JP2014188940A - 積層シート及び発泡積層シート - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた防カビ性を有し、且つ熱による変色及び使用環境下における経時変色の問題を解消した発泡積層シート、並びに、当該発泡積層シートの製造に有用な、積層シート(未発泡原反)を提供する。
【解決手段】基材上に、少なくとも発泡剤含有樹脂層が形成されている積層シートであって、
(1) 前記発泡剤含有樹脂層が、(i)ジンクピリチオン、並びに(ii)イソチアゾリン系化合物、有機ヨウ素系化合物及び亜鉛を含まないピリジン系化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種の防カビ剤を含有し、
(2) 前記(i)ジンクピリチオンの含有量が、前記発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、0.05〜1.0質量部であり、
(3) 前記(ii)の防カビ剤の含有量が、前記発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、0.5質量部以上である、
ことを特徴とする、積層シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、積層シート及び発泡積層シートに関する。前記発泡積層シートは、発泡樹脂
層を有しており、発泡壁紙、各種装飾材等として有用である。また、前記積層シートは、
前記発泡積層シートの発泡前の状態であり、いわゆる未発泡原反を意味する。
従来の発泡壁紙として、紙質基材に塩化ビニル樹脂を含有する発泡樹脂層が形成された発泡壁紙が知られている。しかしながら、近年では、環境に配慮し、発泡樹脂層にはハロゲンを含有しないオレフィン系樹脂、より具体的にはエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、EVAともいう)等が用いられている。このような発泡壁紙には、変色や変質を防止するために、防カビ性が付与されることが求められている。
防カビ性を有する発泡壁紙として、特許文献1には、ベンズイミダゾール化合物からなる抗菌防カビ剤、リン系酸化防止剤及び樹脂を含有する防カビ性樹脂組成物が開示されている。
しかしながら、防カビ剤としてベンズイミダゾール系化合物のみを用いる場合、発泡壁紙に対して十分な防カビ性を付与することができない。また、樹脂組成物を混練する際や発泡剤含有樹脂層を発泡させる際の熱によって、ベンズイミダゾール系化合物が黄色又は黄褐色に変色し、発泡壁紙の意匠性を低下させてしまうという問題がある。
特許文献2及び3には、発泡剤含有樹脂層に防カビ剤としてジンクピリチオンを含む発泡壁紙が記載されている。当該ジンクピリチオンは、熱によって黄色又は黄褐色に変色せずに優れた防カビ性能を付与することができる。
しかしながら、ジンクピリチオンは水分又は光により分解され易い、という問題がある。分解されたジンクピリチオンは黄色に変色する。よって、発泡剤含有樹脂層に防カビ剤としてジンクピリチオンのみを含む発泡壁紙は、実際の使用環境における水分、光等によって経時的に変色してしまうので、耐候変色性に劣る。このような問題に対して、ジンクピリチオンと他の工業用防カビ剤とを合剤した防カビ剤を使用することも検討されているが、ジンクピリチオンは溶剤への溶解性が非常に低いために他の工業用防カビ剤と合剤することができないということが知られている(特許文献4)。そのため、ジンクピリチオンは他の工業用防カビ剤と併用されることがなかった。
従って、防カビ性を有し、且つ熱による変色及び使用環境下における経時変色の問題を解消した発泡積層シートの開発が望まれている。
特開2004-018538号公報 特開2009-235604号公報 特開2010-077559号公報 特開2003-081944号公報
本発明は、優れた防カビ性を有し、且つ熱による変色及び使用環境下における経時変色の問題を解消した発泡積層シート、並びに、当該発泡積層シートの製造に有用な、積層シート(未発泡原反)を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、ジンクピリチオンと特定の防カビ剤とをそれぞれ特定量含有する発泡剤含有樹脂層を有する積層シート、及び当該発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより得られる発泡積層シートによれば上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の積層シート、発泡積層シート及び発泡積層シートの製造方法に関する。
1. 基材上に、少なくとも発泡剤含有樹脂層が形成されている積層シートであって、
(1) 前記発泡剤含有樹脂層が、(i)ジンクピリチオン、並びに(ii)イソチアゾリン系化合物、有機ヨウ素系化合物及び亜鉛を含まないピリジン系化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種の防カビ剤を含有し、
(2) 前記(i)ジンクピリチオンの含有量が、前記発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、0.05〜1.0質量部であり、
(3) 前記(ii)の防カビ剤の含有量が、前記発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、0.5質量部以上である、
