JP2014183414A - サンプリングレート変換システム、及びサンプリングレート変換方法 - Google Patents

サンプリングレート変換システム、及びサンプリングレート変換方法 Download PDF

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Abstract

【課題】回路規模の増加を抑えるとともに消費電力の増加を抑制する。
【解決手段】サンプリングレートをn/m倍(n及びmは1以上の整数)に変換するサンプリングレート変換システムは、基準クロックに同期して入力される入力データに対して低域通過フィルタ処理を施してn個のデータを出力するフィルタ部と、基準クロックの周波数をn/m倍した周波数の第1のクロックに同期して、フィルタ部が出力するデータを間引いて出力するデータ選択部とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、デジタル信号処理を用いたデジタル信号処理装置において、信号系列のサンプリングレートを任意の倍数に変換するサンプリングレート変換システム、及びサンプリングレート変換方法に関する。
近年マルチメディアサービスの普及とICT(Information and Communication Technology)サービスの利用拡大に伴って基幹ネットワークを流れるインターネットトラフィックは年々増加の一途をたどっている。増加し続けるトラフィックをドライブする次世代の光通信技術としてデジタルコヒーレント技術が近年注目を浴びている。既に商用化されている40Gbps WDM(Wavelength Division Multiplexing)システムでは伝送路中に発生する光信号の歪みを補正するため、分散マネージメントや分散補償器などが広く用いられている。しかしながら、100Gbps超級のシステムではタイムスロットが狭くなり相対的な影響が大きくなるため、従来の分散補償技術では補償量及び補償精度に限界があった。そのためデジタルコヒーレント技術を導入することにより、デジタル信号処理にて伝送路中の歪みを補正することが可能になり、高精度かつ広範囲の分散補償を行うことが可能になった。またデジタルコヒーレント技術を用いることで位相推定、偏波分離といった処理をデジタル信号処理にて実現可能になり、実現が困難であった多値変調や偏波多重などといった技術が広く用いられるようになった。
このようなデジタルコヒーレント技術は汎用性の高いDSP(Digital Signal Processer)を用いて実現することが可能であり一部商用サービスへの導入が進められている。100Gbps級の光伝送システムではDP−QPSK(Dual. Polarization-Quadrature Phase Shift Keying)が広く利用され、4相の偏波多重で送信することで、信号のボーレートを30G baud/sに抑えることが可能である。そのため送受信に必要な電気デバイスの帯域条件を緩和することが可能になった。しかしながら30Gbps級の信号をサンプリングするために電気帯域の2倍、すなわち60G sample/sの高速なDAC(Digital Analog Converter)及びADC(Analog Digital Converter)が必須である。高速DAC/ADCはデジタルコヒーレント技術を実現するうえで重要な構成要素の一つである。
高速DAC/ADCとDSPの組み合わせにより100Gbpsのデジタルコヒーレントシステムが可能であり、100Gbpsシステムの商用化が始まっている。一方、超長距離のシステムではビットレートを下げ距離を伸ばすため、40Gbpsや10Gbpsといった低ビットレートのデジタルコヒーレントシステムの導入が検討されている。その際100G DSPを流用し同一のデジタル信号処理回路で異なるビットレートの信号を処理できることが望まれている。個別のデジタル信号処理回路で各々のビットレートに対応したDSPを開発するコスト増が懸念されているためである。
同一のデジタル信号処理回路で異なるビットレートに対応する場合、DAC/ADCのサンプリングレートを可変にするか、又はDSP内部にサンプリングレートを変換する機能が必要になる。前者の場合、DAC/ADCを動作させるPLL(Phase Looked Loop)の動作範囲に制限され、動作範囲の拡大は困難である。ビットレートに応じたPLL及びDAC/ADCを複数用意する手法も可能ではあるが、アナログ部品を含むPLLを複数用意することは回路規模の増大が避けられないといった課題がある。一方、後者の場合デジタルフィルタにより任意のレートに変換することが可能であり、可変範囲は柔軟に変更することが可能である(非特許文献1)。
図11は、サンプリングレート変換装置90の一般的な装置構成を示した図である。サンプリングレート変換装置90は、入力される信号系列のサンプリングレートをn倍のサンプリングレートに変換するn倍オーバーサンプリング部91と、n倍オーバーサンプリング部91から出力されたデータに対してLPF(Low Pass Filter;低域通過フィルタ)処理を行うフィルタ部92と、フィルタ部92から出力されたデータを(1/m)間隔で間引きダウンサンプリングを行う1/m倍ダウンサンプリング部93とを備えている。
図12は、図11に示したサンプリングレート変換装置90によるサンプリングレート変換の原理図を示す図である。n/m(n及びmは1以上の任意の整数)倍にレートを変換する場合、n倍オーバーサンプリング部91は、入力される信号系列に対して、信号系列の各信号の間に(n−1)個の「0」データを挿入することにより、n倍のオーバーサンプリングを行う。図12においては、黒で塗りつぶされた点(●)が入力される信号系列を示し、白抜きの点(○)が挿入される「0」データを示している。
n倍オーバーサンプリング部91によりオーバーサンプリングされた信号系列にはn倍の繰り返し周波数が発生するため、フィルタ部92が当該信号系列に対して高調波の周波数成分を取り除くフィルタリングを行う。同図においては、LPF処理により、「0」データ(○)が隣接する信号(●)に応じたレベルに変化している。1/m倍ダウンサンプリング部93は、フィルタ部92は、フィルタ部92によりLPF処理された信号系列を(1/m)の間隔で信号を間引いて出力する。同図においては、ハッチングされた点を1/m倍ダウンサンプリング部93が抜き出して出力する。これにより、入力される信号系列のサンプリングレートは、n/m倍のサンプリングレートに変換される。
