JP6817212B2 - 着色繊維布帛および着色繊維布帛の製造方法 - Google Patents

着色繊維布帛および着色繊維布帛の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光に対する堅牢性(耐光堅牢性)に優れた着色繊維布帛および着色繊維布帛の製造方法に関する。
着色された繊維布帛は、光にあたることにより、色が変色したり退色したりする現象が知られている。また、このような変色や退色は、繊維布帛の素材や色によって大きく異なる。色については、蛍光を有するものなど、輝度が大きくて鮮明な色に着色された繊維布帛は、耐光堅牢度が特に悪い。
このため、着色された繊維布帛については、耐光堅牢度を向上させるために様々な対策がとられている。
例えば、ポリエステル繊維を用いたものは耐光堅牢度に優れているので、綿との重ね組織の織物を製造し、その表側にポリエステル繊維を配置する技術が知られている(特許文献1)。
一方、ナイロン繊維を用いたもの、特に極細のナイロン繊維を用いたものは、耐光堅牢度が悪くなる。その対策として、反応染料を用いて染色することにより耐光堅牢度を向上させる技術が知られている(特許文献2)。
また、カチオン染料可染性ポリエステルに対する対策として、有機ニッケル錯体およびベンゾトリアゾールなどの紫外線吸収剤を用いて耐光堅牢度を向上させる技術が知られている(特許文献3)。
また、芳香族ポリアミド繊維を用いたものは、上記の繊維に比べてさらに耐光堅牢度が悪いことが知られている。そこで、3級および/または4級アミン含有の有機化合物を付与したり、アルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩の存在下で有機染料を用いて染色したりする技術が知られている(特許文献4、5)。
さらに、芳香族ポリアミド繊維を用いたものについては、顔料と酸化チタンなどの紫外線遮蔽剤とを配合したものを印捺することで着色する技術が知られている(特許文献6)。
特開2014−185413号公報 特開平11−152690号公報 特開平7−119036号公報 特開2001−172864号公報 特開2001−172884号公報 特開2009−57652号公報
上記のように様々な方法により、耐光堅牢度の向上が試みられているが、種々の繊維に対して耐光堅牢度を向上させることができる方法が見出されていない。また、顔料と透明性の高い酸化チタンなどの紫外線遮蔽剤とを配合したものを用いたものでは、十分な効果が得られないことが分かった。さらに、顔料と透明性の低い酸化チタンとを配合したものを用いたものでは、白っぽい色になり、彩度が低下し、表現できる色が大きく制限されてしまう。
本発明は、このような課題を鑑みてなされたものであり、高耐光堅牢度を有するポリエステル繊維だけではなく、芳香族ポリアミド繊維などの耐光堅牢度が悪いといわれている繊維を用いたものであっても、鮮明色を含めて様々な色に着色でき、かつ、優れた耐光堅牢性を有する着色繊維布帛および着色繊維布帛の製造方法を提供する。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明をするに至った。本発明は、例えば、以下の(1)〜(7)に関する。
(1)本発明に係る着色繊維布帛は、繊維布帛の少なくとも片面に白色顔料がバインダー樹脂を介して付着しており、前記白色顔料の上に有色顔料を含む樹脂層を有する。
(2)上記の着色繊維布帛において、前記白色顔料は、酸化亜鉛、酸化チタン、硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、鉛白、塩基性硫酸鉛、硫酸鉛、アスベチン、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、珪藻土、タルク、炭酸マグネシウム、アルミナホワイト、グロスホワイト、サチン白、および、酸化アンチモンの中から選ばれる少なくとも1種を含むとよい。
(3)上記の着色繊維布帛において、前記有色顔料は、蛍光顔料を含むとよい。
(4)上記の着色繊維布帛において、前記繊維布帛は、芳香族ポリアミド繊維を含むとよい。
(5)上記の着色繊維布帛において、紫外線カーボンアーク灯光に対する染色堅牢度試験方法(JIS L0842:2004 7.2 c)の第3露光法にて測定した耐光堅牢度が4級以上、および/または、ISO20471:2013 5.2 キセノン耐光試験後の色に対する要求事項を満たすとよい。
(6)本発明に係る衣服は、上記の着色繊維布帛を少なくとも一部に用いている。
(7)本発明に係る着色繊維布帛の製造方法は、繊維布帛の少なくとも片面に白色顔料とバインダー樹脂とを付与する工程と、前記繊維布帛における前記白色顔料と前記バインダー樹脂とを付与した面に、有色顔料を含む樹脂を付与する工程とを含む。
本発明に係る着色繊維布帛およびその製造方法によれば、繊維布帛上に白色顔料がバインダー樹脂を介し付着しており、白色顔料の上に有色顔料を含む樹脂層が形成されている。これにより、種々の繊維を用いた繊維布帛に対して優れた耐光堅牢性を有し、様々な色に着色された繊維布帛を提供することができる。
したがって、鮮明な色を有する繊維布帛を、ファッション衣料素材やスポーツ衣料素材等として用いることができる。また、優れた視認性を有する繊維布帛を、作業服素材、特に安全性を高めた作業服素材として用いることができる。
以下に本発明の好ましい実施の形態について説明するが、本発明はこれらの態様のみに限定されるものではなく、本発明の精神と実施の範囲において多くの変形が可能である。
本実施の形態に係る着色繊維布帛は、繊維布帛の少なくとも片面に白色顔料がバインダー樹脂を介して付着しており、この白色顔料の上に、有色顔料を含む樹脂層を有することで着色されている。
着色繊維布帛の着色は、繊維布帛の全体であってもよいし、一部であってもよい。なお、一部の着色とは、繊維布帛の片面のみの全面が着色されているものであってもよいし、繊維布帛の片面もしくは両面に、水玉、格子柄、ストライプ柄、幾何学柄、植物柄、文字などの任意の柄に着色されているものであってもよい。柄の大きさは、デザインや用途によって任意に選択することができ、特に限定されるものではないが、視認性を付与することが目的の場合には、着色部には柄の直径や幅が5cm以上のものが含まれているとよい。
