JP5880972B2 - 二次電池の検査方法 - Google Patents

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Description

本発明は、二次電池の検査工程において、二次電池の検査時間を短縮することができる二次電池の検査方法に関する。
従来、リチウムイオン二次電池などの二次電池を製造して出荷する際には、前記二次電池の容量や出力などの初期特性を検査工程にて検査することが行われている。
前記検査工程において、例えば二次電池の容量および出力の検査を行う際には、まず、初期充電を行って二次電池を活性化させる活性化処理や高温エージング処理の後に、二次電池を規定電圧まで放電して容量を測定する。その後、二次電池の温度調整および電圧(SOC)調整を行い、規定電流で任意時間放電してIV抵抗を測定することにより、二次電池の出力を測定していた。
また、特許文献1に示す二次電池の製造工程においては、二次電池に対して高温エージング処理や活性化処理を行った後に、所定時間の放置処理(第1のバッファ処理)を経たうえで電池容量の検査が行われる。その後、更に所定時間の放置処理(第2のバッファ処理)を行ったうえで、開路電圧(OCV)の測定を行うとともに、電流容量値に応じて二次電池を選別して、二次電池を出荷することが行われていた。
特開平10−289729号公報
前述のように、二次電池の容量測定および出力測定を行う検査工程においては、容量を測定するために行う放電と、出力を測定するために行う放電とを別々に実施していたため、多くの検査時間を要することとなっていた。
また、特許文献1に記載の検査工程においては、電池容量の検査を行った後に、放置処理や開路電圧の測定を行っているので、容量測定後に二次電池のSOC調整や温度調整を行う必要があり、検査工程に多くの時間を要することとなっていた。
そこで、本発明においては、検査時間を短縮して検査工程に要するコストを削減しつつ、高精度な検査を行うことができる、二次電池の検査方法を提供するものである。
上記課題を解決する二次電池の検査方法は、以下の特徴を有する。
即ち、請求項1記載の如く、初期充電を終えた二次電池を所定の初期電圧Vsから放電終了電圧Veまで、所定の放電電流Iにて放電する放電工程を、一度だけ行うことによって、前記二次電池の容量検査と出力検査とを行う二次電池の検査方法であって、前記出力検査は、前記放電工程の開始時から一定時間経過後までの前記二次電池の第一の電圧降下量ΔV1を測定する工程と、前記二次電池の電圧が、前記第一の電圧降下量ΔV1を測定した電圧よりも低い電圧である任意の電圧V2に到達した時点から、一定時間T2経過した時点までの第二の電圧降下量ΔV2を測定する工程と、前記放電電流I、第一の電圧降下量ΔV1、および第二の電圧降下量ΔV2から、前記二次電池の導電率を算出する工程と、算出した前記導電率を予め設定した閾値と比較することにより、前記導電率と相関を有する前記二次電池の出力の良否を判定する工程とを備える。
また、請求項2記載の如く、前記容量検査は、前記初期電圧Vsと放電終了電圧Veとの範囲内にて、所定の検査開始電圧Vaから、前記検査開始電圧Vaよりも低い検査終了電圧Vbまでの区間を、区間容量の検査区間として設定し、前記放電工程における電流値I、および前記検査開始電圧Vaから検査終了電圧Vbとなるまでの放電時間Taから電流積算量を算出して、前記二次電池の区間容量を測定する工程と、測定した前記区間容量を予め設定した閾値と比較することにより、前記区間容量と相関を有する前記二次電池の全容量の良否を判定する工程とを備える。
また、請求項3記載の如く、前記出力検査は、前記二次電池における−30℃〜25℃の範囲の出力について行う。
本発明によれば、二次電池の検査方法において、検査時間を短縮して検査工程に要するコストを削減しつつ、高精度な検査を行うことが可能となる。
