JP2014182213A - 光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】偏波変換によりTE波又はTM波に偏波を揃えて伝搬光の処理を行う
【解決手段】コアと、コアの周囲に設けられ、コアの屈折率の71.4%以下の屈折率のクラッドとを備える光導波路を有し、光導波路が、偏波が異なる第1及び第2光C及びCを含む被変換光Lが入力され、第2光を、伝搬モード次数が異なり且つ偏波が第1光と等しい第3光Cに変換し、第1及び第3光を含む変換光Lを出力する偏波変換部3と、複数の出力ポート7〜7を有する出力部7と、1以上の多モード干渉光導波路又は平面光導波路を備え、入力される変換光に所定の処理を行うとともに、伝搬モードの次数及び強度比が変換光と同様に保たれた第1及び第3光を含む処理光Lを出力ポートが接続された箇所で生成する光処理部5とを備える
【選択図】図1

Description

この発明は、波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplex)通信において波長の異なる成分光の合分波に用いる光素子に関する。
加入者側から局側への光伝送(上り通信)と、局側から加入者側への光伝送(下り通信)とを1本の光ファイバで行う光加入者系通信システム(以下、加入者系システムとも称する。)においては、上り通信及び下り通信に異なる波長の光を用いることがある。加入者系システムで現在主流となっているのが、双方向で1Gbps以上の速度で通信可能なGE−PON(Gigabit Ethernet(登録商標)−Passive Optical Network)である。近年、GE−PONに代わる次世代の技術として、通信に用いる波長の多重度を上げたWDM−PONが検討されている。WDM−PONでは、原理的には、双方向で10Gbpsを超える通信速度が得られる。
WDM−PONでは、通信に用いる光ファイバの局側及び加入者側の端部にそれぞれ局側終端装置(OLT:Optical Line Terminal)と、加入者側終端装置(ONU:Optical Network Unit)とが設けられる。これらの終端装置には、発光素子、受光素子及び複数波長の光を合分波する波長合分波素子が備えられる。以下、発光素子の一例として、Laser Diode(以下、LDとも称する。)を用い、受光素子の一例として、Photo Diode(以下、PDとも称する。)を用いた場合につき説明する。
一般に、LD、PD、及び波長合分波素子は、光導波路を備えた共通基板に集積されている(例えば、非特許文献1及び特許文献1参照)。近年、これらの素子間接続には、シリコン(Si)を材料とするコアと、Siとの屈折率差が大きな酸化シリコン(SiO)を材料とするクラッドとを用いたSi光導波路が用いられる。Si光導波路は、コアの屈折率がクラッドの屈折率よりも非常に大きいので、光の閉じ込めが強く、光を1μm程度の小さい曲率半径で曲げる湾曲光導波路を形成できる。また、Si電子デバイスの加工技術を利用して製造できるために、きわめて微細なサブミクロンの断面構造を実現できる。これらのことから、Si光導波路を用いることで素子サイズを小型化することができる。
Technical digest OFC/NFOEC 2010,paper OWJ3, 2010年3月 Optics Express vol.20,p.B493,2012年12月10日 Proceedings of SPIE No.647602,2007年 Optics Express vol.19,p.10940,2011年5月20日 Optics Express vol.20,p.13425,2012年5月31日
特開2009−198914号公報
しかし、Si光導波路は偏波により伝搬特性が変化する特性(以下、偏波依存性とも称する。)を有し、特に、波長を合分波する際の課題となっていた。
この課題を解消する技術として、伝搬光を予めTE波及びTM波に分離して、それぞれの偏波を別個に処理する技術が報告されている(例えば、非特許文献2参照)。しかし、この技術では、TE波とTM波にそれぞれ光回路を準備する必要があり、素子が大型化する問題があった。
また、別の技術として、偏波無依存な断面構造を持つSi光導波路で光合分波素子を構成する技術が報告されている(例えば、非特許文献3参照)。しかし、この技術では、偏波無依存なSi光導波路の設計に膨大な時間が掛かり、さらに、完成した光合分波素子も寸法誤差に弱いという問題があった。
一方、Si光導波路において、偏波を回転する技術が報告されていた(例えば、非特許文献4及び5参照)。
この発明は、このような技術的背景でなされた。従って、この発明の目的は、偏波変換によりTE波又はTM波に偏波を揃えて伝搬光の処理を行うことにより、偏波ごとの光回路も、偏波無依存な設計の光導波路も不要とした光素子を得ることにある。
発明者は、鋭意検討の結果、屈折率が非対称に分布する光導波路を利用した偏波変換部を用いることで、上述の目的を達成できることに想到した。
従って、この発明の光素子は、コアと、コアの周囲に設けられ、コアの屈折率の71.4%以下の屈折率のクラッドとを備える光導波路を有する。
そして、光導波路が、偏波変換部と、出力部と、光処理部とを備える。
偏波変換部には、偏波が異なる第1及び第2光を含む被変換光が入力される。そして、第2光を、伝搬モード次数が異なり且つ偏波が第1光と等しい第3光に変換し、第1及び第3光を含む変換光を生成する。
出力部は、複数の出力ポートを備えている。
光処理部は、1以上の多モード干渉光導波路又は平面光導波路を備え、入力される変換光に所定の処理を行うとともに、出力ポートが接続された箇所において、伝搬モードの次数及び強度比が変換光と同様に保たれた第1及び第3光を含む処理光を生成する。
