JP2004046021A - 光導波路装置、光合波分波装置及び光波長多重伝送装置 - Google Patents

光導波路装置、光合波分波装置及び光波長多重伝送装置 Download PDF

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Yukari Terakawa
寺川 裕佳里
Hayami Hosokawa
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Abstract

【課題】製造工程を増加させたり、製造効率を低下させたりすることなく、コアから放出される迷光による悪影響を防止することができる光導波路装置を提供する。
【解決手段】下クラッド層13の中に、コア15及び16と同じ材料で、且つ、同一の製造工程によって、光結合体18を設ける。この光結合体18は、コア15から放出された迷光を捕捉し、迷光を任意の方向に導くことによって再度コア15、16に結合されるのを防止する。
【選択図】   図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光導波路装置、光合波分波装置及び光波長多重伝送装置に関する。特に、本発明は、コアから放出される迷光の処理に関するものである。
【0002】
【背景技術】
図1は曲り導波路と呼ばれる光導波路のひとつを示す概略平面図である。この光導波路では、クラッド1に形成された溝内にクラッドよりも屈折率の高い光学用樹脂を充填して湾曲したコア2が形成されている。
【0003】
また、図2はS字形導波路と呼ばれる光導波路が2つ連続している形態の一つを示す概略平面図である。この光導波路でも、クラッド1に形成された溝内にクラッドよりも屈折率の高い光学用樹脂を充填してS字状に湾曲したコア2が形成されている。
【0004】
図1及び図2には、コア2の一端から光を入射させ他端から光を出射させた時の、コア2の各断面における光の強度分布が表わされている。コア2の直線部分では、光は左右対称で安定した界分布を示しており、光はほぼコア2内に閉じ込められている。しかし、コア2の湾曲部分では、光の界分布は左右非対称となり、湾曲部分の外周側で光の閉じ込めが弱くなり、界分布の裾の部分が外側へ広がっている。従って、安定した界分布でコア2の直線部分を伝搬してきた光が、湾曲部分に達すると、湾曲部分の外周側で光の閉じ込めが弱くなり、界分布が乱れて外周側への光の漏れが大きくなる。このコアから漏れた光はクラッドへ放出され、光導波路内で迷光となる。
【0005】
このような迷光が発生すると、その迷光は他の箇所で再びコアに結合したり(図2参照)、また、複数のコアが形成されている場合には他のコアに結合したりすることがあり、コアに再結合した迷光は、コア内の光量を所望の値から変化させてしまう。また、迷光がコア内の光と干渉してコアと再結合すると、コアの界分布の位置を所望の位置からずらしたり、コア内を伝搬する光を蛇行させたりする。そのため、光導波路内で方向性結合器を構成しようとした場合に、その結合量を変化させたり、光導波路と光ファイバとを結合する場合に、ばらつきを発生させるなど、コア内の光に悪影響を及ぼしていた。
【0006】
図3(a)は従来の減衰形の光導波路装置(例えば、可変光減衰器VOA)を示す平面図、図3(b)はそのX部拡大図である。この光導波路装置では、コア2に入射した光は、コア2内を伝搬し、Y分岐部分において分割されて枝コア2a内を伝搬する。ついで、各枝コア2aに設けられた各ヒータ3の非加熱時には、枝コア2a内を伝搬した光は、枝コア2aの合流部分において結合され、コア2に入射した光は減衰することなく光導波路装置の外部へ出力される。
【0007】
これに対し、片方のヒータ3だけを加熱している時には、ヒータ3の下にある部分で枝コア2aの屈折率が小さくなり、図3(b)に示すように、2つの枝コア2aを伝搬する光の間に位相差が生じる。そのため、枝コア2aの合流部分で両側の枝コア2aを伝搬してきた光が結合される際、2つの光の位相差のために奇モードと偶モードが起ち、光を安定してコア2内に閉じ込められなくなり、偶モードの光は、コア2の外へ放出される。こうして放出された光は迷光となるので、前記の光導波路と同じような問題が起きている。
【0008】
上記のような問題点を解決する方法としては、特開平12−38239号公報に開示されるように、曲がり導波路の間に吸収物を充填して迷光を除去するものや、特開平10−293223号公報に開示されるように、コアがパターニングされた領域の外に屈折率の高い領域を形成し、ここで迷光を吸収して除去させるようにしたものなどがあった。
【0009】
しかしながら、このような従来の光導波路装置にあっては、クラッドやコアを形成するプロセスとは別に、上記吸収物や上記屈折率の高い領域などを形成するための新たなプロセスが必要になり、また、新たな材料を用いる必要がある。そのため、光導波路装置の製造工程が複雑になり、製造効率が低下し、また、光導波路装置のコストが上昇するという問題があった。
【0010】
【発明の開示】
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであって、その目的とするところは、製造工程を増加させたり、製造効率を低下させたりすることなく、コアから放出される迷光による悪影響を防止することができる光導波路装置を提供することにある。また、その光導波路装置を用いた光合波分波装置及び光波長多重伝送装置に関する。
【0011】
本発明の請求項1に記載の光導波路装置は、光を閉じ込めて伝搬させるコアと、前記コアを囲むクラッドとからなる光導波路を備えた光導波路装置において、前記コアから前記クラッドへ放出された光を捕捉して前記コアに影響を与えない領域に光を導く光結合体を有し、前記光結合体が前記コアと同じ材料によって形成されていることを特徴としている。
