JP2017226107A - 表皮材及び表皮材の製造方法 - Google Patents

表皮材及び表皮材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易に製造することができ、輝度感が良好で、多様な色相表現が可能な、意匠性の高い表皮材及びその製造方法を提供する。【解決手段】反射濃度(Dρ)が1.55以上の樹脂層と、反射濃度が1.55以上の樹脂層上の少なくとも一部に設けられた光輝材を含む樹脂層と、光輝材を含む樹脂層上に設けられた、光輝材以外の着色剤を含み、可視光透過性を有する樹脂層と、を有する表皮材、及びその製造方法。【選択図】図1

Description

本開示は、表皮材及び表皮材の製造方法に関する。
インストルメントパネル、ドアトリム、座席、天井などの自動車内装部品、トリム、座席、天井などの鉄道車輌及び航空機内装部品、家具、靴、履物、鞄、建装用内外装部材、衣類表装材及び裏地、壁装材などには、天然皮革や繊維製シートに代えて、耐久性に優れる合成樹脂表皮材が多用されている。
合成表皮材に種々の意匠性を施す目的で種々の検討がなされている。合成表皮材に輝度感のある意匠を施すことで、表皮材に特徴的な外観を与えることができ、種々の用途への展開が期待される。
輝度感のある意匠の形成に関しては、例えば、エンボス加工を行なった熱可塑性樹脂層の凸状部にメタリック調インクを付与し、色柄模様のインク塗布部を形成した熱可塑性ベースシートの片面にメタリック調粒子を含有する接着剤層を介して熱可塑性樹脂層と熱圧着させることで得られた立体感のある意匠を有する表層材が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、成形品等の意匠性付与に用いる表皮材であって、目視し得る側に光輝材を偏在させた第1層と、裏面に積層される第2層とを有する表皮材が提案されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、合成皮革、天然皮革上に、金属薄膜細片を含有するインク層と、ポリウレタン樹脂層とをこの順に有する皮革が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平09−201928号公報 特開2005−153222号公報 特開2007−224471号公報
特許文献1に記載の方法では、意匠性に優れたエンボス加工を必要とするため、製造方法の簡易性の点では改良の余地がある。このため、例えば、一般的に用いられる印刷装置により輝度感のある意匠性の高い外観の表皮材を製造することが求められている。
特許文献2に記載の表皮材は、例えば、成型品の金型に光輝材を含有する塗料を塗布し、塗布層中において光輝材を沈降させることで、成型品の表面に光輝材を偏在させる工程を要するため、製造工程が複雑である。また、第1の層の表面近傍に金属などの光輝材が偏在することから、光輝材が剥離しやすく、さらに、光輝材が金属である場合、外気と接触して酸化され、光輝材の外観が低下することがある。
特許文献3に記載の表皮材では、金属薄膜細片を被塗布物の表面に対して平行方向に配向させることで光沢を付与しているが、インク中に金属薄膜細片を均一分散させることが困難であり、且つ、塗布時においても、通常の塗布装置により、金属薄膜細片を平行方向に配列させるて塗布することは困難であった。
輝度感のある意匠をグラビヤプリントなどの印刷手段を用いて作製する場合、一般に、金属顔料、微細な金属箔等を含有するメタリックインク、メタリック塗料等が用いられる。金属顔料等を含むメタリックインクにより形成された意匠は、本来、金属顔料等が有する色相を有する意匠に限定され、色相表現が限定されたものとなる。さらに、メタリックインク等は金属顔料を樹脂などのマトリックス中に分散させた組成物であり、金属顔料自体が有する輝度よりも輝度がさらに低い外観となる。
特許文献2及び特許文献3に記載の表皮材においても、輝度感のある意匠の色相は、含有させる金属顔料等の有する色相に限定され、多様な意匠の形成が困難であるという問題があった。
本発明の一実施形態は、簡易に製造することができ、輝度感が良好で、多様な色相表現が可能な、意匠性の高い表皮材を提供することを課題とする。
本発明の別の実施形態は、輝度感が良好で、多様な色相表現が可能な、意匠性の高い表皮材を簡易な工程により製造することができる表皮材の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段は、以下の実施形態を含む。
<1> 樹脂を含み反射濃度(Dρ)が1.55以上の濃色層、前記濃色層上の少なくとも一部に設けられ、光輝材と樹脂とを含む光輝材含有層、及び前記光輝材含有層上に設けられ、光輝材以外の着色剤と樹脂とを含み、可視光透過性を有する透明着色層と、を有する表皮材。
<2> 前記濃色層が、基材上又は仮支持体上に設けられた<1>に記載の表皮材。
<3> 前記濃色層が、黒色顔料及び黒色染料からなる群より選ばれる少なくとも1種の着色剤を含む黒色樹脂層である<1>又は<2>に記載の表皮材。
