JP2014190679A - 吸収冷凍機 - Google Patents

吸収冷凍機 Download PDF

Info

Publication number
JP2014190679A
JP2014190679A JP2013069438A JP2013069438A JP2014190679A JP 2014190679 A JP2014190679 A JP 2014190679A JP 2013069438 A JP2013069438 A JP 2013069438A JP 2013069438 A JP2013069438 A JP 2013069438A JP 2014190679 A JP2014190679 A JP 2014190679A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refrigerant
temperature
pump
solution
cooling water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013069438A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5993771B2 (ja
Inventor
Atsushi Aoyama
淳 青山
Eiji Nakamoto
英治 中本
Naoki Miyata
直紀 宮田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ebara Refrigeration Equipment and Systems Co Ltd
Original Assignee
Ebara Refrigeration Equipment and Systems Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ebara Refrigeration Equipment and Systems Co Ltd filed Critical Ebara Refrigeration Equipment and Systems Co Ltd
Priority to JP2013069438A priority Critical patent/JP5993771B2/ja
Publication of JP2014190679A publication Critical patent/JP2014190679A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5993771B2 publication Critical patent/JP5993771B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A30/00Adapting or protecting infrastructure or their operation
    • Y02A30/27Relating to heating, ventilation or air conditioning [HVAC] technologies
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B30/00Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]
    • Y02B30/62Absorption based systems

Abstract

【課題】起動時の一過性の要因によって冷水凍結防止措置が作動してしまうことを回避する吸収冷凍機を提供する。
【解決手段】吸収冷凍機1は、蒸発器20と、吸収器10と、冷媒ポンプ29と、冷水流路21に散布される冷媒液Vf温度を検出する冷媒液温度検出器52と、溶液ポンプ19と、冷水ポンプ92の発停を制御する制御装置60とを備え、冷媒液温度検出器52の検出温度があらかじめ決められた温度よりも低いときに冷水凍結防止措置がとられ、冷水ポンプ92起動後に、冷媒ポンプ29、溶液ポンプ19の順に起動する。而して、冷却水Dが低温の場合に、起動直後の溶液が、低温の冷却水Dに冷却されて過剰な吸収能力が発揮され、蒸発器20内の冷媒液Vfが蒸発して冷媒温度が低下しうる状態になっても、冷媒ポンプ29で散布された冷媒Vfが冷水流路21内冷水Cから受熱して温度低下が抑制され、冷水凍結防止措置がとられることを回避する。
【選択図】図1

