JP2014185927A - 二次電池の検査方法および検査装置 - Google Patents

二次電池の検査方法および検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、検査時間を短縮して検査工程に要するコストを削減しつつ、高精度な検査を行うことができる二次電池の検査方法を提供する。
【解決手段】二次電池1を初期電圧Vsから放電終了電圧Veまで放電電流Iにて放電する放電工程を一度だけ行って二次電池1の容量検査と出力検査とを行う二次電池1の検査方法であって、出力検査は、初期電圧Vsから電圧V3まで放電した時点で時間Tsの間放電を停止する工程と、放電再開時から時間T1経過後までの二次電池1の第一の電圧降下量ΔV1を測定する工程と、二次電池1の電圧が電圧V4に到達した時点から時間T2経過した時点までの第二の電圧降下量ΔV2を測定する工程と、放電電流I、第一の電圧降下量ΔV1、第二の電圧降下量ΔV2から、二次電池1の導電率を算出する工程と、前記導電率を閾値と比較することにより、前記導電率と相関を有する二次電池1の出力の良否を判定する工程とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、二次電池の検査工程において、二次電池の検査時間を短縮しながら検査精度を向上することができる二次電池の検査方法および検査装置に関する。
従来、リチウムイオン二次電池などの二次電池を製造して出荷する際には、前記二次電池の容量や出力などの初期特性を検査工程にて検査することが行われている。
前記検査工程において、例えば二次電池の容量および出力の検査を行う際には、まず、初期充電を行って二次電池を活性化させる活性化処理や高温エージング処理の後に、二次電池を規定電圧まで放電して容量を測定する。その後、二次電池の温度調整および電圧(SOC)調整を行い、規定電流で任意時間放電してIV抵抗を測定することにより、二次電池の出力を測定していた。
また、特許文献1に示す二次電池の製造工程においては、二次電池に対して高温エージング処理や活性化処理を行った後に、所定時間の放置処理(第1のバッファ処理)を経たうえで電池容量の検査が行われる。その後、更に所定時間の放置処理(第2のバッファ処理)を行ったうえで、開路電圧(OCV)の測定を行うとともに、電流容量値に応じて二次電池を選別して、二次電池を出荷することが行われていた。
特開平10−289729号公報
前述のように、二次電池の容量測定および出力測定を行う検査工程においては、容量を測定するために行う放電と、出力を測定するために行う放電とを別々に実施していたため、多くの検査時間を要することとなっていた。
また、特許文献1に記載の検査工程においては、電池容量の検査を行った後に、放置処理や開路電圧の測定を行っているので、容量測定後に二次電池のSOC調整や温度調整を行う必要があり、検査工程に多くの時間を要することとなっていた。
そこで、本発明においては、検査時間を短縮して検査工程に要するコストを削減しつつ、高精度な検査を行うことができる、二次電池の検査方法および検査装置を提供するものである。
上記課題を解決する二次電池の検査方法および検査装置は、以下の特徴を有する。
即ち、請求項1記載の如く、初期充電を終えた二次電池を所定の初期電圧Vsから放電終了電圧Veまで、所定の放電電流Iにて放電する放電工程を、一度だけ行うことによって、前記二次電池の容量検査と出力検査とを行う二次電池の検査方法であって、前記出力検査は、前記初期電圧Vsから任意の電圧V3まで放電した時点で所定時間Tsの間放電を停止する工程と、前記放電の停止後に放電を再開し、放電再開時から所定時間T1経過後までの前記二次電池の第一の電圧降下量ΔV1を測定する工程と、前記二次電池の電圧が、前記初期電圧Vs以下かつ放電終了電圧Ve以上である任意の電圧V4に到達した時点から、所定時間T2経過した時点までの第二の電圧降下量ΔV2を測定する工程と、前記放電電流I、第一の電圧降下量ΔV1、および第二の電圧降下量ΔV2から、前記二次電池の導電率を算出する工程と、算出した前記導電率を予め設定した閾値と比較することにより、前記導電率と相関を有する前記二次電池の出力の良否を判定する工程とを備える。
また、請求項2記載の如く、初期充電を終えた二次電池を所定の初期電圧Vsから放電終了電圧Veまで、所定の放電電流Iにて放電する放電工程を、一度だけ行うことによって、前記二次電池の容量検査と出力検査とを行う二次電池の検査装置であって、前記二次電池に対する充放電を行う充放電装置と、前記二次電池の放電時における電圧降下量を測定する電圧降下量測定手段と、前記電圧降下量測定手段にて測定した電圧降下量を用いて前記二次電池の導電率を算出する導電率算出手段と、前記導電率算出手段にて算出した前記導電率を予め設定した閾値と比較することにより、前記導電率と相関を有する前記二次電池の出力の良否を判定する判定手段とを備え、前記充放電装置は、前記初期電圧Vsから任意の電圧V3まで放電した時点で所定時間Tsの間放電を停止するとともに、前記放電の停止後に放電を再開し、前記電圧降下量測定手段は、放電再開時から所定時間T1経過後までの前記二次電池の第一の電圧降下量ΔV1、および前記二次電池の電圧が、前記初期電圧Vs以下かつ放電終了電圧Ve以上である任意の電圧V4に到達した時点から、所定時間T2経過した時点までの第二の電圧降下量ΔV2を測定し、前記導電率算出手段は、前記放電電流I、第一の電圧降下量ΔV1、および第二の電圧降下量ΔV2から、前記二次電池の導電率を算出する。
本発明によれば、二次電池の検査方法において、検査時間を短縮して検査工程に要するコストを削減しつつ、高精度な検査を行うことが可能となる。