図13は、サンプリングレート変換装置90によるサンプリングレート変換におけるより具体的な処理及び構成を示した図である。同図には、基準クロックに応じて入力される信号系列のサンプリングレートを(3/2)倍にする場合の構成が示されている。同図には、上から順に、基準クロック、入力データ、オーバーサンプリング用クロック兼乗算部・加算部演算用クロック、オーバーサンプリング後のデータ、フィルタ部92における処理の概要、フィルタリング後のデータ、ダウンサンプリング用クロック、及び、ダウンサンプリング後のデータが示されている。入力データは、入力される信号系列の各データである。
n倍オーバーサンプリング部91は、入力される信号系列の各データの間に2個ずつ「0」データを挿入し3倍にオーバーサンプリングを行う。このとき、n倍オーバーサンプリング部91は、オーバーサンプリング用のクロックを必要とする。このオーバーサンプリング用のクロックは、入力される信号系列に対応するクロック(基準クロック)に対して3(n=3)倍の周波数のクロックとなる。オーバーサンプリングされたデータは、フィルタ部92によるLPF処理が施される。
フィルタ部92は、デジタルフィルタにより実現可能である。デジタルフィルタは、乗算部、及び、加算部により構成される。図13に示されているフィルタ部92の処理では、3つの乗算部と加算部とからなるFIRフィルタ(Finite Impulse Response Filter)を用いた例が示されている。乗算部に付されているa1、a2、及び、a3の添え字は、乗算部の識別子である。同図において、同じ識別子が付されている乗算部は同一の乗算部である。また、点線で囲まれている乗算部は、クロックで示される同一のタイミングで動作することを示している。すなわち、点線で囲まれている乗算部は、並列して動作することを示している。また、乗算部の動作タイミングを決定するクロックは、n倍のオーバーサンプリング、つまりここでは3倍のオーバーサンプリングに対応するクロックである。加算部も、乗算部と同様に、3倍のオーバーサンプリングに対応するクロックに基づいて動作する。
同図に示されているように、フィルタ部92において1つ目のデータを出力する際、乗算部a3は、1つ目の入力データに対して所定の係数を乗算し、乗算結果を加算部に入力する。加算部は入力された乗算結果を加算し、加算結果を1つ目のフィルタリング後のデータとして出力する。
また、2つ目のデータを出力する際、乗算部2aは、オーバーサンプリング後の1つ目のデータに対して所定の係数を乗算し、乗算結果を加算部に入力する。乗算部a3は、オーバーサンプリング後の2つ目のデータ(挿入された「0」データ)に対して係数を乗算し、乗算結果を加算部に入力する。加算部は、入力された乗算結果を加算し、加算結果を2つ目のデータとして出力する。
以下、入力データが入力されるごとに同様の処理が繰り返して行われる。
フィルタ部92の加算部から出力されるデータは、3倍オーバーサンプリングされているので、所望のサンプリングレートの2倍のレートで出力される。1/m倍ダウンサンプリング部93は、基準クロックに対して3/2倍されたダウンサンプリング用のクロックに基づいて、フィルタ部92から出力されるデータを(1/2)に間引いて出力する。同図では、フィルタ部92から出力されるデータのうち奇数番目のデータを1/m倍ダウンサンプリング部93が出力している。上記の処理により、サンプリングレートが(3/2)倍されたデータの信号系列が出力される。
"AN 623:Using the DSP Builder Advanced Blockset to Implement Resampling Filters", August 2010, Altera Corporation,[平成25年3月4日検索]、インターネット<URL:http://www.altera.com/literature/an/an623.pdf>
上述したようなサンプリングレート変換装置90を用いた場合、サンプリングレートの変換倍率に応じて回路規模が増加することにより、消費電力が増加してしまうという問題がある。また、n倍にオーバーサンプリングする際には、基準クロックに対してn倍の周波数のアップサンプリング用のクロックが必要となり、更に消費電力を増加させてしまうという問題がある。
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、回路規模の増加を抑えるとともに消費電力の増加を抑制することができるサンプリングレート変換システム、及びサンプリングレート変換方法を提供することにある。
上記問題を解決するために、本発明は、サンプリングレートをn/m倍(n及びmは1以上の整数)に変換するサンプリングレート変換システムであって、基準クロックに同期して入力される入力データに対して低域通過フィルタ処理を施してn個のデータを出力するフィルタ部と、前記基準クロックの周波数をn/m倍した周波数の第1のクロックに同期して、前記フィルタ部が出力するデータを間引いて出力するデータ選択部とを備えることを特徴とするサンプリングレート変換システムである。
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記フィルタ部は、前記基準クロックの周波数をn倍した周波数の第2のクロックに同期して、入力データに対して予め定められたフィルタ係数を乗ずる乗算部と、前記第2のクロックに同期して、前記乗算部による乗算結果を加算し加算結果をデータとして前記データ選択部に出力する加算部とを有し、前記データ選択部は、前記第1のクロックが示すタイミングにおいて、前記加算部から出力されるデータを選択し出力することを特徴とする。
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記フィルタ部は、前記基準クロックの周波数をn倍した周波数の第2のクロックに同期して、入力データに対して予め定められたフィルタ係数を乗ずる乗算部を有し、前記データ選択部は、前記第1のクロックが示すタイミングにおいて、前記乗算部から出力されるデータを選択し出力することを特徴とする。
