JP2014181424A - 合成皮革 - Google Patents

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Abstract

【課題】携帯雑貨類の生地、家具類の生地、床材生地、装飾パーツ用生地などに使用し、明所ではパール調光輝性外観を発現し、暗所では蓄光発光外観を発現するような明暗で互いに外観の異なる合成皮革の提供。
【解決手段】繊維布帛を基材として、この繊維布帛の片面以上に着色樹脂層を設け、少なくとも一方の着色樹脂層上に光輝複合樹脂層を形成してなる可撓性積層体において、光輝複合樹脂層がパール顔料粒子を含む光干渉性の光透過樹脂上層及び、蓄光発光性物質粒子を含む発光性の光透過樹脂下層とから構成し、この光輝複合樹脂層の可視光透過率(JIS Z8722)を20〜60%の範囲とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は明所ではパール調光輝性外観を発現し、暗所では蓄光発光外観を発現するような明暗で互いに外観の異なる合成皮革に関するものであり、カバン、バッグ、ポーチ、財布、定期入れ、名刺入れ、などの携帯雑貨類の生地、椅子やソファーなど家具類の生地、玄関マット、ラグマットなどの床材生地、衣類やシューズなどの装飾パーツ用生地、首輪やリードなどペット用品の装飾パーツ用生地などの用途に使用でき、特に使用時の押圧によって意外な暗所発光効果をもたらし、さらにエンボスによるユニークな視覚効果を実現できる合成皮革に関する。
熱可塑性樹脂フィルム中にパール顔料を練り込んだ光輝性シートが多目的に使用されている。これらの応用例は、パール顔料を練り込んで製造したプラスチックシートの表面に、絵柄印刷、エンボス加工および金属薄膜形成の少なくとも1種を施して、パール顔料の分散密度や層面の配向方向を部分に異なるようにすることにより、シート内部に立体感を生じさせた化粧シート(特許文献1)が開示されている。また本出願人は以前に、観察方向による色彩変化性に優れた膜材として、暗色系の目開き基布の表面に透明着色層を設け、さらにその表面に二色性干渉雲母チタン(パール顔料)を含む光輝性層を設けた膜材の提案を行った。しかし特許文献1では、パール顔料の分散密度や層面の配向方向を部分に異なるようにする手段が、パール顔料を練り込んだプラスチックを、加工温度やロールの回転速度などの条件を変化させながらシートに成形する手段に依存するため、分散密度や配向方向の不均一の再現が困難であり、また特許文献2の膜材でバッグや財布などの縫製物とした場合には、光透過性が不足することで色彩変化性が十分に発揮されないという問題が存在した。
一方、可塑性樹脂フィルム中に蓄光顔料を練り込んだシートが多目的に使用されている。これらは例えば、蓄光物質を特定の凝集状態で熱可塑性樹脂中に含有するシート(特許文献3)が開示され、またポリオレフィン樹脂に蓄光顔料を混和したことを特徴とする蓄光性ポリオレフィン発泡体(特許文献4)などが開示されている。これらのシートや発泡体はいずれも蓄光物質や蓄光顔料を樹脂に練り込むことで長尺成形を容易とし、またシートや発泡体全面が蓄光発光するため発光輝度が高いものである。しかし、これらのシートに印刷絵柄やマーキングフィルムの貼着などによる意匠性を付与した場合、意匠部分の蓄光発光性が隠蔽されて暗闇では影絵状態となってシートや発泡体全体の発光輝度が低減し、また意匠部分下に隠蔽された蓄光物質や蓄光顔料の存在が無駄となっていた。そのため光透過性インキや光透過性のマーキングフィルムの使用によって意匠部分下からの蓄光発光を促すような試みがなされてきたが、インキやマーキングフィルムの色相によって蓄光発光が減衰される問題を有していた。
従って明所ではパール調光輝性外観を発現し、暗所では蓄光発光外観を発現するような明暗で互いに外観の異なる合成皮革は存在していなかった。
特開平5−220916号公報 特開2002−242085号公報 特開2004−263114号公報 特開2000−336201号公報
本発明は、カバン、バッグ、ポーチ、財布、定期入れ、名刺入れ、などの携帯雑貨類の生地、椅子やソファーなど家具類の生地、玄関マット、ラグマットなどの床材生地、衣類やシューズなどの装飾パーツ用生地、首輪やリードなどペット用品の装飾パーツ用生地などの用途に使用でき、明所ではパール調光輝性外観を発現し、暗所では蓄光発光外観を発現するような明暗で互いに外観の異なる合成皮革で、さらに使用時の押圧によって意外な暗所発光効果をもたらし、またエンボスによるユニークな視覚効果を実現できる合成皮革を提供するものである。
本発明は、繊維布帛を基材として、この繊維布帛の片面以上に着色樹脂層を設け、少なくとも一方の着色樹脂層上に光輝複合樹脂層を形成してなる可撓性積層体において、光輝複合樹脂層がパール顔料粒子を含む光干渉性の光透過樹脂上層及び、蓄光発光性物質粒子を含む発光性の光透過樹脂下層とからなり、光輝複合樹脂層の可視光透過率(JIS Z8722)を20〜60%とすることによって明所ではパール調光輝性外観を発現し、暗所では蓄光発光外観を発現するような明暗で互いに外観の異なる合成皮革が得られることを見出して上記課題を解決するに至った。
すなわち本発明の合成皮革は、繊維布帛を基材として、この繊維布帛の片面以上に着色樹脂層が設けられ、少なくとも一方の着色樹脂層上に光輝複合樹脂層が形成されてなる可撓性積層体であって、前記光輝複合樹脂層がパール顔料粒子を含む光干渉性の光透過樹脂上層及び、蓄光発光性物質粒子を含む発光性の光透過樹脂下層とからなり、前記光輝複合樹脂層の可視光透過率(JIS Z8722)が20〜60%を有することが好ましい。これによって明所ではパール調光輝性外観を発現し、暗所では蓄光発光外観を発現するような明暗で互いに外観の異なる合成皮革を得ることを可能とする。
本発明の合成皮革は、前記光透過樹脂下層が、厚さ0.5mm〜5.0mmの弾性発泡体で構成されていることが好ましい。これによって使用時の押圧によって意外な暗所発光効果をもたらし、さらにエンボスによるユニークな視覚効果を実現することを可能とする。
本発明の合成皮革は、前記着色樹脂層が、マンセル明度7〜9.5、及びマンセル彩度0〜3であることが好ましい。これによって使用時の押圧によって意外な暗所発光効果をもたらし、さらにエンボスによるユニークな視覚効果を実現することを可能とする。
