JP2013054879A - 色素増感太陽電池用電解液およびそれを用いた色素増感太陽電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ドナー数25以上、大気下での沸点が200℃以上であり、かつ、塩基性添加剤を色素増感太陽電池用電解液に加えることで、加えないものに対し、色素増感太陽電池用電解液中の室温におけるヨウ素アニオン(I−)の3ヨウ素アニオン(I3 −)への酸化反応に伴う限界拡散電流値を1%以上増大できる含窒素複素環化合物を含有することを特徴とする色素増感太陽電池用電解液およびそれを用いた色素増感太陽電池。
【選択図】図1
Description
同様に、特許文献6〜9における添加剤についても全てアセトニトリルで評価されており、上述のように、高沸点溶媒を用いた場合の影響を推測することは困難である。
該特許明細書段落0016には、電解液粘度を極力上げることのないよう、分子サイズの極力小さな塩基性化合物を添加することが好ましいとの記載があり、さらに、かかる塩基性化合物として、置換基を持たない、したがって分子サイズの小さな環状塩基を用いるとされ、具体的には5員環ではイミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、6員環としてピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジンが挙げられている。また、該特許明細書段落0019には、ほぼ同一の分子量であるピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、ピリジンの沸点は大きく異なっていること、そして沸点の高いものを用いることが好ましいとある。
該特許文献に記載されているように、添加剤の分子サイズが小さい方が、電解液粘度が低くなることは一般的にも想定しうる。しかしながら、ピラゾールやイミダゾールがピリジンとほぼ同一分子量、すなわちほぼ同一の分子サイズでありながらこれらの化合物で沸点が異なっているように、主構造が異なるものはそもそも沸点や粘度等の物性も異なるため、分子サイズで比較が可能なのは、あくまで同じ主構造を有するもの同士を、同一もしくはよく類似した構造の溶媒において比較した場合のみである。該特許文献においても、低沸点・低粘度のメトキシプロピオニトリルにて評価した添加剤の開示であり、高沸点溶媒おいての検討は全く行なわれておらず、高沸点の有機溶媒に適した添加剤を判別することはできない。また、該特許文献ではイオン液体電解液に対しての添加剤の効果も比較しているが、イオン液体系電解液と有機溶媒系電解液とは、ヨウ素レドックスのキャリア輸送のメカニズムが異なっており、イオン液体系電解液における結果からも高沸点の有機溶媒に適した添加剤を判別することはできない。
さらに、電流値の課題だけはなく、溶媒によってそもそもの開放電圧が異なってくることから、いずれの添加剤をどの濃度で用いれば、使用する高沸点溶媒の中で効果的に開放電圧を向上することができるのか不明である。
したがって、実際に電解液を調製し、太陽電池を組むことで初めて、その組成の電解液の特性の良し悪しを評価することができるようになるため、従来用いられているニトリル系電解液を中心にした前記先行技術文献をもとにしても、何ら優れた電解液が得られるわけでなかった。
塩基性添加剤が、ドナー数が25以上、大気下での沸点が200℃以上であり、かつ、塩基性添加剤を色素増感太陽電池用電解液に加えることで、加えないものに対し、色素増感太陽電池用電解液中の室温におけるヨウ素アニオン(I−)の3ヨウ素アニオン(I3 −)への酸化反応に伴う限界拡散電流値を1%以上増大できる含窒素複素環化合物であることを特徴とする色素増感太陽電池用電解液である。
前記電解液が第一から第五の発明のいずれかに記載の色素増感太陽電池用電解液であることを特徴とする色素増感太陽電池である。