Description

本発明は吸収冷凍機に関し、特に起動時の一過性の要因によって冷水凍結防止措置が作動してしまうことを回避する吸収冷凍機に関する。
吸収冷凍機は、溶液に吸収させる冷媒が、液体から気体に相変化する際の気化熱を冷水から奪うことで、冷水を冷却する。吸収冷凍機は、冷媒を蒸発させる蒸発器と、蒸発器で発生した冷媒の蒸気を濃度が高い溶液で吸収する吸収器と、冷媒を吸収した濃度が低い溶液を加熱して冷媒を離脱させる再生器と、再生器で離脱した冷媒の蒸気を凝縮させて蒸発器に搬送される冷媒液とする凝縮器とを主要構成機器として備えている。蒸発器の内部には、冷水を流す冷水チューブと、冷水チューブに冷媒液を散布する冷媒液散布ノズルとを有している。吸収器の内部には、溶液が冷媒の蒸気を吸収する際に発生する吸収熱を除去する冷却水を流す冷却水チューブと、冷却水チューブに溶液を散布する溶液散布ノズルとを有している。吸収冷凍機は、さらに、蒸発器内の冷媒液を冷媒液散布ノズルに送る冷媒ポンプと、溶液散布ノズルに溶液を送る溶液ポンプとを備えている。吸収冷凍機の周辺には、冷水を流動させる冷水ポンプと、冷却水を流動させる冷却水ポンプとが設置される。
吸収冷凍機は、溶液の結晶を防ぐために、運転の停止時に、溶液を、温度が低下しても結晶しない濃度まで希釈したうえで停止させるのが一般的である。また、吸収冷凍機は、一般に動特性が遅いものであるが、起動時間を短くした吸収冷凍機として、起動初期に再生器内の溶液が所定の濃度に高まるまで、冷媒ポンプの運転を遅延させて起動するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−364942号公報(段落0015等)
吸収冷凍機では、冷水がチューブ内で凍結するのを防止するため、温度が低すぎる冷媒液が冷水チューブに散布されないように、冷媒液散布ノズルに送られる冷媒液があらかじめ決められた温度よりも低いときに、運転を停止させる等の凍結防止措置がとられるように構成することが考えられる。他方、吸収冷凍機を起動する際、特許文献1に記載されているように冷媒ポンプの運転を遅延させると、冷水が凍結する可能性が低いにもかかわらず、凍結防止措置が作動してしまい、運転に支障を来すことがあった。
本発明は上述の課題に鑑み、起動時の一過性の要因によって冷水凍結防止措置が作動してしまうことを回避する吸収冷凍機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る吸収冷凍機は、例えば図1に示すように、冷水Cが流れる冷水流路21を内部に有する蒸発器20であって、冷媒液Vfが蒸発する際の気化熱を冷水流路21を流れる冷水Cから奪うことで冷水Cを冷却する蒸発器20と;蒸発器20で冷媒液Vfが蒸発して発生した冷媒蒸気Veを導入し、導入した冷媒蒸気Veを溶液Saで吸収する吸収器10であって、溶液Saが冷媒蒸気Veを吸収する際に発生する吸収熱を奪う冷却水Dが流れる冷却水流路11を内部に有する吸収器10と;冷媒液Vfを冷水流路21の外面に散布する冷媒ポンプ29と;冷水流路21に散布される冷媒液Vfの温度を検出する冷媒液温度検出器52と;溶液Saを冷却水流路11の外面に散布する溶液ポンプ19と;冷水流路21内の冷水Cを流動させる冷水ポンプ92の発停を制御する制御装置60とを備え;冷媒液温度検出器52で検出された温度があらかじめ決められた温度よりも低いときに冷水凍結防止措置がとられるように構成され;制御装置60は、冷水ポンプ92を起動した後に、冷媒ポンプ29、溶液ポンプ19の順に起動するように構成されている。
本発明者らは、以下の事象を見出したことにより、本発明を完成するに至った。まず、吸収冷凍機を起動する際、冷媒ポンプの運転を遅延させて起動すると、冷却水の温度が低い状態の場合、冷却水流路に散布される溶液が前回の停止時に希釈された溶液であったとしても、一時的に吸収能力が発揮されることとなる。吸収能力が発揮されると、蒸発器に貯留されている冷媒液が蒸発して冷媒液の温度が低下する。ここで、特許文献1に記載されているように遅延させていた冷媒ポンプを運転させると、温度が低下した冷媒液が冷水流路に散布されることとなる。起動直後に冷水流路を流れている冷水は比較的温度が高いために、温度が低い冷媒液が冷水流路に散布されても内部を流れる冷水が凍結する可能性は低いが、冷水流路に散布される冷媒液の温度があらかじめ決められた温度よりも低いことが検出されると、凍結防止措置がとられることとなってしまう。このような不都合を回避するため、上述した本発明の第1の態様に係る吸収冷凍機のように構成すると、冷却水が低温の場合に、起動直後の溶液が、低温の冷却水に冷却されて過剰な吸収能力が発揮されることに起因して蒸発器内の冷媒液が蒸発して冷媒の温度が低下しうる状態になっても、冷媒ポンプによって散布された冷媒が冷水流路内の冷水から受熱して温度の低下が抑制され、冷水凍結防止措置がとられることを回避することができる。
また、本発明の第2の態様に係る吸収冷凍機は、例えば図1を参照して示すと、上記本発明の第1の態様に係る吸収冷凍機1において、冷却水流路11内の冷却水Dの温度を検出する冷却水温度検出器51を備え;制御装置60は、冷却水温度検出器51で検出された温度が所定の温度を超えている場合に、冷媒ポンプ29及び溶液ポンプ19の起動順を入れ替えて冷媒ポンプ29を溶液ポンプ19の後に起動するように構成されている。
このように構成すると、冷媒ポンプの動力を削減することができる。
また、本発明の第3の態様に係る吸収冷凍機は、例えば図1を参照して示すと、上記本発明の第2の態様に係る吸収冷凍機1において、所定の温度が、冷却水温度検出器51で検出された温度が低いために故障と判断される故障判断値の上限に設定されている。
このように構成すると、故障の発生を防ぐことができる。
また、本発明の第4の態様に係る吸収冷凍機は、例えば図4(A)に示すように、上記本発明の第1の態様に係る吸収冷凍機1Aにおいて、冷却水流路11内の冷却水Dの温度を検出する冷却水温度検出器51と;溶液の濃度を直接又は間接的に検出する濃度検出手段55、56、61とを備え;制御装置60Aは、吸収冷凍機1Aが停止される際の濃度検出手段55、56、61で検出された溶液Swの濃度と、次に吸収冷凍機1Aが起動される際の冷却水温度検出器51で検出された冷却水Dの温度とから、蒸発器20又は吸収器10の平衡圧力又は露点温度を算出し、算出された値が設定値を超えた場合に、冷媒ポンプ29及び溶液ポンプ19の起動順を入れ替えて冷媒ポンプ29を溶液ポンプ19の後に起動するように構成されている。
このように構成すると、冷媒ポンプの動力を削減することができる。
本発明によれば、冷却水が低温の場合に、起動直後の溶液が、低温の冷却水に冷却されて過剰な吸収能力が発揮されることに起因して蒸発器内の冷媒液が蒸発して冷媒の温度が低下しうる状態になっても、冷媒ポンプによって散布された冷媒が冷水流路内の冷水から受熱して温度の低下が抑制され、冷水凍結防止措置がとられることを回避することができる。
本発明の実施の形態に係る吸収冷凍機の模式的系統図である。 本発明の実施の形態に係る吸収冷凍機の起動時の手順を示すフローチャートである。 冷却水低温時の各ポンプの起動のタイミングと冷媒液の温度の推移を示すタイムチャートである。(A)は本発明の実施の形態に係る吸収冷凍機のもの、(B)は従来の吸収冷凍機のものを示す。 (A)は本発明の実施の形態の変形例に係る吸収冷凍機の模式的部分系統図、(B)は一般的な吸収冷凍機のデューリング線図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。
