JP2014188928A - 印刷装置および印刷方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光硬化性の液体を吐出して印刷パスを実行する印刷技術において、段階的に実行される光照射を適切に制御して、印刷パスの回数に依らず画質を効果的に安定させる。
【解決手段】光硬化性の液体を印刷媒体Aに吐出しつつ主走査方向Dmへ移動する印刷パスを副走査方向Dsに副走査移動量mだけ移動するごとに実行する印刷ヘッド8と、主走査方向Dmへ移動する印刷ヘッド8を追って主走査方向Dmへ移動しつつ、副走査移動量mよりも大きな領域Raに光を照射する第1照射部93と、第1照射部93による光照射が完了した印刷媒体Aの領域へ向けて光を照射する第2照射部94とを備える。印刷パス数だけ連続して実行される各印刷パスの吐出領域Raは、副走査方向Dsにおいて一部範囲pで重複する。そして、設定された印刷パス数の増加に応じて、第1照射部93による積算光量を減少させるとともに、第2照射部94による積算光量を増加させる。
【選択図】図8

Description

この発明は、副走査方向における印刷媒体の所定幅に対して印刷を行うために、印刷ヘッドを主走査方向へ移動させつつ印刷ヘッドから液体を吐出する印刷パスの回数を複数通りの中から設定可能な印刷装置および印刷方法において、特に光硬化性の液体を用いた印刷技術を適用したものに関する。
従来より、副走査方向における印刷媒体の所定幅に印刷を行うために、印刷ヘッドを主走査方向へ移動させつつ、当該印刷ヘッドから印刷媒体へインク等の液体を吐出する印刷パスと称される動作を複数回実行する装置が知られている。また、特許文献1、2に記載されているように、このような装置において、光硬化性の液体を用いた印刷技術を適用することができる。具体的には、特許文献1、2では、印刷ヘッドとともに移動する光照射器が設けられている。そして、光照射器が、印刷パスの実行のために主走査方向に移動する印刷ヘッドの後を追いかけつつ光を照射することで、印刷ヘッドが印刷媒体に吐出した液体に対して光が照射され当該液体が硬化される。特に特許文献2では、光の照射強度が異なる2種類の光照射器(仮硬化用および本硬化用の光照射器)が具備されている。そして、印刷パスの実行に伴って、印刷ヘッドの後を追いかける仮硬化用の光照射器から弱い光を照射して、当該印刷パスで吐出された液体を速やかに仮硬化させる。さらに、所定回数の印刷パスが完了した印刷媒体の領域に対して、本硬化用の光照射器が強い光を照射して、液体を本硬化させる。
特開2004−188891号公報 特開2009−202418号公報
このように、仮硬化と本硬化の二段階で液体への光照射を実行する構成は、画質の安定化を図るにあたって有利と考えられる。ただし、特許文献1、2のように複数回の印刷パスを実行して印刷を行う装置において、段階的に行われる光照射の制御が不適切であると、結局のところ画質の安定化を有効に図れない場合があった。つまり、印刷パスの実行に伴って、印刷ヘッドの後を追いかける光照射器が設けられている装置では、照射される光の積算量が印刷パスを重ねる度に増大し得る。そのため、特許文献2に指摘されているとおり、印刷のために実行される印刷パスの回数に依存して画質が変化することがあり、画質が安定しなくなる場合があった。したがって、印刷パスの回数に応じて、光照射を適切に制御することが求められる。しかしながら、特許文献1、2では、段階的に実行される光照射を、印刷パスの回数の違いに応じてどのように制御すべきかについてはなんら考慮されていない。
この発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、印刷ヘッドから光硬化性の液体を吐出して印刷パスを実行する印刷技術において、段階的に実行される光照射を適切に制御して、印刷パスの回数に依らず画質を効果的に安定させることが可能な技術の提供を目的とする。
この発明にかかる印刷装置は、上記目的を達成するために、光硬化性の液体を印刷媒体に向けて吐出しつつ主走査方向へ移動する印刷パスを、主走査方向と交差する副走査方向に副走査移動量だけ移動するごとに実行する印刷ヘッドと、主走査方向へ移動する印刷ヘッドを追って主走査方向へ移動しつつ、印刷媒体のうち副走査方向における幅が副走査移動量よりも大きな領域に向けて液体を硬化させる光を照射する第1照射部と、第1照射部による光の照射が完了した印刷媒体の領域へ向けて光を照射する第2照射部と、印刷パス数だけ連続して実行される印刷パスのそれぞれにおいて液体を吐出する吐出領域を副走査方向において少なくとも一部で相互に重複させるように印刷ヘッドを制御するとともに、第1照射部により印刷媒体に照射される単位面積当たりの光の積算量である第1積算光量と、第2照射部により印刷媒体に照射される単位面積当たりの光の積算量である第2積算光量とを制御する制御部と、印刷パス数を複数通りの中から設定可能なパス数設定部と、を備え、制御部は、パス数設定部で設定された印刷パス数の増加に応じて、第1積算光量を減少させるとともに、第2積算光量を増加させることを特徴としている。
また、この発明にかかる印刷方法は、上記目的を達成するために、印刷ヘッドが、光硬化性の液体を印刷媒体に向けて吐出しつつ主走査方向へ移動する印刷パスを主走査方向と交差する副走査方向に副走査移動量だけ移動するごとに実行する工程と、第1照射部が、主走査方向へ移動する印刷ヘッドを追って主走査方向へ移動しつつ、印刷媒体のうち副走査方向における幅が副走査移動量よりも大きな領域に向けて液体を硬化させる光を照射する工程と、第2照射部が、第1照射部による光の照射が完了した印刷媒体の領域へ向けて光を照射する工程と、印刷パス数を複数通りの中から設定する工程と、を備え、印刷パス数だけ連続して実行される印刷パスのそれぞれにおいて液体を吐出する吐出領域を副走査方向において少なくとも一部で相互に重複させるように印刷ヘッドを制御するとともに、設定された印刷パス数の増加に応じて、第1照射部により印刷媒体に照射される単位面積当たりの光の積算量である第1積算光量を減少させるとともに、第2照射部により印刷媒体に照射される単位面積当たりの光の積算量である第2積算光量を増加させることを特徴としている。
