JP2014184527A - 摩擦係数推定装置及び脚式歩行ロボット - Google Patents

摩擦係数推定装置及び脚式歩行ロボット Download PDF

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Abstract

【課題】床面接触部材と床面との間の摩擦係数を推定する技術を提供する。
【解決手段】摩擦係数推定装置は、上部プレート10と、鉛直力センサ11と、床面16に対して接触した状態で相対的に変位可能な足平フロントプレート12f及び足平リアプレート12rを有する足平プレート12と、足平フロントプレート12f及び足平リアプレート12rの相対的な変位に抗するように配置されたバネ13と、上部プレート10が荷重を受けると足平フロントプレート12f及び足平リアプレート12rが相対的に離れるように、上部プレート10と足平プレート12を連結するリンク機構14と、リンク機構14の動作角度を検出するためのエンコーダ15と、鉛直力センサ11によって検出された荷重と、エンコーダ15によって検出された動作角度と、に基づいて、足平プレート12と床面16との間の摩擦係数を推定する摩擦係数推定部54と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、摩擦係数推定装置及び脚式歩行ロボットに関する。
この種の技術として、特許文献1は、上体から延設された複数の脚体を運動させて移動する脚式歩行ロボットを開示している。
特許第3679105号公報
一般に、脚式歩行ロボットを安定に動作させるには、足裏と床との間で滑りが発生しないよう、摩擦力の範囲内で動作させる必要がある。上記特許文献1の脚式歩行ロボットでは、足裏と床との摩擦係数を既知として取り扱っている。しかしながら、足裏と床との摩擦係数は、環境に応じて刻々と変化するものである。
そこで、本発明の目的は、床面接触部材と床面との間の摩擦係数を推定する技術を提供することにある。
本願発明の第1の観点によれば、荷重を受ける荷重受け部と、前記荷重受け部が受ける荷重を検出するための荷重検出手段と、床面に対して接触した状態で相対的に変位可能な第1の床面接触部材及び第2の床面接触部材を有する床面接触部材と、前記第1の床面接触部材及び前記第2の床面接触部材の相対的な変位に抗するように配置された弾性部材と、前記荷重受け部が荷重を受けると前記第1の床面接触部材及び前記第2の床面接触部材が相対的に離れるように、前記荷重受け部と前記床面接触部材を連結するリンク機構と、前記リンク機構の動作角度を検出するための動作角度検出手段と、前記荷重検出手段によって検出された前記荷重と、前記動作角度検出手段によって検出された前記動作角度と、に基づいて、前記床面接触部材と前記床面との間の摩擦係数を推定する摩擦係数推定手段と、を備えた、摩擦係数推定装置が提供される。以上の構成によれば、床面接触部材と床面との間の摩擦係数を推定することができる。
前記第1の床面接触部材及び前記第2の床面接触部材が前記床面から離れている状態で、前記弾性部材は自然長となっている。
本願発明の第2の観点によれば、荷重を受ける荷重受け部と、前記荷重受け部が受ける荷重を検出するための荷重検出手段と、床面に対して接触した状態で相対的に変位可能な第1の床面接触部材及び第2の床面接触部材を有する床面接触部材と、前記第1の床面接触部材及び前記第2の床面接触部材の相対的な変位に抗するように配置されると共に、前記第1の床面接触部材及び前記第2の床面接触部材が前記床面から離れている状態で予め伸長状態とされる弾性部材と、前記荷重受け部が荷重を受けると前記第1の床面接触部材及び前記第2の床面接触部材が相対的に離れるように、前記荷重受け部と前記床面接触部材を連結するリンク機構と、前記第1の床面接触部材及び前記第2の床面接触部材が相対的に変位し始めるのを検知する変位開始検知手段と、前記変位開始検知手段によって前記第1の床面接触部材及び前記第2の床面接触部材が相対的に変位し始めたのが検知されたときの、前記荷重検出手段によって検出される前記荷重に基づいて、前記床面接触部材と前記床面との間の摩擦係数を推定する摩擦係数推定手段と、を備えた、摩擦係数推定装置が提供される。以上の構成によれば、床面接触部材と床面との間の摩擦係数を推定することができる。
本願発明の第3の観点によれば、荷重を受ける荷重受け部と、床面に対して接触した状態で相対的に変位可能な第1の床面接触部材及び第2の床面接触部材を有する床面接触部材と、前記荷重受け部が荷重を受けると前記第1の床面接触部材及び前記第2の床面接触部材が相対的に近づくように、前記荷重受け部と前記床面接触部材を連結するリンク機構と、前記リンク機構の動作角度を検出するための動作角度検出手段と、前記動作角度検出手段によって検出された前記動作角度に基づいて、前記床面接触部材と前記床面との間の摩擦係数を推定する摩擦係数推定手段と、を備えた、摩擦係数推定装置が提供される。以上の構成によれば、床面接触部材と床面との間の摩擦係数を推定することができる。
ロボット本体と、前記ロボット本体に取り付けられる複数の脚体と、を備え、前記複数の脚体を運動させることで歩行する、脚式歩行ロボットであって、上記の前記摩擦係数推定装置を更に備えた、脚式歩行ロボットが提供される。
前記摩擦係数推定装置の前記荷重受け部は、前記複数の脚体の何れかの下端に固定されている。
本発明によれば、床面接触部材と床面との間の摩擦係数を推定することができる。