【0012】
本発明の光導波路装置は、コアからクラッドへ放出された光を捕捉してコアに影響を与えない領域に光を導く光結合体を有しているので、コアからクラッドへ放出された迷光が光導波路装置の特性に悪影響を及ぼすのを抑制することができる。例えば、コアから放出された迷光が、再びコアと結合してコア内の光量を所望の値から変化させなくできる。また、コアから放出された迷光がコア内の光と干渉を起こし、コアの界分布の位置を所望の位置からずらしたり、コア内における光の進路を蛇行させたりするのを防止することができる。また、光導波路内に方向性結合器を構成した場合、迷光によってその結合量が変化させられるのを抑制できる。また、コアと外部の光ファイバとを結合する場合、その結合効率にばらつきが発生するのを抑制することができる。
【0013】
よって、本発明の光導波路装置によれば、安定した結合効率を保つことのできる光導波路装置を実現できる。また、クロストークの起きない光導波路装置を実現することができる。さらに、迷光をコントロールすることが可能になるので、種々の機能を1つの導波路チップ上に一体集積化することが可能になる。
【0014】
また、この光導波路装置では、光結合体がコアと同じ材料によって形成されているので、光結合体を形成するために別途特別な材料を必要とせず、ローコストで光結合体を作製することができる。
【0015】
本発明の請求項2に記載の光導波路装置は、請求項1における前記光結合体が、前記コアと同一工程により作製されていることを特徴としている。
【0016】
本発明の光導波路装置は、光結合体がコアと同じ材料によって形成されているので、光結合体をコアと同一工程で作製することができる。よって、光結合体をコアと同一工程で作製することにより、製造工程を増加させたり、製造コストを増加させたりすることなく、安価に光結合体を付加させることができる。
【0017】
本発明の請求項3に記載の光導波路装置は、請求項1における前記光結合体が、複数本のコアを伝搬してきた光が集まる箇所の近傍に配置されていることを特徴としている。
【0018】
複数本のコアを伝搬してきた光が集まる箇所では、それぞれの光の間に位相差があると、その箇所から迷光が放出されるので、その近傍に光結合体を設けることにより迷光をコントロールすることができる。
【0019】
本発明の請求項4に記載の光導波路装置は、請求項1における前記光結合体が、前記コアが湾曲している部分の外周側近傍に配置されていることを特徴としている。
【0020】
コアが湾曲している部分でも迷光が放出されるので、その外周側近傍に光結合体を置くことで迷光をコントロールすることができる。
【0021】
請求項5に記載の光導波路装置は、請求項1における前記光結合体が、平面視において、輪郭の少なくとも一部が湾曲していることを特徴としている。
【0022】
請求項5に記載の光導波路装置では、光結合体の縁が湾曲しているので、光結合体に捕捉された光は、光結合体の湾曲に沿って導かれる。よって、この湾曲具合を変えることで迷光を導く方向をコントロールすることができる。
【0023】
請求項6に記載の光導波路装置は、請求項1において、前記光結合体の垂直断面の断面積が、前記コアの垂直断面の断面積よりも大きいことを特徴としている。
【0024】
請求項6に記載の光導波路装置は、光結合体の断面積がコアの断面積よりも大きくなっているので、コアから放出された迷光を光結合体で捕捉する確率が高くなり、迷光による不具合を抑制する効果を高くできる。
【0025】
請求項7に記載の光導波路装置は、請求項1における前記光結合体が、前記光導波路の外周面とつながっていることを特徴としている。
【0026】
請求項7に記載の光導波路装置は、光結合体が導波路の外周面とつながっているので、光導波路装置の製造工程において、光結合体が気泡を囲い込んで気泡が逃げにくくなることがなく、光結合体に気泡が生じにくなる。よって、光結合体の気泡で光が散乱させられるのを防止できる。
【0027】
請求項8に記載の光合波分波装置は、請求項1に記載した光導波路装置により構成された光スイッチを用いたものである。
【0028】
請求項9に記載の光合波分波装置は、請求項1に記載した光導波路装置により構成された可変光減衰器を用いたものである。
請求項10に記載の光波長多重伝送装置は、請求項1に記載した光導波路装置により構成された可変光減衰器を用いたものである。
【0029】
本発明の光導波路装置によれば、迷光による特性の劣化を抑えることができるので、これを用いた光合波分波装置や光波長多重伝送装置の性能も向上する。
【0030】
なお、この発明の以上説明した構成要素は、可能な限り任意に組み合わせることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図4は本発明の一実施形態による光導波路装置の構成を示す平面図、図5はその分解斜視図である。また、図6は(a)(b)は図4のY1−Y1線断面図、Y2−Y2戦断面図である。可変光減衰器(VOA)として使用されるものである。この光導波路装置11にあっては、ガラス基板やシリコン基板等の基板12の上面に透明な高屈折率樹脂からなる下クラッド層13を形成し、下クラッド層13の表面に設けたコア溝14内に下クラッド層13よりも屈折率の高い透明樹脂を充填してコア15、16を形成している。同様に、下クラッド層13の表面に設けた溝17内にコア15、16と同じ透明樹脂を充填して光結合体18を形成している。また、下クラッド層13の上には、下クラッド層13と同じ樹脂からなる上クラッド層19が形成されており、上クラッド層19の上には、2箇所に金属製のヒータ20を設けられている。
【0032】