本発明係る二次電池の検査方法の対象となる二次電池を示す斜視図である。 二次電池の検査方法のフローを示す図である。 二次電池の放電曲線を用いた二次電池の区間容量の求め方を示す図である。 二次電池の放電曲線を用いた二次電池の導電率の求め方を示す図である。 二次電池の全容量の保証値と基準区間容量との関係を示す図である。 二次電池の出力の保証値と基準導電率との関係を示す図である。 区間容量検査開始電圧を3.64V、区間容量検査終了電圧を3.39Vとしたときの、区間容量と全容量との相関性を示す図である。 放電開始から0.1秒経過後の電圧降下量ΔV1と、電池電圧が3.54Vに達してから200秒経過後の電圧降下量ΔV2との積算電圧降下量から算出した導電率と−30℃での出力との相関性を示す図である。 電圧V2と経過時間T1とを種々変化させた場合の、二次電池の導電率と、−30℃での二次電池の出力との相関係数を示す図である。 電圧V2と経過時間T1とを種々変化させた場合の、二次電池の導電率と、25℃での二次電池の出力との相関係数を示す図である。
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
図1に示す、本実施形態に係る二次電池の検査方法の対象となる二次電池1は、例えばリチウムイオン二次電池に構成されており、一面(上面)が開口した有底角筒形状のケース本体21と、平板状に形成されケース本体21の開口部を閉塞する蓋体22とで構成される電池ケース2に、電解液とともに電極体3を収容して構成されている。
電池ケース2は、一面(上面)が開口した直方体状の有底角筒形状に形成されるケース本体21の開口部を、平板状の蓋体22にて閉塞した角型ケースに構成されている。
蓋体22の長手方向一端部(図1における左端部)には正極端子4aが設けられ、蓋体22の長手方向他端部(図1における右端部)には負極端子4bが設けられている。
電極体3は、正極、負極、およびセパレータを、正極と負極との間にセパレータが介在するように積層し、積層した正極、負極、およびセパレータを巻回して扁平させることにより構成されている。なお、二次電池1における正極の正極活物質としては、例えばLi(Ni、Mn、Co)O2系活物質などの三元系活物質を用いることができる。
電池ケース2に電極体3および電解液を収容して二次電池1を構成する際には、まず電極体3の正極および負極に、それぞれ蓋体22の正極端子4aおよび負極端子4bを接続して、電極体3を蓋体22に組み付けて、蓋体サブアッシーを形成する。
その後、電極体3および電解液をケース本体21内に収容するとともに、ケース本体21の開口部に蓋体22を嵌合して、蓋体22とケース本体21とを溶接により密封することにより、二次電池1を構成する。
このように構成される二次電池1は、製造時の検査工程において、その初期特性である容量および出力の検査が行われる。
二次電池1の容量および出力の検査は、図2に示すフローのように、初期充電を終えた二次電池1を1度だけ放電させることにより行われる。
検査工程における二次電池1の容量および出力の検査方法について、以下に具体的に説明する。
図3、図4に示すように、容量および出力の検査を行う際には、まず、初期充電を終えた二次電池1を所定の初期電圧Vs(例えば、4.0V)から、放電終了電圧Ve(例えば、2.5V)まで、所定の電流値I(例えば、2.4C)にて放電を行う(S01)。
この場合、二次電池1の放電開始電圧(初期電圧Vs)は、3.6V〜4.1Vに設定することが好ましく、さらには3.95V〜4.1Vに設定することがより好ましい。また、放電電流は、1C〜10Cに設定することが好ましく、さらには2C〜6Cに設定することがより好ましい。また、検査温度は、10℃〜40℃に設定することが好ましく、さらには20℃〜30℃に設定することがより好ましい。
なお、図3、図4には二次電池1の放電曲線を示しており、横軸は時間を示し、縦軸は放電時電池電圧を示している。
次に、図3に示すように、区間容量の検査区間として、区間容量検査開始電圧Vaおよび区間容量検査終了電圧Vb(Va>Vb)を、初期電圧Vsから放電終了電圧Veの範囲内にて設定し、前記ステップS01にて放電した際の放電電流値I、および二次電池1が区間容量検査開始電圧Vaの状態にある区間容量検査開始時刻taから、区間容量検査終了電圧Vbの状態にある区間容量検査終了時刻tbまでの放電時間Taを用いて、二次電池1の区間容量を算出する(S02)。
