JP2014194479A - 立体画像取得装置および立体画像取得方法 - Google Patents

立体画像取得装置および立体画像取得方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光学素子の像側焦平面を撮像面と密着させることなく、各光学素子によって生成される光学像を劣化させないようにして立体画像の情報を取得すること。
【解決手段】立体画像取得装置1は、光学素子アレイ12と、撮像素子13と、シフト光学系17と、を備え、シフト光学系17は、屈折率分布レンズ40の入射端面41への光の入射範囲は、光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30の出射端面32からの光の出射範囲以上の大きさとなるように設定されている。屈折率分布レンズ40のレンズ長Zは、物側主平面と像側主平面とがレンズ外に位置し、かつ、物側主平面に配置された被写体に対し正立で等倍な光学像を像側主平面で結像する長さとなっている。屈折率分布レンズ30の像側焦平面と屈折率分布レンズ40の物側主平面とは面1で一致しており、屈折率分布レンズ40の像側主平面と撮像素子13の撮像面とは面2で一致している。
【選択図】図1

Description

本発明は、立体画像取得装置および立体画像取得方法に係り、特に、インテグラルフォトグラフィ方式による立体画像取得装置および立体画像取得方法に関する。
近年、任意の視点から、特殊な立体メガネを用いることなく、立体画像を自由に見ることのできる立体画像方式の1つとして、インテグラルフォトグラフィ方式(以下、IPという)が知られている。IPによる撮像の概要について図12を参照して説明する。図12に示す立体画像取得装置101は、被写体の一例として、円柱111aおよび角柱111bを撮影するものとする。この立体画像取得装置101は、光学素子アレイ112と、撮像素子113とを備えている。光学素子アレイ112を構成する光学素子は、例えば、凸レンズ、凹レンズや開口(空間フィルタ)が用いられることもあるが、ここでは、屈折率分布レンズ130を用いている。屈折率分布レンズ130は、例えばレンズの光軸に直交する断面において周辺から中心に向かって2乗特性のような不均一な屈曲分布を有するように構成される。屈折率分布レンズを用いたIPによる撮像については例えば非特許文献1に開示されている。
図12に示す立体画像取得装置101は、矢印で示す撮影方向114から、光学素子アレイ112を通して被写体(前景、背景)を撮影する。このとき、撮像素子113には、光学素子アレイ112を構成する屈折率分布レンズ130の個数と同じ個数だけ被写体の微小な像、例えば像115が結像する。ここでは、光学素子アレイ112から被写体までの距離をZ、1つの屈折率分布レンズ130により生成される被写体の像の大きさをKで表した。なお、図12において(−)の記号は光学素子アレイ112の位置を基準にした負の方向(図12において左)を示す。撮像素子113は、通常の写真フィルムやCCD(Charge Coupled Device)撮像素子などの動画像を撮像可能な素子である。
IPによる表示の概要について図13を参照して説明する。図13に示す立体画像表示装置102は、屈折率分布レンズアレイ122と、表示素子123とを備えている。屈折率分布レンズアレイ122は、撮像側の光学素子アレイ112に対応して設けられており、複数の屈折率分布レンズ130をレンズ径方向に2次元状に並べて形成したものである。ここで、表示素子123は、図12に示す立体画像取得装置101の撮像素子113により撮影された像115に対応する像125を表示する。観察者Hは、矢印で示す観察方向124から、表示素子123の表面に設けられた屈折率分布レンズアレイ122を見ると、立体像としての円柱121aおよび角柱121bを観察することができる。ここでは、表示素子123に表示される像125の大きさをK、屈折率分布レンズアレイ122から立体像までの距離をZで表した。なお、図13において(+)の記号は屈折率分布レンズアレイ122の位置を基準にした正の方向(図13において右)を表す。表示素子123は、液晶パネル等で構成されている。
図12および図13に示す構成では、被写体と比較して、生成される立体像の奥行きが反転する。例えば図12では、円柱111aと角柱111bは光学素子アレイ112に対して撮像素子113とは反対側(負の方向)に存在する。一方で、図13では、立体像(円柱121a,角柱121b)は屈折率分布レンズアレイ122に対して観察者と同じ側(正の方向)に存在する。つまり、撮像の際に窪んで見えたものが、表示の際に出っ張って見えることになる。奥行きが反転しても構わないような使用法の場合にはこのまま用いる。一方、奥行きを正す必要のある使用法の場合、光学的な制御や演算処理による制御によって奥行きを正すことができる。
例えばIPの撮像時に、図14に示す構成を用いて被写体の奥行き方向の位置を制御することもできる。図14に示す立体画像取得装置103は、対物光学系150を備えている点が、図12に示す立体画像取得装置101とは相違している。なお、同じ構成には同じ符号を付して説明を省略する。対物光学系150は、例えば凸レンズで構成され、図14に示すように、円柱111aや角柱111b等の被写体と光学素子アレイ112との間に配置される。
例えば光学素子に屈折率分布レンズを用いた場合のIPの撮像においては、屈折率分布レンズの長さを、像側焦平面が出射端面と一致するような長さに設定し、その上でさらに出射端面と撮像面とを密着させた状態で配置することが望ましいとされている。
具体的には、図15(a)に示す屈折率分布レンズ130aは、その長さZが光線の蛇行周期の1/4に形成されている。すなわち、Z=(π/2)/(A1/2)である。ここで、A1/2は屈折率分布レンズの材料によって定まる屈折率分布定数を示す。これにより、屈折率分布レンズ130aの像側焦平面が、屈折率分布レンズ130aの出射端面132aと一致している。さらに屈折率分布レンズ130aの出射端面132aは、撮像面113fに密着させた状態で配置されている。この場合、遠方の被写体の光が屈折率分布レンズ130aの入射端面131aから入射し、遠方の被写体の倒立像115aが、屈折率分布レンズ130aの出射端面132aに生成される。
また、図15(b)に示す屈折率分布レンズ130bは、その長さZが光線の蛇行周期の3/4に形成されている。すなわち、Z=(3π/2)/(A1/2)である。これにより、屈折率分布レンズ130bの像側焦平面が、屈折率分布レンズ130bの出射端面132bと一致している。さらに屈折率分布レンズ130bの出射端面132bは、撮像面132fに密着させた状態で配置されている。この場合、遠方の被写体の光が屈折率分布レンズ130bの入射端面131bから入射し、遠方の被写体の正立像115bが、屈折率分布レンズ130bの出射端面132bに生成される。なお、図15(a)および図15(b)では光路をショートカットすることで、被写体が屈折率分布レンズから遠方に存在することを示した。
Jun Arai, Fumio Okano, Haruo Hoshino, and Ichiro Yuyama,"Gradient-index lens-array method based on real-time integral photography for three-dimensional images", Applied Optics, Vol.37, No.11, April, 1998, p.2034-2045
図15に示すように屈折率分布レンズの出射端面(像側焦平面)を撮像面と密着させる構成を採用する場合、紫外線硬化樹脂等を用いて屈折率分布レンズと撮像面とを接着することが考えられる。しかしながら、接着する際に、紫外線硬化樹脂が周囲にはみ出し、このはみ出した紫外線硬化樹脂の部分に光が当たると乱反射が生じ、光学特性を劣化させる。また、通常、撮像面の前面には、撮像面を保護するためのカバーガラスが配置してあるため、屈折率分布レンズの出射端面を撮像面と密着して配置することが困難である。
一方で、屈折率分布レンズの出射端面(像側焦平面)を撮像面と密着させない構成を採用する場合、どのようにすれば必要な立体画像の情報を適切に取得することができるのかは知られていない。屈折率分布レンズの出射端面を撮像面と密着させない場合、各屈折率分布レンズによって生成される光学像の光線の拡がりによって、光学像が重複してしまったり、光学像にぼけを生じてしまったりするという不具合が起きてしまう。
また、光学素子として凹レンズを用いた場合、凹レンズの像側焦平面と撮像面とを密着させて配置すると、凹レンズによって光学像を生成することができないという不具合が起きてしまう。すなわち、凹レンズの像側焦平面は被写体と凹レンズとの間に位置するため、凹レンズの像側焦平面と撮像面とを密着させて配置すると、被写体からの光が撮像面によって遮られてしまい、凹レンズに入射させることができないためである。したがって、光学素子として凹レンズを用いたIPの撮像においては、凹レンズの像側焦平面と撮像面とを密着させて配置することができない。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、インテグラルフォトグラフィ方式による撮像において、光学素子アレイを構成する光学素子の像側焦平面を撮像面と密着させることなく、各光学素子によって生成される光学像を劣化させないようにして立体画像の情報を取得することができる立体画像取得装置および立体画像取得方法を提供することを課題とする。
前記問題を解決するため、請求項1に記載の立体画像取得装置は、光学素子が当該光学素子の光軸に対して直交する同一平面上に複数並んだ光学素子アレイと、前記光学素子アレイによって生成された被写体の立体像を取得するための撮像素子と、前記光学素子アレイと前記撮像素子との間に配置され、前記光学素子アレイによって生成された立体像を前記撮像素子側にシフトさせるシフト光学系と、を備え、前記シフト光学系は、複数の屈折率分布レンズがレンズ径方向に2次元状に並んでおり、前記シフト光学系を構成する前記屈折率分布レンズの入射端面への光の入射範囲は、前記光学素子アレイを構成する前記光学素子の出射端面からの光の出射範囲以上の大きさとなるように設定され、前記シフト光学系を構成する前記屈折率分布レンズの位置は、前記光学素子アレイを構成する前記光学素子の像側焦平面と、前記シフト光学系を構成する前記屈折率分布レンズの物側主平面とが一致し、かつ、前記シフト光学系を構成する前記屈折率分布レンズの像側主平面と前記撮像素子の撮像面とが一致するように設定され、前記シフト光学系を構成する前記屈折率分布レンズの光の蛇行周期をPとした場合に、当該屈折率分布レンズの長さZは、次の式(2)を満たすことを特徴とする。
/2+N≦Z≦P+N …式(2)
ただし、Nは、0,1,2…とする。
かかる構成によれば、立体画像取得装置は、被写体から光学素子アレイに入射する光線に対して、配列された光学素子と同数の微小な画像(立体像)を生成し、この微小な画像を、光学素子アレイと撮像素子との間に配置されたシフト光学系で撮像素子側にシフトさせることによって、光学素子アレイに対して離間して配置された撮像素子で取得することができる。
