JP2014191200A - 光導波路 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の導波モードの光が導波可能とされた光導波路において、高次モードの光による問題が解消できるようにする。
【解決手段】下部クラッド層101の上に形成された第1コア102と、第1コア102を覆って下部クラッド層101の上に形成された上部クラッド層103とを備える。加えて、導波方向が変更される第1コア102の屈曲部111において、第1コア102に並列して部分的に配置された第2コア104を備える。第2コア104は、第1コア102に沿って伝搬する複数のモードの光のうち高次モードの光に対して影響を与える状態とされている。
【選択図】 図1A
【解決手段】下部クラッド層101の上に形成された第1コア102と、第1コア102を覆って下部クラッド層101の上に形成された上部クラッド層103とを備える。加えて、導波方向が変更される第1コア102の屈曲部111において、第1コア102に並列して部分的に配置された第2コア104を備える。第2コア104は、第1コア102に沿って伝搬する複数のモードの光のうち高次モードの光に対して影響を与える状態とされている。
【選択図】 図1A
Description
本発明は、複数の導波モードの光が導波可能とされている光導波路に関する。
近年、光回路の小型化をめざし、シリコン細線光導波路の研究開発が盛んに進められている。従来のシリコン細線光導波路の構成を図6A,図6Bに示す。この光導波路は、下部クラッド層601と、コア602と、上部クラッド層603とから構成されている。なお、図6Aは、平面図であり、図6Bは、導波方向に垂直な断面図である。また、図6Aでは、上部クラッド層603を省略して示している。
下部クラッド層601,上部クラッド層603は、例えば、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、窒化ケイ素、エポキシ系ポリマー、ポリイミド系ポリマーなどから構成され、コア602は、シリコンから構成されている。なお、図6A,図6Bでは、いわゆるチャンネル型光導波路を例示しているが、リブ型光導波路も用いられている。
このような光導波路では、偏向に伴う光の損失やモード変換を防止するために、コア断面は単一モード条件を実現する寸法としている。光導波路を伝搬する光の波長は、シリコンが透明であり、かつ光源が容易に入手できる、1200〜1700nmが良く用いられ、この波長の場合、チャンネル型光導波路のコア断面寸法は、幅450nm,高さ200nm程度が単一モード条件の上限値である(非特許文献1の図1.2参照)。また、このような、コア断面寸法が数百nmの微小シリコン光導波路においては、光導波路コア側壁凹凸による光散乱の影響が大きく、最新のシリコン加工技術を用いても伝搬損失が1.2dB/cm程度である(非特許文献1の図1.11参照)。
これに対し、光デバイスを構成するシリコンチップは、近年25mm角程度の大きさがあり、従って、このシリコンチップの中に複雑な光回路を形成する場合、光導波路の長さはチップの外周長程度となる100mm程度は必要となる。この場合、最新の加工技術による伝搬損失1.2dB/cmを仮定すると、伝搬損失は12dBとなり、光強度は約1/16に減衰することになる。
このような光導波路の伝搬損失を低減するためには、光導波路のコア幅を広くしてコア側壁の凹凸の影響を少なくすることが有効である(非特許文献1の図1.12参照)。また、非特許文献1によれば、コアの断面サイズが厚さ200nmの場合、コア幅440nmの単一モード光導波路に比べ、コア幅500nmの光導波路では伝搬損失はほぼ半減できることが示されている。
D. Lockwood, L. Pavesi (Eds.), "Silicon Photonic Wire Waveguides: Fundamentals and Applications" in "SiliconPhotonics II", Springer, 2011.