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記フィルタ部は、前記基準クロックに同期して、入力データに対して予め定められたフィルタ係数を乗ずる乗算部と、前記基準クロックに同期して、前記乗算部による乗算結果を加算し加算結果をデータとして前記データ選択部に出力するn個の加算部とを有し、前記データ選択部は、前記n個の加算部から出力されるデータを順に記憶し、前記基準クロックの周波数をn/m倍した周波数の第2のクロックに同期して、記憶しているデータからいずれか1つのデータを選択して出力することを特徴とする。
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記フィルタ部は、前記基準クロックに同期して、入力データに対して予め定められたフィルタ係数を乗じて乗算結果をデータとして前記データ選択部に出力するn個の乗算部を有し、前記データ選択部は、前記n個の乗算部から出力されるデータを順に記憶し、前記基準クロックの周波数をn/m倍した周波数の第2のクロックに同期して、記憶しているデータからいずれか1つのデータを選択して出力することを特徴とする。
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記データ選択部は、前記基準クロックの周波数をn/m倍した周波数の第2のクロックに同期して、記憶しているデータから記憶した順にm個のデータを読み出し、読み出したm個のデータのうち(m−1)個を破棄し、他の1つのデータを出力することを特徴とする。
また、本発明は、サンプリングレートをn/m倍(n及びmは1以上の整数)に変換するサンプリングレート変換システムが行うサンプリングレート変換方法であって、基準クロックに同期して入力される入力データに対して、低域通過フィルタ処理を施してn個のデータを出力するフィルタ処理ステップと、前記基準クロックの周波数をn/m倍した周波数の第1のクロックに同期して、前記フィルタ処理ステップにおいて出力されたデータを間引いて出力するデータ選択ステップとを有することを特徴とするサンプリングレート変換方法である。
この発明によれば、一旦アップサンプリングする際に、入力データに対して「0」データを挿入することなく、入力データから複数のデータを生成する低域通過フィルタ処理を行うことにより、「0」データに対する演算処理及び演算回路を削減することができ、回路規模の増加を抑えるとともに消費電力の増加を抑制することができる。
本発明に係る第1の実施形態におけるサンプリングレート変換装置10の構成を示すブロック図である。 同実施形態におけるサンプリングレート変換装置10によるサンプリングレート変換の処理及び構成を示す図である。 同実施形態のサンプリングレート変換装置10の変形例1によるサンプリングレート変換の処理及び構成例を示す図である。 比較例1におけるサンプリングレート変換の処理を示す図である。 同実施形態のサンプリングレート変換装置10の変形例2によるサンプリングレート変換の処理及び構成を示す図である。 比較例2におけるサンプリングレート変換の処理を示す図である。 第2の実施形態におけるサンプリングレート変換装置20の構成を示すブロック図である。 同実施形態におけるサンプリングレート変換装置20によるサンプリングレート変換の処理及び構成を示す図である。 同実施形態のサンプリングレート変換装置20の変形例3によるサンプリングレート変換の処理及び構成例を示す図である。 同実施形態のサンプリングレート変換装置20の変形例4によるサンプリングレート変換の処理及び構成例を示す図である。 サンプリングレート変換装置90の一般的な装置構成を示した図である。 図11に示したサンプリングレート変換装置90によるサンプリングレート変換の原理図を示す図である。 サンプリングレート変換装置90によるサンプリングレート変換におけるより具体的な処理及び構成を示した図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態におけるサンプリングレート変換システム、及びサンプリングレート変換方法を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係る第1の実施形態におけるサンプリングレート変換装置10の構成を示すブロック図である。サンプリングレート変換装置10は、例えば、光伝送システムにおけるデジタル信号処理装置で用いられる装置であって、入力されるデジタルの信号系列のサンプリングレートを(n/m)倍に変換して出力する装置である。n及びmは1以上の任意の整数である。サンプリングレート変換装置10は、フィルタ部11、及び、1/m倍ダウンサンプリング部12を備えている。フィルタ部11は、入力される信号系列に対してLPF処理を行い、n倍のサンプリングレートの信号系列に変換して出力する。データ選択部としての1/m倍ダウンサンプリング部12は、フィルタ部11から出力される信号系列に対し、一定間隔で信号を間引き、1/m倍にサンプリングレートを変換して出力する。本実施形態のサンプリングレート変換装置10は、入力されるサンプリングレート(x sample/s;xは任意の数)の信号系列を(n/m)倍のサンプリングレート((x×n/m) sample/s)の信号系列に変換して出力する。
図2は、本実施形態におけるサンプリングレート変換装置10によるサンプリングレート変換の処理及び構成を示す図である。同図において、横軸は時間を示している。また、同図には、基準クロックに応じて入力される信号系列のサンプリングレートを(3/2)倍にする場合の構成例が示されている。同図には、上から順に、基準クロック、乗算部・加算部演算用クロック、入力データ、フィルタ部11における処理の概要、フィルタリング後のデータ、ダウンサンプリング用クロック、及び、ダウンサンプリング後のデータが示されている。
