JP2014190899A - X線回折測定装置及びx線回折測定システム - Google Patents

X線回折測定装置及びx線回折測定システム Download PDF

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Abstract

【課題】 X線の照射からイメージングプレートに形成された回折X線の像を読取るまでの時間を短縮する。
【解決手段】 スピンドルモータ33によって回転されるテーブル31及びイメージングプレート32には、回転中心軸位置から半径方向に所定距離だけ離れた位置に、円周方向に沿って所定角度ごとにX線出射器20から出射されたX線を通過させる複数の貫通孔31a,32aが設けられている。切欠き下面壁17には、半径方向に延設されたスリットが設けられ、貫通孔31,32aを通過したX線を通過させて測定対象物OBにX線が照射されるようになっている。レーザ検出装置40は、切欠き下面壁17のスリットの位置とは異なる回転位置に配置されるとともに、移動装置70によって半径方向に走査されて、イメージングプレート31に形成された回折X線の像を検出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、測定対象物にX線を照射して、測定対象物にて回折したX線によりイメージングプレートに形成された回折X線の像を読取るX線回折測定装置、及び前記X線回折測定装置を備えたX線回折測定システムに関する。
従来から、測定対象物の残留応力をX線回折により測定することはよく行われている。この残留応力の測定の分野においては、装置の小型化を図るとともに、測定対象物の残留応力の測定時間を短縮するようにしたX線回折測定装置が下記特許文献1に示されている。このX線回折測定装置においては、測定対象物に所定の入射角度(例えば、30乃至40度)でX線を照射し、測定対象物の上面にて回折したX線(以下、回折X線という)を感光性を有するイメージングプレートで受光し、イメージングプレート上に環状の回折X線の像(以下、単に回折環という)を形成している。そして、イメージングプレートを別の位置に移動させた後、移動と共に回転させて、レーザ検出装置からレーザ光を照射して、イメージングプレート上に形成された回折環の形状を読取り、読取った回折環の形状からcosα法を用いて分析することで、測定対象物の残留応力を計算している。
特開2012−225796号公報
上記特許文献1に示されたX線回折測定装置によれば、回折環の形成と回折環の形状の読取りを連続して行うことで、残留応力の測定時間をある程度短縮することができるが、それでも測定対象物の残留応力を得るまでには数分の時間を要する。これに対し、測定対象物の残留応力の測定時間をさらに短くして(例えば、数10秒程度)、多数の測定対象物を連続して測定したり、測定対象物の多数の箇所を連続して測定したりしたいという要望がある。
しかしながら、上記特許文献1に示されたX線回折測定装置は、照射するX線の強度を大きくして回折環をイメージングプレートに形成する時間を短縮することは可能であるが、その後に行うイメージングプレートの移動、及びイメージングプレート上に形成された回折環の形状の読取りに関しては、それ程、時間を短縮することができず、前記要望には応えることができない。
本発明は上記問題を解決するためになされたもので、その目的は、X線の照射からイメージングプレートに形成された回折X線の像を読取るまでの時間を大幅に短縮するようにしたX線回折測定装置、及び前記X線回折測定装置を備えたX線回折測定システムを提供することにある。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、後述する実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の各構成要件は、この実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、測定対象物OBの測定箇所(個々の測定対象物又は測定対象物の測定点)に向けてX線を出射するX線出射器(20)と、中心軸周りに回転するテーブルであって、中心軸位置から半径方向に所定距離だけ離れた位置に、円周方向に沿って所定角度ごとにX線出射器から出射されたX線を通過させる複数の貫通孔(31a)を有するテーブル(31)と、テーブルに取付けられるとともに、テーブルの複数の貫通孔とそれぞれ対向する位置にX線出射器から出射されたX線を通過させる複数の貫通孔(32a)を有し、X線出射器から測定対象物の測定箇所に向けてX線が照射された際、測定対象物の測定箇所による回折X線の像を記録するイメージングプレート(32)と、テーブル及びイメージングプレートを前記中心軸周りに回転させる回転手段(33)と、X線出射器から出射されてテーブルの貫通孔及びイメージングプレートの貫通孔を通過したX線を通過させて測定対象物の測定箇所に照射されるようにするX線の通路(17a)を有するとともに、通路の半径方向の両側位置にて測定対象物の測定箇所による回折X線の一部のみを通過させるスリット(17a)を有する遮蔽部材(17)と、遮蔽部材のスリットとは異なるイメージングプレートの回転位置にイメージングプレートに対向して配置され、イメージングプレートにレーザ光を照射するとともに、イメージングプレートから発生する光を受光するレーザ検出装置(40)と、レーザ検出装置をイメージングプレートの半径方向に移動させて、レーザ検出装置によるイメージングプレートに対するレーザ光の照射位置を半径方向に走査させる移動装置(70)と、回転手段を制御することにより、テーブルを回転させて、X線出射器から出射されるX線がテーブルの貫通孔、イメージングプレートの貫通孔及び遮蔽部材のX線の通路を通過する回転位置でテーブルの回転を停止させる第1工程(S18〜S28)と、テーブルの回転を停止させた状態で、X線出射器を制御することにより、X線出射器から測定対象物の測定箇所に向けてX線を所定時間出射させて、測定対象物の測定箇所による回折X線であって遮蔽部材のスリットを介して入射される回折X線の像をイメージングプレートに記録する第2工程(S34〜S40)とを繰返し実行する制御手段(91)と、第1工程によるテーブルの回転中に、移動装置を制御することにより、レーザ検出装置によるイメージングプレートに対するレーザ光の照射位置を半径方向に走査させて、レーザ検出装置からのレーザ光をイメージングプレートに照射し、レーザ検出装置が受光する光の強度と、レーザ光の照射位置とを入力する回折像読取り手段(91,S50)とを備えたことにある。この場合、レーザ光の照射位置は、例えば、回転手段によるイメージングプレートの回転位置と、移動装置によるイメージングプレートの半径方向におけるレーザ検出装置からのレーザ光の移動位置とである。
上記のように構成した本発明の特徴においては、制御手段が、第1工程で、テーブルを回転させて、X線出射器から出射されるX線がテーブルの貫通孔、イメージングプレートの貫通孔及び遮蔽部材のX線の通路を通過する回転位置でテーブルの回転を停止させ、第2工程で、テーブルの回転を停止させた状態で、測定対象物の測定箇所にX線を照射してイメージングプレートに回折X線の像を記録する。そして、回折像読取り手段は、第1工程によるテーブルの回転中に、すなわち次の測定対象物の測定箇所にX線を照射するように準備している間に、レーザ検出装置によるイメージングプレートに対するレーザ光の照射位置を半径方向に走査させて、レーザ検出装置からのレーザ光をイメージングプレートに照射し、レーザ検出装置が受光する光の強度と、レーザ光の照射位置とを取得する。したがって、本発明の特徴によれば、測定対象物の測定箇所へのX線の照射によるイメージングプレート上への回折X線の像の形成から、イメージングプレートに形成された回折X線の像を読取るまでの時間を大幅に短縮することができる。
また、本発明の他の特徴は、イメージングプレートの回転方向におけるレーザ検出装置によるレーザ光の照射位置を越える位置に配置され、イメージングプレートに対向してイメージングプレートの半径方向に沿って、イメージングプレートに記録された回折X線の像を消去するための消去用光を照射する消去用光照射装置(80)を備えたことにある。これよれば、回折X線の像の読取りと同時に、既に読取られた像が消去されるので、イメージングプレートに記録された回折X線の像を消去する時間が不要になり、測定時間をさらに大幅に短縮することができる。
また、本発明の他の特徴は、レーザ検出装置が受光する光の強度と、レーザ光の照射位置とを用いて、測定対象物の測定箇所の評価値を計算する評価値計算手段(91,S308,S310)と、前記計算された評価値を表示する評価値表示手段(91,S312,93)とを備えたことにある。この場合、評価値としては、例えば、測定対象物の残留応力、レーザ検出装置40により検出した半径方向の受光強度曲線の半価幅、測定対象物OBにおける残留オーステナイトの存在割合を表す値などが用いられる。これによれば、測定箇所ごとに評価値を表示できるので、これを見ることで異常な測定箇所を簡単に認識できる。
また、本発明の他の特徴は、評価値計算手段により算出された評価値と予め決められた許容値とを比較し、測定対象物の測定箇所の合否判定を行う判定手段(91,S314)と、前記判定された測定対象物の合否の結果を表示する合否表示手段(91,S316,S318,93)とを備えたことにある。これによれば、異常な測定箇所を自動的に検出できるようになる。
また、本発明の他の特徴は、X線回折測定装置を備え、さらに、測定対象物が搭載されるステージ(103)と、ステージをX線回折測定装置に対して相対移動させる移動手段(104)と、移動手段を制御して、制御手段による第2工程でX線出射器によるX線の照射位置が前回に照射された測定箇所の次の測定箇所になるように、ステージをX線回折測定装置に対して繰り返し相対移動させる移動制御手段(105,S202〜S236)とを備えたことにある。この場合、コンベアベルトに載せた複数の測定対象物を移動させながら順に測定したり、平面内を移動するステージに載せた大きな面積を有する測定対象物を平面内にて移動させながら複数の点を順に測定したりすることができる。これによれば、測定対象物を載置したステージが、X線測定装置に対して相対的に移動して、次の測定箇所にX線が照射されるようになるので、ステージに載置した測定対象物の複数箇所の残留応力を順次測定することができる。また、このステージのX線測定装置に対する相対移動は、制御手段による第1工程でのイメージングプレートの回転と同時に行うことができるので、複数箇所の測定時間を短縮することができる。
さらに、本発明の実施にあたっては、X線回折測定装置及びX線回折測定システムに限定されるものではなく、X線回折測定方法の発明としても実施し得るものである。
本発明の一実施形態に係るX線回折測定装置を含むX線回折測定システムを示す全体概略図である。 図1のX線回折測定装置のケース内を拡大して示す概略図である。 ケースの下面壁、切欠き下面壁及び切欠き正面壁を省略した状態で、X線回折測定装置を下方から見た図である。 X線回折測定装置の下方から見て、回折X線がイメージングプレートに受光される状態を説明するための説明図である。 イメージングプレートに回折環の一部である回折X線の像が形成されるとともに、この形成された回折X線の像の読取り及び消去を説明するための説明図である。 図1のコントローラによって実行されるメインプログラムの前半部分を示すフローチャートである。 前記メインプログラムの後半部分を示すフローチャートである。 図6Aの回折X線像読取りルーチンを示すフローチャートである。 図1の移動制御装置にて実行される測定対象物移動プログラムを示すフローチャートである。 図1のコントローラによって実行される残留応力判定プログラムを示すフローチャートである。 テーブルの回転及びイメージングプレートに形成された回折X線の像の読取りの際に設定される回転角度を説明するための説明図である。 半価幅を説明するためのレーザ検出装置によるレーザ光の強度分布を示すグラフである。 残留オーステナイトを説明するためのレーザ検出装置により検出されるレーザ光の強度分布を示すグラフである。 上記実施形態の変形例に係り、回折X線の像の読取りにおいて2つのレーザ検出装置の往復移動の状態を説明するための説明図である。