この発明(印刷装置および印刷方法)では、印刷ヘッドが光硬化性の液体を印刷媒体に向けて吐出しつつ主走査方向へ移動する印刷パスが、印刷ヘッドが副走査方向に副走査移動量だけ移動するごとに実行される。また、印刷パスにおいて印刷媒体に吐出された液体への光の照射を段階的に行うために、第1照射部と第2照射部とが設けられている。つまり、第1照射部は、印刷パスを実行する印刷ヘッドを追って主走査方向へ移動しつつ、光を印刷媒体へ向けて照射する。そして、第2照射部は、第1照射部による光の照射が完了した印刷媒体へ向けて光を照射する。こうして、印刷パスおよび光照射が順次行われることで印刷が実行される。このとき、本発明では、印刷ヘッドが副走査移動量だけ移動するごとに行われる印刷パスが印刷パス数だけ連続して実行されると、これらの印刷パスのそれぞれにおいて印刷ヘッドが液体を吐出する吐出領域が副走査方向において少なくとも一部で相互に重複する。換言すると、印刷媒体の同一範囲に対して印刷パス数だけ液体吐出が重複して行われるように、副走査移動量は設定される。したがって、印刷パス数が増大すれば、印刷媒体の同一範囲に対して重複して液体吐出を行う回数が増大するため、副走査方向への移動量は減少する。一方、印刷パスを実行する印刷ヘッドを追って主走査方向へ移動する第1照射部は、副走査方向における幅が上記副走査移動量よりも大きな領域に向けて光を照射する。このため、印刷ヘッドが副走査移動量だけ移動するごとに印刷パスが実行されると、第1照射部は少なくとも直前の印刷パスで光を照射した領域の副走査方向の一部に重ねて照射することになる。そして、この第1照射部が重ねて照射する回数は、印刷パス数が増えて副走査移動量が小さくなることに応じて増加する。以上のように、印刷媒体に対する照射の回数が印刷パス数に応じて変化することで、印刷画像の画質が印刷パス数に依って変化するおそれがある。これに対して、本発明では、第1照射部により印刷媒体に照射される単位面積当たりの光の積算量(第1積算光量)と、第2照射部により印刷媒体に照射される単位面積当たりの光の積算量(第2積算光量)とを制御する構成が具備されており、印刷パス数の増加に応じて、第1積算光量を減少させるとともに、第2積算光量を増加させている。こうすることで、後で詳細に説明するように、印刷パス数に依らず画質を効果的に安定させることが可能となっている。
ここで、制御部は、印刷パス数にかかわらず、第1積算光量および第2積算光量の総和である総積算光量を所定の範囲内に制御すると好適である。後述するように、当該総積算光量を所定の範囲内に制御することで、印刷画像に黄変が生じることを抑制したり、印刷画像の膜強度を適切に確保することができる。
また、制御部は、印刷パス数にかかわらず、第1積算光量を所定値以上に制御すると好適である。本発明では、印刷媒体に向けて先に光照射を行う第1照射部と、第1照射部による光照射が完了した印刷媒体に向けて光照射を行う第2照射部とが設けられているが、後述するように、初期に光照射を行う第1照射部による第1積算光量を所定値以上に制御することで、滲みの発生を抑制することができる。
また、制御部は、印刷パス数にかかわらず、第1照射部により印刷媒体に照射される光の照射強度を所定値以上に制御すると好適である。後述するように、先に光照射を行う第1照射部による照射強度を所定値以上に制御することで、印刷媒体に対する液体の密着性を向上させることができる。
また、制御部は、第1照射部および第2照射部それぞれの光源を点滅させて光源の点灯と消灯とを交互に繰り返すことで第1照射部および第2照射部による光の照射状態を制御し、光源が点灯する期間と光源が消灯する期間の比を調整することで第1積算量および第2積算量を調整するように構成するとよい。かかる構成によれば、例えば照射強度を変更した場合においても、光源が点灯する期間と光源が消灯する期間の比を調整することで、第1積算量および第2積算量を適切に調整することができる。
また、第2照射部は、第1照射部よりも積算光量の大きな光を照射するとよい。こうすると、段階的に実行される光照射をより好適なものとすることができる。すなわち、第1照射部により積算光量の比較的小さな光を照射して、液体の形状が崩れない程度の硬化(仮硬化)を行った後、第2照射部により積算光量の比較的大きな光を照射して、液体を完全に硬化(本硬化)させることができ、画質を安定させることができる。
また、第2照射部は、印刷ヘッドおよび第1照射部よりも副走査方向の上流側に設けられ、印刷ヘッド、第1照射部および第2照射部を一体的に副走査方向の下流側に移動させる駆動機構をさらに備えると好適である。このような構成では、副走査方向における印刷媒体の所定の範囲に対して印刷パスおよび第1照射部による光照射が完了した後、駆動機構により第2照射部を副走査方向の下流側に移動させれば、当該範囲に対して第2照射部による光照射が可能となる。このとき、上記構成によれば、印刷ヘッドおよび第1照射部も第2照射部と一体的に下流側に移動することになるので、続く下流側の範囲に対して印刷パスを実行することが可能となる。したがって、印刷媒体への印刷を連続的に効率よく行うことができる。
本発明を適用可能なプリンターの装置構成の一例を部分的に示す斜視図。 図1に示すプリンターが備える支持ステージの構成を部分的に示す正面図。 図1に示すプリンターが備える印刷処理部の内部構成を部分的に示す斜視図。 図1に示すプリンターが備える印刷処理部の内部構成を部分的に示す正面図。 印刷ユニットが備える部分構成を模式的に示す底面図。 図1に示すプリンターの電気的構成の一例を示すブロック図。 光源に印加されるパルス電流の一例を示す図 図1のプリンターの印刷動作の概要を示す模式図。 図1のプリンターの印刷動作の一例を示す模式図。 光沢度を所定値にするための照射条件を示す図。 第1積算光量を変化させたときの光沢度を示す図。 総積算光量を変化させたときの黄変の発生状況および膜強度の状態を示す図。 仮硬化部の照度を変化させたときの密着性の状態を示す図。
図1は、本発明を適用可能なプリンターが備える装置構成の一例を部分的に示す斜視図である。図1および以下に示す図面では、左右方向X、前後方向Yおよび重力方向ZからなるXYZ直交座標系を適宜示す。プリンター1は、紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化型のUV(ultraviolet)インクをインクジェット方式で吐出して、印刷媒体Aに画像を印刷するものである。印刷媒体Aとしては、ポスター、パネルあるいは看板といった各種媒体が対象となる。プリンター1は、いわゆるフラットベッドタイプのものであり、支持ステージ3によって水平に支持された印刷媒体Aに対して、印刷処理部5に搭載された印刷ヘッドを移動させつつ、印刷媒体Aに印刷ヘッドからUVインクを吐出して印刷を行う。
図2は、図1に示すプリンターが備える支持ステージの構成を部分的に示す正面図である。なお、図2では、支持ステージ3の他に、後述する副走査移動部4も併記されている。支持ステージ3は、前後方向Yに長尺な略平板形状を有する吸着テーブル31の四隅を、脚部材33で支持した概略構成を備えており、脚部材33の下端に取り付けられたキャスターによって移動自在となっている。吸着テーブル31は、上方を向いて水平に支持された載置平面310を有し、印刷媒体Aが載置平面310に載置される。吸着テーブル31の載置平面310には、複数の吸引口(図示省略)が上方を向いて開口しており、吸着テーブル31は、内蔵する吸引チャンバ311によって複数の吸引口を吸引することで、印刷媒体Aを載置平面310に吸着して保持する。