ここで、シフト光学系を構成する屈折率分布レンズの光の蛇行周期をPとした場合に、前記式(2)を満たすように各屈折率分布レンズの長さZを設定している。屈折率分布レンズの光の蛇行周期をPとした場合に、屈折率分布レンズの長さZをP/2≦Z≦Pの範囲に保つと、被写体側の主点を通り光軸に直交する面である物側主平面と像側の主点を通り光軸に直交する面である像側主平面とがそれぞれ屈折率分布レンズに対して外側に位置することとなる。このとき、物側主平面と像側主平面とは互いに共役の関係となり、物側主平面と像側主平面とは同じ光学像を結像することが知られている。よって、屈折率分布レンズの物側主平面で結像した光学像を光の進行方向にあたかもシフトさせたかのように、この光学像に対し正立で等倍な光学像を像側主平面において結像することができる。
そこで、シフト光学系を構成する各屈折率分布レンズの長さZを、前記式(2)を満たすように設定した。また、立体画像取得装置は、シフト光学系を構成する屈折率分布レンズの物側主平面と光学素子アレイを構成する光学素子の像側焦平面とが一致するとともに像側主平面と撮像素子の撮像面とが一致している。これによって、光学素子アレイを構成する光学素子の像側焦平面で結像した微小な画像に対し正立で等倍の微小な画像を、撮像素子の撮像面で結像させることができる。
また、前記式(2)に示すNを調整することで、P/2またはPで形成されたレンズの長さを1波長単位で増やすことができるので、シフト光学系を構成する屈折率分布レンズの長さZを所望の長さとすることができる。
ここで、立体画像取得装置は、シフト光学系を構成する屈折率分布レンズへの光の入射範囲を、光学素子アレイを構成する光学素子からの光の出射範囲以上の大きさとなるように設定している。そのため、光学素子アレイを構成する光学素子の像側焦平面で結像した微小な画像の光をもれなく、シフト光学系を構成する屈折率分布レンズへと入射させることができる。したがって、シフト光学系を構成する屈折率分布レンズにより、光学素子アレイを構成する光学素子の像側焦平面で結像した微小な画像に対し欠落箇所のない微小な画像を撮像面に結像させることができる。
さらに、立体画像取得装置は、シフト光学系を構成する屈折率分布レンズの像側主平面と撮像面とが一致しているので、シフト光学系を構成する屈折率分布レンズの像側主平面で結像した微小な画像を撮像素子で撮像することができる。前記したように、シフト光学系を構成する屈折率分布レンズの像側主平面で結像されるのは、光学素子アレイを構成する光学素子の像側焦平面で結像した微小な画像に対し正立で等倍の微小な画像であるので、この微小な画像を撮像面で撮像することによって、光学素子アレイを構成する光学素子の像側焦平面で結像した微小な画像に対し重複やぼけのない微小な画像を得ることができる。
このように、立体画像取得装置は、光学素子アレイを構成する光学素子の像側焦平面と撮像面とを密着させずに、光学素子アレイを構成する光学素子の像側焦平面で結像した微小な画像と同等の微小な画像を撮像面で撮像することができる。つまり、立体画像取得装置によれば、IPの撮像時に光学素子アレイを構成する光学素子で生成された光学像に対し重複、欠けやぼけを生じない立体画像の情報を適切に取得することができる。
また、本発明の請求項2に係る立体画像取得装置は、請求項1に係る立体画像取得装置において、前記光学素子は、屈折率分布レンズであり、前記光学素子アレイを構成する前記屈折率分布レンズの光の蛇行周期をPとした場合に、当該屈折率分布レンズの長さZは、次の式(1)を満たすことを特徴とする。
/2+N≦Z≦P+N …式(1)
ただし、Nは、0,1,2…とする。
かかる構成によれば、立体画像取得装置は、光学素子アレイを構成する屈折率分布レンズの長さを所定の長さZとしているので、遠方にある被写体の正立像(微小な画像)を、光学素子アレイを構成する屈折率分布レンズの像側焦平面で結像させることができる。
仮に、光学素子アレイを構成する屈折率分布レンズの長さZが前記式(1)を満たさない場合、像側焦平面において被写体の倒立像が結像される。一方、立体画像取得装置によれば、光学素子アレイを構成する屈折率分布レンズの長さZが前記式(1)を満たすので、像側焦平面において被写体の正立像を結像させることができる。そのため、立体画像取得装置によれば、被写体の正立像を立体画像の情報として取得することができる。
なお、前記式(1)に示すNを調整することで、P/2またはPで形成されたレンズの長さを1波長単位で増やすことができるので、光学素子アレイを構成する屈折率分布レンズの長さZを所望の長さとすることができる。
また、本発明の請求項3に係る立体画像取得装置は、請求項1に係る立体画像取得装置において、前記光学素子は、凹レンズであることを特徴とする。
請求項3に係る立体画像取得装置は、請求項1に係る立体画像取得装置に対し、光学素子アレイを構成する光学素子を凹レンズとしている点が相違するが、その他は同様である。そして、かかる構成によれば、立体画像取得装置は、光学素子アレイを構成する光学素子を凹レンズとし、この凹レンズの像側焦平面とシフト光学系を構成する屈折率分布レンズの物側主平面とが一致し、シフト光学系を構成する屈折率分布レンズの像側主平面と撮像面とが一致している。そのため、シフト光学系の作用により、凹レンズの像側焦平面で結像した微小な画像に対し正立で等倍の微小な画像を撮像素子の撮像面に結像させることができる。
凹レンズの像側焦平面は、被写体と凹レンズとの間に位置するので、仮にIPの撮像において、凹レンズの像側焦平面と撮像素子の撮像面とが一致していると、被写体からの光が撮像面によって遮られてしまい凹レンズに入射させることができないため、必要な立体画像の情報を得ることができない。一方、立体画像取得装置は、光学素子アレイを構成する凹レンズの像側焦平面と撮像素子の撮像面とを離間して配置することができるので、光学素子アレイを構成する凹レンズの像側焦平面で遠方にある被写体の微小な画像を結像させることができ、かつ、この微小な画像に対し重複やぼけを生じない微小な画像を撮像面で撮像することができる。さらに、光学素子アレイを凹レンズとすることで、レンズの長さに関わらず、遠方にある被写体の正立像を像側焦平面に結像させることができる。
また、本発明の請求項4に係る立体画像取得装置は、光学素子が当該光学素子の光軸に対して直交する同一平面上に複数並んだ光学素子アレイと、前記光学素子アレイによって生成された被写体の立体像を取得するための撮像素子と、前記光学素子アレイと前記撮像素子との間に配置され、前記光学素子アレイによって生成された立体像を光の進行方向にシフトさせるシフト光学系と、を備え、前記シフト光学系は、前記被写体側に配置され、複数の凸レンズがレンズ径方向に2次元状に並んだ第一の凸レンズアレイと、前記撮像素子側に配置され、複数の凸レンズがレンズ径方向に2次元状に並んだ第二の凸レンズアレイと、により構成されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、立体画像取得装置は、被写体から光学素子アレイに入射する光線に対して、配列された光学素子と同数の微小な画像を生成し、この微小な画像を、光学素子アレイと撮像素子との間に配置されたシフト光学系で光の進行方向にシフトさせることによって、光学素子アレイに対して離間して配置された撮像素子での撮像面で撮像することができる。
ここで、第一の凸レンズアレイを構成する凸レンズの物側焦平面から光学素子アレイ側に所定距離だけ離れた面と光学素子アレイを構成する光学素子の像側焦平面とが一致する面を面H1としたときに、面H1と第一の凸レンズアレイとの距離をL1としている。また、第一の凸レンズアレイに対して面H1と共役になる面を面H2としたときに、面H2と第一の凸レンズアレイとの距離をL2としている。さらに、面H2と第二の凸レンズアレイとの距離をL2とし、第二の凸レンズアレイと撮像素子の撮像面との距離をL1としている。
これによれば、光学素子アレイを構成する光学素子の像側焦平面(面H1)において、被写体の正立像(微小な画像)が結像される。そして、この面H1から第一の凸レンズアレイを構成する凸レンズに入射された被写体の正立像の光線を、第一の凸レンズアレイからL1離れた面H2において結像させることができる。
このとき、第一の凸レンズアレイを構成する凸レンズへの光の入射範囲を、光学素子アレイを構成する光学素子からの光の出射範囲以上の大きさとなるように設定しているので、この光をもれなく、第一の凸レンズアレイを構成する凸レンズへと入射させることができる。そのため、第一の凸レンズアレイを構成する凸レンズの物側焦平面において、光学素子アレイを構成する光学素子の像側焦平面で結像した微小な画像に対し欠落箇所のない微小な画像を結像することができる。
また、第一の凸レンズアレイに対し面H1と共役の関係にある面H2において、面H1に結像した被写体の正立像からの光を第一の凸レンズアレイに通過させることで、この正立像に対し倒立した像である倒立像を生成することができる。
そして、このようにして生成された被写体の倒立像からの光線を、面H2に対し距離L2だけ離れた位置に配置された第二の凸レンズアレイを構成する凸レンズに通過させることで、被写体の正立像に変換することができる。
このとき、第二の凸レンズアレイを構成する凸レンズへの光の入射範囲を、第一の凸レンズアレイを構成する凸レンズからの光の出射範囲以上の大きさとなるように設定しているので、この光をもれなく、第二の凸レンズアレイを構成する凸レンズへと入射させることができる。そのため、第二の凸レンズアレイを構成する凸レンズの像側焦平面において、第一の凸レンズアレイを構成する凸レンズの物側焦平面で結像した微小な画像に対し欠落箇所のない微小な画像を結像することができる。そして、この被写体の正立像を、第二の凸レンズアレイからL1離れた撮像素子の撮像面によって撮像することができる。
このように、立体画像取得装置は、面H2に対し被写体側の構成と撮像素子側の構成とが対称となっており、光学素子アレイを構成する光学素子の像側焦平面で結像した微小な画像の光線が面H2まで伝搬されるのと同じように、面H2で結像した微小な画像の光線を撮像面まで伝搬させることができる。そのため、光学素子アレイを構成する光学素子の像側焦平面で結像した被写体の微小な画像に対して劣化のない微小な画像を撮像素子の撮像面で撮像することができる。
また、本発明の請求項5に記載の立体画像取得装置は、請求項4に係る立体画像取得装置において、前記光学素子は、屈折率分布レンズであり、前記光学素子アレイを構成する前記屈折率分布レンズの光の蛇行周期をPとした場合に、当該屈折率分布レンズの長さZは、次の式(3)を満たすことを特徴とする。
(数3)
/2+N≦Z≦P+N …式(3)
ただし、Nは、0,1,2…とする。
かかる構成によれば、立体画像取得装置は、光学素子アレイを構成する屈折率分布レンズの長さZを、前記式(3)に示す長さとすることで、像側焦平面において、遠方の被写体の正立像を結像することができる。なお、請求項5に係る式(3)は、請求項2に係る式(2)と同じ式である。