本発明の電解液には、酸化還元性の電解質、すなわち酸化還元対が含有されている。具体的には、ヨウ化物アニオンとヨウ素との組合せであり上記のヨウ化物アニオンを対イオンとするヨウ化物塩とヨウ素を電解液溶媒に含有させることで調製できる。ヨウ化物塩を構成するカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム等の金属カチオンが例示できるが、本発明に用いる鎖状スルホンは、金属カチオンを用いると電解液の粘度上昇が大きくて良好な特性が得難い上、耐久性の低下を招く事例があることから、より好適なカチオンとしては、イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ピラゾリウム等のオニウムカチオンが挙げられる。特に、イミダゾリウム系や、スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウムなどのスピロ型第4級アンモニウムを好適に利用することができる。これらの1種または2種以上を混合して用いることもできる。
溶媒として用いる鎖状スルホンは下記一般式(1)で表される化合物である。
また、本発明の電解液には、ドナー数が25以上、大気下での沸点が200℃以上であり、かつ、塩基性添加剤を色素増感太陽電池用電解液に加えることで、加えないものに対し、色素増感太陽電池用電解液中の室温におけるヨウ素アニオン(I−)の3ヨウ素アニオン(I3 −)への酸化反応に伴う限界拡散電流値を1%以上増大できる含窒素複素環化合物からなる塩基性添加剤を含有させることを特徴としている。
さらに、アルキル基が2位および/または4位に置換されたイミダゾール、または、アルキル基が3位〜5位のいずれかに置換されたピラゾールであることが望ましい。
また、本発明においては、特許文献6とは異なり、置換基としてアミノ基を有さないことが望ましい。本発明においては、アミノ基を含有すると抵抗の増大により、短絡電流値の低下やffの低下が起きるため、優れた特性を得ることはできない。
また、本発明の電解液はポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン等のポリマーや低分子のゲル化剤などを溶媒中に添加する方法や、エチレン性不飽和基を有した多官能性モノマーを溶媒中で重合させる等の方法でこれらの溶媒をゲル化することで、電解質層7をゲル電解質として形成しても構わない。溶媒をゲル化させるためのポリマーはイオン性を有していても構わないが、電解質の移動を妨げる場合にはイオン性を有さないことが望ましい。
図1に本発明の色素増感太陽電池の構成の一例を示す。図1中、1は電極基体、2は透明基体、3は透明導電膜、4は多孔質金属酸化物半導体層、5は増感色素層、6は半導体電極、7は本発明の電解液を含む電解質層、8は対極、9は電極基体、10は触媒活性層、11はスペーサー、12は周縁シール部をそれぞれ示す。
電極基体1を構成する透明基体2は、可視光を透過するものが使用でき、透明なガラスが好適に利用できる。また、ガラス表面を加工して入射光を散乱させるようにしたもの、半透明なすりガラス状のものも使用できる。また、ガラスに限らず、光を透過するものであればプラスチック板やプラスチックフィルム等も使用できる。
透明導電膜3としては、可視光を透過して、かつ導電性を有するものが使用でき、このような材料としては、例えば金属酸化物が挙げられる。特に限定はされないが、例えばフッ素をドープした酸化スズ(以下、「FTO」と略記する。)や、酸化インジウム、ITO、アンチモンをドープした酸化スズ(以下、「ATO」と略記する。)、酸化亜鉛等が好適に用いることができる。
多孔質金属酸化物半導体4としては、従来公知のものが使用できる。即ち、Ti、Nb、Zn、Sn、Zr、Y、La、Taなどの遷移金属の酸化物の他、SrTiO3、CaTiO3などのペロブスカイト系酸化物などが挙げられる。特に限定はされないが、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ等が挙げられ、特に二酸化チタン、さらにはアナターゼ型二酸化チタンが好適である。
増感色素層5としては、太陽光により励起されて前記金属酸化物半導体層4に電子注入できるものであればよく、一般的に色素増感太陽電池に用いられている色素を用いることができるが、変換効率を向上させるためには、その吸収スペクトルが太陽光スペクトルと広波長域で重なっていて、耐光性が高いことが望ましい。
