JP2014188940A - 積層シート及び発泡積層シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材上に、少なくとも発泡剤含有樹脂層が形成されている積層シートであって、
(1) 前記発泡剤含有樹脂層が、(i)ジンクピリチオン、並びに(ii)イソチアゾリン系化合物、有機ヨウ素系化合物及び亜鉛を含まないピリジン系化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種の防カビ剤を含有し、
(2) 前記(i)ジンクピリチオンの含有量が、前記発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、0.05〜1.0質量部であり、
(3) 前記(ii)の防カビ剤の含有量が、前記発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、0.5質量部以上である、
ことを特徴とする、積層シート。
【選択図】なし
Description
層を有しており、発泡壁紙、各種装飾材等として有用である。また、前記積層シートは、
前記発泡積層シートの発泡前の状態であり、いわゆる未発泡原反を意味する。
1. 基材上に、少なくとも発泡剤含有樹脂層が形成されている積層シートであって、
(1) 前記発泡剤含有樹脂層が、(i)ジンクピリチオン、並びに(ii)イソチアゾリン系化合物、有機ヨウ素系化合物及び亜鉛を含まないピリジン系化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種の防カビ剤を含有し、
(2) 前記(i)ジンクピリチオンの含有量が、前記発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、0.05〜1.0質量部であり、
(3) 前記(ii)の防カビ剤の含有量が、前記発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、0.5質量部以上である、
ことを特徴とする、積層シート。
2. 前記基材上に、非発泡樹脂層B、前記発泡剤含有樹脂層及び非発泡樹脂層Aが順に形成されている、上記項1に記載の積層シート。
3. 前記発泡剤含有樹脂層は、電子線照射により樹脂架橋されている、上記項1又は2に記載の積層シート。
4. 上記項1〜3のいずれかに記載の積層シートの前記発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより得られる、発泡積層シート。
5. 最表面層の上からエンボス加工が施されている、上記項4に記載の発泡積層シート。
6. 基材上に少なくとも発泡剤含有樹脂層を有する積層シートであり、
(1) 前記発泡剤含有樹脂層が、(i)ジンクピリチオン、並びに(ii)イソチアゾリン系化合物、有機ヨウ素系化合物及び亜鉛を含まないピリジン系化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種の防カビ剤を含有し、
(2) 前記(i)ジンクピリチオンの含有量が、前記発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、0.05〜1.0質量部であり、
(3) 前記(ii)の防カビ剤の含有量が、前記発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、0.5質量部以上である、積層シートを得た後、
前記積層シートの前記発泡剤含有樹脂層を発泡させて発泡樹脂層とすることにより得られる、発泡積層シートの製造方法。
≪積層シート≫
本発明の積層シートは、基材上に、少なくとも発泡剤含有樹脂層が形成されている積層シートであって、
(1) 前記発泡剤含有樹脂層が、(i)ジンクピリチオン、並びに(ii)イソチアゾリン系化合物、有機ヨウ素系化合物及び亜鉛を含まないピリジン系化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種の防カビ剤を含有し、
(2) 前記(i)ジンクピリチオンの含有量が、前記発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、0.05〜1.0質量部であり、
(3) 前記(ii)の防カビ剤の含有量が、前記発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、0.5質量部以上である、
ことを特徴とする。
基材としては限定されず、公知の繊維質基材(裏打紙)などが利用できる。
本発明で用いる発泡剤含有樹脂層は、
(1) 前記発泡剤含有樹脂層が、(i)ジンクピリチオン、並びに(ii)イソチアゾリン系化合物、有機ヨウ素系化合物及び亜鉛を含まないピリジン系化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種の防カビ剤を含有し、
(2) 前記(i)ジンクピリチオンの含有量が、前記発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、0.05〜1.0質量部であり、
(3) 前記(ii)の防カビ剤の含有量が、前記発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、0.5質量部以上である。本発明では、特定量のジンクピリチオンと特定量の前記(ii)の防カビ剤とを組み合わせて使用することにより、優れた防カビ性を有し、且つ熱による変色及び使用環境下における経時変色の問題が解消された積層シート及び発泡積層シートが得られる。