図1は、脚式歩行ロボットの側面図である。(第1実施形態) 図2は、足平プレートに滑りが発生する前の足部の斜視図である。(第1実施形態) 図3は、足平プレートに滑りが発生した後の足部の斜視図である。(第1実施形態) 図4は、足部の側面図である。(第1実施形態) 図5は、足部の模式側面図である。(第1実施形態) 図6は、脚式歩行ロボットの機能ブロック図である。(第1実施形態) 図7は、脚式歩行ロボットの制御フローである。(第1実施形態) 図8は、荷重データFzと動作角度データθとの関係を示すグラフである。(第1実施形態) 図9は、足部の側面図である。(第2実施形態) 図10は、脚式歩行ロボットの機能ブロック図である。(第2実施形態) 図11は、脚式歩行ロボットの制御フローである。(第2実施形態) 図12は、荷重データFzと動作角度データθとの関係を示すグラフである。(第2実施形態) 図13は、荷重データFzと動作角度データθとの関係を示すグラフである。(第2実施形態) 図14は、荷重データFzと摩擦係数データμとの関係を示すグラフである。(第2実施形態) 図15は、足平プレートに滑りが発生する前の足部の斜視図である。第3実施形態) 図16は、足平プレートに滑りが発生した後の足部の斜視図である。第3実施形態) 図17は、足部の側面図である。(第3実施形態) 図18は、足部の模式側面図である。(第3実施形態) 図19は、脚式歩行ロボットの機能ブロック図である。(第3実施形態) 図20は、脚式歩行ロボットの制御フローである。(第3実施形態) 図21は、荷重データFzと動作角度データθとの関係を示すグラフである。(第3実施形態) 図22は、動作角度データθと摩擦係数データμとの関係を示すグラフである。(第3実施形態)
(第1実施形態)
以下、図1〜図8を参照して、本願発明の第1実施形態を説明する。
図1に示すように、脚式歩行ロボット1は、ロボット本体2と、2つの脚体3と、2つの足部4と、を備えて構成されている。
ロボット本体2は、頭部5及び体幹部6によって構成されている。ロボット本体2は、制御装置7を有する。
2つの脚体3は、ロボット本体2の下端に取り付けられている。各脚体3は、複数の関節8を有する。各関節8には、関節8を駆動するアクチュエータ9が設けられている。
以上の構成で、脚式歩行ロボット1は、複数のアクチュエータ9を用いて2つの脚体3を運動させることで床面16上を自律的に歩行する。
2つの足部4は、2つの脚体3の下端に夫々取り付けられている。2つの足部4の構成は同一であるから、一方の足部4についてのみ説明し、他方の足部4については説明を省略する。
図2〜図4に示すように、足部4は、上部プレート10(荷重受け部)、鉛直力センサ11(荷重検出手段)、足平プレート12(床面接触部材)、バネ13(弾性部材)、リンク機構14、エンコーダ15(動作角度検出手段)を備えて構成されている。
上部プレート10は、脚式歩行ロボット1のロボット本体2や脚体3から荷重を受ける。上部プレート10は、脚式歩行ロボット1の脚体3の下端に固定される。
鉛直力センサ11は、上部プレート10が受ける荷重を検出する。鉛直力センサ11は、例えば歪みゲージや圧電素子によって構成されている。
足平プレート12は、足平フロントプレート12fと足平リアプレート12rを有する。足平フロントプレート12f及び足平リアプレート12rは、床面16に対して接触可能に構成されている。足平フロントプレート12f及び足平リアプレート12rは、床面16に対して面接触可能に構成されている。足平フロントプレート12f及び足平リアプレート12rは、床面16に対して接触した状態で、相対的に変位可能に構成されている。即ち、足平フロントプレート12f及び足平リアプレート12rは、床面16に対して接触しつつ、互いに近づいたり離れたりできる。足平フロントプレート12fは、脚式歩行ロボット1の前進方向側に、足平リアプレート12rは、脚式歩行ロボット1の後進方向側に配置されている。
バネ13は、足平フロントプレート12fと足平リアプレート12rの相対的な変位に抗するように配置されている。本実施形態では、バネ13は、足平フロントプレート12fと足平リアプレート12rの間に配置されている。バネ13の一端は足平フロントプレート12fに固定され、バネ13の他端は足平リアプレート12rに固定されている。バネ13は、例えばコイルバネである。
リンク機構14は、図2及び図3に示すように、上部プレート10が荷重を受けると足平フロントプレート12fと足平リアプレート12rが相対的に離れるように、上部プレート10と足平プレート12を連結する。リンク機構14は、足平フロントプレート12f及び足平リアプレート12rが共に床面16に対して接触した状態で、上部プレート10が荷重を受けると、足平フロントプレート12fと足平リアプレート12rが、床面16に対する接触状態を維持しながら相対的に離れるように、上部プレート10と足平プレート12を連結する。
図4に示すように、リンク機構14は、リア側リンク20と、フロント側リンク21と、センサプレート22と、上部リニアベアリング23と、下部リニアベアリング24と、鉛直リニアベアリング25と、によって構成されている。
リア側リンク20は、直線的なリンクである。リア側リンク20の下端は、足平リアプレート12rに回転可能に固定されている。
フロント側リンク21は、直線的なリンクである。フロント側リンク21の下端は、足平フロントプレート12fに回転可能に固定されている。
リア側リンク20の長手方向中央部と、フロント側リンク21の長手方向中央部は、回転可能に連結されている。
センサプレート22は、鉛直力センサ11を搭載するプレートである。
上部リニアベアリング23は、直線的なリンクである。上部リニアベアリング23は、伸縮自在のリンクである。上部リニアベアリング23は、リア側リンク20の上端と、フロント側リンク21の上端と、に回転可能に固定されている。