本実施の形態に係る着色繊維布帛に用いられる有用な繊維布帛の素材は、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリウレタン、アセテートもしくはビスコースなどのレーヨン、ポリ乳酸や芳香族ポリアミド繊維(以下、「芳香族ポリアミド繊維」を「アラミド繊維」ともいう。)、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、フッ素などの化学繊維、綿、麻、絹もしくは羊毛などの天然繊維、または、これらの素材の混繊、混紡、交織もしくは交編品であり、特に限定されるものではない。また、それらの素材からなる繊維布帛は、織物、編物または不織布など、いかなる形態であってもよい。
これらの素材からなる繊維布帛は、あらかじめ着色されていてもよいし、着色されていなくてもよい。繊維布帛をあらかじめ着色する場合には、例えば、分散染料、カチオン染料、酸性染料、直接染料、反応染料、建染染料、硫化染料、蛍光増白剤、または、顔料などを用いて着色することができるが、特に限定されるものではなく、各繊維布帛の素材に合わせて適切なものを選択すればよい。また、蛍光染料および/または蛍光顔料を用いて繊維布帛をあらかじめ着色してもよい。
また、あらかじめ繊維布帛を着色する場合には、糸や繊維布帛の状態で、染料により染色してもよいし、繊維を紡糸する段階で、紡糸用樹脂に顔料を練り込むことで着色してもよい。短納期と汎用性の観点からは、糸もしくは繊維布帛の段階で、染料により染色することが好ましく、特に繊維布帛の段階で染色することが望ましい。
また、繊維布帛の素材は、カチオン可染性ポリエステルや難燃性ポリエステル、難燃性綿、または、ポリトリメチレンテレフタレートなどのように、繊維を紡糸する段階で紡糸用樹脂にダル化剤や難燃剤などの薬剤を練り込んだり、紡糸用樹脂として化学変性した樹脂を用いたり、繊維若しくは繊維布帛にした後、繊維にアニオン化剤や難燃剤などを付与する加工などにより、カチオン染料に対する可染性、難燃性、制電性、撥水性、抗菌防臭性、制菌性、紫外線遮蔽性などを付与したものであってもよい。
また、繊維布帛に、ウレタン樹脂膜、ポリテトラフルオロエチレン膜、ポリエステル樹脂膜、アクリル樹脂膜などを付与することで、繊維布帛に防水性や意匠性を付与してもよい。
また、路上やガソリンスタンド、コンビナート、油田などの危険な環境下で使用される作業服等の繊維製品に本実施の形態における着色繊維布帛を用いる場合には、繊維布帛の素材として難燃性を有しているものが好ましい。難燃性を有する繊維布帛の素材としては、例えば、難燃性綿やアラミド繊維などがあげられ、特にアラミド繊維を含むものを用いることが好ましい。アラミド繊維は、ケブラー(登録商標、デュポン((株))製)、テクノーラ(登録商標、帝人(株)製)などのパラ型アラミド繊維、ノーメックス(登録商標、デュポン(株))、コーネックス(登録商標、帝人(株)製)などのメタ系アラミド繊維が知られているが、本実施の形態では、メタ型、パラ型等に限定されるものではない。また、これらのアラミド繊維は、黄色や橙色に着色されているものが多いが、着色されていてもよいし、着色されていなくてもよい。
アラミド繊維は、他の繊維に比べても特に光によって変色や退色が顕著であり、着色が難しい繊維であるが、本実施の形態の着色繊維布帛は、アラミド繊維を含むものであったとしても、蛍光を有する色を含む様々な色に着色することができ、さらに優れた耐光堅牢度を有するものを提供できる。したがって、本実施の形態の着色繊維布帛は、アラミド繊維とアラミド繊維以外の他の繊維とを複合したものやアラミド繊維以外の他の耐光堅牢度の弱い繊維を用いた繊維布帛であったとしても、また、様々な色への着色が難しい繊維を用いた繊維布帛であったとしても、高い耐光堅牢度を有し且つ様々な色に着色できる。
また、本実施の形態の着色繊維布帛は、繊維布帛の少なくとも片面に白色顔料がバインダー樹脂を介して付着している。
白色顔料は、白色であり、得られる着色繊維布帛の色の鮮明性や輝度が高くなるとの観点から、可視光線を多く反射するものが好ましく、さらに紫外線も反射するものが好ましい。また、白色顔料が繊維布帛に付着していることにより、鮮明性や輝度の向上に加え、得られる着色繊維布帛の耐光性も大きく向上させることが可能である。理由は定かではないが、可視光線や紫外線が反射し、それだけ多くの反射光にさらされた有色顔料は、増加したエネルギーの分だけ、時間的には早く変退色がすすみ、耐光堅牢度の低下が予想されるが、有色顔料の下地となる白色顔料によって紫外線および可視光線が反射し、この結果、有色顔料の発色性を上げながらあまり変退色はせず、かつ、繊維布帛の可視光線や紫外線の被ばくを抑制して繊維布帛を構成する繊維自体の変退色が抑えられ、これにより、本実施の形態の着色繊維布帛では、耐光堅牢度が向上するのではないかと考えている。
白色顔料としては、具体的には、酸化亜鉛、酸化チタン、硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、鉛白、塩基性硫酸鉛、硫酸鉛、アスベチン、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、珪藻土、タルク、炭酸マグネシウム、アルミナホワイト、グロスホワイト、サチン白、または、酸化アンチモンの中から選ばれる少なくとも1種を含むものが好ましい。また、蛍光を有する白色顔料も用いてもよい。蛍光を有する白色顔料を用いる場合には、輝度および耐光性の観点から、蛍光を有しない白色顔料と併用するとよい。
特に、白色顔料としては、透明性が低く、また、水や油と接触した場合においても透明になりにくく、さらに、可視光線および波長が280nm〜400nmの紫外線を反射し、かつ、バインダー樹脂や繊維を劣化したり分解したりしないものが好ましい。特に、得られる繊維布帛の色の鮮明性、輝度および耐光性の向上の観点より、白色顔料として、酸化チタンまたは酸化亜鉛を用いることが好ましい。酸化チタンは、透明で紫外線を吸収する紫外線吸収剤として作用するものよりも、透明度が低く、また、隠ぺい性に優れ、白く、可視光線および紫外線を反射することから、白色顔料として用いられているものが好ましい。また、光触媒活性があまりないルチル型および/または活性を抑えるための表面処理を施した白色顔料を用いることが好ましい。
また、白色顔料の平均粒子径は、隠ぺい性および白度に優れて可視光線の多くを反射するために、10nm以上であることが好ましい。より好ましくは、30nm以上、さらに好ましくは50nm以上、さらに好ましくは100nm以上である。白色顔料の平均粒子径の上限は、得られる着色繊維布帛の風合いや摩耗等に対する耐久性の観点から、5μm以下、より好ましくは1μm以下である。
特に、アナターゼ型の酸化チタンを用いる場合は、粒子径が小さくなると触媒活性が高くなり、バインダー樹脂や繊維の劣化や変色を促進するおそれがあるため、平均粒子径は50nm超であることが好ましく、さらには100nm超、よりさらに好ましくは200nm超である。また、活性を抑えるために表面処理を施したものを用いることが好ましい。