また、前記式(3)に示すNを調整することで、P/2またはPで形成されたレンズの長さを1波長単位で増やすことができるので、光学素子アレイを構成する光学素子の長さZを所望の長さとすることができる。
また、本発明の請求項6に係る立体画像取得装置は、請求項4に係る立体画像取得装置において、前記光学素子は、凹レンズであることを特徴とする。
請求項6に係る立体画像取得装置は、請求項4に係る立体画像取得装置に対し、光学素子アレイを構成する光学素子を凹レンズとしている点が相違する。凹レンズの作用は請求項3に係る立体画像取得装置の凹レンズと同様であるので説明を省略する。また、その他の構成および作用は請求項4に係る立体画像取得装置と同様なので説明を省略する。
また、本発明の請求項7に係る立体画像取得装置は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の立体画像取得装置において、前記被写体と前記光学素子アレイとの間に、前記被写体の実像を前記光学素子アレイ付近に結像させるための対物光学系を備え、前記対物光学系の有効口径は、当該対物光学系を介して前記光学素子アレイを構成する前記光学素子で受光可能な最大の範囲からの前記被写体の光を前記光学素子アレイに並べられたすべての光学素子にて受光できる大きさに設定されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、立体画像取得装置は、被写体からの光線の拡がりを、対物光学系の有効口径により制限し、対物光学系を通過した光線により、被写体の実像が光学素子アレイ付近に生成される。このようにして生成された被写体の実像の光学像を、光学素子アレイを構成する光学素子により結像し、この光学像をシフト光学系により撮像素子側にシフトさせて撮像素子により撮像することで、被写体に対し奥行きの正しい光学像を立体画像の情報として取得することができる。
ここで、仮に、対物光学系の有効口径が適切な値より小さい場合、光学像に欠けが生じて十分な大きさの光学像を生成することができない。一方、立体画像取得装置は、対物光学系の有効口径が適切な値に設定されているので、IPの撮影時に、光学素子アレイを構成する光学素子によって生成される光学像に欠けを生じることがなく、光学素子アレイを構成する光学素子により十分な大きさの光学像を生成することができる。
また、前記課題を解決するために、本発明の請求項8に係る立体画像取得方法は、光学素子が当該光学素子の光軸に対して直交する同一平面上に複数並んだ光学素子アレイと、前記光学素子アレイによって生成された被写体の立体像を取得するための撮像素子と、前記光学素子アレイと前記撮像素子との間に配置され、所定の半径を有した複数の屈折率分布レンズがレンズ径方向に2次元状に並んだシフト光学系と、を備えた立体画像取得装置による立体画像取得方法であって、屈折率分布レンズ長さ設定ステップと、入射範囲設定ステップと、シフト光学系位置設定ステップと、を含むことを特徴とする。
かかる手順によれば、立体画像取得方法は、屈折率分布レンズ長さ設定ステップにて、屈折率分布レンズの光の蛇行周期をPとした場合に、当該屈折率分布レンズの長さZが、次の式(4)を満たすように、シフト光学系を構成する屈折率分布レンズの長さを設定する。
/2+N≦Z≦P+N …式(4)
ただし、Nは、0,1,2…とする。
次に、立体画像取得方法は、屈折率分布レンズ入射範囲設定ステップにて、シフト光学系を構成する屈折率分布レンズへの光の入射範囲が、光学素子アレイを構成する光学素子からの光の出射範囲以上の大きさとなるように、屈折率分布レンズへの光の入射範囲を設定する。
そして、立体画像取得方法は、屈折率分布レンズ位置設定ステップにて、シフト光学系を構成する屈折率分布レンズの物側主平面が光学素子アレイを構成する光学素子の像側焦平面と一致し、シフト光学系を構成する屈折率分布レンズの像側主平面が撮像素子の撮像面と一致するように、シフト光学系の光の進行方向における位置を設定する。なお、請求項8に係る式(4)は、請求項1に係る式(1)と同じ式である。
また、前記課題を解決するために、本発明の請求項9に係る立体画像取得方法は、学素子が当該光学素子の光軸に対して直交する同一平面上に複数並んだ光学素子アレイと、前記光学素子アレイによって生成された被写体の立体像を取得するための撮像素子と、前記光学素子アレイと前記撮像素子との間の前記被写体側に配置され、複数の凸レンズがレンズ径方向に2次元状に並んだ第一の凸レンズアレイと前記撮像素子側に配置され、複数の凸レンズがレンズ径方向に2次元状に並んだ第二の凸レンズアレイとにより構成されたシフト光学系と、を備えた立体画像取得装置による立体画像取得方法であって、第一の入射範囲設定ステップと、第二の入射範囲設定ステップと、第一の凸レンズアレイ距離設定ステップと、第二の凸レンズアレイ距離設定ステップと、を含むことを特徴とする。
かかる手順によれば、立体画像取得方法は、第一の入射範囲設定ステップにて、第一の凸レンズアレイを構成する凸レンズへの光の入射範囲を、光学素子アレイを構成する光学素子からの光の出射範囲以上となるように設定する。
また、立体画像取得方法は、第二の入射範囲設定ステップにて、第二の凸レンズアレイを構成する凸レンズへの光の入射範囲を、第一の凸レンズアレイを構成する凸レンズからの光の出射範囲以上の大きさとなるように設定する。
さらに、立体画像取得方法は、第一の凸レンズアレイ距離設定ステップにて、第一の凸レンズアレイを構成する凸レンズの物側焦平面から光学素子アレイ側に所定距離だけ離れた面と光学素子アレイを構成する光学素子の像側焦平面とが一致する面を面H1としたときに、面H1と第一の凸レンズアレイとの距離をL1に設定し、第一の凸レンズアレイに対して面H1と共役になる面を面H2としたときに、面H2と第一の凸レンズアレイとの距離をL2に設定する。
そして、立体画像取得方法は、第二の凸レンズアレイ距離設定ステップにて、面H2と第二の凸レンズアレイとの距離をL2に設定し、第二の凸レンズアレイと撮像素子の撮像面との距離をL1に設定する。
本発明は、以下に示す優れた効果を奏するものである。
請求項1に係る立体画像取得装置によれば、インテグラルフォトグラフィ方式による撮像において、光学素子アレイを構成する光学素子の像側焦平面を撮像面と密着させることなく、各光学素子によって生成される光学像に対し重複、欠けやぼけを生じさせないようにして立体画像の情報を取得することができる。したがって、立体画像取得装置によって取得された情報を用いて表示される立体画像の品質を高めることができる。
請求項2に係る立体画像取得装置によれば、光学素子アレイを構成する屈折率分布レンズの長さを適切な範囲に設定することで、光学像として被写体の正立像を生成することができ、被写体の正立像を立体画像の情報として取得することができる。そのため、この情報を用いて立体画像を表示するときに、被写体に対する奥行きの調整を要することなく、奥行きの正しい立体画像を表示することができる。
請求項3に係る立体画像取得装置によれば、インテグラルフォトグラフィ方式による撮像において、光学素子アレイを構成する凹レンズの像側焦平面を撮像面と密着させることなく、各凹レンズによって生成される光学像に対し重複、欠けやぼけを生じさせないようにして立体画像の情報を取得することができる。したがって、立体画像取得装置によって取得された情報を用いて表示される立体画像の品質を高めることができる。さらに、光学素子アレイを構成する光学素子を凹レンズとすることで、立体画像取得装置を小型化することができる。
請求項4に係る立体画像取得装置によれば、インテグラルフォトグラフィ方式による撮像において、光学素子アレイを構成する光学素子の像側焦平面を撮像面と密着させることなく、各光学素子によって生成される光学像に対し重複、欠けやぼけを生じさせないようにして立体画像の情報を取得することができる。したがって、立体画像取得装置によって取得された情報を用いて表示される立体画像の品質を高めることができる。また、シフト光学系を一組の凸レンズアレイで構成したことにより、立体画像取得装置の構成を簡素化することができる。
請求項5に係る立体画像取得装置によれば、光学素子アレイを構成する屈折率分布レンズの長さを適切な範囲に設定することで、光学像として被写体の正立像を生成することができるので、被写体の正立像を立体画像の情報として取得することができる。したがって、この情報を用いて立体画像を表示するときに、被写体に対する奥行きの調整を要することなく、奥行きの正しい立体画像を表示することができる。
請求項6に係る立体画像取得装置によれば、インテグラルフォトグラフィ方式による撮像において、光学素子アレイを構成する凹レンズの像側焦平面を撮像面と密着させることなく、各凹レンズによって生成される微小な画像に対し重複、欠けやぼけを生じさせないようにして立体画像の情報を取得することができる。したがって、立体画像取得装置によって取得された情報を用いて表示される立体画像の品質を高めることができる。また、シフト光学系を一組の凸レンズアレイで構成したことにより、立体画像取得装置の構成を簡素化することができる。
請求項7に係る立体画像取得装置によれば、被写体の奥行きが正しく調整された微小な画像を立体画像の情報として取得することができる。そのため、この情報を用いて立体画像を表示するときに、被写体に対する奥行きの調整を要することなく、奥行きの正しい立体画像を表示することができる。
請求項8、9に係る立体画像取得方法によれば、インテグラルフォトグラフィ方式による撮像において、光学素子アレイを構成する光学素子の像側焦平面を撮像面と密着させることなく、各光学素子によって生成される光学像に対し重複、欠けやぼけを生じさせないようにして立体画像の情報を取得することができる。したがって、立体画像取得装置によって取得された情報を用いて表示される立体画像の品質を高めることができる。
本発明の第1実施形態に係る立体画像取得装置を模式的に示す構成図である。 シフト光学系を構成する屈折率分布レンズの構成を説明するための説明図である。 光学素子アレイを構成する屈折率分布レンズの光の出射範囲とシフト光学系を構成する屈折率分布レンズの光の入射範囲との関係を概念的に示す図である。 シフト光学系を構成する屈折率分布レンズの構成を説明するための説明図であり、(a)はシフト光学系を構成する屈折率分布レンズの光の入射範囲を模式的に示す図、(b)はシフト光学系を構成する屈折率分布レンズの最大許容角を説明するための説明図である。 本発明の第1実施形態の立体画像取得装置の構成を説明するための説明図であり、(a)は本発明の第1実施形態に係る立体画像取得装置の分解斜視図、(b)は組み立てた状態の断面図である。 本発明の第1実施形態に係る立体画像取得装置による立体画像取得方法を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る立体画像取得装置を模式的に示す構成図である。 本発明の第3実施形態に係る立体画像取得装置を模式的に示す構成図である。 本発明の第3実施形態に係る立体画像取得装置による立体画像取得方法を示すフローチャートである。 本発明の第4実施形態に係る立体画像取得装置を模式的に示す構成図である。 本発明の第1実施形態の変形例に係る立体画像取得装置を模式的に示す図である。 従来の立体画像取得装置の一例を模式的に示す構成図である。 従来の立体画像表示装置の一例を模式的に示す構成図である。 従来の立体画像取得装置の一例を模式的に示す構成図である。 従来の屈折率分布レンズにより生成される微小な画像の模式図であり、(a)は倒立像が生成される例、(b)は正立像が生成される例である。