本発明係る二次電池の検査方法の対象となる二次電池を示す斜視図である。 二次電池の検査装置を示すブロック図である。 二次電池の検査方法のフローを示す図である。 二次電池の放電曲線を用いた二次電池の区間容量の求め方を示す図である。 二次電池の放電曲線を用いた二次電池の導電率の求め方を示す図である。 二次電池の全容量の保証値と基準区間容量との関係を示す図である。 二次電池の出力の保証値と基準導電率との関係を示す図である。 区間容量検査開始電圧を3.62V、区間容量検査終了電圧を3.44Vとしたときの、区間容量と全容量との相関性を示す図である。 放電を3.48Vで停止した後の再放電開始直後の電圧降下量ΔV1と、電池電圧が3.72Vに達してから150秒経過後の電圧降下量ΔV2との積算電圧降下量から算出した導電率と−30℃での出力との相関性を示す図である。 第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2を最適化した場合の、極低温(−30℃)での二次電池の出力と導電率との相関性を示す図である。 第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2を最適化した場合の、低温(0℃)での二次電池の出力と導電率との相関性を示す図である。 第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2を最適化した場合の、常温(25℃)での二次電池の出力と導電率との相関性を示す図である。
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
図1には、本実施形態に係る二次電池の検査装置5を用いて行われる検査方法の対象となる二次電池1を示している。二次電池1は、例えばリチウムイオン二次電池に構成されており、一面(上面)が開口した有底角筒形状のケース本体21と、平板状に形成されケース本体21の開口部を閉塞する蓋体22とで構成される電池ケース2に、電解液とともに電極体3を収容して構成されている。
電池ケース2は、一面(上面)が開口した直方体状の有底角筒形状に形成されるケース本体21の開口部を、平板状の蓋体22にて閉塞した角型ケースに構成されている。
蓋体22の長手方向一端部(図1における左端部)には正極端子4aが設けられ、蓋体22の長手方向他端部(図1における右端部)には負極端子4bが設けられている。
電極体3は、正極、負極、およびセパレータを、正極と負極との間にセパレータが介在するように積層し、積層した正極、負極、およびセパレータを巻回して扁平させることにより構成されている。なお、二次電池1における正極の正極活物質としては、例えばLi(Ni、Mn、Co)O2系活物質などの三元系活物質を用いることができる。
電池ケース2に電極体3および電解液を収容して二次電池1を構成する際には、まず電極体3の正極および負極に、それぞれ蓋体22の正極端子4aおよび負極端子4bを接続して、電極体3を蓋体22に組み付けて、蓋体サブアッシーを形成する。
その後、電極体3および電解液をケース本体21内に収容するとともに、ケース本体21の開口部に蓋体22を嵌合して、蓋体22とケース本体21とを溶接により密封することにより、二次電池1を構成する。
このように構成される二次電池1は、製造時の検査工程において、その初期特性である容量および出力の検査が検査装置5により行われる。
図2に示すように、検査装置5は、二次電池1に対する充放電を行う充放電装置6と、充放電装置6により充放電がなされる二次電池1の検査を実施する演算手段7とを備えている。演算手段7は、例えばPC(パーソナルコンピュータ)により構成されている。
演算手段7は、二次電池1の区間容量を算出する区間容量算出手段71と、二次電池1の放電時における電圧降下量を測定する電圧降下量測定手段72と、電圧降下量測定手段72にて測定した電圧降下量を用いて二次電池1の導電率を算出する導電率算出手段73と、前記導電率から二次電池1の出力を推定する出力推定手段74と、導電率算出手段73にて算出した前記導電率から、導電率算出手段73にて算出した前記導電率を予め設定した閾値と比較することにより、前記導電率と相関を有する二次電池1の出力の良否を判定する良否判定手段75と、を備えている。
検査装置5による二次電池1の容量および出力の検査は、図3に示すフローのように、初期充電を終えた二次電池1を1度だけ放電させることにより行われる。
検査工程における二次電池1の容量および出力の検査方法について、以下に具体的に説明する。
図4、図5に示すように、容量および出力の検査を行う際には、まず、初期充電を終えた二次電池1に対して、充放電装置6により所定の初期電圧Vsから、放電終了電圧Veまで、所定の電流値Iにて放電を行う(S01)。ステップS01での放電途中においては、一つ以上の任意電圧で放電を停止し、放電の停止から所定時間経過後に放電を再開する。本実施形態では、二つの任意電圧で放電を停止している。
この場合、二次電池1の放電開始電圧(初期電圧Vs)は、3.6V〜4.1Vに設定することが好ましく、さらには3.9V〜4.1Vに設定することがより好ましい。また、放電電流は、1C〜10Cに設定することが好ましく、さらには2C〜6Cに設定することがより好ましい。また、検査温度は、10℃〜40℃に設定することが好ましく、さらには20℃〜30℃に設定することがより好ましい。
なお、図4、図5には二次電池1の放電曲線を示しており、横軸は時間を示し、縦軸は放電時電池電圧を示している。
次に、図4に示すように、区間容量算出手段71において、区間容量の検査区間として、区間容量検査開始電圧Vaおよび区間容量検査終了電圧Vb(Va>Vb)を、初期電圧Vsから放電終了電圧Veの範囲内にて設定し、ステップS01にて放電した際の放電電流値I、および二次電池1が区間容量検査開始電圧Vaの状態にある区間容量検査開始時刻taから、区間容量検査終了電圧Vbの状態にある区間容量検査終了時刻tbまでの放電時間Taを用いて、二次電池1の区間容量を算出する(S02)。