ことを特徴とする、積層シート。
2. 前記基材上に、非発泡樹脂層B、前記発泡剤含有樹脂層及び非発泡樹脂層Aが順に形成されている、上記項1に記載の積層シート。
3. 前記発泡剤含有樹脂層は、電子線照射により樹脂架橋されている、上記項1又は2に記載の積層シート。
4. 上記項1〜3のいずれかに記載の積層シートの前記発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより得られる、発泡積層シート。
5. 最表面層の上からエンボス加工が施されている、上記項4に記載の発泡積層シート。
6. 基材上に少なくとも発泡剤含有樹脂層を有する積層シートであり、
(1) 前記発泡剤含有樹脂層が、(i)ジンクピリチオン、並びに(ii)イソチアゾリン系化合物、有機ヨウ素系化合物及び亜鉛を含まないピリジン系化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種の防カビ剤を含有し、
(2) 前記(i)ジンクピリチオンの含有量が、前記発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、0.05〜1.0質量部であり、
(3) 前記(ii)の防カビ剤の含有量が、前記発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、0.5質量部以上である、積層シートを得た後、
前記積層シートの前記発泡剤含有樹脂層を発泡させて発泡樹脂層とすることにより得られる、発泡積層シートの製造方法。
以下、本発明の積層シート、発泡積層シート及び発泡積層シートの製造方法について詳細に説明する。
≪積層シート≫
本発明の積層シートは、基材上に、少なくとも発泡剤含有樹脂層が形成されている積層シートであって、
(1) 前記発泡剤含有樹脂層が、(i)ジンクピリチオン、並びに(ii)イソチアゾリン系化合物、有機ヨウ素系化合物及び亜鉛を含まないピリジン系化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種の防カビ剤を含有し、
(2) 前記(i)ジンクピリチオンの含有量が、前記発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、0.05〜1.0質量部であり、
(3) 前記(ii)の防カビ剤の含有量が、前記発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、0.5質量部以上である、
ことを特徴とする。
上記特徴を有する本発明の積層シートは、特に発泡剤含有樹脂層中に、発泡剤含有樹脂層の樹脂成分100質量部に対して、(i)ジンクピリチオンを0.05〜1.0質量部含有し、かつ、(ii)イソチアゾリン系化合物、有機ヨウ素系化合物及び亜鉛を含まないピリジン系化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種の防カビ剤を0.5質量部以上含有することにより、優れた防カビ性を有し、且つ熱による変色及び使用環境下における経時変色の問題が解消されている。
本発明の積層シートの層構成は、基材上に発泡剤含有樹脂層を有する層構成であれば特に限定されない。なお、本発明の積層シートは、発泡剤含有樹脂層(保護層を有する場合には当該保護層)がいわゆる「おもて面」(施工後に視認される面)である。よって、本明細書では、基材に対して発泡剤含有樹脂層が存在する方向を「おもて」又は「上」と称し、その反対側を「裏」又は「下」と称する。
基材
基材としては限定されず、公知の繊維質基材(裏打紙)などが利用できる。
具体的には、壁紙用一般紙(パルプ主体のシートを既知のサイズ剤でサイズ処理したもの);難燃紙(パルプ主体のシートをスルファミン酸グアニジン、リン酸グアジニン等の難燃剤で処理したもの);水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機添加剤を含む無機質紙;上質紙;薄用紙;繊維混抄紙(パルプと合成繊維とを混合して抄紙したもの)などが挙げられる。なお、これらの繊維質基材には、分類上、不織布に該当しているものも包含される。
基材の坪量は限定的ではないが、50〜300 g/m2程度が好ましく、50〜120 g/m2程度がより好ましい。
発泡剤含有樹脂層
本発明で用いる発泡剤含有樹脂層は、
(1) 前記発泡剤含有樹脂層が、(i)ジンクピリチオン、並びに(ii)イソチアゾリン系化合物、有機ヨウ素系化合物及び亜鉛を含まないピリジン系化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種の防カビ剤を含有し、
(2) 前記(i)ジンクピリチオンの含有量が、前記発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、0.05〜1.0質量部であり、
(3) 前記(ii)の防カビ剤の含有量が、前記発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、0.5質量部以上である。本発明では、特定量のジンクピリチオンと特定量の前記(ii)の防カビ剤とを組み合わせて使用することにより、優れた防カビ性を有し、且つ熱による変色及び使用環境下における経時変色の問題が解消された積層シート及び発泡積層シートが得られる。