下部リニアベアリング24は、直線的なリンクである。下部リニアベアリング24は、伸縮自在のリンクである。下部リニアベアリング24の一端は、足平フロントプレート12fに固定されている。下部リニアベアリング24の他端は、足平リアプレート12rに固定されている。下部リニアベアリング24は、足平フロントプレート12fと足平リアプレート12rとの相対的な変位の方向を規制する。前述したバネ13(図2参照)は、下部リニアベアリング24内に配置されている。
鉛直リニアベアリング25は、直線的なリンクである。鉛直リニアベアリング25は、伸縮自在のリンクである。鉛直リニアベアリング25の上端は、センサプレート22の下面に回転不能に固定されている。鉛直リニアベアリング25の下端は、リア側リンク20とフロント側リンク21との連結部分に回転自在に固定されている。鉛直リニアベアリング25は、上部リニアベアリング23に対して常に直交する関係となるように結合している。
エンコーダ15は、リンク機構14の動作角度を検出する。リンク機構の動作角度とは、例えば、鉛直方向に対する、リンク機構14が有するフロント側リンク21の姿勢角度に相当する。
図5に示すように、本実施形態では、説明の便宜上、リア側リンク20のリンク長は2dとする。フロント側リンク21のリンク長は2dとする。バネ13のバネ定数はkとする。足平プレート12と床面16との間の摩擦係数をμとする。即ち、足平フロントプレート12fと床面16との間の摩擦係数をμとし、足平リアプレート12rと床面16との間の摩擦係数をμとする。リンク機構14の動作角度はθとする。θは、フロント側リンク21の鉛直方向に対する角度として定義される。
なお、足平フロントプレート12f及び足平リアプレート12rが床面16から離れている状態で、バネ13は自然長となっている。
図6に示すように、制御装置7は、CPU50(Central Processing Unit)とRAM51(Random Access Memory)、ROM52(Read Only Memory)を有している。ROM52には、制御プログラムが記憶されている。制御プログラムは、CPU50上に読み込まれ、CPU50上で実行されることで、CPU50等のハードウェアを、脚体制御部53、摩擦係数推定部54(摩擦係数推定手段)、摩擦係数記憶部55として機能させる。
制御装置7には、鉛直力センサ11とエンコーダ15、複数のアクチュエータ9が電気的に接続されている。制御装置7は、鉛直力センサ11から、上部プレート10が現在受けている荷重に相当する荷重データFzを取得する。制御装置7は、エンコーダ15から、現在のリンク機構14の動作角度に相当する動作角度データθを取得する。制御装置7は、複数のアクチュエータ9に制御信号を出力することで、2つの脚体3の動作を自在に制御する。
摩擦係数記憶部55は、現在歩行している床面16と足平プレート12との摩擦係数データμを記憶する。
脚体制御部53は、摩擦係数記憶部55に記憶されている摩擦係数データμを参照しつつ、2つの脚体3が所定の動作パターンで動作するよう、複数のアクチュエータ9に制御信号を出力する。
摩擦係数推定部54は、鉛直力センサ11から出力された荷重データFzと、エンコーダ15から出力された動作角度データθと、に基づいて、足平プレート12と床面16との間の摩擦係数データμを下記式(1)に基づいて推定し、推定した摩擦係数に相当する摩擦係数データで、摩擦係数記憶部55に記憶されている摩擦係数データμを更新する。下記式(1)において、Fzは鉛直力センサ11から出力された荷重データである。θ0は、足平プレート12が床面16に接触する前の状態における動作角度データθである。kはバネ13のばね定数である。
Figure 2014184527
本実施形態において、摩擦係数推定装置は、上部プレート10と、鉛直力センサ11と、足平プレート12と、バネ13と、リンク機構14と、エンコーダ15と、摩擦係数推定部54と、によって構成されている。
次に、図7を参照して、脚式歩行ロボット1の動作を説明する。
摩擦係数推定部54は、荷重データFzを取得する(S300)。摩擦係数推定部54は、荷重データFzが0より大きいか判定する(S310)。荷重データFzが0より大きくないと判定した場合は(S310:NO)、摩擦係数推定部54は、処理をS300に戻す。一方、荷重データFzが0より大きいと判定した場合は(S310:YES)、摩擦係数推定部54は、動作角度データθを取得する(S320)。摩擦係数推定部54は、上記式(1)に基づいて、摩擦係数データμを推定する(S330)。摩擦係数推定部54は、推定した摩擦係数データμをRAM51に記憶する(S340)。摩擦係数推定部54は、荷重データFzが所定値Fzmaxより大きいか判定する(S350)。荷重データFzが所定値Fzmaxより大きくないと判定した場合は(S350:NO)、摩擦係数推定部54は、処理をS320に戻す。一方、荷重データFzが所定値Fzmaxより大きいと判定した場合は(S350:YES)、摩擦係数推定部54は、RAM51に記憶されている複数の摩擦係数データμの平均値を算出し(S360)、その平均値を用いて摩擦係数記憶部55の摩擦係数データμを更新する(S370)。脚体制御部53は、摩擦係数記憶部55に記憶されている現在の摩擦係数データμを参照して、2つの脚体3を所望の動作パターンで動作させる。
次に、上記式(1)について説明する。
図5において、「上部プレート10に作用する荷重」と、「バネによる弾性力」及び「足平プレート12と床面16の間に働く摩擦力」と、が下記式(2)のように釣り合っている。左辺が「上部プレート10に作用する荷重」によってリンク機構14のリア側リンク20及びフロント側リンク21に発生するモーメントである。右辺第1項が「足平プレート12と床面16の間に働く摩擦力」によってリンク機構14のリア側リンク20及びフロント側リンク21に発生するモーメントである。右辺第2項が「バネによる弾性力」によってリンク機構14のリア側リンク20及びフロント側リンク21に発生するモーメントである。