具体的には、前記放電電流値Iと放電時間Taとを用いて、区間容量検査開始電圧Vaから区間容量検査終了電圧Vbまでの電圧区間における積算電流量(I×Ta)を求めることにより二次電池1の区間容量を算出する。
また、図5に示すように、二次電池1の前記放電時における一回目の放電停止および再開は、初期電圧Vsから任意の電圧V3(V3>Ve)まで放電した時点で(即ち時刻t1において)放電を停止し、時刻t1から所定時間Ts(t2−t1)の経過後に(即ち時刻t2において)放電を再開することにより行っている。
そして、二次電池1の出力の検査を行う際には、電圧降下量測定手段72により、例えば一回目の放電停止後の放電再開時(時刻t2)における二次電池1の電圧V1、および放電再開時(時刻t2)から所定時間T1経過後の時刻t3における二次電池1の電圧V2を測定し、電圧V1から電圧V2を減じることで、時間T1(時刻t2から時刻t3までの間)における第一の電圧降下量ΔV1を算出する(S02)。時間T1は、例えば1秒に設定することができる。
同様に、初期電圧Vsから放電終了電圧Veの範囲内において、二次電池1の電圧が、所定の電圧V4に達した時刻t4から、一定時間経過後の時刻t5における二次電池1の電圧V5を測定し、電圧V4から電圧V5を減じることで、時刻t4から時刻t5までの(経過時間T2における)第二の電圧降下量ΔV2を算出する(S02)。
なお、第一の電圧降下量ΔV1の測定は、一回目の放電停止後の放電再開時だけでなく、任意の時点での放電停止(例えば二回目の放電停止)後の放電再開時に行うことができる。
また、本実施形態においては、第二の電圧降下量ΔV2の測定開始電圧(読取開始電圧)である電圧V4は、第一の電圧降下量ΔV1を測定した電圧(電圧V2)よりも低い電圧に設定されているが、これに限るものではなく、電圧V4は、初期電圧Vs以下かつ放電終了電圧Ve以上の範囲内の任意の電圧に設定することができる。
さらに、導電率算出手段73によって、前記放電電流値Iを第一の電圧降下量ΔV1と第二の電圧降下量ΔV2との積算値にて除することにより、二次電池1の導電率(=I/(ΔV1+ΔV2))を算出する(S02)。
なお、二次電池1の導電率とは、二次電池1における電流の流れ易さを表す指標となるものであり、抵抗の逆数にて表される。
そして、良否判定手段75により、算出した前記区間容量と予め設定しておいた閾値となる基準区間容量とを比較するとともに、算出した導電率と予め設定しておいた閾値となる基準導電率とを比較する(S03)。
ここで、図6に示すように、二次電池1の前記区間容量は、二次電池1の全容量(SOC100%から0%まで放電させた場合に測定される容量)と相関を有するものであり、二次電池1において保証する全容量(全容量の保証値)に対応する区間容量を基準区間容量として設定している。
従って、ステップS02にて算出した区間容量と基準区間容量とをステップS03にて比較した際に、区間容量が基準区間容量以上であれば、当該二次電池1の全容量が必要性能を満たしているとして、検査合格と判定することが可能となる。
また、図7に示すように、二次電池1の前記導電率は、二次電池1の出力と相関を有するものであり、二次電池1において保証する出力に対応する導電率を基準導電率として設定している。
従って、ステップS02にて算出した導電率と基準導電率とをステップS03にて比較した際に、導電率Vが基準導電率以上であれば、当該二次電池1の出力が必要性能を満たしているとして、検査合格と判定することが可能となる。
ステップS03における前記区間容量と基準区間容量との比較、および前記導電率と基準導電率との比較の結果、前記区間容量が基準区間容量以上であるとともに、前記導電率が基準導電率以上であって、区間容量と導電率との両者が基準値を達成していると判断した場合には(S04)、当該二次電池1は全容量および出力の両方が必要性能を満たしており、良品(出荷可能)であると判定する(S05)。
一方、ステップS03における前記比較の結果、少なくとも前記区間容量が基準区間容量よりも少ないか、または前記導電率が基準導電率よりも小さくて、区間容量および導電率の少なくとも何れか一方が基準値を達成していないと判断した場合には(S04)、当該二次電池1は少なくとも全容量または出力の何れかが必要性能を満たしていないと判断し、不良品(出荷不可)であると判定する(S06)。
このように、本実施形態の二次電池1の検査方法においては、二次電池1を1度だけ放電させて、全容量および出力の検査を同時に行うようにしている。また、出力検査は、二次電池1のIV抵抗を測定することなく、容量測定に用いられる放電結果(放電曲線)を用いて導電率を算出することにより行っている。
これにより、二次電池1の検査時間を短縮して、検査工程に要するコストを削減することが可能となっている。
前述のように、二次電池1について算出する区間容量は、二次電池1の全容量と相関を有しているが、その相関度合いは、区間容量を算出する際に設定される区間容量検査開始電圧Vaおよび区間容量検査終了電圧Vbの値により変化する。
従って、区間容量検査開始電圧Vaおよび区間容量検査終了電圧Vbの値は、算出する区間容量と二次電池1の全容量との相関係数が高くなる値に設定することにより、算出した区間容量から二次電池1の全容量を高精度に推定することが可能となり、区間容量を用いて行う容量検査の検査精度を高めることができる。
なお、算出する区間容量と二次電池1の全容量との相関係数を求める際には、良品であることが既知であるモデル二次電池について求めた区間容量および全容量のデータを用いて相関係数を算出する。