半導体電極6に対向して、カソード電極である対極8が電解質層7およびスペーサー11を介して配置される。
太陽電池の内部抵抗を小さくするため対極の基体9は電気伝導度が高いことが望ましい。また、上記のように本発明では電解質中に酸化還元対としてハロゲン分子およびハロゲン化物を用いているため、該導電性の電極基体9には電解液に対する耐蝕性が高いことが望ましい。
導電性の電極基体9の表面に担持された触媒活性層10は、電解質層7中に含まれる酸化還元対として含まれるハロゲン化物の酸化体を還元体に十分な速度で還元することができれば、具体的には三ヨウ化物アニオン(I3 −)をヨウ化物アニオン(I−)に、還元することができれば特に限定はされず、既知の物質が使用できるが、例えば、遷移金属、導電性高分子材料、又は炭素材料等を好適に用いることができる。
その形状は、用いる触媒の種類により異なるため特には限定されない。上述の触媒材料のうち少なくとも1種類以上からなる触媒材料を、電極基体9の表面に設けて形成することができる。あるいは電極基体9を構成する材料の中へ上記触媒材料を組み込むことも可能である。
スペーサー11は、半導体電極と対極が接触して短絡することのないように電極間距離を制御・固定するものであり、電解液、または熱・光などにより劣化しない材質であれば特には限定されず既知の材料を任意の形状で用いることができる。材質としては例えば、ガラスやセラミック材料、フッ素系樹脂や光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂などが挙げられる。また、周辺シール部12中に、微小なガラスやセラミック材料などを混合するなどの方法で周辺シール部がスペーサーを兼ねることもできる。
以下のようにして電解液の調製および色素増感太陽電池の作製を行った。
1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムヨウ化物0.7mol/l、ヨウ素0.05mol/l、塩基性添加剤として2−メチルイミダゾール0.5mol/lの割合で、エチルイソプロピルスルホンに溶解して電解液を調製した。
調製した電解液に作用極としてφ10μmの白金電極、対極として白金ワイヤー、参照電極として銀・銀イオン電極を入れ、室温・アルゴン雰囲気下、掃引速度 2mV/sにてリニアスイープボルタンメトリーを行なった。測定開始電位を電解液の自然電位とし、そこから酸化側に掃引することで、ヨウ素アニオン(I−)の3ヨウ素アニオン(I3 −)への酸化電流を測定し、電位の掃引に伴う酸化電流の増加がなくなった電流値を限界拡散電流とした。
なお、該添加剤を添加することによって、添加しなかった場合の限界拡散電流値1.48×10−7Aと比較して、電流値が1%以上増大した場合を○、1%未満増大またはリファレンスより減少した場合を×として表1に示す。
本発明における検討に際し、ドナー数(以降、場合によりDNと表記)が既知の化合物については文献値をそのまま用いた。また、ヨウ素(I2)のI原子間結合距離が、ヨウ素を溶解させた溶媒のドナー性によって変化する、すなわちヨウ素の吸収波長が変化することを利用してドナー数を間接的に算出する方法が知られている。そこで、ジクロロエタン(DN 0)、アセトニトリル(DN 14.1)、ピリジン(DN 33.1)をリファレンス溶媒としてそれぞれにヨウ素を溶解させた場合のヨウ素の吸収波長ピークとドナー数との関係から求めた検量線を作成しておき、既報の文献値がない塩基性添加剤のうち、室温で液体であるものについては、ヨウ素を溶解させて紫外可視吸収スペクトルからヨウ素の吸収ピーク波長を測定して、先ほどの検量線からドナー数を算出した。また、塩基性添加剤が室温で個体の場合には、まずアセトニトリルと混合させることで溶液にした上で、上記と同様にしてヨウ素の吸収スペクトルからアセトニトリル・塩基性添加剤混合溶液のドナー性を算出した。次いで、アセトニトリル・塩基性添加剤混合溶液のドナー数は、アセトニトリルおよび塩基性添加剤の混合割合(質量比)と各ドナー数の積に等しいとおくことで塩基性添加剤のドナー数を算出した。算出した結果を、ドナー数が25以上のものを○、25未満のものを×として表1に示す。