コア15、16のパターンは図5に示されている通りである。一方のコア15は、光入射側の端部では直線状のコア15aとなっており、その先に2つに分岐した枝コア15bがつながっており、その先に直線状のコア15cとS字状に湾曲したS字コア15dがつながり、光出射側の端部においては、その先に直線状のコア15eがつながっている。他方のコア16は、光出射側の端部では直線状のコア16aとなっており、その先にはS字状に湾曲したS字コア16bがつながっており、コア16bの先には比較的短い直線状の結合用コア16cが設けられている。この結合用コア16cは、コア15cに近接してコア15cと平行に配置されている。コア15cと結合用コア16cとは互いに結合していて方向性結合器を構成している。なお、S字コア15dとS字コア16bが反対向きに湾曲しているのは、光出射側の端においてコア15eとコア16aとの距離を広くし、光導波路装置11の光出射側端面において、コア15eとコア16aの端面に対向させて光ファイバや受光素子を配置するスペースを作り出すためである。
【0033】
光結合体18は、枝コア15bどうしの合流部分の近傍でコア15cを挟むように配置されている。光結合体18は、比較的幅の広い光回収部18aと、光の方向を所望の方向(つまり、コア15、16のない方向)へ導くためのガイド部18bとからなり、この実施形態では、ガイド部18bはそれぞれ外側へ向けて滑らかに湾曲している。
【0034】
ヒータ20は、上クラッド層19の表面に蒸着などによって形成されており、いずれも枝コア15bの真上に位置するように配置されている。
【0035】
しかして、この光導波路装置11にあっては、図7に示すように、光入射側端部においてコア15aに光ファイバ21が接続され、光出射側端部においてコア15eに対向させて光ファイバ22aが接続され、コア16aに光ファイバ23が接続される。また、光ファイバ22aの他端には、フォトダイオードやフォトトランジスタ等の受光素子22bが対向している。しかして、光ファイバ21からコア15aに光信号が入射すると、コア15a内を伝搬した光信号は、分岐部分で枝コア15bに分かれて枝コア15bを別々に伝搬し、合流部分で再び結合されてコア15cを伝搬する。コア15cを伝搬した光信号が結合用コア16cと結合されている部分に達すると、伝搬してきた光信号はS字15dとS字コア16bとに分かれて流れる。例えば、コア15を伝搬してきた光信号の5%がS字15dに流れ、95%がS字コア16bに流れる。S字15dに流れた光信号は、コア15eから出射されて光ファイバ22aに入射し、光ファイバ22aを透過して受光素子22bに受光される。一方、S字コア16bに流れた光信号は、コア16aから出射され、光ファイバ23に入射して光ファイバを伝搬する。
【0036】
すなわち、光ファイバ21内を伝送されてきた光信号は、光入射端側では、コア15内に入射してコア15内を伝搬し、光出射端側では、大部分の光がコア16から出射されて光ファイバ23に入射し、光ファイバ23内を伝送される。一方、光出射端側では、一部の光がコア15から出射されて光ファイバ22aに入り、光ファイバ22aを透過して受光素子22に受光され、その受光信号は光ファイバ23に入射する光量が一定となるようにフィードバック制御するための光信号として使用される。
【0037】
コア16から出力される光量は、ヒータ20で制御される。いずれのヒーターも加熱されていない場合には、いずれの枝コア15bを伝搬する光信号も位相が等しくなっているので、合流部分で結合される際にも両枝コア15bを伝搬してきた光信号の間には位相差が無い。従って、結合された光信号は、コア15aにおけるもとの光信号の光量と等しくなって(減衰することなく)、コア15c内を伝搬する。
【0038】
これに対し、一方のヒータ20を加熱すると、そのヒータ20の直下の一方の枝コア15bだけが加熱される。一方の枝コア15bが加熱されると、その枝コア15bの屈折率が他方の枝コア15bの屈折率よりも小さくなるので、加熱された枝コア15bを伝搬する光信号の光路長は、加熱されていない枝コア15bを伝搬する光信号の光路長よりも長くなり、合流部分においては両枝コア15bを伝搬してきた光信号の間に位相差が生じる。その結果、結合された光信号は、位相差に応じただけ減衰させられ、減衰した光がコア15cからコア16へと伝搬する。
【0039】
よって、受光素子22で受光した受光量に応じてヒータ20の通電量をフィードバック制御することによりコア16から光ファイバ23へ出力される光量が一定となるように制御できる。あるいは、受光素子22の受光量をモニターすることにより、コア16から光ファイバ23へ出力される光量が所望値となるようにコントロールすることができる。
【0040】
ところで、ヒータ20に通電されていない場合には、合流部分で位相差が生じていないので、迷光は発生しないが、ヒータ20に通電している場合には、前記のように、合流部分で生じる位相差のために光を安定してコア2内に閉じ込められなくなり、迷光がコア15から放出される。しかし、この光導波路装置11では、コア15の分岐部分から放出された迷光は、図8に示すように、光結合体18の光回収部18aに入って光結合体18内に補足され、光結合体18内を伝搬する。そして、この迷光はガイド部18bによって導かれ、コア15、コア16に影響を与えない方向(この実施形態では、外側横方向)へ放出される。よって、迷光が再びコア15、16に結合してコア15、16内の光量を所望の値から変化させるのを防止できる。また、迷光がコア15、16内の光と干渉を起こしてコア15、16の界分布の位置を所望の位置からずらしたり、蛇行させたりして光導波路内で方向性結合器を構成しようとした場合の、結合量を変化させたり、光導波路装置11と光ファイバ23を結合させる際に、ばらつきを起こさせるといった不具合を防止でき、コア15、16内の光に悪影響を与えるのを防止できる。その結果、光導波路装置11において、安定した結合効率を保つことができる。
