JP2014192111A - 色素増感太陽電池用電解液およびこれを利用した色素増感太陽電池 - Google Patents

色素増感太陽電池用電解液およびこれを利用した色素増感太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】耐久性が高く、短絡電流密度を向上させることのできる添加剤、および該添加剤を用いて高い短絡電流密度が得られる優れた色素増感太陽電池用電解液が望まれており、本発明はこれらの特性を全て具備する電解液を提供すること。
【解決手段】添加剤として環状ホウ酸エステル化合物を含有することを特徴とする色素増感太陽電池用電解液とこれを用いて作製した色素増感太陽電池。環状ホウ酸エステル化合物を添加することで、高い短絡電流密度、高耐久性を得ることができ、その結果、高い変換効率を得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、色素増感太陽電池用電解液に関し、さらに詳細には、大きな短絡電流密度が得られ、広範な温度範囲で使用可能であり、耐久性に優れる色素増感太陽電池用電解液およびこれを利用した色素増感太陽電池に関する。
近年、可視光域を吸収する増感色素を半導体層に担持させた色素増感太陽電池について検討が行われている。この色素増感太陽電池は、使用する材料が安価であることや比較的シンプルなプロセスで製造できること等の利点を有しており、その実用化が期待されている。
色素増感太陽電池は、一般に、透明導電膜付き透明基体上に金属酸化物半導体の多孔質膜を形成させ、その表面に増感色素を吸着させたアノード電極(半導体電極)と、導電性基体に触媒層を形成させたカソード電極(対極)とが対向して配置され、その間に電解液が封止された構造となっている。半導体電極に光が入射すると、増感色素が可視光を吸収して励起状態となり、増感色素から半導体電極に電子が注入され、集電体を通して外部に電流が取り出される。一方、増感色素の酸化体は電解液中の酸化還元対により還元されて再生する。酸化された酸化還元対は、半導体電極に対向して設置された対極表面の触媒層で還元されてサイクルが一周する。
従来、色素増感太陽電池用の電解液として、ヨウ化リチウムやヨウ化物塩とヨウ素をメトキシアセトニトリルやアセトニトリルに溶解させたものが一般的に用いられている(非特許文献1および特許文献1)。ヨウ化物塩およびヨウ素は電解液中でIおよびI を形成し、酸化還元対として両電極間の電荷キャリアとして機能している。一方、ヨウ化リチウムは短絡電流密度を向上させるための添加剤として多用されている。
近年では、ニトリルの毒性や耐久性の低さから、ニトリルに代わる溶媒としてプロピレンカーボネートやγ−ブチロラクトンを用いた色素増感太陽電池用電解液も開示されている(特許文献1および2)。ところが、これらの溶媒に対してヨウ化リチウムは溶解性が低いという問題がある。また、リチウムイオンはイオン半径が小さいため溶媒和されやすいという特徴があるが、これらの溶媒がリチウムイオンに溶媒和すると、ニトリルを溶媒に用いた場合よりも強固に溶媒和し、その結果電解液の粘度が増大して、リチウムイオンによる短絡電流密度の向上効果を打ち消してしまうという大きな問題点があった。
さらに、ヨウ化リチウムを添加すると、酸化物半導体としてもっとも広範に用いられている酸化チタンがリチウムイオンと反応し、半導体電極の電気抵抗が増大してしまうため、長期的な安定性が著しく低下してしまうという致命的な問題点もあった。
色素増感太陽電池の電解液として実用的な耐久性を得るためには、200℃以上の高い沸点を有する溶媒を用いることが求められるが、沸点の向上に伴って溶媒自体の粘度も高くなるため、高沸点の溶媒を用いた電解液は短絡電流密度が低くなりやすい。このため、より大きな短絡電流密度が得られる電解液が求められているが、上述のようにヨウ化リチウムを添加剤として用いる電解液では耐久性、および得られる短絡電流密度が低く、一方、実用に際して用いることのできる、短絡電流密度向上用の添加剤、およびそれを用いた高い短絡電流密度が得られる電解液は依然として見出されていなかった。
従って、耐久性が高く、ニトリル以外の溶媒においても効果のある、短絡電流密度を向上させることのできる添加剤、および該添加剤を用いて高い短絡電流密度が得られる優れた電解液が望まれている。
そのような観点から、特許文献3には添加剤としてホウ酸エステルを含んでなる電解液を用いた色素増感太陽電池が、短絡電流密度を大きく向上させることができ、かつ、耐久性を保持することができることが開示されている。
しかしながら、該文献に開示されているホウ酸エステルは電解液への溶解性に乏しく、長時間の耐久性を満足するには至らなかった。
特開2007−220608号公報 特開2000−277182号公報 特開2013−020789号公報
Japanese Journal of Applied Physics,Vol.45,No.25,2006,L638−L640
したがって、本発明は、上記課題に鑑み、耐久性が高く、ニトリル以外の溶媒においても効果がある短絡電流密度を向上させることのできる添加剤、および該添加剤を用いて高い短絡電流密度が得られる優れた色素増感太陽電池用電解液が望まれており、本発明はこれらの特性を全て具備する電解液を提供することをその課題とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、添加剤として環状ホウ酸エステル化合物を含んだ電解液を使用することで短絡電流密度を大きく向上することができ、かつ高い耐久性を保持することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下に示すものである。
第一の発明は、酸化還元性の電解質が少なくとも溶媒中に含有されてなる色素増感太陽電池用電解液において、下記一般式(1)で表される環状ホウ酸エステル化合物が添加されてなることを特徴とする色素増感太陽電池用電解液である。
Figure 2014192111
(一般式(1)中、R〜Rは独立して、ハロゲン原子、ニトリル基、アルコキシ基から選ばれる置換基を有していても良い炭素数1〜20のアルキル基、またはハロゲン原子、ニトリル基、アルコキシ基から選ばれる置換基を有していてもよいフェニル基を表す。)
第二の発明は、一般式(1)中、R〜Rが全て、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、フェニル基およびプロピオニトリル基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基であることを特徴とする請求項1に記載の色素増感太陽電池用電解液である。
