JP2014194065A - 電解セルユニット、電解セルスタック装置および電解装置 - Google Patents

電解セルユニット、電解セルスタック装置および電解装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構造で、小型化が可能な電解セルユニット、電解セルスタック装置及び電解装置を提供する。
【解決手段】電解セルユニットは、柱状であって、長手方向に沿って一端から他端に貫通する複数の流通孔7を有する支持体2と、支持体2の表面に設けられて、カソード3と固体電解質層4とアノード5とが順次積層されてなり、水蒸気を含むガスより水素を含むガスを生成する電解素子部Aと、該電解素子部Aと電気的に接続するインターコネクタ6とが設けられてなる電解セル1と、該電解セルの他端部に配置され、流通孔を流通した流体を、他の流通孔に流通させるための空間を有する蓋部材と、を備え、空間における電解セルの幅方向の一端側と他端側における圧力損失が、水蒸気が供給される流通孔の入口と出口とにおける圧力損失の5倍以上であることから、簡単な構造の電解セルユニットとすることができ、かつ、効率よく電解反応を行なうことができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、電解セルユニット、電解セルスタック装置および電解装置に関する。
現在、水素(H)を製造する技術として高温水蒸気電解法が提唱されている。この高温水蒸気電解法とは、高温の水蒸気(水)を電気分解することにより、水素と酸素(O)を生成する技術であり、電解セルに水蒸気と電圧とを付与することで、水素を生成することができる。
このような電解セルとしては、例えば特許文献1には、一方の入口より水蒸気を供給し、電解セル内にて生じた水素を他方の出口より排出する内部折り返し型の電解セルが提案されている。
国際公開第2008/123570号
ところで、上述の電解セルは、より簡単な構造であることが要求されており、また該電解セルを複数配列してなる電解セルスタック装置においては小型化が求められている。
さらに内部折り返し型の電解セルにおいては、効率の良い電解反応を行なうに当たっては、電解セル内における複数の流路に流れる流体の量がほぼ均等となることが好ましい。
それゆえ、本発明は、より簡単な構造で、効率の良い電解反応が可能な電解セルを備える電解セルユニット、電解セルスタック装置および電解装置を提供することを目的とする。
本発明の電解セルユニットは、柱状であって、長手方向に沿って一端から他端に貫通する複数の流通孔を有する支持体と、該支持体の表面に設けられて、カソードと固体電解質層とアノードとが順次積層されて構成されてなり、水蒸気を含むガスより水素を含むガスを生成する電解素子部と、該電解素子部と電気的に接続するインターコネクタとが設けられてなる電解セルと、該電解セルの他端部に配置され、前記流通孔を流通した流体を、他の流通孔に流通させるための空間を有する蓋部材と、を備え、前記空間における前記電解セルの幅方向の一端側と他端側における圧力損失が、水蒸気が供給される前記流通孔の入口と出口とにおける圧力損失の5倍以上であることを特徴とする。
また、本発明の電解セルユニットは、柱状であって、長手方向に沿って一端から他端に貫通する複数の流通孔を有し、カソードを兼ねる支持体と、該支持体の表面に設けられて、前記支持体と固体電解質層とアノードとが順次積層されて構成されてなり、水蒸気を含むガスより水素を含むガスを生成する電解素子部と、該電解素子部と電気的に接続するインターコネクタとが設けられてなる電解セルと、該電解セルの他端部に配置され、前記流通孔を流通した流体を、他の流通孔に流通させるための空間を有する蓋部材と、を備え、前記空間における前記電解セルの幅方向の一端側と他端側における圧力損失が、水蒸気が供給される前記流通孔の入口と出口とにおける圧力損失の5倍以上であることを特徴とす
る。
また、本発明の電解セルスタック装置は、上記のうちいずれかに記載の電解セルユニットの複数個を電気的に接続して配列してなる電解セルスタックと、前記電解セルの一端部を固定するマニホールドとを備え、前記マニホールドは内部が、前記電解セルに流体を供給するための流体供給部と、前記電解セルを流れた流体を回収するための流体回収部とに区分されていることを特徴とする。
さらに、本発明の電解装置は、上記のセルスタック装置を、収納容器内に収納してなることを特徴とする。
本発明の電解セルユニットは、非常に簡単な構造とすることができ、該電解セルの他端に蓋部材を設けることで構成されることから、簡単な構造の電解セルユニットとすることができるとともに、電解反応の効率を向上することができる。
また、本発明の電解セルスタック装置は、小型化が可能で、電解反応の効率を向上することができる電解セルスタック装置とすることができる。
また、本発明の電解装置は、収納容器内に上述の電解セルスタック装置を収納してなることから、小型化が可能で、電解反応の効率を向上することができるな電解装置とすることができる。