Figure 2014184527
上記式(2)をdcosθで除すると、下記式(3)となる。
Figure 2014184527
そして、上記式(3)をμについて整理すると、上記式(1)が導出される。図8には、上記式(1)をプロットしたグラフを示している。図8の横軸は荷重データFzであり、縦軸は動作角度データθである。図8に示すように、摩擦係数データμの大小に応じて、荷重データFzと動作角度データθの対応関係が決まっている。従って、荷重データFzと動作角度データθを計測すれば、摩擦係数データμが自ずと決まってくる。なお、ノイズ除去の観点から、摩擦係数データμを複数回推定し、図7のS360で示したように平均化するとよい。
以上に、第1実施形態を説明したが、上記第1実施形態は、以下の特長を有する。
(1)摩擦係数推定装置は、荷重を受ける上部プレート10(荷重受け部)と、上部プレート10が受ける荷重を検出するための鉛直力センサ11(荷重検出手段)と、床面16に対して接触した状態で相対的に変位可能な足平フロントプレート12f(第1の床面接触部材)及び足平リアプレート12r(第2の床面接触部材)を有する足平プレート12(床面接触部材)と、足平フロントプレート12f及び足平リアプレート12rの相対的な変位に抗するように配置されたバネ13(弾性部材)と、上部プレート10が荷重を受けると足平フロントプレート12f及び足平リアプレート12rが相対的に離れるように、上部プレート10と足平プレート12を連結するリンク機構14と、リンク機構14の動作角度を検出するためのエンコーダ15(動作角度検出手段)と、鉛直力センサ11によって検出された荷重と、エンコーダ15によって検出された動作角度と、に基づいて、足平プレート12と床面16との間の摩擦係数を推定する摩擦係数推定部54(摩擦係数推定手段)と、を備える。以上の構成によれば、足平プレート12と床面16との間の摩擦係数(摩擦係数データμ)を推定することができる。
また、足平プレート12を実際に床面16上で滑らせることで摩擦係数を推定しているので、高いロバスト性と高い推定精度が実現される。
(2)足平フロントプレート12f及び足平リアプレート12rが床面から離れている状態で、バネ13は自然長となっている。
(5)脚式歩行ロボット1は、ロボット本体2と、ロボット本体2に取り付けられる2つの脚体3と、を備える。脚式歩行ロボット1は、2つの脚体3を運動させることで歩行する。脚式歩行ロボット1は、上記の摩擦係数推定装置を更に備える。以上の構成によれば、脚式歩行ロボット1は、摩擦係数を推定するのに必要となる実際の動作として、歩行さえすればよいことになる。即ち、歩行しながら摩擦係数を推定することができる。
なお、必ずしも歩行しなければ摩擦係数を推定できないわけではなく、脚式歩行ロボット1がその場で足踏みすることでも、上記式(1)を用いて、摩擦係数を推定することができる。
(6)上部プレート10は、2つの脚体3の何れかの下端に固定されている。
(第2実施形態)
次に、図9〜図14を参照しつつ、本願発明の第2実施形態を説明する。ここでは、本実施形態が上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、重複する説明は適宜省略する。また、上記第1実施形態の各構成要素に対応する構成要素には原則として同一の符号を付すこととする。
上記第1実施形態では、足平フロントプレート12f及び足平リアプレート12rが床面16から離れている状態で、バネ13は自然長であるとした。これに対し、本実施形態では、足平フロントプレート12f及び足平リアプレート12rが床面16から離れている状態で、バネ13は予め伸長状態とされている。足平フロントプレート12f及び足平リアプレート12rが床面16から離れている状態で、バネ13が予め伸長状態となるように、図9に示すように、上部リニアベアリング23とリア側リンク20との関節部分にメカニカルストッパー26を設け、動作角度データθの下限を規定している。また、足平リアプレート12rと足平フロントプレート12fが相対的に変位し始めるのを検知するスイッチ27(変位開始検知手段)が上部リニアベアリング23とフロント側リンク21との関節部分に設けられている。スイッチ27は、足平フロントプレート12f及び足平リアプレート12rが床面16から離れている状態でOFFであり、足平リアプレート12rと足平フロントプレート12fが相対的に変位し始めると初めてONになる。スイッチ27は、足平フロントプレート12f及び足平リアプレート12rが床面16から離れている状態でOFFであり、足平リアプレート12rと足平フロントプレート12fが相対的に離れ始めると初めてONになる。本実施形態では、エンコーダ15は、省略してもよい。
図10に示すように、スイッチ27は、制御装置7と電気的に接続されている。従って、制御装置7は、スイッチ27を介して、足平リアプレート12rと足平フロントプレート12fが相対的に離れ始めるのを検知可能に構成されている。
摩擦係数推定部54は、スイッチ27によって足平フロントプレート12f及び足平リアプレート12rが相対的に離れ始めるのが検知されたときの、鉛直力センサ11によって検出される荷重データFzに基づいて、足平プレート12と床面16との間の摩擦係数データμを推定する。
本実施形態において、摩擦係数推定装置は、上部プレート10と、鉛直力センサ11と、足平プレート12と、バネ13と、リンク機構14と、スイッチ27と、摩擦係数推定部54と、によって実現されている。
次に、図11を参照して、脚式歩行ロボット1の動作を説明する。