第三の発明は、環状ホウ酸エステル化合物の濃度が、0.01〜5.0mol/Lであることを特徴とする第一又は第二の発明に記載の色素増感太陽電池用電解液である。
第四の発明は、さらにドナー数が25以上であるドナー化合物を含有することを特徴とする第一から第三の発明のいずれか1つに記載の色素増感太陽電池用電解液である。
第五の発明は、ドナー化合物がピリジン、ピラジン、ピリミジン、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピロリジン、ピペリジン、ヒドラジン、ピロリドン、スルホキシド、アミド、尿素の各化合物およびそれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする第四の発明に記載の色素増感太陽電池用電解液である。
第六の発明は、溶媒が、ニトリル、ラクトン、環状カーボネート、ポリオール類、エーテル化合物、環状スルホン、下記一般式(2)で表される鎖状スルホンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする第一から第五の発明のいずれか1つに記載の色素増感太陽電池用電解液である。
Figure 2014192111
(一般式(2)中、R、Rは独立して、ハロゲン原子、アルコキシ基から選ばれる置換基を有していても良い炭素数1〜12のアルキル基、又は、ハロゲン原子、アルコキシ基から選ばれる置換基を有していても良いフェニル基を表す。)
第七の発明は、酸化還元性の電解質が、ハロゲンアニオンを対イオンとするハロゲン化合物およびハロゲン分子とを含有することを特徴とする第一から第六の発明のいずれか1つに記載の色素増感太陽電池用電解液である。
第八の発明は、ハロゲン化合物がヨウ化物又は臭化物で、ハロゲン分子がヨウ素又は臭素である第七の発明に記載の色素増感太陽電池用電解液である。
第九の発明は、酸化還元性の電解質が、コバルト−ポリピリジル錯体を含有する電解質であることを特徴とする第一から第六の発明のいずれか1つに記載の色素増感太陽電池用電解液である。
第十の発明は、導電層上に多孔質の金属酸化物半導体層を形成し、該金属酸化物半導体層に光増感作用を有する色素を吸着させてなる光電極と、前記光電極に対向配置される対極、及び前記光電極と対極間に形成され、電解液を含む電解質層とを有する色素増感太陽電池であって、前記電解液が第一から第九の発明のいずれか1つに記載の色素増感太陽電池用電解液であることを特徴とする色素増感太陽電池である。
第十一の発明は、下記一般式(1)で表される環状ホウ酸エステル化合物と、有機溶媒と、酸化還元性の電解質と、を少なくとも含有する色素増感太陽電池用電解液を半導体電極と対極の間に充填し封止することを特徴とする色素増感太陽電池の製造方法である。
Figure 2014192111
(一般式(1)中、R〜Rは独立して、ハロゲン原子、ニトリル基、アルコキシ基から選ばれる置換を有していても良い炭素数1〜20のアルキル基、またはハロゲン原子、ニトリル基、アルコキシ基から選ばれる置換基を有していてもよいフェニル基を表す。)
本発明の電解液を用いた色素増感太陽電池は、高い短絡電流密度が得られ、その結果として高い変換効率が得られるとともに、その性能を長期間保持することが可能である。
本発明の色素増感太陽電池の構成の一例を示す断面模式図である。
本発明の色素増感太陽電池用電解液は、下記一般式(1)で表される環状ホウ酸エステル化合物と、有機溶媒と、酸化還元性の電解質を含有する。このような特定の化学構造を有するホウ酸エステル化合物を用いることにより、粘度の高い高沸点溶媒であっても、高い短絡電流密度を得ることができ、耐久性に優れた色素増感太陽電池を提供できる。
Figure 2014192111
一般式(1)中、R〜Rは独立して、ハロゲン原子、ニトリル基、アルコキシ基から選ばれる置換基を有していても良い炭素数1〜20のアルキル基、またはハロゲン原子、ニトリル基、アルコキシ基から選ばれる置換基を有していても良いフェニル基を表す。
本発明における環状ホウ酸エステル化合物として、例えば、2,4,6−トリメチルボロキシン、2,4,6−トリエチルボロキシン、2,4,6−トリプロピルボロキシン、2,4,6−トリイソプロピルボロキシン、2,4,6−トリブチルボロキシン、2,4,6−トリイソブチルボロキシン、2,4,6−トリペンチルボロキシン、2,4,6−トリヘキシルボロキシン、2,4,6−トリヘプチルボロキシン、2,4,6−トリス(メチルブチル)ボロキシン、2,4,6−トリス(エチルヘキシル)ボロキシン、2,4、6−トリイソオクチルボロキシン、2,4,6−トリ−n−オクチルボロキシン、2,4,6−トリデシルボロキシン、2,4,6−トリドデシルボロキシン、2,4,6−トリフェニルボロキシン、2,4,6−トリ−o−トシルボロキシン、2,4,6−トリ−m−トシルボロキシン、2,4,6−トリス(プロピオニトリル)ボロキシン、2,4,6−トリス(2−メトキシエチル)ボロキシン、2,4,6−トリス(クロロエチル)ボロキシン、2,4,6−トリス(4−フルオロフェニル)ボロキシンなどが挙げられる。
環状ホウ酸エステル化合物の沸点としては、太陽電池の使用条件によっても最適値が異なるため限定はされないが、60℃以上であることが好ましく、120℃以上であることがより好ましく、180℃以上であることが特に好ましく挙げられる。
また、溶解させる電解液溶媒により粘度の最適値が異なるため限定はされないが、電解液の伝導率が高くなるように環状ホウ酸エステル化合物の粘度は低いほうが望ましく、例えば、10mPa・s以下、より好ましくは5mPa・s以下であることが望ましい。上述のホウ酸エステルの中でも、一般式(1)中、R〜Rが全て、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、フェニル基およびプロピオニトリル基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基であるものが特に望ましい。
電解液中の環状ホウ酸エステル化合物の濃度としては、用いる電解液溶媒により最適値が異なるため必ずしも限定はされないが、添加効果が十分に現われるよう、物質量濃度が0.01〜5.0mol/Lが望ましい。また、本発明の環状ホウ酸エステル化合物は、他のホウ酸エステル化合物に比べ電解液溶媒への溶解性に優れ、環状ではないホウ酸エステル化合物が添加された電解液と比べ、電解液の安定性に優れる。