基準クロックは、サンプリングレート変換装置10に入力される信号系列のサンプリングレートに対応し、信号系列のデータが入力される周期と同じ周期を有するクロック信号である。入力データは、サンプリングレート変換装置10に入力される信号系列のデータであり、基準クロックに同期してサンプリングレート変換装置10に入力される。乗算部・加算部演算用クロックは、基準クロックに対してn倍の周波数を有するクロック信号であり、基準クロックと同期しているクロック信号ある。フィルタ部11は、基準クロックと乗算部・加算部演算用クロックとのそれぞれが示すタイミングに基づいて動作する。フィルタリング後のデータは、フィルタ部11が出力するデータである。ダウンサンプリング用クロックは、乗算部・加算部演算用クロックに対して(1/m)倍の周波数を有するクロック信号である。1/m倍ダウンサンプリング部12は、ダウンサンプリング用クロックが示すタイミングに基づいて動作する。ダウンサンプリング後のデータは、1/m倍ダウンサンプリング部12が出力するデータであり、すなわちサンプリングレート変換装置10が出力する信号系列のデータである。同図に示す処理は、図13に示した処理に対応する。
図2には、フィルタ部11が3つの乗算部a1〜a3と1つの加算部とを有するFIRフィルタを備え、当該FIRフィルタを用いた処理を行う構成例が示されている。フィルタ部11では、基準クロックに応じて入力データが入力されると、当該入力データに対して3つの乗算部a1〜a3が所定のフィルタ係数を乗じる。各乗算部a1〜a3は、基準クロックに対してn倍の周波数を有する乗算部・加算部演算用クロックに応じて乗算結果を順に加算部に入力する。乗算部a1〜a3が入力データに対して乗じるフィルタ係数は、予め定められた値であり、サンプリングレート変換後のサンプリングレートや、サンプリングレートの変換比(n/m)等に基づいて定められる。また、変換比(n/m)に基づいて定められるLPFのフィルタ特性に基づいて定めるようにしてもよい。また、乗算部a1〜a3それぞれのフィルタ係数は、同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。加算部は同一のタイミングで入力される乗算結果を加算して出力する。
例えば、時刻t1において入力データがフィルタ部11に入力されると、乗算部・加算部演算用クロックが示すタイミングに同期して、乗算部a3が当該入力データに対してフィルタ係数を乗じて得られた乗算結果を加算部に入力し、加算部が当該乗算結果をフィルタリング後のデータとして出力する。時刻t2までの間に、乗算部・加算部演算用クロックが示すタイミングに同期して、乗算部a2が入力データに対してフィルタ係数を乗じて得られた乗算結果を加算部に入力し、加算部が当該乗算結果をフィルタリング後のデータとして出力する。その後に、乗算部a1が入力データに対してフィルタ係数を乗じて得られた乗算結果を加算部に入力し、加算部が当該乗算結果をフィルタリング後のデータとして出力する。このように、フィルタ部11に入力データが入力されると、当該入力データに応じて得られる3つのデータが、乗算部・加算部演算用クロックが示すタイミングに同期してフィルタ部11から出力される。また、時刻t2以降も、フィルタ部11において同様の処理が繰り返して行われる。
1/m倍ダウンサンプリング部12は、ダウンサンプリング用クロックが示すタイミングに同期して、フィルタ部11から出力されるフィルタリング後のデータを選択して出力することにより、データの間引きを行う。図2に示す構成例では、1番目から10番目までのフィルタリング後のデータうち、奇数番目のデータが選択されてサンプリングレート変換装置10の出力となる。
上述のように、サンプリングレート変換装置10は、入力される信号系列を、(n/m)倍のサンプリングレートの信号系列に変換して出力する。本実施形態におけるサンプリングレート変換装置10は、図11に示したサンプリングレート変換装置90と異なり、入力される信号系列に対してアップサンプリングを行わない。サンプリングレート変換装置90では、「0」データを挿入しn倍オーバーサンプリング後にフィルタリング処理を行っていた。しかし、本実施形態におけるサンプリングレート変換装置10では「0」データを入力データの間に挿入しないので、「0」データに対する乗算が行われない。そのため、1クロックサイクルあたりに動作する乗算部の数を削減することができ、消費電力の削減を図ることができる。また、「0」データに対する乗算部の出力は常に0になるため、サンプリングレート変換装置10が出力する信号系列と、サンプリングレート変換装置90が出力する信号系列とは同じになる。すなわち、出力される信号系列を劣化させることなく、回路規模の増加を抑えるとともに消費電力の増加を抑制することが可能となる。
なお、本実施形態のフィルタ部11において、加算部が加算対象とする乗算結果が1つである場合、加算部を省いて各乗算部a1〜a3が乗算結果を1/m倍ダウンサンプリング部12に出力するようにしてもよい。この場合、フィルタ部11の構成を更に簡素化することができ、回路規模を削減することができる。
また、
(変形例1)
図3は、本実施形態のサンプリングレート変換装置10の変形例1によるサンプリングレート変換の処理及び構成例を示す図である。同図に示す処理では、4つの乗算部a1〜a4と加算部とを有するFIRフィルタによる処理が行われている。すなわち、本変形例におけるフィルタ部11は、4つの乗算部a1〜a4と加算部とを有するFIRフィルタを備える構成となっている。図2に示した処理における乗算部が3つであるのに対して、図3に示す処理では乗算部が4つになっている。4つ目の乗算部a4を設けたことにより、時刻t2、t3、t4における処理が異なっている。
具体的には、時刻t2においてフィルタ部11に入力データが入力されると、乗算部・加算部演算用クロックが示すタイミングに同期して、乗算部a3が当該入力データに対してフィルタ係数を乗じて得られた乗算結果を加算部に入力し、乗算部a4が1つ前の入力データに対してフィルタ係数を乗じて得られた乗算結果を加算部に入力する。加算部は、乗算部a3から入力された乗算結果と、乗算部a4から入力された乗算結果とを加算し、加算結果を4番目のフィルタリング後のデータとして出力する。時刻t3、t4においても同様の処理が行われ、7、10番目のフィルタリング後のデータが加算部から出力される。