本発明で使用するジンクピリチオンは、熱によって黄色又は黄褐色に変色せず、優れた防カビ性能を付与する。ジンクピリチオンの含有量は、発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分100質量部に対して0.05〜1.0質量部であり、好ましくは0.3〜0.6質量部である。
本発明では、ジンクピリチオンとともに、イソチアゾリン系化合物、有機ヨウ素系化合物及び亜鉛を含まないピリジン系化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種の防カビ剤を含有する。前記防カビ剤の含有量は、発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分100質量部に対して0.5質量部以上であり、好ましくは1.5〜10質量部である。
前記イソチアゾリン系化合物としては、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン、n-ブチル-ベンゾイソチアゾリン-3-オン、4,5-ジクロロ-2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン等が挙げられる。
前記有機ヨウ素系化合物としては、3-ヨード-2-プロピニルブチルカーバメート、ジヨードメチル-p-トルイルスルホン、p-クロロフェニル-3-ヨードプロパルギルフォルマール等が挙げられる。
前記亜鉛を含まないピリジン系化合物としては、2,3,5,6-テトラクロロ-4-(メチルスルフォニル)ピリジン、2,6-ビス(ジフェニルチオホスフィニルメチル)ピリジン1-オキシド、2,6-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノメチル)ピリジン、2-メルカプトピリジン-N-オキシド等が挙げられる。
前記(ii)の防カビ剤の中でも、2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン、3-ヨード-2-プロピニルブチルカーバメート、及び2,3,5,6-テトラクロロ-4-(メチルスルフォニル)ピリジンからなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましい。
本発明では、発泡剤含有樹脂層は、樹脂成分として1)ポリエチレン及び2)エチレンとエチレン以外の成分とをモノマーとするエチレン共重合体(以下、「エチレン共重合体」と略記する)の少なくとも1種を含有することが好ましい。
ポリエチレンは、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等が広く使用できるが、この中でも低密度ポリエチレンが好ましい。
エチレン共重合体は融点及びMFRの観点で押出し製膜に適している。エチレン共重合体としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−αオレフィン共重合体等が挙げられる。これらのエチレン共重合体は単独又は2種以上を混合して使用できる。これらのエチレン共重合体の中でも特にエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体及びエチレン−メタクリル酸共重合体の少なくとも1種が好ましく、これらと他の樹脂とを併用する場合には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体及びエチレン−メタクリル酸共重合体の少なくとも1種の含有量は、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。
エチレン共重合体は、エチレン以外のモノマーの含有量としては、5〜25質量%が好ましく、9〜20質量%がより好ましい。このような共重合比率を採用することにより、押出し製膜性がより高まる。具体例としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニルの共重合比率(VA量)としては9〜25質量%が好ましく、9〜20質量%がより好ましい。エチレン−メチルメタクリレート共重合体は、メチルメタクリレートの共重合比率(MMA量)としては5〜25質量%が好ましく、5〜15質量%がより好ましい。また、エチレン−メタクリル酸共重合体は、メタクリル酸の共重合比率(MAA量)としては2〜15質量%が好ましく、5〜11質量%がより好ましい。
本発明では、発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分は、JIS K 6922に記載の190℃、荷
重21.18Nの条件で測定したMFR(メルトフローレート)が10〜25g/10分であることが好ましい。MFRが上記範囲内の場合には、発泡剤含有樹脂層を押出し製膜により形成する際の温度上昇が少なく、非発泡状態で製膜できるため、後に絵柄模様層を形成する場合には、平滑な面に印刷処理をすることができて柄抜け等が少ない。MFRが大きすぎる場合は、樹脂が軟らかすぎることにより、形成される発泡樹脂層の耐傷性が不十分となるおそれがある。
発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物としては、例えば、上記樹脂成分、無機充填剤、顔料、熱分解型発泡剤、発泡助剤、架橋助剤等を含む樹脂組成物を好適に使用できる。その他にも、安定剤、滑剤等を添加剤として使用できる。