支持ステージ3は、吸着テーブル31の前側に設けられた操作パネル35を有し、作業者は操作パネル35を操作することでプリンター1に指令を与えることができる。また、操作パネル35の略右半分には、開閉扉351が設けられている。この開閉扉351は、作業者が印刷処理部5へ手作業によるメンテナンスを行うことができるように設けられている。具体的には、図1の状態から前後方向Yの前側(+Y側)にまで印刷処理部5を移動させて、開閉扉351と印刷処理部5とを近接させることで、開状態にある開閉扉351を介して作業者が印刷処理部5にアクセスして手作業によるメンテナンスを実行できる。
図2において、支持ステージ3と併記されているように、プリンター1は、印刷処理部5を前後方向Yへ移動させる副走査移動部4を備える。副走査移動部4は、支持ステージ3の裏側に設けられた左右一対のガイド機構41と、印刷処理部5とガイド機構41とを連結する連結フレーム42とを有する。ガイド機構41は、LMガイド(登録商標)により構成されており、前後方向Yに延設して支持ステージ3に固定されたガイドレール41aと、ガイドレール41aに対して前後方向Yにスライドするスライダー41bとを有する。そして、スライダー41bに連結フレーム42を介して印刷処理部5が取り付けられている。こうして、副走査移動部4は、ガイド機構41によって印刷処理部5を前後方向Yに移動自在に支持する。
さらに、副走査移動部4は、ガイド機構41に沿って印刷処理部5を前後方向Yに駆動する副走査駆動機構43を備える。副走査駆動機構43は、前後方向Yに延設して支持ステージ3に固定されたネジ軸44と、支持部材45を介して連結フレーム42に回転自在に取り付けされて、ネジ軸44に螺合するナット部材46とを有する。そして、副走査駆動機構43は、副走査モーター47によってナット部材46を駆動(回転)させることで、印刷処理部5を前後方向Y(副走査方向)に移動させる。
印刷処理部5は、いわゆるガントリータイプのものであり、左右方向Xから支持ステージ3を横断するように設けられたハウジング部材50(図1)の内部に印刷ヘッドおよび各種機能部を収容した概略構成を備える。図3は、図1に示すプリンターが備える印刷処理部の内部構成を部分的に示す斜視図であり、図4は、図1に示すプリンターが備える印刷処理部の内部構成を部分的に示す正面図である。
印刷処理部5は、印刷ヘッドを搭載する印刷ユニット6と、印刷ユニット6を左右方向Xへ移動させる主走査移動部7とをハウジング部材50内に収容する。主走査移動部7は、印刷ユニット6を左右方向Xへ往復自在に支持する上下一対のガイド軸71と、印刷ユニット6をガイド軸71に沿って左右方向Xに直動駆動する主走査駆動機構73とを有する。主走査駆動機構73は、ガイド軸71に沿って左右方向Xへ延設されたタイミングベルト74を主動プーリー75および従動プーリー76に架け渡した構成を具備し、主走査モーター77で主動プーリー75を駆動することで、タイミングベルト74に連結された印刷ユニット6を左右方向Xに移動させる。したがって、主走査モーター77が正逆回転することで、タイミングベルト74を介して印刷ユニット6を左右方向X(主走査方向)に往復移動させることができる。
図5は、印刷ユニットが備える部分構成を模式的に示す底面図である。印刷ユニット6は、箱型のキャリッジ61に印刷ヘッド8を搭載したキャリッジユニット62と、キャリッジユニット62の左右それぞれに固定された紫外線照射器9とを有する。印刷ヘッド8は、載置平面310に向けて開口してUVインクを吐出するノズルを有する。
詳述すると、各印刷ヘッド8は、前後方向Yに直線状に並ぶ複数のノズル(図示省略)で構成されたノズル列を左右方向Xに複数配列した構成を具備しており、各ノズル列に互いに異なる色のUVインクを吐出させる。なお、ノズルからのUVインクの吐出は、圧電素子(ピエゾ素子)によってノズルを駆動するインクジェット方式により行われる。印刷ヘッド8は、前後方向Yに所定幅を有する領域Raに対向しており、主走査方向Xに平行に移動しつつ領域Raにインクを吐出することで、領域Raに画像が印刷される。
各紫外線照射器9は、仮硬化用の光源基板91と本硬化用の光源基板92とを前後方向Yに並べた構成を具備する。具体的には、前後方向Yの後側(−Y側)に光源基板91が配置され、前後方向Yの前側(+Y側)に光源基板92が配置される。仮硬化用の光源基板91は、載置平面310に対向する複数の光源911を左右方向Xおよび前後方向Yにマトリックス状に配列した構成を具備し、各光源911から載置平面310上の印刷媒体Aに紫外線を照射する。なお、光源基板91での光源911の配列範囲は、底面視において前後方向Yに領域Raと重複しており、光源基板91は領域Raに紫外線を照射する。
一方、本硬化用の光源基板92は、載置平面310に対向する複数の光源921を左右方向Xおよび前後方向Yにマトリックス状に配列した構成を具備し、各光源921から載置平面310上の印刷媒体Aに紫外線を照射する。なお、光源基板92での光源921の配列範囲は、底面視において前後方向Yに領域Rbと重複しており、光源基板92は領域Rbに紫外線を照射する。ここで、領域Rbは、領域Raに対して前後方向Yの前側(+Y側)に位置して、前後方向Yにおいて領域Raよりも狭い幅(この実施形態では領域Raの半分の幅)を有する領域である。
光源基板91、92の光源911、921は、例えばLED(Light Emitting Diode)により構成されている。本実施形態において、光源基板91、92の光源911、921は同じものを使用しているが、異なるものを使用するようにしてもよい。図5から判るように、仮硬化用の光源911の配列範囲に対して、本硬化用の光源921の配列範囲は、左右方向Xにおいて広くなっている。そして、仮硬化用の光源911が射出する紫外線の積算光量は、本硬化用の光源921が射出する紫外線の積算光量よりも低く設定されている。つまり、仮硬化用の光源基板91は、印刷ヘッド8が印刷媒体Aに吐出したUVインクに対して比較的少ない積算光量の紫外線を照射することで、その形状が保持される程度にUVインクを硬化(仮硬化)させるものであり、UVインクを完全に硬化させるものではない。一方、本硬化用の光源基板92は、既に光源基板91による紫外線の照射を受けたUVインク(すなわち、仮硬化されたUVインク)に対して比較的多い積算光量の紫外線を照射することで、UVインクを完全に硬化させるものである。なお、ここでいう本硬化とは、UVインクを完全に硬化させることに限らず、印刷媒体A上に吐出されたUVインクが、印刷媒体A上で濡れ広がるのを停止する程度の硬化した状態も含む。また、一度の主走査によって、仮硬化状態のUVインクを本硬化状態に至らせてもよいし、複数回の主走査によって本硬化状態に至らせてもよい。
このように構成されたプリンター1は、主走査および副走査を適宜実行することで、印刷媒体Aへの印刷を行う。具体的には、主走査は、主走査方向X(印刷のために印刷ヘッド8がUVインクを吐出しつつ記録媒体Aに対して相対移動する方向)の往路方向および復路方向の一方へ主走査駆動機構73により印刷ユニット6を移動させつつ、印刷ヘッド8からUVインクを吐出することで実行される。1回の主走査によって、領域RaにUVインクが吐出されて画像が印刷される。なお、主走査は、主走査方向Xの往路方向および復路方向のいずれにおいても実行可能であり、複数の主走査を繰り返し実行する場合には、往路方向への主走査と復路方向への主走査が交互に実行される。