まず図1を参照して、本発明の実施の形態に係る吸収冷凍機1を説明する。図1は、吸収冷凍機1の模式的系統図である。吸収冷凍機1は、吸収冷凍サイクルを行う主要構成機器として、吸収器10と、蒸発器20と、再生器30と、凝縮器40とを備えていると共に、制御装置60を備えている。吸収冷凍機1は、吸収液に対して冷媒が相変化をしながら循環することで熱移動を行わせ、被冷却媒体である冷水Cの温度を低下させる機器である。以下の説明において、吸収液に関し、吸収冷凍サイクル上における区別を容易にするために、性状や吸収冷凍サイクル上の位置に応じて、「希溶液Sw」、「濃溶液Sa」等と呼称するが、性状等を不問にするときは総称して「溶液S」ということとする。また、冷媒に関し、吸収冷凍サイクル上における区別を容易にするために、性状や吸収冷凍サイクル上の位置に応じて、「蒸発器冷媒蒸気Ve」、「再生器冷媒蒸気Vg」、「冷媒液Vf」等と呼称するが、性状等を不問にするときは総称して「冷媒V」ということとする。本実施の形態では、溶液S(吸収剤と冷媒との混合物)としてLiBr水溶液が用いられており、冷媒Vとして水(HO)が用いられているが、これに限らず他の冷媒、溶液(吸収剤)の組み合わせで使用してもよい。
吸収器10は、蒸発器20で発生した蒸発器冷媒蒸気Veを濃溶液Saで吸収する機器である。吸収器10は、冷却水Dを流す冷却水流路としての冷却管11と、濃溶液Saを冷却管11の外面に向けて散布する濃溶液散布ノズル12とを、吸収器缶胴17の内部に有している。濃溶液散布ノズル12は、散布した濃溶液Saが冷却管11に降りかかるように、冷却管11の上方に配設されている。なお、濃溶液散布ノズル12は、スプレーノズル以外の、冷却管11の外面に濃溶液Saを供給することができる装置(例えば、毛細管現象を利用した滴下装置等)で構成されていてもよい。吸収器10は、散布された濃溶液Saが蒸発器冷媒蒸気Veを吸収することで濃度の低下した希溶液Swを吸収器缶胴17の下部に貯留すると共に、濃溶液Saが蒸発器冷媒蒸気Veを吸収した際に発生した吸収熱を冷却水Dが奪うように構成されている。
冷却管11には、冷却水Dを導入する冷却水入口管11aが一端に接続されている。冷却管11の他端には、冷却水連絡管58が接続されている。冷却水入口管11aには、吸収冷凍機1外の冷却水往管98が接続される。冷却水往管98は、吸収冷凍機1外の冷却塔(不図示)に接続されている。冷却水往管98には、吸収冷凍機1外の冷却水ポンプ91が配設されている。吸収冷凍機1は、冷却水ポンプ91の稼働により、冷却管11内を冷却水Dが流動するように構成されている。冷却水入口管11aには、冷却管11に導入される冷却水Dの温度を検出する冷却水温度検出器としての冷却水温度計51が設けられている。冷却水Dが流動しているとき、冷却管11内に入った冷却水Dは、冷却水温度計51で検出された温度と同じ温度と見ることができるので、冷却水温度計51は冷却管11内の冷却水Dの温度を検出するものであると見ることができる。冷却水温度計51は、制御装置60と信号ケーブルで接続されており、検出した冷却水Dの温度を信号として制御装置60に送信することができるように構成されている。
蒸発器20は、冷水Cの熱で冷媒液Vfを蒸発させて蒸発器冷媒蒸気Veを発生させることにより冷水Cを冷却する機器である。蒸発器20は、冷水Cを流す冷水流路としての蒸発管21と、冷媒液Vfを蒸発管21の外面に向けて散布する冷媒液散布ノズル22とを、蒸発器缶胴27の内部に有している。冷媒液散布ノズル22は、散布した冷媒液Vfが蒸発管21に降りかかるように、蒸発管21の上方に配設されている。なお、冷媒液散布ノズル22は、スプレーノズル以外の、蒸発管21の外面に冷媒液Vfを供給することができる装置(例えば、毛細管現象を利用した滴下装置等)で構成されていてもよい。また、蒸発器20は、蒸発器缶胴27の下部に貯留されている冷媒液Vfを冷媒液散布ノズル22に導く冷媒液管28と、冷媒液管28内の冷媒液Vfを冷媒液散布ノズル22に送る冷媒ポンプ29とを有している。冷媒ポンプ29が稼働することで冷媒液Vfが冷媒液散布ノズル22から散布されることになるため、冷媒ポンプ29は冷媒液Vfを蒸発管21の外面に散布するものであるといえる。蒸発器20は、蒸発管21の外面に散布された冷媒液Vfが蒸発して蒸発器冷媒蒸気Veとなるための気化熱を、蒸発管21内を流れる冷水Cから奪うことで冷水Cを冷却し、散布された冷媒液Vfのうち蒸発しなかった冷媒液Vfが蒸発器缶胴27の下部に貯留されるように構成されている。
蒸発管21には、冷水Cを導入する冷水入口管21aが一端に接続され、冷水Cを導出する冷水出口管21bが他端に接続されている。冷水入口管21aには、吸収冷凍機1外の冷水還管95が接続される。冷水還管95には、吸収冷凍機1外の冷水ポンプ92が配設されている。吸収冷凍機1は、冷水ポンプ92の稼働により、蒸発管21内を冷水Cが流動するように構成されている。冷水出口管21bには、吸収冷凍機1外の冷水往管96が接続される。冷媒液管28には、冷媒液管28を流れる冷媒液Vfの温度を検出する冷媒液温度検出器としての冷媒液温度計52が設けられている。冷媒液管28を流れる冷媒液Vfは、冷媒液散布ノズル22を介して蒸発管21に散布されるため、冷媒液温度計52で検出された温度は蒸発管21に散布される冷媒液Vfの温度と見ることができる。冷媒液温度計52は、制御装置60と信号ケーブルで接続されており、検出した冷媒液Vfの温度を信号として制御装置60に送信することができるように構成されている。
本実施の形態では、吸収器10と蒸発器20とは隣接して配置されており、吸収器缶胴17の上部と蒸発器缶胴27の上部とが連通している。このような構成により、蒸発器缶胴27の内部で発生した蒸発器冷媒蒸気Veを吸収器缶胴17の内部に導くことができるようになっている。
再生器30は、希溶液Swを導入し、加熱することで、希溶液Sw中の冷媒Vを離脱させ、濃溶液Saを生成する機器である。再生器30において、希溶液Swから離脱した冷媒Vは蒸気の状態であり、この冷媒Vの蒸気を再生器冷媒蒸気Vgということとする。再生器30は、希溶液Swを加熱する加熱部31と、導入した溶液Sを貯留する再生器缶胴37とを有している。加熱部31は、再生器缶胴37の内部に配設されている。加熱部31は、典型的には、バーナーの燃焼熱、外部から導入した蒸気や温水等の熱で、溶液Sを加熱することができるように構成されている。再生器30として、貫流式再生器や煙管型再生器、液管型再生器等を用いることができる。
凝縮器40は、再生器30で希溶液Swから蒸発した再生器冷媒蒸気Vgを導入し冷却して凝縮させ、蒸発器20に送る冷媒液Vfを生成する機器である。凝縮器40は、冷却水Dの流路を形成する部材である凝縮管41を、凝縮器缶胴47の内部に有している。凝縮管41の一端には、一端が冷却管11に接続されている冷却水連絡管58の他端が接続されている。凝縮管41の他端には、冷却水Dを導出する冷却水出口管41bが接続されている。冷却水出口管41bには、吸収冷凍機1外の冷却水還管99が接続される。冷却水還管99は、吸収冷凍機1外の冷却塔(不図示)に接続されている。このような構成により、冷却水還管99を流れる冷却水Dは、冷却塔(不図示)で冷却されて冷却水往管98に供給されるように構成されている。