熱分解型発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスホルムアミド等のアゾ系;オキシベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、パラトルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジド系などが挙げられる。熱分解型発泡剤の含有量は、発泡剤の種類、発泡倍率等に応じて適宜設定できる。発泡倍率の観点からは、7倍以上、好ましくは7〜10倍程度であり、熱分解型発泡剤は、樹脂成分100質量部に対して、1〜20質量部程度とすることが好ましい。
発泡助剤は、金属酸化物及び/又は脂肪酸金属塩が好ましく、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、オクチル酸亜鉛、オクチル酸カルシウム、オクチル酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等を使用することができる。これらの発泡助剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して、0.3〜10質量部程度が好ましく、1〜5質量部程度がより好ましい。
なお、これらの発泡助剤とEMAAとADCA発泡剤とを組み合わせて用いる場合には、発泡工程において、EMAAのアクリル酸部分と発泡助剤が反応することにより本来の発泡助剤の効果が損なわれるという問題がある。そのため、EMAAとADCA発泡剤とを組み合わせて用いる場合には、特開2009-197219号公報に説明されている通り、発泡助剤としてカルボン酸ヒドラジド化合物を用いることが好ましい。このとき、カルボン酸ヒドラジド化合物はADCA発泡剤1質量部に対して0.2〜1質量部程度用いることが好ましい。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物等が挙げられる。無機充填剤を含むことにより、目透き抑制効果、表面特性向上効果等が得られる。無機充填剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して0〜100質量部程度が好ましく、20〜70質量部程度がより好ましい。
顔料については、無機顔料として、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムイエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、酸化鉄(弁柄)、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母チタン、硫化亜鉛等が挙げられる。また、有機顔料として、例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、アゾ系(アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾ)、多環式(イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ペリノン、フラバントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、ジブロムアンザントロン、ジオキサジン、チオインジゴ、フタロシアニン、インダントロン、ハロゲン化フタロシアニン)等が挙げられる。顔料の含有量は、樹脂成分100質量部に対して10〜50質量部程度が好ましく、15〜30質量部程度がより好ましい。
発泡剤含有樹脂層の厚さは40〜100μm程度が好ましく、発泡後の発泡樹脂層の厚さは300〜700μm程度となることが好ましい。
非発泡樹脂層A及びB
発泡剤含有樹脂層は、その片面又は両面に非発泡樹脂層を有していてもよい。
例えば、発泡剤含有樹脂層の裏面(基材が積層される面)には、基材との接着力を向上
させる目的で非発泡樹脂層B(接着樹脂層)を有してもよい。
接着樹脂層の樹脂成分としては特に限定はないが、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が好ましい。EVAは公知又は市販のものを使用することができる。特に、酢酸ビニル成分(VA成分)が10〜46質量%であるものが好ましく、15〜41質量%であるものがより好ましい。
接着樹脂層の厚さは限定的ではないが、5〜50μm程度が好ましい。
発泡剤含有樹脂層の上面には、絵柄模様層を形成する際の絵柄模様を鮮明にしたり発泡樹脂層の耐傷性を向上させたりする目的で非発泡樹脂層Aを有してもよい。
非発泡樹脂層Aの樹脂成分としては、ポリオレフィン系樹脂、メタクリル系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられ、その中でもポリオレフィン系樹脂が好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリイソプレン等の樹脂単体;エチレンと炭素数が4以上のαオレフィンの共重合体(線状低密度ポリエチレン);エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂等のエチレン(メタ)アクリル酸系共重合体樹脂;エチレン−メチルアクリレート共重合体樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体樹脂、エチレン−メチルメタクリレート共重合体樹脂等のエチレン(メタ)アクリル酸エステル系共重合体樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA);エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂ケン化物;アイオノマー等の少なくとも1種が挙げられる。なお、「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味し、他の類似する部分についても同様である。