副走査は、主走査方向Xと直交する方向である副走査方向Y(前側+Yから後側−Yへ向かう片方向)へ副走査移動量だけ副走査駆動機構43により印刷処理部5を移動させることで実行される。1回の副走査によって、印刷ヘッド8がUVインクの吐出を行う領域Raが、副走査方向Yへ副走査移動量だけ印刷媒体Aに対して移動される。副走査を主走査の完了の度に実行することで、領域Raを副走査方向Yへ移動させつつ領域Raへ印刷を実行して、印刷媒体Aの全面に画像を印刷することができる。
さらに、紫外線照射器9の光源911、921は、主走査の実行中に紫外線を射出して、印刷ヘッド8が印刷媒体Aに吐出したUVインクを硬化させる。まずは、仮硬化用の光源911の動作について説明する。主走査の実行中には、当該主走査における移動方向において印刷ヘッド8の後方側にある紫外線照射器9の光源911が点灯する。これによって、後方側の紫外線照射器9は、印刷ヘッド8を追いかけるように移動しつつ、実行中の主走査で領域Raに吐出されたUVインクへ紫外線を照射して、UVインクを仮硬化させる。なお、これに限らず、主走査における移動方向において印刷ヘッド8の前方に位置する紫外線照射器9の光源911も紫外線を照射するようにしてもよい。このようにすれば、今回の主走査よりも前の主走査によって印刷媒体Aに吐出されているUVインクに対して、紫外線を照射することが可能になる。
一方、本硬化用の光源921の動作は、次のとおりである。主走査の実行中には、当該主走査における移動方向において印刷ヘッド8の後方側にある紫外線照射器9の光源921が点灯する。なお、光源921が紫外線を照射する領域Rbは、実行中の主走査で印刷ヘッド8がUVインクを吐出する領域Raに対して副走査方向Yの前側(+Y側)にずれている。したがって、前側(+Y)から後側(−Y)へ副走査を実行しつつ印刷を行う態様では、光源921は、先に実行された主走査で印刷媒体Aに吐出されて仮硬化を受けたUVインクを本硬化させる。そして、副走査が実行される度に、光源921が本硬化を行う領域Rbが副走査方向Yの後側(−Y)へ移動することで、印刷媒体Aの全面に対して本硬化を実行することができる。
図6は、図1に示すプリンターの電気的構成の一例を示すブロック図であり、図7は、光源に印加されるパルス電流の一例を示す図である。上述のように構成されたプリンター1は、制御部100によってその印刷動作が制御される。すなわち、プリンター1による印刷時には、制御部100が副走査モーター47に動作指令を送ることで、印刷処理部5が副走査方向Yに副走査移動量だけ移動する副走査が行われる。そして、1回の副走査が終わるごとに、制御部100は主走査モーター77に動作指令を送り、印刷ユニット6が主走査方向Xに移動する主走査が行われる。この主走査の際には、制御部100が印刷ヘッド8および光源基板91、92に動作指令を送ることで、印刷ヘッド8からUVインクが吐出されるとともに、紫外線照射器9の光源911、921から紫外線が射出される。
制御部100は、光源基板91、92の機能を介して光源911、921を点滅させて、光源911、921の点灯と消灯とを交互に繰り返すことで、光源911、921による紫外線の照射状態を制御している。より詳細には、光源基板91、92には、定電流回路97およびPWM(pulse width modulation)駆動回路98が設けられている。そして、制御部100からの動作指令に応じて、光源911、921に印加される矩形波のパルス電流Pu(図7参照)の振幅Amが定電流回路97により調整されるとともに、パルス電流Puのデューティー比Du(Du=t/T、周期Tに対する点灯期間tの比)がPWM駆動回路98により調整される。そして、光源911、921は振幅Amに応じた照度(照射強度)の紫外線を照射する。また、印刷ヘッド8の主走査の速度を一定にした場合、振幅Amおよびデューティー比Duに応じて、光源911、921により照射される紫外線の積算量が決まる。かかる構成によれば、後述するように、例えば光源911、921の照度を変更した場合においても、光源911、921が点灯する期間と光源911、921が消灯する期間の比を調整することで、光源911、921により照射される紫外線の積算量を適切に調整することができる。
図8は、図1のプリンターの印刷動作の概要を示す模式図である。より詳しくは、図8のa図は後述する印刷パス数が4回の場合を示し、図8のb図は印刷パス数が8回の場合を示す。なお、以下では、光源基板91および光源911を有して構成される照射部を仮硬化部93と称し、光源基板92および光源921を有して構成される照射部を本硬化部94と称する。
プリンター1では、印刷ユニット6を主走査方向Dm(X方向)に移動させつつ、印刷ヘッド8から吐出領域RaにUVインクを吐出させる印刷パスが行われる。そして、この印刷パスは、印刷ユニット6(印刷処理部5)を副走査方向Ds(−Yから+Yに向かう方向)に副走査移動量mだけ移動させるごとに実行される。このとき、印刷パス数だけ連続して実行される印刷パスのそれぞれでは、印刷ヘッド8がUVインクを吐出する吐出領域Raが少なくとも副走査方向Dsの一部において重複する。
例えば、図8のa図に示すように、上記印刷パス数を4回とした場合には、この4回の印刷パスのそれぞれにおける吐出領域Ra1〜Ra4が、副走査方向Dsにおいて範囲pで重複する。換言すると、吐出領域Ra1〜Ra4が重なる範囲pには、UVインクの吐出が重ねて4回実行されることになる。例えば、印刷ヘッド8による吐出領域Raが不変であり、副走査移動量mを常に一定とする場合には、副走査移動量mを吐出領域Raの1/4の量に設定することで、範囲pにUVインクを重ねて吐出する回数(すなわち印刷パス数)を4回とすることができる。
ところで、例えば印刷の解像度を変更、印刷品質を変更する等の理由により、印刷媒体AにUVインクを重ねて吐出する回数を変更する場合がある。このように、インクを重ねて吐出する回数は、上記印刷パス数を変更することで実現される。例えば、図8のb図に示すように、印刷パス数を8回とした場合には、この8回の印刷パスのそれぞれにおける吐出領域Ra1〜Ra8が範囲pで重複する。換言すると、吐出領域Ra1〜Ra8が重なる範囲pには、UVインクの吐出が重ねて8回実行されることになる。上述の場合と同様に、例えば印刷ヘッド8による吐出領域Raが不変であり、副走査移動量mを常に一定とする場合には、副走査移動量mを吐出領域Raの1/8の量に設定することで、範囲pにUVインクを重ねて吐出する回数(すなわち印刷パス数)を8回とすることができる。