続いて、本発明の電解液の溶媒について説明する。電解液の溶媒としては、電解質を溶解できれば特には限定されず、従来公知の電解液溶媒を用いることができる。例えば、アセトニトリルやメトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等の環状カーボネート類、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル等の鎖状カーボネート類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル等のエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール類、ポリオール類、ジメチルスルホキシド、また、スルホラン、メチルスルホラン等の環状スルホン類、また、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルオキサゾリジノンなどが挙げられ、これらは、単独でも複数を混合して使用しても構わない。
また、粘度が低く、沸点が高くて揮発性が低い、かつ十分なイオン伝導性を有する溶媒であることが好ましい。具体的な有機溶媒の沸点としては、150℃以上が好ましく、200℃以上がより好ましく挙げられる。上記の有機溶媒の中で、前記沸点を満たす有機溶媒としては、メトキシプロピオニトリル、炭酸プロピレン、γ−ブチロラクトン、スルホラン等が挙げられる。
また、単独では室温で固体であっても、他の有機溶媒や酸化還元対と混合することで凝固点降下を起こし、使用範囲温度で液状であれば、単独では固体であっても構わない。
さらに、本発明の電解液溶媒としては、下記一般式(2)で表される鎖状スルホンを用いることが好ましい。
Figure 2014192111
一般式(2)中、R、Rは独立して、ハロゲン原子、アルコキシ基から選ばれる置換基を有していても良い炭素数1〜12のアルキル基、またはハロゲン原子、アルコキシ基から選ばれる置換基を有していてもよいフェニル基を表す。
具体的な鎖状スルホン化合物としては、ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、メチルイソプロピルスルホン、エチルイソプロピルスルホン、エチルイソブチルスルホン、イソブチルイソプロピルスルホン、メトキシエチルイソプロピルスルホン、フルオロエチルイソプロピルスルホン等が例示できる。これらの中でも、エチルイソプロピルスルホン、エチルイソブチルスルホン、イソブチルイソプロピルスルホン、メトキシエチルイソプロピルスルホン、フルオロエチルイソプロピルスルホン等のRおよびRの炭素数の合計が5以上、好ましくは5〜10である化合物は、広範な温度で使用でき、耐久性に優れるため特に好適に使用できる。
上記一般式(2)の鎖状スルホン化合物のその他の例としては、R、Rの少なくとも一方がフェニル基である化合物が挙げられ、例えば、フェニルイソプロピルスルホン、フェニルエチルスルホン、ジフェニルスルホン等が例示できる。これらの中でも、R、Rの一方がフェニル基であり、一方がハロゲン原子、アルコキシ基若しくは芳香環で一部置換されていても良い炭素数1〜12のアルキル基である化合物が、広範な温度で使用可能であり、耐久性に優れるため好ましく用いられ、より好ましくは、一方が置換されていない炭素数1〜5のアルキル基である化合物であり、特にフェニルイソプロピルスルホンが好適に使用できる。
本発明の電解液には、上記の各種有機溶媒以外にイオン液体を用いることができる。イオン液体の好ましい例としては、例えば、カチオンが、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ヘキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−オクチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム等のイミダゾリウム系、1−メチル−ピリジウム、1−ブチル−ピリジウム、1−ヘキシル−ピリジウム等のピリジウム系、ピラゾリウム系、脂肪族アミン系であるもの、アニオンが、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロボレート、トリフルオロメタンスルホネートなどのフッ素化スルホン酸、トリフルオロ酢酸等のフッ素化カルボン酸、チオシアネート、ジシアナミド、テトラシアノボレート、また、ビスフルオロスルホニルイミドやビストリフルオロメタンスルホニルイミドなどのスルホニルイミド系であるもの等を挙げることができる。これらの物質は、いずれか一種を単独で用いても良いし、複数を混合して用いても良い。
本発明の電解液について、一般に、より粘度の小さいものを使用すると短絡電流値が大きくなり好ましいが、環状ホウ酸エステル化合物を添加する前の電解液については、粘度が、3mPa・sより大きくなるような溶媒も好ましく選択できる。そのような粘度の電解液に、環状ホウ酸エステル化合物を添加することによって、本発明の効果がより発揮されることとなる。
本発明の電解液には、酸化還元性の電解質、すなわち酸化還元対が含有されている。酸化還元対の例として、ハロゲンアニオンを対イオンとするハロゲン化合物およびハロゲン分子が挙げられる。具体的には、ヨウ化物アニオンとヨウ素との組合せ、臭化物アニオンと臭素との組合せ、もしくはそれらの混合物が挙げられる。特に、ヨウ化物アニオンとヨウ素との組合せが、変換効率が高く好ましい。
上記のハロゲンアニオンを対イオンとするハロゲン化合物、具体的にはヨウ化物や臭化物等のハロゲン化物塩を構成するカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム等の金属カチオンが例示できるが、冒頭に記載したように、高沸点溶媒下においては、金属カチオンを用いても良好な特性が得難い上、耐久性の低下を招く事例があることから、より好適なカチオンとしては、イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ピラゾリウム等のオニウムカチオンが挙げられる。特に、イミダゾリウム系や、スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウムなどのスピロ型第4級アンモニウムを好適に利用することができる。これらの1種または2種以上を混合して用いることもできる。
ハロゲン化物の濃度は、太陽電池として用いる際の入射光量などによって発生する電流量が異なるため最適な濃度は必ずしも一定ではないが、好ましくは0.01〜4.0mol/Lであり、特に好ましくは0.5〜2.5mol/Lである。濃度が0.01mol/Lより小さいと十分な性能が得られない場合があり、一方、濃度が4.0mol/Lより大きいと溶媒に溶解しにくい場合がある。