図4は、比較例1におけるサンプリングレート変換の処理を示す図である。比較例1として同図に示している処理は、図13に示す構成において、図3に示した処理と同様に4つの乗算部を備えた場合の処理である。比較例1においては、乗算部・加算部演算用クロックの1クロックサイクルあたりに動作する乗算部の数が最大で4つとなっている。これに対して、変形例1におけるフィルタ部11では1クロックサイクルあたりに動作する乗算部の数は最大で2つとなっている。このように、回路全体の動作率が下がることにより、低消費電力化が可能な構成となっている。
乗算部の数を3つ又は4つとした構成について説明したが、これに限ることなく、設計者が任意の数の乗算部を設けることが可能である。サンプリングレート変換の処理に要求されるLPFのフィルタ特性に応じて乗算部の数を適宜変更することが可能である。
(変形例2)
図5は、本実施形態のサンプリングレート変換装置10の変形例2によるサンプリングレート変換の処理及び構成を示す図である。同図に示す処理では、入力される信号系列のサンプリングレートを(2/3)倍のサンプリングレートに変換する処理が示されている。同図に示す処理では、フィルタ部11における加算部の処理と、1/m倍ダウンサンプリング部12における処理とが図2に示した処理と異なっている。また、サンプリングレートを(2/3)倍に変更することに応じて、乗算部・加算部演算用クロックの周波数が基準クロックの周波数に対して2倍に変更されている。また、ダウンサンプリング用クロックの周波数が乗算部・加算部演算用クロックの周波数に対して(1/3)倍に変更されている。
図5に示す処理では、時刻t2、t3、t4におけるフィルタ部11の処理が図2に示した処理と異なっている。具体的には、フィルタ部11に入力データが入力されると、乗算部・加算部演算用クロックが示すタイミングに同期して、乗算部a3が当該入力データに対してフィルタ係数を乗じて得られた乗算結果を加算部に入力し、乗算部a1が1つ前のデータに対してフィルタ係数を乗じて得られた乗算結果を加算部に入力する。加算部は、乗算部a3から入力された乗算結果と、乗算部a1から入力された乗算結果とを加算し、加算結果をフィルタリング後のデータとして出力する。これにより、入力される信号系列のサンプリングレートの2倍のサンプリングレートの信号系列がフィルタ部11から出力される。
また、1/m倍ダウンサンプリング部12は、基準クロックの周波数を(2/3)倍にしたダウンサンプリング用クロックが示すタイミングに同期して、フィルタ部11から出力されるフィルタリング後のデータを選択して出力することにより、データの間引きを行う。図5に示す処理では、1番目から7番目までのフィルタリング後のデータのうち、1、4、7番目のフィルタリング後のデータが選択されてサンプリングレート変換装置10の出力となる。以上の処理により、サンプリングレート変換装置10に入力される信号系列は、(2/3)倍のサンプリングレートの信号系列に変換される。
図5に示される処理では、図2及び図3に示された処理と同様に、基準クロックに対してn倍の周波数を有する乗算部・加算部演算用クロックに基づいて、入力データに対するフィルタ係数の乗算処理と、乗算結果に対する加算処理とが行われる。加算部から出力されたデータは、基準クロックに対して(2/3)倍の周波数を有するダウンサンプリング用クロックが示すタイミングに同期して間引かれる。これにより、(2/3)倍のサンプリングレート変換がなされた信号系列が出力される。
図6は、比較例2におけるサンプリングレート変換の処理を示す図である。比較例2として同図に示している処理は、図13に示す構成において、図5に示した処理と同様に、(2/3)倍のサンプリングレート変換を行う処理である。比較例2においては、乗算部・加算部演算用クロックの1クロックサイクルあたりに動作する乗算部の数が最大で3つとなっている。これに対して、変形例2におけるフィルタ部11では1クロックサイクルあたりに動作する乗算部の数は最大で2つとなっており、低消費電力化が可能な構成となっている。
なお、本実施形態では、(3/2)倍、(2/3)倍にサンプリングレートを変換するnとmとの組み合わせの構成例を示したが、これに限ることなく、nとmとは1以上の任意の整数を取ることが可能である。
また、上述の第1の実施形態では、サンプリングレート変換装置10が1つの装置として構成される場合について説明したが、フィルタ部11を実現した集積回路又はIC等と、1/m倍ダウンサンプリング部12を実現した集積回路又はICなどとを組み合わせた構成であってもよい。
また、本実施形態では、乗算部・加算部演算用クロックと、ダウンサンプリング用クロックとが同期している構成を示したが、乗算部・加算部演算用クロックと、ダウンサンプリング用クロックとが非同期であってもよい。この場合、1/m倍ダウンサンプリング部12は、フィルタ部11から出力されるフィルタリング後のデータを記憶するバッファを備え、ダウンサンプリング用クロックが示すタイミング間において入力されるフィルタリング後のデータをバッファに記憶させる。1/m倍ダウンサンプリング部12は、ダウンサンプリング用クロックが示すタイミングに基づいて、バッファに記憶されているデータのうちいずれか1つを選択して出力するとともに、バッファに記憶されているデータを破棄する。
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態におけるサンプリングレート変換装置20の構成を示すブロック図である。サンプリングレート変換装置20は、第1の実施形態のサンプリングレート変換装置10と同様に、入力される信号系列のサンプリングレートを(n/m)倍に変換して出力する。サンプリングレート変換装置20は、フィルタ部21、及び、FIFO(First In First Out)バッファ部22を備えている。
フィルタ部21は、入力される信号系列に対してLPF処理を行い、入力される信号系列と同じサンプリングレート(x sample/s)のn個のデータを並列して出力する。データ選択部としてのFIFOバッファ部22は、先入れ、先出しのバッファであってn入力1出力のバッファである。FIFOバッファ部22は、基準クロックが示すタイミングに同期して、フィルタ部21から出力されるn個のデータを一時的に記憶する。FIFOバッファ部22は、入力される信号系列のサンプリングレートに対してn/m倍のサンプリングレートに対応するクロックに同期して、記憶しているデータのうち先に記憶したデータから順に選択し、選択したデータを出力する。