以下、本発明の実施形態に係る立体画像取得装置および立体画像取得方法について、図面を参照しながら説明する。なお、各図面が示す部材のサイズや位置関係等は、説明の便宜上誇張していることがある。さらに、以下の説明において、同一の名称および符号については原則として同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る立体画像取得装置の構成について説明する。なお、図13および図15に示した従来の立体画像取得装置101,103において100番台の符号を付して説明した構成要素で下2ケタの数字が同じ構成については同様の構成要素なので説明を適宜省略して説明する。
図1に示すように、立体画像取得装置1は、光学素子アレイ12と、撮像素子13と、光学素子アレイ12と撮像素子13との間に配置されたシフト光学系17と、を備えている。立体画像取得装置1は、光学素子アレイ12と撮像素子13とが離間して配置されている。図1では、立体画像取得装置1は、遠方の被写体の一例として、円柱11aおよび角柱11bを矢印で示す撮影方向14から撮影している。
光学素子アレイ12は、所定の半径rを有した複数の屈折率分布レンズ(光学素子)30をレンズ径方向に2次元状に並べて構成されている。屈折率分布レンズ30の個数は図示した個数に限定されるものではなく、例えば、数百、数千、数万から数百万個形成されるようになっている。光学素子アレイ12は、遠方の被写体からの光線の内、屈折率分布レンズ30に入射する光線に対して、配列された屈折率分布レンズ30と同数の微小な画像15を生成する。ここでは、被写体の微小な画像15として正立像を生成するように屈折率分布レンズ30の長さZが設定されている。
光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30の長さ(レンズ長)Zは、屈折率分布レンズ30の蛇行周期をPとしたときに、次の式(1)を満たすように設定されている。ここで、レンズ長Zとは、光の入射端面31と出射端面32との距離を表す。
/2+N≦Z≦P+N …式(1)
ただし、Nは、0,1,2…とする。
光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30のレンズ長Zを蛇行周期Pに対してP/2≦Z≦Pの範囲に保つと、屈折率分布レンズ30の物側主平面と像側主平面とは共役の関係になり、物側主平面に結像した光学像と正立で等倍な光学像を像側主平面において結像させることができる。なお、この原理は、光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30とシフト光学系17の屈折率分布レンズ40とで共通するので、シフト光学系17の屈折率分布レンズ40の説明において詳しく述べる。
また、前記式(1)に示すNを調整することで、P/2またはPで形成されたレンズの長さを1波長単位で増やすことができるので、光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30のレンズ長Zを所望の長さとすることができる。例えば屈折率分布レンズ30のレンズ長Zを実際に必要な長さよりも長めに作っておくことで強度を向上することができ、基板等に設置したときの屈折率分布レンズ30への負担を軽減することができる。
以上説明したように、屈折率分布レンズ30のレンズ長Zを、式(1)を満たすように設定することで、図1に示すように、屈折率分布レンズ30によって、微小な画像15として被写体の正立像を生成することができる。
シフト光学系17は、所定の半径rを有した複数の屈折率分布レンズ40をレンズ径方向に2次元状に並べて構成されている。屈折率分布レンズ40の個数は図示した個数に限定されるものではなく、例えば、数百、数千、数万から数百万個形成されるようになっている。シフト光学系17は、光学素子アレイ12で生成された光学像を光の進行方向にシフトさせて、シフトさせた位置で元の光学像に対し正立で等倍な光学像を結像する。詳しくは後記する。
次に、シフト光学系17の屈折率分布レンズ40の構成について図2を参照して詳しく説明する。
屈折率分布レンズ40の長さ(レンズ長)Zは、屈折率分布レンズ40の蛇行周期をPとしたときに、次の式(2)を満たすように設定されている。ここで、レンズ長Zとは、光の入射端面41と出射端面42との距離を表す。
/2+N≦Z≦P+N …式(2)
ただし、Nは、0,1,2…とする。
図2に示すように、レンズ長Zを、蛇行周期Pに対してP/2≦Z≦Pの範囲に保つと、被写体O側の主点を通り光軸に直交する面である物側主平面D1と、光学像I側の主点を通り光軸Xに直交する面である像側主平面D2とがそれぞれ屈折率分布レンズ40に対して外側に位置することとなる。このとき、物側主平面D1と像側主平面D2とは共役の関係になり、図2に示すように、物側主平面D1に被写体Oを配置した場合、像側主平面D2において被写体Oの正立像Iを結像する。この正立像Iは、被写体Oに対し正立で等倍の光学像である。なお、被写体と正立像との位置を入れ替えても同様の関係が成立する。このときの物側主平面D1と像側主平面D2との距離は、共役長TCと呼ばれ、次の式(5)で表される。
TC=Z+2L …式(5)
前記した式(5)において、Lは作動距離であり、次の式(6)により求められる。作動距離Lは、屈折率分布レンズ40の入射端面41から物側主平面D1までの距離、または、屈折率分布レンズ40の出射端面42(図1参照)から像側主平面D2までの距離を表す。
=−1/n√A・tan(Z/P) …式(6)
ただし、n:屈折率分布レンズの光軸上の屈折率、
√A:屈折率分布レンズの屈折率分布定数を表すものとする。
以上説明したように、レンズ長Zを、前記式(2)を満たすように設定することで、図2に示したように、屈折率分布レンズ40の物側主平面D1に配置された被写体Oに対し正立で等倍の光学像Iを、屈折率分布レンズ40の像側主平面D2に結像させることができる。これによって、屈折率分布レンズ40の物側主平面D1に配置された被写体Oをあたかも像側主平面D2にシフトさせたかのような作用が得られる。
また、前記式(2)に示すNを調整することで、P/2またはPで形成されたレンズの長さを1波長単位で増やすことができるので、屈折率分布レンズ40のレンズ長Zを所望の長さとすることができる。例えばレンズ長Zを実際に必要な長さよりも長めに作っておくことで強度を向上することができ、基板等に設置したときの屈折率分布レンズ40への負担を軽減することができる。
図1に戻って、シフト光学系17の配置について説明する。
シフト光学系17は、屈折率分布レンズ40の物側主平面が光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30の像側焦平面と一致し、屈折率分布レンズ40の像側主平面が撮像素子13の撮像面と一致するように配置されている。以下では、シフト光学系17の屈折率分布レンズ40の物側主平面と光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30の像側焦平面とが一致する面を面1とし、シフト光学系17の屈折率分布レンズ40の像側主平面と撮像素子13の撮像面とが一致する面を面2とする。
光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30の像側焦平面とシフト光学系17の屈折率分布レンズ40の物側主平面とは、面1において一致している。また、図2を参照して説明したように、シフト光学系17の屈折率分布レンズ40の物側主平面と像側主平面とは共役の関係にある。したがって、光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30によって像側焦平面に結像された遠方の被写体の微小な画像15を、図2に示したシフト光学系17の屈折率分布レンズ40の物側主平面に配置された被写体Oとみなすと、この微小な画像15に対し正立で等倍な光学像Iである微小な画像16を屈折率分布レンズ40の像側主平面に結像させることができる。
そして、シフト光学系17の屈折率分布レンズ40の像側主平面と撮像素子13の撮像面とが面2において一致しているので、シフト光学系17の屈折率分布レンズ40の像側主平面に結像した微小な画像16を撮像素子13の撮像面で撮像することができる。
以上説明したようにシフト光学系17を配置することで、光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30の像側焦平面と撮像素子13の撮像面とが離間していても、光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30の像側焦平面で結像した微小な画像15に対し正立で等倍な微小な画像16の光強度分布を撮像素子13で取得することが可能となる。
次に、光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30からの光の出射範囲とシフト光学系17の屈折率分布レンズ40への光の入射範囲との関係について図3,4を参照して説明する。なお、光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30の行列(個数および配置)とシフト光学系17の屈折率分布レンズ40の行列とは一致しているものとする。
図3に示すように、シフト光学系17の屈折率分布レンズ40への光の入射範囲は、光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30からの光の出射範囲以上の大きさとなるように設定されている。図3では、光学素子アレイ12の各屈折率分布レンズ30からの光の出射範囲を実線で示し、シフト光学系17の各屈折率分布レンズ40への光の入射範囲を破線で示している。ここでは、光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30の行列とシフト光学系17の屈折率分布レンズ40の行列とは一致しているので、図3に示すように、光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30からの光の出射範囲とシフト光学系17の屈折率分布レンズ40への光の入射範囲とは同心円状になる。