具体的には、前記放電電流値Iと放電時間Taとを用いて、区間容量検査開始電圧Vaから区間容量検査終了電圧Vbまでの電圧区間における積算電流量(I×Ta)を求めることにより二次電池1の区間容量を算出する。
また、図4に示すように、初期電圧Vsから放電終了電圧Veの範囲内において、二次電池1の電圧が初期電圧Vsにある放電開始時の時刻t0から一定時間経過後の時刻t1における二次電池1の電圧V1を測定し、初期電圧Vsから電圧V1を減じることで、時刻t0から時刻t1までの第一の電圧降下量ΔV1を算出する。
同様に、初期電圧Vsから放電終了電圧Veの範囲内において、二次電池1の電圧が、第一の電圧降下量ΔV1を測定した電圧(電圧V1)よりも低い電圧である所定の電圧V2に達した時刻t2から、一定時間経過後の時刻t3における二次電池1の電圧V3を測定し、電圧V2から電圧V3を減じることで、時刻t2から時刻t3までの(経過時間T1における)第二の電圧降下量ΔV2を算出する。
さらに、前記放電電流値Iを第一の電圧降下量ΔV1と第二の電圧降下量ΔV2との積算値にて除することにより、二次電池1の導電率(=I/(ΔV1+ΔV2))を算出する(S02)。
なお、二次電池1の導電率とは、二次電池1における電流の流れ易さを表す指標となるものであり、抵抗の逆数にて表される。
そして、算出した前記区間容量と予め設定しておいた閾値となる基準区間容量とを比較するとともに、算出した導電率と予め設定しておいた閾値となる基準導電率とを比較する(S03)。
ここで、図5に示すように、二次電池1の前記区間容量は、二次電池1の全容量(SOC100%から0%まで放電させた場合に測定される容量)と相関を有するものであり、二次電池1において保証する全容量(全容量の保証値)に対応する区間容量を基準区間容量として設定している。
従って、ステップS02にて算出した区間容量と基準区間容量とをステップS03にて比較した際に、区間容量が基準区間容量以上であれば、当該二次電池1の全容量が必要性能を満たしているとして、検査合格と判定することが可能となる。
また、図6に示すように、二次電池1の前記導電率は、二次電池1の出力と相関を有するものであり、二次電池1において保証する出力に対応する導電率を基準導電率として設定している。
従って、ステップS02にて算出した導電率と基準導電率とをステップS03にて比較した際に、導電率Vが基準導電率以上であれば、当該二次電池1の出力が必要性能を満たしているとして、検査合格と判定することが可能となる。
ステップS03における前記区間容量と基準区間容量との比較、および前記導電率と基準導電率との比較の結果、前記区間容量が基準区間容量以上であるとともに、前記導電率が基準導電率以上であって、区間容量と導電率との両者が基準値を達成していると判断した場合には(S04)、当該二次電池1は全容量および出力の両方が必要性能を満たしており、良品(出荷可能)であると判定する(S05)。
一方、ステップS03における前記比較の結果、少なくとも前記区間容量が基準区間容量よりも少ないか、または前記導電率が基準導電率よりも小さくて、区間容量および導電率の少なくとも何れか一方が基準値を達成していないと判断した場合には(S04)、当該二次電池1は少なくとも全容量または出力の何れかが必要性能を満たしていないと判断し、不良品(出荷不可)であると判定する(S06)。
このように、本実施形態の二次電池1の検査方法においては、二次電池1を1度だけ放電させて、全容量および出力の検査を同時に行うようにしている。また、出力検査は、二次電池1のIV抵抗を測定することなく、容量測定に用いられる放電結果(放電曲線)を用いて導電率を算出することにより行っている。
これにより、二次電池1の検査時間を短縮して、検査工程に要するコストを削減することが可能となっている。
前述のように、二次電池1について算出する区間容量は、二次電池1の全容量と相関を有しているが、その相関度合いは、区間容量を算出する際に設定される区間容量検査開始電圧Vaおよび区間容量検査終了電圧Vbの値により変化する。
従って、区間容量検査開始電圧Vaおよび区間容量検査終了電圧Vbの値は、算出する区間容量と二次電池1の全容量との相関係数が高くなる値に設定することにより、区間容量を用いて行う容量検査の検査精度を高めることができる。