サンプリングレート変換装置20は、第1の実施形態のサンプリングレート変換装置10(図1)と比べ、1/m倍ダウンサンプリング部12に代えてFIFOバッファ部22を備えていること、フィルタ部21から出力されるn個のデータのサンプリングレートが入力される信号系列のサンプリングレートと同じであること、フィルタ部21から出力されるデータがn並列化されていることが異なっている。
図8は、本実施形態におけるサンプリングレート変換装置20によるサンプリングレート変換の処理及び構成を示す図である。同図において、横軸は時間を示している。また、同図には、基準クロックに応じて入力される信号系列のサンプリングレートを(3/2)倍にする場合の構成が示されている。同図には、上から順に、基準クロック、入力データ、フィルタ部21における処理の概要、フィルタリング後のデータ、FIFOバッファ部22が記憶するデータ、サンプリングレート変換用のクロック、及び、レート変換後のデータが示されている。
基準クロックは、サンプリングレート変換装置20に入力される信号系列のサンプリングレートに対応し、信号系列のデータが入力される周期と同じ周期を有するクロック信号である。入力データは、サンプリングレート変換装置20に入力される信号系列のデータであり、基準クロックに同期してサンプリングレート変換装置20に入力される。フィルタリング後のデータは、フィルタ部21が出力するデータである。サンプリングレート変換用のクロックは、基準クロックに対して(n/m)倍の周波数を有するクロック信号であり、FIFOバッファ部22がデータを出力するタイミングを示すクロック信号である。
図8には、フィルタ部21が、3つの乗算部a1〜a3と3つの加算部b1〜b3とを有するFIRフィルタを備え、当該FIRフィルタを用いた処理を行う構成例が示されている。フィルタ部21では、基準クロックに応じて入力データが入力されると、当該入力データに対して3つの乗算部a1〜a3が所定のフィルタ係数を乗じる。乗算部a1は乗算結果を加算部b1に入力し、加算部b2は入力された乗算結果をフィルタリング後のデータとしてFIFOバッファ部22に出力する。乗算部a2は乗算結果を加算部b2入力し、加算部b2は入力された乗算結果をフィルタリング後のデータとしてFIFOバッファ部22に出力する。乗算部a3は乗算結果を加算部b3に入力し、加算部b3は入力された乗算結果をフィルタリング後のデータとしてFIFOバッファ部22に出力する。すなわち、フィルタ部21に入力データが入力されると、当該入力データに対してフィルタリング処理を施して得られた3つのデータが並列化されてFIFOバッファ部22に入力される。
FIFOバッファ部22は、基準クロックが示すタイミングに同期して、フィルタ部21から入力されるデータを順に記憶する。例えば、図8に示す処理では、時刻t1にフィルタ部21に入力される入力データに対して、フィルタ部21の加算部b3、b2、b1それぞれからデータk、k+1、k+2がFIFOバッファ部22に入力される。FIFOバッファ部22は、フィルタ部21から入力されるデータをデータk、k+1、k+2の順で記憶する。
また、FIFOバッファ部22は、基準クロックの(n/m)倍の周波数を有するサンプリングレート変換用のクロックが示すタイミングに同期して、記憶しているデータのうち先に記憶したデータを2つ読み出し、読み出した2つのデータのうち一方を破棄し、他方を出力する。FIFOバッファ部22の出力は、サンプリングレート変換装置20の出力となる。例えば、図8に示す処理では、サンプリングレート変換用のクロックが示す2番目のタイミングにおいてFIFOバッファ部22が記憶しているデータk+1、k+2が読み出され、データk+1が破棄され、データk+2が出力される。FIFOバッファ部22は、記憶しているデータの順序において、出力するデータ間の間隔が等間隔になるように出力するデータを選択するとともに、データの破棄を行う。
上述のように、サンプリングレート変換装置20は、入力される信号系列を、(n/m)倍のサンプリングレートの信号系列に変換して出力する。本実施形態におけるサンプリングレート変換装置20は、乗算部及び加算部が基準クロックを使用して動作する。また、入力データを3つに分岐させ、乗算部a1〜a3と加算部b1〜b3とにおいて並列に処理する。加算部b1〜b3から出力された3つデータは、FIFOバッファ部22に入力される。3つのデータは、基準クロックを基にFIFOバッファ部22に記憶される。
FIFOバッファ部22は、入力されるデータを記憶するタイミングと、データを出力するタイミングとが異なり、入力と出力とが非同期の動作を行う。入力されるデータを記憶するタイミングは基準クロックに同期しており、データを出力するタイミングはサンプリングレート変換用のクロックに同期している。FIFOバッファ部22は、例えば、汎用メモリを用いることで実現可能であり、SRAM(Static Random Access Memory)や、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成することが可能である。なお、SRAMやDRAM以外の記憶素子を用いてFIFOバッファ部22を構成してもよい。図8に示した構成例では、FIFOバッファ部22は3入力1出力のバッファとして動作している。しかし、これに限ることなく、FIFOバッファ部22の入力数は変換するサンプリングレートの倍率に応じて設定することが可能である。
FIFOバッファ部22は、サンプリングレート変換用のクロックを基に、先に記憶したデータから2つ読み出し、1つを破棄し、他方を出力する。記憶しているデータから2つのデータを読み出す際には、FIFOバッファ部22内に設けられているリードポインタ又は読み出しイネーブル信号を使用し、選択的に読み出すことが一般的に可能である。FIFOバッファ部22における読み出しの方法は、これ以外の方法であってもよく、特に限定しない。
なお、本実施形態の図8に示す構成では、各加算部b1〜b3には1つの乗算結果が入力されているが、複数の乗算結果を入力するようにしてもよい。また、本実施形態のフィルタ部21において、加算部が加算対象とする乗算結果が1つである場合、当該加算部を省いて乗算部が乗算結果をFIFOバッファ部22に出力するようにしてもよい。この場合、フィルタ部21の構成を更に簡素化することができ、回路規模を削減することができる。