<4> 前記光輝材含有層が、前記濃色層の平面視における全面積に対し、5%〜80%の面積に設けられた<1>〜<3>の少なくとも1つに記載の表皮材。
<5> 前記光輝材は、金属顔料及びパール顔料からなる群より選択される少なくとも1種を含む<1>〜<4>の少なくとも1つに記載の表皮材。
<6> 樹脂と着色剤とを含む第1の樹脂組成物を用いて反射濃度が1.55以上の濃色層を形成する工程、形成された濃色層上の少なくとも一部に、樹脂と光輝材とを含有する第2の樹脂組成物を印刷法により付与して光輝材含有層を形成する工程、及び、形成された光輝材含有層を少なくとも一部に有する濃色層上に、樹脂と光輝材以外の着色剤とを含む第3の樹脂組成物を付与して、可視光透過性を有する透明着色層を形成する工程、を含む表皮材の製造方法。
<7> 前記濃色層を形成する工程は、樹脂と着色剤とを含む第1の樹脂組成物を製膜する工程を含む<6>に記載の表皮材の製造方法。
<8> 前記濃色層を形成する工程は、基材又は仮支持体上に、樹脂と着色剤とを含む第1の樹脂組成物を付与する工程を含む<6>に記載の表皮材の製造方法。
本発明の一実施形態によれば、簡易に製造することができ、輝度感が良好で、多様な色相表現が可能な、意匠性の高い表皮材が提供される。
本発明の別の本実施形態によれば、輝度感が良好で、多様な色相表現が可能な、意匠性の高い表皮材を簡易な工程により製造することができる表皮材の製造方法が提供される。
本発明の一実施形態である表皮材を示す概略断面図である。 図2(A)〜図2(C)は、本実施形態の表皮材の製造方法の一例を説明するための概略図である。
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において同一の符号を用いて示される構成要素は、同一の構成要素であることを意味する。なお、以下に説明する実施形態において重複する説明及び符号については、省略する場合がある。
本発明は以下の実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない限り、種々の変型例を含む。
〔表皮材〕
図1は、本発明の一実施形態である表皮材を示す概略断面図である。
本実施形態の表皮材10は、樹脂を含み、反射濃度が1.55以上の濃色層12(以下、濃色層12と称することがある)と、前記濃色層12上の少なくとも一部に設けられ、光輝材と樹脂とを含む光輝材含有層14(以下、光輝材含有層14と称することがある)と、前記光輝材含有層14を少なくとも1部に有する濃色層12上に設けられ、光輝材以外の着色剤を含み、可視光透過性を有する透明着色層16(以下、単に、透明着色層16と称することがある)とを有する表皮材10である。
なお、本実施形態の表皮材は、目視される側から、透明着色層16と、光輝材含有層14と、濃色層12とをこの順に有し、透明着色層16、光輝材含有層14、及び濃色層12の少なくとも3つの層を備えていればよい。なお、本実施形態の効果を損なわない限り、表皮材が備えることができる任意の層をさらに有していてもよい。
任意の層としては、目視される側の最外層に設けられる表面層、各層間の接着性を向上させる接着層、表皮材の感触を向上させるクッション層等が挙げられるが、これに制限されない。
図1に示す表皮材10では、透明着色層16上に、着色剤を含まず、可視光透過性を有する表面層18を有する態様が記載されている。しかし、表皮材10は、表面層18を必ずしも備えなくてもよい。
従来、光輝材含有層を有する表皮材の製造方法では、輝度感を達成するために、光輝材含有層を基材の全面に設け、光輝材含有層上に任意のパターンの隠蔽層を設けることで、光輝性を有する意匠を形成していた。しかし、この構成では、光輝材含有層を濃色の隠蔽層により隠蔽することが困難であり、隠蔽層を厚くしたり、隠蔽層を2層以上設けたりすることが必要であり、製造工程が煩雑であった。さらに、形成される意匠は、光輝材自体が有する色相しか表現できないという問題があった。
本実施形態の作用は明確ではないが、以下のように推定される。
本実施形態の表皮材では、濃色層上の少なくとも一部に、光輝材含有層を備えることで、濃色層と光輝材含有層とのコントラストが良好となり、従来の光輝材含有層上に、パターン状の濃色層を印刷により設けた場合よりも、光輝材含有層がより目立ち、輝度感がより向上する。
さらに、光輝材含有層上に透明着色層を有することで、光輝材含有層を、透明着色層を介して目視することで、光輝材含有層における光輝材は、透明着色層に含まれる着色剤に応じた色相で目視されることになり、着色された輝度感のある外観が、任意の色相を有した、所謂ネオン状の輝度感を感じさせ、従来にない意匠性を達成したものと考えている。
即ち、光輝材含有層を直接目視するよりも、透明着色層を介して目視することで、光輝材含有層に任意の色相を付与できるのみならず、透明着色層の光沢が光輝材含有層の輝度感を向上させ、簡易な構成により、多様な色相を表現でき、輝度感がより良好な外観の表皮材となるものと考えられる。
さらに、本実施形態の表皮材は、一般に用いられる公知の製膜装置、塗布装置、印刷装置などを用いて簡易に製造することができることも利点の一つである。