非発泡樹脂層Aの厚さは限定的ではないが、3〜50μm程度が好ましく、特に5〜20μm程度がより好ましい。
本発明では、後記製造上の観点からも、基材上に非発泡樹脂層B、発泡剤含有樹脂層及
非泡樹脂層Aが順に形成された態様が好ましい。
絵柄模様層
発泡剤含有樹脂層上(又は非発泡樹脂層A上)には、絵柄模様層を形成してもよい。
絵柄模様層は、樹脂積層体に意匠性を付与する。絵柄模様としては、例えば木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。絵柄模様は、発泡壁紙の種類に応じて選択できる。
絵柄模様層は、例えば、絵柄模様を印刷することで形成できる。印刷手法としては、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等が挙げられる。印刷インキとしては、着色剤、結着材樹脂、溶剤を含む印刷インキが使用できる。これらのインキは公知又は市販のものを使用してもよい。
着色剤としては、例えば、前記の発泡剤含有樹脂層で使用されるような顔料を適宜使用することができる。
結着材樹脂は、基材の種類に応じて設定できる。例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。
溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水などが挙げられる。これらの溶剤(又は分散媒)は、単独又は混合物の状態で使用できる。
絵柄模様層の厚みは、絵柄模様の種類より異なるが、一般には0.1〜10μm程度とすることが好ましい。
保護層(オーバーコート層)
本発明では、発泡樹脂層(若しくは発泡剤含有樹脂層)、非発泡樹脂層A、又は絵柄模様層の表面には、保護層を有してもよい。保護層は、積層シート又は後記の発泡積層シート表面の艶を調整したり、表面に強度や耐汚染性を付与するために形成される層である。また、積層シート又は発泡積層シートに絵柄模様層を設ける場合には、保護層は前記絵柄模様層を保護するために必要に応じて前記絵柄模様層の上に形成される層である。
保護層の形成に使用される樹脂成分としては、熱可塑性樹脂や硬化性樹脂等の公知の樹脂成分の中から、引き裂き強度(及び必要に応じて表面強度)を充足できる樹脂成分を適宜選定すればよい。
保護層の形成に使用される熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂の中でも、好ましくは、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等のエチレン(メタ)アクリル酸系共重合体樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA);エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂ケン化物;アイオノマー;エチレン−オレフィン共重合体等のエチレン共重合体などのポリオレフィン樹脂が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、1種単独又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、保護層の形成にエチレン共重合体のような架橋可能な熱可塑性樹脂を使用する場合には、必要に応じて、前記熱可塑性樹脂に架橋処理を行ってもよい。
また、保護層の形成に使用される硬化性樹脂としては、特に制限されず、例えば、常温硬化性樹脂、加熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂、1液反応硬化性樹脂、2液反応硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等のいずれであってもよいが、好ましくは1液反応硬化性樹脂が挙げられる。これらの硬化性樹脂の中でも、好ましくは、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等が挙げられ、更に好ましくは1液反応硬化性アクリル系樹脂が挙げられる。これらの硬化性樹脂は、1種単独又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、保護層の形成に硬化性樹脂を使用する場合、必要に応じて、硬化反応を進行させるために、架橋剤、重合開始剤、重合促進剤等を用いてもよい。
また、保護層は、単層からなるものであってもよく、同一の又は異なる2以上の層が積層されているものであってもよい。例えば、最表面に硬化性樹脂で形成した層が形成され、その下層に熱可塑性樹脂で形成した層が積層されている2層構造であってもよい。
保護層の厚さは、特に限定されないが、例えば1〜20μmが好ましく、1〜15μmがより好ましい。