図8には、二次電池1の区間容量と全容量との相関係数が高くなるように、区間容量検査開始電圧Vaおよび区間容量検査終了電圧Vbを設定した場合の、二次電池1の区間容量と全容量との相関性を示している。
図8によれば、区間容量検査開始電圧Vaを3.62Vに設定するとともに、区間容量検査終了電圧Vbを3.44Vに設定することで、区間容量と全容量との相関係数として0.988といった高い値が得られている。
また、前述のように、二次電池1について測定した第一の電圧変化量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2を用いて算出される導電率は、二次電池1の出力と相関を有しているが、その相関度合いは、第一の電圧変化量ΔV1を算出する直前の放電停止時における二次電池1の電圧V3の値、ならびに第二の電圧降下量ΔV2を算出する際の所定の電圧V4、および所定の電圧V4に達した時刻t4から時刻t5までの経過時間T2の値により変化する。
従って、第一の電圧変化量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2を算出する際には、例えば良品であることが既知であるモデル二次電池の出力と導電率との相関係数を、種々の所定の電圧V3ならびに、所定の電圧V2および経過時間T1の場合について予め算出しておき、これらを用いて、所定の電圧V3ならびに、所定の電圧V2および経過時間T1の値を、前記モデル二次電池の出力と導電率との相関係数が高くなる値に設定するようにしている。
つまり、電圧V3の値により変化する第一の電圧変化量ΔV1、ならびに電圧V2および経過時間T1の値により変化する第二の電圧降下量ΔV2を、前記モデル二次電池の出力と導電率との相関係数が高くなるように最適化している。
そして、前記モデル二次電池の出力と、最適化した第一の電圧変化量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2を用いて算出される導電率との相関関係に基づいて、二次電池1の出力の判定基準となる前記基準導電率を設定している。
このように、最適化された条件にて測定した第一の電圧変化量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2を用いて、導電率算出手段73により二次電池1の導電率を算出し、算出した導電率から、出力推定手段74により前記相関係数に基づいて二次電池1の出力を推定したうえで、良否判定手段75により二次電池1の良品判断を行う。
なお、第一の電圧変化量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2の最適化は、例えば演算手段7の出力推定手段74により行うことができる。
これにより、算出した導電率から、モデル二次電池の出力と導電率との相関関係を用いて、二次電池1の出力を高精度に推定することが可能となり、算出した導電率を用いて二次電池1の出力検査を高精度に行うことができる。
また、電圧V3の値と、電圧V4および経過時間T2の値との何れか一方を前記モデル二次電池の出力と導電率との相関係数が高くなる値に設定して最適化することによっても、二次電池1の出力検査を高精度化することができる。
図9には、二次電池1の−30℃での出力と導電率との相関係数が高くなるように、所定の電圧V3の値、ならびに所定の電圧V4および経過時間T2の値を設定した場合の、二次電池1の出力と導電率との相関性を示している。
図9によれば、所定の電圧V3を3.48Vに設定し、所定の電圧V4を3.72Vに設定するとともに、経過時間T2を150秒に設定することで、−30℃での出力と導電率との相関係数として0.965といった高い値が得られている。
ここで、二次電池1における電気的な抵抗成分としては、主に直流抵抗成分、反応抵抗成分、および拡散抵抗成分の3つの抵抗成分がある。
直流抵抗成分は、正極および負極の集電体の抵抗や、正極および負極における活物質と集電体との間や活物質間で電荷が伝達される際の抵抗である。
反応抵抗成分は、Liイオンの正極および負極への入り易さ、即ち電解液と正極および負極における活物質界面での電荷の移動抵抗のことである。
拡散抵抗成分は、Liイオンの正極および負極における活物質内への拡散のし易さ、即ちLiイオンの前記活物質内への拡散に起因する抵抗である。
上記各抵抗成分のうち、直流抵抗成分は、電圧変化に対して応答が早い抵抗成分であり、放電曲線における放電開始直後にのみ含まれている。
図5に示す放電曲線においては、放電開始から任意の電圧となった時点(例えば電圧V3となった時点)で所定時間(例えば1秒間)放電を停止することにより、それまでの放電期間に過剰に低下していた電圧分が回復して、電圧が上昇する。
従って、直流抵抗成分は、図5に示す放電曲線における放電開始直後(時刻t0から所定の時間(例えば1秒))、および放電停止後の放電再開時(例えば、第一の電圧降下量ΔV1を測定する部分)にのみ含まれることとなる。
即ち、放電開始直後、または放電開始直後以降の任意電圧における放電再開時に測定した第一の電圧降下量ΔV1には、前記直流抵抗成分および反応抵抗成分が反映されることとなる。
また、反応抵抗成分は、二次電池1のSOC(State of Charge)に応じて変化するため、放電途中の任意の時点での放電再開時に第一の電圧降下量ΔV1を測定することにより、任意の電圧およびSOCにおける直流抵抗および反応抵抗を考慮して二次電池1の導電率を算出することが可能となる。
従って、放電停止後の放電再開時に第一の電圧降下量ΔV1を測定する場合は、電圧降下量ΔV1を測定する際の放電停止電圧を適宜最適な値に設定することで、放電開始直後に第一の電圧降下量ΔV1を測定した場合に比べて、直流抵抗成分と反応抵抗成分との影響を、より二次電池1の導電率に反映させることができる。