なお、本実施形態の表皮材は上記推定機構になんら制限されない。
以下、本実施形態の表皮材の各層について詳細に説明する。
<濃色層>
本実施形態の表皮材10における濃色層12は、樹脂を含み反射濃度が1.55以上の着色樹脂層である。
本明細書における反射濃度(Dρ)は、ISO 5/4に規定される反射濃度の光学系で測定することができる。
反射濃度は以下の式により算出される。
Dρ=−log10〔φρ/φi〕
上記式中、φi入射光を表し、φρは反射光を表す。
Dρの数値が高いほど、濃色として視認される。例えば、シアン色のDρは、1.55程度であり、黒色の場合のDρの目標値は通常1.70とされている。
濃色層の反射濃度は1.55以上である。光輝材含有層とのコントラストが明確であり、表皮材の高輝度がより良好となるという観点から、濃色層の反射濃度は、好ましくは1.60以上であり、より好ましくは、1.65以上である。
濃色層の色相としては、黒色、濃紺色、茶褐色、濃灰色等が好ましい。
濃色層は、樹脂と着色剤とを含む樹脂組成物により形成することができる。本実施形態の効果がより良好であるという観点からは、濃色層は、黒色顔料及び黒色染料からなる群より選ばれる少なくとも1種の着色剤を含む黒色樹脂層であることが好ましい。
(樹脂)
濃色層の形成に用いられる樹脂には特に制限はなく、膜形成性を有し、形成された層が必要な強度と耐久性を有すれば、いずれの樹脂も使用することができる。
濃色層の形成に用いることができる樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、アセテート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリアミド等の熱可塑性樹脂が挙げられる。なかでも、耐久性、柔軟性等が良好であるという観点から、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などが好ましい。
(着色剤)
濃色層に用いることができる着色剤は、顔料及び染料から選択することができる。耐久性の観点からは、顔料であることが好ましい。
濃色層に用いられる顔料としては、反射率の低い樹脂層を形成し得る顔料から適宜選択いて用いることができる。
顔料としては、例えば、公知の有機顔料及び無機顔料などが挙げられる。有機顔料及び無機顔料としては、反射濃度が高いという観点からは、例えば、黒色顔料、青色顔料、シアン顔料、緑色顔料、紫色顔料、褐色顔料等が挙げられる。
なかでも、反射濃度が高いという観点から、黒色顔料、青色顔料、褐色顔料等が好ましく、黒色顔料がより好ましい。
濃色層の形成に用いることができる黒色顔料には、特に制限はない。
黒色顔料としては、公知の黒色顔料、例えば、有機顔料、及び無機顔料から選ばれる黒色顔料を用いることができる。
形成される濃色層の反射濃度が高いという観点から、黒色顔料としては、例えば、カーボンブラック、チタンカーボン、酸化鉄、チタンブラックなどの酸化チタン顔料、黒鉛、アニリンブラックなどが挙げられ、なかでも、カーボンブラック等が好ましい。
濃色層を黒色樹脂層とする場合、反射濃度、色相の調製等の目的で、黒色顔料以外の顔料又は染料を併用してもよい。
黒色以外の顔料としては、例えば、有機顔料では、C.I.Pigment Violet 19、23、29、32、C.I.Pigment Blue 15:1、15:3、15:6、16、22、60、66、C.I.Pigment Green 7、36、37、58、C.I.Pigment Brown 1,2、24等が挙げられるが、これらに制限されない。
着色剤として、染料を用いてもよい。染料としては、例えば、「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知の染料、或いは、市販品として入手可能な染料を適宜選択して使用することができる。
染料としては、例えば、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクアリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料が挙げられ、これら染料の中から反射濃度の高い発色が得られる染料、黒色顔料との併用により濃色層の反射濃度及び色味の少なくとも一方を調製できる染料等を選択して用いることができる。
濃色層には、着色剤を1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
濃色層における着色剤の含有量、着色剤を2種以上を含む場合にはその総含有量は、反射濃度をより高くし得るという観点から、濃色層を形成し得る樹脂組成物の全固形分に対して0.5質量%〜30質量%であることが好ましく、1質量%〜15質量%であることがより好ましい。
着色剤の含有量が0.5質量%以上であると、濃色層の厚みが薄くても、必要な反射濃度を達成できる。着色剤の含有量が30質量%以下であると、濃色層の形成性がより良好となる。
(添加剤)