【0041】
さらに、この光導波路装置11では、光結合体18はコア15及び16と同じ材料によって形成されており、しかも、コア15、16を形成するとき同時に設けられる。すなわち、下クラッド層13を複製法(スタンプ法)により制作する際、下クラッド層13となる未硬化の紫外線硬化樹脂にスタンパを押し付けて、コア15、16を形成するためのコア溝14を成形すると同時に光結合体18を設けるための溝17を成形し、紫外線照射により下クラッド層13を硬化させる。ついで、下クラッド層13の上に未硬化のコア用樹脂を滴下して平板で押え、コア溝14内にコア用樹脂を充填させてコア15、16を形成すると同時に、溝17内にコア用樹脂を充填させて光結合体18を形成する。従って、付加プロセスが必要なく、製造工程を増加させることなく、部材点数も増加せず、安価な方法により迷光を処理することができる。
【0042】
図10は光結合体18を有しない比較例の光導波路装置に対して、シミュレーションにより、迷光の分布及びコア内を伝搬する光の強度を求めた結果を表わしている。コアについては、太実線が光強度の高い部分、破線が光強度の小さな部分を表わしており、点の密度が迷光の強度を表わしている。図10に示されているように、このような光導波路装置では、合流部よりも光出射側で全体に迷光が分布していることが分かる。その結果、コア15cの部分は迷光と干渉して蛇行しており、コア15cとS字コア15dとの間で位置ずれを示している。
【0043】
これに対し、この光導波路装置11に対して、シミュレーションにより、迷光の分布及びコア内を伝搬する光の強度を求めた結果を表わす図9では、迷光は光結合体18によりコントロールされてコア15、16のない方向へ放出されており、図10のように、蛇行や位置ずれなども見られない。
【0044】
(第2の実施形態)
以下において、本発明の種々の実施形態や変形例などを説明する。図11は本発明の別な実施形態による光導波路装置24の構造を説明する断面図(図6(b)と同様な断面)である。この光導波路装置24は、図4に示した光導波路装置11から基板12を除いたものである。基板12がないので、光導波路装置24がフィルム状に薄くなり、また、柔軟になるので、設置形態の自由度が高くなり、使用範囲が広がる。
【0045】
(第3の実施形態)
図12は本発明のさらに別な実施形態による光導波路装置25の構造を説明する断面図である。この光導波路装置25は、図4に示した光導波路装置11の上クラッド層19の上にさらにガラス薄板等からなるカバー26を貼り合わせたものである。このような構造によれば、コア15、16と上下クラッド層19、13が基板12とカバー26で挟まれるので、耐湿性を高めることができ、湿度などに対する信頼性を高めることができる。
【0046】
(第4の実施形態)
図13は本発明のさらに別な実施形態による光導波路装置27の構造を示す概略平面図(コア15、16や光結合体18等を透視した状態で示している。以下同様。)である。この光導波路装置27にあっては、光結合体18をコア15及び16と同じ径(又は、幅)にしたものである。従って、光結合体18もシングルモードの導波路となる。このような光結合体18であっても、第1の実施形態と同様な効果を奏することができる。
【0047】
(第5の実施形態)
図14は本発明のさらに別な実施形態による光導波路装置28の構造を示す概略平面図である。この光導波路装置28にあっては、S字コア16bと対向している側の光結合体18を異形テーパー形状(例えば、台形)にしている。このような形状の光結合体18でも、テーパーによって迷光を外側へ導いて放出させることができ、迷光がS字コア16bへ向かうのを防止することができる。また、この実施形態では、S字コア15d、コア15eは無く、コア15cがそのまま下クラッド層13の端まで達している。このように迷光の放出される方向にコア15、16がない場合には、直線状ないし矩形状の光結合体18を用いてもよい。
【0048】
(第6の実施形態)
図15は本発明のさらに別な実施形態による光導波路装置29の構造を示す概略平面図である。この光導波路装置29には、ヒータ20が無く、従って、この光導波路装置29は減衰形ではない。しかし、このような光導波路装置29でも、コア15の合流部分の両側に光結合体18を設けることにより、迷光がコア15cとコア16からなる方向性結合器の方向へ向かうのを防止することができ、方向性結合器を通じてのモニタリングの安定性を向上させることができる。
【0049】
(第7の実施形態)
図16は本発明のさらに別な実施形態による光導波路装置30の構造を示す概略平面図である。この光導波路装置30は、モニター機能を有しないものであって、モニターのための方向性結合器やコア16も設けられておらず、光信号はコア15cから出射されて光ファイバ23に入射する。このような光導波路装置30でも、コア15の合流部分の両側に光結合体18を配置して迷光をコントロールすることにより、光信号が光ファイバ23に結合するまでに、迷光が再びコア15に結合しないようにできる。伝搬する光が迷光によって蛇行を起こさないので、安定して光ファイバ23に結合させることができる。よって、モニター機能を省いても安定させることが可能になる。
【0050】
(第8の実施形態)
図17は本発明のさらに別な実施形態による光導波路装置31の構造を示す概略平面図である。この光導波路装置31も、モニター機能を有しないものである。この光導波路装置31では、直線状又は矩形状の光結合体18を設けているが、この光導波路装置31でも、第7の実施形態の光導波路装置30と同様な効果を奏することができる。