重21.18Nの条件で測定したMFR(メルトフローレート)が10〜25g/10分であることが好ましい。MFRが上記範囲内の場合には、発泡剤含有樹脂層を押出し製膜により形成する際の温度上昇が少なく、非発泡状態で製膜できるため、後に絵柄模様層を形成する場合には、平滑な面に印刷処理をすることができて柄抜け等が少ない。MFRが大きすぎる場合は、樹脂が軟らかすぎることにより、形成される発泡樹脂層の耐傷性が不十分となるおそれがある。
発泡剤含有樹脂層は、その片面又は両面に非発泡樹脂層を有していてもよい。
させる目的で非発泡樹脂層B(接着樹脂層)を有してもよい。
非泡樹脂層Aが順に形成された態様が好ましい。
発泡剤含有樹脂層上(又は非発泡樹脂層A上)には、絵柄模様層を形成してもよい。
本発明では、発泡樹脂層(若しくは発泡剤含有樹脂層)、非発泡樹脂層A、又は絵柄模様層の表面には、保護層を有してもよい。保護層は、積層シート又は後記の発泡積層シート表面の艶を調整したり、表面に強度や耐汚染性を付与するために形成される層である。また、積層シート又は発泡積層シートに絵柄模様層を設ける場合には、保護層は前記絵柄模様層を保護するために必要に応じて前記絵柄模様層の上に形成される層である。
本発明の発泡積層シートは、上記積層シートの発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより得られる。
発泡積層シートの製造方法としては、基材上に少なくとも発泡剤含有樹脂層を有する積層シートを作製した後、次いで前記発泡剤含有樹脂層を発泡させて発泡樹脂層とすることにより製造できる。前記発泡剤含有樹脂層の条件としては、
(1) (i)ジンクピリチオン、並びに(ii)イソチアゾリン系化合物、有機ヨウ素系化合物及び亜鉛を含まないピリジン系化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種の防カビ剤を含有し、
(2) 前記(i)ジンクピリチオンの含有量が、前記発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、0.05〜1.0質量部であり、
(3) 前記(ii)の防カビ剤の含有量が、前記発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、0.5質量部以上である。
発泡剤含有樹脂層の各材料を、下記の配合により溶融混練した後、厚みが100μmとなるように製膜し、裏打紙と貼り合わせた。これにより、裏打紙上に発泡剤含有樹脂層が積層された積層体を得た。
・EVA「EV450:三井・デュポンポリケミカル(株)製」 :100質量部
・炭酸カルシウム「ホワイトンH:白石工業(株)製」 :30質量部
・二酸化チタン 「R101:デュポン(株)製」 :30質量部
・発泡剤「ビニホールAC#3:永和化成工業(株)製」 :4質量部
・発泡助剤「ジンクステアレートGP:日油(株)製」 :2.7質量部
・防カビ剤1「バイオカットZP(ジンクピリチオン):日本曹達(株)製」 :0.3質量部
・防カビ剤2「バイオカット2537(ピリジン系化合物):日本曹達(株)製」 :1.0質量部
防カビ剤2を、「バイオカット2537(ピリジン系化合物)」に代えて、「ビオサイド7663DN(イソチアゾリン系化合物):(株)タイショーテクノス製」を使用する以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを作製した。
防カビ剤2を、「バイオカット2537(ピリジン系化合物)」に代えて、「デニサイドXR−5(3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート、有機ヨウ素系化合物):ナガセケムテックス(株)製」を使用する以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを作製した。
防カビ剤1の配合量を、0.3質量部に代えて0.05質量部とする以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを作製した。
防カビ剤1の配合量を、0.3質量部に代えて1.0質量部とする以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを作製した。
防カビ剤2の配合量を、1.0質量部に代えて0.5質量部とする以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを作製した。
防カビ剤1を、「バイオカットZP(ジンクピリチオン):日本曹達(株)製」0.3質量部に代えて、「デニスタットANK(ジンクピリチオン80質量%,酸化亜鉛20質量%):ナガセケムテックス(株)製」0.375質量部を使用する以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを作製した。
防カビ剤1及び防カビ剤2を使用しない以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを作製した。
防カビ剤2を使用しない(即ち、防カビ剤として防カビ剤1のみを使用する)以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを作製した。
防カビ剤1の配合量を、0.3質量部に代えて0.03質量部とする以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを作製した。
防カビ剤1の配合量を、0.3質量部に代えて1.5質量部とする以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを作製した。
防カビ剤2の配合量を、1.0質量部に代えて0.3質量部とする以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを作製した。