しかしながら、コアの幅が500nmなど単一モード光導波路に比較してコア幅が広い光導波路は、複数の導波モードの光が導波可能とされた多モード光導波路であり、偏向部や長距離伝搬する間に、わずかではあるが高次モードを励起する。この高次モード伝搬光は、基本モードと干渉し、光導波路の透過特性が波長で変化する問題が生じる。また、伝搬定数が、基本モードと異なるため、波長フィルターが正常に動作しないなどの問題がある。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、複数の導波モードの光が導波可能とされた光導波路において、高次モードの光による問題が解消できるようにすることを目的とする。
本発明に係る光導波路は、下部クラッド層の上に形成された第1コアと、第1コアを覆って下部クラッド層の上に形成された上部クラッド層と、導波方向が変更される第1コアの屈曲部において第1コアに並列して部分的に配置され、第1コアに沿って伝搬する複数のモードの光のうち高次モードの光に対して影響を与える第2コアとを備える。
上記光導波路において、第1コアは、例えばシリコンから構成されている。また、第2コアは、シリコンから構成されている。ここで、第2コアは、第1コアと同じ高さに形成されているとよい。
以上説明したように、本発明によれば、屈曲部において第1コアに並列して部分的に第2コアを配置するようにしたので、高次モードの励起が抑制され、複数の導波モードの光が導波可能とされた光導波路において、高次モードの光による問題が解消できるようになるというすぐれた効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
[実施の形態1]
はじめに、本発明の実施の形態1について図1A,図1Bを用いて説明する。図1Aは、本発明の実施の形態1における光導波路の構成を示す平面図であり、図1Bは、本発明の実施の形態1における光導波路の構成を示す断面図である。図1Bは、導波方向に垂直な断面を示している。
はじめに、本発明の実施の形態1について図1A,図1Bを用いて説明する。図1Aは、本発明の実施の形態1における光導波路の構成を示す平面図であり、図1Bは、本発明の実施の形態1における光導波路の構成を示す断面図である。図1Bは、導波方向に垂直な断面を示している。
この光導波路は、下部クラッド層101の上に形成された第1コア102と、第1コア102を覆って下部クラッド層101の上に形成された上部クラッド層103とを備える。加えて、導波方向が変更される第1コア102の屈曲部111において、第1コア102に並列して部分的に配置された第2コア104を備える。第2コア104は、第1コア102に沿って伝搬する複数のモードの光のうち高次モードの光に対して影響を与える状態とされている。ここで、第2コア104は、高次モードの光に対して影響を与えて高次モードの励振が抑制されるように配置する。実施の形態1では、屈曲部111は、導波方向を90°変更している。また、実施の形態1では、第1コア102から見て、屈曲部111における所定の曲率の円弧の中心側に、第2コア104が配置されている。
下部クラッド層101,上部クラッド層103は、例えば、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、窒化ケイ素、エポキシ系ポリマー、ポリイミド系ポリマーなどから構成されている。また、第1コア102および第2コア104は、例えば、シリコンから構成されている。例えば、よく知られたSOI(Silicon on Insulator)基板を用い、埋め込み酸化膜を下部クラッド層101とし、表面シリコン層をパターニングすることで第1コア102および第2コア104とすればよい。例えば、公知のフォトリソグラフィ技術により形成したマスクパターンを用い、公知のドライエッチングにより表面シリコン層を選択的にエッチングすることで、第1コア102および第2コア104が形成できる。
また、上部クラッド層103は、例えば、よく知られた化学的気相成長(CVD)法やスパッタ法などの堆積技術により、第1コア102および第2コア104を形成した後で、酸化シリコンを堆積することにより形成すればよい。また、エポキシ系ポリマー、ポリイミド系ポリマーなどの樹脂を塗布することで、上部クラッド層103を形成してもよい。
ここで、第2コア104は、屈曲部111を伝搬する間に、基本モードより励起する高次モードが励起されにくくなるように、高次モードの光に対して変調を加える。第2コア104の存在により、基本モードの光に対しては影響を与えないようにする。なお、第2コア104は、第1コア102と同じ下部クラッド層101の上(表面)に形成されていればよい。また、上部クラッド層103は、第1コア102および第2コア104を覆って下部クラッド層101の上に形成されている。
