JP2014189458A - テルルの回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 処理プロセス全体としてのテルルの回収効率の向上を図ることが可能な銅電解殿物からのテルルの回収方法を提供する。
【解決手段】 銅電解殿物からのテルルの回収方法であって、銅電解液中に銅電解殿物を溶解させて該銅電解液中に銅及びテルルを含む不純物を浸出させることにより該銅電解殿物から銅を除去する脱銅浸出工程において、銅電解液と銅電解殿物を含む脱銅浸出処理槽中へ、テルル化銅を浸出した後のテルルを含むアルカリ浸出残渣を供給することを含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、テルルの回収方法に関し、より具体的には、銅電解殿物からのテルルの回収方法にする。
銅の電解精製は、転炉からの粗銅を、精製炉において99.5%程度に精製し、鋳造した陽極(アノード)と陰極としての種板あるいはステンレス板を、電解槽に交互に数十枚一組で吊して実施する。種板あるいはステンレス板上に電着した銅は電気銅と呼ばれる。電解槽の底には陽極中に含まれる不純物が泥状に沈積する。この沈積物は銅電解殿物(アノードスライム)と呼ばれる。銅電解物中には、銅に加えて金を始め原料中の種々の貴金属が濃縮しており、貴金属回収の主要原料とされている。
銅電解殿物の処理においては、乾式法、湿式法のいずれの処理法も実用化されているが、設備コスト、処理流れなどの面から、湿式法の有用性が高いと考えられてきている。湿式法においては、銅電解殿物を電解液でリパルプし、殿物中に残留している銅、テルル、砒素その他の溶解可能な不純物を溶解させ、貴金属、セレンなどを主体とする不溶解物と固液分離し、貴金属の濃縮精製を行う。不溶解物の主要な成分は、銀、セレン、金、白金族、テルル、鉛等である。
銅電解殿物の処理フローの例を図2に示す。まず、脱銅浸出工程において、電解殿物を銅電解液を用いて溶解し、銅、テルル、砒素等の不純物を浸出する。浸出残渣は塩酸溶液と酸化剤を用いて溶解した後、銀等を塩化物として固液分離する(塩化浸出工程)。分離後の浸出後液から金を、ジブチルカルビトール(DBC)等を用いた溶媒抽出により分離し(金抽出工程)、金還元処理を行って製品金を得る。
一方、金抽出後液からは、亜硫酸ガス(SO2)を吹き込むセレン還元処理により液中のセレン濃度が2.5〜4g/Lになるまで行ってセレン滓を得た後、真空蒸留処理によりセレンを取り出す。一方、セレン滓を回収した後のセレン還元後液中にはテルル、セレン等の有価金属が未だ含まれるため、更に亜硫酸ガスを吹き込んでセレン濃度が1mg/L以下になるまで還元した後、テルル還元滓を得る。テルル還元滓は、苛性ソーダによりテルルを浸出するアルカリ浸出工程へと送られる。
一方、脱銅浸出工程で得られた浸出後液に対しては、脱テルル処理が行われ、テルル化銅が取り出される。テルル化銅からテルルを回収するために、アルカリ浸出工程において、苛性ソーダによりテルルの浸出を行う。ろ過後の浸出後液は、硫酸を加えることによりテルルを単離させて二酸化テルルを得る(中和工程)。
中和後液には亜硫酸ガス(SO2)を吹き込んで還元処理を行うことによりセレンを抽出する(脱セレン工程)。脱セレン後の還元後液及び還元残渣は、貴金属回収のための別工程へ送られる。一方、テルルのアルカリ浸出処理において生成されたアルカリ浸出残渣は再び製錬に繰り返される。
銅電解電物処理においてセレン、テルルの回収効率を高めるために、二酸化テルル、セレン等を取り出すための様々な検討が行われてきた(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、銅電解殿物を処理するためのプロセス全体を鑑みると、テルルを含む材料が依然として廃液処理或いは製錬等に繰り返されている工程もあり、処理プロセス全体から判断した場合のテルルの回収率向上を実現するためには、まだ検討の余地がある。