凝縮器缶胴47は、再生器缶胴37に近接して配設されている。本実施の形態では、再生器缶胴37の上部と凝縮器缶胴47の上部とは、再生器冷媒蒸気流路35を介して連通している。凝縮器40は、再生器冷媒蒸気流路35を介して再生器30から再生器冷媒蒸気Vgを導入し、凝縮管41を流れる冷却水Dに再生器冷媒蒸気Vgの熱を奪わせて、再生器冷媒蒸気Vgを凝縮させて冷媒液Vfにするように構成されている。本実施の形態では、凝縮器缶胴47及び再生器缶胴37は、蒸発器缶胴27及び吸収器缶胴17の上方に配設されている。凝縮器缶胴47の底部又は下部と蒸発器缶胴27とは、凝縮冷媒液管48で接続されており、凝縮器缶胴47内の冷媒液Vfを位置ヘッド及び両者の内圧の差で蒸発器缶胴27内に導くことができるように構成されている。
吸収器缶胴17の底部又は下部と、再生器缶胴37とは、希溶液管18で接続されている。希溶液管18には、溶液ポンプ19が配設されている。吸収冷凍機1は、溶液ポンプ19により、吸収器缶胴17の希溶液Swを再生器缶胴37内に搬送することができるように構成されている。再生器缶胴37内では、導入された希溶液Swが、入口から出口に移動するに連れて希溶液Sw中から冷媒Vが離脱して濃度が上昇するようになっている。
再生器缶胴37の濃溶液Saが導出される部分と、吸収器10の濃溶液散布ノズル12とは、濃溶液管38で接続されている。吸収冷凍機1は、溶液ポンプ19によって希溶液Swが再生器缶胴37に搬送され、再生器缶胴37内で冷媒Vが離脱して生成された濃溶液Saが、濃溶液管38を介して濃溶液散布ノズル12に導入されるように構成されている。このように、溶液ポンプ19が稼働することで濃溶液Saが濃溶液散布ノズル12から散布されることとなるため、溶液ポンプ19は溶液Sを冷却管11の外面に散布するものであるといえる。希溶液管18及び濃溶液管38には、希溶液管18を流れる希溶液Swと濃溶液管38を流れる濃溶液Saとの間で熱交換を行わせる溶液熱交換器81が挿入されて配置されている。
制御装置60は、吸収冷凍機1の動作を制御する機器である。制御装置60は、溶液ポンプ19、冷媒ポンプ29、冷却水ポンプ91、冷水ポンプ92と、それぞれ信号ケーブルで接続されており、これらの発停を制御することができるように構成されている。また、制御装置60は、冷却水温度計51から冷却水Dの温度の信号を受信することができるように構成されている。また、制御装置60は、冷媒液温度計52から冷媒液Vfの温度の信号を受信して、受信した冷媒液Vf温度があらかじめ決められた温度よりも低いときに、凍結防止措置をとるように構成されている。凍結防止措置は、本実施の形態では、吸収冷凍機1を停止させることとしている。また、制御装置60は、後述する吸収冷凍機1の作用で説明するような吸収冷凍機1の制御を行うことができるように構成されている。
引き続き図1を参照して、吸収冷凍機1の作用を説明する。まず、吸収冷凍機1の定常運転時の作用を説明する。吸収冷凍機1の定常運転時は、制御装置60からの指令により、溶液ポンプ19、冷媒ポンプ29、冷却水ポンプ91、冷水ポンプ92がそれぞれ稼働している。冷媒V側のサイクルについて見ると、再生器冷媒蒸気流路35を介して再生器30から凝縮器40に導入された再生器冷媒蒸気Vgは、凝縮管41を流れる冷却水Dに冷却されて凝縮し、冷媒液Vfとなって凝縮器缶胴47の下部に貯留される。再生器冷媒蒸気Vgを冷却した冷却水Dは、温度が上昇して冷却水還管99から導出され、冷却塔(不図示)に供給される。凝縮器缶胴47内の冷媒液Vfは、凝縮冷媒液管48を介して蒸発器缶胴27内に導入される。
凝縮器缶胴47から蒸発器缶胴27に導入された冷媒液Vfは、冷媒液散布ノズル22から散布されて蒸発しなかった冷媒液Vfと混合して蒸発器缶胴27の下部に貯留される。蒸発器缶胴27内の冷媒液Vfは、冷媒ポンプ29により、冷媒液管28を流れて冷媒液散布ノズル22に至る。冷媒液散布ノズル22に至った冷媒液Vfは、蒸発管21に向けて散布され、蒸発管21を流れる冷水Cの熱を得て一部が蒸発して蒸発器冷媒蒸気Veとなり、吸収器缶胴17に導入される。散布された冷媒液Vfに熱を奪われた冷水Cは、温度が低下して冷水往管96から導出され、空気調和機等の冷水Cの利用場所に供給される。冷媒液散布ノズル22から散布されて蒸発しなかった冷媒液Vfは、凝縮器缶胴47から導入された冷媒液Vfと混合して蒸発器缶胴27の下部に貯留される。
次に吸収冷凍機1の溶液S側のサイクルを見ると、吸収器缶胴17内の希溶液Swは、溶液ポンプ19により、希溶液管18を流れ、溶液熱交換器81で温度が上昇した後に、再生器缶胴37に導入される。再生器缶胴37に導入された希溶液Swは、加熱部31によって加熱され、冷媒Vが離脱して濃溶液Saとなる。他方、希溶液Swから離脱した冷媒Vは、再生器冷媒蒸気Vgとして、再生器冷媒蒸気流路35を介して凝縮器缶胴47内に送られる。再生器缶胴37内で生成された濃溶液Saは、濃溶液管38を流れ、溶液熱交換器81において希溶液Swと熱交換して温度が低下したうえで濃溶液散布ノズル12に至る。
濃溶液散布ノズル12に至った濃溶液Saは、冷却管11に向けて散布され、蒸発器20から導入された蒸発器冷媒蒸気Veを吸収し濃度が低下して希溶液Swとなる。吸収器缶胴17内において、濃溶液Saが蒸発器冷媒蒸気Veを吸収する際には吸収熱が発生する。この発生した吸収熱は、冷却水往管98から導入されて冷却管11を流れる冷却水Dによって除去される。冷却管11を流れる冷却水Dは、吸収熱を奪って温度上昇して冷却水連絡管58に導出され、凝縮器40の凝縮管41に供給される。吸収器缶胴17内で生じた希溶液Swは、吸収器缶胴17内に貯留される。
上述のような定常運転を行っている吸収冷凍機1を停止させる際は、温度が低下したときの溶液Sの結晶を防ぐため、制御装置60は希釈運転を行う。希釈運転に入ると、再生器30における加熱を停止して希溶液Swの濃縮を停止すると共に、濃溶液Saに冷媒液Vfを混合して濃溶液Saの濃度を低下させる。希釈運転を行うことにより、濃溶液Saの濃度が低下し、濃溶液Saの濃度が、吸収冷凍機1の停止に伴って温度が低下しても結晶しない濃度になったら、吸収冷凍機1は停止する。
停止状態にある吸収冷凍機1を起動する際は、制御装置60が、まず、冷水ポンプ92及び冷却水ポンプ91を起動する。次いで、制御装置60は、溶液ポンプ19及び冷媒ポンプ29を起動する。一般に、吸収冷凍機1の起動直後の溶液Sは、希釈されていて濃度が低いために吸収能力が乏しく、十分に蒸発器冷媒蒸気Veを吸収することができない。このため、蒸発器20で蒸発器冷媒蒸気Veが生成されても吸収冷凍サイクルに利用されないので、再生器30における加熱能力が上昇して濃溶液散布ノズル12から散布される溶液Sが蒸発器冷媒蒸気Veを適切に吸収できる濃度になるまで、冷媒ポンプ29の起動を待機させるのが、冷媒ポンプ29の動力節減の観点から好ましい。
しかしながら、吸収器10の冷却管11を流れる冷却水Dの温度が十分に低い場合は、溶液Sが希釈された濃度が低い状態でも吸収能力が発揮されることとなる。吸収冷凍機1の起動直後の溶液Sが、低温の冷却水Dに冷却されて過剰な吸収能力が発揮されると、溶液Sの濃度と冷却水Dの温度とから決まる圧力まで吸収器缶胴17及び蒸発器缶胴27の内部の圧力が低下する。蒸発器缶胴27の内部圧力が低下すると、下部に貯留されている冷媒液Vfの表面から冷媒液Vfが蒸発し、その際の気化熱を、蒸発器缶胴27に貯留されている冷媒液Vfから奪うため、蒸発器缶胴27に貯留されている冷媒液Vfの温度が低下する。この状態で、濃溶液散布ノズル12から散布される溶液Sが蒸発器冷媒蒸気Veを適切に吸収できる濃度となって、冷媒ポンプ29が起動された場合、蒸発器缶胴27内の温度が低下した冷媒液Vfが、冷媒液管28を流れ始めることとなる。