基本モードの光強度および高次モードの光強度は、図2に示すように分布する。図2は、周囲を酸化シリコンからなるコアで覆われたコア幅500nm,コア高さ(厚さ)200nmのシリコンコアにより光導波路を伝搬するTE偏波の基本モード(a)および高次モード(b)の、断面における光強度分布を示す分布図である。図2の(b)に示すように、高次モードは、基本モードに比べてコアへの光閉じ込めが弱い。
従って、第1コア102,下部クラッド層102,および上部クラッド層103の各々の形状と屈折率によって一意に決定される光導波路の基本モードと高次モードに対し、第1コア102の側部に設けられる第2コア104によって、基本モードに与える変調は小さい状態を維持し、高次モードには大きな変調を与えることができる。このとき、第1コア102と第2コア103との位置関係を適切に設定することで、基本モードによる高次モードの励振が可能な限り小さくなる状態に高次モードに変調が与えられる。
次に、第2コア104を設けたことによる効果について図3を用いて説明する。図3は、導波方向を90度変更する曲率半径5μmの屈曲部を備えるシリコンからなる第1コア102による光導波路に、基本モードの光を入射した際の、第2コア104の有無による出力光における基本モードおよび励起された高次モードの状態を示す特性図である。図3において、横軸は、第1コア102と第2コア104とのギャップの変化である。ここでは、第1コア102のコア断面を、コア幅500nm,コア高さ(厚さ)200nmとしている。また、ここでは、第2コア104も、コア断面をコア幅500nm,コア高さ200nmとしている。
図3に示す結果を求める計算においては、フィルムモードマッチング法を用いて固有モードを算出し、さらに固有モード展開法を用いて各固有モードの透過および固有モード間のモード変換を表すSマトリックスを算出し、入力基本モードからの出力基本モードへの透過効率、および入力基本モードからの高次モードへの変換効率を求めた。
また、図3の(a)は、第2コア104がない場合の基本モード光の透過効率の変化を示し、図3の(b)は、第2コア104を設けた場合の基本モード光の透過効率の変化を示している。これらには、左側の縦軸が対応している。一方、図3の(c)は、第2コア104がない場合の高次モード光への変換効率の変化を示し、図3の(d)は、第2コア104を設けた場合の高次モード光への変換効率の変化を示している。これらには、右側の縦軸が対応している。
図3に示すように、第2コア104を設けない場合、出力高次モードへの変換効率は−33dBである。これに対し、第1コア102と第2コア104との間隔(ギャップ)を300nm程度とすることで、出力高次モードへの変換効率を、−40dB以下に抑制することができるようになる。また、この効果は、第2コア104を、第1コア102と同じコア高さとした場合に得られている。
以上に説明したように、実施の形態1によれば、導波方向が変更される第1コアの屈曲部において第1コアに並列して部分的に第2コアを配置するようにしたので、高次モードが励振されにくくなる。この結果、従来は抑制できなかったコアの屈曲部での高次モード励振が抑制できるようになり、複数の導波モードの光が導波可能とされた光導波路において、高次モードの光による問題が解消できるようになる。また、第2コアは、第1コアと同時に作製することが容易であり、特殊な材料や追加プロセスを用いる必要がないため、生産性に優れる。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について図4A,図4Bを用いて説明する。図4Aは、本発明の実施の形態2における光導波路の構成を示す平面図であり、図4Bは、本発明の実施の形態2における光導波路の構成を示す断面図である。図4Bは、導波方向に垂直な断面を示している。
次に、本発明の実施の形態2について図4A,図4Bを用いて説明する。図4Aは、本発明の実施の形態2における光導波路の構成を示す平面図であり、図4Bは、本発明の実施の形態2における光導波路の構成を示す断面図である。図4Bは、導波方向に垂直な断面を示している。
この光導波路は、下部クラッド層101の上に形成された第1コア102と、第1コア102を覆って下部クラッド層101の上に形成された上部クラッド層103とを備える。加えて、導波方向が変更される第1コア102の屈曲部111において、第1コア102に並列して部分的に配置された第2コア204を備える。第2コア204は、第1コア102に沿って伝搬する複数のモードの光のうち高次モードの光に対して影響を与える状態とされている。ここで、第2コア304は、高次モードの光に対して影響を与えて高次モードの励振が抑制されるように配置する。なお、実施の形態2でも、屈曲部111は、導波方向を90°変更している。また、実施の形態2では、第1コア102から見て、屈曲部111における所定の曲率の円弧の中心より離れた外側に、第2コア204が配置されている。