そこで、処理プロセス全体を鑑みた場合のテルルの回収率向上対策として、従来ただ単に製錬に繰り返されるだけであったテルル化銅をアルカリ浸出した後のアルカリ浸出残渣に着目し、この残渣を処理系内へ戻すことが試みられた。例えば、特許文献2には、アルカリ浸出残渣を、セレン還元工程後液と混合させて、混合物中に含まれるテルルを酸浸出させた後、酸浸出後の浸出後液を亜硫酸ガスで還元してテルルを回収することが提案されている。
しかしながら、特許文献2に記載された方法を銅電解殿物処理工場で連続的に採用すると、理屈上は問題無く還元されるはずのテルルが、実際には還元されず、その結果、処理プロセス全体としてのテルルの回収効率が向上しない場合があることが分かった。
特開2005−126800号公報 特開2012−211027号公報
上記課題を鑑み、本発明は、処理プロセス全体としてのテルルの回収効率の向上を図ることが可能な銅電解殿物からのテルルの回収方法を提供する。
上記課題を解決するために、本発明者は、テルル化銅をアルカリ浸出した後のテルルを含むアルカリ浸出残渣を、銅電解殿物の脱銅浸出工程へ戻すことを試みたところ、脱銅浸出工程に悪影響を及ぼすことなく、処理プロセス全体としてのテルルの回収効率が向上できることが分かった。
以上の知見を基礎として完成した本発明は一側面において、銅電解殿物からのテルルの回収方法であって、銅電解液中に銅電解殿物を溶解させて該銅電解液中に銅及びテルルを含む不純物を浸出させることにより該銅電解殿物から銅を除去する脱銅浸出工程において、銅電解液と銅電解殿物を含む脱銅浸出処理槽中へ、テルル化銅を浸出した後のテルルを含むアルカリ浸出残渣を供給することを含む銅電解殿物からのテルルの回収方法が提供される。
本発明に係る銅電解殿物からのテルルの回収方法は一実施態様において、アルカリ浸出残渣を、スラリー濃度10〜40g/Lで供給することを含む。
本発明に係る銅電解殿物からのテルルの回収方法は別の一実施態様において、アルカリ浸出残渣が、テルルを5〜20質量%含む苛性ソーダ浸出残渣である。
本発明に係る銅電解殿物からのテルルの回収方法は更に別の一実施態様において、銅電解液が、銅濃度90〜120g/L、硫酸濃度350〜400g/Lである。
本発明は、別の一側面において、テルルを含むアルカリ浸出残渣を、銅電解殿物と銅電解液とを含む処理槽中に供給し、その銅電解液中に銅及びテルルを含む不純物を浸出させることを含むテルルの回収方法が提供される。
本発明によれば、処理プロセス全体としてのテルルの回収効率の向上を図ることが可能な銅電解殿物からのテルルの回収方法が提供できる。
本発明の実施の形態に係る銅電解殿物からのテルルの回収方法の一例を表す処理フロー図である。 従来の銅電解殿物の処理方法を表す処理フロー図である。
本発明の実施の形態に係るテルルの回収方法は、図1に示すように、テルルを含むアルカリ浸出残渣を、銅電解殿物処理の最初の工程である脱銅浸出工程へ戻すことを含むものである。
<テルルを含むアルカリ浸出残渣>
本発明の実施の形態に係るテルルの回収方法で用いられる「テルルを含むアルカリ浸出残渣」とは、銅電解殿物処理工程で得られるアルカリ浸出残渣であって、より具体的には、例えば図1に示す脱テルル処理後のテルル化銅をアルカリ浸出した後のアルカリ浸出残渣、及び/又は、銅電解殿物に対して脱銅浸出、塩化浸出、金抽出、亜硫酸ガス還元処理(セレン還元処理)を行った後のテルル還元滓を、苛性ソーダによりアルカリ浸出した後のアルカリ浸出残渣等が利用可能である。