摩擦係数推定部54は、荷重データFzを取得する(S400)。摩擦係数推定部54は、荷重データFzが0より大きいか判定する(S410)。荷重データFzが0より大きくないと判定した場合は(S410:NO)、摩擦係数推定部54は、処理をS400に戻す。一方、荷重データFzが0より大きいと判定した場合は(S410:YES)、摩擦係数推定部54は、スイッチ27がONであるか判定する(S420)。スイッチ27がONでないと判定したら(S420:NO)、摩擦係数推定部54は、処理をS420に戻す。一方、スイッチ27がONであると判定したら(S420:YES)、摩擦係数推定部54は、荷重データFzを取得する(S430)。摩擦係数推定部54は、取得した荷重データFzに基づいて、摩擦係数データμを推定する(S440)。摩擦係数推定部54は、推定した摩擦係数データμを用いて摩擦係数記憶部55の摩擦係数データμを更新する(S450)。脚体制御部53は、摩擦係数記憶部55に記憶されている現在の摩擦係数データμを参照して、2つの脚体3を所望の動作パターンで動作させる。
次に、摩擦係数推定部54による摩擦係数データμの推定について説明する。上記第1実施形態では、図8に示すように、足平フロントプレート12fと足平リアプレート12rが相対的に離れ始めるのに必要となる荷重データFzは、摩擦係数データμの大小に拘わらず、一定である。しかしながら、本実施形態では、足平フロントプレート12f及び足平リアプレート12rが床面16から離れている状態で、バネ13が予め伸長状態とされている。従って、図12や図13に示すように、足平フロントプレート12fと足平リアプレート12rが相対的に離れ始めるのに必要となる荷重データFzが摩擦係数データμに応じて異なっている。図12及び図13において、横軸は荷重データFzであり、縦軸は動作角度データθである。図14には、足平リアプレート12rと足平フロントプレート12fが相対的に離れ始めたときの荷重データFzと、摩擦係数データμと、の対応関係を示している。従って、足平リアプレート12rと足平フロントプレート12fが相対的に離れ始めたときの荷重データFzさえ取得できれば、摩擦係数データμを推定することができる。なお、図14に示す、足平リアプレート12rと足平フロントプレート12fが相対的に離れ始めたときの荷重データFzと、摩擦係数データμと、の対応関係は、例えばRAM51にテーブル形式で予め記憶しておけばよい。
以上に、第2実施形態を説明したが、上記第2実施形態は、以下の特長を有する。
(3)摩擦係数推定装置は、荷重を受ける上部プレート10と、上部プレート10が受ける荷重を検出するための鉛直力センサ11(荷重検出手段)と、床面16に対して接触した状態で相対的に変位可能な足平フロントプレート12f(第1の床面接触部材)及び足平リアプレート12r(第2の床面接触部材)を有する足平プレート12(床面接触部材)と、足平フロントプレート12f及び足平リアプレート12rの相対的な変位に抗するように配置されると共に、足平フロントプレート12f及び足平リアプレート12rが床面16から離れている状態で予め伸長状態とされるバネ13(弾性部材)と、上部プレート10が荷重を受けると足平フロントプレート12f及び足平リアプレート12rが相対的に離れるように、上部プレート10と足平プレート12を連結するリンク機構14と、足平フロントプレート12f及び足平リアプレート12rが相対的に変位し始めるのを検知するスイッチ27(変位開始検知手段)と、スイッチ27によって足平フロントプレート12f及び足平リアプレート12rが相対的に変位し始めたのが検知されたときの、鉛直力センサ11によって検出される荷重に基づいて、足平プレート12と床面16との間の摩擦係数を推定する摩擦係数推定部54(摩擦係数推定手段)と、を備える。以上の構成によれば、足平プレート12と床面16との間の摩擦係数を推定することができる。
また、足平プレート12を実際に床面16上で滑らせることで摩擦係数を推定しているので、高いロバスト性と高い推定精度が実現される。
本実施形態は、上記第1実施形態と比較して、高価なエンコーダ15を不要とすることができる点で、コスト面で優れていると言える。
(5)脚式歩行ロボット1は、ロボット本体2と、ロボット本体2に取り付けられる2つの脚体3と、を備える。脚式歩行ロボット1は、2つの脚体3を運動させることで歩行する。脚式歩行ロボット1は、上記の摩擦係数推定装置を更に備える。以上の構成によれば、脚式歩行ロボット1は、摩擦係数を推定するのに必要となる実際の動作として、歩行さえすればよいことになる。即ち、歩行しながら摩擦係数を推定することができる。
なお、必ずしも歩行しなければ摩擦係数を推定できないわけではなく、脚式歩行ロボット1がその場で足踏みすることでも、図14を用いて、摩擦係数を推定することができる。
(6)上部プレート10は、2つの脚体3の何れかの下端に固定されている。
(第3実施形態)
次に、図1と図15〜図22を参照しつつ、本願発明の第3実施形態を説明する。ここでは、本実施形態が上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、重複する説明は適宜省略する。また、上記第1実施形態の各構成要素に対応する構成要素には原則として同一の符号を付すこととする。
図15〜図17に示すように、足部4は、上部プレート10(荷重受け部)、足平プレート12(床面接触部材)、バネ13(弾性部材)、リンク機構14、エンコーダ15(動作角度検出手段)を備えて構成されている。
上部プレート10は、脚式歩行ロボット1のロボット本体2や脚体3から荷重を受ける。上部プレート10は、脚式歩行ロボット1の脚体3の下端に固定される。