このように、印刷パス数を増加させると、副走査移動量mが反比例的に減少することになる。そして、次に説明するように、印刷パス数の増加に応じて副走査移動量mが減少すると、仮硬化部93が印刷媒体Aに重ねて紫外線を照射する照射回数も増加する。つまり、仮硬化部93は、印刷パスの実行に伴って印刷ヘッド8を追いかけて照射領域Raに光を照射する。そして、上述のとおり、印刷パスは、副走査方向Dsへ副走査移動量mだけ移動しつつ繰り返し実行される。したがって、連続する印刷パスで仮硬化部93が紫外線を照射する照射領域Raは、副走査方向Dsへ副走査移動量mだけ相互にずれる。この際、副走査方向Dsにおいて副走査移動量mは照射領域Raよりも小さい(Ra>m)。そのため、連続する印刷パスでの仮硬化部93の照射領域Raは、副走査方向Dsに概ね(Ra−m>0)の重複幅で重複する。換言すれば、この重複幅を有する範囲には、仮硬化部93による光照射が少なくとも2回は重複して実行される。そして、このように同一範囲に対して行われる光照射の重複回数は、副走査移動量mに対して反比例的に増大する。
この点について具体例を挙げて説明する。なお、上述の図8は吐出領域Raの重なりを説明するための模式図であるが、本実施形態では、仮硬化部93の照射領域Raは印刷ヘッド8の吐出領域Raと同じであるため、各印刷パスにおける照射領域Raの重なりは図8における吐出領域Raの重なりと同様となる。例えば、副走査移動量mを一定として連続してn回の印刷パスを実行した場合、1回目の印刷パスでの照射領域Raとn回目の印刷パスの照射領域Raとは、相互にずれ量d=(n−1)×mだけ副走査方向Dsにおいてずれる。副走査方向Dsにおいて、このずれ量dが照射領域Raより大きければ(d>Ra)、1回目の印刷パスとn回目の印刷パスとの照射領域Raの間で重複は発生しない。一方、このずれ量dが照射領域Raより小さければ(d<Ra)、1回目の印刷パスとn回目の印刷パスとの照射領域Raの間で重複が発生する。この際、1〜n回目の途中の印刷パスにおいても照射領域Raの間で相互に重複が発生しているため、同一範囲pに対して光照射がn回重複して行われる。つまり、d<Ra、すなわち(n−1)×m<Raの条件を満たす限り、同一範囲pに対して光照射がn回重複して行われる。ここで、この条件式から分かるように、照射領域Raが一定の場合には、副走査移動量mが小さければ、光照射の重複回数nが増加する。このように、印刷パス数の増加に応じて副走査移動量mが減少すると、仮硬化部93が印刷媒体Aに重ねて紫外線を照射する照射回数も増加する。
特に、本実施形態では、仮硬化部93による照射領域Raが、印刷ヘッド8による吐出領域Raと同じとなっているので、仮硬化部93により重ねて行われる照射回数は印刷パス数と一致する。すなわち、例えば印刷パス数が4回のときには仮硬化部93が重ねて行う照射は4回であり、印刷パス数が8回のときには仮硬化部93が重ねて行う照射は8回となる。なお、本実施形態では、本硬化部94も印刷ヘッド8とともに印刷ユニット6に一体的に設けられているため、印刷パスの実行時に印刷ヘッド8とともに本硬化部94も主走査方向Dmに移動する。また、本硬化部94による照射領域Rbは、副走査方向Dsにおいて副走査移動量mよりも大きな幅を有している。したがって、仮硬化部93と同様に、印刷パス数の増加に応じて、本硬化部94が印刷媒体Aに重ねて紫外線を照射する照射回数も増加する。
次に、図9を参照しつつ、プリンター1による印刷動作をより具体的に説明する。図9は、図1のプリンターの印刷動作の一例を示す模式図である。なお、プリンター1では、不図示の操作部を介したユーザーからの指示に従って、上記印刷パス数が複数通り(例えば4回、6回、8回および12回)の中から設定可能となっている。そして、図9は、印刷パス数を4回に設定した場合の印刷動作を示すものである。
図9では、印刷ヘッド8によるインク吐出および仮硬化部93による光照射がそれぞれ4回行われ、さらに本硬化部94による光照射が2回行われることで、印刷媒体Aの副走査方向Dsにおける所定の範囲p1に対する印刷が完了するまでの一連の印刷動作を示している。なお、ここでは印刷パス数を4回としているので、上述したように副走査移動量mを吐出領域Raの1/4としており、範囲p1の副走査方向Dsにおける幅も吐出領域Raの1/4となっている。また、範囲p1よりも副走査方向Dsの下流側に位置する、範囲p1と同じ大きさの範囲を上流側から下流側へと順番に範囲p2、p3、p4とする。
まず、制御部100からの動作指令に応じて、印刷ユニット6(印刷処理部5)が副走査方向Dsに副走査移動量mだけ移動して、印刷ヘッド8および仮硬化部93の副走査方向Dsにおける下流側の一部(吐出領域Raの1/4の範囲)が、印刷媒体Aの範囲p1と重複した状態とする(図9のa図)。続いて、制御部100からの動作指令に応じて、印刷ユニット6が主走査方向Dmにおいて図中左側から右側へと移動し、範囲p1に対して1回目の印刷パスが実行される(図9のb図)。すなわち、印刷ヘッド8が、範囲p1に対向した状態で主走査方向Dmに移動しつつ、印刷媒体Aに向けてUVインクを吐出する。このとき、仮硬化部93も、印刷ヘッド8とともに範囲p1に対向した状態で主走査方向Dmに移動しつつ、印刷媒体Aへ向けて紫外線を照射する。こうして、範囲p1に対するインク吐出および仮硬化が1回ずつ行われた状態となる。
範囲p1に対する1回目の印刷パスが終わると、制御部100の動作指令に応じて、印刷ユニット6が副走査方向Dsに副走査移動量mだけ移動し、印刷ヘッド8および仮硬化部93の副走査方向Dsにおける下流側の一部(吐出領域Raの1/2の範囲)が、範囲p1、p2と重複した状態となる。この状態で、制御部100からの動作指令に応じて、印刷ユニット6が主走査方向Dmにおいて図中右側から左側へと移動し、範囲p1に対して2回目の印刷パスが実行される(図9のc図)。すなわち、印刷ヘッド8が、範囲p1、p2に対向した状態で主走査方向Dmに移動しつつ、印刷媒体Aに向けてUVインクを吐出する。このとき、仮硬化部93も、印刷ヘッド8とともに範囲p1、p2に対向した状態で主走査方向Dmに移動しつつ、印刷媒体Aへ向けて紫外線を照射する。こうして、範囲p1に対するインク吐出および仮硬化が2回ずつ行われ、範囲p2に対するインク吐出および仮硬化が1回ずつ行われた状態となる。
続いて、制御部100の動作指令に応じて、印刷ユニット6が副走査方向Dsに副走査移動量mだけ移動し、印刷ヘッド8および仮硬化部93の副走査方向Dsにおける下流側の一部(吐出領域Raの3/4の範囲)が、範囲p1、p2、p3と重複した状態となる。この状態で、制御部100からの動作指令に応じて、印刷ユニット6が主走査方向Dmにおいて図中左側から右側へと移動し、範囲p1に対して3回目の印刷パスが実行される(図9のd図)。すなわち、印刷ヘッド8が、範囲p1、p2、p3に対向した状態で主走査方向Dmに移動しつつ、印刷媒体Aに向けてUVインクを吐出する。このとき、仮硬化部93も、印刷ヘッド8とともに範囲p1、p2、p3に対向した状態で主走査方向Dmに移動しつつ、印刷媒体Aへ向けて紫外線を照射する。こうして、範囲p1に対するインク吐出および仮硬化が3回ずつ行われ、範囲p2に対するインク吐出および仮硬化が2回ずつ行われ、範囲p3に対するインク吐出および仮硬化が1回ずつ行われた状態となる。