本発明の一実施形態に係るX線回折測定装置を含むX線回折測定システムの構成について図1及び図2を用いて説明する。このX線回折測定システムは、測定対象物OBの残留応力を評価するために、X線を測定対象物OBに照射するとともに、同照射による測定対象物OBからの回折X線により形成される回折X線の像を検出する。測定対象物OBは、本実施形態では、ショットピーニング処理、溶接処理を終えた平板状の比較的小さな複数の鉄材である。
X線回折測定装置は、ケース10内に収容されたX線出射器20、テーブル装置30、レーザ検出装置40、移動装置70及び消去用光照射装置80を備えている。また、ケース10内には、X線出射器20、テーブル装置30、レーザ検出装置40、移動装置70及び消去用光照射装置80に接続されて作動制御したり、検出信号を入力したりするための各種回路も内蔵されており、図1においてケース10外に示された2点鎖線で示された各種回路は、ケース10内の2点鎖線内に納められている。このようなX線回折測定装置は、移動ステージ装置100の上方に配設されている。なお、図1及び図2においては、回路基板、電線、固定具、空冷ファンなどは省略されている。
ケース10は、平板部材からなる上面壁11、下面壁12、正面壁13、裏面壁14、左側面壁15及び右側面壁16によってほぼ直方体状に形成されていて、内部に空間を有する。なお、図1及び図2においては、左側面壁15は省略されている。ケース10の下面壁12と正面壁13の角部(図示右下部)は直方体状に切欠かれていて、前記角部には、上面壁11及び下面壁12に平行かつ正面壁13、裏面壁14、左側面壁15及び右側面壁16に垂直な平板部材からなる切欠き下面壁17が設けられているとともに、正面壁13及び裏面壁14に平行かつ上面壁11、下面壁12、切欠き下面壁17、左側面壁15及び右側面壁16に垂直な平板部材からなる切欠き正面壁18が設けられている。切欠き下面壁17における左側面壁15と右側面壁16との間の中央位置には、左側面壁15及び右側面壁16に対して平行な方向(正面壁13、裏面壁14及び切欠き正面壁18に対して直交する方向)に延設されて、切欠き下面壁17を貫通する長尺状かつ直線状の1本のスリット17aが設けられている。この切欠き下面壁17が本発明の遮蔽部材を構成する。
このように構成したケース10は、X線回折測定装置の使用時には、移動ステージ装置100の上方位置にて上面壁11、下面壁12及び切欠き下面壁17が水平面に対して所定角度だけ傾き、かつ左側面壁15及び右側面壁16が水平面に対して垂直になるように、図示しない支持機構により配置される(図1及び図2の状態)。この場合、支持機構は、測定対象物OBの検査場の床面に置かれたスタンド(図示省略)で構成されている。なお、この支持機構は、スタンド以外に、検査場の天井又は横壁に組み付けられたりして、ケース10を前記配置状態に固定するものであれば、どのような機構を用いてもよい。
X線出射器20は、長尺状に形成され、ケース10内の上部にて上面壁11、下面壁12、左側面壁15、右側面壁16及び切欠き下面壁17に平行に延設されてケース10に固定されており、X線を下方に向けて出射口21から出射する。このX線出射器20の出射口21は切欠き下面壁17に設けたスリット17aの径方向のほぼ中央位置に配置されており、出射されたX線の光軸は、スリット17aの径方向の中央位置にてケース10の切欠き下面壁17に対して垂直である。そして、前述のように、切欠き下面壁17を水平面に対して傾けてケース10を移動ステージ装置100の上方に配置した状態では、測定対象物OBの上面に対して所定の入射角度(X線の光軸と測定対象物OBの上面の法線とがなす角度)でX線が測定対象物OBの上面に照射されるようになっている。この所定角度は、例えば、30度乃至45度の範囲内の角度であることが望ましい。
このX線出射器20には、X線出射器20を作動させるための高電圧の電力を供給するための高電圧電源22が接続されているとともに、X線出射器20の作動を制御するためのX線制御回路23が接続されている。X線制御回路23は、後述するコンピュータ装置90を構成するコントローラ91によって制御され、X線出射器20から一定の強度のX線が出射されるように、X線出射器20に供給される駆動電流及び駆動電圧を制御する。また、X線出射器20は、図示しない冷却装置を備えていて、X線制御回路23は、この冷却装置に供給される駆動信号も制御する。これにより、X線出射器20の温度が一定に保たれる。
テーブル装置30は、テーブル31、イメージングプレート32及びスピンドルモータ33を備えている。テーブル31は、円盤状に構成され、その上面の中心位置にてスピンドルモータ33の出力軸に固定されて、スピンドルモータ33の回転により回転される。テーブル31の下面の中心部には、外周上に雄ねじを形成した円柱状の突出部が設けられている。イメージングプレート32も円盤状に構成され、中心部に円形の貫通孔を有する。この貫通孔にテーブル31の突出部を貫通させて、内周面に雌ねじを形成した有底かつ円筒状の固定具34を前記突出部に螺合させることにより、イメージングプレート32は、テーブル31の下面に、テーブル31と回転中心を共通にして、切欠き下面壁17に対して平行に固定されている。これにより、イメージングプレート32は、切欠き下面壁17に対して平行な平面内にてテーブル31と一体回転する。イメージングプレート32は、表面に蛍光体が塗布された円形の感光性を有するプラスチックフィルムであり、測定対象物OBに対するX線の照射によって測定対象物OBの上面にて回折した回折X線を受光して回折像を形成する。
テーブル31及びイメージングプレート32には、図3に示すように、回転中心と外周の間の中間位置であって、X線出射器20の出射口21と対向する同一半径位置に、周方向に沿って所定の角度ごと(本実施形態では、20度ごと)に等間隔で複数の小さな円形の貫通孔31a,32aが形成されている。テーブル31に設けた複数の貫通孔31aとイメージングプレート32に設けた複数の貫通孔32aは、イメージングプレート32をテーブル31に組付けた状態で、互いに同一位置に配置される。なお、図2においては、X線出射器20の出射口21に対向した状態にある各1つずつの貫通孔31a,32aのみを破線により示している。
したがって、テーブル31の回転により、テーブル31の1つの貫通孔31aとイメージングプレート32の1つの貫通孔32aが出射口21に対向する位置にあるとき、X線出射器20の出射口21から出射されたX線は、テーブル31及びイメージングプレート32に対して垂直方向に貫通孔31a,32aを通過するとともに、切欠き下面壁17に設けたスリット17aの長尺方向のほぼ中央位置を通過して、測定対象物OBに照射されることになる。そして、測定対象物OBで回折した回折X線は、図1及び図2に破線で示すように切欠き下面壁17に入射する。なお、この回折X線は円錐状に広がるX線であり、図4にてAで示すように、円形の回折X線が切欠き下面壁17及びイメージングプレート32で受光される。しかし、この円錐状に広がる回折X線のほとんどは切欠き下面壁17で遮断されて、スリット17a位置の回折X線のみが、スリット17aを通過してイメージングプレート32に回折X線の像を形成する。そして、テーブル31の回転により、テーブル31及びイメージングプレート32の複数の貫通孔31a,32aを介したX線の測定対象物OBに対する照射により、イメージングプレート32には、図5のA1,A2に示すように、回折X線の像が順次形成される。
スピンドルモータ33内には、エンコーダ33aが組み込まれている。エンコーダ33aは、スピンドルモータ33が所定の微小回転角度だけ回転する度に、ハイレベルとローレベルとに交互に切り替わるパルス列信号を、回転角度検出回路36及びスピンドルモータ制御回路37へ出力する。さらに、エンコーダ33aは、スピンドルモータ33が1回転するごとに、所定の短い期間だけローレベルからハイレベルに切り替わって基準回転位置を表すインデックス信号を回転角度検出回路36へ出力する。
回転角度検出回路36及びスピンドルモータ制御回路37は、コントローラ91からの指令により作動開始する。回転角度検出回路36は、エンコーダ33aからのインデックス信号の到来によりカウント値を「0」に設定するとともに、エンコーダ33aから出力されたパルス列信号の到来によりカウント値を順次変更してし、そのカウント値を用いてスピンドルモータ33の回転角度すなわちテーブル31及びイメージングプレート32の回転角度θを計算して、コントローラ91に出力する。このインデックス信号が到来するテーブル31及びイメージングプレート32の回転位置(すなわち回転角度θ=0の回転位置)を、テーブル31及びイメージングプレート32の基準回転位置とする。スピンドルモータ制御回路37は、コントローラ91による後述するプログラム処理によって指示されて、スピンドルモータ33の作動及び停止を制御する。
この場合、スピンドルモータ制御回路37は、テーブル31の貫通孔31a及びイメージングプレート32の貫通孔32aが、X線出射器20の出射口21及び切欠き下面壁17のスリット17aに対向する位置に来たとき、テーブル31の回転を停止させて、X線出射器20によるX線の測定対象物OBへの照射を可能にする。このX線の照射後には、テーブル31を回転させて、詳しくは後述するように、イメージングプレート32に形成された回折X線の像A1,A2の読取り、及び前記形成された回折X線の像A1,A2の消去を可能にする。また、スピンドルモータ制御回路37は、スピンドルモータ33の回転制御時には、エンコーダ33aから入力したパルス信号の単位時間当たりのパルス数を用いてスピンドルモータ33の回転速度を計算し、計算した回転速度がコントローラ91から入力した回転速度になるように、駆動信号をスピンドルモータ33に供給する。ただし、このスピンドルモータ33の回転速度は、イメージングプレート32に形成された回折X線の像の読取り、及び前記形成された回折X線の像の消去を行うためと、コントローラ91からスピンドルモータ33の停止指令が入力したタイミングでスピンドルモータ33を即座に停止させるために、極低速である。
レーザ検出装置40は、イメージングプレート32に形成された回折X線の像をレーザ光を用いて読取るための装置であり、筐体41内に組込まれている。レーザ検出装置40は、レーザ光源42、コリメートレンズ43、反射鏡44、ダイクロイックミラー45及び対物レンズ47を備えている。
レーザ光源42は、レーザ駆動回路61によって制御されて、イメージングプレート32に照射するレーザ光を出射する。レーザ駆動回路61は、コントローラ91によって制御され、レーザ光源42から所定の強度のレーザ光が出射されるように、駆動信号を制御して供給する。レーザ駆動回路61は、後述する受光器(フォトディテクタ)55から出力された受光信号を入力して、受光信号の強度が所定の強度になるようにレーザ光源42に出力する駆動信号を制御する。これにより、イメージングプレート32に照射されるレーザ光の強度が一定に維持される。
コリメートレンズ43は、レーザ光源42から出射されたレーザ光を平行光に変換する。反射鏡44は、コリメートレンズ43にて平行光に変換されたレーザ光を,ダイクロイックミラー45に向けて反射する。ダイクロイックミラー45は、反射鏡44から入射したレーザ光の大半(例えば、95%)をそのまま透過させる。対物レンズ47は、ダイクロイックミラー45から入射したレーザ光をイメージングプレート32の表面に集光させる。この対物レンズ47から出射されるレーザ光の光軸は、イメージングプレート32に対して垂直である。