足平プレート12は、足平フロントプレート12fと足平リアプレート12rを有する。足平フロントプレート12f及び足平リアプレート12rは、床面16に対して接触可能に構成されている。足平フロントプレート12f及び足平リアプレート12rは、床面16に対して面接触可能に構成されている。足平フロントプレート12f及び足平リアプレート12rは、床面16に対して接触した状態で、相対的に変位可能に構成されている。即ち、足平フロントプレート12f及び足平リアプレート12rは、床面16に対して接触しつつ、互いに近づいたり離れたりできる。足平フロントプレート12fは、脚式歩行ロボット1の前進方向側に、足平リアプレート12rは、脚式歩行ロボット1の後進方向側に配置されている。
バネ13は、足平フロントプレート12fと足平リアプレート12rの相対的な変位に抗するように配置されている。本実施形態では、バネ13は、足平フロントプレート12fと足平リアプレート12rの間に配置されている。バネ13の一端は足平フロントプレート12fに固定され、バネ13の他端は足平リアプレート12rに固定されている。バネ13は、例えばコイルバネである。
リンク機構14は、図15及び図16に示すように、上部プレート10が荷重を受けると足平フロントプレート12fと足平リアプレート12rが相対的に近づくように、上部プレート10と足平プレート12を連結する。リンク機構14は、足平フロントプレート12f及び足平リアプレート12rが共に床面16に対して接触した状態で、上部プレート10が荷重を受けると、足平フロントプレート12fと足平リアプレート12rが、床面16に対する接触状態を維持しながら相対的に近づくように、上部プレート10と足平プレート12を連結する。
図17に示すように、リンク機構14は、リア側リンク60と、フロント側リンク61と、上部リニアベアリング62と、下部リニアベアリング63と、鉛直リニアベアリング64と、によって構成されている。
リア側リンク60は、リア側上部リンク60aとリア側下部リンク60bによって構成されている。リア側上部リンク60aは、直線的なリンクである。リア側下部リンク60bは、直線的なリンクである。リア側上部リンク60aとリア側下部リンク60bは、V字状となるように相互に固定されている。リア側リンク60は、脚式歩行ロボット1の前進方向側に向かって凸となるように配置されている。リア側上部リンク60aの長手方向とリア側下部リンク60bの長手方向は、直角である。リア側下部リンク60bの下端は、足平リアプレート12rに回転可能に固定されている。
フロント側リンク61は、フロント側上部リンク61aとフロント側下部リンク61bによって構成されている。フロント側上部リンク61aは、直線的なリンクである。フロント側下部リンク61bは、直線的なリンクである。フロント側上部リンク61aとフロント側下部リンク61bは、V字状となるように相互に固定されている。フロント側リンク61は、脚式歩行ロボット1の後進方向側に向かって凸となるように配置されている。フロント側上部リンク61aの長手方向とフロント側下部リンク61bの長手方向は、直角である。フロント側下部リンク61bの下端は、足平フロントプレート12fに回転可能に固定されている。
リア側リンク60のリア側上部リンク60aとリア側下部リンク60bの連結部分と、フロント側リンク61のフロント側上部リンク61aとフロント側下部リンク61bの連結部分と、は、リア側リンク60とフロント側リンク61が相対的に回転可能となるように連結されている。
上部リニアベアリング62は、直線的なリンクである。上部リニアベアリング62は、伸縮自在のリンクである。上部リニアベアリング62は、リア側リンク60のリア側上部リンク60aの上端と、フロント側リンク61のフロント側上部リンク61aの上端と、に回転可能に固定されている。
下部リニアベアリング63は、直線的なリンクである。下部リニアベアリング63は、伸縮自在のリンクである。下部リニアベアリング63の一端は、足平フロントプレート12fに固定されている。下部リニアベアリング63の他端は、足平リアプレート12rに固定されている。下部リニアベアリング63は、足平フロントプレート12fと足平リアプレート12rとの相対的な変位の方向を規制する。前述したバネ13(図15参照)は、下部リニアベアリング63内に配置されている。
鉛直リニアベアリング64は、直線的なリンクである。鉛直リニアベアリング64は、伸縮自在のリンクである。鉛直リニアベアリング64の上端は、上部プレート10の下面に回転不能に固定されている。鉛直リニアベアリング64の下端は、リア側リンク60とフロント側リンク61との連結部分に回転自在に固定されている。鉛直リニアベアリング64は、上部リニアベアリング62に対して常に直交する関係となるように、上部リニアベアリング62と結合している。
エンコーダ15は、リンク機構14の動作角度を検出する。リンク機構の動作角度とは、例えば、鉛直方向に対する、リンク機構14が有するリア側リンク60のリア側上部リンク60aの姿勢角度に相当する。
図18は、足部4の構成を模式的に示したものである。本実施形態では、説明の便宜上、リア側リンク60のリア側上部リンク60aのリンク長はd0とする。リア側リンク60のリア側下部リンク60bのリンク長はd1とする。フロント側リンク61のフロント側上部リンク61aのリンク長はd0とする。フロント側リンク61のフロント側下部リンク61bのリンク長はd1とする。バネ13のバネ定数はkとする。足平プレート12と床面16との間の摩擦係数をμとする。即ち、足平フロントプレート12fと床面16との間の摩擦係数をμとし、足平リアプレート12rと床面16との間の摩擦係数をμとする。リンク機構14の動作角度はθとする。θは、リア側リンク60のリア側上部リンク60aの鉛直方向に対する角度として定義される。