このアルカリ浸出残渣中には、例えば、5〜20質量%のテルル(Te)が含まれている。脱テルル処理後のテルル化銅をアルカリ浸出した後のアルカリ浸出残渣には、テルルに加えて例えば50〜70質量%の銅(Cu)と微量の鉛(Pb)等が含まれている。また、銅電解殿物に対して脱銅浸出、塩化浸出、金抽出、セレン還元処理を行った後のテルル還元滓を、苛性ソーダによりアルカリ浸出した後のアルカリ浸出残渣中には、テルルに加えて更に0〜2質量%のセレン(Se)、0.01〜0.02質量%のロジウム(Rh)、0.05〜0.2質量%のルテニウム(Ru)、銅等が含まれている。
<脱銅浸出工程>
処理対象とする銅電解殿物には、25〜35質量%の銅の他に、1〜5質量%のテルル(Te)、2〜5質量%の砒素(As)、1〜3質量%の金(Au)、5〜15質量%のセレン(Se)、0.02〜0.08質量%の白金(Pt)、0.002〜0.01質量%のロジウム(Rh)、0.05〜0.25質量%のルテニウム(Ru)、1〜5質量%の鉛(Pb)、15〜25質量%の銀(Ag)等が含まれている。
脱銅浸出工程では、この銅電解殿物を、処理槽(脱銅浸出処理槽)において銅電解液中に溶解させて、銅電解液中に、銅、テルル、砒素等の不純物を浸出させることにより、銅電解物から銅を除去する。
処理に用いられる銅電解液の組成としては、例えば、銅濃度90〜120g/L、硫酸濃度350〜400g/Lの銅電解液が利用可能である。
脱銅浸出処理槽にテルルを含むアルカリ浸出残渣を供給する方法としては、バッチ供給であっても連続供給であっても構わない。しかしながら、多量のアルカリ浸出残渣を処理槽中に一度に供給しすぎると、その後に行われる銅電解殿物の各処理工程に悪影響を及ぼす場合がある。
例えば、アルカリ浸出残渣の供給量が多すぎると、図1に示す脱テルル処理後に得られたテルル化銅が変色する問題が発生する場合がある。更に、脱銅浸出後の図1に示すセレン還元処理において、還元滓がタンクの中で塊状に固まり、タンクの詰まりの原因となり、銅電解殿物から回収される各種金属の回収効率が低下する場合がある。また、アルカリ浸出残渣投入量を増やすことにより、脱銅浸出後液を濾過設備(フィルタープレス)でろ過する際に、ろ布が目詰まりする場合がある。
そのため、本発明の実施の形態に係るテルルの回収方法においては、アルカリ浸出残渣をスラリー濃度10〜40g/L、より好ましくは10〜20g/L、更に好ましくは10〜15g/Lで脱銅浸出処理槽へ供給することが好ましい。即ち、スラリー濃度が350〜400g/Lの銅電解液に対してアルカリ浸出残渣を10〜40g/L、より好ましくは10〜20g/L、更に好ましくは10〜15g/Lで供給する。これにより、脱銅浸出処理槽にアルカリ浸出残渣を供給したとしても、脱銅浸出以降の各金属回収工程に与える影響を小さくできる。なお、脱銅浸出工程における銅電解液の液温は、78〜82℃程度で好適に行うことができる。
テルル化銅を浸出した後のテルルを含むアルカリ浸出残渣には、図2に示すテルル還元滓よりも高濃度のテルルが含まれている。従来は、得られたアルカリ浸出残渣中のテルルを有効利用するために、セレン還元滓へ繰り返すことへの検討が行われ、本発明のように、脱銅浸出工程に繰り返すことは行われなかった。これは、銅電解殿物からテルル化銅を浸出した後のテルルを含むアルカリ浸出残渣にはテルルと銅が含まれるため、脱銅工程で銅が除去しきれなくなる恐れと、金や、銀中のテルル品位が上昇する恐れが考えられたからである。また、脱銅浸出工程に繰り返すことにより、脱銅浸出工程以降の各工程に悪影響を及ぼし、金、セレン、テルルなどの各金属の回収効率が下がることが考えられていたからである。或いは、不純物を投入することで、各工程で詰まりなどのトラブルが増大することが懸念されていたからである。