また、第一の電圧降下量ΔV1を測定した時点(時刻t3)以降において、二次電池1の電圧が所定の電圧V4に達した時刻t4から一定時間経過後の時刻t5となるまでの間の第二の電圧降下量ΔV2(時間T2における第二の電圧降下量ΔV2)に、前記反応抵抗成分および拡散抵抗成分が反映されている。
反応抵抗成分および拡散抵抗成分については、放電中のSOC変化および温度変化により、正極および負極の抵抗寄与率が変化するため、第二の電圧降下量ΔV2の読取開始電圧である電圧V4と、第二の電圧降下量ΔV2の計測時における経過時間である時間T2とを適宜最適な値に設定することで、反応抵抗成分および拡散抵抗成分の影響を考慮して二次電池1の導電率を算出することが可能となる。
このように、本実施形態における出力検査では、任意の電圧V3での放電停止後の放電再開時に第一の電圧降下量ΔV1を測定するとともに、第一の電圧降下量ΔV1を測定した電圧よりも低い任意の電圧V4に到達した時点から、所定時間T2経過した時点までの第二の電圧降下量ΔV2を測定するように構成しているので、第一の電圧降下量ΔV1、および第二の電圧降下量ΔV2の値を最適化したうえで二次電池1の導電率を算出して、前記導電率から二次電池1の出力を高精度に推定することができ、出力検査を高精度に行うことが可能となっている。
また、本実施形態における出力検査では、第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2の両方を最適化することにより、出力検査の高精度化を図っているが、第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2の何れか一方を最適化することによっても出力検査の精度を向上することが可能である。
なお、初期充電を終えた二次電池を1度だけ放電させることにより、容量と出力との測定を同時に行って、二次電池1の検査の検査時間を短縮させる場合、前記放電途中での放電停止を行わず、初期電圧Vsから放電終了電圧Veの範囲内において、二次電池1が任意の電圧に達してから所定時間が経過した時点までの電圧降下量ΔVを算出し、算出した電圧降下量ΔVと相関を有する二次電池1の出力の良否を判定することが考えられる。
しかし、例えば前記電圧降下量ΔVを算出する区間を、放電開始直後以降の区間に設定した場合(即ち、電圧降下量ΔVの算出開始電圧が放電開始時の電圧でない場合)は、二次電池1の反応抵抗成分および拡散抵抗成分のみが考慮され、二次電池1の直流抵抗成分が考慮されない出力検査を行うこととなるため、直流抵抗成分および反応抵抗成分が反映された第一の電圧降下量ΔV1と、反応抵抗成分および拡散抵抗成分が反映された第二の電圧降下量ΔV2とを用いた本実施形態における出力検査の場合に比べて、二次電池1の導電率と出力との相関性が低くなり、出力検査の精度が低下することになる。
また、第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2を用いて導電率を算出して二次電池1の出力検査を行う際に、第一の電圧降下量ΔV1の測定を放電開始直後に行った場合は、第一の電圧降下量ΔV1に含まれる反応抵抗成分のSOCによる変化を考慮することができないため、第一の電圧降下量ΔV1を任意電圧V3での放電停止後の放電再開時に測定する本実施形態の出力検査の場合に比べて、二次電池1の導電率と出力との相関性が低くなり、出力検査の精度が低下することになる。
次に、本実施形態における検査方法により、二次電池1の検査を実施した場合に、高い精度で検査ができているかを検証した結果について説明する。
まず、本実施形態の検査方法による検査を実施した二次電池1としては、電極長を変更することにより設計容量を0〜3%の範囲で4水準に変化させたサンプルを11個用いた。
検査実施例として、これらの各サンプルを、25℃の環境下で、4.0Vから2.5Vまで2.4Cにて放電させた。また、この放電途中では、3.68V、3.61V、3.57V、3.54V、3.51V、3.48V、3.44V、3.37Vで、それぞれ放電を1秒間停止させた。
<容量検査について>
前述の検査実施例とは別に、各サンプルを、4.1V(SOC100%)から3.0V(SOC0%)までCV放電を行って、各サンプルの全容量を測定した。
また、前記検査実施例での放電データを用いて、各サンプルについて、区間容量検査開始電圧Vaを3.62Vに設定し、区間容量検査終了電圧Vbを3.44Vに設定して、区間容量検査開始電圧Vaから区間容量検査終了電圧Vbまでの区間容量を算出した。
そして、各サンプルについて、測定した全容量と算出した区間容量とを比較し、両者の相関性の確認を行った。
この確認の結果、測定した全容量と算出した区間容量との相関係数は0.988と高い値を示した(図8参照)ことから、両者間には高い相関性があることがわかった。
従って、例えば、区間容量検査開始電圧Vaを3.62Vに設定し、区間容量検査終了電圧Vbを3.44Vに設定して算出した区間容量を用いて、二次電池1の全容量の良否判定を高精度に行うことが可能となる。
<出力検査について>
前述の検査実施例とは別に、各サンプルについて、二次電池1の−30℃、0℃および25℃での出力を測定した。
また、前記検査実施例での放電データを用いて、各サンプルについて、二次電池1の出力と導電率との相関係数が高くなるように最適化した第一の電圧変化量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2を用いて、二次電池1の導電率を算出した。
具体的には、二次電池1の放電停止電圧である電圧V3を3.48Vに設定するとともに、放電再開時の時刻t2から時刻t3までの時間T1を1秒に設定したうえで第一の電圧降下量ΔV1を測定し、また二次電池1の電圧V4を3.72Vに設定するとともに、電圧V4に達してからの時間T2を150秒に設定したうえで第二の電圧降下量ΔV2を測定して、二次電池1の導電率を算出した。