シフト光学系17の1個の屈折率分布レンズ40は、光学素子アレイ12の1個の屈折率分布レンズ30から出射された光を受光するのではなく、さらに広い範囲からの光を受光する。したがって、シフト光学系17の近接する屈折率分布レンズ40間で受光する光が一部重複することになる。なお、シフト光学系17の近接する屈折率分布レンズ40間で受光する光が一部重複していても、光学素子アレイ12の各屈折率分布レンズ30で生成された微小な画像15間で重複を生じていなければ、シフト光学系17の各屈折率分布レンズ40の物側主平面に結像された微小な画像16間で重複を生じることはない。
ここで、シフト光学系17の屈折率分布レンズ40への光の入射範囲は、図4(a)に示すように、屈折率分布レンズ40の入射端面41の左側にハッチングで示すような範囲からの光を意味し、その範囲の最大を示す境界は、ハッチングの境界の双曲線で表される。これは、屈折率分布レンズ40では、光が入射する位置によって、許容される入射光の範囲が異なっているからである。そして、図4(b)に示すように、例えば屈折率分布レンズ40に光が入射する場合、許容される入射角(最大許容角)の範囲を角度θ40で表すと(入射角はθ40/2)、角度θ40は屈折率分布レンズ40の半径rおよび屈折率nから定まることが知られており、次の式(7a)で表される(非特許文献1参照)。
θ40=2sin−1(√A・n・r) …式(7a)
よって、個々の屈折率分布レンズ40に対して、式(7a)で表される角度θ40の範囲内の光を入射させることができる。
また、図4(a)に示したような、屈折率分布レンズ40の入射端面41への光の入射範囲(ハッチングで示した範囲)と出射端面(図1参照)からの光の出射範囲とは一致する。これは屈折率分布レンズ30においても同様である。よって、光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30から光が出射する場合、出射角の最大の範囲を角度θ30で表すと(出射角はθ30/2)、屈折率分布レンズ30の角度θ30はレンズの半径rおよび屈折率nから定まり、前記した式(7a)と同様の次の式(7b)で表される。
θ30=2sin−1(√A・n・r) …式(7b)
よって、個々の屈折率分布レンズ30から、式(7b)で表される角度θ30の範囲の光が出射される。
したがって、シフト光学系17の屈折率分布レンズ40への光の入射範囲を光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30からの光の出射範囲以上の大きさとするためには、式(7a)で表される屈折率分布レンズ40に入射する光の範囲である角度θ40が、式(7b)で表される屈折率分布レンズ30から出射する光の範囲である角度θ30以上となるように、屈折率分布レンズ30に対する屈折率分布レンズ40の半径rや屈折率nを調整すればよい。
なお、屈折率分布レンズ30に対する屈折率分布レンズ40の半径rや屈折率nを調整するのに代えて、屈折率分布レンズ40に対する屈折率分布レンズ30の半径rや屈折率nを調整してもよい。また、屈折率分布レンズ30と屈折率分布レンズ40のパラメータをそれぞれ調整してもよい。
また例えば、屈折率分布レンズ30の半径rと屈折率分布レンズ40の半径rとを等しくし、屈折率nと屈折率nのみを異ならせてもよいし、または、その逆としてもよい。図1に示した例では、屈折率分布レンズ30の半径rと屈折率分布レンズ40の半径rとを等しくし、屈折率nと屈折率nのみを異ならせている。
このように、シフト光学系17の屈折率分布レンズ40への光の入射範囲を適切に設定することで、シフト光学系17の屈折率分布レンズ40により、光学素子アレイ12の1個の屈折率分布レンズ30で生成された微小な画像15に対して欠落箇所のない微小な画像16を面2に結像させることができる。
撮像素子13は、光学素子アレイ12によって生成された光学像を取得するものである。撮像素子13は、通常の写真フィルムやCCD撮像素子などの動画像を撮像可能な素子である。
次に、図5(a),(b)を参照して、立体画像取得装置1の詳細な構成を説明する。図5(a)に示すように、立体画像取得装置1は、光学素子アレイ12の各屈折率分布レンズ30が、基板70に所定の配列で設けられた多数のレンズ孔70aにそれぞれ固定されており、シフト光学系17の各屈折率分布レンズ40が、基板80に所定の配列で設けられた多数のレンズ孔80aにそれぞれ固定されている。このようなレンズ孔70a,80aを有した基板70,80は、例えば正方格子状で配列されている。このようなレンズ孔70a,80aを有した基板70,80は、例えば、公知のエレクトロフォーミング方法やレーザー加工などで形成することができる。基板70,80の表裏面には、図示しない黒色の被覆塗装がそれぞれ施されており、表裏面における光の反射が防止されるようになっている。
また、図1では図示していないが、立体画像取得装置1は、図5(a),(b)に示すように、撮像素子13の撮像面を保護するカバーガラス60をさらに備えていてもよい。このようなカバーガラス60を備えることで、撮像面を傷つける心配がない。
立体画像取得装置1は、図5(b)に示すように、前記した各部材が枠体90の所定の位置にそれぞれ嵌め込まれて一体となっている。
次に、立体画像取得装置1により立体画像を取得する方法の一例について図6を参照(適宜図1から図4を参照)して説明する。まず、光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30の像側焦平面で被写体の正立像を結像するように、屈折率分布レンズ30のレンズ長Zを、前記式(1)を満たす範囲で設定する(ステップS1:レンズ長Z設定ステップ)。
このような光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30に被写体からの光を透過させ、像側焦平面により被写体の正立像(微小な画像15)を結像させる。
次に、シフト光学系17の屈折率分布レンズ40のレンズ長Zを、物側主平面と像側主平面とが屈折率分布レンズ40の外側に位置し、かつ、共役の関係となるように、前記式(2)を満たす範囲で設定する(ステップS2:レンズ長Z設定ステップ)。
さらに、式(7a)により表されるシフト光学系17の屈折率分布レンズ40のへの光の入射範囲が、式(7b)により表される光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30からの光の出射範囲以上の大きさとなるように、屈折率分布レンズ40の半径rおよび屈折率nを設定する(ステップS3:入射範囲設定ステップ)。
このようなシフト光学系17の屈折率分布レンズ40に光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30から出射された微小な画像15の光を透過させ、像側主平面により微小な画像16を結像させる。
そして、シフト光学系17の屈折率分布レンズ40の物側主平面が光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30の像側焦平面と一致し、屈折率分布レンズ40の像側主平面が撮像素子13の撮像面と一致するように、シフト光学系17の光の進行方向における位置を設定する(ステップS4:シフト光学系位置設定ステップ)。
このように配置されたシフト光学系17における屈折率分布レンズ40の像側主平面に結像された微小な画像16の光強度分布を撮像素子13により撮像する。
以上の手順で立体画像取得装置1の各構成の配置や寸法を決定して構成すれば、撮像素子13の撮像面で撮像される微小な画像16において、重複、欠けやぼけを生じることがない。
本発明の第1実施形態に係る立体画像取得装置および立体画像取得方法によれば、シフト光学系17の屈折率分布レンズ40のレンズ長Zおよび位置を適切に設定することで、光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30の像側焦平面(面1)で生成された微小な画像15に対し正立で等倍の微小な画像16を撮像面(面2)に結像させることができる。そのため、光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30の像側焦平面(面1)と撮像面(面2)とを密着させずに、光学素子アレイ12を構成する屈折率分布レンズ30の像側焦平面で生成された微小な画像15に対し重複やぼけの生じない微小な画像16の光強度分布を撮像素子13で取得することができる。
また、シフト光学系17の屈折率分布レンズ40への光の入射範囲を適切に設定することで、光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30で生成された微小な画像15に対し欠落箇所のない微小な画像16を生成することができる。さらに、光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30のレンズ長Zを適切に設定することで、微小な画像15として被写体の正立像を生成することができる。
このように、立体画像取得装置および立体画像取得方法によれば、IPの撮像時に光学素子アレイ12を構成する屈折率分布レンズ30で生成された光学像に対し重複、欠けやぼけを生じない立体画像の情報を適切に取得することができる。
なお、立体画像取得装置により取得した情報を用いて、立体画像表示装置において立体画像を表示する場合、立体画像表示装置の光学素子アレイとして、凸レンズアレイまたは遠方の被写体に対して倒立像を生成するレンズ長の屈折率分布レンズを用いることで、被写体に対し奥行きの正しい立体画像を表示することが可能となる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る立体画像取得装置の構成について説明する。図7に示すように、本発明の第2実施形態に係る立体画像取得装置1Aは、凹レンズアレイ18と、撮像素子13と、シフト光学系17と、を備えて構成される。本発明の第2実施形態に係る立体画像取得装置1Aは、光学素子アレイを構成する光学素子を凹レンズとしている点が、第1実施形態と相違する。その他の構成は第1実施形態と同様なので説明を省略する。
図7に示すように、凹レンズアレイ(光学素子アレイ)18は、所定の半径を有した複数の凹レンズ(光学素子)18aをレンズ径方向に2次元状に並べて構成されている。凹レンズ18aの個数は図示した個数に限定されるものではなく、例えば、数百、数千、数万から数百万個形成されるようになっている。凹レンズアレイ18は、遠方の被写体からの光線の内、凹レンズ18aに入射する光線に対して、配列された凹レンズ18aと同数の微小な画像15を生成する。この微小な画像15は、凹レンズの性質上、被写体の正立像である。
凹レンズアレイ18の凹レンズ18aの像側焦平面(凹レンズ18aの焦点を通り光軸に垂直な面)とシフト光学系17の屈折率分布レンズ40の物側主平面とは面1で一致している。この面1は、図7に示すように、被写体(円柱11aと角柱11b)と凹レンズ18aとの間に位置している。一般に、凹レンズの像側焦平面は、光の進行方向に対し凹レンズ自身の位置よりも手前側(被写体側)に位置するためである。実際に、凹レンズ18aと面1とは、凹レンズ18aの焦点距離だけ離れている。