対物レンズ47には、フォーカスアクチュエータ48が組み付けられている。フォーカスアクチュエータ48は、対物レンズ47をレーザ光の光軸方向に移動させるアクチュエータである。なお、対物レンズ47は、フォーカスアクチュエータ48が通電されていないときに、その可動範囲の中心に位置する。
対物レンズ47によって集光されたレーザ光を、イメージングプレート32の表面であって、回折X線の像A1,A2が形成されている部分に照射すると、輝尽発光(Photo−Stimulated Luminesence)現象が生じる。すなわち、回折X線の像A1,A2を形成した後、イメージングプレート32にレーザ光を照射すると、イメージングプレート32の蛍光体が回折X線の強度に応じた光であって、レーザ光の波長よりも波長が短い光を発する。イメージングプレート32に照射されて反射したレーザ光及び蛍光体から発せられた光は、対物レンズ47を通過して、ダイクロイックミラー45にて蛍光体から発生された光は大部分が反射し、レーザ光の反射光は一部のみが反射する。ダイクロイックミラー45の反射方向には、集光レンズ51、シリンドリカルレンズ52及び受光器(フォトディテクタ)53が設けられている。集光レンズ51は、ダイクロイックミラー45から入射した光を、シリンドリカルレンズ52に集光する。シリンドリカルレンズ52は、透過した光に非点収差を生じさせる。受光器53は、分割線で区切られた4つの同一正方形状の受光素子からなる4分割受光素子によって構成されており、時計回りに配置された受光領域A,B,C,Dに入射した光の強度に比例した大きさの検出信号を受光信号(a,b,c,d)として、増幅回路62に出力する。
増幅回路62は、受光器53から出力された受光信号(a,b,c,d)をそれぞれ同じ増幅率で増幅して受光信号(a’,b’,c’,d’)を生成し、フォーカスエラー信号生成回路63及びSUM信号生成回路64へ出力する。本実施形態においては、非点収差法によるフォーカスサーボ制御を用いる。フォーカスエラー信号生成回路63は、増幅された受光信号(a’,b’,c’,d’)を用いて、演算によりフォーカスエラー信号を生成する。すなわち、フォーカスエラー信号生成回路63は、(a’+c’)−(b’+d’)の演算を行い、この演算結果をフォーカスエラー信号としてフォーカスサーボ回路65へ出力する。フォーカスエラー信号(a’+c’)−(b’+d’)は、レーザ光の焦点位置のイメージングプレート32の表面からのずれ量を表している。
フォーカスサーボ回路65は、コントローラ91により制御され、フォーカスエラー信号に基づいて、フォーカスサーボ信号を生成してドライブ回路66に出力する。ドライブ回路66は、このフォーカスサーボ信号に応じてフォーカスアクチュエータ48を駆動して、対物レンズ47をレーザ光の光軸方向に変位させる。この場合、フォーカスエラー信号(a’+c’)−(b’+d’)の値が常に一定値(例えば、ゼロ)となるようにフォーカスサーボ信号を生成することにより、イメージングプレート32の表面にレーザ光を集光させ続けることができる。
SUM信号生成回路64は、受光信号(a’,b’,c’,d’)を合算してSUM信号(a’+b’+c’+d’)を生成し、A/D変換器67に出力する。SUM信号の強度は、イメージングプレート32にて反射したレーザ光の強度と輝尽発光により発生した光の強度を合わせた強度に相当するが、イメージングプレート32にて反射したレーザ光の強度はほぼ一定であるので、SUM信号の強度は、輝尽発光により発生した光の強度に相当する。すなわち、SUM信号の強度は、イメージングプレート32に入射した回折X線の強度に相当する。A/D変換器67は、コントローラ91によって制御され、SUM信号生成回路64からSUM信号を入力し、入力したSUM信号の瞬時値をディジタルデータに変換してコントローラ91に出力する。
レーザ検出装置40は、集光レンズ54及び受光器(フォトディテクタ)55も備えている。集光レンズ54は、レーザ光源42から出射されたレーザ光の一部であって、ダイクロイックミラー45を透過せずに反射したレーザ光を受光器55の受光面に集光する。受光器55は、受光面に集光された光の強度に応じた受光信号を出力する受光素子である。したがって、受光器55は、レーザ光源42が出射したレーザ光の強度に対応した強度の受光信号をレーザ駆動回路61へ出力する。
移動装置70は、テーブル31及びイメージングプレート32の下方であって、テーブル31及びイメージングプレート32の回転中心に対して、切欠き下面壁17のスリット17aと反対側に設けられていて、レーザ検出装置40をテーブル31及びイメージングプレート32の半径方向に往復移動させる。この移動装置70は、フィードモータ71及びスクリューロッド72を有する。フィードモータ71は、イメージングプレート32よりも外側位置にて、下面壁12の内側面上に立設された支持部材73に組付けられている。スクリューロッド72は、図3に示すように、イメージングプレート32の外側からイメージングプレート32の中心から若干ずれた位置に向かって延設されていて、その一端部がフィードモータ71の出力軸に連結されている。スクリューロッド72の他端部は、切欠き正面壁18の近傍位置にて、下面壁12の内側面上で立設された支持部材74に回転可能に支持されている。
レーザ検出装置40の筐体41は、図示しない雌ねじを備え、スクリューロッド72に螺合している。スクリューロッド72の両側にはスクリューロッド72と平行に延設された一対のガイドロッド75がそれぞれ設けられ、一対のガイドロッド75の両端は支持部材73,74にそれぞれ固定されている。この一対のガイドロッド75は筐体41に設けた図示しないガイド孔を貫通しており、筐体41がスクリューロッド72の軸線周りに回転不能かつスクリューロッド72の軸線方向に移動可能になっている。これにより、フィードモータ71を正転及び逆転させると、レーザ検出装置40がスクリューロッド72及びガイドロッド75の軸線方向に往復動する。なお、このガイドロッド75は、図1及び図2においては省略されている。
レーザ検出装置40においては、対物レンズ47は、図3に示すように、スクリューロッド72及びガイドロッド75に平行かつイメージングプレート32と直交する平面内であって、イメージングプレート32の中心を含む平面内に配置されている。これにより、対物レンズ47は、イメージングプレート32の中心に対してスリット17aとほぼ反対側にて、イメージングプレート32の中心付近から外周付近まで径方向に移動する。すなわち、レーザ検出装置40の往復移動により、レーザ検出装置40から出射されたレーザ光の光軸は、図5に矢印で示すように、スリット17aとほぼ反対側にて、イメージングプレート32の中心付近から外周付近まで径方向に移動する。本実施形態においては、このレーザ光の光軸の移動ラインの位置は、スリット17aの位置すなわちX線が出射される位置とイメージングプレート32の中心を結ぶラインを0度とすると、190度の回転角度位置である。
これにより、テーブル31及びイメージングプレート32の回転を停止させて、X線をテーブル31の貫通孔31a、イメージングプレート32の貫通孔32a及び切欠き下面壁17のスリット17aを介して測定対象物OBにX線を照射して、イメージングプレート32に回折X線の像A1,A2を形成した後、イメージングプレート32に次の回折X線の像を形成するためにテーブル31及びイメージングプレート32を回転させて停止させるまでの間に、前記X線の照射によりイメージングプレート32に形成された回折X線の像A1,A2であって10個だけ前に形成された回折X線の像A1,A2にレーザ検出装置40から照射されるレーザ光が走査されることになる。言い換えれば、回折X線の像A1,A2の形成後、次の回折X線の像A1,A2の形成までの間に、10個だけ前に形成された回折X線の像A1,A2が読取られる。
フィードモータ71内には、エンコーダ71aが組み込まれている。エンコーダ71aは、フィードモータ71が所定の微小回転角度だけ回転するたびに、ハイレベルとローレベルとに交互に切り替わるパルス列信号を位置検出回路77及びフィードモータ制御回路78へ出力する。位置検出回路77及びフィードモータ制御回路78は、コントローラ91からの指令により作動開始する。
測定開始直後において、フィードモータ制御回路78は、フィードモータ71を駆動してレーザ検出装置40をフィードモータ71側へ移動させる。位置検出回路77は、エンコーダ71aから出力されるパルス信号が入力されなくなると、レーザ検出装置40が移動限界位置に達したことを表す信号をフィードモータ制御回路78に出力し、レーザ検出装置40の位置を表すカウント値を「0」に設定する。フィードモータ制御回路78は、位置検出回路77から移動限界位置に達したことを表す信号を入力すると、フィードモータ71への駆動信号の出力を停止する。上記の移動限界位置をレーザ検出装置40の原点位置とする。したがって、位置検出回路77は、レーザ検出装置40が図1及び図2にて左上方向に移動して移動限界位置に達したとき「0」を表す位置信号を出力し、レーザ検出装置40が移動限界位置から右下方向に移動するとき、移動限界位置からの移動距離を表す信号を位置信号として出力する。
フィードモータ制御回路78は、コントローラ91からの指示により、フィードモータ71を正転又は逆転駆動して、予め決められた移動範囲に渡ってレーザ検出装置40を往復動させる。位置検出回路77は、エンコーダ71aが出力するパルス信号のパルス数をカウントする。そして、位置検出回路77は、カウントしたパルス数を用いてレーザ検出装置40の現在の位置(移動限界位置からの移動距離)を計算し、コントローラ91及びフィードモータ制御回路78に出力する。
また、フィードモータ制御回路78は、レーザ検出装置40の移動速度を表す設定値をコントローラ91から入力する。そして、エンコーダ71aから入力したパルス信号の単位時間当たりのパルス数を用いて、レーザ検出装置40の移動速度を計算し、前記計算したレーザ検出装置40の移動速度がコントローラ91から入力した移動速度になるようにフィードモータ71を駆動する。
消去用光照射装置80は、イメージングプレート32に形成された回折X線の像A1,A2を消去するものである。この消去用光照射装置80は、図3に示すように、イメージングプレート32の回転方向において、レーザ検出装置40のレーザ光の走査位置(190度)と切欠き下面壁17のスリット17a位置(0度=360度)との間(本実施形態では270度の回転位置)にて、イメージングプレート32の中心付近から外周付近まで径方向に延設されて、イメージングプレート32の下方に配置されている。この消去用光照射装置80は、回折X線の像A1,A2を消去するための複数の発光素子(LED)を径方向に沿ってライン状に配置させており、コントローラ91により制御されるLED駆動回路81によって作動開始すると、複数のLEDからのLED光がイメージングプレート32の中心付近から外周付近まで直線状に照射される。そして、この消去用光照射装置80を常時作動させると、図5に示すように、イメージングプレート32の回転により、イメージングプレート32上に形成された回折X線の像A1,A2はその読取り後に順次消去される。
コンピュータ装置90は、コントローラ91、入力装置92及び表示装置93からなる。コントローラ91は、CPU、ROM、RAM、大容量記憶装置などを備えたマイクロコンピュータを主要部とした電子制御装置であり、大容量記憶装置に記憶された図6A及び図6Bのメインプログラム(図7の回折X線像読取りルーチンを含む)及び図9の残留応力判定プログラムを実行する。入力装置92は、コントローラ91に接続されて、作業者により、各種パラメータ、作業指示などの入力のために利用される。表示装置93は、作業者に対して各種の設定状況、作動状況、測定結果などを視覚的に知らせる。