本発明の合成皮革は、前記着色樹脂層が、マンセル明度4以下、及びマンセル彩度6以上であることが好ましい。これによって使用時の押圧によって意外な暗所発光効果をもたらし、さらにエンボスによるユニークな視覚効果を実現することを可能とする。
本発明の合成皮革は、前記光透過樹脂上層が2層構造、または3層構造を有し、互いに異なる色相のパール顔料粒子を含んでいることが好ましい。これによって明所では独特のパール調光輝性外観を発現し、さらにエンボスによるユニークな視覚効果を実現することを可能とする。
本発明の合成皮革は、前記光輝複合樹脂層の全面に、フィルムまたは塗膜からなる透明保護層が設けられていることが好ましい。これによって防汚性、耐摩耗性、耐傷付き性を付与することができる。
本発明によれば、明所ではパール調光輝性外観を発現し、暗所では蓄光発光外観を発現するような明暗で互いに外観の異なる合成皮革が得られるので、これらはカバン、バッグ、ポーチ、財布、定期入れ、名刺入れ、などの携帯雑貨類の生地、椅子やソファーなど家具類の生地、玄関マット、ラグマットなどの床材生地、衣類やシューズなどの装飾パーツ用生地、首輪やリードなどペット用品の装飾パーツ用生地などの用途に使用でき、さらに使用時の押圧によって意外な暗所発光効果をもたらし、またエンボスによるユニークな視覚効果などを可能とする。
本願発明の合成皮革の断面の一例を表す図 本願発明の合成皮革の断面の一例を表す図 本願発明の合成皮革の断面の一例を表す図 本願発明の合成皮革の断面の一例を表す図 本願発明の合成皮革(エンボス賦型)の断面の一例を表す図 本願発明の合成皮革(エンボス賦型)の断面の一例を表す図 本願発明の合成皮革(エンボス賦型)の断面の一例を表す図 本願発明の合成皮革(エンボス賦型)の断面の一例を表す図
本発明の合成皮革は、繊維布帛を基材として、この繊維布帛の片面以上に着色樹脂層が設けられ、少なくとも一方の着色樹脂層上に光輝複合樹脂層が形成されてなる可撓性積層体であって、前記光輝複合樹脂層がパール顔料粒子を含む光干渉性の光透過樹脂上層及び、蓄光発光性物質粒子を含む発光性の光透過樹脂下層とからなり、前記光輝複合樹脂層の可視光透過率(JIS Z8722)が20〜60%を有するもので、好ましくは特に、光透過樹脂下層を、厚さ0.5mm〜5.0mmの弾性発泡体で構成し、さらに着色樹脂層のマンセル明度を7〜9.5、及びマンセル彩度を0〜3とするか、または着色樹脂層のマンセル明度を4以下、及びマンセル彩度を6以上とすることが好ましい。
本発明の合成皮革に用いる基材を構成する繊維布帛は、織布、編布、不織布の何れであってもよい。織布は、平織、綾織、繻子織、模紗織など公知の織布が挙げられるが、中でも平織織布が、得られる合成皮革の経緯強度及び伸張バランスが同等となり好ましい。織布は経糸及び緯糸で織製され、糸条間隙を均等において平行に配置した経糸、及び緯糸を含んで構成された空隙率5〜30%の目開織布(糸条打込本数10〜35本/inch)、または空隙率5%未満の非目開織布(糸条打込本数30〜100本/inch)であり、厚さや質量には特に制限はない。目開織布は着色樹脂層フィルムの熱ラミネート用、または接着用基布に適し、非目開織布は着色樹脂層を形成する熱可塑性樹脂組成物の溶液による含浸、及びコーティングまたはホットメルト塗工用基布に適している。またこれら繊維織物には繊維断面からの水の毛管現象による浸入を防止するための撥水処理、また、着炎時に自己消火性を付与するための防炎処理、着色樹脂層との密着性を付与するための接着処理を施すこともできる。
繊維布帛を形成する経糸条及び緯糸条は、モノフィラメント、マルチフィラメント、短繊維紡績糸などの態様が挙げられ、繊維の種類は具体的に、ケナフ、コットン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート)、ナイロン、ビニロン、アクリル、芳香族ポリエステル系、芳香族ポリアミド系、芳香族ヘテロ環ポリマー(ポリイミダゾール系、ポリオキサゾール系など)、ガラス、シリカ、バサルト、アルミナ、ボロン、炭素、ステンレスなどの繊維、及びこれらの混用繊維、芯鞘繊維などが挙げられるが、汎用的にはポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)、ポリプロピレン、ナイロン繊維などが好ましい。特に芳香族ポリエステル系、芳香族ポリアミド系、芳香族ヘテロ環ポリマー系などによる繊維糸条を用いることで得られる合成皮革に耐熱性や防刃性を付与することができ、またガラス、シリカ、バサルト、アルミナ、炭素などによる繊維糸条を用いることで得られる合成皮革に耐火性を付与することができる。
繊維布帛を形成する経糸条及び緯糸条はマルチフィラメント糸条または短繊維紡績糸条が好ましく、マルチフィラメント糸条の場合、フィラメント数30〜300本、繊度138〜2223dtex(デシテックス)、好ましくは277〜1112dtexのマルチフィラメント糸条繊維により、1インチ当たり10〜50本の打ち込み本数で製織された織物が得られる合成皮革の取り扱い性に優れ好ましい。また短繊維紡績糸条の場合、10番手(591dtex)、20番手(295dtex)、30番手(197dtex)、40番手(148dtex)、60番手(97dtex)の範囲のもの、特に10番手(591dtex)、14番手(422dtex)、16番手(370dtex)、20番手(295dtex)、24番手(246dtex)、30番手(197dtex)などの範囲の短繊維紡績糸条が得られる合成皮革の取り扱い性に優れ好ましい。
本発明の合成皮革において着色樹脂層を形成する成分としての樹脂は、塩化ビニル樹脂(可塑剤含有)、塩化ビニル系共重合体樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリプロピレン樹脂と水素添加型スチレン系共重合体樹脂とのブレンド、ウレタン樹脂、ウレタン系エラストマー、アクリル樹脂、アクリル系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、フッ素系エラストマー、シリコーン系エラストマーなど、及びこれらの熱可塑性樹脂やエラストマーの架橋体などであるが、特に塩化ビニル樹脂(可塑剤含有)、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ウレタン樹脂などが風合い、印刷性、耐摩耗性などに優れて好ましい。着色樹脂層はカレンダー法またはTダイス押出法、あるいはコーティング法による着色フィルム、または着色シートで、特に厚さが0.1mm〜2.0mm、好ましくは0.2mm〜1.0mmである。本発明において最も好ましい例は、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)繊維布帛を基材として、この片面に厚さ0.2mm〜0.5mmの着色軟質ポリ塩化ビニル樹脂フィルムまたはシートを接着剤や熱ラミネートの手段で積層することで着色樹脂層を形成したものである。