本実施形態の電解セルスタック装置の一例を示す斜視図である。 図1に示す電解セルスタック装置を一部省略して示す(a)は側面図、(b)は(a)に示す電解セルスタック装置の一部を抜粋して示す平面図である。 本実施形態の電解セルユニットを構成する電解セルの一例を示したものであり、(a)はその横断面図、(b)は一部を省略して示す斜視図である。 本実施形態の電解セルユニットを構成する電解セルの他の一例を示したものであり、(a)はその横断面図、(b)は一部を省略して示す斜視図である。 本実施形態の電解セルユニットを構成する電池セルのさらに他の一例を示したものであり、(a)は斜視図、(b)は他端側の一部を抜粋して示す断面図である。 本実施形態の電解セルスタック装置における圧力損失の測定方法を説明するための説明図である。 本実施形態の電解セルスタック装置の他の一例を示し、電解セルの長手方向に沿った断面図である。 本実施形態の電解セルスタック装置のさらに他の一例を示し、電解セルの長手方向に沿った断面図である。 本実施形態の電解セルスタック装置のさらに他の一例を示す断面図である。
図1は、本実施形態の電解セルスタック装置の一例を示す斜視図であり、図2は図1に示す電解セルスタック装置のうち、蓋部材を省略して示す(a)は側面図、(b)は(a)に示す電解セルスタック装置の一部を抜粋して示す平面図である。なお、以下の説明において、同一のものについては、同一の符号を用いて説明するものとする。
図1および図2に示す電解セルスタック装置においては、後述する電解セルユニット22を立設させた状態で一列に配列して電気的に接続された電解セルスタック(以下、単にセルスタックという場合がある。)30を備え、該セルスタック30を構成する電解セル
1の下端をガラスシール材等の絶縁性接合材(図示せず)でマニホールド31に固定している。なお、セルスタック30の両端部には、セルスタック30(電解セル1)に電流を流すための導電部33を有する端部導電部材32が配置されており、また図1、図2に示す電解セルスタック装置29においては、各電解セル1の間を導電部材36で電気的に接続している例を示している。なお、詳細は後述するが、図1、図2に示す電解セルユニット22として、縦縞型の電解セル1を備えている。
また、マニホールド31の内部構造については後述するが、マニホールド31の内部に水蒸気を供給するための流体供給管34と、電解セル1にて生成された水素を含む流体を回収するための回収管35とが、マニホールド31の両端側にそれぞれ接続されている。なお、流体供給管34と回収管35とは、マニホールド31の内部が、電解セル1に水蒸気を供給するための流体供給部と、電解セル1にて生成された水素を含む流体を回収する流体回収部とに区分されているため、マニホールド31の一端側にそれぞれ接続することもできる。
続いて図2に示す縦縞型の電解セル1について、図3、4を用いて説明する。
図3は本実施形態の電解セルの一例を、図4は本実施形態の電解セルの他の一例を示すものであり、いわゆる縦縞型の電解セルを示している。なお図3、図4においては、それぞれ(a)はその横断面図、(b)は一部を省略して示す斜視図である。また、両図面において、電解セルの各構成を一部拡大等して示している。
図3に示す電解セル1は、中空平板型の電解セル1で、断面が扁平状で、全体的に見て楕円柱状をした多孔質の支持体2を備えている。なお、図4に示す電解セル10は、支持体11が後述するカソードを兼ねており、以下の説明においては図3を用いて主に説明するものとする。
支持体2の内部には、適当な間隔で複数の流通孔7が長手方向に沿って一端から他端に貫通するように形成されており、電解セル1は、この支持体2上に各種の部材が設けられた構造を有している。なお、流通孔7は、電解セル1の断面において円形状とすることがよい。
支持体2は、図3に示されている形状から理解されるように、互いに平行な一対の平坦面nと、一対の平坦面nの両端をつなぐ側面(弧状部)mとで構成されている。平坦面nの両面は互いにほぼ平行に形成されており、平坦面nの一方の表面(下面)と両側の側面mを覆うように多孔質なカソード3(内側電極層)が設けられており、さらに、このカソード3を覆うように、緻密質な固体電解質層4が積層されている。また、固体電解質層4の上には、カソード3と対面するように、多孔質なアノード5(外側電極層)が積層されており、カソード3、固体電解質層4およびアノード5が重なっている部分が、電解素子部Aとなる。また、カソード3および固体電解質層4が積層されていない他方の平坦面nには、インターコネクタ6が形成されている。
図3から明らかなように、固体電解質層4(およびカソード3)は、平坦面nの両端をつなぐ弧状の側面mを経由して他方の平坦面n側に延びており、インターコネクタ6の両端部がカソード3および固体電解質層4の両端部と重なって配置されている。なお、インターコネクタ6の両端部を、固体電解質層4の両端部上に積み重なるように配置することもできる。
また、インターコネクタ6と支持体2との間には、インターコネクタ6と支持体2とを強固に接合するための密着層8が設けられており、固体電解質層4とアノード5との間に
は、カソード3とアノード5との成分が反応して抵抗の高い反応生成物が生じることを抑制するための反応防止層9が設けられている。
ここで、電解セル1においては、支持体2内の流通孔7に水蒸気を流し、所定の作動温度まで加熱するとともに、所定の電圧を印加することにより、電解反応を生じることができる。なお、電圧は、支持体2上に積層されたインターコネクタ6を介して電解セル1に電流を流すことで印加される。以下に、電解セル1を構成する各構成について順に説明する。