なお、算出する区間容量と二次電池1の全容量との相関係数を求める際には、良品であることが既知であるモデル二次電池について求めた区間容量および全容量のデータを用いて相関係数を算出する。
図7には、二次電池1の区間容量と全容量との相関係数が高くなるように、区間容量検査開始電圧Vaおよび区間容量検査終了電圧Vbを設定した場合の、二次電池1の区間容量と全容量との相関性を示している。
図7によれば、区間容量検査開始電圧Vaを3.46Vに設定するとともに、区間容量検査終了電圧Vbを3.39Vに設定することで、区間容量と全容量との相関係数として0.981といった高い値が得られている。
また、前述のように、二次電池1について測定した第一の電圧変化量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2を用いて算出される導電率は、二次電池1の出力と相関を有しているが、その相関度合いは、第二の電圧降下量ΔV2を算出する際の所定の電圧V2、および所定の電圧V2に達した時刻t2から時刻t3までの経過時間T1の値により変化する。
従って、第二の電圧降下量ΔV2を算出する際には、例えば良品であることが既知であるモデル二次電池の出力と導電率との相関係数を、種々の所定の電圧V2および経過時間T1の場合について予め算出しておき、これらを用いて、所定の電圧V2および経過時間T1の値を、前記モデル二次電池の出力と導電率との相関係数が高くなる値に設定するようにしている。
これにより、算出した導電率を用いて二次電池1の出力検査を高精度に行うことが可能となる。
図8には、二次電池1の−30℃での出力と導電率との相関係数が高くなるように、所定の電圧V2および経過時間T1の値を設定した場合の、二次電池1の出力と導電率との相関性を示している。
図8によれば、所定の電圧V2を3.54Vに設定するとともに、経過時間T1を200秒に設定することで、−30℃での出力と導電率との相関係数として0.916といった高い値が得られている。なお、図8においては、放電開始直後の電圧降下量ΔV1として、放電開始から0.1秒経過後の電圧降下量を用いている。
ここで、二次電池1における電気的な抵抗成分としては、主に直流抵抗成分、反応抵抗成分、および拡散抵抗成分の3つの抵抗成分がある。
直流抵抗成分は、正極および負極の集電体の抵抗や、正極および負極における活物質と集電体との間や活物質間で電荷が伝達される際の抵抗である。
反応抵抗成分は、Liイオンの正極および負極への入り易さ、即ち電解液と正極および負極における活物質界面での電荷の移動抵抗のことである。
拡散抵抗成分は、Liイオンの正極および負極における活物質内への拡散のし易さ、即ちLiイオンの前記活物質内への拡散に起因する抵抗である。
図4に示す放電曲線においては、放電開始直後(放電開始時の時刻t0から一定時間経過後の時刻t1までの時間)の第一の電圧降下量ΔV1に、前記直流抵抗成分が反映されている。また、放電開始直後以降において、二次電池1の電圧が所定の電圧V2に達した時刻t2から一定時間経過後の時刻t3となるまでの間の第二の電圧降下量ΔV2に、前記反応抵抗成分および拡散抵抗成分が反映されている。
これは、二次電池1の直流抵抗成分が、電圧変化に対して応答が早い抵抗成分であり、放電曲線における放電開始直後の第一の電圧降下量ΔV1を測定する部分にのみ含まれることとなるためである。
そして、本実施形態における出力検査では、直流抵抗成分が反映された放電開始直後の第一の電圧降下量ΔV1と、反応抵抗成分および拡散抵抗成分が反映された放電開始直後以降のタイミングにおける第二の電圧降下量ΔV2とを用いて、二次電池1の導電率を算出することにより出力検査を行っているので、出力検査を高精度に行うことが可能となっている。
即ち、放電開始直後の第一の電圧降下量ΔV1により二次電池1の直流抵抗成分を推定するとともに、放電開始直後以降の第二の電圧降下量ΔV2により二次電池1の反応抵抗成分および拡散抵抗成分を推定することで、第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2を用いて算出した二次電池1の導電率と出力との相関性を高めることができ、高精度な出力検査を行うことが可能となっている。