この発明では、偏波変換部が、二つの偏波を含む光を一方の偏波に変換して、光処理部に出力するので、偏波ごとの光回路も、偏波無依存な設計の光導波路も不要となり、構造が簡単な光素子が得られる。
本発明の光素子の機能ブロック図である。 実施形態1の光素子の構造を概略的に示す平面図である。 (A)〜(C)は、それぞれ、図2のI−I線,II−II線,及びIII−III線に沿った切断端面図である。 実施形態1の光素子の入力部の部分拡大平面図である。 実施形態1の光素子の動作を説明するための模式図である。 (A)及び(B)は、入力部にTE0及びTM0をそれぞれ入力した場合における実施形態1の光素子中での光界分布を示した分布図である。 実施形態1の光素子における変形例の入力部の構造を模式的に示す平面図である。 (A)〜(D)は、それぞれ、偏波変換部の変形例を示す横断面図である。 実施形態2の光素子の構造を概略的に示す平面図である。 実施形態3の光素子の構造を概略的に示す平面図である。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。なお、各図では構成要素の形状、大きさ及び配置関係を、この発明が理解できる程度に概略的に示している。また、以下の各実施形態は、この発明の一好適例であり、各構成要素の材質や数値的条件なども、好適な場合の例示に過ぎない。従って、この発明は、以下の各実施形態に何ら限定されない。また、各図において、共通する構成要素には同符号を付し、その説明を省略することもある。
[発明の概要]
(概説)
図1を参照して、この発明の概要について説明する。図1は、本発明の光素子(以下、第1光素子とも称する。)の機能を示すブロック図である。
第1光素子1は、機能的には偏波変換部3を備える入力部4と、光処理部5と、出力部7とを備える。
第1光素子1は、外部から入力される被変換光Lを偏波変換部3で変換光Lに偏波変換して、入力部4から光処理部5に入力する。そして、光処理部5で変換光Lに所定の処理を行って処理光L31〜L3N(Nは2以上の整数)とし、この処理光L31〜L3Nを複数の出力ポート7〜7を有する出力部7から、上述の処理に応じた出力光L41〜L4Nとして出力する。以下、処理光L31〜L3Nを区別する必要がない場合は、単に「処理光L」とも称する。また、出力光L41〜L4Nを区別する必要がない場合は、単に「出力光L」とも称する。同様に、出力ポート7〜7を区別する必要がない場合は、単に「出力ポート7」とも称する。
以下、第1光素子1の各構成要素について説明する。
入力部4には、不図示の光導波路等から、偏波が異なる第1光C及び第2光Cを含む被変換光Lが入力される。以下、第1光Cが基本モードのTE波(以下、TE0とも称する。)であり、第2光Cが基本モードのTM波(以下、TM0とも称する。)の場合を例に挙げて説明する。
入力部4が備える偏波変換部3は、後述する屈折率の非対称性を利用して、第2光Cを基本モードとは異なる伝搬モードのTE波の第3光Cに変換する。この例では、第3光Cを、TE波の1次モード(以下、TE1とも称する。)に変換する。つまり、偏波変換部3は、TM0である第2光Cを、TE1である第3光Cに変換する。
なお、偏波変換部3は、第1光Cを偏波変換しないように設計されている。より詳細には、偏波変換部3は、第2及び第3光C及びCの間では位相整合条件が成り立つが、第1光Cと他の偏波及び伝搬モードとの間では位相整合条件が成り立たないように設計されている。ここで、第2及び第3光C及びCで成立する位相整合条件とは、第2及び第3光の伝搬定数をそれぞれβ(C)及びβ(C)としたとき、β(C)=β(C)である。
これらの結果、偏波変換部3は、第1及び第2光C(TE0)及びC(TM0)を含む偏波多重化光である被変換光Lを、同一偏波で伝搬モードが多重化された第1及び第3光C(TE0)及びC(TE1)を含む変換光Lに変換する。なお、偏波変換部3では光の可逆性が成り立ち、上述の被変換光Lから変換光Lへの変換、及びこれとは逆の変換光Lから被変換光Lへの変換の双方向で変換が可能である。
このようにして偏波変換部3で変換された変換光Lは、入力部4を介して光処理部5に出力される。
光処理部5は、多モード干渉(MMI:Multi Mode Interference)光導波路あるいは平面導波路などを備え、入力される変換光Lに所定の処理を行い、処理光Lを生成する。処理光Lは、各出力ポート7〜7が接続された箇所において、伝搬モードの次数及び強度比が変換光Lと同様に保たれている。つまり、この例では、処理光Lは、各出力ポート7〜7が設けられた位置で、第1及び第3光C(TE0)及びC(TE1)が変換光Lと同様の強度比で含まれている。
光処理部5が行う「所定の処理」とは、変換光Lが複数波長を含む場合の波長分離や、各出力ポート7〜7への処理光L31〜L3Nの分配比の調整等が挙げられる。ここで、「波長分離」とは、複数波長の変換光Lを、波長がそれぞれ異なる処理光L31〜L3Nへと分離して、各出力ポート7〜7から出力することである。また、「分配比」とは、ある波長の変換光Lが各出力ポート7〜7に分配されて出力される際の強度比である。このように、処理光L31〜L3Nは、上述の所定の処理に応じて、MMI光導波路に設けられる出力ポート7〜7に出力される。
出力部7は、処理光L31〜L3Nに対応した出力光L41〜L4Nをそれぞれ出力する複数の出力ポート7〜7を有する。出力光L41〜L4Nは、出力ポート7〜7の構造等により、処理光L31〜L3Nの伝搬モードや偏波を変換して出力する。例えば、出力ポート7〜7がシングルモード光導波路に接続されている場合には、複数の伝搬モードを含む処理光L31〜L3Nは、基本モード光に変換された上で、出力光L41〜L4Nとして出力される。