そして、各サンプルについて、算出した導電率と測定した出力のうちの−30℃の出力とを比較し、両者の相関性の確認を行った。
図9に示すグラフは、上記条件(V3=3.48V,T1=1秒、V4=3.72V、T2=150秒)における各サンプルの導電率と、−30℃での二次電池1の出力との相関を表したものである。
図9によれば、出力と導電率との相関係数は0.965と高い値を示しており、両者間には高い相関性があることがわかる。
従って、二次電池1の−30℃での出力を検査するときには、電圧V3を3.48Vに設定するとともに時間T1を1秒に設定したうえで第一の電圧降下量ΔV1を測定し、また電圧V4を3.72Vに設定するとともに、時間T2を150秒に設定したうえで第二の電圧降下量ΔV2を測定して、導電率算出手段73により二次電池1の導電率を算出することで、導電率と出力との高い相関性を得ることができ、算出した導電率から、出力推定手段74により高精度に二次電池1の出力を推定することができる。
さらに、算出した導電率から前記出力を高精度に推定したうえで、算出した導電率を用いて良否判定手段75により二次電池1の出力の良否判定を行うことで、二次電池1の良否判定を高精度に行うことが可能となる。
次に、算出した導電率と二次電池1の出力との相関性が、第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2を最適化することにより向上することを確認した。
図10には、極低温(−30℃)における、二次電池1の出力と算出した導電率との相関係数の、第二の電圧降下量ΔV2を測定する際の時間T2による変化を、第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2の両方を最適化した場合(ΔV1、ΔV2最適化)、第一の電圧降下量ΔV1のみを最適化した場合(ΔV1最適化)、ならびに第二の電圧降下量ΔV2のみを最適化した場合(ΔV2最適化)について表している。また、第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2を最適化せずに、放電開始時からの電圧降下量を第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2として用いて導電率を算出した場合の相関係数を比較例(ref)として表している。
第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2の両方を最適化した場合(ΔV1、ΔV2最適化)のグラフは、第一の電圧降下量ΔV1を最適化して、第一の電圧降下量ΔV1を測定する直前の放電停止電圧である電圧V3を3.48Vに設定するとともに、第二の電圧降下量ΔV2を最適化して、第二の電圧降下量ΔV2の読取開始電圧である電圧V4を3.72Vに設定したものである。
第一の電圧降下量ΔV1のみを最適化した場合(ΔV1最適化)のグラフは、第二の電圧降下量ΔV2の読取開始電圧である電圧V4を放電開始時の電圧である4.0Vに固定しつつ、第一の電圧降下量ΔV1を最適化して、第一の電圧降下量ΔV1を測定する直前の放電停止電圧である電圧V3を3.48Vに設定したものである。
第二の電圧降下量ΔV2のみを最適化した場合(ΔV2最適化)のグラフは、第一の電圧降下量ΔV1の測定開始電圧を放電開始時の電圧である4.0Vに固定しつつ、第二の電圧降下量ΔV2を最適化して、第二の電圧降下量ΔV2の読取開始電圧である電圧V4を3.72Vに設定したものである。
比較例(ref)のグラフは、第一の電圧降下量ΔV1の測定開始電圧、および第二の電圧降下量ΔV2の読取開始電圧である電圧V4を、放電開始時の電圧である4.0Vに固定した場合のものである。
図10によれば、第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2の両方を最適化した場合は、第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2を最適化していない比較例の場合に対して、二次電池1の出力と算出した導電率との相関性が大きく向上している。
また、第一の電圧降下量ΔV1のみを最適化した場合、および第二の電圧降下量ΔV2のみを最適化した場合は、第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2を最適化していない比較例の場合に対して、第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2の両方を最適化した場合ほどではないが、二次電池1の出力と算出した導電率との相関性が向上している。
これにより、第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2を最適化して導電率を算出することにより、二次電池1の極低温(−30℃)での出力と導電率との相関性を大幅に向上させることができ、高い検査精度での出力検査を行い得ることがわかる。
また、第一の電圧降下量ΔV1のみを最適化した場合、および第二の電圧降下量ΔV2のみを最適化した場合も、二次電池1の極低温(−30℃)での出力と導電率との相関性が向上し、出力検査を高精度化させ得ることがわかる。