支持体2は、水蒸気を固体電解質層4まで透過させるために水蒸気を透過する透過性を有すること、インターコネクタ6を介して電流を流すために導電性であることが要求されることから、例えば、鉄族金属成分と特定の希土類酸化物とにより形成されることが好ましい。
鉄族金属成分としては、鉄族金属単体、鉄族金属酸化物、鉄族金属の合金もしくは合金酸化物等が挙げられる。より詳細には、例えば、鉄族金属としてはFe、Ni(ニッケル)およびCoを用いることができ、特には安価であることおよび燃料ガス中で安定であることから、鉄族成分/鉄族金属酸化物としてNiおよび/またはNiOを含有していることが好ましい。なお、Niおよび/またはNiOに加えてFeやCoを含有してもよい。なお、NiOは、電解反応により生じたHにより還元されて、一部もしくは全部がNiとして存在する。
また、特定の希土類酸化物とは、支持体2の熱膨張係数を固体電解質層4の熱膨張係数に近づけるために使用されるものであり、Y、Lu(ルテチウム)、Yb、Tm(ツリウム)、Er(エルビウム)、Ho(ホルミウム)、Dy(ジスプロシウム)、Gd、Sm、Pr(プラセオジム)からなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む希土類酸化物が、上記鉄族成分との組み合わせで使用することができる。このような希土類酸化物の具体例としては、Y、Lu、Yb、Tm、Er、Ho、Dy、Gd、Sm、Prを例示することができ、鉄族金属の酸化物との固溶、反応が殆どなく、また、熱膨張係数が固体電解質層4とほとんど同程度であり、かつ安価であるという点から、Y、Ybが好ましい。
ここで、支持体2の良好な導電率を維持し、かつ熱膨張係数を固体電解質層4と近似させるという点で、鉄族金属成分と希土類酸化物成分とが、焼成−還元後における体積比率で35:65〜65:35の体積比で存在することが好ましい。なお、鉄族金属成分としてNiを、希土類酸化物成分としてYを用いる場合には、Ni/(Ni+Y)が79〜93モル%となるように含有することが好ましい。なお、支持体2中には、要求される特性が損なわれない限りの範囲で、他の金属成分や酸化物成分を含有していてもよい。
また、支持体2は、ガス透過性を有していることが必要であるため、通常、開気孔率が30%以上、特に35〜50%の範囲にあることが好ましい。また、支持体2の導電率は、50S/cm以上、より好ましくは300S/cm以上、特に好ましくは440S/cm以上とすることがよい。
なお、支持体2の平坦面nの長さ(支持体2の幅方向の長さ)は、通常、15〜35mm、側面mの長さ(弧の長さ)は、2〜8mmであり、支持体2の厚み(平坦面nの両面間の厚み)は1.5〜5mmであることが好ましい。
カソード3は、電極反応を生じさせるものであり、それ自体公知の多孔質の導電性セラミックスにより形成することが好ましい。例えば、希土類元素が固溶したZrOまたは
希土類元素が固溶したCeOと、Niおよび/またはNiOとから形成することができる。なお、希土類元素としては、支持体2において例示した希土類元素を用いることができ、例えばYが固溶したZrO(YSZ)とNiおよび/またはNiOとから形成することができる。
カソード3中の希土類元素が固溶したZrOまたは希土類元素が固溶しているCeOの含量と、NiあるいはNiOの含量とは、焼成−還元後における体積比率で、35:65〜65:35の体積比で存在することが好ましい。さらに、このカソード3の開気孔率は、15%以上、特に20〜40%の範囲にあるのが好ましく、その厚みは、1〜30μmであるのが好ましい。例えば、カソード3の厚みがあまり薄いと、性能が低下するおそれがあり、またあまり厚いと、固体電解質層4とカソード3との間で熱膨張差による剥離等を生じるおそれがある。
また、図3(a)および(b)の例では、カソード3は、一方の平坦面n(図1において下側に位置する平坦面n)から側面mを介して他方の平坦面n(図3において上側に位置する平坦面n)にまで延びているが、アノード5に対面する位置に形成されていればよいため、例えばアノード5が設けられている側の平坦面nにのみカソード3が形成されていてもよい。すなわち、カソード3は平坦面nにのみ設けられ、固体電解質層4がカソード3上、両側面m上およびカソード3が形成されていない他方の平坦面n上に形成された構造をしたものであってもよい。
固体電解質層4は、3〜15モル%のY(イットリウム)、Sc(スカンジウム)、Yb(イッテルビウム)等の希土類元素を含有した部分安定化あるいは安定化ZrOからなる緻密質なセラミックスを用いるのが好ましい。また、希土類元素としては、安価であるという点からYが好ましい。さらに、固体電解質層4は、水蒸気の透過を防止するという点から、相対密度(アルキメデス法による)が93%以上、特に95%以上の緻密質であることが望ましく、かつその厚みが5〜50μmであることが好ましい。
なお、固体電解質層4と後述するアノード5の間に、固体電解質層4とアノード5との接合を強固とするとともに、固体電解質層4の成分とアノード5との成分とが反応して電気抵抗の高い反応生成物が生じることを抑制する目的で反応防止層9を備えることもできる。