(実施形態1)
続いて、図2〜図8を参照して、実施形態1の光素子(以下、第2光素子とも称する。)について説明する。ここでは、第2光素子10が、MMI光導波路を利用して、波長λが1550nmの被変換光Lを、等分配して出力する所謂3dBカプラの場合を例示する。
図2は、第2光素子の構造を概略的に示す平面図である。図3(A)は、図2のI−I線に沿った切断端面図であり、図3(B)は、図2のII−II線に沿った切断端面図であり、図3(C)は、図2のIII−III線に沿った切断端面図である。図4は、第2光素子の入力部の部分拡大平面図である。図5は、第2光素子の動作を説明するための模式図である。図6(A)及び(B)は、入力部にTE0及びTM0をそれぞれ入力した場合における第2光素子中での光界分布を示した分布図である。図7は、変形例の入力部の構造を模式的に示す平面図である。図8(A)〜(D)は、それぞれ、偏波変換部の変形例を示す横断面図である。
(座標系の定義)
まず、図2を参照して、以下の説明で用いる第2光素子10の方向及び寸法を定義する。図2に示したような右手系の直交座標系を考え、X方向を図が描かれた紙面の左から右に向かう方向とし、幅方向とも称する。また、Z方向を図が描かれた紙面の裏面から表面に向かう方向とし、高さ方向又は厚み方向とも称する。また、Y方向を図が描かれた紙面の下方から上方に向かう方向とし、長さ方向とも称する。そして、X方向に沿って測った幾何学的長さを「幅」とも称し、Y方向に沿って測った幾何学的長さを「長さ」とも称し、Z方向に沿って測った幾何学的長さを「高さ」又は「厚さ」とも称する。また、この例では、被変換光Lの進行方向であるY方向を光伝搬方向とする。さらに、所定の構造体の光伝搬方向に垂直な断面のことを「横断面」と称する。
(構造)
まず、主に図2及び図3を参照して、第2光素子10の全体構造について説明する。図2を参照すると、第2光素子10は、偏波変換部3を備える入力部4と、矩形状の平行平板であるMMI光導波路5aを備える光処理部5と、第1及び第2出力ポート7及び7を備える出力部7とで構成されている。つまり、この例では、出力ポートの数Nは2である。
第2光素子10は、基板11の主面11a側に設けられている。より詳細には、主面11a上に形成されたクラッド12bと、該クラッド12bで囲まれたコア12aとを備える光導波路12で構成されている。なお、基板11及び光導波路12については後述する。
光処理部5のMMI光導波路5aは、矩形状の薄板であり、矩形の一方の短辺に対応する第1端面5bに入力部4が接続されており、第1端面5bに対向する第2端面5cに出力部7の第1及び第2出力ポート7及び7が接続されている。図2に示すように、この例では、入力部4と、第1及び第2出力ポート7及び7は同様に構成されており、両出力ポート7及び7にも、入力部4と同様に偏波変換部3がそれぞれ設けられている。
続いて、主に図4を参照して、入力部4及び偏波変換部3の構造について説明する。上述のように、両出力ポート7及び7は入力部4と同様に構成されているので、以下の説明は、そのまま両出力ポート7及び7でも成り立つ。
入力部4は、光伝搬方向に沿って直列に配置された4領域に区画される。すなわち、光導波路9に接続された第1領域4a、第2領域4b、偏波変換部3及び第3領域4cである。
光導波路9は、シングルモードのチャネル型光導波路9aと、このチャネル型光導波路9aと第1領域4aとを接続するためのテーパ形光導波路9bとを備える。チャネル型光導波路9aの幅Wは、例えば、約440nmである。また、テーパ形光導波路9bの光伝搬方向に沿った長さD91は、約3μmである。長さD91をこの値とすることにより、チャネル型光導波路9aと第1領域4aとがなだらかに接続され、角部での回折によるロスが低減される。
第1領域4aは、第2及び第3光C及びCの相互変換が生じない幅W4aを有する光導波路領域である。ここで、幅W4aは例えば、約750nmである。第1領域4aは、テーパ形光導波路9bと、第2領域4bとの間に設けられる。より詳細には、第1領域4aの光伝搬方向前方の前側領域4aは、薄膜部3bと一体に形成されている(図3(B))。前側領域4aの長さD4aは、例えば、約3μmとする。一方、第1領域4aの光伝搬方向後方の後側領域4aは、薄膜部3bが存在しない通常のチャネル型光導波路として構成されている。
第1領域4aは、偏波変換部3の位置合わせ誤差を吸収するための緩衝領域である。つまり、第1領域4aを介さない場合、偏波変換部3と光導波路9とを直接接続する必要があるため、偏波変換部3の加工精度と位置合わせ精度に高いレベルが要求される。それに対し、偏波変換には直接関係しないものの、第1領域4aを設けることにより、上述の加工精度及び位置合わせ制度を実用上許容できるレベルまで下げることができる。
第2領域4bは、幅広い第1領域4aと、幅が狭い偏波変換部3との間を接続する、光伝搬方向に沿って幅が狭くなる形状のテーパ形光導波路である。より詳細には、第2領域4bは、光導波路の幅を狭めることにより、被変換光Lの光界分布を、偏波変換に適した分布へと変更する。第2領域4bの長さD4bは、角部での回折の影響が少なくなるような長さの約3μmである。
偏波変換部3は、入口の幅がW3Nであり、出口の幅がW3W(>W3N)であり、長さがDであるテーパ形光導波路である。偏波変換部3のこれらの寸法W3N,W3W及びDは、被変換光Lに含まれるTM0である第2光Cの伝搬定数β(C)と、TE1である第3光Cの伝搬定数β(C)を等しくするように最適化されている。具体的には、入口の幅W3Nは約450nmであり、出口の幅W3Wは約550nmであり、Dは約2μmである。