本発明の実施の形態に係るテルルの回収方法によれば、テルル化銅を浸出した後のテルルを含むアルカリ浸出残渣を、従来行われなかった脱銅浸出工程へ投入する。これにより、アルカリ浸出残渣中のテルルを有効利用でき、脱銅浸出工程後の各金属回収フローにも悪影響を及ぼすことなく、且つ処理プロセス全体としてのテルルの回収効率の向上を図ることが可能となる。また、テルルを含むアルカリ浸出残渣を製錬に繰り返すことがないため、アルカリ浸出残渣中の不純物を製錬工程に混入させることがなく、製錬処理で生産される銅アノード中の不純物品位を下げることができる。
上記のように本発明の実施の形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの考案を限定するものであると理解すべきではない。例えば、上記の方法ではアルカリ浸出残渣として、図1の脱テルル処理後のテルル化銅をアルカリ浸出した後のアルカリ浸出残渣、及び/又は、銅電解殿物に対して脱銅浸出、塩化浸出、金抽出、セレン還元処理を行った後のセレン還元後液を、苛性ソーダによりアルカリ浸出した後のアルカリ浸出残渣等を用いる例を示しているが、上記の例に制限されることなく、図1に示した電解殿物処理工程以外の処理工程で得られるテルルを含むあらゆるアルカリ浸出残渣に対して適用可能である。
以下、本発明の実施例を示すが、これらは本発明をより良く理解するために提供するものであり、本発明が限定されることを意図するものではない。
図1に示す銅電解殿物処理フローにおいて、脱銅浸出工程における脱銅浸出処理槽へアルカリ浸出残渣を投入した場合と、投入しない場合との物量バランスを比較し、脱銅浸出処理工程及び脱銅浸出工程以降の処理工程への影響を評価した。
(試験条件)
図1の脱銅浸出工程における条件を以下の条件A〜Cとした。
条件A:アルカリ浸出残渣投入無し:銅電解殿物処理総量4304dry−kg
条件B:アルカリ浸出残渣投入あり:銅電解殿物処理総量4238dry−kg
条件C:アルカリ浸出残渣投入あり:銅電解殿物処理総量4323dry−kg
条件Bでは、銅電解殿物総量(乾量)4238dry−kgに対し、テルルを含むアルカリ浸出残渣として、銅電解殿物の脱テルル処理後の苛性ソーダ浸出残渣(水酸化銅)を総量で149dry−kg(テルル含有量18.3kg、テルル品位12.3質量%)を脱銅浸出処理槽に供給した。
条件Cでは、銅電解殿物総量4323dry−kgに対し、テルルを含むアルカリ浸出残渣として、銅電解殿物の脱テルル処理後の苛性ソーダ浸出残渣(水酸化銅)を総量で171dry−kg(テルル含有量21.0kg、テルル品位12.3質量%)を脱銅浸出処理槽に供給した。
(処理フロー)
銅電解殿物の処理工程は、図1に示すように多岐にわたるため、ここでは脱銅浸出、塩化浸出、脱テルル処理後の各浸出残渣及び各浸出後液に着目し、これらの濃度と、各工程のプロセス上のトラブルの影響について評価した。脱銅浸出工程、塩化浸出工程、脱テルル化処理工程の詳細は以下の通りである。
−脱銅浸出工程−
銅濃度90〜120g/L、硫酸濃度350〜400g/Lの銅電解液を収容した脱銅浸出処理槽内に銅電解殿物を溶解させ、銅、テルル、砒素等の不純物を浸出させて、浸出残渣と浸出後液を得た。条件Bでは、脱銅浸出処理槽内にスラリー濃度15g/Lでテルルを含むアルカリ浸出残渣を供給し、アルカリ浸出残渣に含まれるテルルを更に浸出させた。条件Cでは、脱銅浸出処理槽内にスラリー濃度17g/Lでテルルを含むアルカリ浸出残渣を供給し、アルカリ浸出残渣に含まれるテルルを更に浸出させた。得られた脱銅浸出残渣と脱銅浸出後液の組成を表1に示す。
Figure 2014189458
−塩化浸出工程−
(塩化浸出処理)