ここで、反応防止層9としては、Ce(セリウム)と他の希土類元素とを含有する組成にて形成することができ、例えば、(CeO1−x(REO1.5、REはSm、Y、Yb、Gdの少なくとも1種であり、xは0<x≦0.3を満足する数、で表される組成を有していることが好ましい。さらには、電気抵抗を低減するという点から、REとしてSmやGdを用いることが好ましく、例えば10〜20モル%のSmO1.5またはGdO1.5が固溶したCeOからなることが好ましい。
また、固体電解質層4とアノード5とを強固に接合するとともに、固体電解質層4の成分とアノード5の成分とが反応して電気抵抗の高い反応生成物が生じることをさらに抑制する目的で、反応防止層9を2層から形成することもできる。
アノード5としては、いわゆるABO型のペロブスカイト型酸化物からなる導電性セラミックスにより形成することが好ましい。かかるペロブスカイト型酸化物としては、遷移金属ペロブスカイト型酸化物、特にAサイトにSr(ストロンチウム)とLa(ランタン)が共存するLaMnO系酸化物、LaFeO系酸化物、LaCoO系酸化物の少なくとも1種が好ましく、600〜1000℃程度の作動温度での電気伝導性が高いという点からLaCoO系酸化物が特に好ましい。なお、上記ペロブスカイト型酸化物に
おいては、Bサイトに、Co(コバルト)とともにFe(鉄)やMn(マンガン)が存在しても良い。
また、アノード5は、酸素ガスの透過性を有する必要があり、従って、アノード5を形成する導電性セラミックス(ペロブスカイト型酸化物)は、開気孔率が20%以上、特に30〜50%の範囲にあることが好ましい。さらに、アノード5の厚みは、電解セル1の導電性の観点から30〜100μmであることが好ましい。
また、支持体2のアノード5側と反対側の平坦面n上には、インターコネクタ6が積層されている。
インターコネクタ6としては、導電性セラミックスにより形成されることが好ましいが、水素を含む流体および酸素を含む流体と接触するため、耐還元性、耐酸化性を有していることが必要である。このため、耐還元性、耐酸化性を有する導電性セラミックスとしては、一般に、ランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO系酸化物)を使用することが好ましい。さらには、特に支持体2と固体電解質層4との熱膨張係数を近づける目的から、BサイトにMgが存在するLaCrMgO系酸化物を用いることが好ましい。なおMgの量は、インターコネクタ6の熱膨張係数が、支持体2および固体電解質層4の熱膨張係数に近づくように、具体的には10〜12ppm/Kとなるように適宜調整することができる。
また、支持体2とインターコネクタ6との間には、インターコネクタ6と支持体2との間の熱膨張係数差を軽減する等のための密着層8を設けることもできる。
このような密着層8としては、カソード3と類似した組成とすることができる。例えば、希土類酸化物、希土類元素が固溶したZrO、希土類元素が固溶したCeOのうち少なくとも1種と、Niおよび/またはNiOとから形成することができる。より具体的には、例えばYとNiおよび/またはNiOからなる組成や、Yが固溶したZrO(YSZ)とNiおよび/またはNiOからなる組成、Y、Sm、Gd等が固溶したCeOとNiおよび/またはNiOからなる組成から形成することができる。なお、希土類元素が固溶したZrOまたは希土類元素が固溶しているCeOの含量と、NiあるいはNiOの含量とは、焼成−還元後における体積比率で、40:60〜60:40の体積比で存在することが好ましい。
また、図3には示していないが、インターコネクタ6の外面(上面)には、P型半導体層を設けることもできる(図2において符号37にて示している)。後述する導電部材を、P型半導体層を介してインターコネクタ6に接続させることにより、両者の接触がオーム接触となり、電位降下を少なくでき、導電性能の低下を有効に回避することが可能となる。
このようなP型半導体層としては、遷移金属ペロブスカイト型酸化物からなる層を例示することができる。具体的には、電子伝導性が大きいもの、例えば、BサイトにMn、Fe、Coなどが存在するLaMnO系酸化物、LaFeO系酸化物、LaCoO系酸化物などの少なくとも一種からなるP型半導体セラミックスを使用することができる。このようなP型半導体層の厚みは、一般に、30〜100μmの範囲にあることが好ましい。
なお、図4に示した電解セル10を構成するカソードを兼ねる支持体11は、上述したカソード3と同様の組成とすることができる。
図5は、本実施形態の電解セルユニットを構成する電解セルのさらに他の一例を示したものであり、いわゆる横縞型の電解セルを示している。なお図5において、(a)は斜視図、(b)は他端側の一部を抜粋して示す断面図である。
図5に示すように、電解セル12は、中空平板型の電気絶縁性で多孔質の支持体13の表裏面に、複数の電解素子部材を支持体13の長手方向に沿って複数個配置して電気的に接続される。
複数の電解素子部材は、支持体13の表裏面に、その長手方向に所定間隔をおいて、配列されている。それぞれの電解素子部材は、第1カソード18、第2カソード15、固体電解質層16およびアノード17を順次積層した層構造となっており、第2カソード15上にインターコネクタ20が配置されている。なお、図5(b)に示すように、第1カソード18、第2カソード15、固体電解質層16およびアノード17が重なっている部分が、電解素子部Bとなる。