なお、足平フロントプレート12f及び足平リアプレート12rが床面16から離れている状態で、バネ13は自然長となっている。
図19に示すように、制御装置7は、CPU50(Central Processing Unit)とRAM51(Random Access Memory)、ROM52(Read Only Memory)を有している。ROM52には、制御プログラムが記憶されている。制御プログラムは、CPU50上に読み込まれ、CPU50上で実行されることで、CPU50等のハードウェアを、脚体制御部53、摩擦係数推定部54(摩擦係数推定手段)、摩擦係数記憶部55として機能させる。
制御装置7には、エンコーダ15と複数のアクチュエータ9が電気的に接続されている。制御装置7は、エンコーダ15から、現在のリンク機構14の動作角度に相当する動作角度データθを取得する。制御装置7は、複数のアクチュエータ9に制御信号を出力することで、2つの脚体3の動作を自在に制御する。
摩擦係数記憶部55は、現在歩行している床面16と足平プレート12との摩擦係数データを記憶する。
脚体制御部53は、摩擦係数記憶部55に記憶されている摩擦係数データμを参照しつつ、2つの脚体3が所定の動作パターンで動作するよう、複数のアクチュエータ9に制御信号を出力する。
摩擦係数推定部54は、エンコーダ15から出力された動作角度データθに基づいて、足平プレート12と床面16との間の摩擦係数データμを下記式(4)に基づいて推定し、推定した摩擦係数に相当する摩擦係数データで、摩擦係数記憶部55に記憶されている摩擦係数データμを更新する。
Figure 2014184527
本実施形態において、摩擦係数推定装置は、上部プレート10と、足平プレート12と、リンク機構14と、エンコーダ15と、摩擦係数推定部54と、によって実現されている。
次に、図20を参照して、脚式歩行ロボット1の動作を説明する。
摩擦係数推定部54は、脚式歩行ロボット1が両脚支持状態から単脚支持状態へと切り替わったか判定する(S500)。摩擦係数推定部54は、例えば、脚体制御部53から複数のアクチュエータ9に出力される制御信号に基づいて、脚式歩行ロボット1が両脚支持状態から単脚支持状態へと切り替わったか判定する(S500)。両脚支持状態とは、2つの脚体3が接地している状態を意味する。単脚状態とは、2つの脚体3のうち何れか一方のみが接地しており、他方が離地している状態を意味する。脚式歩行ロボット1が両脚支持状態から単脚支持状態へと切り替わっていないと判定したら(S500:NO)、摩擦係数推定部54は、処理をS500に戻す。一方、脚式歩行ロボット1が両脚支持状態から単脚支持状態へと切り替わったと判定したら(S500:YES)、摩擦係数推定部54は、所定時間経過後に、エンコーダ15から出力された動作角度データθを取得する(S510)。摩擦係数推定部54は、エンコーダ15から出力された動作角度データθに基づいて、上記式(4)により、足平プレート12と床面16との間の摩擦係数データμを推定する(S520)。摩擦係数推定部54は、推定した摩擦係数データμを用いて摩擦係数記憶部55の摩擦係数データμを更新する(S530)。脚体制御部53は、摩擦係数記憶部55に記憶されている現在の摩擦係数データμを参照して、2つの脚体3を所望の動作パターンで動作させる。
次に、上記式(4)について説明する。
図18において、「上部プレート10に作用する荷重」と、「バネによる弾性力」及び「足平プレート12と床面16の間に働く摩擦力」と、が下記式(5)のように釣り合っている。左辺が「上部プレート10に作用する荷重」によってリンク機構14のリア側リンク60及びフロント側リンク61に発生するモーメントである。右辺第1項が「足平プレート12と床面16の間に働く摩擦力」によってリンク機構14のリア側リンク60及びフロント側リンク61に発生するモーメントである。右辺第2項が「バネによる弾性力」によってリンク機構14のリア側リンク60及びフロント側リンク61に発生するモーメントである。下記式(5)において、Fzは、上部プレート10が受けた荷重に相当する荷重データである。θ0は、足平プレート12が床面16に接触する前の状態における動作角度データθである。
Figure 2014184527
図21には、上記式(5)をプロットしたグラフを示している。図21の横軸は荷重データFzであり、縦軸は動作角度データθである。図21によると、本実施形態では、(1)荷重データFzを増やしていっても、ある程度以上に荷重データFzが大きくなると動作角度データθが横ばいになること、(2)リンク機構14が停止するときの動作角度データθは、摩擦係数データμによって異なること、の(1)及び(2)の知見が得られる。従って、上部プレート10が受ける荷重データFzが十分に大きくなるタイミングで、動作角度データθを取得することで、荷重データFzを測定することなく、摩擦係数データμを推定することができる。「上部プレート10が受ける荷重データFzが十分に大きくなるタイミング」とは、例えば、脚式歩行ロボット1が両脚支持状態から単脚支持状態へと切り替わってから所定時間経過した後のタイミングが挙げられる。
図21において、荷重データFzの増加に対して動作角度データθが横ばいになる条件は、下記式(6)で示される。
Figure 2014184527
従って、上記式(5)及び(6)により、下記式(7)が導出される。
Figure 2014184527
上記式(7)を摩擦係数データμについて整理すると、上記式(4)が導出される。図22には、上記式(4)をプロットしたグラフを示している。図22の横軸は動作角度データθであり、縦軸は摩擦係数データμである。図22に示す、動作角度データθと、摩擦係数データμと、の対応関係は、例えばRAM51にテーブル形式で予め記憶しておけばよい。