濃色層の形成に用いられる樹脂組成物は、樹脂および着色剤以外の添加剤を含むことができる。
添加剤としては、濃色層の柔軟性を向上するための可塑剤、濃色層の均一性を向上するための界面活性剤、溶剤、滑剤、安定剤、難燃剤、充填剤などが挙げられる。
可塑剤としては、樹脂としてポリ塩化ビニルを用いた場合、例えば、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸オクチル、リン酸トリブチル、リン酸トリフェニル、アジピン酸ブチル、アジピン酸n−ヘキシル、アジピン酸n−オクチル、セバシン酸ジブチル、塩素化ジフェニル等が挙げられる。
(濃色層の構成及び製造)
濃色層は、濃色層自体が基材としての機能を有してもよい。即ち、基材としての濃色層上に、光輝材含有層と透明着色層とを備えることで、独立した表皮材として、種々の用途に使用することができる。
濃色層は、樹脂と着色剤とを含む樹脂組成物を、公知の方法で製膜することで得ることができる。製膜方法としては、例えば、ダイを用いた溶融押出し法、カレンダー法、コーター法等が挙げられる。
濃色層として必要な濃度、即ち、反射濃度が1.55以上であれば、市販の黒色シートなどの濃色樹脂シートを、そのまま濃色層として用いてもよい。
濃色層の膜厚は、光輝材含有層とのコントラストがより良好となり、実用上位十分な強度と柔軟性とを得やすいという観点から、60μm〜2mmの範囲が好ましく、80μm〜250μmの範囲がより好ましい。
また、濃色層は、表皮材の使用目的に応じて、例えば、仮支持体又は基布などの上に塗布法により形成することもできる。
なお、仮支持体上又は基材上に、既述の層構成を有する表皮材を形成する場合には、濃色層は、光輝材含有層を設けない裏面の層、例えば、基材を隠蔽することができ、強度に問題がない範囲であれば、既述の濃色層の好ましい膜厚よりも、厚みを薄くすることも可能である。
<光輝材含有層>
本実施形態の表皮材10は、濃色層12上の少なくとも一部に光輝材含有層14を有する。
光輝材としては、光輝材含有層に光輝性、光沢等を付与し得る材料であれば、特に制限なく使用することができる。
光輝材としては、光沢を有する金属顔料、パール顔料、雲母等が挙げられる。
光沢を有する金属顔料としては、アルミニウム顔料、シルバー顔料等が挙げられる。
パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母(雲母チタン)、酸化チタン被覆ガラスフレーク、酸化チタン被覆タルク等が挙げられる。
なかでも、輝度性が良好で、耐久性がより良好であるという観点からは、アルミニウム顔料、シルバー顔料などの高輝度金属顔料が好ましい。
光輝材含有層は、既述の樹脂と光輝材とを含む樹脂組成物を用いて形成することができる。
光輝材含有層の形成に用いられる樹脂としては、印刷用インクに用いられる樹脂、例えば、ポリウレタン、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。
光輝材含有層には、光輝材を1種のみ含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。
光輝材を含有する樹脂組成物における光輝材の含有量は、光輝材を含有する樹脂組成物の全固形分に対して樹脂組成物の全固形分に対して、10質量%〜99.9質量%であることが好ましく、15質量%〜90質量%であることがより好ましく、25質量%〜60質量%であることがさらに好ましい。
光輝材の含有量が10質量%以上であると、形成された光輝材含有層の輝度がより良好となり、濃色層とのコントラストがより良好となる。光輝材の含有量が99.9質量%以下であると、本実施形態に適する光輝材含有層を形成することができる。
光輝材含有層の形成には、市販のメタリックインク、パールインク等を用いることもでき、メタリックインク、なかでも、汎のシルバーメタリックインクを用いることが好ましい。
市販のメタリックインクとしては、例えば、大日精化工業(株)、メタリック印刷インキLR輝シリーズ、女神インキ工業(株)、メタリックインキシリーズ、DIC(株)、メタリックインク等が挙げられる。
市販のパールインクとしては、メルク(株)、BASF(株)から上市されているパールインク等が挙げられる。
本実施形態の表皮材では、後述する透明着色層を有することにより、光輝材含有層に任意の色相を付与し得るため、メタリックインクとして、高価な着色メタリックインクを用いなくても、汎用のシルバーインクを用いることで、変化に富んだ使用を実現できる。
光輝材含有層を、既述の濃色層上にパターン状に形成する場合には、公知の印刷方法を適用することができる。印刷方法としては特に制限はなく、光輝材を含有する樹脂組成物又はメタリックインクの特性に応じて、適宜選択すればよい。印刷方法としては、例えば、オフセット印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、グラビア印刷等が挙げられる。