一方、酸化還元対として作用させるためのハロゲン分子としては、具体的にはヨウ素(I)または臭素(Br)が好ましい。特に、ハロゲン化物としてヨウ化物塩を用いる場合にはハロゲン分子としてヨウ素を用いることが望ましい。この場合ヨウ化物塩とともに、I/I の酸化還元対として作用する。電解液中のハロゲン分子の含有量は、太陽電池として用いる際の入射光量などによって発生する電流量が異なるため最適な含有量は必ずしも一定ではないが、イオン導電性及び光エネルギー変換効率の観点から、好ましくは0.01mmol〜0.5mol/Lであり、特に0.05mmol〜0.2mol/Lが好ましい。
また、本発明におけるハロゲン化合物以外の酸化還元対としては、トリス(2,2‘−ビピリジン)コバルト錯体や、4,4’位がアルキル基置換された、トリス(4,4’−ジメチル−2,2‘−ビピリジン)コバルト錯体、トリス(4,4’−ジ−t−ブチル−2,2‘−ビピリジン)コバルト錯体、また、トリス(1,10−フェナントロリン)コバルト錯体などの、公知のコバルト−ポリピリジル錯体が挙げられる。
コバルト−ポリピリジル錯体を酸化還元対に用いた場合の含有量は、太陽電池として用いる際の入射光量などによって発生する電流量が異なるため最適な含有量は必ずしも一定ではないが、イオン導電性及び光エネルギー変換効率の観点から、2価の錯体が0.05mol〜0.5mol/L、3価の錯体が0.01mol〜0.1mol/Lが好ましい。
また、本発明の電解液はポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン等のポリマーや低分子のゲル化剤などを溶媒中に添加することや、エチレン性不飽和基を有した多官能性モノマーを溶媒中で重合させる等の方法でこれらの溶媒をゲル化することで、電解質層7をゲル電解質として形成しても構わない。溶媒をゲル化させるためのポリマーはイオン性を有していても構わないが、電解質の移動を妨げる場合にはイオン性を有さないことが望ましい。
また、ポリマーではなく、粒子を添加させてチクソトロピー性を持たせることで、セルに構成した際に固体状・ペースト性状・ゲル性状を持たせても構わない。このような粒子の材料としては、特には限定されず公知の材料を使用することができる。例えば、酸化インジウム、酸化スズと酸化インジウムの混合体(以下、「ITO」と略記する。)、シリカ等の無機酸化物、ケッチェンブラックやカーボンブラック、カーボンナノチューブ等のカーボン材料、また、カオリナイトやモンモリロナイト等の層状無機化合物、すなわち粘土鉱物でも構わない。
また、本発明の電解液には環状ホウ酸エステル化合物以外の添加剤として、ドナー数が25以上であるドナー化合物を併用することが望ましい。具体的に、環状ホウ酸エステル化合物と該ドナー性添加剤を併用することで働く相乗効果のメカニズムは不明であるが、短絡電流密度と開放電圧を同時に向上できる上、形状因子も向上するため、各々を単独で用いるよりも変換効率を大幅に改善することができる。
このようなドナー性の添加剤は従来公知の材料を用いることが可能であるが、一般的な溶媒であるメトキシプロピオニトリルやγ−ブチロラクトン、また、鎖状スルホンなど各種溶媒のドナー数は14から18程度であることが多く、また、酸化還元対として最も多用されているIイオンのドナー数も14であることから、これらの溶媒や電解質よりも優位に高いドナー数を有する必要がある。具体的には、25以上のドナー数を有する、ピリジン類、より好ましくは4−t−ブチルピリジンなどのアルキルピリジン類、ピラジン類や、ピリミジン類、ピペリジン類などの含窒素6員環化合物、また、イミダゾール類、ピラゾール類、トリアゾール類、ピロリジン類などの含窒素5員環化合物、さらに、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、ピロリドンやN−メチルピロリドンなどの環状アミド、ジメチルスルホキシドやジフェニルスルホキシドなどのスルホキシド類、尿素などが挙げられる。これらの中で好ましい添加剤としては、4位がアルキル置換されたピリジン、2位および又は4位がアルキル置換されたイミダゾール、3位および又は5位がアルキル置換されたピラゾール、トリアゾール、N−メチルピロリドン、ジアルキルスルホキシド、ジアルキルアセトアミドが挙げられる。前記アルキル置換基としては、該ドナー化合物を添加した際に電解液の粘度が高くなりすぎないような分子サイズと、置換基導入によるドナー性向上効果との兼ね合いから、ピリジン類とスルホキシド類の場合が炭素数1から4のアルキル基、イミダゾール類、ピラゾール類、アセトアミドの場合は炭素数1または2のアルキル基であることが望ましい。
ここでドナー数とは、ある分子のドナーとしての性質を溶媒に無関係な量として表したもので、供与性とも呼ばれる。ドナー数は、基準のアクセプターとしてジクロロエタン中10−3MのSbClを選び、ドナーとしての反応のモルエンタルピー値として定義される。
本発明の電解液は、常法に従って上記の各種溶媒中に上記ヨウ化物やヨウ素等の酸化還元対などとともに、本発明の環状ホウ酸エステル化合物を溶解させることによって得ることができる。一方、本発明の色素増感太陽電池は、この電解液を用いたものであるが、電解液以外は、一般的な色素増感太陽電池の構成を採用すればよい。図1に本発明の色素増感太陽電池の構成の一例を示す。図1中、1は電極基体、2は透明基体、3は透明導電膜、4は多孔質金属酸化物半導体層、5は増感色素層、6は半導体電極、7は本発明の電解液を含む電解質層、8は対極、9は電極基体、10は触媒活性層、11はスペーサー、12は周縁シール部をそれぞれ示す。
電極基体1は、透明基板2に透明導電膜3を形成させた、導電性ガラスなどの透明電極基体である。透明導電膜3には多孔質金属酸化物半導体層4が形成されており、金属酸化物半導体の表面に色素を吸着させた増感色素層5を有している。これらから、アノード電極である半導体電極6が構成される。
<透明基体>
電極基体1を構成する透明基体2は、可視光を透過するものが使用でき、透明なガラスが好適に利用できる。また、ガラス表面を加工して入射光を散乱させるようにしたもの、半透明なすりガラス状のものも使用できる。また、ガラスに限らず、光を透過するものであればプラスチック板やプラスチックフィルム等も使用できる。
透明基体2の厚さは、太陽電池の形状や使用条件により異なるため特に限定はされないが、例えばガラスやプラスチック等を用いた場合では、使用時の耐久性を考慮して1mm〜1cm程度であり、フレキシブル性が必要とされ、プラスチックフィルムなどを使用した場合は、25μm〜1mm程度である。また、必要に応じて耐候性を高めるハードコート等の表面処理を用いても構わない。
<透明導電膜>