図3(A)〜(C)を参照すると、偏波変換部3以外では、コア12aは何れも一様な厚みを有している。それに対して、図3(B)に示す偏波変換部3では、コア12aの横断面形状が、凸形のリブ状に形成されている。すなわち、偏波変換部3では、コア12aが、一様な薄い厚みを有する大面積の薄膜部3bと、薄膜部3bから突出した部分である突出部3aとで構成される。なお、この例では薄膜部3bと突出部3aとは一体的に形成されている。詳しくは後述するが、このリブ状の光導波路が有する屈折率の非対称性を利用して、偏波変換部3は、第2光C(TM0)を第3光C(TE1)へと変換する。
なお、図3(B)に示すように、第2光素子10では、偏波変換部3の突出部3aと薄膜部3bとが一体に形成されていた。しかし、突出部3aと薄膜部3bとを別体に形成し、両者を光学接着剤や、Siウエハ直接接合技術等により貼り合せてもよい。このようにすることによっても、偏波変換部3において、リブ状の光導波路が得られる。
また、図3(B)に示すように、薄膜部3bの厚みHは約50nmであり、突出部3aの厚みHは約170nmである。また、偏波変換部3の中心軸OからX方向に測った薄膜部3bの幅W3bは約2μmである。薄膜部3bと、突出部3aの厚みH及びHと、薄膜部3bの幅W3bは、第2及び第3光C及びCの変換効率を最大化するように最適化されている。このように構成された偏波変換部3は、波長λが1550nmの第2光C(TM0)を、約99%以上の効率で、第3光C(TE1)へと変換できる。なお、偏波変換部3以外の第1〜第3領域4a,4b,及び4cのコアの厚みは、薄膜部3bの有無に関わらず、図3(C)に示すように約220nmである。
定性的には、偏波変換部3は、凸形の横断面が有するZ方向に関する屈折率の非対称性を利用して、第2光CのTM波の電場の振動方向を90°回転して、TE波へと変換する。さらに、光伝搬方向に沿った幅がW3NからW3Wへと拡幅する偏波変換部3は、TE波へと変換される第2光Cの1次モードを励起する。このようにして、偏波変換部3は、TM0である第2光Cを、TE1である第3光Cに変換する。これらの結果、偏波変換部3からは、TE0である第1光Cと、TE1である第3光Cとを含む変換光Lが出力される。
第3領域4cは、変換光Lを光処理部5のMMI光導波路5aに出射するに当たり、出射口4dの角部4eでの回折によるロスを防ぐために設けられる。より詳細には、第3領域4cは、長さD4cの間に幅がW3WからW4cまで拡幅するテーパ形光導波路である。長さD4cは、例えば約10μmである。また、幅W4cは、例えば約1μmである。
光処理部5は、矩形状の平行平板状のMMI光導波路5aを備え、第1端面5bに入力部4が設けられ、第2端面5cに、第1及び第2出力ポート7及び7が設けられている。図3(A)に示すようにMMI光導波路5aの厚みは、約220nmである。また、幅Wは、約3μmである。
また、入力部4と、第1及び第2出力ポート7及び7とは、光伝搬方向に平行に延在する第3及び第4端面5d及び5eから十分に離して設けることが好ましい。これは、MMI光導波路5a中で、10次以上の十分に高次の伝搬モードを励起するためである。このように高次モード光を励起できれば、第1及び第2出力ポート7及び7の接続位置において、処理光L中の1次モード光である第3光C(TE1)を、入力時の変換光Lと同様に再現できる。例えば、入力部4の場合、中心軸Oと第3端面5dとの距離が、約800nm以上であることが好ましい。第1及び第2出力ポート7及び7に関しても同様である。
出力部7は、MMI光導波路5aの第2端面5cに、第1及び第2出力ポート7及び7を備える。上述のように、第1及び第2出力ポート7及び7は、入力部4と同様に構成されている。よって、出力部7に関する重複する説明を省略する。
ここで、主に図3(A)〜(C)を参照して、基板11及び光導波路12について簡単に説明する。光導波路12を構成するコア12aは、屈折率が約3.47のSiが材料である。また、クラッド12bは、屈折率が約1.45のSiOが材料である。クラッド12bは、主面11a上に約3μmの一様な膜厚で形成されている。このように、クラッド12bの屈折率をコア12aの屈折率の71.4%未満とすることにより、コア12aへの光の閉じ込め能力が向上し、小さい曲率半径の湾曲光導波路を形成することができる。
また、基板11は、Siが材料である。光導波路12を伝搬する光の基板11への不所望な結合を防ぐためには、コア12aと基板11との間に1μm以上の厚みのクラッド12bを介在させることが好ましい。この例では、主面11aとコア12aの下面との間に、約1.5μmのクラッド12bを介在させている。
(製造方法)
第2光素子10は、Si基板上にSiO層とSi層とがこの順序で積層されたSOI(Si On Insulator)基板を利用して作成される。すなわち、最上層のSi層を利用して、上述した入力部4、光処理部5、出力部7、及び突出部3aのコア12aとなる領域にマスクを配置したドライエッチング等で形成する。その際、残存するSi層の膜厚が、偏波変換部3の薄膜部3b(約50nm)と等しくなったところで、薄膜部3bとなるSi層を保護するためのマスクを更に追加して、SiO層が露出するまでエッチングを行う。そして、このコア12aを埋め込むように、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等で、クラッド12bの上層に対応するSiO層を形成する。これにより、第2光素子10が形成される。
(動作)
続いて、図5を参照して、第2光素子10の動作を説明する。図5は、第2光素子10の動作を説明するための、模式図である。