着色樹脂層には、公知の有機系顔料及び無機系顔料を単独使用または併用で任意量を含む。有機系顔料としては例えば、アゾ系顔料、(不溶性モノアゾ顔料、不溶性ジスアゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、金属錯塩アゾ顔料)、フタロシアニン顔料(フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン)、染付けレーキ顔料(酸性染料レーキ顔料、塩基性染料レーキ顔料)、縮合多環系顔料(アントラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、イソインドリン系顔料)、その他ニトロソ顔料、アリザリンレーキ顔料、金属錯塩アゾメチン顔料、アニリン系顔料などの単独使用または併用である。また無機系顔料としては例えば、金属酸化物、金属硫化物、金属硫酸塩、金属炭酸塩、金属水酸化物、クロム酸金属塩、スピネル型構造酸化物、ルチル型構造酸化物などの単独使用または併用である。特に白色顔料は、二酸化チタンや酸化亜鉛など、その他炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウムなどの単独使用または併用である。また黒色顔料は、カーボンブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック、チタンブラック、黒鉛などの単独使用または併用である。
着色樹脂層の色相は問わないが、着色樹脂層のマンセル明度7〜9.5、及びマンセル彩度0〜3であることが好ましく、特に白色または白色系(やや着色を帯びた白色)が好ましい。このような着色樹脂層を有することで得られる合成皮革の光輝複合樹脂層における光透過樹脂下層の蓄光発光輝度を向上させることを可能とする。さらに光透過樹脂下層を、厚さ0.5mm〜5.0mmの蓄光発光性の弾性発泡体で構成した時に、使用時の押圧によってこの蓄光発光性の弾性発泡体が部分的に潰れて、光透過樹脂下層に陥没部を形成し、特に陥没部での可視光透過率(JIS Z8722)が向上して下地の着色樹脂層のマンセル明度7〜9.5、及びマンセル彩度0〜3の影響を直接的に受けることによって、押圧陥没部での蓄光発光性が一段と向上することで意匠的な暗所発光効果をもたらし、また同様の効果によりエンボス賦型を施した部分で鮮烈な蓄光発光発現によるユニークな視覚効果を得ることを可能とする。
また着色樹脂層の色相を黒色または濃色系(ダークグレー、ダークグリーン、ダークブラウンなど)の光吸収性色相で、マンセル明度を4以下、及びマンセル彩度を6以上としてもよく、このような着色樹脂層とすることで得られる合成皮革の光輝複合樹脂層における光干渉性の光透過樹脂上層のメタリック発色光輝性を向上させること、特に観察角度によるメタリック発色光輝性を向上させることを可能とし、さらに光透過樹脂下層を、厚さ0.5mm〜5.0mmの蓄光発光性の弾性発泡体で構成した時に、使用時の押圧によってこの蓄光発光性の弾性発泡体が部分的に潰れて、光透過樹脂下層に陥没部を形成し、特に陥没部での可視光透過率(JIS Z8722)が向上して下地の着色樹脂層のマンセル明度4以下、及びマンセル彩度を6以上とする影響を直接的に受けることによって、押圧陥没部での光干渉性の光透過樹脂上層のメタリック発色光輝性が一段と向上する。また同様の効果によりエンボス賦型を施した部分で鮮烈なメタリック発色光輝性の発現によるユニークな視覚効果を得ることを可能とする。
本発明の合成皮革において、光輝複合樹脂層(光透過樹脂上層及び光透過樹脂下層)を形成する成分としての樹脂は、塩化ビニル樹脂(可塑剤含有)、塩化ビニル系共重合体樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリプロピレン樹脂と水素添加型スチレン系共重合体樹脂とのブレンド、ウレタン樹脂、ウレタン系エラストマー、アクリル樹脂、アクリル系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、フッ素系エラストマー、シリコーン系エラストマーなど、及びこれらの熱可塑性樹脂やエラストマーの架橋体などであるが、特に塩化ビニル樹脂(可塑剤含有)、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ウレタン樹脂などが風合い、印刷性、耐摩耗性などに優れて好ましい。光輝複合樹脂層の光透過樹脂上層は、カレンダー法またはTダイス押出法、あるいはコーティング法によるパール顔料粒子を含有するシートで、特に厚さが0.1mm〜3.0mm、好ましくは0.2mm〜1.5mmである。また、光透過樹脂下層は、カレンダー法またはTダイス押出法、あるいはコーティング法による蓄光発光性物質粒子を含有するシートで、特に厚さが0.1mm〜3.0mm、好ましくは0.2mm〜1.5mmである。本発明において最も好ましい例は、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)繊維布帛を基材として、この片面に厚さ0.2mm〜0.5mmの着色軟質ポリ塩化ビニル樹脂フィルムまたはシートを積層し、この上に0.5mm〜1.0mmの軟質ポリ塩化ビニル樹脂による光透過樹脂下層(蓄光発光性物質粒子含有)をコーティングや熱ラミネートの手段で形成し、さらにこの上に0.5mm〜1.0mmの軟質ポリ塩化ビニル樹脂による光透過樹脂上層(パール顔料粒子含有)をコーティングや熱ラミネートの手段で形成したものである。光透過樹脂上層及び光透過樹脂下層の可視光透過率(JIS Z8722)は35〜80%、特に40〜70%の透光性を有することが好ましく、光輝複合樹脂層(光透過樹脂上層及び光透過樹脂下層)の可視光透過率(JIS Z8722)は20〜60%、特に25〜50%の透光性を有することが好ましい。光輝複合樹脂層の可視光透過率が高いほど下地となる着色樹脂層のマンセル明度及びマンセル彩度のよい影響を受けてパール顔料粒子の発色コントラスト効果、または蓄光発光性物質粒子による発光シルエット発現効果への寄与を大きくする。