支持体13の表裏面における互いに隣接する電解素子部材同士は、インターコネクタ20および素子間接続部材19により直列に接続されている。すなわち、一方の電解素子部材の第2カソード15の上にインターコネクタ20が形成され、このインターコネクタ20は、長手方向両端部を含めその周囲が固体電解質層16によりガスシール状態で被覆され、固体電解質層16から帯状に露出している。このインターコネクタ20の露出した部分が素子間接続部材19により被覆され、この素子間接続部材19が、他方の電解素子部材のアノード17上に形成され、これにより、電解素子部材同士が直列に電気的に接続された構造となっている。
支持体13は多孔質であり、さらにその内部には、複数の流通孔14が、隔壁21で隔てられて長手方向に延びるようにして一端から他端に貫通して設けられている。この流通孔14内に水蒸気を流し、電解素子部に電圧を印加することで、上述した縦縞型と同様に、電解反応を生じることができる。以下に、電解セル12を構成する各構成について順に説明する。
支持体13は、Mg酸化物(MgO)と、Ni若しくはNi酸化物(NiO)と、希土類元素酸化物とからなっている。なお、希土類元素酸化物を構成する希土類元素としては、Y、La、Yb、Tm、Er、Ho、Dy、Gd、Sm、Prなどを例示することができ、希土類元素酸化物としては、例えばYやYb等が挙げられ、特にYが好ましい。
MgOは70〜80体積%、希土類元素酸化物は10〜20体積%、NiあるいはNiOは、NiO換算で10〜25体積%、特に15〜20体積%の範囲で支持体13中に含有されているのがよい。
また、支持体13は、電解素子部材間の電気的ショートを防ぐために電気絶縁性であることが必要であり、通常、10Ω・cm以上の抵抗率を有することが望ましい。Ni等の含量が前記範囲を超えると、電気抵抗値が低下し易い。また、Ni等の含量が前記範囲よりも少ないと、希土類元素酸化物(例えばY)を単独で用いた場合と変わらなくなってしまい、電解素子部材との熱膨張係数の調整が困難となる傾向がある。
なお、支持体13は、流通孔14内の燃料ガスを第2カソード15の表面まで導入可能でなければならず、このため、多孔質であることが必要である。一般に、その開気孔率は25%以上、特に30〜40%の範囲にあるのがよい。
カソードは、電極反応を生じさせるものであり、本実施形態においては、支持体13側の第1カソード18と、固体電解質層16側の第2カソード15との二層構造に形成されている。
支持体13側の第1カソード18は、支持体13と同様、Ni若しくはNi酸化物と、希土類元素酸化物との混合体よりなる。
Ni或いはNi酸化物は、NiO換算で30〜60体積%の範囲で希土類元素酸化物中に含有されているのがよい。第1カソード18は、電流の流れを損なわないように、導電性であることが必要であり、通常、400S/cm以上の導電率を有していることが望ましい。良好な電気伝導度を有するという点から、Ni等の含量は30体積%以上が望ましい。この第1カソード18の厚みは、電気伝導度を向上するという点から、80〜200μmであることが望ましい。
固体電解質層16側の第2カソード15は、それ自体公知の多孔質の導電性セラミックスから形成される。例えば、希土類元素が固溶しているZrO(安定化ジルコニア)と、Niおよび/又はNiO(以下、Ni等と呼ぶ)とからなる。この希土類元素が固溶した安定化ジルコニアとしては、例えばYが固溶したZrO(YSZ)を用いることができる。
第2カソード15中の安定化ジルコニア含量は、35〜65体積%の範囲にあることが好ましく、またNi等の含量は、良好な導電性能を発揮させるため、NiO換算で65〜35体積%の範囲にあるのがよい。さらに第2カソード15の開気孔率は、15%以上、特に20〜40%の範囲にあるのがよい。
また、固体電解質層16との熱膨張差に起因して発生する熱応力を吸収し、第2カソード15の割れや剥離などを防止するという点から、第2カソード15の厚みは、5〜15μmの範囲にあることが望ましい。
固体電解質層16、アノード17およびインターコネクタ20は、上述の縦縞型の電解セル1と同様の組成とすることができる。
素子間接続部材19は多孔質とされている。素子間接続部材19としては、LaCoO系等の導電性セラミック(例えば酸素極材料)、Ag−Pd等の貴金属から構成された多孔質とすることができる。素子間接続部材19の材料のアノード17への塗布量が少ない場合には素子間接続部材19の材料がアノード17の気孔中に浸入し、層としては形成されない。一方、LaCoO系等の導電性セラミックは、塗布量が多く、この場合にはアノード17上に素子間接続部材19が形成される。なお、アノード17が素子間接続部材19を兼ねるものとしてもよい。この場合、一方の電解素子部材の第2カソード15上に設けられたインターコネクタ20に、隣接する他方の電解素子部材のアノード17が接続されることで、隣り合う電解素子部材を電気的に直列に接続することができる。
さらに、アノード17とインターコネクタ20とが電気的に接続されている場合であっても、アノード17上に素子間接続部材19を設けることもできる。この場合、一方の電解素子部材内を流れる電流を、効率よく他方の電解素子部材に供給することができる。
本実施形態の電解セルユニットは、上述した縦縞型の電解セル1、10や横縞型の電解セル12のいずれを用いて構成してもかまわない。
そして、上述した図3〜図5に示すような電解セル1を備える電解セルユニット22(