透明導電膜3としては、可視光を透過して、かつ導電性を有するものが使用でき、このような材料としては、例えば金属酸化物が挙げられる。特に限定はされないが、例えばフッ素をドープした酸化スズ(以下、「FTO」と略記する。)や、酸化インジウム、ITO、アンチモンをドープした酸化スズ(以下、「ATO」と略記する。)、酸化亜鉛等が好適に用いることができる。
また、導電性材料を分散担持させるなどの処理方法や、メッシュ形状のような細線状の導電性材料を透明基体上に形成することによって、電極全体としては透光率を高めることができていれば、不透明な導電性材料を用いることもできる。このような材料としては炭素材料や金属が挙げられる。炭素材料としては、特に限定はされないが、例えば黒鉛(グラファイト)、カーボンブラック、グラッシーカーボン、カーボンナノチューブやフラーレン等が挙げられる。また、金属としては、特に限定はされないが、例えば白金、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト、クロム、鉄、モリブデン、チタン、タンタル、ニオブ又はそれらの合金等が挙げられる。
ここで、本願発明では電解液中に含まれる酸化還元対としてハロゲン分子とハロゲン化物、より具体的にはヨウ素とヨウ化物や臭素と臭化物を用いることが望ましいため、透明導電膜に使用する導電性材料は電解液に対する耐蝕性が高いことが望ましい。したがって、特に金属酸化物、中でもFTOやITO、また表面を導電性の耐食処理を施した銅やアルミニウム、ニッケルやその合金等が特に好適である。
透明導電膜3としては、上記の導電性材料のうち少なくとも1種類以上からなるものを、透明基体1の表面に設けて形成することができる。あるいは透明基体2を構成する材料の中へ上記導電性材料を組み込んで、透明基体と透明導電膜を一体化して電極基体1とすることも可能である。
透明基体2上に透明導電膜3を形成する方法として、金属酸化物を形成する場合は、ゾルゲル法や、スパッタやCVD等の気相法、分散ペーストのコーティング等がある。また、不透明な導電性材料を使用する場合は、粉体等を、透明なバインダー等とともに固着させる方法が挙げられる。
透明基体と透明導電膜を一体化させるには、透明基体の成形時に導電性のフィラーとして上記導電膜材料を混合させるなどがある。
透明導電膜3の厚さは、用いる材料により導電性が異なるため特には限定されないが、一般的に使用されるFTO被膜付ガラスでは、0.01μm〜5μmであり、好ましくは0.1μm〜1μmである。また、必要とされる導電性は、使用する電極の面積により異なり、大面積電極ほど低抵抗であることが求められるが、一般的に100Ω/□以下、好ましくは10Ω/□以下、より好ましくは5Ω/□以下である。100Ω/□を超えると太陽電池の内部抵抗が上がるため好ましくない。
透明基体及び透明導電膜から構成される電極基体1、又は透明基体と透明導電膜とを一体化した電極基体1の厚さは、上記のように太陽電池の形状や使用条件により異なるため特に限定はされないが、一般的に1μm〜1cm程度である。
<多孔質金属酸化物半導体>
多孔質金属酸化物半導体4としては、従来公知のものが使用できる。即ち、Ti、Nb、Zn、Sn、Zr、Y、La、Taなどの遷移金属の酸化物の他、SrTiO、CaTiOなどのペロブスカイト系酸化物などが挙げられる。特に限定はされないが、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ等が挙げられ、特に二酸化チタン、さらにはアナターゼ型二酸化チタンが好適である。
このような多孔質金属酸化物半導体は、特に限定されず既知の方法で透明導電膜3上に設けることができる。例えば、ゾルゲル法や、分散体ペーストの塗布、また、電析や電着させる方法がある。さらに、電気抵抗値を下げるため、金属酸化物の粒界は少ないことが望ましく、塗布した金属酸化物を焼結させることが望ましい。焼結条件は用いる金属酸化物半導体の種類や形成方法、基板の耐熱温度により異なるため、適宜変更して構わないが、二酸化チタンを用いた場合、450〜550℃で焼結させることが望ましい。
また、増感色素をより多く吸着させるために、当該半導体層は多孔質になっていることが望ましく、具体的には比表面積が10〜200m/gであることが望ましい。また、増感色素の吸光量を増加させるため、使用する酸化物の粒径に幅を持たせて光を散乱させることが望ましい。前記半導体層の厚さは、用いる酸化物及びその性状により最適値が異なるため特には限定されないが、0.1μm〜50μm、好ましくは5〜30μmである。
<増感色素>
増感色素層5としては、太陽光により励起されて前記金属酸化物半導体層4に電子注入できるものであればよく、一般的に色素増感太陽電池に用いられている色素を用いることができるが、変換効率を向上させるためには、その吸収スペクトルが太陽光スペクトルと広波長域で重なっていて、耐光性が高いことが望ましい。
増感色素は、特に限定はされないが、ルテニウム錯体、特にルテニウムポリピリジン系錯体が望ましく、さらに望ましいのは、Ru(L)(L’)(X)2で表されるルテニウム錯体が望ましい。ここでLは4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジン、もしくはその4級アンモニウム塩及びカルボキシル基が導入されたポリピリジン系配位子であり、L’はLと同一、もしくは4,4’−置換2,2’−ビピリジンであり、L’の4,4’位の置換基は、長鎖アルキル基、アルキル置換ビニルチエニル基、アルキル又はアルコキシ置換スチリル基、チエニル基誘導体などが挙げられる。また、XはSCN、Cl、CNである。例えば、ビス(4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジン)ジイソチオシアネートルテニウム錯体等が挙げられる。
他の色素としては、ルテニウム以外の金属錯体色素、例えば鉄錯体、銅錯体等が挙げられる。さらに、シアン系色素、ポルフィリン系色素、ポリエン系色素、クマリン系色素、シアニン系色素、スクアリリウム系色素、スチリル系色素、エオシン系色素等の有機色素が挙げられ、具体的には三菱製紙株式会社製色素(商品名:D149色素)等が挙げられる。これらの色素には、該金属酸化物半導体層への電子注入効率を向上させるため、該金属酸化物半導体層との結合基を有していることが望ましい。該結合基としては、特に限定はされないが、カルボキシル基、スルホニル基等が望ましい。
増感色素を前記多孔質金属酸化物半導体層4に吸着させる方法は、特には限定されるものではなく、例としては、室温条件、大気圧下において、色素を溶解させた溶液中に、透明導電膜2上に形成させた金属酸化物半導体層4を浸漬する方法が挙げられる。浸漬時間は、使用する半導体、色素、溶媒の種類、色素の濃度により、半導体層に均一に色素の単分子膜が形成されるよう、適宜調整することが望ましい。なお、吸着を効果的に行なうには加熱下での浸漬を行なえばよい。