【0051】
(第9の実施形態)
図18(a)(b)は光結合体18の厚みに関する説明をするための断面図(図6(a)に相当する断面)である。光結合体18の厚みは、図18(a)に示すように、コア15、16の厚みと等しくてもよいが、図18(b)に示すように、コア15、16の厚みより大きくしてもよい。コア15から放出された光は、当然横方向でも厚み方向でも光の閉じ込めが無くなるので、迷光は横方向にも厚み方向にも広がる。従って、光結合体18の厚みをコア15、16よりも厚くしておけば、コア15から放出された光を効率よく18に結合させることができ。なお、このようにコア15、16よりも光結合体18の厚みを大きくするには、前記のように複製法(スタンパ法)によれば簡単に行うことができる。
【0052】
(第10の実施形態)
図19は本発明のさらに別な実施形態による光導波路装置32を示す概略図である。この光導波路装置32では、曲り導波路形のコア33の外周側に沿って、すなわち迷光の放射される方向に沿って湾曲した光結合体18を設けている。このような構造によれば、曲り導波路から外周側へ放射される迷光を光結合体18で捕捉して、コア33のない方向へ放射させることができる。
【0053】
(第11の実施形態)
図20は本発明のさらに別な実施形態による光導波路装置34を示す概略図である。この光導波路装置34にあっては、S字形導波路形のコア35の湾曲部分に沿って円弧状に湾曲した光結合体18を設けている。このような構造によれば、S字形導波路から外周側へ放射される迷光を光結合体18で捕捉して、コア33のない方向へ放射させることができる。また、図21は、別なS字形導波路形のコア36の湾曲部分に沿って円弧状に湾曲した光結合体18を設けたものである。
【0054】
(第12の実施形態)
図22は本発明のさらに別な実施形態による光導波路装置37の概略平面図である。この光導波路装置37にあっては、光結合体18のうち、迷光を捕捉するのに影響しない部分から光学的に機能しない部分を光学的に影響がでない下クラッド層13の縁まで延出させている。すなわち、図22に示すように、光結合体18のガイド部18bと反対側の端から光回収部18aに直角な方向へ樹脂流れ部38を延出し、さらに、これを光入射側と直角に曲げて光入射側の端面まで延出させている。光結合体18が下クラッド層13の内部で孤立していると、光結合体18等を複製法で作製する際、噛み込まれたエアの逃げ道がなく、光結合体18に気泡が形成される恐れがあり、光結合体18内に気泡が生じると、気泡により光の散乱が起きる恐れがある。そのため、この実施形態では、樹脂に噛み込まれた気泡を光導波路装置のチップ外へ逃がすための樹脂流れ部38を光結合体18に設け、光結合体18における光の散乱を防止している。
【0055】
また、方向性結合器を構成しているコア16も、結合用コア16c側の先端が下クラッド層13内で終端しているので、光結合体18と同様、結合用コア16cに気泡が噛み込まれ、光を散乱させる恐れがある。そのため、結合用コア16cの先端をさらに延長して樹脂流れ部39を形成し、樹脂流れ部39を光入射側の端面まで延出させている。
【0056】
光導波路装置37のアライメントを行う場合、コア15aの端面から光を入射させ、光出射側の端面でコア15e(Tap Port)及びコア16a(Main Port)から出射される光によってアライメントを行うが、コア15eからは微弱な光しか出射されない。そのような場合、樹脂流れ部39の端からも光を入射させることによってコア15eから出射される光の強度を上げることができ、コア15eのアライメントを簡易に行うことができる。
【0057】
上記樹脂流れ部38、39は、コア15、16と同じ工程で、コア溝14と同時に下クラッド層13に形成された溝にコア用樹脂を充填して形成されている。
【0058】
なお、樹脂流れ部38と樹脂流れ部39が交差し、また光回収部18aの先端が樹脂流れ部39に向いているが、樹脂流れ部39は方向性結合器としては機能しない部分であるので、問題ない。
【0059】
また、図23、図25に示すように、樹脂流れ部38、39のうちいずれか一方、もしくは両方を、光導波路装置37の側面へ延出させてもよい。さらに、樹脂流れ部38は、図24、図25に示すように、光回収部18aの先端から延出させてもよい。
【0060】
(第13の実施形態)
次に、この光導波路装置を用いたアプリケーションについて説明する。本発明は、光を閉じ込めて伝搬させる光導波路の基本的形状である曲がり導波路、S字形導波路に適用することができる。さらには、それらを用いて構成されるマッハツェンダー干渉計により減衰の機能を持った光導波路装置、また、合分波、合分岐、曲げなどの機能を持った光導波路装置、さらには、それらを用いた可変光減衰器(VOA)、合分波器、光カプラ、光スイッチ、光トランシーバといった、光導波路と光導波路装置に適用することができる。また、これらを用いた通信システムにも適用できる。
【0061】
図26は、例えば図17に示したような可変光減衰器(VOA)41を筐体42に納めた可変光減衰器モジュール40を表わしている。可変光減衰器41は筐体42に実装されており、可変光減衰器41のヒータ20と筐体42の電極パッドとの間をボンディングワイヤ43で接続されている。また、筐体42は、光ファイバ21、23を位置決めするためのV溝(図示せず)を備えており、V溝に光ファイバ21、23の端部を納めて接着剤で固定することにより、筐体42の上に位置決めされている可変光減衰器41のコア41coreと光ファイバ21、23とを簡易に位置決めできるようになっている。
【0062】
(第14の実施形態)