保護層の形成は、使用する樹脂成分の種類に応じた方法を採用すればよい。例えば、熱可塑性樹脂を用いて保護層を形成する場合であれば、予め作製された熱可塑性樹脂フィルムを絵柄模様層の表面に貼り付けることにより保護層を形成してもよく、また、絵柄模様層の表面に熱可塑性樹脂を製膜することにより保護層を形成してもよい。
また、硬化性樹脂を用いて保護層を形成する場合であれば、例えば、硬化性樹脂に必要に応じて各種添加剤を含有する樹脂組成物を、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の方法で発泡樹脂層(若しくは発泡剤含有樹脂層)、非発泡樹脂層A、又は絵柄模様層に塗工した後に、必要に応じて加熱等により前記樹脂組成物を乾燥及び硬化させることによって行われる。
また、保護層を形成する前には、接着性を考慮して、非発泡樹脂層A、又は絵柄模様層の表面にコロナ処理やプラズマ処理などの表面処理や、プライマー層を設けても良い。
プライマー層に含有される樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン等を使用することができるが、特にアクリル樹脂、塩素化ポリプロピレン等が望ましい。
プライマー層の厚さは限定的ではないが、0.1〜10μm程度が好ましく、0.1〜5μm程度がより好ましい。
≪発泡積層シート≫
本発明の発泡積層シートは、上記積層シートの発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより得られる。
本発明の発泡積層シートは、最表面層の上からエンボス加工が施されていてもよい。エンボス加工は、エンボス版等の公知の手段により実施することができる。例えば、最表面層が上記保護層である場合に、保護層を加熱軟化後、エンボス版を押圧することにより所望のエンボス模様を賦型できる。エンボス模様としては、例えば、木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
≪発泡積層シートの製造方法≫
発泡積層シートの製造方法としては、基材上に少なくとも発泡剤含有樹脂層を有する積層シートを作製した後、次いで前記発泡剤含有樹脂層を発泡させて発泡樹脂層とすることにより製造できる。前記発泡剤含有樹脂層の条件としては、
(1) (i)ジンクピリチオン、並びに(ii)イソチアゾリン系化合物、有機ヨウ素系化合物及び亜鉛を含まないピリジン系化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種の防カビ剤を含有し、
(2) 前記(i)ジンクピリチオンの含有量が、前記発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、0.05〜1.0質量部であり、
(3) 前記(ii)の防カビ剤の含有量が、前記発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、0.5質量部以上である。
(i)ジンクピリチオン及び前記(ii)の防カビ剤は、各々を1つの溶媒に溶解させて(合剤にして)使用してもよいが、発泡剤含有樹脂層に含まれる他の各材料とともに溶融混練して使用することが好ましい。
発泡剤含有樹脂層がその片面又は両面に非発泡樹脂層を有する場合には、Tダイ押出し機による同時押出し製膜が好適である。例えば、両面に非発泡樹脂層を有する場合には、3つの層に対応する溶融樹脂を同時に押出すことにより3層の同時成膜が可能なマルチマニホールドタイプのTダイを用いることができる。
なお、発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物に無機充填剤が含まれる場合であって、発泡剤含有樹脂層を押出し製膜により形成する場合には、押出し機の押出し口(いわゆるダイス)に無機充填剤の残渣(いわゆる目やに)が発生し易く、これが発泡剤含有樹脂層表面の異物となり易い。そのため、発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物に無機充填剤が含まれる場合には、上記のように3層同時押出し製膜することが好ましい。即ち、発泡剤含有樹脂層を非発泡樹脂層によって挟み込んだ態様で同時押出し製膜することにより、前記目やにの発生を抑制することができる。
発泡剤含有樹脂層を製膜後は、必要に応じて電子線照射を行う。これにより樹脂成分を架橋して発泡樹脂層の表面強度、発泡特性等を調整することができる。電子線のエネルギーは、150〜250kV程度が好ましく、175〜200kV程度がより好ましい。照射量は、10〜100kGy程度が好ましく、10〜50kGy程度がより好ましい。電子線源としては、公知の電子線照射装置が使用できる。なお、この電子線照射は、絵柄模様層や保護層を形成した後でもよい。
発泡剤含有樹脂層上には、必要に応じて、絵柄模様層、及び保護層を順次積層する。この際、印刷、塗布などのコーティング、押出し製膜等を組み合わせることにより積層することができる。印刷、塗布等のコーティングは常法に従って行うことができる。
次いで、発泡剤含有樹脂層を加熱することにより発泡樹脂層を形成する。加熱条件は、熱分解型発泡剤の分解により発泡樹脂層が形成される条件ならば限定されない。加熱温度は210〜240℃程度が好ましく、加熱時間は20〜80秒程度が好ましい。