不図示の光導波路から入力部4に入力された第1及び第2光C(TE0)及びC(TM0)を含む被変換光Lは、偏波変換部3において、TM0の第2光CがTE1の第3光Cへと変換される。その結果、第1端面5bに設けられた入力部4から光処理部5へと、第1光C(TE0)と第3光C(TE1)とを含む変換光Lが入力される。
光処理部5のMMI光導波路5aでは、入力された変換光Lから、10次以上の次数の伝搬モードが励起され、それぞれのモード間で干渉しながら第2端面5c方向に伝搬する。そして、第2端面5cの第1及び第2出力ポート7及び7が接続されている位置において、第1及び第3光C及びCを含む処理光L31及びL32が、それぞれ励起(再生)される。ここで、処理光L31及びL32は、光強度が半分である以外は、変換光Lと同様の強度比で第1及び第3光C(TE0)及びC(TE1)を含む。
つまり、この例では、光処理部5が行う「所定の処理」とは、変換光Lを第1及び第2出力ポート7及び7へと等分配した処理光L31及びL32を生成することである。
このようにして生成された処理光L31及びL32は、それぞれ第1及び第2出力ポート7及び7に入力される。上述のように、各出力ポート7及び7には、それぞれ偏波変換部3が設けられているので、第1及び第3光C(TE0)及びC(TE1)を含む処理光L31及びL32では、第3光Cが第2光C(TM0)へと再変換される。
より詳細には、処理光L31及びL32中に含まれるTE1である第3光Cは、(概説)の項で図1により説明したと逆の変換過程を経て、TM0である第2光Cへと変換される。その結果、各出力ポート7及び7からは、入力された被変換光Lと同じ強度比で第1及び第2光C及びCを含み、且つ、強度が被変換光Lの半分の第1及び第2出力光L41及びL42が出力される。
(効果)
続いて、図6(A)及び(B)に示したシミュレーション結果に基づいて、第2光素子10の奏する効果を説明する。
図6(A)及び(B)は、入力部4にTE0及びTM0をそれぞれ入力した場合における第2光素子10中での光界分布を示した分布図である。シミュレーションは3次元FDTD(Finite Difference Time Domain)法で、上述した第2光素子10について行った。入力した光の波長は1550nmである。
図6(A)は、被変換光LとしてTE0を第2光素子10に入力した場合の光界分布である。被変換光LがTE0であることから、入力部4と第1及び第2出力ポート7及び7では偏波変換は生じていない。図6(A)を参照すると、各出力ポート7及び7から出力される出力光L41及びL42は、電界強度が等しく、第2光素子10は被変換光LがTE0の場合3dBカプラとして機能することが判る。
図6(B)は、被変換光LとしてTM0を第2光素子10に入力した場合の光界分布である。よって、入力部4で、TM0の被変換光Lは、TE1の変換光Lへと変換される。同様に、第1及び第2出力ポート7及び7で、TE1の処理光L31及びL32は、TM0の出力光L41及びL42へと変換される。
このように、図6(B)では、TM0とTE1との間で偏波変換が生じているにも関わらず、各出力ポート7及び7から出力される出力光L41及びL42は、電界強度が等しい。このことから、第2光素子10は被変換光LがTM0の場合でも、3dBカプラとして機能することが判る。
以上説明したように、第2光素子10は、光処理部5に、TE波及びTM波の何れか一方の偏波の変換光Lを入力する。その結果、MMI光導波路は、TE波及びTM波の何れかのみに所定の処理を行うだけで良く、TE波及びTM波の両偏波にそれぞれ所定の処理を行うための素子が不要となる。これにより、MMI光導波路の設計を大幅に簡略化することができる。
また、第2光素子10では、被変換光Lが、1波長の場合について説明した。しかし、被変換光Lは、波長が異なる第1〜第M成分光(Mは1以上の整数)を含んでいても良い。ただし、この場合には、各成分光に対して偏波変換が可能なように、偏波変換部3を設計する必要がある。さらに、各成分光を所望の分配比で第1及び第2出力ポート7及び7に出力できるように、光処理部5のMMI光導波路5aの寸法を設計する必要がある。
また、第2光素子10では、両偏波を含む被変換光Lを、TE波のみの変換光Lに変換した。しかし、例えば、偏波変換部3の構造等によっては、被変換光LをTM波のみの変換光Lに変換しても良い。
第2光素子10では、TM0の第2光CをTE1の第3光Cに変換することにより、TE0の第1光CとTE1の第3光Cを含む変換光Lを得た。しかし、不要な他の伝播モードの励起によるノイズを許容できるならば、第3光Cを、1次モードのTE波以外の高次の伝搬モードに変換してもよい。
(変形例)
続いて、図7及び図8を用いて、第2光素子10の変形例について説明する。図7は、変形例の入力部の構造を模式的に示す平面図である。図8(A)〜(D)は、それぞれ、偏波変換部3の変形例を示す横断面図である。
図7に示す入力部4’(以下、第2入力部4’とも称する)は、以下の2点が、図4の入力部4(以下、第1入力部4とも称する。)とは異なっており、その結果、第2入力部4’は、第1入力部4よりも構造が単純化されている。
(1)偏波変換部3と、第2及び第3領域4’b及び4’cとを一体のテーパ形光導波路4’Tとした点
(2)第1領域4’aの幅W4’aが、図4の入力部4の幅W4aよりも狭い点
以下、これらの相違点について主に説明する。