図27は本発明のさらに別な実施形態による分岐導波路44を表わしている。この分岐導波路44はY分岐したコア45を備えており、直線状をしたコア45aの先で2本の湾曲したS字コア45bに分岐し、各S字コア45bの先が直線状をしたコア45cとなっている。この分岐導波路44は、入力側の光ファイバから入射した光信号を出力側の複数の光ファイバに分岐させて出力させるものであって、入力側の光ファイバからコア45aに入射した光は、各S字コア45bに分岐し、各コア45cから出射して出力側の光ファイバに入射する。このような分岐導波路44においても、S字コア45bやコア45cの湾曲に沿ってその後コア45bから離れるように光結合体18を設けて迷光をコントロールすることが好ましい。
【0063】
(第15の実施形態)
図28は本発明のさらに別な実施形態による1×2型の光スイッチ46を示している。この光スイッチ46においては、図27の分岐導波路44と同様なY分岐したコア45を備えており、コア45aとS字コア45bの間の分岐部分にヒータ47を備えている。しかして、一方のヒータ47を発熱させて一方のS字コア45bを加熱すると、温度の上昇したS字コア45bの屈折率が低下するので、45aを伝搬してきた光信号は他方のS字コア45bへ伝搬してコア45cから出射される。よって、いずれかのヒータ47をオンにすることにより、光信号の出射される方向を切り換えることができ、光スイッチとして使用される。このような光スイッチ46においても、S字コア45bやコア45cの湾曲に沿ってその後コア45bから離れるように光結合体18を設けて迷光をコントロールすることが好ましい。
【0064】
(第16の実施形態)
図29は本発明のさらに別な実施形態による光スイッチ48を示す斜視図である。この光スイッチ48にあっては、2本のコア49、50が設けられており、いずれも両端及び中央部に直線状をしたコア49a、49c、49e;50a、50c、50eが形成され、それらの間をS字コア49b、49d;50b、50dがつないでいる。中央部のコア49cとコア50cとが近接して方向性結合器を構成しており、一方のコア49aから入射した光信号はその他端のコア49eから出力されると共に、他方のコア50では、コア49を伝搬する光信号をモニターすることもできる。また、方向性結合器を構成するコア49c、50cの近傍には、ヒータ47が設けられており、ヒータ47をオン/オフすることによってコア49を伝搬する信号をオン/オフさせることができる。このような光スイッチ48においても、S字コア49b、50bやコア49d、50dの湾曲に沿ってその後コア49b、50b、49d、50dから離れるように光結合体18を設けて迷光をコントロールすることが好ましい。
【0065】
(第17の実施形態)
図30は本発明のさらに別な実施形態による2×2型の光スイッチ51を示す斜視図である。この光スイッチ51にあっては、2本のコア52、53が設けられており、いずれも直線状をしたコア52a、52c、52e、52g、52i;53a、53c、53e、53g、53iとS字コア52b、52d、52f、52h;53b、53d、53f、53hが交互に並んでいる。直線状のコア52cとコア53cとがカップリングしており、コア52gとコア53gもカップリングしており、コア52eとコア53eの上方にはヒータ47が設置されている。しかして、この光スイッチ51によれば、ヒータ47をオン/オフすることにより、入力I1、I2をパラレルに出力O1、O2から出力させるモードと、入力I1、I2をクロスさせて出力O2、O1から出力させるモードとに切り換えることができる。このような光スイッチ51においても、S字コア52b、53bの近傍などに光結合体18を設けて迷光をコントロールすることが好ましい。
【0066】
(第18の実施形態)
図31は本発明のさらに別な実施形態による合分波器54を示す斜視図である。この合分波器54にあっては、入出力コア55はスターカプラ(スラブ導波路)56を介してアレイ導波路57に接続され、さらに、アレイ導波路57は、スターカプラ(スラブ導波路)58を介して複数本の入出力コア59に接続されている。しかして、入出力コア55から複数の波長λ1、λ2、…の光を含む信号が入力されると、それぞれの入出力コア59からは各波長λ1、λ2、…の光が分波されて出力される。反対に、入出力コア59から波長λ1、λ2、…の光を入力すると、入出力コア55からは合波された信号が出力される。このような合分波器54においても、コアの曲がっている部分に光結合体18を設けることができる。
【0067】
(第19の実施形態)
図32は、可変光減衰器104、106(例えば図4、図16に示したような可変光減衰器)と光スイッチ103(例えば図30に示したような光スイッチ)を用いた光合分波を行う光合波分波器を示す概略図である。分波器102及び合波器105は、波長の異なる複数の光信号を一本の光ファイバで伝送する波長多重(WDM)方式の光通信システムで用いられる装置である。合波器102は、一本の光ファイバ101によって伝送された光信号を波長毎に分波して、波長毎に異なる光ファイバに出力する装置である。また、合波器105は、複数の光ファイバによって入力された波長の異なる光信号を合波して、一本の光ファイバ107に出力する装置である。
【0068】
2×2型の光スイッチ103は、コア内を伝搬する光の進行方向を切り換えて、選択した特定のコアからのみ光を出射できる光導波路装置である。また、可変光減衰器(VOA)104,106は、図4等に示した第1の実施形態として説明したものである。各光スイッチ103には、光入射端が2箇所設けられていて、一方は光ファイバ108aによって分波器102に接続されており、分波器102で分波された波長λ1,λ2,…,λNの光が入力されるようになっている。他方は分波器102に接続されていない光ファイバ108bによって伝送された光信号の入射端である。光ファイバ108bは分波器102以外の他の分波器に接続されていてもよい。