ここで、冷媒液管28を流れる冷媒液Vfが、凍結防止措置が作動する温度(あらかじめ決められた温度)よりも低くなっている場合、凍結防止措置がとられ、制御装置60が吸収冷凍機1を停止させてしまう。ところが、この冷媒液Vfは、吸収冷凍機1が起動されるような、冷水Cの冷却が必要な状況下では、冷媒液散布ノズル22から蒸発管21に散布されて蒸発管21を流れる冷水Cから受熱すれば、凍結防止措置がとられる温度まで低下しないものである場合が多い。すなわち、吸収冷凍機1の起動時に一時的に凍結防止措置を働かせないようにすれば、その後は凍結防止措置が作動せずに定常運転に移行できる場合が多い。このことをふまえ、冷媒ポンプ29の起動後、冷媒液温度計52が検出する冷媒液Vfの温度が凍結防止措置の作動温度を超えるようになるまでの一定時間は、凍結防止措置をとらないようにすることも考えられるが、希釈後の溶液Sの濃度や冷却水Dの条件等の変動するパラメータが多いためにすべての状態で凍結防止措置を作動させないようにすることが難しく、他方、凍結防止措置が必要な場合に凍結防止措置をとることができなくなり、採用が難しい。そこで、吸収冷凍機1では、以下のような制御を行うこととしている。
図2は、吸収冷凍機1の起動時の手順を示すフローチャートである。制御装置60は、吸収冷凍機1を起動する信号を受けると、冷水ポンプ92を起動し(S1)、冷水ポンプ92を起動してからタイマーで設定された所定の時間が経過したときに冷却水ポンプ91を起動する(S2)。なお、冷水ポンプ92の起動(S1)と冷却水ポンプ91の起動(S2)との順序は逆であってもよい。冷却水ポンプ91が起動して、冷却管11に導入される冷却水Dの温度を冷却水温度計51で検出できるようになると、制御装置60は、冷却水温度計51で検出された温度が所定の温度以下か否かを判断する(S3)。ここで、所定の温度は、起動直後の希釈された溶液Sが過剰な吸収能力を発揮することとなる温度であり、本実施の形態では、冷却水Dの温度が低すぎて吸収冷凍機1が故障するおそれがあると判断すべき故障判断値の上限に設定している。
冷却水温度計51で検出された温度が所定の温度以下か否かを判断する工程(S3)において、所定の温度以下の場合、制御装置60は、冷却水ポンプ91を起動してから(冷水ポンプ92が冷却水ポンプ91の後に起動された場合は冷水ポンプ92が起動してから)タイマーで設定された所定の時間が経過したときに冷媒ポンプ29を起動する(S4)。冷媒ポンプ29が起動して、冷媒液散布ノズル22から冷媒液Vfが散布されると、散布された冷媒液Vfは、蒸発管21を流れる冷水Cから受熱して温度が上昇し、蒸発器缶胴27の下部に貯留される。次いで、制御装置60は、冷媒ポンプ29を起動してからタイマーで設定された所定の時間が経過したときに溶液ポンプ19を起動する(S5)。溶液ポンプ19が起動して、濃溶液散布ノズル12から起動直後の希釈された溶液Sが散布されると、冷却水Dの温度が低いために溶液Sの濃度が低くても吸収能力が発揮されることになるが、冷媒ポンプ29が先行して起動したことに起因して蒸発器20内の冷媒液Vfの温度が上昇しているため、蒸発器20内の冷媒液Vfが凍結防止措置の作動する温度まで低下することを回避することができる。制御装置60は、溶液ポンプ19を起動(S5)した後、適宜吸収冷凍機1の他の補機類を起動する(S8)。
他方、冷却水温度計51で検出された温度が所定の温度以下か否かを判断する工程(S3)において、所定の温度以下でない場合、すなわち所定の温度を超えている場合、制御装置60は、冷却水ポンプ91及び冷水ポンプ92のうち後に起動した方が起動してからタイマーで設定された所定の時間が経過したときに溶液ポンプ19を起動する(S6)。このとき、冷却管11に導入される冷却水Dの温度が所定の温度を超えているため、濃溶液散布ノズル12から散布された起動直後の希釈された溶液Sが過剰な吸収能力を発揮することはなく、蒸発器20内の冷媒液Vfの温度が、凍結防止措置がとられるほど低下することはない。制御装置60は、溶液ポンプ19が起動してからタイマーで設定された所定の時間が経過したら、冷媒ポンプ29を起動する(S7)。ここで冷媒ポンプ29が起動する頃には、濃溶液散布ノズル12から散布される溶液Sの濃度が上昇しているため、吸収冷凍機1の定常運転に移行される。制御装置60は、冷媒ポンプ29を起動(S5)した後、適宜吸収冷凍機1の他の補機類を起動する(S8)。
図3を参照して、上述した吸収冷凍機1の起動時の制御の説明を補足する。図3(A)は、冷却水Dの温度が所定の温度以下の場合における吸収冷凍機1に関連する各ポンプ19、29、91、92の起動のタイミングと蒸発器20内の冷媒液Vfの温度の推移を示すタイムチャートである。図3(A)中、各ポンプ19、29、91、92の横に描かれている段違いの折れ線のうち、下段はポンプが停止している状態を示し、上段はポンプが稼働している状態を示している。また、図3(A)中、温度を示す領域内の曲線TfAは蒸発器缶胴27内に貯留されている冷媒液Vfの表面の温度を示しており、温度PTは凍結防止措置がとられる温度(あらかじめ決められた温度)を示している。吸収冷凍機1は、図3(A)に示すように、冷水ポンプ92が起動し(S1)、冷却水ポンプ91が起動し(S2)、次いで冷媒ポンプ29が起動すると(S4)、冷媒液Vfが冷水Cと熱交換し、曲線TfAが示すように、冷媒液Vfの表面温度が上昇する。その後、溶液ポンプ19が起動すると(S5)、溶液Sの濃度の吸収能力が発揮されて冷媒液Vfの温度は一時的に低下するが、温度PTまでは低下しない(曲線TfA参照)。
図3(B)には、吸収冷凍機1との比較のため、従来の吸収冷凍機(制御以外の構成は吸収冷凍機1と同じ)のように起動時に溶液ポンプ19を冷媒ポンプ29よりも先に起動する制御を行う際の、冷却水Dの温度が所定の温度以下の場合における各ポンプ19、29、91、92の起動のタイミングと蒸発器20内の冷媒液Vfの温度の推移を示すタイムチャートを示す。図3(B)中、各ポンプ19、29、91、92の横に描かれている段違いの折れ線の見方は図3(A)と同様であり、温度を示す領域内の曲線TfBは蒸発器缶胴27内に貯留されている冷媒液Vfの表面の温度を示しており、曲線Tdは冷媒液温度計52で検出された冷媒液Vfの温度を示しており、温度PTの意味は図3(A)と同様である。従来の吸収冷凍機は、図3(B)に示すように、冷水ポンプ92が起動し(S1)、冷却水ポンプ91が起動し(S2)、次いで溶液ポンプ19が起動すると(S5’)、溶液Sが過剰な吸収能力を発揮して、蒸発器缶胴27内の冷媒液Vfの温度を低下させる(曲線TfB参照)。曲線TfBが示すように、溶液ポンプ19が起動してから冷媒液Vfの温度が徐々に低下し、温度PTを下回る温度に達する。その後、冷媒ポンプ29が起動すると(S4’)、曲線Tdが示すように、冷媒液温度計52が検出する温度が徐々に低下して、時間SSの時点で冷媒液温度計52が温度PTを検出し、吸収冷凍機が停止することとなる。