なお、下部クラッド層101,第1コア102,上部クラッド層103は、前述した実施の形態1と同様である。また、材料については、第2コア204を含め、前述した実施の形態1と同様である。例えば、よく知られたSOI基板を用い、埋め込み酸化膜を下部クラッド層101とし、表面シリコン層をパターニングすることで第1コア102および第2コア204とすることができる。
実施の形態2においても、第2コア204は、屈曲部111を伝搬する間に、基本モードより励起する高次モードが励起されにくくなるように、高次モードの光に対して変調を加える。第2コア204の存在により、基本モードの光に対しては影響を与えないようにする。なお、第2コア204は、第1コア102と同じ下部クラッド層101の上(表面)に形成されていればよい。また、上部クラッド層103は、第1コア102および第2コア204を覆って下部クラッド層101の上に形成されている。
次に、実施の形態2における第2コア204を設けたことによる効果について図5を用いて説明する。図5は、導波方向を90度変更する曲率半径5μmの屈曲部を備えるシリコンからなる第1コア102による光導波路に、基本モードの光を入射した際の、第2コア204の有無夜出力光における基本モードおよび励起された高次モードの状態を示す特性図である。図5において、横軸は、第1コア102と第2コア204とのギャップの変化である。ここでは、第1コア102のコア断面を、コア幅500nm,コア高さ(厚さ)200nmとしている。また、第2コア204も、コア断面をコア幅500nm,コア高さ200nmとしている。
図5に示す結果を求める計算においては、フィルムモードマッチング法を用いて固有モードを算出し、さらに固有モード展開法を用いて各固有モードの透過および固有モード間のモード変換を表すSマトリックスを算出し、入力基本モードからの出力基本モードへの透過効率、および入力基本モードからの高次モードへの変換効率を求めた。
また、図5の(a)は、第2コア204がない場合の基本モード光の透過効率の変化を示し、図5の(b)は、第2コア204を設けた場合の基本モード光の透過効率の変化を示している。これらには、左側の縦軸が対応している。一方、図5の(c)は、第2コア204がない場合の高次モード光への変換効率の変化を示し、図5の(d)は、第2コア204を設けた場合の高次モード光への変換効率の変化を示している。これらには、右側の縦軸が対応している。
図5に示すように、第2コア204を設けない場合、出力高次モードへの変換効率は−33dBである。これに対し、第1コア102と第2コア204との間隔(ギャップ)を510nm程度とすることで、出力高次モードへの変換効率を、−50dB以下に抑制することができるようになる。また、この効果は、第2コア204を、第1コア102と同じコア高さとした場合に得られている。
以上に説明したように、実施の形態2においても、導波方向が変更される第1コアの屈曲部において第1コアに並列して部分的に第2コアを配置するようにしたので、高次モードが励振されにくくなる。この結果、従来は抑制できなかったコアの屈曲部での高次モード励振が抑制できるようになり、複数の導波モードの光が導波可能とされた光導波路において、高次モードの光による問題が解消できるようになる。また、第2コアは、第1コアと同時に作製することが容易であり、特殊な材料や追加プロセスを用いる必要がないため、生産性に優れる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。例えば、第2コアは、下部クラッド層,第1コア,上部クラッド層の積層方向に、第1コアの上側または第1コアの下側に配置されていてもよい。
101…下部クラッド層、102…第1コア、103…上部クラッド層、104…第2コア。
本発明に係る光導波路は、下部クラッド層の上に形成されたシリコンから構成されたコアと、コアを覆って下部クラッド層の上に形成された上部クラッド層と、導波方向が変更されるコアの屈曲部においてコアに並列して部分的に所定のギャップで配置されたシリコンからなるコア状構造体とを備え、上記ギャップは、コアにおける入力基本モードからの高次モードへの変換効率が最も小さくなる範囲のギャップとされている。
上記光導波路において、コア状構造体は、コアと同じ高さに形成されているとよい。
この光導波路は、下部クラッド層101の上に形成されたコア102と、コア102を覆って下部クラッド層101の上に形成された上部クラッド層103とを備える。加えて、導波方向が変更されるコア102の屈曲部111において、コア102に並列して部分的に配置されたコア構造体104を備える。コア構造体104は、コア102に沿って伝搬する複数のモードの光のうち高次モードの光に対して影響を与える状態とされている。ここで、コア構造体104は、高次モードの光に対して影響を与えて高次モードの励振が抑制されるように配置する。実施の形態1では、屈曲部111は、導波方向を90°変更している。また、実施の形態1では、コア102から見て、屈曲部111における所定の曲率の円弧の中心側に、コア構造体104が配置されている。