なお、白色顔料の平均粒子径とは、例えば、着色繊維布帛の断面を電子顕微鏡を用いて2500倍〜10000倍で観察し、ランダムに選択した30粒の白色顔料の長径を測定したものの平均値とすることができる。なお、白色顔料が凝集している場合には、その凝集物を構成する粒子の一つを選んで粒子径の測定を行えばよい。
バインダー樹脂としては、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、または、ナイロン樹脂など、任意の樹脂を用いることができる。
また、白色顔料を付着させるバインダー樹脂と共に、本発明の所期の目的を逸脱しない範囲で、白色顔料以外の顔料、紫外線吸収剤やヒンダードアミンなどの酸化防止剤、架橋剤、触媒、消臭剤、抗菌剤、難燃剤、または、赤外線吸収剤などを付与してもよい。白色顔料以外の顔料は、蛍光を有する有色顔料および蛍光を有しない有色顔料のいずれであってもよい。
本実施の形態における着色繊維布帛では、白色顔料がバインダー樹脂を介して繊維布帛の少なくとも片面に付着しているが、白色顔料とバインダー樹脂の繊維布帛への付着量は、得られる着色繊維布帛の着色される色の鮮明性や輝度および風合いの観点から、合計で1g/m〜100g/mが好ましく、5g/m〜50g/mがより好ましい。
また、白色顔料は、繊維布帛の両面の表面全面を覆うように白色顔料を含むバインダー樹脂を付与することで繊維布帛に付着していてもよいし、繊維布帛の片面の全面を覆うように白色顔料を含むバインダー樹脂を付与することで繊維布帛に付着していてもよい。
白色顔料を含むバインダー樹脂は、繊維布帛の内部に含浸していてもよい。ただし、この場合、得られる着色繊維布帛の風合いの観点からは、白色顔料を含むバインダー樹脂の含浸量は少ない方がよい。
また、白色顔料とバインダー樹脂は、少なくとも繊維布帛の表面を構成する繊維の表面に薄膜状に付着しているものであってもよいし、繊維布帛の表面を構成する繊維の表面の一部が露出するように繊維布帛の表面を構成する繊維の表面に部分的に付着しているものであってもよい。つまり、白色顔料を含むバインダー樹脂は、繊維布帛の表面全体にわたって層状に形成されているものに限らず、繊維布帛を構成する個々の繊維の表面に皮膜として形成されていてもよい。この場合、白色顔料は、繊維布帛の少なくとも片面の表面を構成する繊維の表面や当該繊維を構成する糸の表面にバインダー樹脂を介して付着しており、繊維と繊維や糸と糸の間に隙間を有し、通気性を有しているものであってもよい。なお、白色顔料は繊維布帛の表面だけではなく、繊維布帛の内部の繊維表面にも白色顔料がバインダー樹脂を介して付着していてもよい。着色された色の輝度の向上の観点から、繊維布帛の表面近辺の内部の繊維にも白色顔料が付着しているとよい。
白色顔料は、後に付与される有色顔料を含む樹脂層による着色、あるいは、着色部分の耐光性や輝度をどの程度向上させるかなどに合わせて、水玉柄、格子柄、ストライプ柄、幾何学柄、植物柄、または、文字などの任意の柄にバインダー樹脂を介して繊維布帛に付着していてもよい。
また、繊維布帛の両面または片面の全面を覆うように白色顔料とバインダー樹脂とによって厚みを有する層状の皮膜が形成されている場合、得られる着色繊維布帛の風合いの観点から、繊維布帛の表面上に存在する部分(繊維布帛に含浸している部分除く)の皮膜の厚みは50μm以下がよく、好ましくは20μm以下、さらに好ましくは10μm以下である。これは、白色顔料とバインダー樹脂とによって形成された層状の皮膜の厚みが厚すぎると、風合いが硬くなり過ぎる場合があるからである。また、この皮膜は孔を有しているものであっても、孔を有していないものであってもよい。なお、通気性を有するとの観点からは、孔が開いている皮膜であることが好ましい。
本実施の形態における着色繊維布帛は、白色顔料の上に形成された、有色顔料を含む樹脂層(有色樹脂層)を有する。このように、着色繊維布帛は、白色顔料の上に有色顔料を含む樹脂層を形成することで着色されている。
有色顔料は、無機顔料および有機顔料のいずれも用いることができる。また、有色顔料は、無機顔料と有機顔料とを配合したものであってもよく、特に限定されるものではない。これらの顔料は、必要とされる色に応じて配合して用いればよい。
また、本実施の形態では、有色顔料は、蛍光顔料を含むものであってもよい。つまり、白色顔料の上に形成する、有色顔料を含む樹脂層は、有色顔料に蛍光性を有する顔料(「有色蛍光顔料」ともいう)を含む樹脂層であってもよい。有色蛍光顔料は、蛍光を有さない顔料に比べ、一般に耐光性は劣るが、本実施の形態の着色繊維布帛では、有色蛍光顔料を含むものであっても輝度を維持し、優れた耐光堅牢性を有する。
また、本実施の形態において有色顔料として用いられる有色蛍光顔料としては、目的とする色や輝度に合わせた任意の有色蛍光顔料を用いればよく、例えば、イエロー系、オレンジ系、赤系、ピンク系、または、青系などの有色蛍光顔料が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。また、白色顔料の上に形成する樹脂層に含まれる顔料としては、これらの有色蛍光顔料と白色の蛍光顔料とを併用してもよい。
なお、耐光性の向上の観点からは、蛍光を有する有色顔料と蛍光を有さない有色顔料とを併用するとよい。また、輝度と耐光性の向上との観点からは、さらに、白色の蛍光顔料を併用するとよい。
有色顔料を含む樹脂層に用いられる樹脂は、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、または、ナイロン樹脂など、任意の樹脂を用いることができる。
得られた着色繊維布帛の洗濯や摩耗に対する耐久性の観点からは、有色顔料を含む樹脂層に用いられる樹脂は、白色顔料を繊維布帛に固着させているバインダー樹脂と同種のものであるとよい。
また、有色顔料とともに樹脂層の中には、本発明の所期の目的を逸脱しない範囲で、紫外線吸収剤やヒンダードアミンなどの酸化防止剤、架橋剤、触媒、消臭剤、抗菌剤、難燃剤、または、赤外線吸収剤などが含まれていてもよい。
また、紫外線吸収剤を用いる場合、紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、または、トリアジン系化合物など、公知のものを用いることができるが、特に好ましくは、ベンゾトリアゾール系共重合体を用いるとよい。