【0069】
また、光スイッチ103には、光出射端が2箇所設けられていて、一方の光出射端は光ファイバ108cによって可変光減衰器(VOA)104を介して合波器105に接続されており、他方の光出射端は分波器102に接続されていない光ファイバ108dに接続されている。光ファイバ108dは合波器105以外の他の合波器に接続されていてもよい。
【0070】
しかして、この光合波分波器を用いた光通信システムにおいては、光ファイバ101及び光ファイバ107は例えば都市内ネットワークや都市間ネットワークにおける中継系ネットワーク回線を構成しており、波長多重信号を伝送している。いま、すべての光スイッチ103が合波器105側に接続しているとすると、光ファイバ101からなる中継系ネットワーク回線を伝送されてきた波長多重信号は、分波器102により各波長λ1,λ2,…,λNの信号に分波された後、各光スイッチ103を合波器側へ通過し、可変光減衰器104によって各波長の信号のパワーを均一に揃えられた後、各波長λ1,λ2,…λNの信号は再び合波器105で合波され、さらに可変光減衰器106により波長多重信号全体のパワーが規定値となるように調整されて光ファイバ107からなる中継系ネットワーク回線へ送り出される。
【0071】
これに対し、例えば波長λ1に対応する光スイッチ103が合波器側と異なる側へ切り換えられると、分波器102で分波された信号のうち波長λ1の信号だけが光ファイバ108dからなるアクセスネットワーク回線へ取り出される。また、光ファイバ108bからなるアクセスネットワーク回線から波長λ1の信号が送り込まれていると、この他線からの波長λ1の信号は光スイッチ103によって合波器105へ送られ、光ファイバ101から送られてきた波長多重信号に重畳させて光ファイバ107からなる中継系ネットワーク回線へ送り出される。
【0072】
(第20の実施形態)
図33は、可変光減衰器(例えば、図4に示したような光導波路装置)を用いた光波長多重伝送装置を示す概略図である。この光波長多重伝送装置は、送信部(DWDM伝送装置)111と受信部(DWDM伝送装置)112とを光ファイバ113で結んだものである。これは複数本の光ファイバ114から送られてきた各波長λ1,λ2,…の光信号を送信部111で波長多重信号に変換し、これを1本の光ファイバ113によって受信部112へ伝送し、受信部112において元の各波長λ1,λ2,…の光信号を復元し、各波長λ1,λ2,…の信号を各光ファイバ115に分けて送り出すものである。
【0073】
送信部111は、光/電気変換器116、電気合波器(MUX)117、DWDM用電気/光変換器118、可変光減衰器(VOA)119及び光合波器120からなる。ここで、可変光減衰器119は本発明の光導波路装置によって構成されている。しかして、複数本の光ファイバ114から送られてきた波長λ1,λ2,…の光信号は、光/電気変換器116により各波長λ1,λ2,…の電気信号に変換される。変換された各波長λ1,λ2,…の電気信号は、電気合波器117によって各波長域毎に合波され、信号数を減少させられる。ついで、各DWDM用電気/光変換器118により、電気合波器117から出力される各波長域の電気信号を光信号に変換する。このDWDM用電気/光変換器118は、半導体レーザー素子121と光変調器122とからなり、電気合波器117から出力された電気信号により半導体レーザー素子121を駆動し、さらに光変調器122で変調した光信号を出力する。DWDM用電気/光変換器118から出力された光信号は、可変光減衰器119によって各光信号のパワーを規定値に揃えた後、光合波器120で1本の波長多重信号に合波され、光ファイバ113から送り出される。なお、上記光変調器122も本発明の光導波路装置によって構成されていてもよい。
【0074】
受信部は、可変分散補償器123、光分波器124、光/電気変換器125、電気分波器126及び電気/光変換器127からなる。しかして、光ファイバ113から送られてきた波長多重信号は、可変分散補償器123を通過して光/電気変換器125に送られ、光/電気変換器125で各波長域毎の光信号に分波される。各波長域毎の光信号は光/電気変換器125によって一旦電気信号に変換された後、電気分波器126によって各波長λ1,λ2,…の電気信号に分波され、さらに電気/光変換器127によって元の光信号に復元された各波長λ1,λ2,…の光信号は、各光ファイバ115から送り出される。
【0075】
なお、本発明は、複製プロセスによって作製される光導波路ないし光導波路装置だけに適用できるものではない。これ以外にも、光学結晶導波路、石英導波路、ポリマー導波路など全ての導波路に適応することができるものである。
【0076】
【発明の効果】
本発明の光導波路装置及び光通信用装置は、コアからクラッドへ放出された光を捕捉してコアに影響を与えない領域に光を導く光結合体を有しているので、コアからクラッドへ放出された迷光が光導波路装置の特性に悪影響を及ぼすのを抑制することができる。例えば、コアから放出された迷光が、再びコアと結合してコア内の光量を所望の値から変化させなくできる。また、コアから放出された迷光がコア内の光と干渉を起こし、コアの界分布の位置を所望の位置からずらしたり、コア内における光の進路を蛇行させたりするのを防止することができる。また、光導波路内に方向性結合器を構成した場合、迷光によってその結合量が変化させられるのを抑制できる。また、コアと外部の光ファイバとを結合する場合、その結合効率にばらつきが発生するのを抑制することができる。
【0077】
よって、本発明の光導波路装置によれば、安定した結合効率を保つことのできる光導波路装置を実現できる。また、クロストークの起きない光導波路装置を実現することができる。さらに、迷光をコントロールすることが可能になるので、種々の機能を1つの導波路チップ上に一体集積化することが可能になる。