光輝複合樹脂層(光透過樹脂上層)は上記樹脂の単独使用または併用系にパール顔料粒子を光透過樹脂上層の質量に対して0.5〜5質量%、好ましくは1〜2.5質量%含有する。パール顔料粒子としては平均粒子径5〜100μmの雲母鱗片の表面に二酸化チタンが被覆率43〜80%でコーティングされた表面処理パール顔料が挙げられる。例えば二酸化チタンの被覆率が43%に調整された反射色がゴールドで透過色がバイオレットの二色性干渉雲母チタンが挙げられる。また二酸化チタンの被覆率が47%に調整された反射色がオレンジで透過色がグリーンの二色性干渉雲母チタンが挙げられる。また二酸化チタンの被覆率が52%に調整された反射色がブルーで透過色がイエローの二色性干渉雲母チタンが挙げられる。また二酸化チタンの被覆率が57%に調整された反射色がグリーンで透過色がレッドの二色性干渉雲母チタンが挙げられる。これらの二色性干渉雲母チタンは互いに相反する色相を組み合わせ、色相の異なる2種以上をブレンド併用することにより意外性に富んだ視覚効果を発現させることができる。このような意外性に富んだ視覚効果の発現には、二色性干渉雲母チタンに組み合わせて、銀白色雲母チタン、及び/又は有彩色雲母酸化鉄などの単色パール顔料を併用することも有効である。銀白色雲母チタンとは、粒度5μm〜100μmの雲母鱗片の表面に二酸化チタンを被覆率12〜42%でコーティングした単色パール顔料である。有彩色雲母酸化鉄としては平均粒子径5μm〜100μmの雲母鱗片の表面に二酸化チタンを被覆率12〜50%でコーティングし、さらに酸化鉄(II)を被覆率2〜30%でコーティングしたゴールドの単色パール顔料、または平均粒子径5μm〜100μmの雲母鱗片の表面に酸化鉄(II)を被覆率20〜60%でコーティングしたブロンズの単色パール顔料である。光輝性樹脂層には本発明における着色樹脂層に用いた有機顔料を微量添加することで色調をコントロールすることもできる。
これらの光透過樹脂上層は、2層または3層で構成されていてもよく、各々の樹脂層にはそれぞれ異なる干渉色相のパール顔料粒子を含むことができ、このような干渉色相の異なるパール顔料粒子含有層を複数層使用することによって、得られる合成皮革を湾曲させたとき、あるいは斜め方向から観察したときに色相観察の多面性が意外性として発現されるからである。さらにこのような多層構成による光透過樹脂上層はエンボス押圧によって互いの層同士が融合し合い、エンボス部において得られる色相観察の多面性がより複雑化することで意外性を増大させることができる。これらは例えば、反射色がゴールドで透過色がバイオレットの二色性干渉雲母チタンを含有する光透過性の光輝性樹脂層を最外層としてその下層に反射色がブルーで透過色がイエローの二色性干渉雲母チタンを含有する光透過性の光輝性樹脂層を形成した2層構成のもの、また、この2層構造の光輝性樹脂層の下層に更に反射色がグリーンで透過色がレッドの二色性干渉雲母チタンを含有する光透過性の光輝性樹脂層を形成した3層構成のものが挙げられる。これらのパール顔料粒子、またはパール顔料粒子を70〜99重量%と残り1〜30重量%未満の成分として、銀白色雲母チタン、及び/又は有彩色雲母酸化鉄を含む混合パール顔料の配合量は、光透過樹脂上層の厚さによって調整すること、すなわち光透過樹脂上層の厚さが0.1mm〜0.5mm程度ではパール顔料粒子または混合パール顔料の配合量を、光透過樹脂上層の質量に対して1〜5質量%の範囲、また光透過樹脂上層の厚さが1mm〜3mm程度ではパール顔料粒子または混合パール顔料の配合量を、光透過樹脂上層の質量に対して0.5〜1質量%の範囲とすることが光透過樹脂上層の発色を維持しながら光透過樹脂上層の光透過性を保持することの観点において好ましい。このような2層構成の、または3層構成による光透過樹脂上層の可視光透過率(JIS Z8722)は35〜80%、特に40〜70%の透光性であることが好ましい。可視光透過率が40%未満だと光透過樹脂下層との積層による光輝複合樹脂層の暗所発光効果が不十分となることがあり、また可視光透過率が70%を越えると、明所でのパール調メタリック発色性に劣ることがある。光輝性樹脂層には本発明における着色樹脂層に用いた有機顔料を微量添加することで色調をコントロールすることもできる。
光輝複合樹脂層(光透過樹脂下層)は上記樹脂の単独使用または併用系に蓄光発光性物質粒子を光透過樹脂下層の質量に対して10〜100質量%、好ましくは25〜75質量%含有する。蓄光発光性物質粒子としては公知の蓄光性夜光体粒子で、主として緑系の燐光発光色タイプ、青系の燐光発光色タイプの粒子などが使用できる。青系の燐光発光色タイプとしては、二価金属アルミン酸塩(例えば、アルミン酸ストロンチウム)の母体結晶に、希土類元素を賦活剤として二価の金属に対し、0.001〜10モル%加えた粒子である。二価の金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛などであり、希土類元素としてはセリウム、プラセオジム、ネオジム、サマルウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムなどであり、具体的には、MoAl:Eu、Mo・xAl:y・SiOEu、MoSiEu、SrAl:Eu,Dy、SrAl1425:Eu,Dy、CaAl:Eu,Nd、SrAl141425:Eu,Dy等を例示できるが、特に酸化アルミナモリブデン(MoAl:Eu)系及び酸化アルミナストロンチウム(SrAl:Eu,Dy)系の青〜青緑に燐光発光する蓄光性夜光体粒子が好ましい。また、酸化イットリウム/硫黄系[Y:S:Eu、Ln(橙色発光)]、硫化カルシウム/ビスマス系[CaS:Bi(紫青色発光)]、硫化カルシウム・ストロンチウム/ビスマス系[CaSrS:Bi(青色発光)]、硫化亜鉛/銅系[ZnS:Cu(緑色発光)]、硫化亜鉛・カドミウム/銅系[ZnCdS:Cu(黄色〜橙色発光)]などの硫化物系蓄光性蛍光体、CaAlSiN3:Eu、(Sr,Ca)AlSiN3:Euなど赤色発光を呈するAlを含むEu付活アルカリ土類珪窒化物蛍光体、Ca2Si58:Eu,Tmなど赤色発光を呈するEu,Tm付活アルカリ土類珪窒化物蛍光体なども使用することができる。このような光透過樹脂下層の可視光透過率(JIS Z8722)は30〜70%、特に35〜65%の透光性であることが好ましい。可視光透過率が30%未満だと光透過樹脂上層との積層による光輝複合樹脂層の暗所発光効果が不十分となることがある。