第2光C(TM0)から第3光C(TE1)への偏波変換は、450〜550nmの幅(以下、変換幅とも称する。)の光導波路で生じる。第2入力部4’は、偏波変換が生じない幅W4’a(約380nm)の第1領域4’aから、変換幅を含み、幅W4’cが約1μmの出射口4dに至るまで、1個のテーパ形光導波路4’Tとして構成されている。つまり、第2領域4’b、偏波変換部3及び第3領域及び4’cが、1つのテーパ角で表される継ぎ目の無い一体的なテーパ形光導波路4’Tを成している。テーパ形光導波路4’Tの長さDは、例えば、約11μmである。
また、上述のように、第1領域4’aの幅W4’a(約380nm)は、チャネル型光導波路9aの幅W(約440nm)より狭いので、チャネル型光導波路9aと第1領域4’aの幅W4’aとを接続するテーパ形光導波路9’bは、光伝搬方向と共に幅が狭くなっていく。このテーパ形光導波路9’bの長さD9’1は約3μmである。長さD9’1をこの値とすることにより、チャネル型光導波路9aと第1領域4’aとがなだらかに接続され、角部での回折によるロスが低減される。
このように、第2入力部4’は、第1入力部4に比較して構造が単純であるので、作成が容易である。また、テーパ形光導波路4’Tに偏波変換用に一定幅の領域を設けた場合に比べ、第2入力部4’は、偏波変換特性が、各部の幅の寸法誤差や、被変換光Lの波長誤差で左右され難い。
続いて、図8を参照して、偏波変換部3の変形例について説明する。上述した第2光素子10では、凸形のコア12a(図3(B))の有するZ方向に関する屈折率の非対称性を利用して、偏波を変換した。しかし、図8(A)〜(D)に示す光導波路12によっても、所望の偏波変換を行うことができる。以下、それぞれについて説明する。
図8(A)は、コア12aの横断面形状が「L字形」の光導波路12であり、中心軸Oに対して、コア12aの屈折率が非対称に分布している。このような光導波路12によっても偏波を変換することができる。
図8(B)は、凸形の突出部が基板11の主面11aに平行に突出する横断面形状のコア12aを備える光導波路12であり、屈折率が非対称に分布している。このような光導波路によっても偏波を変換することができる。
図8(C)及び(D)は、屈折率がnの第1クラッド12bと、屈折率がn(≠n)の第2クラッド12bとを用いて、コア12aの周りの屈折率分布を非対称とした場合を示している。
図8(C)は、基板11の主面11a上に、第1クラッド12b及び第2クラッド12bをこの順序で積層し、両クラッド12b及び12bの境界にコア12aを配置している。この例でも、コア12aを中心として、厚み方向に屈折率の非対称性を有する光導波路12が得られ、偏波を変換することができる。なお、上層に設けられる第2クラッド12bは大気でも良い。
また、この例では、コア12aの横断面形状が矩形状であるので、第2光素子10や、図8(A)及び(B)の光導波路12に比べて作成しやすい。
図8(D)は、基板11の主面11a上の境界線Bで、互いに接する2領域にそれぞれ第1及び第2クラッド12b及び12bが積層されている。そして、クラッド12b中に、第1及び第2クラッド12b及び12bに跨ってコア12aが埋め込まれている。この例でも、コア12aを中心として、屈折率の非対称性を有する光導波路12が得られ、偏波を変換することができる。
第2光素子10では、入力部4とMMI光導波路5aとの間に、テーパ状の第3領域4c及び4’cを設けた。しかし、入力部4及び4’からMMI光導波路5aに変換光Lを入力する際の回折によるロスを許容できるならば、第3領域4c及び4’cを設ける必要は無い。
第2光素子10では、偏波変換部3の薄膜部3bの幅W3bを約2μmとした場合について説明した。しかし、薄膜部3bの幅W3bは2μmには限定されず、幅W3bが数nmでも第2光C(TM0)から第3光C(TE1)への変換を行うことができる。ただし、この場合、変換効率が低いので、偏波変換部3の光伝搬方向に沿った長さDを長くする必要がある。
第2光素子10では、出力ポート7及び7が偏波変換部3を備える場合について説明した。しかし、出力光L41及びL42をそのまま受光素子で受光する等、出力光L41及びL42の光強度のみが問題となる場合には、出力ボート7及び7に偏波変換部3を設ける必要は無い。
[実施形態2]
図9を参照して、実施形態2の光素子(以下、第3光素子とも称する。)について説明する。図9は第3光素子の概略的な構造を示す平面図である。なお、図9においては、基板11及びクラッド12bの図示を省略する。また、チャネル型光導波路を単なる実線で描いている。
(構造)
第3光素子20は、所謂アレイ導波路回折格子(AWG:Arrayed Waveguide Grating)である。第3光素子20は、光処理部5’の構成が第2光素子10と異なっている点、及びK個(Kは2以上の整数)の出力ポートP〜PK+1が設けられている点以外は、第2光素子10と同様に構成されている。従って、相違点である光処理部5’について説明する。
光処理部5’は、第1及び第2平面光導波路13及び15と、両者13及び15を接続する光路長が異なる第1〜第Nチャネル型光導波路17〜17(Nは3以上の整数)で構成される。以下、第1〜第Nチャネル型光導波路17〜17を導波路アレイ17と総称することもある。
ここで、「光路長」とは、一般に、光導波路の幾何学的な長さFを、ある波長の光に関する光導波路の等価屈折率Gで補正した光学的な長さである。光路長をRとすると、RはF×Gで与えられる。以降、「光路長」と記載しない長さ(幅、厚み、高さ等を含む)は、単に、幾何学的な長さを示す。
偏波変換部3は、第3光素子20の第1平面光導波路13の一端面に設けられた光入出力用の第1ポートPに設けられている。そして、偏波変換部3と第1ポートPとで入力部4が構成されている。なお、偏波変換部3には、変形例を含めて、任意好適な構造を採用できる。
出力部7は、第3光素子20の第2平面光導波路15の一端面に設けられたK個の光入出力用の第2〜第K+1ポートP〜PK+1として構成されている。