紫外線吸収剤として、ベンゾトリアゾール系化合物の中でも特にベンゾトリアゾール系共重合体を用いることにより、例えば、紫外線吸収剤を繊維布帛に付与した後に着色繊維布帛を製造する工程で高温加熱された場合であっても紫外線吸収剤が昇華してしまうことを抑制できるので、より優れた耐光堅牢性を有する着色繊維布帛を得ることができる。また、蛍光性を有する顔料を用いた場合に紫外線吸収剤を併用すると蛍光が消失するおそれがあるが、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系共重合体を用いることによって蛍光性の低下も抑制することができる。これにより、着色繊維布帛の色の制限を抑制することができる。つまり、着色する色の選択を多くでき、様々な色の着色繊維布帛を実現することができる。
ベンゾトリアゾール系共重合体としては、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製のULS−1700、BASFジャパン株式会社製のUVA−1700、新中村化学工業株式会社製のニューコートUVA−101、ニューコートUVA−102、ニューコートUVA−103、ニューコートUVA−104、パナレジンUVA−5080、パナレジンUVA−5080(OHV20)、パナレジンUVA−55T、パナレジンUVA−55MHB、パナレジンUVA−7075、パナレジンUVA−7050(OHV20)、パナレジンUVA―73T、あるいは、特開2012−25811号公報、特開平7−276831号公報、特開平8−039946号公報、特開2006−21402号公報、または、特開平9−003133号公報に記載のものなどが挙げられる。
さらにまた、難燃性の観点で難燃剤を用いる場合、難燃剤としては、三酸化アンチモン、ヘキサブロモシクロドデカン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートなどのハロゲン系難燃剤、または、ビフェニリルジフェニルホスフェート、ジフェニル(フェニルアミド)ホスフェートなどのリン酸エステルアミドもしくはナフチルジフェニルホスフェートなどのリン系難燃剤などを用いることができる。
本実施の形態において、白色顔料の上に形成された有色顔料を含む樹脂層の厚みは、0.1μm以上50μm以下であることが好ましい。
有色顔料を含む樹脂層の厚みが0.1μmを下回ると、彩度が低下して任意の色に着色できなかったり、摩耗や洗濯に対して十分な耐久性を有さなかったりするおそれがある。一方、有色顔料を含む樹脂層の厚みが50μmを上回ると、輝度や耐光性の向上のレベルが低下したり、風合いが硬くなったりするおそれがある。また、有色顔料を含む樹脂層の厚みは、0.5μm以上、30μm以下が好ましく、さらに好ましくは、1μm以上10μm以下である。
また、有色顔料を含む樹脂層の下地層として、白色顔料とバインダー樹脂とによって層状の皮膜(白色顔料を含む樹脂層)が形成されている場合、高い耐光堅牢性を得るとの観点からは、有色顔料を含む樹脂層の厚みは、白色顔料を含む樹脂層の厚みよりも厚い方がよい。
なお、この樹脂層の厚みは、有色顔料も含んだものであり、樹脂層を構成する樹脂が繊維布帛を構成する繊維と繊維あるいは糸と糸との隙間に含浸してしまった場合、有色顔料の割合に対して樹脂の量が少ない場合、または、有色顔料の粒子径が大きい場合には、樹脂のみで形成される部分よりも有色顔料が存在する部分の厚みが厚くなり、樹脂層に含まれる有色顔料の粒子径が樹脂層の厚みとなることがある。また、バインダー樹脂を介して繊維布帛に付着している白色顔料の凸部が有色顔料を含む樹脂層から突き出ることもある。白色顔料の凸部が有色顔料を含む樹脂層から突き出ることは好ましいことではないが、本発明の所期の目的が達することのできる程度であれば、部分的にこのような箇所があってもよい。
また、有色顔料を含む樹脂層を構成する樹脂の繊維布帛への付着量は、得られる着色布帛の着色される色の鮮明性や輝度および風合いの観点から、合計で1g/m〜100g/mが好ましく、3g/m〜50g/mであることがより好ましい。
また、有色顔料を含む樹脂層は、孔が開いていない樹脂膜であるとよいが、本発明の所期の目的を逸脱しない範囲で、樹脂層(樹脂膜)には直径が1mm以下の孔が形成されていてもよい。また、目的とする色を得ることができれば、有色顔料を含む樹脂層は、格子状であってもよいし、連続皮膜ではなく点状であってもよい。
有色顔料を含む樹脂層に孔が開いているものや点状や格子状の場合には、通気性を有しムレを抑制できる着色繊維布帛や柔らかい風合いの着色繊維布帛が得られやすい。
また、本発明の所期の目的を逸脱しなければ、繊維布帛としては、メッシュ、ガーゼ、絽などの目の粗いものを用いてもよく、この場合、繊維布帛の目の開いた部分には、白色顔料や有色顔料を含む樹脂層が存在しなくてもよい。
なお、有色顔料を含む樹脂層による着色は、繊維布帛の両面の表面全面になされていてもよいし、繊維布帛の片面の全面になされていてもよい。
また、水玉柄、格子柄、ストライプ柄、幾何学柄、植物柄、文字など、任意の柄状に着色されていてもよく、特に特に限定されるものではない。視認性の必要な用途に用いる場合で繊維布帛の一部に有色顔料を含む樹脂層を形成させる場合には、柄としては、線の幅や点の直径が50mm以上の大きなものを含むものがよい。
また、有色顔料を含む樹脂層は、白色顔料の上に積層されているものであり、有色顔料を含む樹脂層を付与することによって高耐光堅牢性さらには高輝度を目的とする着色がなされた箇所のすべてに、繊維布帛と有色顔料を含む樹脂層との間には白色顔料が存在していることが好ましい。なお、点状、水玉柄、格子柄、ストライプ柄など、白色顔料が部分的に繊維布帛に付着している場合には、有色顔料を含む樹脂層と繊維布帛との間の50%以上、より好ましくは80%以上、さらにより好ましくは90%以上に白色顔料が存在しているとよい。
本実施の形態の着色繊維布帛の好ましい形態では、紫外線カーボンアーク灯光に対する染色堅牢度試験方法(JIS L0842:2004 7.2 c)の第3露光法にて測定した耐光堅牢度が4級以上、および/または、ISO20471:2013 5.2 キセノン耐光試験後の色に対する要求事項を満たしている。
より好ましくは、紫外線カーボンアーク灯光に対する染色堅牢度試験方法(JIS L0842:2004 7.2 c)の第3露光法にて測定した耐光堅牢度は、5級以上であるとよい。
また、本実施の形態の着色繊維布帛は、特に鮮明な色に着色しがたくて耐光堅牢度の悪いアラミド繊維を用いた繊維布帛であっても、「ISO 20471:2013」の「5.1 色に対する要求事項」に規定された蛍光イエロー、蛍光オレンジレッド、蛍光レッドの色度座標の範囲および輝度率を満たす色に着色することができ、また、「ISO 20471:2013」の「5.2 キセノン耐光試験後の色に対する要求事項」の基準を満たすこともできる。