以上に、第3実施形態を説明したが、上記第3実施形態は、以下の特長を有する。
(4)摩擦係数推定装置は、荷重を受ける上部プレート10(荷重受け部)と、床面16に対して接触した状態で相対的に変位可能な足平フロントプレート12f(第1の床面接触部材)及び足平リアプレート12r(第2の床面接触部材)を有する足平プレート12(床面接触部材)と、上部プレート10が荷重を受けると足平フロントプレート12f及び足平リアプレート12rが相対的に近づくように、上部プレート10と足平プレート12を連結するリンク機構14と、リンク機構14の動作角度を検出するためのエンコーダ15(動作角度検出手段)と、エンコーダ15によって検出された動作角度に基づいて、足平プレート12と床面16との間の摩擦係数を推定する摩擦係数推定部54(摩擦係数推定手段)と、を備える。以上の構成によれば、足平プレート12と床面16との間の摩擦係数を推定することができる。
また、足平プレート12を実際に床面16上で滑らせることで摩擦係数を推定しているので、高いロバスト性と高い推定精度が実現される。
(5)脚式歩行ロボット1は、ロボット本体2と、ロボット本体2に取り付けられる2つの脚体3と、を備える。脚式歩行ロボット1は、2つの脚体3を運動させることで歩行する。脚式歩行ロボット1は、上記の摩擦係数推定装置を更に備える。以上の構成によれば、脚式歩行ロボット1は、摩擦係数を推定するのに必要となる実際の動作として、歩行さえすればよいことになる。即ち、歩行しながら摩擦係数を推定することができる。
なお、必ずしも歩行しなければ摩擦係数を推定できないわけではなく、脚式歩行ロボット1がその場で足踏みすることでも、上記式(1)を用いて、摩擦係数を推定することができる。
(6)上部プレート10は、2つの脚体3の何れかの下端に固定されている。
1 脚式歩行ロボット
4 足部
10 上部プレート
11 鉛直力センサ
13 バネ
14 リンク機構
15 エンコーダ
12 足平プレート

Claims (6)

  1. 荷重を受ける荷重受け部と、
    前記荷重受け部が受ける荷重を検出するための荷重検出手段と、
    床面に対して接触した状態で相対的に変位可能な第1の床面接触部材及び第2の床面接触部材を有する床面接触部材と、
    前記第1の床面接触部材及び前記第2の床面接触部材の相対的な変位に抗するように配置された弾性部材と、
    前記荷重受け部が荷重を受けると前記第1の床面接触部材及び前記第2の床面接触部材が相対的に離れるように、前記荷重受け部と前記床面接触部材を連結するリンク機構と、
    前記リンク機構の動作角度を検出するための動作角度検出手段と、
    前記荷重検出手段によって検出された前記荷重と、前記動作角度検出手段によって検出された前記動作角度と、に基づいて、前記床面接触部材と前記床面との間の摩擦係数を推定する摩擦係数推定手段と、
    を備えた、
    摩擦係数推定装置。
  2. 請求項1に記載の摩擦係数推定装置であって、
    前記第1の床面接触部材及び前記第2の床面接触部材が前記床面から離れている状態で、前記弾性部材は自然長となっている、
    摩擦係数推定装置。
  3. 荷重を受ける荷重受け部と、
    前記荷重受け部が受ける荷重を検出するための荷重検出手段と、
    床面に対して接触した状態で相対的に変位可能な第1の床面接触部材及び第2の床面接触部材を有する床面接触部材と、
    前記第1の床面接触部材及び前記第2の床面接触部材の相対的な変位に抗するように配置されると共に、前記第1の床面接触部材及び前記第2の床面接触部材が前記床面から離れている状態で予め伸長状態とされる弾性部材と、
    前記荷重受け部が荷重を受けると前記第1の床面接触部材及び前記第2の床面接触部材が相対的に離れるように、前記荷重受け部と前記床面接触部材を連結するリンク機構と、
    前記第1の床面接触部材及び前記第2の床面接触部材が相対的に変位し始めるのを検知する変位開始検知手段と、
    前記変位開始検知手段によって前記第1の床面接触部材及び前記第2の床面接触部材が相対的に変位し始めたのが検知されたときの、前記荷重検出手段によって検出される前記荷重に基づいて、前記床面接触部材と前記床面との間の摩擦係数を推定する摩擦係数推定手段と、
    を備えた、
    摩擦係数推定装置。
  4. 荷重を受ける荷重受け部と、
    床面に対して接触した状態で相対的に変位可能な第1の床面接触部材及び第2の床面接触部材を有する床面接触部材と、
    前記荷重受け部が荷重を受けると前記第1の床面接触部材及び前記第2の床面接触部材が相対的に近づくように、前記荷重受け部と前記床面接触部材を連結するリンク機構と、
    前記リンク機構の動作角度を検出するための動作角度検出手段と、
    前記動作角度検出手段によって検出された前記動作角度に基づいて、前記床面接触部材と前記床面との間の摩擦係数を推定する摩擦係数推定手段と、
    を備えた、
    摩擦係数推定装置。
  5. ロボット本体と、前記ロボット本体に取り付けられる複数の脚体と、を備え、前記複数の脚体を運動させることで歩行する、脚式歩行ロボットであって、
    請求項1〜4の何れかに記載の前記摩擦係数推定装置を更に備えた、
    脚式歩行ロボット。
  6. 請求項5に記載の脚式歩行ロボットであって、
    前記摩擦係数推定装置の前記荷重受け部は、前記複数の脚体の何れかの下端に固定されている、
    脚式歩行ロボット。
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