図11には、低温(0℃)における、二次電池1の出力と算出した導電率との相関係数の、第二の電圧降下量ΔV2を測定する際の時間T2による変化を、第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2の両方を最適化した場合(ΔV1、ΔV2最適化)、第一の電圧降下量ΔV1のみを最適化した場合(ΔV1最適化)、ならびに第二の電圧降下量ΔV2のみを最適化した場合(ΔV2最適化)について表している。また、第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2を最適化せずに、放電開始時からの電圧降下量を第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2として用いて導電率を算出した場合の相関係数を比較例(ref)として表している。
第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2の両方を最適化した場合(ΔV1、ΔV2最適化)のグラフは、第一の電圧降下量ΔV1を最適化して、第一の電圧降下量ΔV1を測定する直前の放電停止電圧である電圧V3を3.48Vに設定するとともに、第二の電圧降下量ΔV2を最適化して、第二の電圧降下量ΔV2の読取開始電圧である電圧V4を3.58Vに設定したものである。
第一の電圧降下量ΔV1のみを最適化した場合(ΔV1最適化)のグラフは、第二の電圧降下量ΔV2の読取開始電圧である電圧V4を放電開始時の電圧である4.0Vに固定しつつ、第一の電圧降下量ΔV1を最適化して、第一の電圧降下量ΔV1を測定する直前の放電停止電圧である電圧V3を3.48Vに設定したものである。
第二の電圧降下量ΔV2のみを最適化した場合(ΔV2最適化)のグラフは、第一の電圧降下量ΔV1の測定開始電圧を放電開始時の電圧である4.0Vに固定しつつ、第二の電圧降下量ΔV2を最適化して、第二の電圧降下量ΔV2の読取開始電圧である電圧V4を3.58Vに設定したものである。
比較例(ref)のグラフは、第一の電圧降下量ΔV1の測定開始電圧、および第二の電圧降下量ΔV2の読取開始電圧である電圧V4を、放電開始時の電圧である4.0Vに固定した場合のものである。
図11によれば、第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2の両方を最適化した場合は、第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2を最適化していない比較例の場合に対して、二次電池1の出力と算出した導電率との相関性が大きく向上している。
また、第一の電圧降下量ΔV1のみを最適化した場合、および第二の電圧降下量ΔV2のみを最適化した場合は、第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2を最適化していない比較例の場合に対して、第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2の両方を最適化した場合ほどではないが、二次電池1の出力と算出した導電率との相関性が向上している。
これにより、第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2を最適化して導電率を算出することにより、二次電池1の低温(0℃)での出力と導電率との相関性を大幅に向上させることができ、高い検査精度での出力検査を行い得ることがわかる。
また、第一の電圧降下量ΔV1のみを最適化した場合、および第二の電圧降下量ΔV2のみを最適化した場合も、二次電池1の低温(0℃)での出力と導電率との相関性が向上し、出力検査を高精度化させ得ることがわかる。
図12には、常温(25℃)における、二次電池1の出力と算出した導電率との相関係数の、第二の電圧降下量ΔV2を測定する際の時間T2による変化を、第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2の両方を最適化した場合(ΔV1、ΔV2最適化)、第一の電圧降下量ΔV1のみを最適化した場合(ΔV1最適化)、ならびに第二の電圧降下量ΔV2のみを最適化した場合(ΔV2最適化)について表している。また、第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2を最適化せずに、放電開始時からの電圧降下量を第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2として用いて導電率を算出した場合の相関係数を比較例(ref)として表している。
第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2の両方を最適化した場合(ΔV1、ΔV2最適化)のグラフは、第一の電圧降下量ΔV1を最適化して、第一の電圧降下量ΔV1を測定する直前の放電停止電圧である電圧V3を3.37Vに設定するとともに、第二の電圧降下量ΔV2を最適化して、第二の電圧降下量ΔV2の読取開始電圧である電圧V4を3.52Vに設定したものである。
第一の電圧降下量ΔV1のみを最適化した場合(ΔV1最適化)のグラフは、第二の電圧降下量ΔV2の読取開始電圧である電圧V4を放電開始時の電圧である4.0Vに固定しつつ、第一の電圧降下量ΔV1を最適化して、第一の電圧降下量ΔV1を測定する直前の放電停止電圧である電圧V3を3.37Vに設定したものである。
第二の電圧降下量ΔV2のみを最適化した場合(ΔV2最適化)のグラフは、第一の電圧降下量ΔV1の測定開始電圧を放電開始時の電圧である4.0Vに固定しつつ、第二の電圧降下量ΔV2を最適化して、第二の電圧降下量ΔV2の読取開始電圧である電圧V4を3.52Vに設定したものである。
比較例(ref)のグラフは、第一の電圧降下量ΔV1の測定開始電圧、および第二の電圧降下量ΔV2の読取開始電圧である電圧V4を、放電開始時の電圧である4.0Vに固定した場合のものである。