本発明の積層シートは、特に発泡剤含有樹脂層中に、発泡剤含有樹脂層の樹脂成分100質量部に対して、(i)ジンクピリチオンを0.05〜1.0質量部含有し、かつ、(ii)イソチアゾリン系化合物、有機ヨウ素系化合物及び亜鉛を含まないピリジン系化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種の防カビ剤を0.5質量部以上含有することにより、優れた防カビ性を有し、且つ熱による変色及び使用環境下における経時変色の問題が解消されている。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
発泡剤含有樹脂層の各材料を、下記の配合により溶融混練した後、厚みが100μmとなるように製膜し、裏打紙と貼り合わせた。これにより、裏打紙上に発泡剤含有樹脂層が積層された積層体を得た。
次に、上記積層体に対して200kV, 35kGyの条件で電子線照射を行った。
次に、発泡剤含有樹脂層上にグラビア印刷機によりアクリル系水性エマルジョン(大日精化工業株式会社製)をコートすることにより保護層を形成し、ギアオーブンにて加熱(220℃×35秒)し、発泡剤含有樹脂層を発泡させ、所望の発泡積層シートを得た。
≪発泡剤含有樹脂組成物≫
・EVA「EV450:三井・デュポンポリケミカル(株)製」 :100質量部
・炭酸カルシウム「ホワイトンH:白石工業(株)製」 :30質量部
・二酸化チタン 「R101:デュポン(株)製」 :30質量部
・発泡剤「ビニホールAC#3:永和化成工業(株)製」 :4質量部
・発泡助剤「ジンクステアレートGP:日油(株)製」 :2.7質量部
・防カビ剤1「バイオカットZP(ジンクピリチオン):日本曹達(株)製」 :0.3質量部
・防カビ剤2「バイオカット2537(ピリジン系化合物):日本曹達(株)製」 :1.0質量部
実施例2
防カビ剤2を、「バイオカット2537(ピリジン系化合物)」に代えて、「ビオサイド7663DN(イソチアゾリン系化合物):(株)タイショーテクノス製」を使用する以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを作製した。
実施例3
防カビ剤2を、「バイオカット2537(ピリジン系化合物)」に代えて、「デニサイドXR−5(3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート、有機ヨウ素系化合物):ナガセケムテックス(株)製」を使用する以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを作製した。
実施例4
防カビ剤1の配合量を、0.3質量部に代えて0.05質量部とする以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを作製した。
実施例5
防カビ剤1の配合量を、0.3質量部に代えて1.0質量部とする以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを作製した。
実施例6
防カビ剤2の配合量を、1.0質量部に代えて0.5質量部とする以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを作製した。
実施例7
防カビ剤1を、「バイオカットZP(ジンクピリチオン):日本曹達(株)製」0.3質量部に代えて、「デニスタットANK(ジンクピリチオン80質量%,酸化亜鉛20質量%):ナガセケムテックス(株)製」0.375質量部を使用する以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを作製した。
比較例1
防カビ剤1及び防カビ剤2を使用しない以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを作製した。
比較例2
防カビ剤2を使用しない(即ち、防カビ剤として防カビ剤1のみを使用する)以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを作製した。
比較例3
防カビ剤1の配合量を、0.3質量部に代えて0.03質量部とする以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを作製した。
比較例4
防カビ剤1の配合量を、0.3質量部に代えて1.5質量部とする以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを作製した。
比較例5
防カビ剤2の配合量を、1.0質量部に代えて0.3質量部とする以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを作製した。
比較例6
防カビ剤2を、「バイオカット2537(ピリジン系化合物)」に代えて、「ビオサイドR−TZ(イミダゾール系化合物):(株)タイショーテクノス製」を使用する以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを作製した。
比較例7
防カビ剤として、防カビ剤1を使用せずに、防カビ剤2「バイオカット2537(ピリジン系化合物)」1.3質量部のみを使用する以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを作製した。
比較例8