透明導電膜付きの透明基体としてFTOガラス(日本板ガラス製25mm×50mm)を用い、その表面に酸化チタンペースト(日揮触媒化成工業株式会社製チタニアペースト PST−18NR)を、スクリーン印刷による印刷工程と90℃30分の乾燥工程とを3回繰り返して重ね塗りした後、大気雰囲気下500℃で60分間焼成することで15μm前後の厚さの多孔質酸化チタン層を形成させた。さらに、前記多孔質酸化チタン層の上に、酸化チタンペースト(日揮触媒化成工業株式会社製チタニアペースト PST−400C)をスクリーン印刷で重ね塗りした後、同様に焼成を行なって、20μm前後の厚さとした多孔質金属酸化物半導体層を完成させ、多孔質酸化チタン半導体電極とした。
増感色素として、一般にN719dyeと呼ばれるビス(4−カルボキシ−4’−テトラブチルアンモニウムカルボキシ−2,2’−ビピリジン)ジイソチオシアネートルテニウム錯体(Solaronix社製)を使用した。80℃にした前記多孔質酸化チタン半導体電極を、色素濃度0.5mmol/Lのアセトニトリル・t−ブチルアルコール(1:1)混合溶液中でゆっくりと振盪させながら遮光下48時間浸漬させた。その後脱水アセトニトリルにて余分な色素を洗浄してから風乾することで、太陽電池の光電極(アノード電極)として完成させた。
対極として、アンカー層として、スパッタ法によりガラス基板上にTi(膜厚50nm)を成膜したのち、該Ti層上にスパッタ法によりPt(膜厚50nm)を成膜させた白金対極(ジオマテック製)を使用した。
前記のように作製した光電極と、電気ドリルで0.6mmφの電解液注入孔を2個設けた対極を対向するよう設置し、両電極間に、スペーサーとして厚み50μmのFEP樹脂シートと、スペーサーの外周に熱可塑性シート(Dupont製 bynel、膜厚50μm)を重ならないように挟み、熱圧着する事により両電極を接着した。次に、前記のように作製した電解液を電解液注入孔から毛管現象にて両電極間に含浸させ、電解液注入孔上に可塑性シートを挟んで1mm厚のガラス板を置き、再度加熱圧着することで封止を実施し、太陽電池素子を作製した。
2−メチルイミダゾールに代えて4−メチルイミダゾールを用いて電解液を調製した以外は実施例1と同様にして太陽電池セルを作製した。
2−メチルイミダゾールに代えて3−メチルピラゾールを用いて電解液を調製した以外は実施例1と同様にして太陽電池セルを作製した。
2−メチルイミダゾールに代えて3,5−ジメチルピラゾールを用いて電解液を調製した以外は実施例1と同様にして太陽電池セルを作製した。
2−メチルイミダゾールに代えて1,2,4−トリアゾールを用いて電解液を調製した以外は実施例1と同様にして太陽電池セルを作製した。
2−メチルイミダゾールに代えてN−メチルピロリドンを用いて電解液を調製した以外は実施例1と同様にして太陽電池セルを作製した。
2−メチルイミダゾールを含まないこと以外は実施例1と同様に電解液を調製し、太陽電池セルを作製した。
2−メチルイミダゾールに代えてイミダゾールを用いて電解液を調製した以外は実施例1と同様にして太陽電池セルを作製した。
2−メチルイミダゾールに代えて1−メチルイミダゾールを用いて電解液を調製した以外は実施例1と同様にして太陽電池セルを作製した。
2−メチルイミダゾールに代えてイソプロピルイミダゾールを用いて電解液を調製した以外は実施例1と同様にして太陽電池セルを作製した。
2−メチルイミダゾールに代えてN−メチルベンズイミダゾールを用いて電解液を調製した以外は実施例1と同様にして太陽電池セルを作製した。
2−メチルイミダゾールに代えてベンゾイミダゾールを用いて電解液を調製した以外は実施例1と同様にして太陽電池セルを作製した。
2−メチルイミダゾールに代えてピラゾールを用いて電解液を調製した以外は実施例1と同様にして太陽電池セルを作製した。
2−メチルイミダゾールに代えて1−メチルピラゾールを用いて電解液を調製した以外は実施例1と同様にして太陽電池セルを作製した。