さらに、制御部100の動作指令に応じて、印刷ユニット6が副走査方向Dsに副走査移動量mだけ移動し、印刷ヘッド8および仮硬化部93の副走査方向Dsにおける全域Raが、範囲p1、p2、p3、p4と重複した状態となる。この状態で、制御部100からの動作指令に応じて、印刷ユニット6が主走査方向Dmにおいて図中右側から左側へと移動し、範囲p1に対して4回目の印刷パスが実行される(図9のe図)。すなわち、印刷ヘッド8が、範囲p1、p2、p3、p4に対向した状態で主走査方向Dmに移動しつつ、印刷媒体Aに向けてUVインクを吐出する。このとき、仮硬化部93も、印刷ヘッド8とともに範囲p1、p2、p3、p4に対向した状態で主走査方向Dmに移動しつつ、印刷媒体Aへ向けて紫外線を照射する。こうして、範囲p1に対するインク吐出および仮硬化が4回ずつ行われ、範囲p2に対するインク吐出および仮硬化が3回ずつ行われ、範囲p3に対するインク吐出および仮硬化が2回ずつ行われ、範囲p4に対するインク吐出および仮硬化が1回ずつ行われた状態となる。
このようにして、印刷媒体Aの範囲p1に対して印刷パスが4回行われることで、印刷ヘッド8によるインク吐出および仮硬化部93による仮硬化が完了する。そして、引き続き、範囲p1に対して本硬化部94による本硬化が行われる。なお、本実施形態では、本硬化部94は印刷ヘッド8とともに主走査方向Dmに一体的に移動する。また、本硬化部94の副走査方向Dsにおける照射領域Rbは、印刷ヘッド8による吐出領域Raの1/2としている。このため、上述のように、本硬化部94が印刷媒体Aに対して重ねて行う照射回数は、印刷パス数の半分(ここでは2回)だけが行われることになる。以下、引き続き図9を参照しつつ説明する。
印刷媒体Aの範囲p1に対して4回の印刷パスが完了すると、続いて、制御部100の動作指令に応じて、印刷ユニット6が副走査方向Dsに副走査移動量だけ移動し、本硬化部94の副走査方向Dsにおける下流側の一部(照射領域Rbの1/2の範囲)が、範囲p1と重複した状態となる。この状態で、制御部100から動作指令が送られると、印刷ユニット6が主走査方向Dmにおいて図中左側から右側へと移動することで、本硬化部94が範囲p1に対向した状態で主走査方向Dmに移動しつつ、印刷媒体Aへ向けて紫外線を照射する。その結果、範囲p1に対して1回目の本硬化が行われることになる(図9のf図)。ちなみに、このとき、範囲p2〜p4に対してはインク吐出および仮硬化が重ねて行われることになる。
続いて、制御部100の動作指令に応じて、印刷ユニット6が副走査方向Dsに副走査移動量だけ移動し、本硬化部94の副走査方向Dsにおける全域Rbが、範囲p1、p2と重複した状態となる。この状態で、制御部100から動作指令が送られると、印刷ユニット6が主走査方向Dmにおいて図中右側から左側へと移動することで、本硬化部94が範囲p1、p2に対向した状態で主走査方向Dmに移動しつつ、印刷媒体Aへ向けて紫外線を照射する。その結果、範囲p1に対して2回目の本硬化が行われるとともに、範囲p2に対して1回目の本硬化が行われる(図9のg図)。ちなみに、このとき、範囲p3、p4に対してはインク吐出および仮硬化が重ねて行われることになる。
以上説明した印刷動作が印刷媒体Aの副走査方向Dsにおける全範囲に対して繰り返し実行されることで、印刷媒体Aに対する印刷が行われる。プリンター1では、本硬化部94は、印刷ヘッド8および仮硬化部93よりも副走査方向Dsの上流側に配置されており、なおかつ印刷ヘッド8、仮硬化部93および本硬化部94は印刷ユニット6に一体的に設けられている。したがって、上述したように、例えば印刷媒体の所定の範囲p1に対して印刷ヘッド8によるインク吐出および仮硬化部93による光照射が完了した後、印刷ユニット6を副走査方向Dsの下流側に移動させれば、範囲p1に対して本硬化部94による光照射が可能となる。このとき、印刷ヘッド8および仮硬化部93も、本硬化部94と一体的に副走査方向Dsの下流側に移動することになるので、続く下流側の範囲p2〜p4に対してインク吐出および仮硬化を実行することが可能となる。したがって、印刷媒体Aへの印刷を連続的に効率よく行うことができる。
ところで、すでに説明したように、プリンター1では、仮硬化部93および本硬化部94により重ねて行われる照射回数が、印刷パス数の増加に応じて増加する。その結果、印刷パス数に依存してUVインクの硬化の態様が異なり、印刷画像の画質が変化するおそれがある。そこで、本出願人は、仮硬化部93および本硬化部94による適切な照射形態を見出すための実験を行い、仮硬化部93および本硬化部94で段階的に照射する場合の適切な制御方法に関する知見を得た。
上記実験に使用されたUVインクは、重合性化合物としてVEEA(アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル)(日本触媒社製)を40%、PEA(フェノキシエチルアクリレート ビスコート#192)(大阪有機化学社製)を45.5%、光重合開始剤としてIRGACURE 819(BASF社製)を6%、DAROCUR TPO(BASF社製)を6%、分散剤としてSolsperse36000(LUBRIZOL社製)を0.2%、レベリング剤としてBYK−UV3500(BYK社製)を0.1%、重合禁止剤としてMEHQ(関東化学社製)を0.2%、そして顔料を2%含有している。
インク色はイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの4色であり、印刷はパターン4色混色(各色duty30%)で行われ、インク重量トータルは1〜2mg/cmとなっている。ノズルは720ノズル/2インチの密度で配置されており、インクの吐出周波数は10.8kHzである。また、印刷ユニット6の主走査方向Dmへの移動速度は300cps(約76cm/s)、印刷処理部5の副走査方向Dsへの副走査移動量mは印刷パス数が4、6、8、12回のときに、それぞれ1/2インチ(約13mm)/パス、1/3インチ(約8.5mm)/パス、1/4インチ(約6.5mm)/パス、1/6インチ(約4mm)/パスとなっている。
以下、実験結果を示しつつ、仮硬化部93および本硬化部94の適切な制御方法について、種々の観点から説明する。図10は、光沢度を所定値にするための照射条件を示す図である。より詳細には、図10のa〜c図は、それぞれ印刷画像の光沢度を60、78、35とさせるための条件を示している。なお、光沢度は、日本電色工業製のVG7000を用いて角度45度で測定されたものである。以下の説明において、「第1積算光量」とは、仮硬化部93が印刷パス数に応じた回数(例えば図9の動作例では印刷パス数と同じ4回)だけ主走査方向Dmに移動する間に、仮硬化部93により記録媒体Aに照射される単位面積当たりの紫外線の積算量を示し、単位面積当たりのエネルギー(mJ/cm)の次元を有する。同様に、「第2積算光量」とは、本硬化部94が印刷パス数に応じた回数(例えば図9の動作例では印刷パス数の半分の2回)だけ主走査方向Dmに移動する間に、本硬化部94により記録媒体Aに照射される単位面積当たりの紫外線の積算量を示し、単位面積当たりのエネルギー(mJ/cm)の次元を有する。