次に、移動ステージ装置100について説明する。移動ステージ装置100は、回転シャフト101,102の外周面上に巻回されて、載置された測定対象物OBを移動させるための無端のコンベアベルト103を備えている。コンベアベルト103上には、一定間隔で所定の位置に測定対象物OBが載置されるように、所定の位置にマークが施されている。回転シャフト101はモータ104の回転軸に動力伝達可能に接続されており、モータ104を回転させるとコンベアベルト103の上面が図示右から左方向に移動するようになっている。なお、このコンベアベルト103が本発明のステージに相当する。モータ104は、コントローラ91に接続された移動制御装置105により作動制御される。移動制御装置105は、コントローラ91からの指示により、図8の測定対象物移動プログラムを実行する。
ケース10の切欠き下面壁17の下方であってコンベアベルト103の上面付近には、コンベアベルト103に載置された測定対象物OBがX線出射器20によるX線の照射位置近傍に移動してきたことを検出するセンサ106が配置されている。このセンサ106は、前記X線の照射位置から所定距離だけ手前側(図1の右側)にて、コンベアベルト103の幅方向の両側に対向してそれぞれ設けられたレーザ光出射部及びレーザ光受光部からなる。レーザ光出射部は、コンベアベルト103の上面に平行であるとともに接近した測定対象物OBにより遮断される位置に、コンベアベルト103の移動方向と直交する方向にレーザ光を出射する。レーザ光受光部は、レーザ光出射部から出射されたレーザ光を受光する。そして、レーザ光受光部は、コンベアベルト103の上面にある測定対象物OBがレーザ光出射部からのレーザ光を遮断して、レーザ光の受光強度が所定値より小さくなると、測定対象物OBの接近を表す検出信号を移動制御装置105に出力する。
また、コンベアベルト103の裏側であって、上面にて測定対象物OBが載置される箇所(前記マークの位置)の中心位置に対向する位置には、反射率の高い部材が添着されている。そして、コンベアベルト103の裏側下方であって、X線出射器20によるX線の照射位置の直下には前記反射率の高い部材(測定対象物OBの中心位置)を検出するためのセンサ107が配置されている。このセンサ107は、レーザ光をコンベアベルト103の裏側に向けて出射するレーザ光出射部と、レーザ光出射部から出射されたレーザ光の反射光を受光するレーザ受光部からなる。そして、レーザ光受光部は、前記反射率の高い部材がセンサ106の直上に位置して、レーザ光の受光強度が所定値以上になると、測定対象物OBの存在を表す検出信号を移動制御装置105に出力する。
以下に、上記のように構成したX線回折測定装置を含むX線回折測定システムを用いて、測定対象物OBの上面の残留応力を求める具体的方法について説明する。まず、多数の測定対象物OBを用意して、その後、コンピュータ装置90及び高電圧電源22を上記の構成のX線回折測定装置に接続する。そして、作業者が、入力装置92を用いて、測定対象物OBの材質(例えば、鉄)を入力し、残留応力の測定開始を指示する。これにより、コントローラ91はメインプログラムの実行を開始する。
このメインプログラムは、図6A及び図6Bに示すように、ステップS10にて開始され、コントローラ91は、ステップS12にて移動ステージ装置100の作動開始を移動制御装置105に指示する。これにより、移動制御装置105は、図8に示す測定対象物移動制御プログラムの実行をステップS200にて開始して、ステップS202にてコンベアベルト103の移動開始の指示を待つ。前記ステップS12の処理後、コントローラ91は、ステップS14にて変数n,m,k,eをそれぞれ「0」に初期設定する。変数nはX線のトータルの照射回数(照射番号)を表し、変数mはトータルの測定回数(測定番号)を表し、変数kはテーブル31及びイメージングプレート32の1回転におけるX線の照射回数(照射番号)を表し、変数eは測定対象物OBが存在しなくなった段階からの回折X線の像A1,A2の読取り回数を表す。
次に、コントローラ91は、ステップS16にて移動制御装置105にコンベアベルト103の移動開始を指示し、ステップS18にてスピンドルモータ制御回路37にスピンドルモータ33の回転速度を指示するとともに回転開始を指示する。これにより、スピンドルモータ制御回路37は、スピンドルモータ33を作動させてテーブル31及びイメージングプレート32を回転させ始める。このスピンドルモータ33の回転速度は前述のように極低速であり、テーブル31及びイメージングプレート32も図5の矢印方向へ極低速で回転し始める。
次に、コントローラ91は、ステップS20にて、変数nが所定値N10以上であるかを判定する。この所定値N10は、イメージングプレート32に形成された回折X線の像A1,A2がレーザ検出装置40の走査範囲に入ったかを判定するもので、本実施形態では「10」である。これは、回折X線の像A1,A2がイメージングプレート32に20度間隔で18個形成され、レーザ検出装置40の走査回転位置は回折X線の照射回転位置(スリット17aの位置)からイメージングプレート32が190度回転した回転位置であって、変数nはイメージングプレート32に回折X線の像A1,A2を形成するごとに「1」ずつカウントアップする値であるからである。この場合、変数nは「0」に初期設定されたままであるので、コントローラ91は、ステップS20にて「No」と判定して、ステップS22にてテーブル31及びイメージングプレート32の回転角度θを回転角度検出回路36から入力する。そして、ステップS24にて、入力した回転角度θが下記式1を満足するかを判定する。
|θ−(θa+k・θs)|≦Δθo …式1
ここで、前記式1について説明しておく。回転角度θは、前述のように、イメージングプレート32が基準回転位置にある状態から、イメージングプレート32が図10の時計方向(図示矢印方向)へ回転したときの回転角度である。角度θaは、回転角度θが「0」である状態すなわちイメージングプレート32が基準回転位置にある状態から、イメージングプレート32の貫通孔32aがX線出射器20の出射口21から出射されるX線の光軸位置(スリット17aの位置)に最初に到達するまでの角度であり、この角度θaは予め決められている。角度θsは、イメージングプレート32の貫通孔32a間の角度であり、本実施形態では20度である。角度Δθoは、出射されるX線が貫通孔32aを通過するためにイメージングプレート32の回転角度の設定値からのずれの許容値を示すもので、予め決められた微小角度である。
この場合、変数kは「0」に初期設定されているので、イメージングプレート32が基準回転位置から角度θaだけ回転するまでは、ステップS24にて「No」と判定されて、コントローラ91は、ステップS22,S24の循環処理を繰返し実行する。このステップS22,S24の循環処理中、イメージングプレート32が基準回転位置から角度θaだけ回転すると、コントローラ91は、ステップS24にて「Yes」と判定して、ステップS25にて変数eが「1」以上であるかを判定する。この場合、変数eは「0」に初期設定されているので、コントローラ91は、ステップS26にて「No」と判定して、ステップS28にてスピンドルモータ制御回路37にスピンドルモータ33の回転停止を指示する。これにより、スピンドルモータ制御回路37は、スピンドルモータ33の作動を停止させてテーブル31及びイメージングプレート32を停止させる。この状態では、テーブル31及びイメージングプレート32の貫通孔31a,32aは、X線出射器20の出射口21から出射されるX線の光軸位置に位置するとともに、スリット17aの対向位置に位置する。
前記ステップS28の処理後、コントローラ91は、ステップS30にて、移動制御装置105からのコンベアベルト103の停止信号を入力したかを判定する。この場合、後述するように、移動制御装置105からのコンベアベルト103の停止信号は入力されていないので、コントローラ91は、ステップS30にて「No」と判定して、ステップS32にて、移動制御装置105からの終了信号を入力したかを判定する。この場合も、後述するように、移動制御装置105からの終了信号は入力されていないので、コントローラ91は、ステップS32にて「No」と判定して、ステップS30,S32の循環処理を繰返し実行する。
一方、移動制御装置105は、前記ステップS12の移動ステージ装置100の作動開始の指示に応答して、図8のステップS200にて測定対象物移動プログラムの実行を開始しており、この開始後、ステップS202にて、コントローラ91からのコンベアベルト103の移動開始の指示を入力したかを判定し続けている。前述のように、コントローラ91は、作動開始直後のステップS16の処理により、移動制御装置105に対してコンベアベルト103の移動開始を指示している。したがって、移動制御装置105は、ステップS202にて「Yes」と判定して、ステップS204にてモータ104を回転開始させる。このモータ104の回転開始により、コンベアベルト103の上面は図1の左方向に移動し始める。このコンベアベルト103の移動開始後、作業者は、測定対象物OBをコンベアベルト103の所定の位置に次々に載置する。載置された測定対象物OBは、コンベアベルト103の移動により、図1の左方向に移動していく。
前記ステップS204の処理後、移動制御装置105は、ステップS206にて時間計測を開始し、ステップS208にて、測定対象物OBがX線出射器20によるX線の照射位置近傍に移動してきたことがセンサ106によって検出されたかを判定する。前記センサ106による検出前であれば、ステップS208にて「No」と判定され、移動制御装置105は、ステップS210にて前記計測を開始した時間が予め決められた設定時間Teを経過したかを判定する。この設定時間Teは、コンベアベルト103が移動開始されても、適正な時間内にセンサ106による検出がなされないことを検出するための時間であり、ある程度大きな時間に設定されている。したがって、測定対象物OBがコンベアベルト103上に載置されて、X線回折測定システムが正常であれば、ステップS210の判定処理では「No」と判定される。そして、移動制御装置105は、センサ106による測定対象物OBの検出まで、ステップS208,S210の循環処理を繰返し実行する。
このステップS208,S210の循環処理中、測定対象物OBがX線出射器20によるX線の照射位置近傍に移動してきたことがセンサ106によって検出されると、移動制御装置105は、ステップS208にて「Yes」と判定して、ステップS212にて、測定対象物OBの中心位置を表すセンサ107からの検出信号を入力したかを判定する。前記検出信号が入力されるまで、移動制御装置105はステップS212にて「No」と判定し続け、前記検出信号が入力されると、ステップS212にて「Yes」と判定して、ステップS214にてモータ104の回転を停止させる。これにより、コンベアベルト103の移動は停止し、測定対象物OBはX線出射器20によるX線の照射位置に位置する。次に、移動制御装置105は、ステップS216にてコンベアベルト103の停止信号をコントローラ91に出力し、コントローラ91からのコンベアベルト103の移動開始の指示を入力するまで、前記ステップS202と同様にステップS218にて「No」と判定し続けて、ステップS218の判定処理を実行し続ける。
一方、コントローラ91は、前述したステップS30,S32の循環処理中、前記ステップS216の処理によるコンベアベルト103の停止信号を移動制御装置105から入力すると、ステップS30にて「Yes」と判定して、ステップS34にて、X線制御回路23にX線の照射開始を指示する。これにより、X線制御回路23は、X線出射器20を作動させて出射口21を介してX線を出射させ始める。この状態では、前述のように、テーブル31の貫通孔31a及びイメージングプレート32の貫通孔32aは、X線出射器20の出射口21から出射されるX線の光軸位置に位置するとともに、スリット17aの対向位置に位置するので、X線出射器20の出射口21から出射されたX線は、テーブル31及びイメージングプレート32の貫通孔31a,32a及びスリット17aを通過して、測定対象物OBの上面に照射される。これにより、測定対象物OBから回折X線が発生し、発生した回折X線のうち、スリット17a位置の回折X線のみが切欠き下面壁17を通過してイメージングプレート32に入射し始める。