以上で説明したように、本実施の形態に係る吸収冷凍機1によれば、吸収冷凍機1の起動時に、冷水ポンプ92及び冷却水ポンプ91を起動した後、冷媒ポンプ29、溶液ポンプ19の順に起動するので、冷却水Dの温度が所定の温度以下であって、希釈された溶液Sが過剰な吸収能力を発揮した場合であっても、蒸発器20内の冷媒液Vfが過度に冷却されることが抑制され、凍結防止措置がとられることを回避することができる。また、冷却水Dの温度が所定の温度を超えている場合は、冷水ポンプ92及び冷却水ポンプ91を起動した後に、溶液ポンプ19、冷媒ポンプ29の順に起動するので、溶液Sが吸収能力を発揮しない状態で冷媒液散布ノズル22から冷媒液Vfが散布される状態を回避することができ、冷媒ポンプ29の動力を削減することができる。
次に図4(A)を参照して、本実施の形態の変形例に係る吸収冷凍機1Aを説明する。図4(A)は、吸収冷凍機1Aの吸収器10及び蒸発器20回りを示す部分系統図である。吸収冷凍機1Aは、吸収冷凍機1(図1参照)と比較して、以下の点が異なっている。吸収冷凍機1Aは、蒸発器缶胴27内の気相部の圧力を検出する蒸発圧力計55と、吸収器缶胴17内の溶液Sの温度を検出する溶液温度計56とが設けられている。また、吸収冷凍機1Aは、制御装置60Aが演算部61を有している。演算部61は、蒸発圧力計55及び溶液温度計56と信号ケーブルで接続されており、蒸発圧力計55で検出された値及び溶液温度計56で検出された値を信号として受信することができるように構成されている。演算部61は、蒸発圧力計55及び溶液温度計56からそれぞれ受信した値に基づいて、溶液Sの濃度を算出することができるように構成されている。制御装置60Aは、演算部61で算出された濃度から希釈後の溶液Sの濃度を推定し、推定した希釈後の溶液Sの濃度と、冷却水Dの温度とに基づいて、吸収器10と蒸発器20との平衡圧力又は露点温度を算出することができるように構成されている。吸収冷凍機1Aの、上記以外の構成は、吸収冷凍機1(図1参照)と同じである。
図4(B)に、一般的な吸収冷凍機のデューリング線図を示す。図4(B)のデューリング線図は、縦軸に冷媒Vの露点温度を、横軸に溶液Sの温度をとっている。右上がりの線は溶液Sの等濃度線を表し、右に行くほど高濃度、左に行くほど低濃度となり、図中の原点を通る右上がりの線は溶液濃度0%(すなわち冷媒のみ)の線である。なお、縦軸が示す露点温度は飽和圧力と対応関係にあるため、冷媒蒸気Ve、Vgが飽和蒸気である吸収冷凍サイクルでは、縦軸は主要構成機器である吸収器10、蒸発器20、再生器30、凝縮器40の内部圧力を表していると見ることもできる。図4(B)に示すデューリング線図は、露点温度、溶液Sの温度、溶液Sの濃度の関係を示すものであるから、露点温度(吸収器10及び蒸発器20の内圧)及び溶液Sの温度が分かれば、溶液Sの濃度を算出できることが分かる。このことから、図4(A)に示す吸収冷凍機1Aでは、蒸発圧力計55と、溶液温度計56と、演算部61とで、濃度検出手段を構成している。
上述のように構成された吸収冷凍機1Aでは、制御装置60Aは、吸収冷凍機1Aが停止される際(典型的には停止ボタンを押す等により停止指令が制御装置60Aに送られた際)に、演算部61が、蒸発圧力計55及び溶液温度計56から検出値を受信し、受信した値に基づいて溶液Sの濃度を算出する。そして、制御装置60Aは、次に吸収冷凍機1Aが起動される際に、冷水ポンプ92及び冷却水ポンプ91を起動する(図2の工程S1、S2に相当)と共に、冷却水温度計51から検出値を受信し、受信した冷却水Dの温度と、停止時に算出(検出)しておいた溶液Sの濃度とから、蒸発器缶胴27内の平衡圧力又は冷媒Vの露点温度を算出し、算出された値が設定値以下か否かを判断する(図2の工程S3に対応)。制御装置60Aは、算出された平衡圧力又は露点温度が設定値以下の場合、溶液Sが過剰な吸収能力を発揮すると推定して、冷媒ポンプ29、溶液ポンプ19の順に起動する(図2の工程S4、S5に相当)。他方、算出された平衡圧力又は露点温度が設定値を超えた場合、冷媒ポンプ29の動力節減のため、溶液ポンプ19、冷媒ポンプ29の順に起動する(図2の工程S6、S7に相当)。
以上で説明したように、本実施の形態の変形例に係る吸収冷凍機1Aによれば、溶液ポンプ19及び冷媒ポンプ29の起動順を決めるのに際し、吸収冷凍機1(図1参照)では冷却管11の入口の冷却水D温度のみで判断していたのに比べて、冷却管11の入口の冷却水D温度に加えて停止時の溶液S濃度から算出した平衡圧力又は露点温度を加味して判断しているので、溶液Sの低温時の吸収能力の発揮状態をより正確に把握することができ、冷媒ポンプ29動力節減をさらに推し進めることができる。なお、吸収冷凍機1Aでは、濃度検出手段として、蒸発圧力計55を有しているが、蒸発器冷媒蒸気Veが飽和蒸気であることから蒸発器缶胴27内の冷媒液Vfの温度は露点温度となるため、蒸発圧力計55に代えて蒸発器缶胴27内の冷媒液Vfの温度を検出する蒸発器冷媒温度計を有することとしてもよい。あるいは、蒸発圧力計55及び溶液温度計56に代えて、吸収器缶胴17内の溶液Sの濃度を直接検出する濃度計を有することとしてもよい。また、吸収冷凍機1Aでは、吸収器10内の溶液Sの濃度を演算しているが、再生器30から導出される濃溶液Saの濃度で代替することも可能である。その際は、再生器30の出口の溶液Sの温度、再生器30又は凝縮器40の内圧、再生器30で発生した再生器冷媒蒸気Vgの温度(露点温度)等から濃溶液Saの濃度を求めることが可能である。
以上の説明では、冷却水Dが、吸収器11に導入された後に凝縮器40に導入される構成を例示したが、凝縮器40に導入された後に吸収器11に導入される構成であってもよく、吸収器10と凝縮器40とに並列に導入される構成であってもよい。
以上の説明では、冷却水ポンプ91及び冷水ポンプ92が吸収冷凍機1、1Aの構成要素ではないものとしたが、冷却水ポンプ91及び/又は冷水ポンプ92を吸収冷凍機1、1Aの構成要素として備えることとしてもよい。しかしながら、冷却水ポンプ91が流動させる冷却水D、及び冷水ポンプ92が流動させる冷水Cは、吸収冷凍機1、1Aが設置される場所等の条件によって供給先までの搬送距離や流量等が異なるのが一般的なため、冷却水ポンプ91及び冷水ポンプ92を吸収冷凍機1、1Aの構成要素とはせず、吸収冷凍機1、1Aの設置場所等に適した能力のものを選定できるようにするのが好ましい。
以上の説明では、凍結防止措置が、吸収冷凍機1を停止させることとしたが、吸収冷凍機1を停止させずに警報を発する等、冷水Cの凍結が生じ得る注意を喚起することとしてもよい。
以上の説明では、冷却水Dの温度が所定の温度を超えている場合、あるいは算出された平衡圧力又は露点温度が設定値を超えた場合は、冷水ポンプ92及び冷却水ポンプ91を起動した後に、溶液ポンプ19、冷媒ポンプ29の順に起動することとしたが、上記の条件にかかわらず(いかなる場合であっても)、冷媒ポンプ29、溶液ポンプ19の順に起動することとしてもよい。このようにすると、制御を簡略化できると共に冷却水温度計51あるいは濃度検出手段を省略して装置構成を簡素にすることができる。
以上の説明では、理解の容易のために、吸収冷凍機1、1Aが単効用の構成であるとしたが、複数の再生器を有する多重効用の吸収冷凍機、あるいは、動作圧力の異なる複数の蒸発器/吸収器を有する吸収冷凍機にも適用することができる。
1 吸収冷凍機
10 吸収器
11 冷却管
19 溶液ポンプ
20 蒸発器
21 蒸発管
29 冷媒ポンプ
30 再生器
40 凝縮器
51 冷却水温度計
52 冷媒液温度計
55 蒸発圧力計
56 溶液温度計
60 制御装置
61 演算部
91 冷却水ポンプ
92 冷水ポンプ
C 冷水
D 冷却水
Sa 濃溶液
Ve 蒸発器冷媒蒸気
Vf 冷媒液