【0078】
また、この光導波路装置では、光結合体がコアと同じ材料によって形成されているので、光結合体を形成するために別途特別な材料を必要とせず、ローコストで光結合体を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例の光導波路(曲り導波路)を示す概略平面図である。
【図2】別な従来例の光導波路(S字形導波路)を示す概略平面図である。
【図3】(a)は従来の減衰形の光導波路装置(例えば、VOA)を示す平面図、(b)はそのX部拡大図である。
【図4】本発明の一実施形態による光導波路装置の構成を示す平面図である。
【図5】同上の光導波路装置の分解斜視図である。
【図6】(a)(b)は図4のY1−Y1線断面図及びY2−Y2戦断面図である。
【図7】同上の光導波路装置を可変減衰器として用いた様子を示す平面図である。
【図8】図4のX部拡大図である。
【図9】本発明の光導波路装置に対して、シミュレーションにより、迷光の分布及びコア内を伝搬する光の強度を求めた結果を表わした図である。
【図10】光結合体を有しない比較例の光導波路装置に対して、シミュレーションにより、迷光の分布及びコア内を伝搬する光の強度を求めた結果を表わした図である。
【図11】本発明の別な実施形態による光導波路装置の構造を説明する断面図である。
【図12】本発明のさらに別な実施形態による光導波路装置の構造を説明する断面図である。
【図13】本発明のさらに別な実施形態による光導波路装置の構造を示す概略平面図である。
【図14】本発明のさらに別な実施形態による光導波路装置の構造を示す概略平面図である。
【図15】本発明のさらに別な実施形態による光導波路装置の構造を示す概略平面図である。
【図16】本発明のさらに別な実施形態による光導波路装置の構造を示す概略平面図である。
【図17】本発明のさらに別な実施形態による光導波路装置の構造を示す概略平面図である。
【図18】(a)(b)は光結合体の厚みに関する説明を行うための断面図である。
【図19】本発明のさらに別な実施形態による光導波路装置を示す概略図である。
【図20】本発明のさらに別な実施形態による光導波路装置を示す概略図である。
【図21】図20とは別なS字形導波路形のコアの湾曲部分に沿って円弧状に湾曲した光結合体を設けた様子を示す概略図である。
【図22】本発明のさらに別な実施形態による光導波路装置の概略平面図である。
【図23】本発明のさらに別な実施形態による光導波路装置の概略平面図である。
【図24】本発明のさらに別な実施形態による光導波路装置の概略平面図である。
【図25】本発明のさらに別な実施形態による光導波路装置の概略平面図である。
【図26】可変光減衰器を筐体に納めた可変光減衰器モジュールを表わした斜視図である。
【図27】本発明のさらに別な実施形態による分岐導波路を示す斜視図である。
【図28】本発明のさらに別な実施形態による1×2型の光スイッチを示す斜視図である。
【図29】本発明のさらに別な実施形態による光スイッチを示す斜視図である。
【図30】本発明のさらに別な実施形態による2×2型の光スイッチを示す斜視図である。
【図31】本発明のさらに別な実施形態による合分波器を示す斜視図である。
【図32】本発明にかかる可変光減衰器と光スイッチを用いた光合波分波器を示す概略図である。
【図33】本発明にかかる可変光減衰器を用いた光波長多重伝送装置を示す概略図である。
【符号の説明】
13 下クラッド層
15、15a、15c、15e コア
15b 枝コア
15d S字コア
16、16a コア
16b S字コア
16c 結合用コア
18 光結合体
18a 光回収部
18b ガイド部
20 ヒータ
38 樹脂流れ部
39 樹脂流れ部

Claims (10)

  1. 光を閉じ込めて伝搬させるコアと、前記コアを囲むクラッドとからなる光導波路を備えた光導波路装置において、
    前記コアから前記クラッドへ放出された光を捕捉して前記コアに影響を与えない領域に光を導く光結合体を有し、
    前記光結合体は、前記コアと同じ材料によって形成されていることを特徴とする光導波路装置。
  2. 前記光結合体は、前記コアと同一工程により作製されていることを特徴とする、請求項1に記載の光導波路装置。
  3. 前記光結合体は、複数本のコアを伝搬してきた光が集まる箇所の近傍に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の光導波路装置。
  4. 前記光結合体は、前記コアが湾曲している部分の外周側近傍に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の光導波路装置。
  5. 前記光結合体は、平面視において、輪郭の少なくとも一部が湾曲していることを特徴とする、請求項1に記載の光導波路装置。
  6. 前記光結合体の垂直断面の断面積が、前記コアの垂直断面の断面積よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載の光導波路装置。
  7. 前記光結合体は、前記光導波路の外周面とつながっていることを特徴とする、請求項1に記載の光導波路装置。
  8. 請求項1に記載した光導波路装置により構成された光スイッチを用いた光合波分波装置。
  9. 請求項1に記載した光導波路装置により構成された可変光減衰器を用いた光合波分波装置。
  10. 請求項1に記載した光導波路装置により構成された可変光減衰器を用いた光波長多重伝送装置。
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