濃色層の少なくとも一部に設けられる光輝材含有層の形状には特に制限はなく、所望の形状を適宜設けることができる。光輝材含有層の形状としては、例えば、ストライブ状、波状、ドット状、不定形状などが挙げられ、任意のパターンで形成することができる。また、濃色層上に断続的に設けられでも、連続的に設けられてもよい。
光輝材含有層は、濃色層の平面視における全面積に対し、5%〜80%の面積に設けられることが好ましく、5%〜50%の面積に設けられることがより好ましい。光輝材含有層が上記面積率にて形成されることで、濃色層と光輝材含有層とのコントラストがより良好となり、意匠性が高まる。
光輝材含有層の膜厚は、濃色層を隠蔽できる膜厚であれば特に制限はなく、例えば、0.5μm〜300μmの範囲とすることが好ましく、1μm〜150μmの範囲とすることがより好ましく、1μm〜10μmの範囲であることがさらに好ましい。厚みが上記範囲であれば、透明着色層を形成する際に、光輝材含有層のある領域とない領域との厚みの差による高輝度の低下が抑制され、意匠性がより良好となる。
<透明着色層>
本実施形態の表皮材10は、少なくとも一部に光輝材含有層14を有する濃色層12上に透明着色層16を有する。
透明着色層は、光輝材以外の着色剤を含み、可視光透過性を有する樹脂層である。
本明細書において、透明着色層における可視光透過性とは、透明着色層16を介して、透明着色層16の下に設けられた光輝材含有層14に含まれる光輝材の輝度が確認でき、光輝材含有層14のパターンが明確に視認できる程度の可視光透過性を指す。
また、透明着色層の可視光透過率を他の観点から評価する場合、例えば、JIS(日本工業規格) K 7361−1(1997年)に規定されるプラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法(第1部:シングルビーム法)に準じて測定することができる。
測定方法としては、透明性に優れたプラスチック板(ポリ塩化ビニル板:厚み2mm、JISに記載のポリ塩化ビニル板の全光透過率:87.0%)の表面に透明着色剤形成用組成物を塗布し、乾燥後の厚みが2μmの試験用透明着色層を設けて積層体を形成し、この積層体を、既述のJIS K 7361−1に準じて全光透過率を測定したとき、積層体の全光透過率が30%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。
透明着色層が含むことができる着色剤としては、透明着色層を介して観察する際の光輝材含有層の輝度の低下が抑制され、光輝材含有層の形成したパターンが、着色された状態にて明確に視認することができるという観点から、可視光を遮断し難い着色剤が好ましい。
透明着色層が含み得る着色剤としては、例えば、染料、微細な粒径の顔料などを挙げることができる。染料は可視光透過率を阻害しにくい色相の染料が好ましく、顔料としては、光の反射が生じがたい粒径、例えば、平均粒子径が0.7μm以下、より好ましくは0.4μm以下の平均粒子径の顔料が挙げられる。
本実施形態の効果がより良好に発現され、耐久性がより良好であるという観点からは、顔料を用いることが好ましい。
また、透明着色層の形成には、市販のカラー用グラビアインクを用いてもよい。市販のグラビアインクとしては、DIC(株)、東洋インキ(株)から上市されているグラビアインク等が挙げられる。
透明着色層に含まれる着色剤の色相は、表皮材の意匠に応じて選択すればよい。
既述の光輝材含有層が、濃色層の表面に局所的にパターン状に存在する場合、例えば、ストライプ状の文様を有する際には、透明着色層を介して、光輝材含有層が、透明着色層に含まれる着色剤に応じた色相で目視され、透明着色層による多様な色相を有する高輝度の文様を形成することができる。さらに、透明着色層を有することにより、濃色層と光輝材含有層とのコントラスト効果と相俟って、ネオン調の輝度感を有する外観に優れた意匠が形成される。
透明着色層は、樹脂と光輝材以外の着色剤とを含む樹脂組成物を付与することにより形成することができる。
透明着色層の形成領域は目的に応じて選択できる。通常は、光輝材含有層を有する濃色層の表面全域に設けるが、必ずしもこれに限定されない。
例えば、シルバーの輝度性と、ネオン調の着色された輝度性の双方のデザインを必要とする場合には、ネオン調の着色された輝度を実現したい領域のみに透明着色層を形成してもよい。
透明着色層の膜厚としては、1μm〜300μmの範囲が好ましく、2μm〜50μmの範囲がより好ましい。膜厚が上記範囲において、光輝材含有層に含まれる光輝材の輝度の低下がより抑制され、ネオン調の色相をより効果的に付与することができる。
<その他の層>
本実施形態の表皮材は、濃色層、光輝材含有層及び透明着色層に加え、本実施形態の効果を損なわない限り、さらにその他の層を設けてもよい。
その他の層としては、表面層、接着層、クッション層などが挙げられる。また、既述のように、濃色層の、光輝材含有層を有しない側には、さらに基布などの基材を設けてもよく、仮支持体を設け、仮支持体を剥離して、例えば、成形体の表面に本実施形態の表皮材を貼付して用いることもできる。
以下、本実施形態の表皮材が有することができるその他の層について説明する。
〔表面層〕
本実施形態の表皮材10は表面層18を有することができる。