Claims (4)

  1. 冷水が流れる冷水流路を内部に有する蒸発器であって、冷媒液が蒸発する際の気化熱を前記冷水流路を流れる前記冷水から奪うことで前記冷水を冷却する蒸発器と;
    前記蒸発器で前記冷媒液が蒸発して発生した冷媒蒸気を導入し、導入した前記冷媒蒸気を溶液で吸収する吸収器であって、前記溶液が前記冷媒蒸気を吸収する際に発生する吸収熱を奪う冷却水が流れる冷却水流路を内部に有する吸収器と;
    前記冷媒液を前記冷水流路の外面に散布する冷媒ポンプと;
    前記冷水流路に散布される前記冷媒液の温度を検出する冷媒液温度検出器と;
    前記溶液を前記冷却水流路の外面に散布する溶液ポンプと;
    前記冷水流路内の前記冷水を流動させる冷水ポンプの発停を制御する制御装置とを備え;
    前記冷媒液温度検出器で検出された温度があらかじめ決められた温度よりも低いときに冷水凍結防止措置がとられるように構成され;
    前記制御装置は、前記冷水ポンプを起動した後に、前記冷媒ポンプ、前記溶液ポンプの順に起動するように構成された;
    吸収冷凍機。
  2. 前記冷却水流路内の前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出器を備え;
    前記制御装置は、前記冷却水温度検出器で検出された温度が所定の温度を超えている場合に、前記冷媒ポンプ及び前記溶液ポンプの起動順を入れ替えて前記冷媒ポンプを前記溶液ポンプの後に起動するように構成された;
    請求項1に記載の吸収冷凍機。
  3. 前記所定の温度が、前記冷却水温度検出器で検出された温度が低いために故障と判断される故障判断値の上限に設定された;
    請求項2に記載の吸収冷凍機。
  4. 前記冷却水流路内の前記冷却水の温度を検出する冷却水温度検出器と;
    前記溶液の濃度を直接又は間接的に検出する濃度検出手段とを備え;
    前記制御装置は、前記吸収冷凍機が停止される際の前記濃度検出手段で検出された前記溶液の濃度と、次に前記吸収冷凍機が起動される際の前記冷却水温度検出器で検出された前記冷却水の温度とから、前記蒸発器又は前記吸収器の平衡圧力又は露点温度を算出し、算出された値が設定値を超えた場合に、前記冷媒ポンプ及び前記溶液ポンプの起動順を入れ替えて前記冷媒ポンプを前記溶液ポンプの後に起動するように構成された;
    請求項1に記載の吸収冷凍機。
JP2013069438A 2013-03-28 2013-03-28 吸収冷凍機 Active JP5993771B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013069438A JP5993771B2 (ja) 2013-03-28 2013-03-28 吸収冷凍機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013069438A JP5993771B2 (ja) 2013-03-28 2013-03-28 吸収冷凍機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014190679A true JP2014190679A (ja) 2014-10-06
JP5993771B2 JP5993771B2 (ja) 2016-09-14