2−メチルイミダゾールに代えてジイソプロピルピラゾールを用いて電解液を調製した以外は実施例1と同様にして太陽電池セルを作製した。
2−メチルイミダゾールに代えてアミノジメチルピラゾールを用いて電解液を調製した以外は実施例1と同様にして太陽電池セルを作製した。
2−メチルイミダゾールに代えてアミノ−t−ブチルピラゾールを用いて電解液を調製した以外は実施例1と同様にして太陽電池セルを作製した。
2−メチルイミダゾールに代えて3−アミノ−1,2,4−トリアゾールを用いて電解液を調製した以外は実施例1と同様にして太陽電池セルを作製した。
2−メチルイミダゾールに代えてピリジンを用いて電解液を調製した以外は実施例1と同様にして太陽電池セルを作製した。
2−メチルイミダゾールに代えてt−ブチルピリジンを用いて電解液を調製した以外は実施例1と同様にして太陽電池セルを作製した。
2−メチルイミダゾールに代えてジ−t−ブチルピリジンを用いて電解液を調製した以外は実施例1と同様にして太陽電池セルを作製した。
2−メチルイミダゾールに代えてN,N−ジメチルアセトアミドを用いて電解液を調製した以外は実施例1と同様にして太陽電池セルを作製した。
2−メチルイミダゾールに代えてジメチルイミダゾリジノンを用いて電解液を調製した以外は実施例1と同様にして太陽電池セルを作製した。
2−メチルイミダゾールに代えてアジポニトリルを用いて電解液を調製した以外は実施例1と同様にして太陽電池セルを作製した。
2−メチルイミダゾールに代えてジメチルスルホキシド(「DMSO」と略記する。)を用いて電解液を調製した以外は実施例1と同様にして太陽電池セルを作製した。
2−メチルイミダゾールに代えてN−オクチルピロールを用いて電解液を調製した以外は実施例1と同様にして太陽電池セルを作製した。
2−メチルイミダゾールに代えてN−メチルピロリジンを用いて電解液を調製した以外は実施例1と同様にして太陽電池セルを作製した。
2−メチルイミダゾールに代えてピリミジンを用いて電解液を調製した以外は実施例1と同様にして太陽電池セルを作製した。
2−メチルイミダゾールに代えて4−アミノピペリジンを用いて電解液を調製した以外は実施例1と同様にして太陽電池セルを作製した。
2−メチルイミダゾールに代えてピロリドンを用いて電解液を調製した以外は実施例1と同様にして太陽電池セルを作製した。
2−メチルイミダゾールに代えてトリヘキシルアミンを用いて電解液を調製した以外は実施例1と同様にして太陽電池セルを作製した。
<太陽電池セルの光電変換特性の測定>
実施例1〜6および比較例1〜25で作製した色素増感太陽電池に対し、25℃にて、5mm角の窓をつけた光照射面積規定用マスクを装着させた上で、分光計器製ソーラシュミレータを用い、光量100mW/cm2、AM1.5の条件で光源の照射強度を調整した擬似太陽光を照射しながら、エーディーシー製直流電圧電流発生装置を用いて電流電圧曲線(I−Vカーブ)を計測し、光電変換効率を算出・評価した。開放電圧が向上しなかった場合を、「Vo向上せず」とした。光電変換効率(以下、「Eff」と略記する。)の測定値については、より大きい値が太陽電池セルの性能として好ましいことを表す。なお、変換効率は3.8%以上であることが好ましく挙げられる。結果を表1に示す。
また、合わせて各添加剤が含窒素複素環、含窒素5員環、沸点が200度以上にそれぞれ該当する場合には○とし、該当しない場合には×として表記した。
<太陽電池セルの耐久性の評価>
試験1にて用いたセルのうち、塩基性添加剤の添加に伴い変換効率の向上が図れた実施例および比較例に対して、暗中85℃1000時間の耐熱性試験を実施し、試験後室温に戻した状態での変換効率を測定して初期の変換効率の維持率を算出した。その結果、維持率85%以上のものを○、85%未満のものを×として表2に示す。
比較例3、24では、含窒素5員環化合物であり、置換基の炭素数も2以下ではあるが、ヨウ素アニオンの限界拡散電流値が向上しなかった例であり、この場合添加剤によって比較例1よりも変換効率が低下してしまうことが示された。