前記ステップS34の処理後、コントローラ91は、ステップS36にて時間計測を開始し、ステップS38にて計測時間が予め決められた設定時間に達したかを判定する。この設定時間は、X線の照射開始から回折X線の像A1,A2が充分な強度でイメージングプレート32に形成されるまでの時間である。そして、計測時間が前記設定時間に達するまで、コントローラ91は、ステップS38にて「No」と判定し続けて、ステップS38の判定処理を実行し続ける。計測時間が前記設定時間に達すると、コントローラ91は、ステップS40にてX線制御回路23にX線の出射停止を指示する。これにより、X線制御回路23は、X線出射器20によるX線の出射を停止させる。その結果、この状態では、図5及び図10に示すように、イメージングプレート32上において、半径方向であって貫通孔32aを中心としたほぼ対称位置に回折X線による像A1,A2が形成される。
次に、コントローラ91は、図6BのステップS42にて変数nに「1」を加算し、ステップS44にて変数kに「1」を加算し、ステップS46にて角度θa+k・θsが360度を超えたかを判定する。この場合、変数kは「1」であり、θaは20度よりも小さく、θsは20度であるので、コントローラ91は、ステップS46にて「No」と判定して、ステップS48にて変数eが値N10(=10)であるかを判定する。この場合、変数eは「0」に初期設定されたままであるので、コントローラ91は、ステップS48にて「No」と判定して、図6AのステップS16に戻る。そして、前述したステップS16の処理により再度コンベアベルト103の移動開始を移動制御装置105に再び指示し、前述したステップS18の処理によりテーブル31を回転させ始める。次に、コントローラ91は、ステップS20にて変数nが値N10(=10)以上であるかを判定する。変数nは「1」であるので、この場合も、コントローラ91はステップS20にて「No」と判定して、前記式1が成立するまで、前述したステップS22,S24の循環処理を繰返し実行し続ける。
この場合、変数kは「1」であるので、式1における角度θa+k・θsは、イメージングプレート32の貫通孔32aがX線出射器20の出射口21から出射されるX線の光軸位置(スリット17aの位置)に次に到達するまでの角度である。したがって、回転角度θが前記角度θa+k・θs(=θa+θs)に達するまで、テーブル31は回転して、回転角度θが前記角度θa+k・θs(=θa+θs)に達した時点で、前述したステップS28の処理によりテーブル31の回転が停止される。なお、変数eはこの場合も「0」に初期設定されたままであるので、ステップS26においては「No」と判定される。前記ステップS28の処理後、前述したステップS30,S32の循環処理が、コンベアベルト103の停止信号が移動制御装置105から入力されるまで実行され続ける。
一方、移動制御装置105は、前述したステップS218の判定処理の繰返し実行中、前記ステップS16によるコンベアベルト103の移動開始指示により、ステップS218における「Yes」との判定の基に、ステップS220にてモータ104を回転させ始める。これにより、コンベアベルト103は再び移動を開始する。前記ステップS220の処理後、移動制御装置105は、ステップS222にて計測時間をリセットして新たに時間計測を開始し、ステップS224にて計測時間が設定時間Taに達したかを判定する。この設定時間は、コンベアベルト103の移動により次の測定対象物OBがセンサ106によって検出されるまでの時間よりも若干短く予め設定された時間であり、計測時間が設定時間Taに達するまで、移動制御装置105は「No」と判定し続ける。そして、計測時間が設定時間Taに達すると、移動制御装置105はステップS224にて「Yes」と判定して、ステップS226にて、前記ステップS208の処理と同様に、測定対象物OBがX線出射器20によるX線の照射位置近傍に移動してきたことがセンサ106によって検出されたかを判定する。この場合も、前記センサ106による検出前であれば、ステップS226にて「No」と判定され、移動制御装置105は、ステップS228にて前記計測を開始した時間が予め決められた設定時間Tbを経過したかを判定する。この設定時間Tbは、コンベアベルト103上に測定対象物OBが載置されている状態でコンベアベルト103の移動が再開されても、適正な時間内にセンサ106による検出がなされないことを検出するための時間であり、ある程度大きな時間に設定されている。したがって、測定対象物OBがコンベアベルト103上に載置されていれば、ステップS228の判定処理では「No」と判定される。そして、移動制御装置105は、センサ106による測定対象物OBの検出まで、ステップS226,S228の循環処理を繰返し実行する。
このステップS226,S228の循環処理中、測定対象物OBがX線出射器20によるX線の照射位置近傍に移動してきたことがセンサ106によって検出されると、移動制御装置105は、ステップS226にて「Yes」と判定して、前記ステップS212〜S216と同様なS230〜S234の処理を実行して、測定対象物OBの存在を表すセンサ107からの検出信号を入力した時点で、モータ104の回転を停止させるとともに、コンベアベルト103の停止信号をコントローラ91に出力する。これにより、コンベアベルト103の移動は停止し、次の測定対象物OBはX線出射器20によるX線の照射位置に位置する。前記ステップS230〜S234の処理後、移動制御装置105は、ステップS218に戻り、前述のように、コントローラ91からのコンベアベルト103の移動開始の指示を入力するまでステップS218の判定処理を実行し続ける。
一方、コントローラ91は、前述したステップS30,S32の循環処理中、前記ステップS234の処理によってコンベアベルト103の停止信号が移動制御装置105から入力されると、ステップS30にて「Yes」と判定して、前述したステップS34〜S40の処理により、X線出射器20を作動させてイメージングプレート32に回折X線の像を形成させる。その結果、この状態では、図5及び図10に示すように、イメージングプレート32上において、半径方向であって貫通孔32aを中心としたほぼ対称位置に回折X線による次の像A1,A2が形成される。
次に、コントローラ91は、前述したステップS42,S44にて変数n,kにそれぞれ「1」を加算し、前述したステップS46の判定処理を実行する。この場合も、変数kは「2」であり、角度θa+k・θsは360度よりも小さいので、コントローラ91は、ステップS46にて「No」と判定し、前述したステップS48の判定処理を実行する。変数eはこの場合も「0」に初期設定されたままであるので、コントローラ91は、ステップS48においても「No」すなわち変数eは値N10(=10)でないと判定され、コントローラ91は、再びステップS16の処理に戻る。
そして、コントローラ91は前述したステップS16〜S48の処理を繰り返し実行するとともに、移動制御装置105は前述したステップS218〜S234の処理を繰返し実行する。これらの処理により、イメージングプレート32には、測定対象物OBごとに、回折X線の像A1,A2がイメージングプレート32の回転角度θa+θs,θa+2・θs,θa+3・θs…ごとに順次形成されていく。また、このような処理中、変数n,kは順次「1」ずつ増加する。そして、変数nが値N10(=10)に達すると、コントローラ91は、ステップS20にて「Yes」と判定して、ステップS50の回折X線像読取りルーチンを実行する。この状態は、図10に示すように、回折X線による10番目の像A1,A2がイメージングプレート32に形成された後、テーブル31が回転開始された直後である。そして、1番目に形成された像A1,A2が10番目に形成された像A1,A2から180度の回転位置にある状態、すなわちレーザ検出装置40の走査ライン(矢印)から10度の回転角度だけ手前にある状態である。よって、ステップS20の判定処理は、イメージングプレート32に形成された像A1,A2がレーザ検出装置40による走査領域に近づいて来たかを判定する処理である。
回折X線像読取りルーチンは、図7のステップS100にて開始され、コントローラ91は、ステップS102にて変数mに「1」を加算し、ステップS104にて回転角度検出回路36からテーブル31及びイメージングプレート32の回転角度θを入力する。そして、ステップS106にて、回転角度θが下記式2を満足するかを判定する。
|θ−(θb+k・θs)|≦Δθo …式2
ここで、前記式2について、図10を用いて説明しておく。レーザ検出装置40による走査ラインの回転角度はθa+k・θs+θs/2であり、この回転角度の前後θw(例えば、1度乃至4度程度)の間でレーザ検出装置40による走査を行う。したがって、レーザ検出装置40の走査開始角度はθa+k・θs+θs/2−θwであり、前記式2中のθbはθa+θs/2−θwであり、前記式2はレーザ検出装置40の走査開始タイミングを判定するものである。なお、Δθoは予め決められた微小角度である。
回転角度θが前記式2を満足しない間、コントローラ91は、ステップS106にて「No」と判定して、ステップS104、S106の循環処理を繰返し実行する。そして、イメージングプレート32の回転角度θが角度θb+k・θsに達して前記式2を満足すると、コントローラ91は、ステップS106にて「Yes」と判定して、ステップS108にてレーザ駆動回路61にレーザ光の照射開始を指示するとともに、フォーカスサーボ回路65にフォーカスサーボ制御の開始を指示し、ステップS110にてフィードモータ制御回路78にレーザ検出装置40の移動を指示する。
レーザ駆動回路61は、レーザ光源42を作動させてレーザ光のイメージングプレート32に対する照射を開始する。フォーカスサーボ回路65は、増幅回路62及びフォーカスエラー信号生成回路63からのフォーカスエラー信号を用いて作成したフォーカスサーボ信号を出力することで、ドライブ回路66を介してフォーカスアクチュエータ48を駆動制御するフォーカスサーボ制御を開始する。その結果、対物レンズ47が、レーザ光の焦点がイメージングプレート32の表面に合うように光軸方向に駆動制御される。フィードモータ制御回路78は、位置検出回路77との協働により、フィードモータ71を正転又は逆転駆動して、予め決められた移動範囲すなわち回折X線による像A1,A2が形成されている半径方向の範囲に渡ってレーザ検出装置40を往復動させ始める。
前記ステップS110の処理後、コントローラ91は、ステップS112にて変数sを「0」に初期設定して、ステップS114〜S126の循環処理を実行する。変数sは、レーザ検出装置40の往復運動により、レーザ検出装置40による検出結果を入力した順番を示す変数である。この循環処理においては、ステップS114にて時間計測を開始し、ステップS116にて計測時間が時間s・Δt以上になったかを判定する。Δtはレーザ検出装置40による検出の時間間隔を規定するための予め決められた所定時間である。計測時間が時間s・Δt未満の間、コントローラ91は、ステップS116の判定処理を繰返し実行する。計測時間が時間s・Δt以上になると、コントローラ91は、ステップS118にてA/D変換器67からSUM信号の強度すなわち受光器53による受光強度を表すディジタルデータを入力して、受光強度データI(m,s)として記憶する。次に、コントローラ91は、ステップS120にて、位置検出回路77からレーザ検出装置40の移動位置すなわちレーザ光の照射位置を入力して、半径位置データR(m,s)として記憶する。次に、コントローラ91は、ステップS122にて、回転角度検出回路36からイメージングプレート32の回転角度θを入力して、回転角度データθ(m,s)として記憶する。