シフト光学系17の屈折率分布レンズ40への光の入射範囲は、凹レンズアレイ18の凹レンズ18aからの光の出射範囲以上の大きさとなっている。これによって、凹レンズアレイ18の凹レンズ18aから出射された微小な画像15の光をもれなくシフト光学系17の屈折率分布レンズ40に入射させることができる。シフト光学系17の屈折率分布レンズ40への光の入射範囲は、前記式(7a)により表される。一方、凹レンズ18aからの光の出射範囲ηは、凹レンズ18aの直径(開口)をD、凹レンズの焦点距離をfとしたときに、次の式(8)で表される。
η=2tan−1(D/2|f|) …式(8)
したがって、前記式(7a)により表されるシフト光学系17の屈折率分布レンズ40への光の入射範囲θ40が、式(8)により表される凹レンズアレイ18の凹レンズ18aからの光の出射範囲η以上の大きさとなるように設定する。
この設定は、凹レンズ18aにおける直径Dや焦点距離fを調整することで行ってもよいし、屈折率分布レンズ40における半径r(図1参照)や屈折率nを調整することで行ってもよいし、凹レンズ18aと屈折率分布レンズ40のパラメータをそれぞれ調整することで行ってもよい。
このような立体画像取得装置1Aにより立体画像を取得する際は、例えば図6に示した第1実施形態の立体画像取得装置1による立体画像取得方法におけるステップS2〜S4を実行すればよい。
第2実施形態に係る立体画像取得装置および立体画像取得方法によれば、凹レンズアレイ18の凹レンズ18aの像側焦平面(面1)において、被写体の正立像である微小な画像15を生成することができる。また、立体画像取得装置によれば、シフト光学系17の屈折率分布レンズ40のレンズ長Zおよび位置を適切に設定することで、この微小な画像15に対し正立で等倍の微小な画像16を撮像面(面2)に結像させることができる。これにより、像側焦平面(面1)と撮像面(面2)とを密着させずに、光学素子アレイ12を構成する屈折率分布レンズ30の像側焦平面で生成された微小な画像15に対し重複やぼけの生じない微小な画像16を撮像面で撮像することができる。
また、立体画像取得装置によれば、光学素子アレイを凹レンズアレイで構成したことにより、装置の構成を簡素化することができる。さらに、凹レンズはその性質上、厚さを調整しなくても被写体の正立像を生成することができるので、装置を小型化することができる。
なお、立体画像取得装置1Aにより取得した情報を用いて、立体画像表示装置において立体画像を表示する場合、立体画像表示装置の光学素子アレイとして、凸レンズアレイまたは遠方の被写体に対して倒立像を生成するレンズ長の屈折率分布レンズを用いることで、奥行きの正しい立体画像を表示することが可能となる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態に係る立体画像取得装置の構成について説明する。図8に示すように、本発明の第3実施形態に係る立体画像取得装置1Bは、光学素子アレイ12と、撮像素子13と、シフト光学系19と、を備えて構成される。本発明の第3実施形態に係る立体画像取得装置1Bは、シフト光学系の構成が第1実施形態と相違する。その他の構成は第1実施形態と同様なので説明を省略する。
光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30の長さZは、次の式(3)を満たすように設定されている。
/2+N≦Z≦P+N …式(3)
ただし、Nは、0,1,2…とする。
この式(3)は、第1実施形態で説明した式(1)と同様なので説明を省略する。
図8に示すように、シフト光学系19は、第一の凸レンズアレイ19aと、第二の凸レンズアレイ19bと、により構成されている。
被写体側に配置された第一の凸レンズアレイ19aは、複数の凸レンズ19aがレンズ径方向に2次元状に並んで構成されている。撮像素子13側に配置された第二の凸レンズアレイ19bは、複数の凸レンズ19bがレンズ径方向に2次元状に並んで構成されている。第一の凸レンズアレイ19aの凸レンズ19aの行列(個数および配置)と第二の凸レンズアレイ19bの凸レンズ19bの行列とは一致しているものとする。
図8に示す面H1は、第一の凸レンズアレイ19aの凸レンズ19aの物側焦平面から光学素子アレイ12側に所定距離だけ離れた面と光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30の像側焦平面とが一致する面である。面H2は、第一の凸レンズアレイ19aに対して、面H1と共役になる面である。面3は、第二の凸レンズアレイ19bの凸レンズ19bの像側焦平面から撮像素子13側に所定距離だけ離れた面と撮像素子13の撮像面とが一致する面である。ここでの所定距離とは、光学素子アレイ12に使用される光学素子(ここでは屈折率分布レンズ)によって決定される像側焦平面の位置までの第一の凸レンズアレイ19aの凸レンズ19aの物側焦平面からの距離を表すものである。
ここで、第一の凸レンズアレイ19aと面H1との距離と、第二の凸レンズアレイ19bと面3との距離とは等しくなっている。以下では、この距離をL1とする。距離L1は、第一の凸レンズアレイ19aの凸レンズ19aの主点から面H1までの距離である。
また、第一の凸レンズアレイ19aと面H2との距離と、第二の凸レンズアレイ19bと面H2との距離とは等しくなっている。以下では、この距離をL2とする。距離L2は、第一の凸レンズアレイ19aの凸レンズ19aの主点から面H2までの距離である。
なお、「第一の凸レンズアレイ19a」における距離L1,L2の起点は、「第一の凸レンズアレイ19aの凸レンズ19aの主点」である。また、「第二の凸レンズアレイ19b」における距離L1,L2の起点は、「第二の凸レンズアレイ19bの凸レンズ19bの主点」である。
これによれば、面H1において、光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30により生成された被写体の正立像(微小な画像15)が結像される。そして、第一の凸レンズアレイ19aを構成する凸レンズ19aに微小な画像15からの光が透過されることで、面H1と共役の関係にある面H2において被写体の倒立像の微小な画像(図8では省略)を結像させることができる。
さらに、面H2において結像した被写体の倒立像(図8では省略)からの光線が、面H2に対し距離L2だけ離れた位置に配置された第二の凸レンズアレイ19bを構成する凸レンズ19bを通過することで、被写体の正立像に変換される。
そして、第二の凸レンズアレイ19bの凸レンズ19bからL1離れた面3で結像した被写体の正立像は、面3に撮像面が配置された撮像素子13によって撮像される。この面3は、第二の凸レンズアレイ19bに対し、面H2と共役の関係にある面であるといえる。そのため、面H2において結像した被写体の倒立像を、面3において被写体の正立像(微小な画像16)として結像させることができる。
ここで、第一の凸レンズアレイ19aの凸レンズ19aへの光の入射範囲は、光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30からの光の出射範囲以上の大きさとなるように設定されている。光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30からの光の出射範囲θ30は、前記式(7b)で表される。一方、第一の凸レンズアレイ19aの凸レンズ19aへの光の入射範囲ψは、凸レンズ19aの直径(開口)をD、焦点距離をfとしたときに、次の式(9)により表される。
ψ=tan−1(D/2f) …式(9)
したがって、式(9)により表される第一の凸レンズアレイ19aの凸レンズ19aへの光の入射範囲ψが、前記式(7b)により表される光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30からの光の出射範囲θ30以上の大きさとなるように設定する。
この設定は、凸レンズ19aにおける直径Dや焦点距離fを調整することで行ってもよいし、屈折率分布レンズ30における半径r(図1参照)や屈折率nを調整することで行ってもよいし、凸レンズ19aおよび屈折率分布レンズ30のパラメータをそれぞれ調整することで行ってもよい。
このようにすることで、光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30の像側焦平面で結像した微小な画像15の光をもれなく、第一の凸レンズアレイ19aの凸レンズ19aへと入射させることができる。そのため、第一の凸レンズアレイ19aの凸レンズ19aの物側焦平面において、光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30の像側焦平面で結像した微小な画像15に対し欠落箇所のない微小な画像を結像させることができる。
また、第二の凸レンズアレイ19bの凸レンズ19bへの光の入射範囲が、第一の凸レンズアレイ19aの凸レンズ19aからの光の出射範囲以上の大きさとなるように設定されている。ここで、第一の凸レンズアレイ19aの凸レンズ19aからの光の出射範囲(ここでは便宜上、出射範囲ψ1outと呼称する)は、前記式(9)により表される第一の凸レンズアレイ19aの凸レンズ19aへの光の入射範囲(ここでは便宜上、入射範囲ψ1inと呼称する)と一致する。よって、第一の凸レンズアレイ19aの凸レンズ19aからの光の出射範囲ψ1outは、前記式(9)により表される。一方、第二の凸レンズアレイ19bの凸レンズ19bへの光の入射範囲ψは、凸レンズ19bの直径(開口)をD、焦点距離をfとしたときに、次の式(10)により表される。
ψ=tan−1(D/2f) …式(10)
したがって、前記式(9)により表される第一の凸レンズアレイ19aの凸レンズ19aからの光の出射範囲ψ1outと前記式(10)により表される第二の凸レンズアレイ19bの凸レンズ19bへの光の入射範囲ψとの関係が次の式(11)を満たすように設定する。
tan−1(D/2f)≦tan−1(D/2f) …式(11)
この設定は、第一の凸レンズアレイ19aの凸レンズ19aにおける直径Dや焦点距離fを調整することで行ってもよいし、第二の凸レンズアレイ19bの凸レンズ19bにおける直径Dや焦点距離fを調整することで行ってもよいし、凸レンズ19aと凸レンズ19bのパラメータをそれぞれ調整することで行ってもよい。
このようにすることで、第一の凸レンズアレイ19aからL1離れた面H2で結像した被写体の倒立像の光をもれなく、第二の凸レンズアレイ19bの凸レンズ19bへと入射させることができる。そのため、第二の凸レンズアレイ19bからL1離れた面3において、第一の凸レンズアレイ19aからL1離れた面H2で結像した被写体の倒立像に対し欠落箇所のない被写体の正立像を結像することができる。
次に、立体画像取得装置1Bにより立体画像を取得する方法について図9を参照(適宜図8を参照)して説明する。まず、屈折率分布レンズ30のレンズ長Zを、前記式(3)を満たす範囲で設定する(ステップS11:レンズ長Z設定ステップ)。