光輝材含有層の視認性をより良好とするため、既述のように透明着色層は20μm以下であることが好ましい。このため、意匠面を保護し、表皮材の耐久性をより向上させる目的で、透明着色層上には、さらに保護層としての機能を有する表面層を設けることが好ましい。
表面層は、意匠の視認性を阻害せず、表面を保護し得るという観点から、透明性の高い樹脂を含む樹脂組成物を用いて、表皮材の表面の全域に設けられることが好ましい。
透明性の高い樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。
表面層に含まれる樹脂は、本実施形態の表皮材における意匠性を損なわずに、表面を保護するという観点から、着色剤を含まないことが好ましい。
ただし、紫外線吸収剤など、視認性を損なわない成分は含有してもよい。
表面層は、透明着色層の表面の全面に亘り形成することが好ましい。表面層の形成には、一般的に樹脂層を形成するために用いられる塗布法を適用することができる。
表面層は、公知の塗布法を適用して形成することができる。
表面層の膜厚には特に制限はないが、透明性と、耐久性とのバランスという観点から20μm〜300μmが好ましく、25μm〜200μmがより好ましい。
〔接着剤層〕
濃色層12と光輝材含有層14、光輝材含有層14と透明着色層16との接着性を向上させたり、所望により設けられる基材と濃色層12との接着性を向上させたりする目的で、本実施形態の表皮材10は接着層(不図示)を有していてもよい。
接着層を構成する接着剤としては、特に制限はなく、ポリウレタン、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂等を含有する接着剤が挙げられる。
より具体的には、例えば、(1)2液硬化型ポリエステル系接着剤、(2)2液硬化型ポリウレタン接着剤、(3)2液硬化型アクリル粘着剤等が好適に挙げられる。
(2)2液硬化型ポリウレタン接着剤は、2液硬化型ポリエーテル系ポリウレタン接着剤、2液硬化型ポリエステル系ポリウレタン接着剤、2液硬化型ポリカーボネート系ポリウレタン接着剤のいずれであってもよい。
なお、接着剤層の形成に使用される接着剤は市販品としても入手可能であり、例えば、ウェルダー用接着剤No.3660〔2液硬化型ポリウレタン接着剤:ノーテープ工業(株)〕、ダイカラック7250NT〔2液硬化型ポリエステル接着剤:大同化成工業(株)〕、TA265〔2液硬化型ポリエーテル系接着剤:DIC(株)、クリスボンTA205〔ポリカーボネート系ポリウレタン接着剤:DIC(株)〕等が好適である。
〔クッション層〕
本実施形態の表皮材10は、濃色層12の、光輝材含有層14を設けない裏面側に感触向上のためのクッション層(不図示)を設けてもよい。
クッション層の形成に用いる樹脂としては特に制限はないが、ポリウレタン、アクリル樹脂などが挙げられ、ポリウレタンが好ましい。
クッション層に用いられるポリウレタンとしては、ポリカーボネート系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン及びこれらの変性物が挙げられ、長期耐久性が必要な場合には、ポリカーボネート系ポリウレタンが好適である。
クッション層の厚みは目的に応じて決定される。一般的には、例えば、10μm〜200μmの範囲とすることができる。厚みは、10μm〜100μmの範囲であることが好ましく、30μm〜60μmの範囲であることがより好ましい。
クッション層として使用するポリウレタンの硬さは、100%モジュラスで98N/cm〜1176N/cmが適する。
表皮材を構成する既述の各層には、樹脂、着色剤、光輝材などに加え、本実施形態の効果を損なわない限りにおいて、目的に応じて、その他の成分をさらに含有することができる。
各層が含むことができるその他の成分としては、溶剤、可塑剤、架橋剤、架橋促進剤、成膜助剤、界面活性剤、難燃剤、発泡剤、紫外線吸収剤、滑剤、安定剤、充填剤等が挙げられる。
本実施形態の表皮材は、濃色層と、濃色層上の少なくとも一部に設けられた光輝材含有層と、透明着色層とを有し、光輝材の高輝度を生かしつつ、光輝材の光沢に任意の色相を付与することができ、ネオン調の輝度感を有する意匠性に優れた外観を達成することができる。また、後述するように、意匠性に優れた表皮材を、公知の装置を用いて簡易に製造することができる。
従って、本実施形態の表皮材は、自動車内装部品、鉄道車輌及び航空機内装部品、靴を主体とした履物用、椅子張り用シート、内装材に好適な合成皮革、衣料用合成皮革、バック、財布など外装材等として好適に使用することができ、その応用範囲は広い。
〔表皮材の製造方法〕
次に、本実施形態の表皮材の製造方法について説明する。
既述の本実施形態の表皮材は、以下に詳述する本実施形態の表皮材の製造方法により製造されることが好ましい。
本実施形態の表皮材の製造方法は、樹脂と着色剤とを含む第1の樹脂組成物を用いて反射濃度が1.55以上の濃色層を形成する工程、形成された濃色層上の少なくとも一部に、樹脂と光輝材とを含む第2の樹脂組成物を印刷法により付与して光輝材含有層を形成する工程、及び、形成された光輝材含有層を少なくとも一部に有する濃色層上に、樹脂と光輝材以外の着色剤とを含む第3の樹脂組成物を付与して、可視光透過性を有する透明着色層を形成する工程、を含む。