電解セルスタック装置29)において、水蒸気の電解反応を行なうにあたり必要な電圧は、一方の端部導電部材32の電流印加部と、他方の端部導電部材32の電流印加部とを電気的に接続し、直流電流を流すことにより付与することができる。
すなわち、一方の端部導電部材32の導電部33より供給された電流(図1において右側より供給される例にて説明する)は、電解セル1のインターコネクタ6や支持体2を介して、アノード5に流れる。アノード5に流れた電流は、導電部材36を介して、隣接する電解セル1のインターコネクタ6に流れる。これをくり返すことにより、セルスタック30を構成する全ての電解セル1に電流が流れることで、全ての電解セル1において、電解反応を生じることができる。
なお、導電部材36としては、例えば、隣接する一方の電解セル1と接触する集電片と、隣接する他方の電解セル1と接触する集電片とを有して構成されている。
このような導電部材36においては、一方の集電片と他方の集電片とを電解セル1側に交互に突出させて電解セル1に接触させることにより、複数の電解セル1を電気的に接続することができるほか、一方の集電片と他方の集電片との間の空間が、アノード5にて生成された酸素が流れる空間となる。
上述のように、本実施形態で示す簡単な構成の電解セルユニット22を、マニホールド31に配列して固定することで、簡単な構成の電解セルスタック装置29とすることができ、小型化が可能となる。
なお、それぞれの電解セル1が電気的に接続されていればよいため、例えば一方の電解セル1のインターコネクタ6と他方の電解セル1のアノード5とを直接接合し、導電部材36を有さない構成とすることもできる。
図6は、本実施形態の電解セルスタック装置29の断面図であり、図6においては電解セルスタック装置29における各圧力損失を測定するための圧力センサが設けられている。以下、図6を用いて電解セルユニット22について説明する。
図6に示す電解セルユニット22は、図1に示す電解セル1の他端部(上端部)に、流通孔7を流通した流体を、他の流通孔7に流通させるための空間24を有する蓋部材23が配置されている。すなわち、蓋部材23の内面は、電解セル1の他端と所定の距離を有する形状とされており、この内面と電解セル1の他端との間が空間24とされている。
蓋部材23としては、耐熱性を有する材料より作製することができ、例えばセラミックや金属等で作製することができる。ただし、蓋部材23を金属より構成する場合には、蓋部材23と電解セル1とは絶縁することが好ましい。それゆえ、例えば蓋部材23と電解セル1とを隙間を空けて配置し、例えばガラス等の絶縁性の接着剤にて固定するほか、蓋部材23の内面が電解セル1に接触することを防ぐ目的で、電解セル1の他端(上端)に絶縁性からなる環状もしくは筒状の部材を配置するほか、蓋部材23の内面に絶縁性のコーティングを施すなどして、蓋部材23と電解セル1とを絶縁することが好ましい。それにより、蓋部材23と電解セル1との絶縁性を確保しつつ、流通孔7を流れる水蒸気等の流体が漏出することを抑制できる。なお、蓋部材23と電解セル1との間に、絶縁性からなる環状もしくは筒状の部材を配置する場合には、この環状または筒状の内側が空間24となる。
一方、マニホールド31の内部に仕切部材38が配置されており、それにより、図6において向かって左側が流体供給部39とされ、右側が流体回収部40とされている。
そして、電解セル1に設けられた一部の流通孔7の下端と、流体供給部39とが連通しており、それにより、流体供給部39に供給された水蒸気が、流通孔7を上方に向けて流れる間に、その一部もしくは全部が電解反応を生じることで水素を含むガスとなる。
具体的には、電解セル1を600〜1000℃に加熱し、かつ電圧を1.0〜1.5V(電解セル1本あたり)で印加することで、電解セル1の下方より供給された水蒸気の一部もしくは全部が、カソード3とアノード5とにおいて下記の反応式で示す反応が生じ、水素と酸素に分解される。
カソード:HO+2e → H+O2−
アノード:O → 1/2O+2e
そして、電解反応により生じた水素や反応に使用されなかった水蒸気を含むガスは、続けて流通孔7の上方より、蓋部材23の空間24に流れる。そして、空間24に流れた流体は、続いて下方より水蒸気が供給されていない流通孔7に流れ、流通孔7を下方に向けて流れることとなる。
一方、下方より水蒸気が供給されていない流通孔7の下端は、流体回収部40と連通している。それにより、流通孔7を上方に向けて流れた流体は、蓋部材23の空間24を介して、下方より水蒸気が供給されていない流通孔7に流れ、該流通孔7を下方に向けて流れた後、流体回収部40に流れることとなる。それゆえ、流体回収部40に流れた流体を回収し、分離することで、効率よく水素を回収することができる。なお、この流通孔7を下方に向けて流れる間にも、流体に含まれる反応を生じなかった水蒸気の一部または全部が電解反応を生じ、水素を生成することができる。
なお、図6において斜線で示している部分は、電解セル1とマニホールド31とを固定する絶縁性接合剤を示している。