このように、本実施の形態では、様々な繊維を、様々な色に着色することができ、かつ、優れた耐光堅牢性を有する着色繊維布帛を得ることができる。これにより、本実施の形態における着色繊維布帛を用いることによって、耐光堅牢性に優れた、特に有色の蛍光色でであっても耐光堅牢性に優れた、ファッション衣料、イベント用ユニホーム、スポーツ衣料をはじめとして、油田での作業服、消防、道路工事など危険作業用に用いられる高視認性衣服を得ることができる。なお、衣料には、ジャケット、コート、ズボン、シャツ、チョッキ、作業服などはもちろんのこと、手袋、靴、帽子、ゼッケン、タスキなども含まれる。
また、本実施の形態における着色繊維布帛は、衣服に限らず、テント、寝袋、鞄や旗などにも用いることができる。
[着色繊維布帛の製造方法]
次に、本実施の形態に係る着色繊維布帛の製造方法について説明する。なお、本実施の形態における着色繊維布帛は、以下の製造方法にて製造されたものに限定されるものではない。また、既に説明をした構成については、一部説明を省略する。
本実施の形態の着色繊維布帛の製造方法は、繊維布帛の少なくとも片面に白色顔料とバインダー樹脂とを付与する工程(第1工程)と、繊維布帛における白色顔料とバインダー樹脂とを付与した面に、有色顔料を含む樹脂を付与する工程(第2工程)とを含む。
本実施の形態における製造方法では、繊維布帛として、上記の通りアラミド繊維をはじめ、種々の繊維を用いることができる。また、繊維布帛に対しては、必要に応じて、精練、セット、染色等を行ってもよい。
なお、紡糸段階で顔料を練り込んだ繊維を用いたり、繊維布帛に白色顔料とバインダー樹脂とを付与する前の段階で染色等を行ったりする場合には、任意の色に着色すればよい。ただし、着色繊維布帛として目的とする色が淡色であったり、輝度や彩度が大きく鮮明な色であったりする場合には、目的とする色の同系色にするか、淡色または白色として着色しないほうがよい。
また、繊維布帛には、撥水加工、難燃加工、制電加工、紫外線遮蔽加工、制菌加工、または、抗菌防臭加工等を予め施しておいてもよい。柔らかい風合いおよび高い輝度を出すとの観点からは、繊維布帛に、撥水加工を施しておくとよい。
また、繊維布帛には、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、または、ナイロン樹脂などをコーティングしたり、ウレタン樹脂膜、ポリテトラフルオロエチレン膜、ポリエステル樹脂膜、アクリル樹脂膜、シリコーン樹脂膜、ナイロン樹脂膜などを貼り合せたりすることにより、繊維布帛に予め樹脂膜を付与してもよい。
繊維布帛に白色顔料とバインダー樹脂とを付与する工程(第1工程)では、例えば、白色顔料とバインダー樹脂とを含む樹脂液を繊維布帛に付与するとよい。
この樹脂液の付与方法は、フラットスクリーンやロータリースクリーン、インクジェット等を用いた捺染法、噴霧器等を用いたスプレー法、グラビアコーターやキスロール等を用いた転写法、または、ナイフコータやバーコータ等を用いたコーティング法などがあげられる。
また、白色顔料を含むバインダー樹脂液を離型シートなどに塗布して乾燥させることで樹脂膜を形成し、当該樹脂膜を直接あるいは更なるバインダー樹脂を用いることで、繊維布帛に白色顔料とバインダー樹脂とを付与してもよい。また、離型シートの上に白色顔料を含むバインダー樹脂液を塗布した後、乾燥させずにあるいは半乾燥させたものの上に繊維布帛を積層することで、繊維布帛に白色顔料とバインダー樹脂とを付与してもよい。
得られる着色繊維布帛の組織の自由度、色の安定性、生産性の観点より、スクリーン、特に好ましくはロータリースクリーンを用いた捺染法を用いて、白色顔料とバインダー樹脂を含む樹脂液を繊維布帛に付与するとよい。
また、繊維布帛の両面の全面に白色顔料とバインダー樹脂とを付与する場合には、生産性の観点からは、白色顔料とバインダー樹脂とを含む樹脂液をパディング法で付与するとよい。
白色顔料とバインダー樹脂とを含む樹脂液を繊維布帛の片面に付与した後は、必要に応じて60℃〜130℃で乾燥したり、繊維布帛の素材やバインダー樹脂に適応した130℃〜250℃程度にて熱処理を行ったりするとよい。なお、必要に応じて、その後、ソーピングなどを行ってもよい。
樹脂液としては、水やメチルエチルケトン、トルエン、キシレン、ヘキサン、酢酸メチル、酢酸エチル、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、ジメチルアセトアミド等、または、これらの混合物によって、白色顔料およびバインダー樹脂を希釈、分散あるいは溶解したものを用いることができる。
また、樹脂液には、白色顔料およびバインダー樹脂と共に、本発明の所期の目的を逸脱しない範囲で、白色顔料以外の顔料、紫外線吸収剤やヒンダードアミンなどの酸化防止剤、架橋剤、触媒、消臭剤、抗菌剤、難燃剤、または、赤外線吸収剤などを付与してもよい。この場合、白色顔料以外の顔料は、蛍光を有する有色顔料、および、蛍光を有しない有色顔料のいずれであってもよく、目的とする色や輝度、耐光堅牢度に応じて任意のものを選択することができる。
なお、白色顔料およびバインダー樹脂については、上記のとおりである。
繊維布帛に白色顔料とバインダー樹脂とを付与した後は、繊維布帛における白色顔料とバインダー樹脂とを付与した面に、有色顔料を含む樹脂を付与する(第2工程)。
有色顔料を含む樹脂の付与は、上記の白色顔料とバインダー樹脂とを付与したときと同様の方法で行うことができる。例えば、有色顔料を含む樹脂液を、フラットスクリーンやロータリースクリーン、インクジェット等を用いた捺染法、噴霧器等を用いたスプレー法、グラビアコーターやキスロール等を用いた転写法、ナイフコータやバーコータ等を用いたコーティング法、または、パディング法などで付与することができる。これらの方法により、バインダー樹脂を介して繊維布帛の表面に付与された白色顔料の上に、有色顔料を含む樹脂液を付与することができる。
また、有色顔料を含む樹脂液を離型シートなどに塗布して乾燥させることで樹脂膜を形成し、当該樹脂膜を直接あるいは更なるバインダー樹脂を用いることで、有色顔料を含む樹脂を繊維布帛に付与してもよい。また、離型シートの上に有色顔料を含む樹脂液を塗布した後、乾燥させずにあるいは半乾燥させたものの上に、繊維布帛における白色顔料とバインダー樹脂とを付与した面が接触するように繊維布帛を積層することで、有色顔料を含む樹脂を繊維布帛に付与してもよい。
なお、繊維布帛の白色顔料が付与されていない部分にも有色顔料を含む樹脂が付与されていてもよいし、繊維布帛の白色顔料が付着している部分であっても有色顔料を含む樹脂が付与されていない部分があってもよい。