比較例4〜6および比較例9、15、22では、5員環構造ではない含窒素複素環化合物、または主構造が5員環含窒素複素環化合物であっても置換基の炭素数が大きい例を示しており、これらの電解液ではヨウ素アニオンの限界拡散電流値が小さく、塩基性添加剤によって太陽電池セルの特性が下がってしまう。
比較例13、14は、添加剤が含窒素複素環化合物で、かつヨウ素アニオンの限界拡散電流値が向上する電解液であり、比較例1の添加剤なしの電解液よりも変換効率が向上しているものの、該塩基性添加剤の沸点が200℃未満であるため、試験2の耐久性試験では十分な耐久性が得られないことが示された。
比較例2、7、8、21の電解液では、含窒素複素環、特に5員環構造を有し、アルキル置換基の炭素数も2以下で、かつヨウ素アニオンの限界拡散電流値が大きい例を示しており、いずれも比較例1の添加剤なしの電解液よりも高い変換効率を示すことがわかる。しかしながら、これら添加剤の沸点はいずれも200℃未満であり、試験2の耐久性試験の結果はいずれも十分な耐久性が得られないことが示された。
比較例10〜12、23では、いずれも含窒素複素環であるが置換基としてアミノ基を有しており、その結果限界拡散電流値が減少して比較例1の添加剤がない場合よりも特性が低下することが示された。
比較例25は含窒素複素環ではない高ドナー性の化合物を塩基性添加剤として用いた電解液で、ヨウ素アニオンの限界拡散電流値が向上しなかった例であり、この電解液は変換効率の向上は認められなかった。
比較例16、19は含窒素複素環ではない高ドナー性の化合物を塩基性添加剤として用いた電解液であり、限界拡散電流も向上して変換効率の向上も認められるが、沸点が200℃以下であり、試験2では十分な耐久性が得られなかったことが示された。
2 透明基体
3 透明導電膜
4 多孔質金属酸化物半導体層
5 増感色素層
6 半導体電極
7 電解質層
8 対極
9 電極基体
10 触媒活性層
11 スペーサー
12 周縁シール部
Claims (6)
- 酸化還元性の電解質としてヨウ素アニオンを対イオンとするヨウ化物塩およびヨウ素分子と、溶媒として下記一般式(1)で表される鎖状スルホンと、塩基性添加剤と、を少なくとも含有する色素増感太陽電池用電解液であって、
塩基性添加剤が、ドナー数が25以上、大気下での沸点が200℃以上であり、かつ、塩基性添加剤を色素増感太陽電池用電解液に加えることで、加えないものに対し、色素増感太陽電池用電解液中の室温におけるヨウ素アニオン(I−)の3ヨウ素アニオン(I3 −)への酸化反応に伴う限界拡散電流値を1%以上増大できる含窒素複素環化合物であることを特徴とする色素増感太陽電池用電解液。
- 塩基性添加剤が、含窒素5員環化合物であることを特徴とする請求項1に記載の色素増感太陽電池用電解液。
- 塩基性添加剤が、合計炭素数が1または2であるアルキル基を置換基として有すること特徴とする請求項1または2に記載の色素増感太陽電池用電解液。
- 塩基性添加剤が、アルキル基が2位および/または4位に置換されたイミダゾール、アルキル基が3位〜5位のいずれかに置換されたピラゾールであること特徴とする請求項3に記載の色素増感太陽電池用電解液。
- 塩基性添加剤が、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、3−メチルピラゾール、4−メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、1,2,4−トリアゾール、N−メチルピロリドンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の色素増感太陽電池用電解液。
- 導電層上に多孔質の金属酸化物半導体層を形成し、該金属酸化物半導体層に光増感作用を有する色素を吸着させてなる光電極と、前記光電極に対向配置される対極、及び前記光電極と対極間に形成され、電解液を含む電解質層とを有する色素増感太陽電池であって、
前記電解液が請求項1から5のいずれかに記載の色素増感太陽電池用電解液であることを特徴とする色素増感太陽電池。
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