前記ステップS122の処理後、コントローラ91は、ステップS124にて、回転角度θが下記式3を満足するかを判定する。
|θ−(θc+k・θs)|≦Δθo …式3
前記式3における角度θcはθa+θs/2+θwであり、図10に示すように、この判定処理は、回転角度θがレーザ検出装置40の走査終了角度θa+k・θs+θs/2+θwに達したかを判定する処理である。
回転角度θがレーザ検出装置40の走査終了角度θa+k・θs+θs/2+θw(=θc+k・θs)に達しない間、コントローラ91はステップS124にて「No」と判定し、ステップS126にて変数sに「1」を加算して、ステップS114〜S126からなる循環処理を繰返し実行する。そして、回転角度θがレーザ検出装置40の走査終了角度θc+k・θsに達すると、コントローラ91は、ステップS124にて「Yes」と判定してステップS128以降の処理に進む。このようなステップS114〜S126からなる循環処理中、レーザ検出装置40はフィードモータ71により図5及び図10にて矢印で示す移動位置を往復し、またイメージングプレート32はスピンドルモータ33により回転し、コントローラ91は、所定時間Δtごとに、変数sを「1」ずつ上昇させながら多数の受光強度データI(m,s)を、半径位置データR(m,s)及び回転角度データθ(m,s)と共に順次記憶する。
前記ステップS114〜S126からなる循環処理の終了後、コントローラ91は、ステップS128にてレーザ駆動回路61にレーザ光の照射停止を指示するとともに、フォーカスサーボ回路65にフォーカスサーボ制御の停止を指示し、ステップS130にてフィードモータ制御回路78にレーザ検出装置40の停止を指示する。これにより、レーザ駆動回路61は、レーザ光源42によるイメージングプレート32に対するレーザ光の照射を停止させるとともに、フォーカスサーボ回路65はフォーカスアクチュエータ48のフォーカスサーボ制御を停止する。また、フィードモータ制御回路78は、フィードモータ71の作動を停止させて、レーザ検出装置40の往復動すなわち走査を停止させる。前記ステップS130の処理後、コントローラ91は、ステップS132にて、変数mより指定される全ての組の受光強度データI(m,s)、半径位置データR(m,s)及び回転角度データθ(m,s)の記憶終了を表すデータ、すなわちm番目の測定対象物OBに関する全てのデータの記憶終了を表すデータを、前記全ての組の受光強度データI(m,s)、半径位置データR(m,s)及び回転角度データθ(m,s)に対応させて記憶しておく。このようなレーザ検出装置40の往復運動により、イメージングプレート32に形成された回折X線の像A1,A2を読取るため、イメージングプレート32の回転速度に対してレーザ検出装置40の移動速度は極めて速く、レーザ検出装置40の外周側から中心側まで又は中心側から外周側まで少なくとも1回の移動により、回折X線の像A1,A2を読取れる程度に速い必要がある。
前記ステップS130の処理後、コントローラ91は、ステップS134にて、LED駆動回路81に消去用光照射装置80による照射開始を指示して、ステップS136にてこの回折X線像読取りルーチンの実行を終了する。これにより、LED駆動回路81は消去用光照射装置80を作動させて、LED光をイメージングプレート32に向けて照射させる。このLED光は、前述のように、イメージングプレート32に形成された回折X線の像A1,A2を消去するものであり、図5に示すように、消去用光照射装置80の対向位置を通過したイメージングプレート32上の回折X線の像A1,A2は消去される。すなわち、レーザ検出装置40によってイメージングプレート32上に形成された回折X線の像A1,A2が読取られた後、X線出射器20によって新たな回折X線の像A1,A2がイメージングプレート32に形成される前に、イメージングプレート32上の回折X線の像A1,A2がイメージングプレート32の回転により自動的に消去される。
ふたたび、図6Aの説明に戻ると、前記ステップS50の回折X線像読取りルーチンの実行後、コントローラ91は、前述したステップS16〜S48の処理を繰り返し実行するとともに、移動制御装置105は前述したステップS218〜S234の処理を繰返し実行する。これらの処理により、イメージングプレート32には、測定対象物OBごとに、回折X線の像A1,A2がイメージングプレート32に順次形成されていく。なお、この場合、変数nは値N10よりも大きくなるので、ステップS20にて「Yes」と判定されて、ステップS50の回折X線像読取りルーチンがステップS16〜S48の1回の処理ごとに必ず実行され、回折X線の像A1,A2は順次読取られていく。なお、この回折X線像読取りルーチンにおいては、ステップS106の処理で用いられる角度θb+k・θs(=θa+k・θs+θs/2−θw)及びステップS124の処理で用いられる角度θc+k・θs(=θa+k・θs+θs/2+θw)は、変数kが大きくなると、360度を超える場合がある。したがって、この場合には、角度θb+k・θs,θc+k・θsは、360度を減算した値が用いられる。
また、前記ステップS16〜S50の循環処理中、変数kの増加により、角度θa+k・θsが360度を超えると、すなわちイメージングプレート32が1回転すると、コントローラ91は、ステップS46にて「Yes」と判定して、ステップS52にて、変数kを「0」に初期設定し直す。そして、ふたたび、ステップS16〜S50の処理を実行し続ける。
このような処理により、測定対象物OBがコンベアベルト103上に存在する場合には、測定対象物OBごとに回折X線の像A1,A2が順次読取られていく。しかし、全ての測定対象物OBが測定され、コンベアベルト103上に測定対象物OBが存在しなくなると、移動制御装置105は、ステップS226,S228からなる循環処理中、計測時間が設定時間Tbを超えても、センサ106からの測定対象物OBの検出信号を入力しなくなる。したがって、この場合には、移動制御装置105は、ステップS228にて「Yes」と判定して、ステップS236にて終了信号をコントローラ91に出力する。
その後、移動制御装置105は、ステップS238にて計測時間が設定時間Tcを超えたかを判定する。この設定時間Tcは、測定が終了した測定対象物OBが図1に示すコンベアベルト103の左端まで移動するための時間に設定されている。そして、計測時間が設定時間Tcを超えるまで、移動制御装置105はステップS238にて「No」と判定し続け、計測時間が設定時間Tcを超えると「Yes」と判定して、ステップS242にモータ104の回転を停止させて、コンベアベルト103の移動を停止させる。その後、移動制御装置105は、ステップS244にて測定対象物移動プログラムの実行を終了する。作業者は、前記ステップS238によるコンベアベルト103の移動中、送られてくる測定対象物OBをコンベアベルト103上から取り除く。
一方、コントローラ91は、前述したステップS30,S32の循環処理中、前記移動制御装置105からの終了信号の入力により、ステップS32にて「Yes」と判定し、ステップS54にて変数nが「0」であるかを判定する。この場合、変数nは、前記ステップS42の処理により順次増加していて「0」でないので、コントローラ91は、ステップS54にて「No」と判定して、ステップS56にて変数eを「1」に変更して、ステップS42以降に進む。ステップS42〜S46(又はステップS42〜S46,S52)の処理後、前述したステップS48の判定処理が実行される。この場合、変数eは「1」に設定されていて値N10(=10)ではないので、コントローラ91はステップS48にて「No」と判定して、前述した場合と同様に、ステップS16に戻る。そして、ステップS50の回折X線像読取りルーチンを含むステップS16〜S24,S50の処理後、ステップS26にて変数eが「1」以上であるかを判定する。
この場合、変数eは「1」に設定されているので、コントローラ91は、ステップS26にて「Yes」と判定して、前述したステップS28〜S40の処理を実行することなく、ステップS58にて変数eに「1」を加算してステップS42以降に進む。これは、ステップS28〜S40の処理は測定対象物OBにX線を照射する処理であり、この段階では測定対象物OBが存在しないためである。
ステップS42〜S48(又はステップS42〜S46,S52)の処理は前記場合と同じであり、この状態では、変数eは「2」であるので、コントローラ91は、ステップS48にて「No」と判定して、ふたたびステップS50の回折X線像読取りルーチンを含むステップS16〜S26,S50,S58,S42〜S48(又はS42〜S48,S52)の処理を繰り返し実行する。これは、測定対象物OBに対するX線の照射が終了しても、イメージングプレート32に形成された回折X線の像A1,A2の読取りは終了していないためである。本実施形態の場合、X線の最後の照射直後には、10個の回折X線の像A1,A2の読取りが終了していない。そこで、全ての回折X線の像A1,A2が読取られるまで、前記ステップS16〜S26,S50,S58,S42〜S48(又はS42〜S48,S52)の処理が繰り返し実行され、全ての回折X線の像A1,A2が読取れて、変数eが値N10(=10)に達すると、コントローラ91は、ステップS48にて「Yes」と判定して、ステップS60以降に進む。
コントローラ91は、ステップS60にて回転角度検出回路36からイメージングプレート32の回転角度θを入力し、ステップS62にて入力した回転角度θに所定角度θdを加算して終了回転角度θe(=θ+θd)として設定する。この所定角度θdは、レーザ検出装置40により回折X線の像A1,A2の読取りが行われる回転角度と、消去用光照射装置80によってLED光が照射される回転角度との差である。前記ステップS62の処理後、コントローラ91は、ステップS64にて回転角度検出回路36からイメージングプレート32の回転角度θを再び入力し、ステップS66にて入力した回転角度θと終了回転角度θeの差の絶対値|θ−θe|が予め決められた微小角度Δθo以下であるかを判定する。そして、前記絶対値|θ−θe|が微小角度Δθoよりも大きければ、コントローラ91はステップS66にて「No」と判定して、ステップS64,S66からなる循環処理を続ける。
このステップS64,S66からなる循環処理中、イメージングプレート32は回転を続けているとともに、消去用光照射装置80から回折X線の像A1,A2を消去するためのLED光がイメージングプレート32に照射され続けているので、前記読取り終了後の回折X線の像A1,A2が消去されていく。そして、全ての回折X線の像A1,A2が消去されて、回転角度θが終了回転角度θeに達すると、コントローラ91は、ステップS66にて「Yes」と判定して、ステップS68にてLED駆動回路81にLED光の照射停止を指示し、ステップS70にてスピンドルモータ制御回路37にスピンドルモータ33の回転停止を指示する。LED駆動回路81は消去用光照射装置80によるLED光の照射を停止する。また、スピンドルモータ制御回路37は、スピンドルモータ33の回転を停止させて、イメージングプレート32の回転も停止させる。その後、コントローラ91は、ステップS74にてメインプログラムの実行を終了する。