このような光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30に被写体からの光を透過させ、像側焦平面により被写体の正立像(微小な画像15)を結像させる。
次に、第一の凸レンズアレイ19aの凸レンズ19aへの光の入射範囲が、光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30からの光の出射範囲以上の大きさとなるように、前記式(9)を用いて、第一の凸レンズアレイ19aの凸レンズ19aの直径D、焦点距離fを設定する(ステップS12:第一の入射範囲設定ステップ)。
さらに、第二の凸レンズアレイ19bの凸レンズ19bへの光の入射範囲と、第一の凸レンズアレイ19aの凸レンズ19aからの光の出射範囲の大きさとの関係が前記式(11)を満たすように、第二の凸レンズアレイ19bの凸レンズ19bの直径D、焦点距離fを設定する(ステップS13:第二の入射範囲設定ステップ)。
続いて、第一の凸レンズアレイ19aの凸レンズ19aと、第一の凸レンズアレイ19aの凸レンズ19aの物側焦平面から光学素子アレイ12側に所定距離だけ離れた面と光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30の像側焦平面とが一致する面である面H1との距離がL1となるように、第一の凸レンズアレイ19aと面H1との距離を設定する。さらに、第一の凸レンズアレイ19aの凸レンズ19aと、第一の凸レンズアレイ19aに対し、面H1と共役となる関係にある面H2との距離がL2となるように、第一の凸レンズアレイ19aと面H2との距離を設定する(ステップS14:第一の凸レンズアレイ距離設定ステップ)。
このような第一の凸レンズアレイ19aの凸レンズ19aに光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30から出射された光を透過させ、面H2において倒立像を結像させる。
そして、第二の凸レンズアレイ19bの凸レンズ19bの像側焦平面から撮像素子13側に所定距離だけ離れた面と撮像素子13の撮像面とが一致する面である面3と、第二の凸レンズアレイ19bの凸レンズ19bとの距離がL1となるように、第二の凸レンズアレイ19bと面3との距離を設定する。さらに、第二の凸レンズアレイ19bの凸レンズ19bと面H2との距離がL2となるように、第二の凸レンズアレイ19bと面H2との距離を設定する(ステップS15:第二の凸レンズアレイ距離設定ステップ)。
このような第二の凸レンズアレイ19bの凸レンズ19bに面H2で結像された倒立像からの光を透過させ、面3において被写体の正立像(微小な画像16)を結像させる。
以上の手順で立体画像取得装置1Bの配置や寸法を決定して構成すれば、撮像素子13の撮像面で撮像される微小な画像16において、重複、欠けやぼけを生じることがない。
本発明の第3実施形態に係る立体画像取得装置および立体画像取得方法によれば、光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30の像側焦平面と撮像素子13の撮像面とを密着させずに、光学素子アレイ12を構成する屈折率分布レンズ30の像側焦平面で結像した微小な画像15と同等の微小な画像16を撮像素子13の撮像面で撮像することができる。
また、シフト光学系19を一組の凸レンズアレイ19a,19bで構成したことにより、立体画像取得装置の構成を簡素化することができる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態に係る立体画像取得装置の構成について説明する。図10に示すように、本発明の第4実施形態に係る立体画像取得装置1Cは、凹レンズアレイ18と、撮像素子13と、シフト光学系19と、を備えて構成される。本発明の第4実施形態に係る立体画像取得装置1Cは、光学素子アレイとして、第2実施形態に係る立体画像取得装置1Aの凹レンズアレイ18を用いた点が、第3実施形態と相違する。凹レンズアレイ18の構成および作用については、第2実施形態において説明した通りであるので、ここでは説明を省略する。また、シフト光学系19については第3実施形態において説明した通りであるので、ここでは説明を省略する。
このような立体画像取得装置1Cにより立体画像を取得する際は、図9に示した第3実施形態の立体画像取得装置1Bによる立体画像取得方法におけるステップS12〜S15を実行すればよい。この場合、ステップS12における光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30は、凹レンズアレイ18の凹レンズ18aに置き換えるものとする。
立体画像取得装置1Cによれば、凹レンズアレイ18の凹レンズ18aによって、被写体の微小な画像15を像側焦平面(面H1)に生成し、シフト光学系19によって、この微小な画像15に対し正立で等倍の微小な画像16を撮像面(面3)に結像することで、撮像素子13によって、微小な画像16を撮像することができる。
以上、本発明の第1〜第4実施形態について説明したが、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
ここで、本発明の第1実施形態の変形例に係る立体画像取得装置について説明する。
(変形例)
本発明の第1実施形態の変形例に係る立体画像取得装置について説明する。図11に示すように、本発明の第1実施形態の変形例に係る立体画像取得装置1Dは、光学素子アレイ12と、シフト光学系17と、撮像素子13と、対物光学系50と、を備えて構成されている。立体画像取得装置1Dは、対物光学系50を備えている点で、第1実施形態と相違する。
対物光学系50は、被写体の奥行き方向の位置を制御するものであり、例えば凸レンズで構成されている。対物光学系50は、図11に示すように、円柱10aや角柱10b等の被写体と光学素子アレイ12との間に配置されている。対物光学系50は、有効口径Ωが、対物光学系50を介して光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30で受光可能な最大の範囲からの被写体の光を光学素子アレイ12に並べられたすべての屈折率分布レンズ30にて受光できる大きさに設定されている。これにより、被写体と光学素子アレイ12との間に生成される被写体の実像に欠けが生じることはない。具体的には、光学素子アレイ12付近に位置する対物光学系50の像側焦平面付近に図11に示すような円柱11aや角柱11bが被写体の実像として結像される。
有効口径Ωとは、光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30で生成される光学像の範囲が、良好な立体画像の生成に必要な範囲と等価となるような口径を示す。この有効口径Ωは、光学素子アレイ12から対物光学系50までの距離(光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30の入射端面から対物光学系50の主点までの距離)をZとしたときに、距離Zと、光学素子アレイ12の大きさDと、屈折率分布レンズ30への光の入射角度θ30(式(7b)参照)を用いて表すと次の式(12)を満たす。
Ω=D+2Z・tan(θ30/2) …式(12)
ここで、光学素子アレイ12の大きさとは、屈折率分布レンズ30の配列の全体が矩形や多角形であれば対角線の長さ、円形であれば直径を表す。距離Zは、光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30の出射端面から対物光学系50の主点までの距離である。
このようにして対物光学系50により生成された被写体の実像(円柱11a、角柱11b)は、被写体(円柱10a、角柱10b)に対し倒立しているが、奥行きは変化していない。例えば図11において、光学素子アレイ12から見て角柱10bが円柱10aより手前に存在していれば、対物光学系50により生成される被写体の実像も角柱11bが円柱11aより手前に存在する。そして、立体画像表示装置において、立体画像取得装置1Dの対物光学系50により生成された被写体の実像に対して奥行きの正しい立体画像を表示するためには、立体画像表示装置の光学素子アレイとして凸レンズを用いる場合、立体画像取得装置1Dの光学素子アレイ12において、対物光学系50により生成される被写体の実像の正立像を生成する必要がある。前記したように、立体画像取得装置1Dの対物光学系50により生成される被写体の実像は、被写体と比較して奥行きは変化しないため、立体画像表示装置において、対物光学系50により生成される被写体の実像に対して奥行きの正しい立体画像を表示することは、結果として、被写体に対して奥行きの正しい立体画像を表示することになる。
立体画像取得装置1Dの対物光学系50により生成される被写体の実像は、被写体に対して全体が倒立している。立体画像取得装置1Dにおいて、この被写体の実像を立体画像の情報として取得し、この情報を用いて立体画像表示装置において立体画像を表示する場合、被写体と比較して奥行きの正しい立体画像が表示されるが、この立体画像は全体が被写体と比較して180度反転した像となる。これを回避するためには、立体画像取得装置1Dで取得した立体画像の情報全体を立体画像表示装置において180度反転させればよい。
光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30の長さZは、対物光学系50により生成される被写体の実像の正立像を立体画像の情報として取得するため、前記式(1)を満たすように設定する。またシフト光学系17の屈折率分布レンズ40の長さZは、同様に前記式(2)を満たすように設定する。
なお、図11では、変形例に係る立体画像取得装置により生成される微小な画像15,16内の円柱および角柱の向きを、図1,7,8,10に示した第1〜第4実施形態に係る立体画像取得装置により生成される微小な画像15,16内の円柱および角柱の向きと揃えたため、被写体を倒立した円柱10aおよび角柱10bとして表示している。ただし、被写体を正立した円柱および角柱としてもよい。その場合、対物光学系50により結像される被写体の実像が倒立した円柱および角柱となり、その結果、光学素子アレイ12で生成される微小な画像15および撮像素子13で撮像される微小な画像16が倒立した円柱および角柱の光学像となる。
立体画像取得装置1Dにより立体画像を取得する際には、図6に示した第1実施形態の立体画像取得装置1による立体画像取得方法の手順に加え、対物光学系50の有効口径Ωを設定する手順を追加すればよい。
立体画像取得装置1Dによれば、対物光学系50によって、被写体(円柱10a、角柱10b)の実像である円柱11aや角柱11bを光学素子アレイ12付近に生成することができる。そして、立体画像取得装置1Dによれば、光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30により被写体の実像の微小な画像15を面1に生成し、この微小な画像15をシフト光学系17により面2にシフトさせることで、微小な画像15に対し正立で等倍の微小な画像16を撮像素子13で撮像することができる。これにより、立体画像取得装置1Dによれば、被写体に対し奥行きの正しい立体情報を取得することができる。