一方、初期充電を終えた二次電池を1度だけ放電させることにより、容量と出力との測定を同時に行って、二次電池1の検査の検査時間を短縮させる場合、初期電圧Vsから放電終了電圧Veの範囲内において、二次電池1が任意の電圧に達してから所定時間が経過した時点までの電圧降下量ΔVを算出し、算出した電圧降下量ΔVと相関を有する二次電池1の出力の良否を判定することが考えられる。
しかし、例えば前記電圧降下量ΔVを算出する区間を、放電開始直後以降の区間に設定した場合は、二次電池1の反応抵抗成分および拡散抵抗成分のみが考慮され、二次電池1の直流抵抗成分が考慮されない出力検査を行うこととなるため、直流抵抗成分が反映された第一の電圧降下量ΔV1と、反応抵抗成分および拡散抵抗成分が反映された第二の電圧降下量ΔV2とを用いた本実施形態における出力検査の場合に比べて、二次電池1の導電率と出力との相関性が低くなり、出力検査の精度が低下することになる。
また、前記電圧降下量ΔVを算出する区間を、放電開始時から、放電開始直後以降の時点までの区間に設定した場合は、直流抵抗成分が反映された電圧降下量と反応抵抗成分および拡散抵抗成分が反映された電圧降下量とを連続して測定した出力検査を行うこととなるが、二次電池1の放電開始電圧(初期電圧Vs)やSOCが揃っていないため、二次電池1の残存容量の差が電圧降下量に影響することから、直流抵抗成分が反映された第一の電圧降下量ΔV1と、反応抵抗成分および拡散抵抗成分が反映された第二の電圧降下量ΔV2とを別々に測定して行った本実施形態における出力検査の場合に比べて、二次電池1の導電率と出力との相関性が低くなり、出力検査の精度が低下することになる。
このように、本実施形態における二次電池1の検査方法では、直流抵抗成分が反映された第一の電圧降下量ΔV1と、反応抵抗成分および拡散抵抗成分が反映された第二の電圧降下量ΔV2とを用いて二次電池1の導電率を算出することにより、二次電池1の導電率と出力との相関性を高めて、二次電池1の出力検査を高精度に行うようにしている。
次に、本実施形態における検査方法により、二次電池1の検査を実施した場合に、高い精度で検査ができているかを検証した結果について説明する。
まず、本実施形態の検査方法による検査を実施した二次電池1としては、電極長を変更することにより設計容量を0〜2.5%の範囲で4水準に変化させたサンプルを28個用いた。
検査実施例として、これらの各サンプルを、20℃の環境下で、4.0Vから2.5Vまで2.4Cにて一度だけ放電させた。
<容量検査について>
前述の検査実施例とは別に、各サンプルを、4.1V(SOC100%)から3.0V(SOC0%)までCV放電を行って、各サンプルの全容量を測定した。
また、各サンプルについて、区間容量検査開始電圧Vaを3.64Vに設定し、区間容量検査終了電圧Vbを3.4Vに設定して、前記検査実施例での放電データより、区間容量検査開始電圧Vaから区間容量検査終了電圧Vbまでの区間容量を算出した。
そして、各サンプルについて、測定した全容量と算出した区間容量とを比較し、両者の相関性の確認を行った。
この確認の結果、測定した全容量と算出した区間容量との相関係数は0.98と高い値を示したことから、両者間には高い相関性があることがわかった。
従って、例えば、区間容量検査開始電圧Vaを3.64Vに設定し、区間容量検査終了電圧Vbを3.4Vに設定して区間容量を算出することにより、高精度な容量検査を実施することが可能となる。
<出力検査について>
前述の検査実施例とは別に、各サンプルについて、二次電池1の−30℃および25℃での出力を測定した。
次に、各サンプルについて、算出した導電率と、測定した出力のうちの−30℃での出力とを比較し、両者の相関性の確認を行った。
この場合、二次電池1の導電率を算出する際に用いる第一の電圧降下量ΔV1は、放電開始時の時刻t0から一定時間経過後の時刻t1までの時間を0.1秒に設定して求めた。
図9には、電圧V2と経過時間T1とを種々変化させた場合の、二次電池1の導電率と、−30℃での二次電池1の出力との相関係数を示している。