例えば、図10のa図を参照すると、印刷パス数が4回、6回、8回、12回へと増加するのに伴って、第1積算光量を減少させるとともに、第2積算光量を増加させることで、印刷画像の光沢度を60に維持できることが分かる。このような傾向は、光沢度を他の値、例えば78(b図)あるいは35(c図)とする場合についても同様である。この結果から、本出願人は、印刷パス数に依らず印刷画像の画質を効果的に安定させるため、特に印刷画像の光沢度を安定させるという観点からは、印刷パス数の増加に応じて、第1積算光量を減少させるとともに、第2積算光量を増加させればよいことを見出した。
さらに、図10の各図に示すように、印刷パス数の増加に応じて第1積算光量を減少させるために、印刷パス数にかかわらず仮硬化部93による照度(図7の振幅Am)を一定にしつつ、デューティー比Duを漸減させている。一方、印刷パス数の増加に応じて第2積算光量を増加させるために、印刷パス数にかかわらず仮硬化部93による照度を一定にしつつ、デューティー比Duを漸増させている。そして、後述するように、印刷パス数にかかわらず、第1積算光量と第2積算光量との総和である総積算光量を一定とすることで、さらなる画質の安定を図っている。
本出願人は、印刷画像の画質を光沢度の観点から積極的に調整するための方法についても、新たな知見を得た。上述のように、印刷画像の光沢度を印刷パス数に依らず安定させるためには、第1積算光量および第2積算光量を適切に制御すればよいが、このうち特に第1積算光量が画質の光沢度に与える影響が大きいことが分かった。図11は、第1積算光量を変化させたときの光沢度を示す図である。より詳しくは、図11は、仮硬化部93により照射される紫外線の照度が300mW/cm、本硬化部94により照射される紫外線の照度が750mW/cm、第2積算光量が150mJ/cm以上との条件下で、第1積算光量を変化させたときの印刷画像の光沢度を示したものである。
この実験結果から、印刷パス数が変わらない場合には、第1積算光量の増加に伴って光沢度が小さくなり、第1積算光量の減少に伴って光沢度が大きくなる傾向があることが分かった。この傾向を応用することで、例えば第1積算光量を増加させることで印刷画像を光沢度の小さなマット状に仕上げたり、反対に第1積算光量を減少させることで印刷画像を光沢度の大きな高光沢に仕上げるといった調整を積極的に行うことが可能となる。
また、図11では、印刷画像の滲みが発生したケースを太線で囲んで示している。この結果から明らかなように、第1積算光量が小さいときに、印刷画像に滲みが発生する傾向がある。換言すると、第1積算光量を所定値以上に制御することで、滲みの発生を抑制できることが明らかとなった。この結果は、UVインクへの紫外線照射のうち初期の照射の積算量、すなわち仮硬化部93および本硬化部94のうち先に紫外線を照射する仮硬化部93による第1積算光量が、印刷画像の滲みを抑制する上で重要な物理量であることを示している。なお、本実験の条件下では、印刷パス数にかかわらず、第1積算光量を約50mJ/cm以上とすることで、印刷画像の滲みを抑制することができた。
ところで、印刷画像に発生し得る黄変を抑制したり、あるいは印刷画像の膜強度を十分に確保するといった観点から、印刷画像を安定させることも重要である。図12は、総積算光量を変化させたときの黄変の発生状況および膜強度の状態を示す図である。図12に示す結果から、第1積算光量と第2積算光量との総和である総積算光量が大きくなるほど、印刷画像の黄変が発生しやすいとの傾向があることが分かった。また、総積算光量が小さくなるほど、印刷画像の膜強度が不十分となる傾向があることが分かった。これらの傾向は、いずれの印刷パス数においても同様に見られる。
すなわち、印刷画像の黄変を抑制するためには、印刷パス数にかかわらず、総積算光量を所定値以下とすればよい。また、印刷画像の膜強度を十分に確保するためには、印刷パス数にかかわらず、総積算光量を所定値以上とすればよい。さらに、この知見を応用すると、総積算光量を所定の範囲内に制御することで、黄変の抑制および膜強度の確保を両立させることができる。特に、今回の実験結果では、印刷パス数にかかわらず、総積算光量を約180〜240mJ/cmの範囲内、好ましくは210mJ/cm程度に維持することで、黄変の抑制および膜強度の確保の両立が可能であることが明らかとなった。
また、UVインクの印刷媒体Aに対する密着性を良好にすることで、画質の安定化を図ることも考えられる。本出願人は、今回の実験結果の考察から、UVインクの密着性は、特に仮硬化部93により照射される紫外線の照度の影響を大きく受けるとの知見を得た。図13は、仮硬化部の照度を変化させたときの密着性の状態を示す図である。より詳しくは、図13は、本硬化部94により照射される紫外線の照度が750mW/cm、第1積算光量が80mJ/cm以上、第2積算光量が150mJ/cm以上との条件下で、仮硬化部93により照射される紫外線の照度を変化させたときのUVインクの密着性を示したものである。
図13から明らかなように、仮硬化部93の照度が小さいほど、UVインクの密着性が悪化する傾向がある。この傾向は、いずれの印刷パス数においても同様に見られる。したがって、印刷パス数にかかわらず、仮硬化部93により記録媒体Aに照射される紫外線の照度を所定値以上に制御することで、印刷媒体Aに対するUVインクの密着性を向上させることができる。特に、今回の実験結果では、印刷パス数にかかわらず、仮硬化部93の照度を約250mW/cm以上、好ましくは約300mW/cm以上とすることで、UVインクの密着性を向上させることができた。
以上、本実施形態では、仮硬化部93により印刷媒体Aに照射される単位面積当たりの光の積算量(第1積算光量)と、本硬化部94により印刷媒体Aに照射される単位面積当たりの光の積算量(第2積算光量)とを制御する構成を具備し、印刷パス数の増加に応じて、第1積算光量を減少させるとともに、第2積算光量を増加させることで、印刷パス数に依らず印刷画像の画質を効果的に安定させることができた。特に、印刷画像の光沢度を安定させるという観点において、このような制御は有効である。
また、印刷パス数にかかわらず、第1積算光量および第2積算光量の総和である総積算光量を所定値以下とすることで、印刷画像の黄変を抑制することができた。また、印刷パス数にかかわらず、総積算光量を所定値以上とすることで、印刷画像の膜強度を十分に確保することができた。さらには、印刷パス数にかかわらず、総積算光量を所定の範囲内とすることで、黄変の抑制および膜強度の確保の両立を図ることができた。
また、印刷パス数にかかわらず、第1積算光量を所定値以上に制御することで、印刷画像における滲みの発生を抑制することができた。
また、印刷パス数にかかわらず、仮硬化部93により印刷媒体Aに照射される紫外線の照射強度(照度)を所定値以上に制御することで、印刷媒体Aに対するUVインクの密着性を向上させることができた。