防カビ剤として、防カビ剤1を使用せずに、防カビ剤2「ビオサイド7663DN(イソチアゾリン系化合物):(株)タイショーテクノス製」1.3質量部のみを使用する以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを作製した。
比較例9
防カビ剤として、防カビ剤1を使用せずに、防カビ剤2「デニサイドXR−5(3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート、有機ヨウ素系化合物):ナガセケムテックス(株)製」1.3質量部のみを使用する以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを作製した。
試験例1
各実施例及び比較例で作製した発泡積層シートの発泡変色性、耐候変色性及び防カビ性を調べた。各試験方法の評価基準は、次の通りである。
≪発泡変色性≫
発泡剤含有樹脂層をギアオーブンにて加熱(220℃×35秒)して発泡させた際に、黄色又は黄褐色への変色がないものを○、黄色又は黄褐色への変色があるものを×と評価した。
≪耐候変色性≫
発泡積層シートを紫外線FOM(U48AU:スガ試験機株式会社製)にて40時間露光した際に、黄色又は黄褐色への変色がないものを○、黄色又は黄褐色への変色が僅かにあるものの壁紙SV規格の規格値ΔEが0.2以内であるものを△、黄色又は黄褐色への変色があって壁紙SV規格の規格値ΔEが0.2を超えるものを×と評価した。○又は△評価が製品として合格である。
≪防カビ性≫
JIS Z 2911 A法に従って、4cm×4cmにカットした発泡積層シート試験片に対してカビ抵抗性試験を行った。具体的には、前記試験片を下記無機塩培地上に置き、下記5種類の混合胞子懸濁液を前記試験片に添加し、28±4℃で4週間培養した後、前記試験片上での菌糸の発育状態を肉眼および顕微鏡で観察した。
肉眼および顕微鏡で菌糸の発育を確認できないものを0、
顕微鏡では菌糸の発育を確認できるものの肉眼では確認できないものを1、
菌糸の発育を肉眼で確認でき、且つ、菌糸の発育部分の面積が試験片全体の25%を超えないものを2、
菌糸の発育を肉眼で確認でき、且つ、菌糸の発育部分の面積が試験片全体の25%を超えるものを3、
と評価した。0又は1評価が製品として合格である。
[無機塩培地]
NaNO3:2.0g、KH2PO4:0.7g、K2HPO4:0.3g、MgSO4・7H2O:0.5g、KCl:0.5g、FeSO4・7H2O:0.01g、グルコース30g、寒天20g、蒸留水1000ml
[5種類の混合胞子懸濁液]
Aspergillus niger, Penicillium funiculosum, Paecilomyces variotii, Gliocladium virens, Chaetomium globusum
Figure 2014188940

Claims (6)

  1. 基材上に、少なくとも発泡剤含有樹脂層が形成されている積層シートであって、
    (1) 前記発泡剤含有樹脂層が、(i)ジンクピリチオン、並びに(ii)イソチアゾリン系化合物、有機ヨウ素系化合物及び亜鉛を含まないピリジン系化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種の防カビ剤を含有し、
    (2) 前記(i)ジンクピリチオンの含有量が、前記発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、0.05〜1.0質量部であり、
    (3) 前記(ii)の防カビ剤の含有量が、前記発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、0.5質量部以上である、
    ことを特徴とする、積層シート。
  2. 前記基材上に、非発泡樹脂層B、前記発泡剤含有樹脂層及び非発泡樹脂層Aが順に形成されている、請求項1に記載の積層シート。
  3. 前記発泡剤含有樹脂層は、電子線照射により樹脂架橋されている、請求項1又は2に記載の積層シート。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の積層シートの前記発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより得られる、発泡積層シート。
  5. 最表面層の上からエンボス加工が施されている、請求項4に記載の発泡積層シート。
  6. 基材上に少なくとも発泡剤含有樹脂層を有する積層シートであり、
    (1) 前記発泡剤含有樹脂層が、(i)ジンクピリチオン、並びに(ii)イソチアゾリン系化合物、有機ヨウ素系化合物及び亜鉛を含まないピリジン系化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種の防カビ剤を含有し、
    (2) 前記(i)ジンクピリチオンの含有量が、前記発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、0.05〜1.0質量部であり、
    (3) 前記(ii)の防カビ剤の含有量が、前記発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、0.5質量部以上である、積層シートを得た後、
    前記積層シートの前記発泡剤含有樹脂層を発泡させて発泡樹脂層とすることにより得られる、発泡積層シートの製造方法。
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