(変形例3)
図9は、本実施形態のサンプリングレート変換装置20の変形例3によるサンプリングレート変換の処理及び構成例を示す図である。同図に示すよりでは、4つの演算部a1〜a4と3つの加算部b1〜b3とを有するFIRフィルタによる処理が行われている。すなわち、本変形例におけるフィルタ部21は、4つの乗算部a1〜a4と、3つの加算部b1〜b3とを有するFIRフィルタを備える構成となっている。図8に示した処理における乗算部が3つであるのに対して、図9に示す処理では乗算部が4つになっている。4つ目の乗算部a4を設けたことにより、時刻t2、t3、t4における処理が異なっている。
具体的には、時刻t2において、基準クロックに同期してフィルタ部21に入力データが入力されると、基準クロックが示すタイミングに同期して、乗算部a3が当該入力データに対してフィルタ係数を乗じて得られた乗算結果を加算部b3に入力する。また、乗算部a2、a1も、乗算部3aと同様に当該入力データに対してフィルタ係数を乗じて得られた乗算結果を加算部b2、b1に入力する。また、乗算部4aが1つ前のタイミングに入力された入力データに対してフィルタ係数を乗じて得られた乗算結果を加算部b3に入力する。加算部b3は、乗算部a3と乗算部a4とから入力された乗算結果を加算し、加算結果をデータ2kとしてFIFOバッファ部22に入力する。加算部b2は、乗算部a2から入力された乗算結果をデータ2k+1としてFIFOバッファ部22に入力する。加算部b1は、乗算部a1から入力された乗算結果をデータ2k+2としてFIFOバッファ部22に入力する。時刻t3、t4においても同様の処理が行われ、1つ前のタイミングで入力された入力データと現時刻で入力された入力データとを合成して得られたデータがデータ3k、4kとしてFIFOバッファ部22に入力される。
上述のように、乗算部の数を3つから4つに変更した場合においても処理の流れはほぼ同じである。複数の入力データにまたがって乗算結果を加算する場合は、入力データをバッファリングすることで実現できる。例えば、フィルタ部21に1つ前のタイミングにおいて入力された入力データを記憶するバッファを設けることになる。フィルタ部21は、入力データを逐次バッファリングし、複数の加算したいデータが入力された時点で乗算処理と加算処理とを行うことにより、上述の処理を実施することが可能である。図9に示した構成例では、2つの入力データを乗算し加算するための2入力分のバッファを設ける。乗算部の数に応じてバッファリングの数を増やすことで容易に構成することが可能である。
本実施形態では、フィルタ部21が3つの乗算部を有する場合と、4つの乗算部を有する場合とを例示したが、これに限ることなく、設計者が任意の数を定めることが可能である。また、乗算部の数は、サンプリングレート変換の処理に要求されるLPFのフィルタ特性に応じて乗算部の数を適宜変更することが可能である。また、フィルタ部21のFIRフィルタが備える乗算部の数に比例して、入力データを記憶するバッファの数を増やすようにしてもよい。
(変形例4)
図10は、本実施形態のサンプリングレート変換装置20の変形例4によるサンプリングレート変換の処理及び構成例を示す図である。同図に示す処理では、入力される信号系列のサンプリングレートを(2/3)倍のサンプリングレートに変換する処理が示されている。同図に示す処理では、フィルタ部21における処理と、FIFOバッファ部22における処理とが図8に示した処理と異なっている。また、サンプリングレートを(2/3)倍に変更することに応じて、サンプリングレート変換用のクロックの周波数が基準クロックの周波数に対して(2/3)の周波数に変更されている。
具体的には、フィルタ部21は、フィルタ部21は、基準クロックで示されるタイミングに基づいて、入力される入力データに対して乗算及び加算を並列に行い2つのデータを出力する。図10におけるフィルタ部21は、3つの乗算部a1〜a3と2つの加算部b2〜b3とを有するFIRフィルタを備えた構成となっている。フィルタ部21では、乗算部a3及びa2が入力された入力データに対してフィルタ係数を乗算し、乗算部a1が1つ前のタイミングにおいて入力された入力データに対してフィルタ係数を乗算する。加算部b3が、乗算部a1の乗算結果と、乗算部a3の乗算結果とを加算し、加算結果を出力する。加算部b2が、乗算部a2の乗算結果を加算結果として出力する。加算部b3及びb2の出力がフィルタ部21によるフィルタリング後のデータとして出力される。例えば、時刻t1では加算部b3の出力がデータk、加算部b2の出力がデータk+1として出力される。
FIFOバッファ部22は、基準クロックで示されるタイミングに基づいて、フィルタ部21から出力される2つのデータを記憶する。FIFOバッファ部22は、サンプリングレート変換用のクロックが示すタイミングに基づいて、記憶しているデータのうち先に記憶したデータから順に3個ずつ読み出し、読み出した3個のデータのうち2個のデータを破棄し、残りの1個のデータを出力する。FIFOバッファ部22は、基準クロックに対して(2/3)倍されたクロックで読み出しを行い、3つのデータから1つのデータを選択的に出力する。
図10に示す処理及び構成では、上述のようにフィルタ部21とFIFOバッファ部22とが動作することにより、基準クロックに同期して入力される信号系列が、基準クロックに対して(2/3)倍のクロックに同期して出力される信号系列に変換される。
本実施形態におけるサンプリングレート変換装置20では、フィルタ部21が基準クロックに基づいて入力データからn個のデータを生成するので、アップサンプリングに対応したクロックが不要となり、回路構成の簡略化及び低消費電力化が可能である。
なお、本実施形態では、(3/2)倍、(2/3)倍にサンプリングレートを変換するnとmとの組み合わせの構成例を示したが、これに限ることなく、nとmとは1以上の任意の整数を取ることが可能である。また、nとmとの値に応じて、フィルタ部21が備えるFIRフィルタの乗算部の数及び加算部の数、並びに、FIFOバッファ部22の入力数を定めることにより、要求されるサンプリングレートの変換処理に柔軟に対応することが可能である。