(濃色層を形成する工程)
本工程は、樹脂と着色剤とを含む第1の樹脂組成物を用いて反射濃度が1.55以上の濃色層12を形成する工程である。
図2(A)は、形成された濃色層12の概略平面図である。
本工程は、濃色層を準備する工程であり、例えば、市販の濃色樹脂シートを濃色層として準備することも、本工程に包含される。
本実施形態の表皮材は、そのまま用いてもよく、また、基布などの任意の基材上に設けてもよく、所望の成形体表面に適用してもよい。成形体表面に本実施形態の表皮材を形成する場合には、仮支持体上に本実施形態の表皮材を形成し、その後、仮支持体を剥離して、仮支持体を剥離した面を、所望の成形体表面に、そのまま、又は任意の着色層を介して適用することができる。
濃色層を形成する工程は、樹脂と着色剤とを含む第1の樹脂組成物を製膜する工程を含むことができる。なお、濃色層の形成に用いられる各材料の詳細は既述の通りである。
第1の樹脂組成物を製膜する工程では、樹脂と黒色顔料などの濃色着色剤とを含有する第1の樹脂組成物を、常法により製膜して濃色層を形成する。必要な膜厚と反射濃度を達成できれば、製膜方法には特に制限はない。製膜方法としては、例えば、溶融押出し法、カレンダー法、コーター法等が挙げられ、得られる濃色層は、濃色樹脂シートである。
濃色層を形成する工程は、基材又は仮支持体上に、樹脂と着色剤とを含む第1の樹脂組成物を付与する工程を含むことができる。
第1の樹脂組成物を、基材又は仮支持体に付与する工程では、基材又は仮支持体上に、第1の樹脂組成物を付与して濃色層を形成する。第1の樹脂組成物の付与方法としては、公知の塗布方法を適用することができる。
基材又は仮支持体等の上に濃色層を形成する場合に適用し得る塗布方法としては、例えば、カーテンフローコーター、エクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、バーコーター等の公知の塗布装置によって塗布する方法が挙げられる。
(光輝材含有層を形成する工程)
本工程では、前工程において形成された形成された濃色層12上の少なくとも一部に、樹脂と光輝材とを含む第2の樹脂組成物を印刷法により付与して光輝材含有層14を形成する。
印刷法により、樹脂と光輝材とを含む第2の樹脂組成物により、光沢を有する光輝材含有層が、濃色層上に任意のパターンで形成される。
図2(B)は、パターン状の光輝材含有層14の一例として、濃色層12の表面に、ストライプ状の光輝材含有層14が形成された態様を示す概略平面図である。
第2の樹脂組成物は、樹脂と光輝材と、その他の添加剤と、を用いて調製した組成物であってもよく、市販のメタリック印刷インク、パールインク等であってもよい。
パターン状の光輝材含有層を濃色層に付与するための印刷方法は、用いる第2の樹脂組成物の特性により適宜選択することができる。例えば、光輝材の含有量が多い第2の樹脂組成物を用いる場合には、グラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷などを適用することができる。また、第2の樹脂組成物に含まれる光輝材の粒子径が十分に小さく、組成物の粘度が低い場合には、インクジェット印刷法等が適用できる。
第2の樹脂組成物が、光輝材を含有することで、隠蔽性に優れた光輝材含有層が形成される。
(透明着色層を形成する工程)
本工程では、形成された光輝材含有層14を少なくとも一部に有する濃色層12上に、樹脂と光輝材以外の着色剤とを含む第3の樹脂組成物を付与して、着色剤を含み、可視光透過性を有する透明着色層16を形成する。
透明着色層16は、通常は、表皮材10の全域に亘って設けられるが、これに限定されない。
透明着色層16に含まれる着色剤の色相を選択することで、光輝材含有層14により形成された高輝度のパターンに所望の色相を付与することができる。
図2(C)は、ストライプ状の光輝材含有層14が形成された濃色層12上に、透明着色層16を形成した状態を示す概略平面図である。光輝材含有層14上に透明着色層16が形成され、光輝材含有層14の形状は目視て確認することができ、光輝材含有層14における色相が、透明着色層16の形成前に対して変化したことを、図2(C)では、概略的に示している。
透明着色層を介して、光輝材含有層の高輝度が視認される必要があるため、第3の樹脂組成物は、光輝材の如き光を遮蔽する着色剤を含まず、可視光透過性を大きく阻害しない着色剤を含有することが好ましい。
透明着色層は、通常は、表皮材の全域に亘って設ける場合には、既述の塗布方法が同様に適用できる。また、透明着色層を表皮材の一部に設ける場合には、既述の印刷方法を適用することができる。
透明着色層における着色剤の含有量、透明着色層の付与量は、光輝材含有層の視認性を損なわない範囲にて適宜調整することができる。また、既述のように、市販のグラビアインクを用いて透明着色層を形成することができる。