以上のように、この実施形態では、UVインクが本発明における「液体」に相当し、紫外線が本発明における「光」に相当し、仮硬化部93が本発明の「第1照射部」に相当し、本硬化部94が本発明の「第2照射部」に相当し、制御部100が本発明の「制御部」および「パス数設定部」に相当し、副走査駆動機構43が本発明の「駆動機構」に相当する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上記実施形態の要素を適宜組み合わせまたは種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、副走査方向Dsにおいて、印刷ヘッド8による吐出領域Raと仮硬化部93による照射領域Raが同じであるとした。しかしながら、副走査方向Dsにおいて、仮硬化部93が紫外線を照射する領域の幅が副走査移動量mよりも大きければ、上述のように印刷ヘッド8による吐出領域Raと仮硬化部93による照射領域Raを必ずしも同じとする必要はない。
また、上記実施形態では、副走査方向Dsにおいて、本硬化部94による照射領域Rbが、印刷ヘッド8による吐出領域Raの1/2であるとした。しかしながら、このような関係は本発明に必須の要件ではなく、適宜変更が可能である。
また、上記実施形態では、印刷ヘッド8、仮硬化部93および本硬化部94が一体的に構成され、印刷ヘッド8が印刷パスを実行する際に、印刷ヘッド8とともに仮硬化部93および本硬化部94が主走査方向Dmに移動するものとした。しかしながら、仮硬化部93および本硬化部94を、印刷ヘッド8とは別体として構成することも可能である。さらに言えば、本硬化部94は、必ずしも主走査方向Dmに移動しつつ紫外線の照射を行う必要はなく、例えば印刷媒体Aの主走査方向Dmにおける全範囲に対して一度に紫外線の照射を行うようにしてもよい。
また、上記実施形態では、矩形波のパルス電流の振幅Amおよびデューティー比Duにより、仮硬化部93および本硬化部94の照射状態を制御するものとした。しかしながら、仮硬化部93および本硬化部94の照射状態を制御するために、矩形波のパルス電流を必ずしも用いる必要はない。すなわち、紫外線の照度および照射期間を調整するために、適切な制御形態を適宜採用することが可能である。
また、印刷ヘッド8からUVインク以外の液体を吐出させることも可能であるし、仮硬化部93および本硬化部94が照射する光も、印刷ヘッド8から吐出される液体の種類に応じて適宜変更可能である。
1…プリンター(印刷装置)、8…印刷ヘッド、43…副走査駆動機構(駆動機構)、93…仮硬化部、94…本硬化部、911、921…光源、100…制御部(制御部、パス数設定部)、A…印刷媒体、Dm…主走査方向、Ds…副走査方向

Claims (8)

  1. 光硬化性の液体を印刷媒体に向けて吐出しつつ主走査方向へ移動する印刷パスを、前記主走査方向と交差する副走査方向に副走査移動量だけ移動するごとに実行する印刷ヘッドと、
    前記主走査方向へ移動する前記印刷ヘッドを追って前記主走査方向へ移動しつつ、前記印刷媒体のうち前記副走査方向における幅が前記副走査移動量よりも大きな領域に向けて前記液体を硬化させる光を照射する第1照射部と、
    前記第1照射部による前記光の照射が完了した前記印刷媒体の領域へ向けて前記光を照射する第2照射部と、
    印刷パス数だけ連続して実行される前記印刷パスのそれぞれにおいて前記液体を吐出する吐出領域を前記副走査方向において少なくとも一部で相互に重複させるように前記印刷ヘッドを制御するとともに、前記第1照射部により前記印刷媒体に照射される単位面積当たりの前記光の積算量である第1積算光量と、前記第2照射部により前記印刷媒体に照射される単位面積当たりの前記光の積算量である第2積算光量とを制御する制御部と、
    前記印刷パス数を複数通りの中から設定可能なパス数設定部と、を備え、
    前記制御部は、前記パス数設定部で設定された前記印刷パス数の増加に応じて、前記第1積算光量を減少させるとともに、前記第2積算光量を増加させることを特徴とする印刷装置。
  2. 前記制御部は、前記印刷パス数にかかわらず、前記第1積算光量および前記第2積算光量の総和である総積算光量を所定の範囲内に制御する請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記制御部は、前記印刷パス数にかかわらず、前記第1積算光量を所定値以上に制御する請求項1または2に記載の印刷装置。
  4. 前記制御部は、前記印刷パス数にかかわらず、前記第1照射部により前記印刷媒体に照射される前記光の照射強度を所定値以上に制御する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の印刷装置。
  5. 前記制御部は、前記第1照射部および前記第2照射部それぞれの光源を点滅させて前記光源の点灯と消灯とを交互に繰り返すことで前記第1照射部および前記第2照射部による前記光の照射状態を制御し、前記光源が点灯する期間と前記光源が消灯する期間の比を調整することで前記第1積算量および前記第2積算量を調整する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の印刷装置。
  6. 前記第2照射部は、前記第1照射部よりも前記積算光量の大きな前記光を照射する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の印刷装置。
  7. 前記第2照射部は、前記印刷ヘッドおよび前記第1照射部よりも前記副走査方向の上流側に設けられ、
    前記印刷ヘッド、前記第1照射部および前記第2照射部を一体的に前記副走査方向の下流側に移動させる駆動機構をさらに備える請求項1ないし6のいずれか1項に記載の印刷装置。
  8. 印刷ヘッドが、光硬化性の液体を印刷媒体に向けて吐出しつつ主走査方向へ移動する印刷パスを前記主走査方向と交差する副走査方向に副走査移動量だけ移動するごとに実行する工程と、
    第1照射部が、前記主走査方向へ移動する前記印刷ヘッドを追って前記主走査方向へ移動しつつ、前記印刷媒体のうち前記副走査方向における幅が前記副走査移動量よりも大きな領域に向けて前記液体を硬化させる光を照射する工程と、
    第2照射部が、前記第1照射部による前記光の照射が完了した前記印刷媒体の領域へ向けて前記光を照射する工程と、
    前記印刷パス数を複数通りの中から設定する工程と、を備え、
    印刷パス数だけ連続して実行される前記印刷パスのそれぞれにおいて前記液体を吐出する吐出領域を前記副走査方向において少なくとも一部で相互に重複させるように前記印刷ヘッドを制御するとともに、設定された前記印刷パス数の増加に応じて、前記第1照射部により前記印刷媒体に照射される単位面積当たりの前記光の積算量である第1積算光量を減少させるとともに、前記第2照射部により前記印刷媒体に照射される単位面積当たりの前記光の積算量である第2積算光量を増加させることを特徴とする印刷方法。
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