以上の説明は、測定対象物OBがコンベアベルト103上に正常に置かれるとともに、X線回折測定システムが正常に作動した場合である。しかしながら、測定対象物OBがコンベアベルト103上に正常に置かれなかったり、X線回折測定システムが正常に作動しなかったりした場合には、図8の測定対象物移動プログラムのステップS206の時間計測の開始後における、測定対象物OBがX線の照射位置近傍への接近を検出するためのステップS208,S210からなる循環処理中、計測時間が設定時間Teを経過しても、測定対象物OBの前記接近が検出されない。したがって、この場合には、移動制御装置105は、ステップS210にて「Yes」と判定して、ステップS240にてコントローラ91に終了信号を出力し、ステップS242にてモータ104の回転を停止させることによりコンベアベルト103の移動を停止させて、ステップS244にて測定対象物移動プログラムの実行を終了する。
一方、このような場合、コントローラ91は、図6AのメインプログラムのステップS12〜S28の処理後、すなわちテーブル31の回転を停止させた状態でX線のイメージングプレート32に対する照射のために、移動制御装置105からのコンベアベルト103の停止信号の入力を待っているステップS30,S32からなる循環処理中、前記移動制御装置105からの終了信号の入力により、ステップS32にて「Yes」と判定してステップS54に進む。この場合、変数nは「0」に初期設定されたままであるので、コントローラ91はステップS54にて「Yes」と判定して、ステップS72にて表示装置93に「異常」を表示する。そして、コントローラ91は、ステップS74にてメインプログラムの実行を終了する。
次に、測定対象物OBの残留応力の合否判定を行う残留応力判定プログラムについて説明する。この残留応力判定プログラムはコントローラ91によって実行されるもので、コントローラ91は、図6A及び図6Bのメインプログラムと並行してこの残留応力判定プログラムを実行する。この残留応力判定プログラムは図9に示されており、その実行がステップS300にて開始され、コントローラ91は、ステップS302にて、測定対象物OBの測定番号を表す変数mを初期設定するとともに、比較値Mを値Mmaxに設定する。変数mは前記メインプログラムで用いられた変数mと同種の内容を示すが、メインプログラムで用いられた変数mとは独立したものである。また、値Mmaxは、測定体対象物OBの可能性のある測定個数の最大値よりも極めて大きな値である。
前記ステップS302の処理後、コントローラ91は、ステップS304にて、m番目の測定対象物OBの測定が終了して、変数mより指定される全ての組の受光強度データI(m,s)、半径位置データR(m,s)及び回転角度データθ(m,s)が存在しているか、すなわちm番目の測定対象物OBに関する全てのデータが記憶されているかを、前記ステップS132の処理によるm番目の測定対象物OBに関する全てのデータの記憶終了を表すデータの存在により判定する。この場合、前記ステップS132の処理によるm番目の測定対象物OBに関する全てのデータの記憶終了を表すデータが記憶されていなければ、コントローラ91は、ステップS304にて「No」と判定して、ステップS306にて移動制御装置105からの終了信号を入力したかを判定する。終了信号が未だ入力されていなければ、コントローラ91は、ステップS306にて「No」と判定して、ステップS304の判定処理を再び実行する。一方、前記m番目の測定対象物OBに関する全てのデータの記憶終了を表すデータが記憶されていれば、コントローラ91は、ステップS304にて「Yes」と判定して、ステップS308の処理を実行する。
ステップS308においては、変数mによって指定される全ての受光強度データI(m,s)、半径位置データR(m,s)及び回転角度データθ(m,s)を用いて、2つの受光強度のピークをそれぞれ検出するとともに、2つの受光強度のピークにそれぞれ対応した第1受光強度データIp1(m)、第1半径位置データRp1(m,s)及び第1回転角度データθp1(m)と、第2受光強度データIp2(m)、第2半径位置データRp2(m)及び第2回転角度データθp2(m)とを計算する。すなわち、変数mによって指定されるとともに、変数sが変化する全ての受光強度データI(m,s)、半径位置データR(m,s)及び回転角度データθ(m,s)のデータ群から、回折X線の像A1,A2が形成されるべき2つの半径位置近傍の2群の受光強度データIp(m,s)、半径位置データR(m,s)及び回転角度データθ(m,s)がそれぞれ抽出される。そして、各群ごとに、補間演算を用いて、受光強度データIp(m,s)がピークとなる受光強度、半径位置及び回転角度を計算し、これらの計算した受光強度、半径位置及び回転角度を、第1受光強度データIp1(m)、第1半径位置データRp1(m,s)及び第1回転角度データθp1(m)と設定するとともに、第2受光強度データIp2(m)、第2半径位置データRp2(m)及び第2回転角度データθp2(m)として設定する。なお、第1受光強度データIp1(m)、第1半径位置データRp1(m,s)及び第1回転角度データθp1(m)と、第2受光強度データIp2(m)、第2半径位置データRp2(m)及び第2回転角度データθp2(m)とは、回折X線による回折環の2点の回折像の強度及び位置を表すデータである。
前記ステップS308の処理後、コントローラ91は、cosα法を用いて、第1受光強度データIp1(m)、第1半径位置データRp1(m,s)及び第1回転角度データθp1(m)と、第2受光強度データIp2(m)、第2半径位置データRp2(m)及び第2回転角度データθp2(m)とに基づき、変数mによって指定される測定対象物OBすなわちm番目の測定対象物OBの残留応力B(m)を計算する。なお、この場合、照射X線の中心軸位置はイメージングプレート32の貫通孔32aの位置であり、この位置は予め分かっているので、回折X線の2つの像A1,A2のピーク位置のデータを用いることにより、測定対象物OBの残留応力は計算される。
次に、コントローラ91は、ステップS312にて計算した残留応力B(m)を表示装置93に表示し、ステップS314にて計算した残留応力B(m)が予め定められた許容値以下であるかを判定する。そして、残留応力B(m)が許容値以下であれば、コントローラ91は、ステップS314にて「Yes」と判定して、ステップS316にて表示装置93にm番目の測定対象物OBの「合格」を表示する。一方、残留応力B(m)が許容値を超えていれば、コントローラ91は、ステップS314にて「No」と判定して、ステップS318にて表示装置93にm番目の測定対象物OBの「不合格」を表示する。そして、コントローラ91はステップS320にて変数mが比較値Mに等しいかを判定する。この場合、比較値Mは極めて大きな値Mmaxに設定されているので、コントローラ91は、ステップS320にて「No」と判定し、ステップS322にて変数mに「1」を加算してステップS304に戻る。以降、m+1番目の測定対象物OBに関するデータが存在、すなわちm番目の測定対象物OBに関する全てデータが存在するごとに、ステップS310〜S318の処理が実行されて、測定対象物OBの残留応力B(m)が順次計算されて合否判定がなされる。
前述したステップS304〜S322からなる循環処理中、図6A及び図6Bのメインプログラムの実行により、測定対象物OBに関する回折X線の像A1,A2が順次形成されるとともに読取られていき、最後の測定対象物OBに関する回折X線の像A1,A2が形成され、イメージングプレート32が次回の回転角度で停止した状態で、移動制御装置105から終了信号が出力される。この時点で、コントローラ91は、ステップS306にて「Yes」と判定し、ステップS324にて、比較値Mを現在の変数mに値(N10−1)を加算することにより、比較値Mを値m+N10−1に設定して、ステップS304に戻る。この時点では、値N10−1に等しい数の測定対象物OBの回折X線の像A1,A2の読取りが残っている。
そして、ステップS304〜S322の循環処理により、残りN10個の測定対象物OBの残留応力B(m)の計算及び合否判定がなされると、変数mは比較値Mに等しくなる。この時点で、コントローラ91は、ステップS320にて「Yes」すなわち変数mは比較値Mに等しいと判定し、ステップS326にてこの残留応力判定プログラムの実行を終了する。これにより、全ての測定対象物OBの残留応力B(m)の計算及び合否判定が終了する。
上記のように動作する上記実施形態においては、コントローラ91は、ステップS18〜S28の処理により、テーブル31を回転させて、X線出射器20から出射されるX線がテーブル31の貫通孔31a、イメージングプレート32の貫通孔32a及び切欠き下面壁17のスリット17aを通過する回転位置でテーブル31の回転を停止させ、ステップS34〜S40の処理により、X線出射器20から測定対象物OBに向けてX線を所定時間出射させて、測定対象物OBによる回折X線であって切欠き下面壁17のスリット17aを介して入射される回折X線の像A1,A2をイメージングプレート32に記録する。そして、コントローラ91は、ステップS50の回折X線像読取りルーチンの実行により、移動装置70を制御して、レーザ検出装置40によるイメージングプレート32に対するレーザ光の照射位置を半径方向に走査させ、レーザ検出装置40からのレーザ光をイメージングプレート32に照射し、レーザ検出装置70が受光する光の強度I(m,s)と共に、レーザ光の照射位置としてイメージングプレート32の半径方向のレーザ光の照射位置R(m,s)及びイメージングプレート32の回転位置θ(m,s)を取得する。したがって、上記実施形態によれば、X線の照射によるイメージングプレート32上への回折X線の像A1,A2の形成から、イメージングプレートの表面に形成された回折X線の像A1,A2を読取るまでの時間を大幅に短縮することができる。
また、上記実施形態においては、レーザ検出装置40によってレーザ光が照射される位置を越えるイメージングプレート32の回転方向位置に、イメージングプレート32に対向してイメージングプレート32の半径方向に沿って配置された、イメージングプレート32に記録された回折X線の像A1,A2を消去するための光を照射する消去用光照射装置80を備え、コントローラ91は、ステップS134,S68の処理により、消去用光照射装置80によるLED光の照射を制御する。これより、回折X線の像A1,A2の読取りと同時に、既に読取られた像A1,A2が消去されるので、イメージングプレート32に記録された回折X線の像A1,A2を消去する時間が不要になり、さらに測定時間を大幅に短縮することができる。
また、上記実施形態においては、コントローラ91は、ステップS308〜S312の処理により、レーザ検出装置70が受光する光の強度I(m,s)と共に、レーザ光の照射位置としてイメージングプレート32の半径方向のレーザ光の照射位置R(m,s)及びイメージングプレート32の回転位置θ(m,s)とを用いて、測定対象物OBの評価値である残留応力B(m)を計算して、表示装置93に表示する。これにより、測定対象物OBの異常を簡単に認識できる。
また、コントローラ91は、ステップS314〜S318の処理により、前記計算した残留応力B(m)と許容値とを比較して測定対象物OBの合否判定を行って、判定結果を表示装置93に表示する。こにより、異常な測定対象物OBが自動的に検出される。
また、上記実施形態においては、移動ステージ装置100が設けられ、移動制御装置105は、ステップS202〜S236の処理により、コンベアベルト103上に載置された測定対象物OBを、X線出射器20から出射されるX線が次の測定対象物OBに照射される位置まで移動することを繰り返し制御する。これにより、コンベアベルト103に載置した測定対象物OBの残留応力B(m)を順次に測定することができる。また、コンベアベルト103の移動は、イメージングプレート32が回転している間に行われるので、測定対象物OBの測定時間が短縮される。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