(動作)
以下、図9を参照して、第3光素子20の動作について説明する。
第1ポートPには、例えば局からの光ファイバ(図示せず)が接続されて、波長λ〜λがそれぞれ異なる第1〜第K成分光S〜Sが被変換光Lとして入力される。各成分光S(Gは、1〜Kの整数)は、それぞれ、TE0である第1光CとTM0である第2光Cとを含んでいる。
被変換光Lに含まれる第1〜第K成分光S〜Sは、第1ポートPに設けられた偏波変換部3により、それぞれの成分光において、TM0の第2光CがTE1の第3光Cへと変換されて、第1及び第3光C及びCを含む変換光Lとして、光処理部5に入力される。その結果、各成分光S〜Sの伝搬モードの構成は、第1及び第3光C(TE0)及びC(TE1)へと変化するが、波長λ〜λ自体は変わらない。
これらの変換光Lは、第1平面光導波路13中を回折により広がりながら、テーパ状光導波路13T〜13Tを介して、導波路アレイ17に入射し、導波路アレイ17を伝搬する。
この導波路アレイ17を伝搬した変換光Lは、テーパ状光導波路15T〜15Tから、第2平面光導波路15に達し、さらに、波長ごとに第2〜第K+1ポートP〜PK+1に集光されて出力される。すなわち、互いにΔLずつ光路長が異なるチャネル型光導波路17〜17を伝搬した結果、各成分光S〜Sには波長に応じた位相差が生じる。それにより、第2平面光導波路15では、成分光の波長S〜Sに応じて集束光の波面が傾き、それぞれの成分光S〜Sは、この傾斜角により第2〜第K+1ポートP〜PK+1の何れかに集光し、出力される。
すなわち、光処理部5’を伝搬することにより、波長が異なる成分光S〜Sを含む変換光Lは、波長分離処理を施された処理光Lとなる。その結果、各成分光S〜Sは、変換光Lと同様の伝搬モードと強度比、つまり、第1及び第3光C及びCの強度比を保ったまま、波長分離されて、第2〜第K+1ポートP〜PK+1に集光される。
そして、第2〜第K+1ポートP〜PK+1に接続された光導波路から、波長分離された出力光L41〜L4Kとしてそれぞれ出力される。
(効果)
第3光素子20は、波長が異なる成分光S〜Sに対して、第2光Cから第3光Cへの偏波変換を行い、光処理部5’に、TE波及びTM波の何れか一方の偏波の変換光Lを入力する。その結果、光処理部5’を構成する第1及び第2平面光導波路13及び15と、第1〜第Nチャネル型光導波路17〜17を1つ偏波でのみ所定の処理を行うように設計すればよく、設計を大幅に簡略化することができる。
(変形例)
第3光素子20では、出力光Lを受光素子で受光させる想定の下で、出力部7に、偏波変換部3を設けない場合について説明した。しかし、第2光素子10と同様に、出力用の第2〜第K+1ポートP〜PK+1に偏波変換部を設けてもよい。
[実施形態3]
図10を参照して、実施形態3の光素子(以下、第4光素子とも称する。)について説明する。図10は第4光素子の概略的な構造を示す平面図である。なお、図10においては、基板11及びクラッド12bの図示を省略する。また、チャネル型光導波路を単なる実線で描いている。
(構造)
第4光素子30は、所謂エッシェル型回折格子19を利用した波長合分波器であり、光処理部5’’が、第3光素子20の平面光導波路18と、平面光導波路18の他端面に設けられるエッシェル型回折格子19とで構成されている点、及び入力部4と出力部7とが、第4光素子30の一端面21に設けられている以外は、第3光素子20と同様に構成されている。従って、これらの相違点について説明する。
偏波変換部3は、第4光素子30の平面光導波路18の一端面21に設けられた光入出力用の第1ポートPに設けられている。そして、偏波変換部3と第1ポートPとで入力部4が構成されている。
また、出力部7は、第4光素子30の平面光導波路18の一端面21に設けられたK個(Kは2以上の整数)の光入出力用の第2〜第K+1ポートP〜PK+1として構成されている。
(動作)
以下、図10を参照して、第4光素子30の動作について説明する。
第1ポートPには、例えば局からの光ファイバ(図示せず)が接続されて、波長λ〜λがそれぞれ異なる第1〜第K成分光S〜Sが被変換光Lとして入力される。各成分光S(Gは、1〜Kの整数)は、それぞれ、TE0である第1光CとTM0である第2光Cとを含んでいる。
被変換光Lに含まれる第1〜第K成分光S〜Sは、第1ポートPに設けられた偏波変換部3により、それぞれの成分光において、TM0の第2光CがTE1の第3光Cへと変換されて、第1及び第3光C及びCを含む変換光Lとして、光処理部5”に入力される。その結果、各成分光S〜Sの伝搬モードの構成は、第1及び第3光C(TE0)及びC(TE1)へと変化するが、波長λ〜λ自体は変わらない。
これらの変換光Lは、平面光導波路18中を回折により広がりながらエッシェル型回折格子19に至り、各成分光S〜Sの波長により異なった角度で反射され、一端面21に設けられた第2〜第K+1ポートP〜PK+1に集光されて出力される。
すなわち、光処理部5’’を伝搬することにより、波長が異なる成分光S〜Sを含む変換光Lは、波長分離処理を施された処理光Lとなる。その結果、各成分光S〜Sは、変換光Lと同様の伝搬モードと強度比、つまり、第1及び第3光C及びCの強度比を保ったまま、波長分離されて、第2〜第K+1ポートP〜PK+1に集光される。
そして、第2〜第K+1ポートP〜PK+1に接続された光導波路から、波長分離された出力光L41〜L4Kとして出力される。
第4光素子30は、第3光素子20と同様の効果を奏する。
1,10,20,30 光素子
3 偏波変換部
4,4’ 入力部
4a,4’a 第1領域
4a,4’a後側領域
4a,4’a前側領域
4b,4’b 第2領域