下部クラッド層101,上部クラッド層103は、例えば、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、窒化ケイ素、エポキシ系ポリマー、ポリイミド系ポリマーなどから構成されている。また、コア102およびコア構造体104は、例えば、シリコンから構成されている。例えば、よく知られたSOI(Silicon on Insulator)基板を用い、埋め込み酸化膜を下部クラッド層101とし、表面シリコン層をパターニングすることでコア102およびコア構造体104とすればよい。例えば、公知のフォトリソグラフィ技術により形成したマスクパターンを用い、公知のドライエッチングにより表面シリコン層を選択的にエッチングすることで、コア102およびコア構造体104が形成できる。
また、上部クラッド層103は、例えば、よく知られた化学的気相成長(CVD)法やスパッタ法などの堆積技術により、コア102およびコア構造体104を形成した後で、酸化シリコンを堆積することにより形成すればよい。また、エポキシ系ポリマー、ポリイミド系ポリマーなどの樹脂を塗布することで、上部クラッド層103を形成してもよい。
ここで、コア構造体104は、屈曲部111を伝搬する間に、基本モードより励起する高次モードが励起されにくくなるように、高次モードの光に対して変調を加える。コア構造体104の存在により、基本モードの光に対しては影響を与えないようにする。なお、コア構造体104は、コア102と同じ下部クラッド層101の上(表面)に形成されていればよい。また、上部クラッド層103は、コア102およびコア構造体104を覆って下部クラッド層101の上に形成されている。
従って、コア102,下部クラッド層102,および上部クラッド層103の各々の形状と屈折率によって一意に決定される光導波路の基本モードと高次モードに対し、コア102の側部に設けられるコア構造体104によって、基本モードに与える変調は小さい状態を維持し、高次モードには大きな変調を与えることができる。このとき、コア102とコア構造体103との位置関係を適切に設定することで、基本モードによる高次モードの励振が可能な限り小さくなる状態に高次モードに変調が与えられる。
次に、コア構造体104を設けたことによる効果について図3を用いて説明する。図3は、導波方向を90度変更する曲率半径5μmの屈曲部を備えるシリコンからなるコア102による光導波路に、基本モードの光を入射した際の、コア構造体104の有無による出力光における基本モードおよび励起された高次モードの状態を示す特性図である。図3において、横軸は、コア102とコア構造体104とのギャップの変化である。ここでは、コア102のコア断面を、コア幅500nm,コア高さ(厚さ)200nmとしている。また、ここでは、コア構造体104も、コア断面をコア幅500nm,コア高さ200nmとしている。
また、図3の(a)は、コア構造体104がない場合の基本モード光の透過効率の変化を示し、図3の(b)は、コア構造体104を設けた場合の基本モード光の透過効率の変化を示している。これらには、左側の縦軸が対応している。一方、図3の(c)は、コア構造体104がない場合の高次モード光への変換効率の変化を示し、図3の(d)は、コア構造体104を設けた場合の高次モード光への変換効率の変化を示している。これらには、右側の縦軸が対応している。
図3に示すように、コア構造体104を設けない場合、出力高次モードへの変換効率は−33dBである。これに対し、コア102とコア構造体104との間隔(ギャップ)を300nm程度とすることで、出力高次モードへの変換効率を、−40dB以下に抑制することができるようになる。また、この効果は、コア構造体104を、コア102と同じコア高さとした場合に得られている。
以上に説明したように、実施の形態1によれば、導波方向が変更されるコアの屈曲部においてコアに並列して部分的にコア構造体を配置するようにしたので、高次モードが励振されにくくなる。この結果、従来は抑制できなかったコアの屈曲部での高次モード励振が抑制できるようになり、複数の導波モードの光が導波可能とされた光導波路において、高次モードの光による問題が解消できるようになる。また、コア構造体は、コアと同時に作製することが容易であり、特殊な材料や追加プロセスを用いる必要がないため、生産性に優れる。