樹脂液としては、水やメチルエチルケトン、トルエン、キシレン、ヘキサン、酢酸メチル、酢酸エチル、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、ジメチルアセトアミド等、または、これらの混合物によって、有色顔料を希釈、分散あるいは溶解したものを用いることができる。
また、樹脂液には、有色顔料および樹脂と共に、本発明の所期の目的を逸脱しない範囲で、白色顔料、紫外線吸収剤やヒンダードアミンなどの酸化防止剤、架橋剤、触媒、消臭剤、抗菌剤、難燃剤、または、赤外線吸収剤などを付与してもよい。
なお、有色顔料、樹脂、紫外線吸収剤および難燃剤等については、上記の通りである。
有色顔料を含む樹脂を付与した後は、必要に応じて60℃〜130℃で乾燥したり、繊維布帛の素材や樹脂に適応した130℃〜250℃程度にて熱処理を行ったりするとよい。なお、必要に応じて、その後、ソーピングなどを行ってもよい。
生産性や色の安定性の観点からは、繊維布帛に白色顔料とバインダー樹脂とを付与する工程、および、繊維布帛に有色顔料を含む樹脂を付与する工程は、捺染法を用いることが好ましい。捺染法であれば、繊維布帛に白色顔料とバインダー樹脂とを付与する工程と繊維布帛に有色顔料を含む樹脂を付与する工程との間に乾燥や熱処理を行うことなく、これらの工程を続けて行うことが可能となる。なお、捺染法の中でも、生産性の観点からはロータリースクリーンを用いる方法が好ましい。
また、有色顔料を含む樹脂を繊維布帛に付与して着色した後に、繊維布帛に、難燃加工、制電加工、抗菌防臭加工、制菌加工、紫外線遮蔽加工、耐光向上加工、または、撥水加工などを、パディング法などで行ってもよい。
また、防水性を有する樹脂膜(防水性樹脂膜)を繊維布帛に付与する場合には、有色顔料を含む樹脂を繊維布帛に付与した後に、繊維布帛の片面に防水性樹脂膜を付与すればよい。防水性樹脂膜に用いられる樹脂としては、ウレタン樹脂膜、ポリテトラフルオロエチレン膜、ポリエステル樹脂膜、アクリル樹脂膜、シリコーン樹脂膜、ナイロン樹脂などがあげられる。これらの防水性樹脂膜は、多孔質であっても無孔質であってもよい。
防水性樹脂膜を繊維布帛に付与する場合は、以下の方法が挙げられる。
例えば、繊維布帛の片面(有色顔料を含む樹脂が繊維布帛の片面のみに付与されている場合には、有色顔料を含む樹脂が付与されていない面)に、防水性樹脂膜を付与するための樹脂液をパイプコータなどにより塗布して、当該樹脂液を塗布した繊維布帛を水中などに浸漬させて、樹脂を凝固、脱溶媒、乾燥させることで、防水性樹脂膜を付与する方法がある。
また、同様に繊維布帛の片面(有色顔料を含む樹脂が繊維布帛の片面のみに付与されている場合には、有色顔料を含む樹脂が付与されていない面)に、防水性樹脂膜を付与するための樹脂液をパイプコータなどにより塗布し、乾燥し、樹脂膜を形成することで、防水性樹脂膜を付与する方法もある。
また、防水性樹脂膜を付与するための樹脂液を半乾燥あるいはあらかじめ形成された防水性樹脂膜の表面に、直接あるいは接着剤を塗布して、繊維布帛の片面(顔料を含む樹脂が繊維布帛の片面のみに付与されている場合には、有色顔料を含む樹脂が付与されていない面)を重ね合わせて繊維布帛と樹脂膜とを貼り合わせることで防水性樹脂膜を付与する方法もある。
なお、繊維布帛と貼り合わせる防水性樹脂膜は、ポリテトラフルオロエチレンやポリエステル樹脂などからなる防水性樹脂膜のみであってもよし、ウレタン樹脂などのように離型紙などの上に防水性樹脂膜が形成されているものであってもよい。また、ポリウレタン樹脂膜とポリテトラフルオロエチレン膜とを積層するなどした複合樹脂膜であってもよい。
離型紙などの上に積層された状態の防水性樹脂膜と繊維布帛とを貼り合せる場合には、防水性樹脂膜と繊維布帛とを貼りわせた後に、任意の段階で離型紙など不要なものを剥離して除去すればよい。
防水性樹脂膜の中には、紫外線吸収剤、酸化防止剤、架橋剤、触媒、消臭剤、抗菌剤、難燃剤、撥水剤、二酸化ケイ素などの防水性向上剤、顔料、または、赤外線吸収剤などが添加されていてもよい。
また、接着剤にて樹脂膜を繊維布帛に貼りわせる場合には、接着剤にも、紫外線吸収剤、酸化防止剤、架橋剤、触媒、消臭剤、抗菌剤、難燃剤、撥水剤、または、赤外線吸収剤などが添加されていてもよい。
なお、繊維布帛に防水性樹脂膜を付与した後は、乾燥や熱セットなどを行うとよい。
また、防水性樹脂膜の繊維布帛が積層されていない面には、さらに他の織物や編物などの繊維布帛を接着剤などを用いて貼り合わせてもよい。
また、防水性樹脂膜は、透湿性も有するものであってもよい。
[着色繊維布帛を用いた衣服]
本実施の形態における衣服は、本実施の形態における着色繊維布帛を少なくとも一部に用いて得られるものである。上記の着色繊維布帛は、様々な色に着色することができ、また、耐光堅牢性に優れていることから、衣服の素材として本実施の形態の色繊維布帛を用いることで、ファッション性および高視認性に優れた衣服を提供できる。
衣服としては、ブラウス、シャツ、ズボン、ジャンパー、ジャケット、ダウンウエアー、チョッキ、ヤッケ、アノラック、コート、合羽、一般用の作業服、ウインドブレーカー、スキーウエアーやスノーボードウエアーなどの運動用衣服、手袋、帽子、または、靴などをはじめとして、一般道路、自動車専用道路、港、空港、線路、駐車場、油田、ガス田、コンビナートなどの危険性のある場所で作業を行う人の作業服、消防服または救命胴衣などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
着色繊維布帛を、ブラウスやジャケット、一般の作業服、スポーツウエアーに用いる場合、紫外線カーボンアーク灯光に対する染色堅牢度試験方法(JIS L0842:2004 7.2 c)の第3露光法にて測定した耐光堅牢度が4級以上の着色繊維布帛を用いるとよい。
また、着色繊維布帛を、道路やコンビナートで用いられる作業着、消防服、救命胴衣など、危険性のある場所で着用される衣服に用いる場合、ISO20471:2013 5.2 キセノン耐光試験後の色に対する要求事項を満たす着色繊維布帛を用いるとよい。
また、衣服における着色性繊維布帛の使用部位としては、衣服全体であってもよいし、衣服の一部であってもよい。特に路上やコンビナートなどの危険性のある場所での作業時に用いられる衣服の一部に着色繊維布帛を用いる場合には、ストライプ状などの柄状となるように衣服の一部に用いてもよいし、袖、身頃、裾などの衣服の一部分の全体に用いてもよい。また、好ましくは、衣服の外側全体が本実施の形態における着色繊維布帛で形成されているとよい。