また光透過樹脂下層は、厚さ0.5mm〜5.0mmの弾性発泡体で構成されていてもよく、特に弾性発泡体を形成する熱可塑性樹脂として、塩化ビニル樹脂(可塑剤含有)、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリプロピレン樹脂と水素添加型スチレン系共重合体樹脂とのブレンド、ウレタン樹脂などが使用できる。ここで弾性発泡体とは、20℃の条件で発泡体に荷重を掛けて潰し、荷重を解除した時に、5秒以内に元の発泡体の厚さの90〜100%に復元可能なものと定義する。発泡体による光透過樹脂下層に占める気泡セルの合計体積は、光透過樹脂下層の全体積に対して20〜50体積%である。気泡セルを20〜50体積%含有することにより、蓄光発光性物質粒子密度を低くするような嵩高な乱反射構造として着色樹脂層の色相が光透過樹脂上層に干渉し難い構成にする。一方、光透過樹脂下層(弾性発泡体)を潰したときには光乱反射効果として作用する気泡セルが一時的に消失することで着色樹脂層の色相が光透過樹脂上層に干渉し易い構成となる。このような発泡体による光透過樹脂下層を含む光輝複合樹脂層に金型刻印または凸版エンボスロールによって凹賦型することにより、凹部は気泡セルが完全に潰されて任意の深さの陥没部(非発泡体)による意匠を発泡体の一部に形成することができる。発泡体の気泡セルは、化学発泡剤の熱分解ガス生成による痕跡、粘性樹脂の攪拌による空気巻込みによるもの、ガス内包マイクロカプセルを膨張させたバルーン粒子の添加によるものなどが挙げられる。化学発泡剤としては、アゾジカルボアミド、オキシビスベンゼンスルフォニルヒドラジド、ベンゼンスルフォニルヒドラジド、p−トルエンスルフォニルヒドラジド、ジアゾアミノベンゼン、アゾビスイソブチロニトリルなどの熱分解型化学発泡剤が使用できる。気泡セルは隣接気泡セルと部分的に空間を共有する連続気泡であっても、独立気泡の何れであってもよい。気泡セル含有率が20体積%未満の場合は、得られる合成皮革を押圧した時の弾性復元性に劣り、意外性のある暗所発光効果が思うように得られず、またエンボスを押した時に明瞭な刻印効果が得られないなど意匠の識別が希薄となることがある。
本発明の合成皮革にエンボス賦型を施す場合、その陥没高低差は0.3mm〜3.0mm、好ましくは0.5mm〜1.0mmである。陥没高低差が0.3mm未満だと、得られる合成皮革が明瞭な意匠表示を困難とすることがある。また陥没高低差が3.0mmを越えると、得られる合成皮革の手触り感を悪くするだけでなく、エンボス意匠の態様によっては陥没部に異物を挟み込む不都合がある。エンボス賦型は、例えば、光輝複合樹脂層側の面に、意匠柄を刻印(凹凸高低差0.5mm〜5.0mm)した金型を光輝複合樹脂層の軟化温度以上で押し当てた後、金型を外すことで凹賦型することができる。このような凹賦型による意匠柄刻印はエンボスロールによって多数の意匠刻印を連続的に賦型することもできる。これらの凹賦型において、陥没部及び非陥没部の境界は必ずしも「凹」の形状イメージのごとく角が直角な断崖状である必要はなく、すり鉢状、または陥没部及び非陥没部の境界は丸みを帯びた段差であってもよい。このようなエンボス意匠の外観は、陥没部を輪郭として構成された図案やシンボルマーク、ロゴマーク、アスキーアートなど、複数の陥没部で構成された文字(ひらがな、カタカナ、アルファベット、漢字、外国文字、古代文字など)、モノグラム、ピクトグラム、数字、記号、幾何学模様、顔文字、及びデザイン文字などの組み合わせなどが挙げられる。
また光輝複合樹脂層の全面には、フィルムまたは塗膜からなる透明保護層を設けることが、防汚性、耐摩耗性、耐傷付き性の付与の観点において好ましい。フィルム及び塗膜を形成する樹脂は、塩化ビニル樹脂(可塑剤含有)、塩化ビニル系共重合体樹脂、オレフィン樹脂(ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂)、オレフィン系共重合体樹脂(エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂)、ウレタン樹脂、ウレタン系共重合体樹脂(アクリル−ウレタン共重合体樹脂)、アクリル樹脂、アクリル系共重合体樹脂(アクリル−シリコン共重合体樹脂、アクリル−フッ素共重合体樹脂)、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル系共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステル系共重合体樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、フッ素含有共重合体樹脂などの熱可塑性樹脂、及びこれらの熱可塑性樹脂の架橋体などであるが、特に塩化ビニル樹脂(可塑剤含有)、ウレタン樹脂、フッ素含有共重合体樹脂などが防汚性や耐摩耗性などに優れて好ましい。透明保護層はカレンダー法またはTダイス押出法によるフィルム及び多層フィルム、あるいはコーティング法キャスト法による塗膜で、特に厚さが0.005mm〜0.5mm、好ましくは0.01mm〜0.2mmである。これら透明保護層には光輝性樹脂層の耐光性を向上させるために、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤など公知の紫外線吸収剤を少なくとも含み、更に公知のヒンダードアミン系光安定剤を併用し、更に必要に応じて公知の酸化防止剤を用いることができ、これらの総添加量は透明保護層に対して0.05〜5質量%が好適である。さらにこれら透明保護層の表面に、微粒子シリカ(特にコロイダルシリカ)、光触媒性物質(特に二酸化チタン)、有機シリケート化合物(メチル、またはエチルシリケートの加水分解縮合物)から選ばれた1種以上による薄膜を形成することによって、更に汚れ防止性に優れた合成皮革を得ることができる。
本発明の合成皮革は、必要に応じて裏面に熱可塑性樹脂被覆層を設けることができる。これによって本発明の合成皮革同士の重ね合わせによる熱溶着加工(熱風融着、熱コテ融着、高周波融着など)を可能とする。熱可塑性樹脂被覆層を形成する樹脂は、先に述べた着色樹脂層及び、光輝性樹脂層を形成する樹脂から1種または2種以上を選ぶことができ、必要に応じて熱可塑性樹脂被覆層には公知の有機系顔料及び無機系顔料を単独使用または併用で任意量を含んでいてもよい。