また、上述の第2の実施形態では、サンプリングレート変換装置20が1つの装置として構成される場合について説明したが、フィルタ部21を実現した集積回路又はIC等と、FIFOバッファ部22を実現した集積回路又はICなどとを組み合わせた構成であってもよい。
上述したように、第1の実施形態におけるサンプリングレート変換装置10、及び、第2の実施形態におけるサンプリングレート変換装置20では、入力される信号系列の入力データ間に「0」データを挿入することなく、アップサンプリングされたデータ(フィルタリング後のデータ)を生成することにより、1クロックあたりにおいて行う演算量と、演算回路の規模とを削減することができる。その結果、回路規模の増加を抑えるとともに消費電力の増加を抑制することができる。
なお、上述の第1及び第2の実施形態では、動作のタイミングを各クロック信号のH(High)レベルを用いて示したが、これに限ることなく、L(Low)レベルを用いてタイミングを示したり、クロック信号の立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジを用いてタイミングを示したりしてもよい。
なお、図1や図7に示したサンプリングレート変換装置の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステム又はプログラマブルロジックデバイスに読み込ませ、実行することによりフィルタ部や、1/m倍ダウンサンプリング部又はFIFOバッファ部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。更に「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。更に、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
10、20、90…サンプリングレート変換装置
11、21、92…フィルタ部
12、93…1/m倍ダウンサンプリング部
22…FIFOバッファ部
91…n倍オーバーサンプリング部
a1、a2、a3、a4…乗算部
b1、b2、b3…加算部

Claims (7)

  1. サンプリングレートをn/m倍(n及びmは1以上の整数)に変換するサンプリングレート変換システムであって、
    基準クロックに同期して入力される入力データに対して低域通過フィルタ処理を施してn個のデータを出力するフィルタ部と、
    前記基準クロックの周波数をn/m倍した周波数の第1のクロックに同期して、前記フィルタ部が出力するデータを間引いて出力するデータ選択部と
    を備えることを特徴とするサンプリングレート変換システム。
  2. 請求項1に記載のサンプリングレート変換システムにおいて、
    前記フィルタ部は、
    前記基準クロックの周波数をn倍した周波数の第2のクロックに同期して、入力データに対して予め定められたフィルタ係数を乗ずる乗算部と、
    前記第2のクロックに同期して、前記乗算部による乗算結果を加算し加算結果をデータとして前記データ選択部に出力する加算部と
    を有し、
    前記データ選択部は、
    前記第1のクロックが示すタイミングにおいて、前記加算部から出力されるデータを選択し出力する
    ことを特徴とするサンプリングレート変換システム。
  3. 請求項1に記載のサンプリングレート変換システムにおいて、
    前記フィルタ部は、
    前記基準クロックの周波数をn倍した周波数の第2のクロックに同期して、入力データに対して予め定められたフィルタ係数を乗ずる乗算部を有し、
    前記データ選択部は、
    前記第1のクロックが示すタイミングにおいて、前記乗算部から出力されるデータを選択し出力する
    ことを特徴とするサンプリングレート変換システム。
  4. 請求項1に記載のサンプリングレート変換システムにおいて、
    前記フィルタ部は、
    前記基準クロックに同期して、入力データに対して予め定められたフィルタ係数を乗ずる乗算部と、
    前記基準クロックに同期して、前記乗算部による乗算結果を加算し加算結果をデータとして前記データ選択部に出力するn個の加算部と
    を有し、
    前記データ選択部は、
    前記n個の加算部から出力されるデータを順に記憶し、
    前記基準クロックの周波数をn/m倍した周波数の第2のクロックに同期して、記憶しているデータからいずれか1つのデータを選択して出力する
    ことを特徴とするサンプリングレート変換システム。
  5. 請求項1に記載のサンプリングレート変換システムにおいて、
    前記フィルタ部は、
    前記基準クロックに同期して、入力データに対して予め定められたフィルタ係数を乗じて乗算結果をデータとして前記データ選択部に出力するn個の乗算部を有し、
    前記データ選択部は、
    前記n個の乗算部から出力されるデータを順に記憶し、
    前記基準クロックの周波数をn/m倍した周波数の第2のクロックに同期して、記憶しているデータからいずれか1つのデータを選択して出力する
    ことを特徴とするサンプリングレート変換システム。
  6. 請求項4又は請求項5のいずれかに記載のサンプリングレート変換システムにおいて、
    前記データ選択部は、
    前記基準クロックの周波数をn/m倍した周波数の第2のクロックに同期して、記憶しているデータから記憶した順にm個のデータを読み出し、読み出したm個のデータのうち(m−1)個を破棄し、他の1つのデータを出力する
    ことを特徴とするサンプリングレート変換システム。
  7. サンプリングレートをn/m倍(n及びmは1以上の整数)に変換するサンプリングレート変換システムが行うサンプリングレート変換方法であって、
    基準クロックに同期して入力される入力データに対して、低域通過フィルタ処理を施してn個のデータを出力するフィルタ処理ステップと、
    前記基準クロックの周波数をn/m倍した周波数の第1のクロックに同期して、前記フィルタ処理ステップにおいて出力されたデータを間引いて出力するデータ選択ステップと
    を有することを特徴とするサンプリングレート変換方法。
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