防カビ剤2を、「バイオカット2537(ピリジン系化合物)」に代えて、「ビオサイドR−TZ(イミダゾール系化合物):(株)タイショーテクノス製」を使用する以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを作製した。
防カビ剤として、防カビ剤1を使用せずに、防カビ剤2「バイオカット2537(ピリジン系化合物)」1.3質量部のみを使用する以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを作製した。
防カビ剤として、防カビ剤1を使用せずに、防カビ剤2「ビオサイド7663DN(イソチアゾリン系化合物):(株)タイショーテクノス製」1.3質量部のみを使用する以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを作製した。
防カビ剤として、防カビ剤1を使用せずに、防カビ剤2「デニサイドXR−5(3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート、有機ヨウ素系化合物):ナガセケムテックス(株)製」1.3質量部のみを使用する以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを作製した。
各実施例及び比較例で作製した発泡積層シートの発泡変色性、耐候変色性及び防カビ性を調べた。各試験方法の評価基準は、次の通りである。
発泡剤含有樹脂層をギアオーブンにて加熱(220℃×35秒)して発泡させた際に、黄色又は黄褐色への変色がないものを○、黄色又は黄褐色への変色があるものを×と評価した。
発泡積層シートを紫外線FOM(U48AU:スガ試験機株式会社製)にて40時間露光した際に、黄色又は黄褐色への変色がないものを○、黄色又は黄褐色への変色が僅かにあるものの壁紙SV規格の規格値ΔEが0.2以内であるものを△、黄色又は黄褐色への変色があって壁紙SV規格の規格値ΔEが0.2を超えるものを×と評価した。○又は△評価が製品として合格である。
JIS Z 2911 A法に従って、4cm×4cmにカットした発泡積層シート試験片に対してカビ抵抗性試験を行った。具体的には、前記試験片を下記無機塩培地上に置き、下記5種類の混合胞子懸濁液を前記試験片に添加し、28±4℃で4週間培養した後、前記試験片上での菌糸の発育状態を肉眼および顕微鏡で観察した。
肉眼および顕微鏡で菌糸の発育を確認できないものを0、
顕微鏡では菌糸の発育を確認できるものの肉眼では確認できないものを1、
菌糸の発育を肉眼で確認でき、且つ、菌糸の発育部分の面積が試験片全体の25%を超えないものを2、
菌糸の発育を肉眼で確認でき、且つ、菌糸の発育部分の面積が試験片全体の25%を超えるものを3、
と評価した。0又は1評価が製品として合格である。
NaNO3:2.0g、KH2PO4:0.7g、K2HPO4:0.3g、MgSO4・7H2O:0.5g、KCl:0.5g、FeSO4・7H2O:0.01g、グルコース30g、寒天20g、蒸留水1000ml
[5種類の混合胞子懸濁液]
Aspergillus niger, Penicillium funiculosum, Paecilomyces variotii, Gliocladium virens, Chaetomium globusum
Claims (6)
- 基材上に、少なくとも発泡剤含有樹脂層が形成されている積層シートであって、
(1) 前記発泡剤含有樹脂層が、(i)ジンクピリチオン、並びに(ii)イソチアゾリン系化合物、有機ヨウ素系化合物及び亜鉛を含まないピリジン系化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種の防カビ剤を含有し、
(2) 前記(i)ジンクピリチオンの含有量が、前記発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、0.05〜1.0質量部であり、
(3) 前記(ii)の防カビ剤の含有量が、前記発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、0.5質量部以上である、
ことを特徴とする、積層シート。 - 前記基材上に、非発泡樹脂層B、前記発泡剤含有樹脂層及び非発泡樹脂層Aが順に形成されている、請求項1に記載の積層シート。
- 前記発泡剤含有樹脂層は、電子線照射により樹脂架橋されている、請求項1又は2に記載の積層シート。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の積層シートの前記発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより得られる、発泡積層シート。
- 最表面層の上からエンボス加工が施されている、請求項4に記載の発泡積層シート。
- 基材上に少なくとも発泡剤含有樹脂層を有する積層シートであり、
(1) 前記発泡剤含有樹脂層が、(i)ジンクピリチオン、並びに(ii)イソチアゾリン系化合物、有機ヨウ素系化合物及び亜鉛を含まないピリジン系化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種の防カビ剤を含有し、
(2) 前記(i)ジンクピリチオンの含有量が、前記発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、0.05〜1.0質量部であり、
(3) 前記(ii)の防カビ剤の含有量が、前記発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、0.5質量部以上である、積層シートを得た後、
前記積層シートの前記発泡剤含有樹脂層を発泡させて発泡樹脂層とすることにより得られる、発泡積層シートの製造方法。
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