図12によれば、第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2の両方を最適化した場合は、第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2を最適化していない比較例の場合に対して、二次電池1の出力と算出した導電率との相関性が大きく向上している。
また、第一の電圧降下量ΔV1のみを最適化した場合、および第二の電圧降下量ΔV2のみを最適化した場合は、第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2を最適化していない比較例の場合に対して、第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2の両方を最適化した場合ほどではないが、二次電池1の出力と算出した導電率との相関性が向上している。
これにより、第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2を最適化して導電率を算出することにより、二次電池1の常温(25℃)での出力と導電率との相関性を大幅に向上させることができ、高い検査精度での出力検査を行い得ることがわかる。
また、第一の電圧降下量ΔV1のみを最適化した場合、および第二の電圧降下量ΔV2のみを最適化した場合も、二次電池1の常温(25℃)での出力と導電率との相関性が向上し、出力検査を高精度化させ得ることがわかる。
以上のように、本実施形態の検査方法によれば、初期電圧Vsから任意の電圧V3まで放電した時点で放電を停止し、放電再開時から所定時間T1経過後までの二次電池1の第一の電圧降下量ΔV1を測定するとともに、二次電池1の電圧が、初期電圧Vs以下かつ放電終了電圧Ve以上である任意の電圧V4に到達した時点から、所定時間T2経過した時点までの第二の電圧降下量ΔV2を測定して、測定した第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2を用いて二次電池1の導電率を算出するように構成しているので、導電率を算出する際の第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2を最適化して、極低温(−30℃)、低温(0℃)、および常温(25℃)のいずれの場合においても、二次電池1の出力と導電率との相関性を大幅に向上させることができ、幅広い温度領域の出力を高精度で検査することが可能となっている。
同様に、第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2の一方を最適化させて、二次電池1の出力と導電率との相関性を向上させることができ、極低温(−30℃)から常温(25℃)までの幅広い温度領域の出力を高精度で検査することが可能となっている。
1 二次電池
2 電池ケース
3 電極体
5 検査装置
6 充放電装置
7 演算手段
71 区間容量算出手段
72 電圧降下量測定手段
73 導電率算出手段
74 出力推定手段
75 良否判定手段
Vs 初期電圧
Ve 放電終了電圧
Va 区間容量検査開始電圧
Vb 区間容量検査終了電圧
ΔV1 第一の電圧変化量
ΔV2 第二の電圧変化量

Claims (2)

  1. 初期充電を終えた二次電池を所定の初期電圧Vsから放電終了電圧Veまで、所定の放電電流Iにて放電する放電工程を、一度だけ行うことによって、前記二次電池の容量検査と出力検査とを行う二次電池の検査方法であって、
    前記出力検査は、
    前記初期電圧Vsから任意の電圧V3まで放電した時点で所定時間Tsの間放電を停止する工程と、
    前記放電の停止後に放電を再開し、放電再開時から所定時間T1経過後までの前記二次電池の第一の電圧降下量ΔV1を測定する工程と、
    前記二次電池の電圧が、前記初期電圧Vs以下かつ放電終了電圧Ve以上である任意の電圧V4に到達した時点から、所定時間T2経過した時点までの第二の電圧降下量ΔV2を測定する工程と、
    前記放電電流I、第一の電圧降下量ΔV1、および第二の電圧降下量ΔV2から、前記二次電池の導電率を算出する工程と、
    算出した前記導電率を予め設定した閾値と比較することにより、前記導電率と相関を有する前記二次電池の出力の良否を判定する工程とを備える、
    ことを特徴とする二次電池の検査方法。
  2. 初期充電を終えた二次電池を所定の初期電圧Vsから放電終了電圧Veまで、所定の放電電流Iにて放電する放電工程を、一度だけ行うことによって、前記二次電池の容量検査と出力検査とを行う二次電池の検査装置であって、
    前記二次電池に対する充放電を行う充放電装置と、
    前記二次電池の放電時における電圧降下量を測定する電圧降下量測定手段と、
    前記電圧降下量測定手段にて測定した電圧降下量を用いて前記二次電池の導電率を算出する導電率算出手段と、
    前記導電率算出手段にて算出した前記導電率を予め設定した閾値と比較することにより、前記導電率と相関を有する前記二次電池の出力の良否を判定する判定手段とを備え、
    前記充放電装置は、前記初期電圧Vsから任意の電圧V3まで放電した時点で所定時間Tsの間放電を停止するとともに、前記放電の停止後に放電を再開し、
    前記電圧降下量測定手段は、放電再開時から所定時間T1経過後までの前記二次電池の第一の電圧降下量ΔV1、および前記二次電池の電圧が、前記初期電圧Vs以下かつ放電終了電圧Ve以上である任意の電圧V4に到達した時点から、所定時間T2経過した時点までの第二の電圧降下量ΔV2を測定し、
    前記導電率算出手段は、前記放電電流I、第一の電圧降下量ΔV1、および第二の電圧降下量ΔV2から、前記二次電池の導電率を算出する、
    ことを特徴とする二次電池の検査装置。
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