増感色素は多孔質金属酸化物半導体層の表面上で会合しないことが望ましい。色素単独で吸着させると会合が起きる場合には、必要に応じて、共吸着剤を吸着させても構わない。このような吸着剤としては、用いる色素により最適な種類や濃度が変わるため特には限定されないが、例えばデオキシコール酸等の有機カルボン酸が挙げられる。共吸着剤を吸着させる方法としては、特には限定されないが、増感色素を溶解させる溶媒に、増感色素とともに共吸着剤を溶解させてから金属酸化物半導体層を浸漬させることで、色素の吸着工程と同時に共吸着剤を吸着させることができる。
増感色素を溶解するために用いる溶媒の例としては、エタノール等のアルコール類、アセトニトリル等の窒素化合物、アセトン等のケトン類、ジエチルエーテル等のエーテル類、クロロホルム等のハロゲン化脂肪族炭化水素、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン等の芳香族炭化水素、酢酸エチル等のエステル類などが挙げられる。溶液中の色素濃度は、使用する色素及び溶媒の種類により適宜調整することが望ましい。例えば、5×10−5mol/L以上の濃度が望ましい。
<対極>
半導体電極6に対向して、カソード電極である対極8が電解質層7およびスペーサー11を介して配置される。
<対極−基体>
太陽電池の内部抵抗を小さくするため対極の基体9は電気伝導度が高いことが望ましい。また、上記のように本発明では電解質中に酸化還元対としてハロゲン分子およびハロゲン化物を用いているため、該導電性の電極基体9には電解液に対する耐蝕性が高いことが望ましい。
このような導電性基体の材質としては、具体的には、表面に酸化皮膜を形成し耐蝕性が良好なクロム、ニッケルや、チタン、タンタル、ニオブ、及びそれらの合金であるステンレスや、表面に酸化皮膜を形成して耐蝕性を高めたアルミニウム等が挙げられる。
また、他の好適な材料としては、導電性金属酸化物が挙げられる。特に限定はされないが、例えばITOやFTO、ATO、また、酸化亜鉛や酸化チタン等が好適に用いることができる。中でもFTO、ITOを好適に用いることができる。
上記導電性の電極基体9には、耐久性やハンドリング性を高めること等を目的として支持体を兼備することができる。例えば、透明性を求める場合にはガラスや透明なプラスチック樹脂板を用いることができる。また、軽量性を求める場合にはプラスチック樹脂板、フレキシブル性を求める場合にはプラスチック樹脂フィルム等を用いることができる。また、強度を高める場合には、金属板等を用いることもできる。
支持体の配置方法は特には限定されないが、導電性の電極基体9の表面には対極の作用部分として触媒活性層10が形成されるため、支持体は該触媒活性層が担持されない部分、特に電極基体9の裏面に配置することが好ましい。また、支持体表面に導電性材料の粉末やフィラーを埋め込む等の方法で担持することにより、導電性の電極基体と支持体を一体化することもできる。
支持体の厚さは、対極の形状や使用条件により異なるため特に限定はされないが、例えばガラスやプラスチック等を用いた場合では、実使用時の耐久性を考慮して1mm〜1cm程度であり、フレキシブル性が必要とされ、プラスチックフィルム等を使用した場合は、25μm〜1mm程度である。また、必要に応じて耐候性を高めるハードコートなどの処理や、フィルム添付処理を用いても構わない。また、金属材料を支持体にした場合には、10μm〜1cm程度である。
導電性の電極基体9の形態や厚みについては、電極として用いる際の形状や使用条件、また、用いる材料により導電性が異なるため特には限定されず、任意の形態を選択することができる。例えば、上記支持体を用いることで実用上の強度が保持される場合、電極として使用する上で必要な電導度が確保できていれば、100nm程度の厚みでも構わない。また、支持体を用いず、導電性の電極基体9のみにて強度を確保する場合は、1mm程度以上の厚さが好ましい。
また、必要とされる導電性は、使用する電極の面積により異なり、大面積電極ほど低抵抗であることが求められるが、一般的に100Ω/□以下、好ましくは5Ω/□以下、より好ましくは1Ω/□以下である。100Ω/□を超えると太陽電池の内部抵抗が増大するため、好ましくない。
<触媒活性層>
導電性の電極基体9の表面に担持された触媒活性層10は、電解質層7中に含まれる酸化還元対として含まれるハロゲン化物やポリピリジルコバルト錯体の酸化体を還元体に十分な速度で還元することができれば、具体的には三ヨウ化物アニオン(I )をヨウ化物アニオン(I)に、もしくは三臭化物アニオン(Br )を臭化物アニオン(Br)に、ポリピリジルコバルト錯体の場合は3価のコバルト金属イオンを2価に、それぞれ還元することができれば特に限定はされず、既知の物質が使用できるが、例えば、遷移金属、導電性高分子材料、又は炭素材料等を好適に用いることができる。
その形状は、用いる触媒の種類により異なるため特には限定されない。上述の触媒材料のうち少なくとも1種類以上からなる触媒材料を、電極基体9の表面に設けて形成することができる。あるいは電極基体9を構成する材料の中へ上記触媒材料を組み込むことも可能である。
触媒となる遷移金属としては、白金やパラジウム、ルテニウム、ロジウム等が好適に利用でき、また、それらを合金としても構わない。それらの中でも特に白金、もしくは白金合金が好適である。遷移金属の導電性基体上への担持方法としては既知の方法により作製できる。例えば、スパッタや蒸着、電析により直接形成する方法や、塩化白金酸等の前駆体を熱分解する方法等を用いることができる。
導電性高分子のモノマーとして、ピロール、アニリン、チオフェン、及びそれらの誘導体の中から、少なくとも1種類以上のモノマーを重合してなる導電性高分子を触媒として使用することができる。特に、ポリアニリンやポリ(エチレンジオキシチオフェン)であることが望ましい。導電性高分子の電極基体9の担持方法としては、既知の方法を用いることができる。例えば、前記導電性基体を、前記モノマーを含有する溶液中に浸漬して電気化学的に重合する方法や、Fe(III)イオンや過硫酸アンモニウム等の酸化剤と前記モノマーを含む溶液とを、該電極基体上で反応させる化学重合法、導電性高分子を溶融状態もしくは溶解させた溶液から成膜する方法、また、導電性高分子の粒体をペースト状、もしくはエマルジョン状、もしくは高分子溶液及びバインダーを含む混合物形態に処理した後に、該電極基体上へスクリーン印刷、スプレー塗布、刷毛塗り等により形成させる方法が挙げられる。