具体的には、二次電池1の導電率と−30℃での二次電池1の出力との相関係数の経過時間T1による変化を、電圧V2を3.82V、3,74V、3.66V、3.62V、3.58V、3.54V、3.50V、および3.46Vとした場合のそれぞれについて示している。
また、放電開始時(t0)から放電開始直後以降の時点までの所定の経過時間Tまでの電圧降下量ΔVを用いて二次電池1の導電率(=I/ΔV)を算出した場合(これは、第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2を連続して測定した場合に相当する)の、二次電池1の導電率と−30℃での二次電池1の出力との相関係数の経過時間Tによる変化を、比較例(ref)として示している。
図9によれば、電圧V2が3.54Vで経過時間T1が200秒付近(図9において丸印で囲んだ部分)である場合に、二次電池1の導電率と出力との相関係数が最も高くなっている。
従って、二次電池1の−30℃での出力を検査する際には、電圧V2および経過時間T1をV2=3.54V、T1=200秒付近に設定したうえで第二の電圧降下量ΔV2を測定して導電率を算出することで、高い検査精度での出力検査を行い得ることがわかる。
つまり、電圧V2および経過時間T1をV2=3.54V、T1=200秒付近に設定したうえで第二の電圧降下量ΔV2を測定して導電率を算出し、算出した導電率を用いて二次電池1の出力検査を行うことで、検査精度を向上させることができる。
また、この条件に設定した場合の二次電池1の導電率と出力との相関係数は、比較例(ref)の相関係数に比べて高くなっており、第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2を別々に測定した場合の方が、第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2を連続して測定した場合に比べて、出力検査の精度を向上できることがわかる。
次に、各サンプルについて、算出した導電率と、測定した出力のうちの25℃での出力とを比較し、両者の相関性の確認を行った。
この場合、二次電池1の導電率を算出する際に用いる第一の電圧降下量ΔV1は、放電開始時の時刻t0から一定時間経過後の時刻t1までの時間を0.1秒に設定して求めた。
図10には、電圧V2と経過時間T1とを種々変化させた場合の、二次電池1の導電率と、25℃での二次電池1の出力との相関係数を示している。
具体的には、二次電池1の導電率と25℃での二次電池1の出力との相関係数の経過時間T1による変化を、電圧V2を3.82V、3,74V、3.66V、3.62V、3.58V、3.54V、3.50V、および3.46Vとした場合のそれぞれについて示している。
また、放電開始時(t0)から放電開始直後以降の時点までの所定の経過時間Tまでの電圧降下量ΔVを用いて二次電池1の導電率(=I/ΔV)を算出した場合(これは、第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2を連続して測定した場合に相当する)の、二次電池1の導電率と25℃での二次電池1の出力との相関係数の経過時間Tによる変化を、比較例(ref)として示している。
図10によれば、電圧V2が3.66Vで経過時間T1が730秒付近(図10において丸印で囲んだ部分)である場合に、二次電池1の導電率と出力との相関係数が最も高くなっている。
従って、二次電池1の25℃での出力を検査する際には、電圧V2および経過時間T1をV2=3.66V、T1=730秒付近に設定したうえで第二の電圧降下量ΔV2を測定して導電率を算出することで、高い検査精度での出力検査を行い得ることがわかる。
つまり、電圧V2および経過時間T1をV2=3.66V、T1=730秒付近に設定したうえで第二の電圧降下量ΔV2を測定して導電率を算出し、算出した導電率を用いて二次電池1の出力検査を行うことで、検査精度を向上させることができる。