ところで、上述したような内部折り返し型の電解セル1において、流通孔7における圧力損失が、空間24における圧力損失に対してさほど大きくなければ、流体(水蒸気を含むガス、以下単にガスという場合がある。)の流れは空間24における圧力分布にある程度影響される。この場合、ガスが上方に流れる流通孔7と流体が下方に流れる流通孔7とで、それぞれの距離が近い流通孔7同士に流れやすくなり(図6における中央部側の流通孔7)、両端側における流通孔7におけるガスの流量が少なくなる。それゆえ、電解セルの幅方向にガス流れが偏流することになるので、電解反応による電流パスが不均一になり、電解反応の濃淡が生じることになる。これにより、電解セル7の電解性能が低下するおそれがある。
そこで、本実施形態の電解セルユニット22においては、空間24における電解セル2の幅方向(図6における左右方向)の一端側と他端側における圧力損失が、水蒸気が供給される流通孔7の入口と出口とにおける圧力損失の5倍以上であることを特徴としている。
ここで、空間24における電解セル2の幅方向(図6における左右方向)における一端側と他端側における圧力損失と、水蒸気が供給される流通孔7の入口と出口とにおける圧力損失の測定方法について説明する。
図6においては、水蒸気が供給される流通孔7として、最も端部(図6における左側)の流通孔7の入口(下端、流体供給部39内)と出口(上端)と、最も端部(図6における右側の流通孔7の入口(上端)との近傍に、それぞれ圧力センサ41を設けている。
まず、流通孔7の入口の圧力(P1)から出口の圧力(P2)を引いて流通孔7の圧力損失(P3)を求める。続いて空間24における電解セル2の幅方向(図6における左右方向)における一端側の圧力(図6においては、圧力センサ41を共用しているためP2に該当する。)から他端側の圧力(P4)を引いて空間42における圧力損失(P5)を求める。そして、P3とP5とを比較することで、圧力損失を比較することができる。
そして、このP5がP3の5倍以上であれば、流通孔7を流れる流体が空間24により拘束されることを抑制できるため、各流通孔7に略均一に流体を流すことができ、電解効率の良い電解セルユニット22とすることができる。
図7は、本実施形態の電解セルスタック装置の他の一例を示し、電解セルの長手方向に沿った断面図である。
電解セル1の下方より供給される水蒸気の供給圧が低い場合において、流通孔7より空間24に排出された流体が、電解セル1の下方より水蒸気が流通した流通孔7を逆流するおそれや、空間28にて乱流や滞留が生じるおそれがある。
それゆえ、図7に示す本実施形態の他の一例である電解セルユニット25においては、電解セル1の長手方向に沿った断面視において、蓋体部26の内面のうち、少なくとも電解セル1の延長線上に位置する部位が弧状部27とされていることが好ましい。
なお、図7においては、電解セル1の長手方向に沿った断面視において、弧状部27は、電解セル1の他端(上端)において、電解セル1の幅方向(図1におけるm−m方向)の一端および他端と接するように配置されており、蓋体部26の空間28が、断面視において半円状となっている。
それにより、流通孔7より空間28に流れた流体は、蓋体部26の弧状部27に沿って流れ、電解セル1の下方より水蒸気が流通した流通孔7に逆流することを抑制できるほか、下方より水蒸気が供給されていない流通孔7に流れやすくなり、乱流や滞留の発生を抑制できることから、水素の回収率を向上することができる。
なお、図7においては、蓋体部26の内面全体が円弧状となっている例を示したが、必ずしも内面全体が円弧状でなくてもよいが、少なくとも角部は円弧状(C面状)であることが好ましい。それにより、乱流や滞留が生じることを抑制できる。
図8は、本実施形態の電解セルスタック装置のさらに他の一例を示し、電解セルの長手方向に沿った断面図である。
図8に示す電解セルスタック装置29においては、マニホールド31の内部に仕切部材38が配置されており、それにより、図7に向かって左側が流体供給部39とされ、右側が流体回収部40とされており、電解セル1が、流体供給部39と連通する流通孔7の体積の合計が、前記流体回収部40と連通する連通孔7の体積の合計よりも多くなるように、マニホールド31に固定されている例を示している。
具体的には、図8に示す電解セルスタック装置29においては、電解セル1にほぼ同じ体積の流通孔7が複数設けられており、流体供給部39に連通する流通孔7の数(図8においては4本)が、流体回収部40と連通する流通孔7(図8においては2本)の数よりも多くなるように、マニホールド31に固定されている例を示している。
流体が、下方より水蒸気が供給されていない流通孔7(流体回収部40と連通する流通
孔7)を流れる間も電解反応は生じるものの、水蒸気を多く含む流体が流れる流通孔7(流体供給部39と連通する流通孔7)の体積の合計が、流体回収部40と連通する流通孔7の体積の合計よりも多くなるように、電解セル1をマニホールド31に固定することにより、より効率よく電解反応を行なうことができ、水素の生成(回収)効率を向上することができる。それにより、電解セルスタック装置29をさらに小型化することができる。
図9は、本実施形態の電解セルスタック装置のさらに他の一例を示す断面図である。
図9に示す電解セルスタック装置42は、マニホールド31の一方側主面(左側)および他方側主面(右側)に、それぞれ電解セルユニット22が接合され、マニホールド31から左右に電解セル1が伸びている形状を示している。