上記実施形態では、回折環の一部(2点)から測定対象物OBの残留応力を評価値として計算して、計算した残留応力を用いて測定対象物OBを評価するようにした。しかし、測定対象物OBを評価することができれば、残量応力以外の値を評価値として計算して、測定対象物OBを評価するようにしてもよい。例えば、評価値として、レーザ検出装置40により検出される半径方向の受光強度曲線の半価幅を計算して測定対象物OBを評価したり、測定対象物OBにおける残留オーステナイトの存在割合を検出して測定対象物OBを評価したりするようにしてもよい。
すなわち、半価幅の場合、まず、図11に示すように、イメージングプレート32の半径方向におけるレーザ検出装置40により検出される受光強度の分布を求める。この場合、受光強度の分布は、回折X線の像A1,A2に対応した2つのピークを有するものとなる。そして、各ピークごとに、最大強度と平坦なレベルの中間値をVcとして、中間値Vcにおけるパルス状信号の幅を半価幅r1、r2として求め、半価幅r1,r2の両方が共に所定値以下であれば、測定対象物OBを合格として判定する。一方、半価幅r1,r2の一方が共に所定値を超えると、測定対象物OBを不合格として判定する。そして、この場合も、半価幅r1,r2及び合否判定結果を、表示装置93に表示する。
また、残留オーステナイトの場合も、まず、図12に示すように、イメージングプレート32の半径方向におけるレーザ検出装置40による受光強度の分布を求める。この場合、受光強度の分布は、回折X線の像A1,A2に対応した2つのピークを有するとともに、残留オーステナイトが存在すると、2つの大きなピークに対してそれぞれ小さなピークが現れる。そして、大きなピークの受光強度曲線と平坦なレベルの間の面積(以下、回折積分強度という)に対する小さなピークの回折積分強度の値を前記2つの大きなピークごとにそれぞれ求める。なお、この比は、鉄元素の大部分の配列構造である体心立方格子構造(フェライト)と面心立方構造(オーステナイト)との比を示す。そして、小さなピークの回折積分強度の大きなピークの回折積分強度に対する比と、予め設定された値との差が許容値以下であれば、すなわち残留オーステナイトの存在割合が設定値通りであれば、測定対象物OBを合格として判定する。一方、小さなピークの回折積分強度の大きなピークの回折積分強度に対する比と、予め設定された値との差が許容値より大きければ、すなわち残留オーステナイトの存在割合が設定値通りになっていなければ、測定対象物OBを不合格として判定する。そして、この場合も、前記比の値及び合否判定結果を、表示装置93に表示する。
また、上記実施形態では、算出された残留応力が許容値以下である場合を測定対象物OBを合格として判定するようにした。しかし、ショットピーニングなどを行って、測定対象物OBに設定値以上の残留応力が与えられたかを評価する場合には、算出された残留応力が所定値以上であるとき、測定対象物OBを合格として判定する。一方、この場合には、算出された残留応力が所定値未満であるとき、測定対象物OBを不合格として判定する。
また、上記実施形態では、回折X線の像A1,A2の読取りにおいて、1つのレーザ検出装置40を所定の半径位置で往復動させた。しかし、測定対象物OBが常にほぼ同じ形状であり、X線回折測定装置からコンベアベルト103上の測定対象物OBまでの距離が常にほぼ設定通りであれば、図12に示すように、上記レーザ検出装置40と同様に構成した2つのレーザ検出装置40A,40Bを、回折X線の像A1,A2上でそれぞれ所定の半径位置内で同時に往復動させて、レーザ光を像A1,A2に対してそれぞれ独立に走査させるようにしてもよい。これによれば、像A1,A2の読取り時間を短くすることができる。
また、上記実施形態では、切欠き下面壁17にイメージングプレート32の中心付近から外周付近まで延設された長尺状の1つのスリット17aを設けるようにした。しかし、このスリット17aは、X線出射器20の出射口21から出射されたX線を通過させて測定対象物OBに導くとともに、測定対象物OBからの回折X線を通過させてイメージングプレート32の2箇所に導くように機能するものであるので、スリット17aを分割した複数のスリットにしてもよい。すなわち、X線出射器20の出射口21に対向する位置に出射口21から出射されたX線を通過させる貫通孔と、測定対象物OBからの回折X線を通過させる2つのスリットとを切欠き下面壁17にそれぞれ設けるようにしてもよい。また、前記X線を通過させる貫通孔と、回折X線を通過させる2つのスリットのうちの一方とを連結させるようにしてもよい。
また、上記実施形態及び上記変形例では、切欠き下面壁17に1つのスリット17a又は2つのスリットを設けて、イメージングプレート32の同一の回転位置にX線回折の2つの像A1,A2を形成するようにした。しかし、これらの1つのスリット17a又は2つのスリットに加えて、前記回転位置の近傍位置にて、さらに半径方向に延設された1つ又は複数のスリットを切欠き下面壁17に設け、測定対象物OBに対する1回のX線の照射により、3個以上の回折X線の像をイメージングプレート32に形成するようにしてもよい。これによれば、1つの測定対象物OBの残留応力の計算に3個以上の回折X線の像を用いることができ、計算される残留応力の精度を高めることができる。
また、上記実施形態に係るX線回折測定システムにおいては、作業者が、測定すべき測定対象物OBをコンベアベルト103上に図1の右側位置にて載置するとともに、測定を終えたコンベアベルト103上の測定対象物OBを図1の左側位置にて除去するようにした。しかし、これに代えて、測定すべき測定対象物OBをコンベアベルト103上に図1の右側位置にて自動的に載置する試料セット装置を設けるとともに、測定を終えたコンベアベルト103上の測定対象物OBを図1の左側位置にて自動的に除去する除去装置を配置させて、作業者の手間を省くようにしてもよい。
また、上記実施形態では、移動するコンベアベルト103上に載置した測定対象物OBを順次測定する場合に本発明を適用するようにした。しかし、1つの大きな面積を有する測定対象物OBの複数の測定箇所を順次測定する場合にも本発明は適用できる。この場合、測定対象物OBを載置したステージをX線回折測定装置の下方の平面内にて2次元に移動させ、測定位置でステージを停止させる移動機構を設ければ、本実施形態のX線回折装置及びコントローラ91によって実行されるプログラムをそのまま用いることができる。
さらに、上記実施形態及び上記変形例でコンベアベルト103又はステージを移動させるようにした。しかし、測定対象物OB又は測定箇所をX線回折測定装置に対して相対移動できればよく、コンベアベルト103又はステージを固定し、X線回折装置を往復動又は平面内で2次元に移動させるようにしてもよい。また、コンベアベルト103又はステージと、X線回折装置の両方を移動させてもよい。
10…ケース、17…切欠き下面壁、17a…スリット、20…X線出射器、21…出射口、30…テーブル装置、31…テーブル、32…イメージングプレート、31a,32a…貫通孔、33…スピンドルモータ、40…レーザ検出装置、42…レーザ光源、47…対物レンズ、70…移動装置、71…フィードモータ、72…スクリューロッド
80…消去用光照射装置、90…コンピュータ装置、91…コントローラ、92…入力装置、93…表示装置、100…移動ステージ装置、103…コンベアベルト、104…モータ、105…移動制御装置、106,107…センサ

Claims (5)

  1. 測定対象物の測定箇所に向けてX線を出射するX線出射器と、
    中心軸周りに回転するテーブルであって、中心軸位置から半径方向に所定距離だけ離れた位置に、円周方向に沿って所定角度ごとに前記X線出射器から出射されたX線を通過させる複数の貫通孔を有するテーブルと、
    前記テーブルに取付けられるとともに、前記テーブルの複数の貫通孔とそれぞれ対向する位置に前記X線出射器から出射されたX線を通過させる複数の貫通孔を有し、前記X線出射器から測定対象物の測定箇所に向けてX線が照射された際、測定対象物の測定箇所による回折X線の像を記録するイメージングプレートと、
    前記テーブル及び前記イメージングプレートを前記中心軸周りに回転させる回転手段と、
    前記X線出射器から出射されて前記テーブルの貫通孔及び前記イメージングプレートの貫通孔を通過したX線を通過させて測定対象物の測定箇所に照射されるようにするX線の通路を有するとともに、前記通路の半径方向の両側位置にて測定対象物の測定箇所による回折X線の一部のみを通過させるスリットを有する遮蔽部材と、
    前記遮蔽部材のスリットとは異なる前記イメージングプレートの回転位置に前記イメージングプレートに対向して配置され、前記イメージングプレートにレーザ光を照射するとともに、前記イメージングプレートから発生する光を受光するレーザ検出装置と、
    前記レーザ検出装置を前記イメージングプレートの半径方向に移動させて、前記レーザ検出装置による前記イメージングプレートに対するレーザ光の照射位置を半径方向に走査させる移動装置と、
    前記回転手段を制御することにより、前記テーブルを回転させて、前記X線出射器から出射されるX線が前記テーブルの貫通孔、前記イメージングプレートの貫通孔及び前記遮蔽部材のX線の通路を通過する回転位置で前記テーブルの回転を停止させる第1工程と、前記テーブルの回転を停止させた状態で、前記X線出射器を制御することにより、前記X線出射器から測定対象物の測定箇所に向けてX線を所定時間出射させて、測定対象物の測定箇所による回折X線であって前記遮蔽部材のスリットを介して入射される回折X線の像を前記イメージングプレートに記録する第2工程とを繰返し実行する制御手段と、
    前記第1工程による前記テーブルの回転中に、前記移動装置を制御することにより、前記レーザ検出装置による前記イメージングプレートに対するレーザ光の照射位置を半径方向に走査させて、前記レーザ検出装置からのレーザ光を前記イメージングプレートに照射し、前記レーザ検出装置が受光する光の強度と、前記レーザ光の照射位置とを入力する回折像読取り手段とを備えたことを特徴とするX線回折測定装置。
  2. 請求項1に記載のX線回折測定装置において、さらに、
    前記イメージングプレートの回転方向における前記レーザ検出装置によるレーザ光の照射位置を越える位置に配置され、前記イメージングプレートに対向して前記イメージングプレートの半径方向に沿って、前記イメージングプレートに記録された回折X線の像を消去するための消去光を照射する消去用光照射装置を備えたことを特徴とするX線回折測定装置。
  3. 請求項1又は2に記載のX線回折測定装置において、さらに、
    前記レーザ検出装置が受光する光の強度と、前記レーザ光の照射位置とを用いて、測定対象物の測定箇所の評価値を計算する評価値計算手段と、
    前記計算された評価値を表示する評価値表示手段とを備えたことを特徴とするX線回折測定装置。
  4. 請求項3に記載のX線回折測定装置において、さらに、
    前記評価値計算手段により算出された評価値と予め決められた許容値とを比較し、測定対象物の測定箇所の合否判定を行う判定手段と、
    前記判定された測定対象物の測定箇所の合否の結果を表示する合否表示手段とを備えたことを特徴とするX線回折測定装置。
  5. 請求項1乃至4のうちのいずれか一つに記載のX線回折測定装置を備え、さらに、
    測定対象物が搭載されるステージと、
    前記ステージを前記X線回折測定装置に対して相対移動させる移動手段と、
    前記移動手段を制御して、前記制御手段による第2工程で前記X線出射器によるX線の照射位置が前回に照射された測定箇所の次の測定箇所になるように、前記ステージを前記X線回折測定装置に対して繰り返し相対移動させる移動制御手段とを備えたことを特徴とするX線回折測定システム。
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