以下、本願発明の合成皮革を具体的に説明する。図1〜8は、本願発明の合成皮革の断面の一例を表す図である。図1の合成皮革(1)は、繊維布帛(2)の片表面に着色樹脂層(3)が設けられ、この着色樹脂層(3)の上に、光輝複合樹脂層(4)が設けられ、さらに光輝複合樹脂層(4)の表面に透明保護層(5)が設けられた可撓性積層体(1)で、特に光輝複合樹脂層(4)が光透過樹脂上層:パール顔料粒子含有(4A)と、光透過樹脂下層:蓄光発光性物質粒子含有(4B−1)の非発泡体によって構成される例である。
図2の合成皮革(1)は、図1の合成皮革の光透過樹脂下層(非発泡体):蓄光発光性物質粒子含有(4B−1)の部分を、弾性発泡体(4B−2)による蓄光発光性物質粒子を含有する光透過樹脂下層に変更した例である。
図3の合成皮革(1)は、図1の合成皮革の光輝複合樹脂層(4)の部分を、光透過樹脂上層:パール顔料粒子1含有(4A−1)と光透過樹脂上層:パール顔料粒子2含有(4A−2)とによる2層構造に変更した例である。
図4の合成皮革(1)は、図3の合成皮革の光透過樹脂下層(非発泡体):蓄光発光性物質粒子含有(4B−1)の部分を、弾性発泡体(4B−2)による蓄光発光性物質粒子を含有する光透過樹脂下層に変更した例である。
図5の合成皮革(1)は、図1の合成皮革にエンボス刻印を行い陥没部を形成した例である。
図6の合成皮革(1)は、図3の合成皮革にエンボス刻印を行い陥没部を形成した例である。
図7の合成皮革(1)は、図2の合成皮革にエンボス刻印を行い陥没部を形成した例である。
図8の合成皮革(1)は、図4の合成皮革にエンボス刻印を行い陥没部を形成した例である。
[実施例1]
〈繊維布帛〉
ポリエステル(PET)短繊維紡績糸条からなる平織スパン布〔糸密度:経糸20番手双糸(590dtex)44本/2.54cm×緯糸20番手双糸(590dtex)40本/2.54cm:空隙率4.2%:厚さ0.65mm:質量228g/m〕を用いた。
〈着色樹脂層〉
上記平織スパン布の片表面に、下記配合1からなる厚さ0.15mmのカレンダー加工による白色軟質塩化ビニル樹脂フィルムを160℃の熱ロール条件のラミネーターを用いて熱融着により積層し着色樹脂層を形成した。この白着色樹脂層のマンセル明度は9.5、及びマンセル彩度0.5であった。
[配合1]
白色軟質塩化ビニル樹脂配合組成物
塩化ビニル樹脂(重合度1050) 100質量部
DOP(可塑剤) 55質量部
エポキシ化大豆油(安定剤) 4質量部
Ba−Zn(安定剤) 2質量部
酸化チタン(白色顔料) 10質量部
〈光輝複合樹脂層:光透過樹脂下層〉
上記着色樹脂層の表面に、下記配合2からなる厚さ0.25mmのカレンダー加工による、蓄光発光性物質粒子を含有する軟質塩化ビニル樹脂フィルムを160℃の熱ロール条件のラミネーターを用いて熱融着により積層し光透過樹脂下層を形成した。光透過樹脂下層の可視光透過率は34%の透光性であった。
[配合2]
蓄光発光性物質粒子を含有する軟質塩化ビニル樹脂配合組成物
塩化ビニル樹脂(重合度1050) 100質量部
DOP(可塑剤) 55質量部
エポキシ化大豆油(安定剤) 4質量部
Ba−Zn(安定剤) 2質量部
青色燐光蓄光発光性物質粒子
(MoAl:Eu) 35質量部
ベンゾトリアゾール系化合物(紫外線吸収剤) 0.2質量部
〈光輝複合樹脂層:光透過樹脂上層〉
上記光透過樹脂下層の表面に、下記配合3からなる厚さ0.15mmのカレンダー加工による、パール顔料粒子を含有する軟質塩化ビニル樹脂フィルムを160℃の熱ロール条件のラミネーターを用いて熱融着により積層し光輝複合樹脂層を形成した。光透過樹脂上層の可視光透過率は47%の透光性で、光輝複合樹脂層の可視光透過率は24%であった。
[配合3]
パール顔料粒子を含有する軟質塩化ビニル樹脂配合組成物
塩化ビニル樹脂(重合度1050) 100質量部
DOP(可塑剤) 55質量部
エポキシ化大豆油(安定剤) 4質量部
Ba−Zn(安定剤) 2質量部
パール顔料粒子 5質量部
(二酸化チタン被覆率43%、反射色がゴールドで透過色が
バイオレットの二色性干渉雲母チタン:平均粒子径45μm)
ベンゾトリアゾール系化合物(紫外線吸収剤) 0.2質量部
〈透明保護層〉
上記光輝性樹脂上層の表面に、下記配合4からなる厚さ5μmの透明アクリル樹脂塗膜をグラビアコートにより設け透明保護層を形成した。
[配合4]
透明アクリル樹脂配合組成物
アクリル樹脂(PMMA) 100質量部
ベンゾトリアゾール系化合物(紫外線吸収剤) 0.2質量部
溶剤(メチルエチルケトン) 800質量部
以上の工程により厚さ1.2mm、質量1070g/mの合成皮革(図1)を得た。
〈意匠〉
上記合成皮革の光輝複合樹脂層面に、「HIRAOKA」の文字(文字サイズ2.5cm×2.5cm×7文字)が凸状に刻印された金型(4cm×22.5cm)を装着した高周波溶着装置を用い、陽極電流1.0A、融着時間5秒,冷却時間5秒の条件で型押しプレスを行い「HIRAOKA」の文字が凹状に意匠賦型され、陥没部と非陥没部との陥没高低差0.2mmの合成皮革(図5)を得た。この合成皮革によると観察角度の変化や合成皮革の湾曲などによって、ゴールド色とバイオレットの交互に干渉する意外性を発現した。
[実施例2]
実施例1の合成皮革において、光透過樹脂下層(配合2)を下記配合5により得た弾性発泡体による光透過樹脂下層とした以外は実施例1と同様にして厚さ1.7mm、質量1062g/mの合成皮革(図2)を得た。
[配合5]
蓄光発光性物質粒子を含有する軟質塩化ビニル樹脂配合組成物
塩化ビニル樹脂(重合度1050) 100質量部
DOP(可塑剤) 55質量部
エポキシ化大豆油(安定剤) 4質量部
Ba−Zn(安定剤) 2質量部
アゾジカルボアミド(熱分解型化学発泡剤) 10質量部
青色燐光蓄光発光性物質粒子
(MoAl:Eu) 35質量部
ベンゾトリアゾール系化合物(紫外線吸収剤) 0.2質量部

着色樹脂層の表面に、上記配合5からなる厚さ0.25mmのカレンダー加工による、蓄光発光性物質粒子を含有する軟質塩化ビニル樹脂フィルムを160℃の熱ロール条件のラミネーターを用いて熱融着により積層し光透過樹脂下層を形成した。次いでこの光透過樹脂下層上に実施例1と同じ光透過樹脂上層及び透明保護層を形成して厚さ1.2mm、質量1075g/mの合成皮革前躯体を得、これを200℃の熱風炉内で1分間静置して光透過樹脂下層を約3倍の厚さに発泡させ、厚さ1.7mm、質量1062g/mの合成皮革(図2)を得た。光透過樹脂下層(弾性発泡体)の可視光透過率は26%の透光性で、光輝複合樹脂層の可視光透過率は22%であった。