また、炭素材料としては特に制限されず、酸化還元対の酸化体を還元する触媒能を有する、従来公知の炭素材料を使用することができるが、中でもカーボンナノチューブやカーボンブラック、活性炭等が望ましい。炭素材料の導電性基体への担持方法としては、フッ素系のバインダー等を用いたペーストを塗布・乾燥する方法等、既知の方法を用いることができる。
半導体電極6と対極8の間には電解液が充填されて電解質層7が形成され、周縁シール部12によって封止されている。
<スペーサー>
スペーサー11は、半導体電極と対極が接触して短絡することのないように電極間距離を制御・固定するものであり、電解液、または熱・光などにより劣化しない材質であれば特には限定されず既知の材料を任意の形状で用いることができる。材質としては例えば、ガラスやセラミック材料、フッ素系樹脂や光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂などが挙げられる。また、周辺シール部12中に、微小なガラスやセラミック材料などを混合するなどの方法で周辺シール部がスペーサーを兼ねることもできる。
周辺シール部は、本発明の電解液が漏洩しないよう、半導体電極と対極を貼合せて封止するものであり、電解液、または熱・光などにより劣化しない材質であれば特に制限されない。熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂、金属、ゴム等を例示することができる。
次に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は本実施例により何ら制限されるものではない。
(実施例1)
以下のようにして電解液の調製および色素増感太陽電池の作製を行った。
<電解液の調製>
1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムヨウ化物(表中、「MPImI」と略記する。)0.7mol/L、ヨウ素(表中、「I」と略記する。)0.05mol/L、2,4,6−トリメチルボロキシン0.1mol/Lの割合で、エチルイソプロピルスルホンに溶解して電解液を調製した。
<多孔質金属酸化物半導体層の形成>
透明導電膜付きの透明基体としてFTOガラス(日本板ガラス製25mm×50mm)を用い、その表面に酸化チタンペースト(日揮触媒化成工業株式会社製チタニアペースト PST−18NR)を、スクリーン印刷による印刷工程と90℃30分の乾燥工程とを3回繰り返して重ね塗りした後、大気雰囲気下500℃で60分間焼成することで15μm前後の厚さの多孔質酸化チタン層を形成させた。さらに、前記多孔質酸化チタン層の上に、酸化チタンペースト(日揮触媒化成工業株式会社製チタニアペースト PST−400C)をスクリーン印刷で重ね塗りした後、同様に焼成を行なって、20μm前後の厚さとした多孔質金属酸化物半導体層を完成させ、多孔質酸化チタン半導体電極とした。
<増感色素の吸着>
増感色素として、一般にN719dyeと呼ばれるビス(4−カルボキシ−4’−テトラブチルアンモニウムカルボキシ−2,2’−ビピリジン)ジイソチオシアネートルテニウム錯体(Solaronix社製)を使用した。80℃にした前記多孔質酸化チタン半導体電極を、色素濃度0.5mmol/Lのアセトニトリル・t−ブチルアルコール(1:1)混合溶液中でゆっくりと振盪させながら遮光下48時間浸漬させた。その後脱水アセトニトリルにて余分な色素を洗浄してから風乾することで、太陽電池の光電極(アノード電極)として完成させた。
<対極>
対極として、アンカー層として、スパッタ法によりガラス基板上にTi(膜厚50nm)を成膜したのち、該Ti層上にスパッタ法によりPt(膜厚50nm)を成膜させた白金対極(ジオマテック製)を使用した。
<太陽電池セルの組み立て>
前記のように作製した光電極と、電気ドリルで0.6mmφの電解液注入孔を2個設けた対極を対向するよう設置し、両電極間に、スペーサー兼ガスケットとして厚み50μmのFEP樹脂シートと、スペーサーの外周に熱可塑性シート(Dupont製 bynel、膜厚50μm)を重ならないように挟み、熱圧着する事により両電極を接着した。次に、前記のように作製した電解液を電解液注入孔から毛管現象にて両電極間に含浸させ、電解液注入孔上に可塑性シートを挟んで1mm厚のガラス板を置き、再度加熱圧着することで封止を実施し、太陽電池素子を作製した。
(実施例2)
2,4,6−トリメチルボロキシンに代えて2,4,6−トリフェニルボロキシンを用いて電解液を調製した以外は実施例1と同様にして太陽電池セルを作製した。
(実施例3)
2,4,6−トリメチルボロキシンに代えて2,4,6−トリプロピオニトリルボロキシンを用いて電解液を調製した以外は実施例1と同様にして太陽電池セルを作製した。
(実施例4)
ドナー化合物として0.5mol/Lの4−t−ブチルピリジンも含有すること以外は実施例1と同様に電解液を調製し、太陽電池セルを作製した。
(実施例5〜10)
表2に示した通り電解液組成を変えて実施例1と同様に太陽電池セルを作製した。なお、表1中、EiPSはエチルイソプロピルスルホン、EMSはエチルメチルスルホン、GBLはγ−ブチロラクトンを示す。
(実施例8)
<電解液の調製>
1.0mol/Lのスピロ−(1,1’)−ビピロリジニウムテトラフルオロボレート(表中、「SBP−BF」と略記する。)、トリス(2,2’−ビピリジン)コバルトビス(テトラフルオロボレート)錯体(表中、「Co(bpy)(BF」と略記する。)0.22mol/L、トリス(2,2’−ビピリジン)コバルトトリス(テトラフルオロボレート)錯体(表中、「Co(bpy)(BF」と略記する。)0.033mol/L、2,4,6−トリメチルボロキシン0.1mol/Lの割合で、エチルイソプロピルスルホンに溶解して電解液を調製した。
<セルの組立て>
増感色素の吸着工程において、増感色素として、三菱製紙製D149色素を使用し、80℃にした前記多孔質酸化チタン半導体電極を、色素濃度0.5mmol/Lのアセトニトリル・t−ブチルアルコール(1:1)混合溶液中でゆっくりと振盪させながら遮光下15時間浸漬させ、その後脱水アセトニトリルにて余分な色素を洗浄してから風乾することで太陽電池の光電極(アノード電極)として完成させた以外は実施例1と同様にセルの組立てを行なった。
(比較例1〜6)
比較として環状ホウ酸エステル化合物を使用せず、表3に示した組成の電解液を調製し、実施例1と同様に太陽電池セルを作製した。
(試験1)
<太陽電池セルの光電変換特性の測定>
