有することを特徴とするガスバリア層形成材料。
  2. 前記変性セルロースナノファイバーの数平均短軸径が1nm以上100nm以下であり、数平均長軸径が100nm以上であり且つ前記数平均短軸径の50倍以上である請求項1に記載のガスバリア層形成材料。
  3. 前記アルデヒド基は、セルロースナノファイバーに、セルロース分子骨格中のグルコピラノース環における第2位と第3位の炭素原子間の結合の一部を開裂させ、第2位と第3位のカルビノール基の両方または片方をアルデヒド基に変換する酸化剤を作用させることによって導入されたものである請求項1または2に記載のガスバリア層形成材料。
  4. 前記酸化剤が、過ヨウ素酸および過ヨウ素酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項3に記載のガスバリア層形成材料。
  5. 前記酸化剤の添加量が、前記セルロースナノファイバー1g当たり0.1mmol以上10.0mmol以下の範囲内である請求項4に記載のガスバリア層形成材料。
  6. 前記変性セルロースナノファイバーが、N−オキシル化合物を用いた酸化反応によって導入されたカルボキシ基を有する請求項1〜5のいずれか一項に記載のガスバリア層形成材料。
  7. 前記カルボキシル基の含有量が、前記変性セルロースナノファイバー1g当たり0.1mmol以上5.0mmol以下の範囲内である請求項6に記載のガスバリア層形成材料。
  8. 水性媒体中に前記変性セルロースナノファイバーが分散した水性分散液である請求項1〜7のいずれか一項に記載のガスバリア層形成材料。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のガスバリア層形成材料を製造する方法であって、
    水性媒体中にセルロースナノファイバーが分散した水性分散液に、セルロース分子骨格中のグルコピラノース環における第2位と第3位の炭素原子間の結合の一部を開裂させ、第2位と第3位のカルビノール基の両方または片方をアルデヒド基に変換する酸化剤を添加し、前記セルロースナノファイバーに作用させてアルデヒド基を導入し、前記変性セルロースナノファイバーを得る工程を有するガスバリア層形成材料の製造方法。
  10. 基材と、前記基材の少なくとも一方の面に積層したガスバリア層と、を有し、
    前記ガスバリア層が、請求項1〜8のいずれか一項に記載のガスバリア層形成材料から形成された層であることを特徴とするガスバリア性積層体。
  11. ヒートシール可能な熱可塑性樹脂層をさらに有する請求項10に記載のガスバリア性積層体。
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