〈意匠〉
この合成皮革の光輝複合樹脂層面に、実施例1と同じ文字刻印金型を用いて型押しプレスを行い、「HIRAOKA」の文字が凹状に意匠賦型され、陥没部と非陥没部との陥没高低差0.65mmの合成皮革(図7)を得た。この合成皮革によると観察角度の変化や合成皮革の湾曲などによって、ゴールド色とバイオレットの交互に干渉する意外性を発現した。この色調変化の度合いは実施例1の合成皮革よりも鮮明で効果的であった。
[実施例3]
実施例1の合成皮革において、光透過樹脂上層を、配合3による光透過樹脂上層1(厚さ0.15mm)と下記配合6による光透過樹脂上層2(厚さ0.15mm)とによる2層構造とした以外は実施例1と同様にして厚さ1.35mm、質量1280g/mの合成皮革(図3)を得た。
[配合6]
パール顔料粒子を含有する軟質塩化ビニル樹脂配合組成物
塩化ビニル樹脂(重合度1050) 100質量部
DOP(可塑剤) 55質量部
エポキシ化大豆油(安定剤) 4質量部
Ba−Zn(安定剤) 2質量部
パール顔料粒子 5質量部
(二酸化チタン被覆率47%:反射色がオレンジで透過色が
グリーンの二色性干渉雲母チタン:平均粒子径45μm)
ベンゾトリアゾール系化合物(紫外線吸収剤) 0.2質量部

光透過樹脂上層(2層)の可視光透過率は38%の透光性で、光輝複合樹脂層の可視光透過率は21%であった。
〈意匠〉
この合成皮革の光輝複合樹脂層面に、実施例1と同じ文字刻印金型を用いて型押しプレスを行い、「HIRAOKA」の文字が凹状に意匠賦型され、陥没部と非陥没部との陥没高低差0.25mmの合成皮革(図6)を得た。この合成皮革によると観察角度の変化や合成皮革の湾曲などによって、ゴールド色、オレンジ、グリーン、バイオレットなどの複雑な色調に干渉する意外性を発現した。
[実施例4]
実施例2の合成皮革において、光透過樹脂上層(配合3)を実施例3の光透過樹脂上層(光透過樹脂上層1/光透過樹脂上層2)に変更した以外は実施例2と同様にして厚さ1.95mm、質量1274g/mの合成皮革(図4)を得た。光透過樹脂上層(2層)の可視光透過率は38%の透光性で、光輝複合樹脂層の可視光透過率は16%であった。
〈意匠〉
この合成皮革の光輝複合樹脂層面に、実施例1と同じ文字刻印金型を用いて型押しプレスを行い、「HIRAOKA」の文字が凹状に意匠賦型され、陥没部と非陥没部との陥没高低差0.65mmの合成皮革(図8)を得た。特に凹状の意匠賦型部では金型押圧によって互いの層同士が融合し合い、凹状賦型部での色相観察が複雑化して、この合成皮革を湾曲させたとき、ゴールド色、オレンジ、グリーン、バイオレットなどの複雑な色調に干渉変化する意外性を発現した。この色調変化の度合いは実施例3の合成皮革よりも鮮明で効果的であった。
[実施例5]
実施例2の合成皮革において、白の着色樹脂層(実施例1の配合1)を下記配合7の黒の着色樹脂層に変更した以外は実施例2と同様にして厚さ1.95mm、質量1274g/mの合成皮革(図4)を得た。光透過樹脂下層(弾性発泡体)の可視光透過率は26%の透光性で、光輝複合樹脂層の可視光透過率は22%であった。
〈意匠〉
この合成皮革の光輝複合樹脂層面に、実施例1と同じ文字刻印金型を用いて型押しプレスを行い、「HIRAOKA」の文字が凹状に意匠賦型され、陥没部と非陥没部との陥没高低差0.65mmの合成皮革(図7)を得た。特に凹状の意匠賦型部では金型押圧によって互いの層同士が融合し合い、凹状賦型部での色相観察が複雑化して、この合成皮革を湾曲させたとき、ゴールド色、オレンジ、グリーン、バイオレットなどの複雑な色調に干渉変化する意外性を発現した。この色調変化の度合いは実施例2の合成皮革よりも鮮明で効果的であった。
[配合7]
白色軟質塩化ビニル樹脂配合組成物
塩化ビニル樹脂(重合度1050) 100質量部
DOP(可塑剤) 55質量部
エポキシ化大豆油(安定剤) 4質量部
Ba−Zn(安定剤) 2質量部
カーボンブラック(黒色顔料) 1質量部
[実施例6]
実施例4の合成皮革において、白の着色樹脂層(実施例1の配合1)を実施例5の配合7の黒の着色樹脂層に変更した以外は実施例4と同様にして厚さ1.95mm、質量1274g/mの合成皮革(図4)を得た。光透過樹脂上層(2層)の可視光透過率は38%の透光性で、光輝複合樹脂層の可視光透過率は21%であった。
〈意匠〉
この合成皮革の光輝複合樹脂層面に、実施例1と同じ文字刻印金型を用いて型押しプレスを行い、「HIRAOKA」の文字が凹状に意匠賦型され、陥没部と非陥没部との陥没高低差0.65mmの合成皮革(図8)を得た。特に凹状の意匠賦型部では金型押圧によって互いの層同士が融合し合い、凹状賦型部での色相観察が複雑化して、この合成皮革を湾曲させたとき、ゴールド色、オレンジ、グリーン、バイオレットなどの複雑な色調に干渉変化する意外性を発現した。この色調変化の度合いは実施例4の合成皮革よりも鮮明で効果的であった。
特に実施例2、4、5、6の合成皮革は、光輝複合樹脂層の光透過樹脂下層を約3倍発泡の弾性発泡体としたことで、得られた合成皮革表面の一部に押圧を掛けて弾性発泡層(光透過樹脂下層)を潰したとき、弾性発泡層の光透過率が弾性発泡層を潰す前後で変化し、特に潰したときの光透過樹脂下層の光透過率が高くなることで光透過樹脂下層の下地層となる着色樹脂層の有する色相の影響を光透過樹脂上層に効率的に伝搬し易い状態となる。これによって特に下地の白の着色樹脂層を有する実施例2、4の合成皮革では、蓄光発光性物質粒子を含有する弾性発泡層(光透過樹脂下層)の下地色をマンセル明度7〜9.5、及びマンセル彩度0〜3、例えば白とすることで弾性発泡層が潰された状態で下地色(白)の背景効果を存分に得ることができるので、この弾性発泡層が潰された状態を維持する数秒間に限り蓄光発光性物質粒子の発光が鮮烈となる。そしてこの弾性発泡層が元の形態に自己復元することで蓄光発光性物質粒子の発光がやや弱くなることで意外な視覚効果を演出することを可能とした。また特に下地の黒の着色樹脂層を有する実施例5、6の合成皮革では、パール顔料を含有する弾性発泡層(光透過樹脂下層)の下地色をマンセル明度7〜9.5、及びマンセル彩度0〜3、例えば黒とすることで弾性発泡層が潰された状態で下地色(黒)の背景効果を存分に得ることができるので、この弾性発泡層が潰された状態を維持する数秒間に限り光透過樹脂上層に含むパール顔料の発色が鮮明となる。そしてこの弾性発泡層が元の形態に自己復元することでパール顔料の発色がやや弱くなることで意外な視覚効果を演出することを可能とした。