このような電解セルスタック装置42においては、1つのマニホールド31に2つの電解セルユニット22を接合することで、コンパクトでかつ多くの水素を生成できる電解セルスタック装置42とすることができる。なお、マニホールド31に設けられた流体供給部39と流体回収部40とを共有することから、流体供給部39と流体回収部40とに連結する流通孔7の数によっては、電解セル1の向きは一方側主面と他方側主面で逆の向きとしてもよい。
そして、上述した電解セルスタック装置29を収納容器内に収納することで、小型化が可能で、かつ電解反応の効率のよい電解装置とすることができる(図示せず)。なお、収納容器内には、電解セル1の温度を上昇し、高温に保持するためのヒータ等の熱源装置を備えていることが好ましい。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
例えば、上述の例において、流体供給部39と連通する流通孔7の体積の合計が、前記流体回収部40と連通する連通孔7の体積の合計よりも多くなる例として、電解セル1において、ほぼ同じ体積の流通孔7が設けられている場合を例示したが、例えば電解セル1に設けられた各流通孔7の体積を変えて、流体供給部39と連通する流通孔7の体積の合計が、前記流体回収部40と連通する連通孔7の体積の合計よりも多くしてもよい。
また、図5で示した横縞型の電解セル12を用いて電解セルスタック装置を構成する場合には、隣接する電解セル12の支持体13の一方側における一端側の発電素子部材と、隣接する電解セル12の支持体13の他方側における一端側の発電素子部材とを、電気的に接続できるように構成すればよい。
また、いわゆる横縞型の電解セルにおいて、図5においては、流通孔14の長手方向に沿って一列に電解素子部材を配置した例を示しているが、例えば、水蒸気が供給される流通孔14と、蓋部材を流れた後の流体が流れる流通孔14に対応して、電解素子部材を、流通孔14の長手方向に沿って複数列配置した電解セルとすることもできる。
1、10:電解セル
2、11、13:支持体
3:カソード
4、16:固体電解質層
5、17:アノード
6、20:インターコネクタ
7、14:流通孔
22、25:電解セルユニット
23、26:蓋部材
24、28:空間
27:弧状部
29、42:電解セルスタック装置
30:電解セルスタック
31:マニホールド
39:流体供給部
40:流体回収部
41:圧力センサ

Claims (7)

  1. 柱状であって、長手方向に沿って一端から他端に貫通する複数の流通孔を有する支持体と、該支持体の表面に設けられて、カソードと固体電解質層とアノードとが順次積層されて構成されてなり、水蒸気を含むガスより水素を含むガスを生成する電解素子部と、該電解素子部と電気的に接続するインターコネクタとが設けられてなる電解セルと、
    該電解セルの他端部に配置され、前記流通孔を流通した流体を、他の流通孔に流通させるための空間を有する蓋部材と、
    を備え、
    前記空間における前記電解セルの幅方向の一端側と他端側における圧力損失が、水蒸気が供給される前記流通孔の入口と出口とにおける圧力損失の5倍以上であることを特徴とする電解セルユニット。
  2. 柱状であって、長手方向に沿って一端から他端に貫通する複数の流通孔を有し、カソードを兼ねる支持体と、該支持体の表面に設けられて、前記支持体と固体電解質層とアノードとが順次積層されて構成されてなり、水蒸気を含むガスより水素を含むガスを生成する電解素子部と、該電解素子部と電気的に接続するインターコネクタとが設けられてなる電解セルと、
    該電解セルの他端部に配置され、前記流通孔を流通した流体を、他の流通孔に流通させるための空間を有する蓋部材と、
    を備え、
    前記空間における前記電解セルの幅方向の一端側と他端側における圧力損失が、水蒸気が供給される前記流通孔の入口と出口とにおける圧力損失の5倍以上であることを特徴とする電解セルユニット。
  3. 前記電解セルの長手方向に沿った断面視において、
    前記蓋体部は、内面が弧状部を有しており、該弧状部は、少なくとも前記電解セルの他端の延長線上に位置していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電解セルユニット。
  4. 請求項1乃至請求項3のうちいずれかに記載の電解セルユニットの複数個を電気的に接続して配列してなる電解セルスタックと、前記電解セルの一端部を固定するマニホールドとを備え、前記マニホールドは内部が、前記電解セルに流体を供給するための流体供給部と、前記電解セルを流れた流体を回収するための流体回収部とに区分されていることを特徴とする電解セルスタック装置。
  5. 前記電解セルが、前記流体供給部と連通する前記流通孔の体積の合計が、前記流体回収部と連通する前記流通孔の体積の合計よりも多くなるように、前記マニホールドに固定されていることを特徴とする請求項4に記載の電解セルスタック装置。
  6. 前記電解セルユニットが前記マニホールドの一方側主面および他方側主面にそれぞれ固定されていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の電解セルスタック装置。
  7. 請求項4乃至請求項6のうちいずれかに記載のセルスタック装置を、収納容器内に収納してなることを特徴とする電解装置。
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