また、この条件に設定した場合の二次電池1の導電率と出力との相関係数は、比較例(ref)の相関係数に比べて高くなっており、第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2を別々に測定した場合の方が、第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2を連続して測定した場合に比べて、出力検査の精度を向上できることがわかる。
なお、二次電池1においては、低温になるほど反応抵抗成分が大きくなるため、第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2を別々に測定した場合の導電率と出力との相関係数の、第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2を連続して測定した場合の導電率と出力との相関係数に対する向上度合いは、低温になるほど大きくなっている。
また、第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2を連続して測定した場合は、二次電池1の放電開始電圧(初期電圧Vs)やSOCが揃っていないと、二次電池1の残存容量の差が電圧降下量に影響することから、第一の電圧降下量ΔV1および第二の電圧降下量ΔV2を別々に測定して導電率を算出することが好ましい。
このように、二次電池1を一度だけ放電して、その放電データにおける二次電池1の区間容量および導電率を用いて、二次電池1の容量および出力を検査した場合でも、容量および出力の両方において、高い精度で検査可能であることが確認できた。
また、二次電池1の−30℃および25℃といった各温度での出力を測定して、各温度における二次電池1の出力検査を行うことで、初期充電を終えた二次電池を1度だけ放電させることにより、広範囲の温度での二次電池1の出力を保証することが可能となる。
なお、本実施形態では、−30℃および25℃での出力について出力検査を行ったが、他の温度での出力検査を行うことも可能である。
1 二次電池
2 電池ケース
3 電極体3
T2 一定時間(経過時間)
Vs 初期電圧
Ve 放電終了電圧
Va 区間容量検査開始電圧
Vb 区間容量検査終了電圧
V2 電圧
ΔV 電圧変化量

Claims (3)

  1. 初期充電を終えた二次電池を所定の初期電圧Vsから放電終了電圧Veまで、所定の放電電流Iにて放電する放電工程を、一度だけ行うことによって、前記二次電池の容量検査と出力検査とを行う二次電池の検査方法であって、
    前記出力検査は、
    前記放電工程の開始時から一定時間経過後までの前記二次電池の第一の電圧降下量ΔV1を測定する工程と、
    前記二次電池の電圧が、前記第一の電圧降下量ΔV1を測定した電圧よりも低い電圧である任意の電圧V2に到達した時点から、一定時間T2経過した時点までの第二の電圧降下量ΔV2を測定する工程と、
    前記放電電流I、第一の電圧降下量ΔV1、および第二の電圧降下量ΔV2から、前記二次電池の導電率を算出する工程と、
    算出した前記導電率を予め設定した閾値と比較することにより、前記導電率と相関を有する前記二次電池の出力の良否を判定する工程とを備える、
    ことを特徴とする二次電池の検査方法。
  2. 前記容量検査は、
    前記初期電圧Vsと放電終了電圧Veとの範囲内にて、所定の検査開始電圧Vaから、前記検査開始電圧Vaよりも低い検査終了電圧Vbまでの区間を、区間容量の検査区間として設定し、前記放電工程における電流値I、および前記検査開始電圧Vaから検査終了電圧Vbとなるまでの放電時間Taから電流積算量を算出して、前記二次電池の区間容量を測定する工程と、
    測定した前記区間容量を予め設定した閾値と比較することにより、前記区間容量と相関を有する前記二次電池の全容量の良否を判定する工程とを備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の二次電池の検査方法。
  3. 前記出力検査は、前記二次電池における−30℃〜25℃の範囲の出力について行う、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の二次電池の検査方法。
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