Family

ID=51837096

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013069438A Active JP5993771B2 (ja) 2013-03-28 2013-03-28 吸収冷凍機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5993771B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108826774A (zh) * 2018-08-29 2018-11-16 杭州正行能源科技有限公司 一种宽温热泵冰点温度运行装置及其运行控制方法
JP2019522162A (ja) * 2016-05-11 2019-08-08 ストーン・マウンテン・テクノロジーズ,インコーポレーテッド 収着ヒートポンプ及び制御方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5843364A (ja) * 1981-09-08 1983-03-14 三洋電機株式会社 吸収ヒ−トポンプ制御装置
JPS6467571A (en) * 1987-09-07 1989-03-14 Sanyo Electric Co Second class absorption heat pump device
JPH10213358A (ja) * 1997-01-30 1998-08-11 Ebara Corp 吸収冷凍機の冷房運転方法
JP2000220906A (ja) * 1999-01-29 2000-08-08 Sanyo Electric Co Ltd 吸収冷凍機の制御方法
JP2002349992A (ja) * 2001-05-30 2002-12-04 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 吸収冷凍機とその起動方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5843364A (ja) * 1981-09-08 1983-03-14 三洋電機株式会社 吸収ヒ−トポンプ制御装置
JPS6467571A (en) * 1987-09-07 1989-03-14 Sanyo Electric Co Second class absorption heat pump device
JPH10213358A (ja) * 1997-01-30 1998-08-11 Ebara Corp 吸収冷凍機の冷房運転方法
JP2000220906A (ja) * 1999-01-29 2000-08-08 Sanyo Electric Co Ltd 吸収冷凍機の制御方法
JP2002349992A (ja) * 2001-05-30 2002-12-04 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 吸収冷凍機とその起動方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019522162A (ja) * 2016-05-11 2019-08-08 ストーン・マウンテン・テクノロジーズ,インコーポレーテッド 収着ヒートポンプ及び制御方法
JP7019597B2 (ja) 2016-05-11 2022-02-15 ストーン・マウンテン・テクノロジーズ,インコーポレーテッド 収着ヒートポンプ及び制御方法
CN108826774A (zh) * 2018-08-29 2018-11-16 杭州正行能源科技有限公司 一种宽温热泵冰点温度运行装置及其运行控制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5993771B2 (ja) 2016-09-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003279186A (ja) 吸収式冷凍機及びその制御方法
JP6434730B2 (ja) 吸収式熱源機
JP2008106955A (ja) 吸収式冷温水機
JP5993771B2 (ja) 吸収冷凍機
JP2008116173A (ja) 吸収式冷凍機
CN108253656B (zh) 吸收式制冷机、控制程序以及吸收式制冷机的控制方法
JP6754981B2 (ja) 吸収式冷凍機
JP5405335B2 (ja) 吸収式冷凍機
WO2018056024A1 (ja) 吸収式冷凍機
JP2018146190A (ja) 吸収式冷凍機、制御プログラム及び吸収式冷凍機の制御方法
JP2009243705A (ja) 吸収式ヒートポンプ
JP2009058207A (ja) 吸収冷温水機
JP2018169075A (ja) 吸収式冷凍機
JP6789846B2 (ja) 吸収式冷凍機
JP7122538B2 (ja) 吸収式冷凍機
JP6605975B2 (ja) 吸収式冷凍機
JP7372197B2 (ja) 吸収式熱源装置
JP6922147B2 (ja) 吸収式冷凍機
JP5484784B2 (ja) 吸収式冷凍機
JP2019020027A (ja) 吸収式冷凍機
JP5261118B2 (ja) 吸収式冷温水機
JP6765056B2 (ja) 吸収式冷凍機
JP2011220675A (ja) 吸収式冷凍機
JP2022044138A (ja) 吸収式冷凍システム及び吸収式冷凍機
JP6653445B2 (ja) 吸収式冷凍機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150924

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160725

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160802

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160822

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5993771

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250