なお、立体画像取得装置1Dは、立体画像取得装置1と対物光学系50とにより構成したが、立体画像取得装置1A〜1Cのいずれかと対物光学系50とにより構成しても同様の作用が得られる。
また、第2,4実施形態では、光学素子アレイとして、凹レンズアレイ18を用いたが、これに代えて、凸レンズアレイを用いてもよい。光学素子アレイとして凸レンズアレイを用いた場合、立体画像表示装置の光学素子アレイとして、凸レンズアレイを用い、または、遠方の被写体に対して倒立像を生成するレンズ長の屈折率分布レンズアレイを用いる場合には個々の倒立像を点対称に反転することで、被写体に対し奥行きの正しい立体像を再生することができる。
第3,4実施形態において、図8に示した面H2の位置に拡散板をさらに備えていてもよい。これによれば、拡散板により第1の凸レンズアレイ19aの凸レンズ19aから出射された光を拡散整形することで、光のムラを抑えてから第2の凸レンズアレイ19bの凸レンズ19bに入射させることができる。拡散板は公知のものを適宜用いることができる。
さらに、第3,4実施形態において、第一の凸レンズアレイ19の凸レンズ19aの光の入射範囲または出射範囲の設定は、前記式(9)により表したように、直径(開口)と焦点距離とを調整することにより行うこととしたが、これに代えて、屈折率を調整することにより行ってもよい。第二の凸レンズアレイ19の凸レンズ19bの光の入射範囲についても同様である。
第1,3実施形態では、光学素子アレイ12の屈折率分布レンズ30のレンズ長Zを、前記した式(1)を満たすように設定し、屈折率分布レンズ30によって、被写体の微小な画像15として正立像を生成することとしたが、これに限られず、倒立像を生成することとしてもよい。この場合、屈折率分布レンズ30のレンズ長Zが、0<Z<P/2の範囲となるように設定すればよい。これによれば、立体画像取得装置1により、被写体の倒立像が立体画像の情報として得られる。この情報を用いて、立体画像表示装置において立体画像を表示するときに、立体画像表示装置の光学素子アレイとして、凸レンズアレイを用いるか、または、遠方の被写体に対して倒立像を生成するレンズ長の屈折率分布レンズを用いるとともに個々の倒立像を点対称に反転させることで、被写体に対し奥行きの正しい立体画像を表示することが可能となる。
また、第2〜第4実施形態の立体画像取得装置において、図5に示したカバーガラス60をさらに備えていてもよい。
1,1A,1B,1C,1D 立体画像取得装置
12 光学素子アレイ
13 撮像素子
17 シフト光学系
18 凹レンズアレイ
18a 凹レンズ
19 シフト光学系
19a 第一の凸レンズアレイ
19a 凸レンズ
19b 第二の凸レンズアレイ
19b 凸レンズ
30 屈折率分布レンズ
31 入射端面
32 出射端面
40 屈折率分布レンズ
41 入射端面
42 出射端面
50 対物光学系
60 カバーガラス
70 基板
70a レンズ孔
80 基板
80a レンズ孔
90 枠体

Claims (9)

  1. 光学素子が当該光学素子の光軸に対して直交する同一平面上に複数並んだ光学素子アレイと、
    前記光学素子アレイによって生成された被写体の立体像を取得するための撮像素子と、
    前記光学素子アレイと前記撮像素子との間に配置され、前記光学素子アレイによって生成された立体像を前記撮像素子側にシフトさせるシフト光学系と、を備え、
    前記シフト光学系は、複数の屈折率分布レンズがレンズ径方向に2次元状に並んでおり、
    前記シフト光学系を構成する前記屈折率分布レンズへの光の入射範囲は、前記光学素子アレイを構成する前記光学素子からの光の出射範囲以上の大きさとなるように設定され、
    前記シフト光学系を構成する前記屈折率分布レンズの位置は、前記光学素子アレイを構成する前記光学素子の像側焦平面と、前記シフト光学系を構成する前記屈折率分布レンズの物側主平面とが一致し、かつ、前記シフト光学系を構成する前記屈折率分布レンズの像側主平面と前記撮像素子の撮像面とが一致するように設定され、
    前記シフト光学系を構成する前記屈折率分布レンズの光の蛇行周期をPとした場合に、当該屈折率分布レンズの長さZは、次の式(2)を満たすことを特徴とする立体画像取得装置。
    /2+N≦Z≦P+N …式(2)
    ただし、Nは、0,1,2…とする。
  2. 前記光学素子は、屈折率分布レンズであり、
    前記光学素子アレイを構成する前記屈折率分布レンズの光の蛇行周期をPとした場合に、当該屈折率分布レンズの長さZは、次の式(1)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の立体画像取得装置。
    /2+N≦Z≦P+N …式(1)
    ただし、Nは、0,1,2…とする。
  3. 前記光学素子は、凹レンズであることを特徴とする請求項1に記載の立体画像取得装置。
  4. 光学素子が当該光学素子の光軸に対して直交する同一平面上に複数並んだ光学素子アレイと、
    前記光学素子アレイによって生成された被写体の立体像を取得するための撮像素子と、
    前記光学素子アレイと前記撮像素子との間に配置され、前記光学素子アレイによって生成された立体像を前記撮像素子側にシフトさせるシフト光学系と、を備え、
    前記シフト光学系は、前記被写体側に配置され、複数の凸レンズがレンズ径方向に2次元状に並んだ第一の凸レンズアレイと、前記撮像素子側に配置され、複数の凸レンズがレンズ径方向に2次元状に並んだ第二の凸レンズアレイと、により構成され、
    前記第一の凸レンズアレイを構成する前記凸レンズへの光の入射範囲は、前記光学素子アレイを構成する前記光学素子からの光の出射範囲以上の大きさとなるように設定され、
    前記第二の凸レンズアレイを構成する前記凸レンズへの光の入射範囲は、前記第一の凸レンズアレイを構成する前記凸レンズからの光の出射範囲以上の大きさとなるように設定され、
    前記第一の凸レンズアレイを構成する前記凸レンズの物側焦平面から前記光学素子アレイ側に所定距離だけ離れた面と前記光学素子アレイを構成する前記光学素子の像側焦平面とが一致する面を面H1としたときに、前記面H1と前記第一の凸レンズアレイとの距離をL1とし、
    前記第一の凸レンズアレイに対して前記面H1と共役になる面を面H2としたときに、前記面H2と前記第一の凸レンズアレイとの距離をL2とし、
    前記面H2と前記第二の凸レンズアレイとの距離を前記L2とし、
    前記第二の凸レンズアレイと前記撮像素子の撮像面との距離を前記L1としたことを特徴とする立体画像取得装置。
  5. 前記光学素子は、屈折率分布レンズであり、
    前記光学素子アレイを構成する前記屈折率分布レンズの光の蛇行周期をPとした場合に、当該屈折率分布レンズの長さZは、次の式(3)を満たすことを特徴とする請求項4に記載の立体画像取得装置。
    /2+N≦Z≦P+N …式(3)
    ただし、Nは、0,1,2…とする。
  6. 前記光学素子は、凹レンズであることを特徴とする請求項4に記載の立体画像取得装置。
  7. 前記被写体と前記光学素子アレイとの間に、前記被写体の実像を前記光学素子アレイ付近に結像させるための対物光学系を備え、
    前記対物光学系の有効口径は、当該対物光学系を介して前記光学素子アレイを構成する前記光学素子で受光可能な最大の範囲からの前記被写体の光を前記光学素子アレイに並べられたすべての光学素子にて受光できる大きさに設定されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の立体画像取得装置。
  8. 光学素子が当該光学素子の光軸に対して直交する同一平面上に複数並んだ光学素子アレイと、前記光学素子アレイによって生成された被写体の立体像を取得するための撮像素子と、前記光学素子アレイと前記撮像素子との間に配置され、複数の屈折率分布レンズがレンズ径方向に2次元状に並んだシフト光学系と、を備えた立体画像取得装置による立体画像取得方法であって、
    前記シフト光学系を構成する前記屈折率分布レンズの蛇行周期をPとしたときに、当該屈折率分布レンズの長さZを、次の式(4)を満たすように設定する屈折率分布レンズ長さ設定ステップと、
    前記シフト光学系を構成する前記屈折率分布レンズへの光の入射範囲が、前記光学素子アレイを構成する前記光学素子からの光の出射範囲以上の大きさとなるように、前記屈折率分布レンズの半径および屈折率を設定する入射範囲設定ステップと、
    前記シフト光学系を構成する前記屈折率分布レンズの物側主平面が前記光学素子アレイを構成する前記光学素子の像側焦平面と一致し、前記シフト光学系を構成する前記屈折率分布レンズの像側主平面が前記撮像素子の撮像面と一致するように、前記シフト光学系の位置を設定するシフト光学系位置設定ステップと、を含むことを特徴とする立体画像取得方法。
    /2+N≦Z≦P+N …式(4)
    ただし、Nは、0,1,2…とする。
  9. 光学素子が当該光学素子の光軸に対して直交する同一平面上に複数並んだ光学素子アレイと、前記光学素子アレイによって生成された被写体の立体像を取得するための撮像素子と、前記光学素子アレイと前記撮像素子との間の前記被写体側に配置され、複数の凸レンズがレンズ径方向に2次元状に並んだ第一の凸レンズアレイと前記撮像素子側に配置され、複数の凸レンズがレンズ径方向に2次元状に並んだ第二の凸レンズアレイとにより構成されたシフト光学系と、を備えた立体画像取得装置による立体画像取得方法であって、
    前記第一の凸レンズアレイを構成する前記凸レンズへの光の入射範囲を、前記光学素子アレイを構成する前記光学素子からの光の出射範囲以上の大きさとなるように設定する第一の入射範囲設定ステップと、
    前記第二の凸レンズアレイを構成する前記凸レンズへの光の入射範囲を、前記第一の凸レンズアレイを構成する前記凸レンズからの光の出射範囲以上の大きさとなるように設定する第二の入射範囲設定ステップと、
    前記第一の凸レンズアレイを構成する前記凸レンズの物側焦平面から前記光学素子アレイ側に所定距離だけ離れた面と前記光学素子アレイを構成する前記光学素子の像側焦平面とが一致する面を面H1としたときに、前記面H1と前記第一の凸レンズアレイとの距離をL1に設定し、前記第一の凸レンズアレイに対して前記面H1と共役になる面を面H2としたときに、前記面H2と前記第一の凸レンズアレイとの距離をL2に設定する第一の凸レンズアレイ距離設定ステップと、
    前記面H2と前記第二の凸レンズアレイとの距離を前記L2に設定し、前記第二の凸レンズアレイと前記撮像素子の撮像面との距離を前記L1に設定する第二の凸レンズアレイ距離設定ステップと、を含むことを特徴とする立体画像取得方法。
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