脱銅浸出工程で得られた脱銅浸出残渣を35質量%の塩酸溶液中に過酸化水素を使用しながら溶解させ、反応温度70〜74℃で、銀等を塩化物として固液分離させて、塩化浸出残渣と塩化浸出後液を得た。得られた塩化浸出残渣と塩化浸出後液の組成を表2に示す。
Figure 2014189458
(塩化冷却処理)
塩化浸出処理で得られた塩化浸出後液を冷却して塩化鉛や三酸化アンチモンを析出させ、塩化冷却残渣と塩化冷却後液を得た。得られた塩化冷却残渣と塩化冷却後液の組成を表3に示す。
Figure 2014189458
−脱テルル化処理−
脱銅浸出工程で得られた脱銅浸出後液に対して銅板とのセメンテーションによる脱テルル処理を行い、テルル化銅と脱テルル後液を得た。得られたテルル化銅と脱テルル後液の組成を表4に示す。
Figure 2014189458
(結果)
塩化冷却処理で得られた塩化冷却後液、塩化冷却残渣及び脱テルル工程で得られたテルル化銅中に含まれるテルル濃度を参考に、処理前のテルル濃度に基づくテルル回収率を評価したところ、テルルを含むアルカリ浸出残渣を脱銅浸出工程に投入すること(条件B、C)によって、アルカリ浸出残渣を投入しなかった場合(条件A)に比べて、テルルの回収率が3%程度向上した。これにより、テルルを含むアルカリ浸出残渣を脱銅浸出工程に繰り返すことによって、各工程のテルルの回収率を低下させることなく問題なくテルルを回収できることが分かった。また、処理プロセス全体として見た場合には、テルルを含むアルカリ残渣を系内に繰り返すことでテルルの総回収物量を増加させることができるため、処理プロセス全体としてのテルルの回収効率の向上も図れることが分かった。
アルカリ浸出残渣を脱銅浸出処理槽に投入した条件B、Cでは、脱銅浸出工程における不純物投入による金、銀中のテルル品位の上昇や配管等の詰りといった悪影響は見られなかった。即ち、テルル化銅を処理した後のテルルを含むアルカリ浸出残渣を脱銅浸出工程における処理槽に投入した場合においても、脱銅浸出工程に悪影響を及ぼすことなく、処理プロセス全体としてのテルルの回収効率が向上できることが分かった。
アルカリ浸出残渣の供給量を適正範囲で行った条件Bでは、図1の脱テルル処理後に得られたテルル化銅の変色も見られず、セレン還元工程によるタンクの詰まりなどの工程トラブルも見られなかった。条件Cでは、テルル化銅が通常時よりも青緑色に変色する場合があった。また、セレン還元工程においてタンクの詰まりが発生した。

Claims (5)

  1. 銅電解殿物からのテルルの回収方法であって、
    銅電解液中に銅電解殿物を溶解させて該銅電解液中に銅及びテルルを含む不純物を浸出させることにより該銅電解殿物から銅を除去する脱銅浸出工程において、
    銅電解液と銅電解殿物を含む脱銅浸出処理槽中へ、テルル化銅を浸出した後のテルルを含むアルカリ浸出残渣を供給すること
    を含むことを特徴とする銅電解殿物からのテルルの回収方法。
  2. 前記アルカリ浸出残渣を、スラリー濃度10〜40g/Lで供給することを含む請求項1に記載の銅電解殿物からのテルルの回収方法。
  3. 前記アルカリ浸出残渣が、テルルを5〜20質量%含む苛性ソーダ浸出残渣である請求項1又は2に記載の銅電解殿物からのテルルの回収方法。
  4. 前記銅電解液が、銅濃度90〜120g/L、硫酸濃度350〜400g/Lである請求項1〜3のいずれか1項に記載の銅電解殿物からのテルルの回収方法。
  5. テルルを含むアルカリ浸出残渣を、銅電解殿物と銅電解液とを含む処理槽中に供給し、該銅電解液中に銅及びテルルを含む不純物を浸出させることを含むことを特徴とするテルルの回収方法。
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