4c,4’c 第3領域
4d 出射口
4e 角部
5 光処理部
5a MMI光導波路
5b 第1端面
5c 第2端面
5d 第3端面
5e 第4端面
7 出力部
〜7 出力ポート
,9’,9,9 光導波路
a,9’a,9a,9a,17〜17 チャネル型光導波路
b,9’b,9b,9b テーパ形光導波路
11基板
11a 主面
12 光導波路
12a コア
12b クラッド
13 第1平面光導波路
13T〜13T,15T〜15T テーパ状光導波路
15 第2平面光導波路
18 平面光導波路
19 エッシェル型回折格子
21 一端面

Claims (16)

  1. コアと、該コアの周囲に設けられ、該コアの屈折率の71.4%以下の屈折率のクラッドとを備える光導波路を有し、
    該光導波路が、
    偏波が異なる第1及び第2光を含む被変換光が入力され、前記第2光を、伝搬モード次数が異なり且つ偏波が前記第1光と等しい第3光に変換し、前記第1及び第3光を含む変換光を生成する偏波変換部と、
    複数の出力ポートを有する出力部と、
    1以上の多モード干渉光導波路又は平面光導波路を備え、入力される前記変換光に所定の処理を行うとともに、前記出力ポートが接続された箇所において、前記伝搬モードの次数及び強度比が前記変換光と同様に保たれた前記第1及び第3光を含む処理光を生成する光処理部と
    を備えることを特徴とする光素子。
  2. 前記偏波変換部は、光伝搬方向に沿った中心線に対して、屈折率が非対称に分布していることを特徴とする請求項1に記載の光素子。
  3. 前記光導波路が基板の主面側に設けられており、
    前記偏波変換部において、前記コアの光伝搬方向に垂直な断面形状が、非対称であることを特徴とする請求項2に記載の光素子。
  4. 前記光導波路が基板の主面側に設けられており、
    前記偏波変換部が、光伝搬方向に垂直な断面において場所により屈折率が異なる前記クラッドと、前記コアの周りで前記クラッドの前記屈折率が非対称に分布する位置に配置された当該コアとで構成されることを特徴とする請求項2又は3に記載の光素子。
  5. 前記偏波変換部は、光伝搬方向に垂直な断面形状が凸形のリブ状コアを備え、該リブ状コアの下面が前記主面に平行に配置されていることを特徴とする請求項2〜4の何れか一項に記載の光素子。
  6. 前記リブ状コアが、前記主面に垂直に測った厚みが薄く大面積の薄膜部と、該薄膜部上に設けられ、前記主面に垂直に測った厚みが、前記薄膜部よりも厚く、前記薄膜部よりも面積が小さい厚膜部とを備え、
    該厚膜部の光伝搬方向に垂直方向の断面サイズは、前記光処理部との距離が短くなるに連れて大きくなっていくことを特徴とする請求項5に記載の光素子。
  7. 前記薄膜部と前記厚膜部とが一体であることを特徴とする請求項6に記載の光素子。
  8. 前記薄膜部と前記厚膜部とが貼り合わせられていることを特徴とする請求項6に記載の光素子。
  9. 前記偏波変換部が、互いに屈折率が異なる第1及び第2クラッドを備えた前記クラッドと、前記第1及び第2クラッドの境界に配置された前記コアとで構成されることを特徴とする請求項2〜9の何れか一項に記載の光素子。
  10. 前記光処理部が前記多モード干渉光導波路で構成され、該多モード干渉光導波路が、矩形状の平行平板であり、該平行平板の第1端面に前記偏波変換部を備え、該第1端面に対向する第2端面に第1及び第2出力ポートを有する出力部を備えることを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の光素子。
  11. 互いに波長が異なる前記被変換光が、第1〜第M成分光(Mは1以上の整数)を含み、
    前記所定の処理が、前記第1〜第M成分光の波長に応じた分配比での、前記処理光に含まれる当該第1〜第M成分光の前記第1及び第2出力ポートへの出力であることを特徴とする請求項10に記載の光素子。
  12. 前記第1及び第2出力ポートのそれぞれに、前記偏波変換部が設けられていることを特徴とする請求項10又は11に記載の光素子。
  13. 前記光処理部が、第1及び第2平面光導波路と、光路長が規則的に変化し、前記第1及び第2平面光導波路を接続する複数のチャネル型光導波路とを備え、
    前記第1平面光導波路に、前記偏波変換部が設けられ、
    前記第2平面光導波路に、出力部が設けられることを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の光素子。
  14. 前記被変換光が、互いに波長が異なる第1〜第K成分光(Kは2以上の整数)を含み、
    前記出力部が、第1〜第K出力ポートを備え、
    前記複数のチャネル型光導波路のそれぞれの光路長は、前記第1〜第K成分光を前記第1〜第K出力ポートへそれぞれ出力するように設計されていることを特徴とする請求項13に記載の光素子。
  15. 前記光処理部が、一方の端面に前記偏波変換部と出力部とを備え、前記一方の端面に対向する他方の端面に回折格子を備える前記平面光導波路で構成されることを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の光素子。
  16. 前記被変換光が、互いに波長が異なる第1〜第K成分光(Kは2以上の整数)を含み、
    前記出力部が、第1〜第K出力ポートを備え、
    前記回折格子及び前記平面光導波路は、前記第1〜第K成分光を前記第1〜第K出力ポートへそれぞれ出力するように設計されていることを特徴とする請求項15に記載の光素子。
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