本実施の形態における着色繊維布帛をストライプ状の柄に用いる場合、ストライプの幅は特に限定されるものではないが、危険作業時に使用される衣服の一部に着色繊維布帛を用いる場合には、高視認性の観点からは、ストライプの幅は50mm以上であることが好ましい。さらに、この場合、衣服を着用したときに、衣服の前面と背面とに着色繊維布帛が跨っているとよい。例えば、着色繊維布帛は、前身頃から後身頃まで連続しているとよい。
危険作業時に使用される衣服において着色繊維布帛が占める面積としては、衣服の外側部分では、0.14m以上、好ましくは0.5m以上、さらに好ましくは0.8m以上であるとよい。さらに好ましくは、衣服の全てが着色繊維布帛で製造されているとよい。
なお、本実施の形態における着色繊維布帛は、衣服に限らず、テント、寝袋、看板または旗などにも用いることができる。
以下、実施例により本実施の形態における着色繊維布帛について更に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例におけるA〜Gの各評価項目における各種物性などの測定および評価は、次の方法によって行った。
[A JIS L0842 耐光堅牢度:カーボンアーク]
紫外線カーボンアーク灯に対する染色堅牢度試験方法(JIS L0842:2004)の第3露光法に準じて試験(2級照射、3級照射、4級照射、5級照射)を行い、耐光堅牢度を確認した。なお、繊維布帛の片面に有色顔料を付与することで着色された着色繊維布帛の場合には、着色繊維布帛における有色顔料を含む樹脂層が形成された面をカーボンアークの照射面とした。
[B 「ISO20471:2013」の「5.1 色に対する要求事項」への適合の確認]
ISO20471:2013 5.1に準じて、分光測色計(CM−2600C(コニカミノルタ株式会社製)を用いてYxy表色系のY、x、yの測定を行い、蛍光オレンジレッドの要求事項と比べ評価した。また、輝度βは、β=Y/100で求めた。なお、繊維布帛の片面に有色顔料を付与することで着色された着色繊維布帛の場合には、着色繊維布帛における有色顔料を含む樹脂層が形成された面を測色面とした。
[C 「ISO20471:2013」の「5.2 キセノン耐光試験後の色に対する要求事項」への適合の確認]
ISO20471:2013 5.2に準じて、分光測色計(CM−2600C(コニカミノルタ株式会社製)を用いてYxy表色系のY、x、yの測定を行い、蛍光オレンジレッドの要求事項と比べ評価した。また、輝度βは、β=Y/100で求めた。なお、繊維布帛の片面に有色顔料を付与することで着色された着色繊維布帛の場合には、着色繊維布帛における有色顔料を含む樹脂層が形成された面をキセノンアークの照射面とし、当該照射面を測色面とした。
[D 粒子径の測定]
白色顔料の平均粒子径の測定は、着色繊維布帛の断面を、電子顕微鏡を用いて2500倍〜10000倍で観察し、ランダムに選択した30粒の白色顔料の長径を測定したものの平均値である。なお、白色顔料が凝集している場合には、その凝集物を構成する粒子の一つを選んで測定を行った。
[E 透湿度]
塩化カルシウム法による透湿度は、JIS L1099−1993A−1法に準じて測定した。また、酢酸カリウム法による透湿度は、JIS L1099−1993B−1法に準じて測定した。
なお、塩化カルシウム法および酢酸カルシウム法はともに、24時間当りの透湿量に換算した。
[F 耐水圧]
耐水圧は、JIS L1092−1998耐水度試験(静水圧法)B法(高水圧法)に準じた方法で測定した。
また、水圧をかけることにより試験片が伸びる場合には、試験片の上にナイロンタフタ(2.54cm当りの縦糸と横糸の密度の合計が210本程度のもの)を重ねて、試験機に取り付けて測定を行った。
[G 難燃性]
難燃性は、ISO 15025:2000 A法(表面接炎)およびASTM D6413に準じて試験を行い、合否を判定した。
(実施例1)
タテ糸、ヨコ糸ともノーメックス(登録商標、メタ系アラミド繊維、デュポン(株)製、40番手、双糸)を用いた綾織物を精練し、繊維布帛として用いた。なお、この織物には事前の着色は行わなかった。
捺染機に、2.54cmあたりのメッシュ数が80メッシュのロータリースクリーンを2本取り付け、最初に、繊維布帛に処理液を印捺するスクリーンに、白色顔料とバインダー樹脂とを含む処理液(樹脂液)を供給し、次に、繊維布帛に処理液を印捺するスクリーンに、有色顔料と樹脂とを含む処理液(樹脂液)を供給し、織物の片面全面に白色顔料とバインダー樹脂とを含む処理液を印捺し、乾燥し、引き続き、繊維布帛の白色顔料とバインダー樹脂とを含む樹脂液を印捺した面の全面に、有色顔料と樹脂とを含む処理液を印捺した。繊維布帛への白色顔料とバインダー樹脂との付与量(乾燥後)は40g/mであり、有色顔料を含む樹脂の付与量(乾燥後)は20g/mであった。
[白色顔料とバインダー樹脂とを含む処理液]
・白色顔料(酸化チタン、平均粒子径0.4μm、ルチル型)20質量%
・アクリル樹脂 13質量%
・架橋剤(イソシアネート系架橋剤) 1.8質量%
・触媒 0.2質量%
・水 65質量%
[有色顔料と樹脂とを含む処理液]
・MASTUMIN グローカラー Orange MRS 16質量%
(有色顔料、蛍光を有する橙色の顔料、(株)松井色素製)
・RYUDYE−W Orange RS−E 0.5質量%
(有色顔料、蛍光を有さない橙色の顔料、DIC(株)製)
・ニューコートUVA−104 30質量%
(新中村化学工業(株)製、紫外線吸収剤:ベンゾトリアゾール系共重合体、固形分45.5質量%)
・アクリル樹脂 15質量%
・架橋剤(イソシアネート系架橋剤) 2質量%
・増粘剤 1.5質量%
・水 35質量%
次に、2種類の処理液(樹脂液)を印捺した繊維布帛を60℃で乾燥した後、150℃で1分間、熱処理を行った。
次に、フッ素系撥水剤(アサヒガードAG―E081、旭硝子(株)製)5%水溶液をパディング法で付与し、130℃で30秒間乾燥し、170℃で30秒間熱処理して蛍光を有する橙色に着色した着色繊維布帛を得た。
得られた着色繊維布帛は、繊維布帛の片面に白色顔料がバインダー樹脂を介して付着されており、また、白色顔料の上に有色顔料を含む樹脂層が形成されて着色されていた。
(比較例1)
白色顔料とバインダー樹脂とを含む処理液(樹脂液)を付与しなかったことおよび有色顔料と樹脂とを含む処理液(樹脂液)から蛍光を有さない橙色の顔料(有色顔料)を除いたこと以外は実施例1と同様にし、着色繊維布帛を得た。
(実施例2)
実施例1の着色繊維布帛を常温で圧力(線圧)128kg/cmにてカレンダー加工を施した。
次に、このようにして得られた着色繊維布帛に防水性樹脂膜を付与するために、多孔質のポリテトラフルオロエチレン膜(日本ドナルドソン(株)から販売、TX2201)に下記の接着剤溶液を点状に塗布し、接着剤を塗布した面と着色繊維布帛の有色顔料と樹脂とを含む樹脂液が付与されていない面とを重ね合せて積層し、ニップして貼り合せ、120℃で乾燥した。