この光導波路は、下部クラッド層101の上に形成されたコア102と、コア102を覆って下部クラッド層101の上に形成された上部クラッド層103とを備える。加えて、導波方向が変更されるコア102の屈曲部111において、コア102に並列して部分的に配置されたコア構造体204を備える。コア構造体204は、コア102に沿って伝搬する複数のモードの光のうち高次モードの光に対して影響を与える状態とされている。ここで、コア構造体304は、高次モードの光に対して影響を与えて高次モードの励振が抑制されるように配置する。なお、実施の形態2でも、屈曲部111は、導波方向を90°変更している。また、実施の形態2では、コア102から見て、屈曲部111における所定の曲率の円弧の中心より離れた外側に、コア構造体204が配置されている。
なお、下部クラッド層101,コア102,上部クラッド層103は、前述した実施の形態1と同様である。また、材料については、コア構造体204を含め、前述した実施の形態1と同様である。例えば、よく知られたSOI基板を用い、埋め込み酸化膜を下部クラッド層101とし、表面シリコン層をパターニングすることでコア102およびコア構造体204とすることができる。
実施の形態2においても、コア構造体204は、屈曲部111を伝搬する間に、基本モードより励起する高次モードが励起されにくくなるように、高次モードの光に対して変調を加える。コア構造体204の存在により、基本モードの光に対しては影響を与えないようにする。なお、コア構造体204は、コア102と同じ下部クラッド層101の上(表面)に形成されていればよい。また、上部クラッド層103は、コア102およびコア構造体204を覆って下部クラッド層101の上に形成されている。
次に、実施の形態2におけるコア構造体204を設けたことによる効果について図5を用いて説明する。図5は、導波方向を90度変更する曲率半径5μmの屈曲部を備えるシリコンからなるコア102による光導波路に、基本モードの光を入射した際の、コア構造体204の有無夜出力光における基本モードおよび励起された高次モードの状態を示す特性図である。図5において、横軸は、コア102とコア構造体204とのギャップの変化である。ここでは、コア102のコア断面を、コア幅500nm,コア高さ(厚さ)200nmとしている。また、コア構造体204も、コア断面をコア幅500nm,コア高さ200nmとしている。
また、図5の(a)は、コア構造体204がない場合の基本モード光の透過効率の変化を示し、図5の(b)は、コア構造体204を設けた場合の基本モード光の透過効率の変化を示している。これらには、左側の縦軸が対応している。一方、図5の(c)は、コア構造体204がない場合の高次モード光への変換効率の変化を示し、図5の(d)は、コア構造体204を設けた場合の高次モード光への変換効率の変化を示している。これらには、右側の縦軸が対応している。
図5に示すように、コア構造体204を設けない場合、出力高次モードへの変換効率は−33dBである。これに対し、コア102とコア構造体204との間隔(ギャップ)を510nm程度とすることで、出力高次モードへの変換効率を、−50dB以下に抑制することができるようになる。また、この効果は、コア構造体204を、コア102と同じコア高さとした場合に得られている。
以上に説明したように、実施の形態2においても、導波方向が変更されるコアの屈曲部においてコアに並列して部分的にコア構造体を配置するようにしたので、高次モードが励振されにくくなる。この結果、従来は抑制できなかったコアの屈曲部での高次モード励振が抑制できるようになり、複数の導波モードの光が導波可能とされた光導波路において、高次モードの光による問題が解消できるようになる。また、コア構造体は、コアと同時に作製することが容易であり、特殊な材料や追加プロセスを用いる必要がないため、生産性に優れる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。例えば、コア構造体は、下部クラッド層,コア,上部クラッド層の積層方向に、コアの上側またはコアの下側に配置されていてもよい。
101…下部クラッド層、102…コア、103…上部クラッド層、104…コア構造体。
Claims (4)
- 下部クラッド層の上に形成された第1コアと、
前記第1コアを覆って前記下部クラッド層の上に形成された上部クラッド層と、
導波方向が変更される前記第1コアの屈曲部において前記第1コアに並列して部分的に配置され、前記第1コアに沿って伝搬する複数のモードの光のうち高次モードの光に対して影響を与える第2コアと
を備えることを特徴とする光導波路。 - 請求項1記載の光導波路において、
前記第1コアは、シリコンから構成されていることを特徴とする光導波路。 - 請求項2記載の光導波路において、
前記第2コアは、シリコンから構成されていることを特徴とする光導波路。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の光導波路において、
前記第2コアは、前記第1コアと同じ高さに形成されていることを特徴とする光導波路。
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