[比較例1]
実施例1の合成皮革において、着色樹脂層(白色)を省略した以外は、実施例1と同様として、厚さ1.05mm、質量945g/mの合成皮革を得た。光輝複合樹脂層に影響する着色樹脂層を省略したことで、得られた合成皮革のパール干渉発色性に劣り、明所での色調にぼやけ、また暗所での蓄光発光輝度は実施例1〜4の合成皮革に較べると明らかに低いものであった。さらに「HIRAOKA」の刻印文字の発色効果が文字周辺部分の発色性と同化して「HIRAOKA」の文字意匠が認知し難いものであった。
[比較例2]
実施例1の合成皮革において、光輝複合樹脂層の可視光透過率を7%とした以外は実施例1と同様として、厚さ1.2mm、質量1070g/mの合成皮革を得た。得られた合成皮革の明所での外観はパール顔料粒子を多量に含有することで鮮烈なパールメタリック外観を示したが、それにより光透過樹脂下層への光透過が不十分となることで光透過樹脂下層に含む蓄光発光性物質粒子への光到達が困難となって光透過樹脂下層からの蓄光発光の透過性を損ない、このため暗所での蓄光発光輝度は実施例1〜4の合成皮革に較べると遥かに低く、至近距離でしか確認できない朧なものであった。
〈光輝複合樹脂層:光透過樹脂下層〉
光透過樹脂下層の可視光透過率は15%の透光性であった。
[配合8]
蓄光発光性物質粒子を含有する軟質塩化ビニル樹脂配合組成物
塩化ビニル樹脂(重合度1050) 100質量部
DOP(可塑剤) 55質量部
エポキシ化大豆油(安定剤) 4質量部
Ba−Zn(安定剤) 2質量部
青色燐光蓄光発光性物質粒子(MoAl:Eu)70質量部
ベンゾトリアゾール系化合物(紫外線吸収剤) 0.2質量部
〈光輝複合樹脂層:光透過樹脂上層〉
光透過樹脂上層の可視光透過率は14%の透光性であった。
[配合9]
パール顔料粒子を含有する軟質塩化ビニル樹脂配合組成物
塩化ビニル樹脂(重合度1050) 100質量部
DOP(可塑剤) 55質量部
エポキシ化大豆油(安定剤) 4質量部
Ba−Zn(安定剤) 2質量部
パール顔料粒子 30質量部
(二酸化チタン被覆率43%、反射色がゴールドで透過色が
バイオレットの二色性干渉雲母チタン:平均粒子径45μm)
ベンゾトリアゾール系化合物(紫外線吸収剤) 0.2質量部
[比較例3]
実施例1の合成皮革において、光輝複合樹脂層の可視光透過率を72%とした以外は実施例1と同様として、厚さ1.2mm、質量1070g/mの合成皮革を得た。得られた合成皮革の明所での外観はパール顔料粒子の僅量含有により十分なパールメタリック外観が得られず、また、暗所での外観も蓄光発光性物質粒子の僅量含有により十分な蓄光発光外観が得られず、パールメタリック外観、蓄光発光外観とも実施例1〜4の合成皮革に較べると遥かに低いものであった。
〈光輝複合樹脂層:光透過樹脂下層〉
光透過樹脂下層の可視光透過率は85%の透光性であった。
[配合10]
蓄光発光性物質粒子を含有する軟質塩化ビニル樹脂配合組成物
塩化ビニル樹脂(重合度1050) 100質量部
DOP(可塑剤) 55質量部
エポキシ化大豆油(安定剤) 4質量部
Ba−Zn(安定剤) 2質量部
青色燐光蓄光発光性物質粒子(MoAl:Eu) 3質量部
ベンゾトリアゾール系化合物(紫外線吸収剤) 0.2質量部
〈光輝複合樹脂層:光透過樹脂上層〉
光透過樹脂上層の可視光透過率は80%の透光性であった。
[配合11]
パール顔料粒子を含有する軟質塩化ビニル樹脂配合組成物
塩化ビニル樹脂(重合度1050) 100質量部
DOP(可塑剤) 55質量部
エポキシ化大豆油(安定剤) 4質量部
Ba−Zn(安定剤) 2質量部
パール顔料粒子 2質量部
(二酸化チタン被覆率43%、反射色がゴールドで透過色が
バイオレットの二色性干渉雲母チタン:平均粒子径45μm)
ベンゾトリアゾール系化合物(紫外線吸収剤) 0.2質量部
上記実施例1〜4、及び比較例1〜3によって明らかなように、本願発明の合成皮革は、明所ではパール調光輝性外観を発現し、暗所では蓄光発光外観を発現するような明暗で互いに外観の異なる合成皮革が得られるので、これらはカバン、バッグ、ポーチ、財布、定期入れ、名刺入れ、などの携帯雑貨類の生地、椅子やソファーなど家具類の生地、玄関マット、ラグマットなどの床材生地、衣類やシューズなどの装飾パーツ用生地、首輪やリードなどペット用品の装飾パーツ用生地などの用途に使用でき、さらに使用時の押圧によって意外な暗所発光効果をもたらし、またエンボスによるユニークな視覚効果などを可能とする。
1 合成皮革(可撓性積層体)
2 繊維布帛
3 着色樹脂層
3−1 マンセル明度7〜9.5、マンセル彩度0〜3
3−2 マンセル明度4以下、マンセル彩度6以上
4 光輝複合樹脂層
4A 光透過樹脂上層(パール顔料粒子含有)
4A−1 パール顔料粒子1
4A−2 パール顔料粒子2
4B 光透過樹脂下層(蓄光発光性物質粒子含有)
4B−1 非発泡体
4B−2 弾性発泡体
4−1 陥没部
4−1−1 非発泡陥没部
4−1−2 発泡陥没部
4−2 非陥没部
4−2−1 非発泡非陥没部
4−2−2 発泡非陥没部
4−3 陥没高低差
4−4 気泡
5 透明保護層

Claims (6)

  1. 繊維布帛を基材として、この繊維布帛の片面以上に着色樹脂層が設けられ、少なくとも一方の着色樹脂層上に光輝複合樹脂層が形成されてなる可撓性積層体であって、前記光輝複合樹脂層がパール顔料粒子を含む光干渉性の光透過樹脂上層及び、蓄光発光性物質粒子を含む発光性の光透過樹脂下層とからなり、前記光輝複合樹脂層の可視光透過率(JIS Z8722)が20〜60%を有することを特徴とする合成皮革。
  2. 前記光透過樹脂下層が、厚さ0.5mm〜5.0mmの弾性発泡体で構成されている請求項1に記載の合成皮革。
  3. 前記着色樹脂層が、マンセル明度7〜9.5、及びマンセル彩度0〜3である請求項1または2に記載の合成皮革。
  4. 前記着色樹脂層が、マンセル明度4以下、及びマンセル彩度6以上である請求項1または2に記載の合成皮革。
  5. 前記光透過樹脂上層が2層構造、または3層構造を有し、互いに異なる色相のパール顔料粒子を含んでいる請求項1〜4のいずれか1項に記載の合成皮革。
  6. 前記光輝複合樹脂層の全面に、フィルムまたは塗膜からなる透明保護層が設けられている請求項1〜5のいずれか1項に記載の合成皮革。
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