実施例1〜8および比較例1〜4で作製した色素増感太陽電池に対し、25℃にて、5mm角の窓をつけた光照射面積規定用マスクを装着させた上で、分光計器製ソーラシュミレータを用い、光量100mW/cm、AM1.5の条件で光源の照射強度を調整した擬似太陽光を照射しながら、エーディーシー製直流電圧電流発生装置を用いて開放電圧(以下、「Voc」と略記する。)、短絡電流密度(以下、「Jsc」と略記する。)、形状因子(以下、「FF」と略記する。)、及び光電変換効率を評価した。「Voc」、「Jsc」、「FF」及び光電変換効率(以下、「Eff」と略記する。)の各測定値については、より大きい値が太陽電池セルの性能として好ましいことを表す。結果を表1、2、3に示す。
Figure 2014192111
Figure 2014192111
*実施例9:電解液粘度 2.8mPa・s(環状ホウ酸エステル化合物を添加前)
*実施例10:電解液粘度 3.5mPa・s(環状ホウ酸エステル化合物を添加前)
Figure 2014192111
*比較例5:電解液粘度 2.8mPa・s
*比較例6:電解液粘度 3.5mPa・s
実施例1〜10の電解液では、比較例と比べて、種々の環状ホウ酸エステル化合物を各種の溶媒に添加することにより、高いJsc、ひいては高い変換効率を得ることができることが示された。また、実施例4では、高ドナー性の化合物と併用することで、さらに変換効率が向上していることが示された。
実施例8は、酸化還元対としてポリピリジルコバルト錯体を用いた場合であるが、この系においても環状ホウ酸エステル化合物の添加により公知(特開2013−020789号)の同じ系の太陽電池と比較し特性が向上していることが示された。
(試験2)
<太陽電池セルの耐久性の評価>
試験1にて用いたセルのうち、高い耐久性を有する溶媒を用いて作製された実施例1〜8、および比較例1〜4に対して、暗中85℃1500時間の耐熱性試験を実施し、試験後室温に戻した状態での変換効率を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2014192111
本発明の環状ホウ酸エステル化合物を用いたものは、耐熱試験後における変換効率の減少が生じず、高耐久性であることが示された。
本発明の添加剤は、高い耐久性を有し、短絡電流密度を向上させる効果がある添加剤であるため、色素増感太陽電池用の電解液として好適に利用可能である。
1 電極基体
2 透明基体
3 透明導電膜
4 多孔質金属酸化物半導体層
5 増感色素層
6 半導体電極
7 電解質層
8 対極
9 電極基体
10 触媒活性層
11 スペーサー
12 周縁シール部

Claims (11)

  1. 酸化還元性の電解質が少なくとも溶媒中に含有されてなる色素増感太陽電池用電解液において、下記一般式(1)で表される環状ホウ酸エステル化合物が添加されてなることを特徴とする色素増感太陽電池用電解液。
    Figure 2014192111
    (一般式(1)中、R〜Rは独立して、ハロゲン原子、ニトリル基、アルコキシ基から選ばれる置換基を有していても良い炭素数1〜20のアルキル基、またはハロゲン原子、ニトリル基、アルコキシ基から選ばれる置換基を有していても良いフェニル基を表す。)
  2. 一般式(1)中、R〜Rが全て、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、フェニル基およびプロピオニトリル基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基であることを特徴とする請求項1に記載の色素増感太陽電池用電解液。
  3. 環状ホウ酸エステル化合物の濃度が、0.01〜5.0mol/Lであることを特徴とする請求項1又は2に記載の色素増感太陽電池用電解液。
  4. さらにドナー数が25以上であるドナー化合物を含有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の色素増感太陽電池用電解液。
  5. ドナー化合物が、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピロリジン、ピペリジン、ヒドラジン、ピロリドン、スルホキシド、アミド、尿素の各化合物及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項4に記載の色素増感太陽電池用電解液。
  6. 溶媒が、ニトリル、ラクトン、環状カーボネート、ポリオール類、エーテル化合物、環状スルホン、下記一般式(2)で表される鎖状スルホンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の色素増感太陽電池用電解液。
    Figure 2014192111
    (一般式(2)中、R、Rは独立して、ハロゲン原子、アルコキシ基から選ばれる置換基を有していても良い炭素数1〜12のアルキル基、又は、ハロゲン原子、アルコキシ基から選ばれる置換基を有していても良いフェニル基を表す。)
  7. 酸化還元性の電解質が、ハロゲンアニオンを対イオンとするハロゲン化合物およびハロゲン分子とを含有する電解質であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の色素増感太陽電池用電解液。
  8. 前記ハロゲン化合物がヨウ化物又は臭化物で、ハロゲン分子がヨウ素又は臭素である請求項7に記載の色素増感太陽電池用電解液。
  9. 酸化還元性の電解質が、コバルト−ポリピリジル錯体を含有する電解質であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の色素増感太陽電池用電解液。
  10. 導電層上に多孔質の金属酸化物半導体層を形成し、該金属酸化物半導体層に光増感作用を有する色素を吸着させてなる光電極と、前記光電極に対向配置される対極、及び前記光電極と対極間に形成され、電解液を含む電解質層とを有する色素増感太陽電池であって、前記電解液が請求項1から9のいずれか1つに記載の色素増感太陽電池用電解液であることを特徴とする色素増感太陽電池。
  11. 下記一般式(1)で表される環状ホウ酸エステル化合物と、有機溶媒と、酸化還元性の電解質と、を少なくとも含有する色素増感太陽電池用電解液を半導体電極と対極の間に充填し封止することを特徴とする色素増感太陽電池の製造方法。
    Figure 2014192111
    (一般式(1)中、R〜Rは独立して、ハロゲン原子、ニトリル基、アルコキシ基から選ばれる置換基を有していても良い炭素数1〜20のアルキル基、またはハロゲン原子、ニトリル基、アルコキシ基から選ばれる置換基を有していても良いフェニル基を表す。)
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