[接着剤溶液(接着剤用ウレタン樹脂溶液)]
・エーテル系ウレタン樹脂(固形分50%) 100質量部
・難燃剤(ジエチルホスフィン酸アルミニウム) 50質量部
・トルエン 30質量部
・メチルエチルケトン 10質量部
・タケネートWD−725 9質量部
(イソシアネート系架橋剤、武田薬品工業(株)製)
・硬化触媒HI215(大日精化工業(株)製) 0.5質量部
次に、160℃で1分間仕上げセットを行うことで、防水性樹脂膜を積層した蛍光を有する橙色の着色繊維布帛を得た。
以上のようにして得られた、実施例1、比較例1および実施例2の着色繊維布帛について、上記のA〜Gの各評価項目の測定結果および評価結果を以下の表1に記載する。
Figure 0006817212
表1の結果から、実施例1および実施例2の着色繊維布帛は、評価項目Aに示されるように、蛍光色でありながら、また、ポリアミド繊維を用いた繊維布帛であっても優れた耐光性を有していることがわかる。したがって、様々な素材で、また、様々な色の着色繊維布帛を提供でき、ファッション性に優れた衣服を得ることができる。
また、実施例1および実施例2の着色繊維布帛は、評価項目Bに示されるように、いずれもISO 20471:2013の「5.1 色に対する要求事項」の蛍光オレンジレッドの基準を満たしており、アラミド繊維のように着色の困難な繊維を用いたものであっても様々な色を付与することができることがわかる。
したがって、道路上など危険な場所で作業を行う作業者の作業服として用いることができ、作業者の安全性をより高めることができる。
また、実施例1および実施例2の着色繊維布帛は、評価項目Cに示されるように、キセノンアークに照射した後も、ISO 20471:2013の「5.1 色に対する要求事項」の蛍光オレンジレッドの基準を満たしており、太陽光があたる環境で着色繊維布帛を用いた衣服が使用されても、長期にわたり優れた視認性を維持でき、作業者の安全性を維持することができる。
また、評価項目Eに示されるように、実施例2の着色繊維布帛は、防水性樹脂膜を積層した後も、優れた透湿性を有することが分かる。さらに、実施例2の着色繊維布帛は、評価項目Fに示されるように、防水性にも優れていることも分かる。
また、実施例1および実施例2の着色繊維布帛は、評価項目Gに示されるように、難燃性を有する。

Claims (10)

  1. 衣服の少なくとも一部に用いられる着色繊維布帛であって、
    繊維布帛の少なくとも片面に白色顔料がバインダー樹脂を介して付着しており、前記白色顔料の上に有色顔料を含む樹脂層を有し、
    前記有色顔料は、蛍光顔料を含み、
    紫外線カーボンアーク灯光に対する染色堅牢度試験方法(JIS L0842:2004 7.2 c)の第3露光法にて測定した耐光堅牢度が4級以上、および/または、ISO20471:2013 5.2 キセノン耐光試験後の色に対する要求事項を満たす
    着色繊維布帛。
  2. 前記白色顔料は、酸化亜鉛、酸化チタン、硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、鉛白、塩基性硫酸鉛、硫酸鉛、アスベチン、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、珪藻土、タルク、炭酸マグネシウム、アルミナホワイト、グロスホワイト、サチン白、および、酸化アンチモンの中から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1に記載の着色繊維布帛。
  3. 前記繊維布帛は、芳香族ポリアミド繊維を含む請求項1又は2に記載の着色繊維布帛。
  4. 前記白色顔料とともに、蛍光を有する有色顔料が前記バインダー樹脂を介して付着している請求項1〜3のいずれか1項に記載の着色繊維布帛。
  5. 前記白色顔料と前記バインダー樹脂とによって形成された皮膜は、孔が開いている膜である、および/または、前記白色顔料の上の前記有色顔料を含む前記樹脂層は、孔が開いている樹脂膜、点状の樹脂膜もしくは格子状の樹脂膜である請求項1〜4のいずれか1項に記載の着色繊維布帛。
  6. 前記白色顔料と前記バインダー樹脂とが前記繊維布帛に付着した付着量の合計が1〜100g/m 、および/または、前記白色顔料の上の前記有色顔料を含む前記樹脂層を構成する樹脂と前記有色顔料とが前記繊維布帛に付着した付着量の合計が1〜100g/m である請求項1〜5のいずれか1項に記載の着色繊維布帛。
  7. 前記白色顔料の上の前記有色顔料を含む前記樹脂層の厚みが、0.1μm以上50μm以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の着色繊維布帛。
  8. 着色繊維布帛を少なくとも一部に用いた衣服であって、
    前記着色繊維布帛は、繊維布帛の少なくとも片面に白色顔料がバインダー樹脂を介して付着しており、前記白色顔料の上に有色顔料を含む樹脂層を有し、
    前記有色顔料は、蛍光顔料を含み、
    前記着色繊維布帛は、紫外線カーボンアーク灯光に対する染色堅牢度試験方法(JIS L0842:2004 7.2 c)の第3露光法にて測定した耐光堅牢度が4級以上、および/または、ISO20471:2013 5.2 キセノン耐光試験後の色に対する要求事項を満たす
    衣服。
  9. 衣服の少なくとも一部に用いられる着色繊維布帛の製造方法であって、
    繊維布帛の少なくとも片面に白色顔料とバインダー樹脂とを付与する工程と、前記繊維布帛における前記白色顔料と前記バインダー樹脂とを付与した面に、有色顔料を含む樹脂を付与する工程とを含み、
    前記有色顔料は、蛍光顔料を含み、
    前記着色繊維布帛は、紫外線カーボンアーク灯光に対する染色堅牢度試験方法(JIS L0842:2004 7.2 c)の第3露光法にて測定した耐光堅牢度が4級以上、および/または、ISO20471:2013 5.2 キセノン耐光試験後の色に対する要求事項を満たす
    着色繊維布帛の製造方法。
  10. 前記白色顔料と前記バインダー樹脂とを付与する工程および/または前記有色顔料を含む前記樹脂を付与する工程では、インクジェット法以外の方法によって樹脂液を付与することで、前記白色顔料と前記バインダー樹脂とを付与するおよび/または前記有色顔料を含む前記樹脂を付与する請求項9に記載の着色繊維布帛の製造方法。
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