(任意の工程)
本実施形態の表皮材の製造方法は、さらに、表面層を形成する工程、接着層を形成する工程、クッション層を形成する工程などの任意の工程の少なくとも1つをさらに有していてもよい。
本実施形態の表皮材の製造方法では、濃色層、光輝材含有層及び透明着色層の形成には、汎用の製膜装置、塗布装置、印刷装置等を用いることができる。
また、濃色層、光輝材含有層及び透明着色層はいずれも、上記の汎用の装置を用いて、それぞれ一工程で形成することができ、簡易な工程により、複雑でユニークな意匠を有する表皮材を製造することができることは、本実施形態の表皮材の製造方法における利点の一つである。
以下、実施例を挙げて本実施形態の表皮材について具体的に説明するが、この実施例における記載には制限されない。
〔実施例1〕
以下、図2に記載の工程に従い、表皮材10を作製した。
(1.濃色層の形成)
黒色顔料であるカーボンブラックを含有するポリ塩化ビニルを用いて、溶融押出し法により、図2(A)に示す濃色層12である厚み100μm黒色樹脂シートを形成した。
得られた黒色樹脂シート(濃色層12)の光学濃度を、ISO 5/4にて規定する装置で測定したところ、Dρは、1.65であった。黒色樹脂シートは目視にて黒色に視認された。
(2.光輝材含有層の形成)
得られた黒色樹脂シート(濃色層12)上に、高輝度シルバーインク(東洋アルミニウム(株)製、デコメット(Decomet))を用いて、グラビア印刷法により、図2(B)に示すストライプ柄を、厚み2μm、幅5mm、間隔20mmにて印刷し、ストライプ柄の光輝材含有層14を形成した。
平面視による単位面積当たりの光輝材含有層14の形成された面積比は、濃色層12の全領域に対し、20%であった。
黒色樹脂シート(濃色層12)上に、ストライプ柄の光輝材含有層14が形成された。光輝材含有層14はシルバー色に視認された。
(3.透明着色層の形成)
ストライプ柄の光輝材含有層が形成された黒色樹脂シート(濃色層12)表面に、ブルーの色相を有するグラビアインク(東洋インキ(株)製、VKNT半硬質塩ビフィルム用ノントルインキ)を全面に付与して厚み4μmの透明着色層16を形成した。グラビアインクの塗布は、グラビア印刷装置を用いて行なった。
シルバー色のストライプ柄の光輝材含有層表面に、図2(C)に示すようにブルーの色相を有するグラビアインク層である透明着色層16が形成されることで、シルバーインクにより形成されたストライプ柄の光輝材含有層は、高輝度のブルーのストライプ柄として視認され、ネオンの如き輝度表現の意匠が得られた。
(4.表面層の形成)
透明着色層が形成された面上に、アクリル樹脂であるポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂をカレンダー法にて付与して、厚み150μmの表面層を形成した。塗布は、透明着色層の形成と同じ装置を用いた。表面層は透明樹脂層であり、前工程で形成された高輝度のブルーのストライプ柄のネオンの如き輝度表現の意匠の外観は維持されていることが確認された。
〔実施例2〕
実施例1において用いたブルーの色相を有するグラビアインクに代えて、赤の色相を有するグラビアインク(東洋インキ(株)製、VKNT半硬質塩ビフィルム用ノントルインキ)を全面に付与して厚さ4μmの透明着色層16を形成した。
シルバー色のストライプ表面に赤の色相を有するグラビアインク層が形成されることで、シルバーインクにより形成されたストライプ柄の光輝材含有層は、高輝度の赤色のストライプ柄として視認され、目視にて、実施例1における意匠とは異なった輝度表現の意匠が得られた。
実施例1及び実施例2の結果より、本実施形態の表皮材は、汎用の装置を用いて簡易に製造することができ、ネオン調の輝度表現を有する意匠を有する表皮材であることがわかる。
10 表皮材
12 反射濃度が1.55以上の濃色層(濃色層)
14 光輝材含有層
16 可視光透過性を有する透明着色層(透明着色層)
18 表面層

Claims (8)

  1. 樹脂を含み反射濃度(Dρ)が1.55以上の濃色層、前記濃色層上の少なくとも一部に設けられ、光輝材と樹脂とを含む光輝材含有層、及び前記光輝材含有層上に設けられ、光輝材以外の着色剤と樹脂とを含み、可視光透過性を有する透明着色層と、を有する表皮材。
  2. 前記濃色層が、基材上又は仮支持体上に設けられた請求項1に記載の表皮材。
  3. 前記濃色層が、黒色顔料及び黒色染料からなる群より選ばれる少なくとも1種の着色剤を含む黒色樹脂層である請求項1又は請求項2に記載の表皮材。
  4. 前記光輝材含有層は、前記濃色層の平面視における全面積に対し、5%〜80%の面積に設けられた請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の表皮材。
  5. 前記光輝材は、金属顔料及びパール顔料からなる群より選択される少なくとも1種を含む請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の表皮材。
  6. 樹脂と着色剤とを含む第1の樹脂組成物を用いて反射濃度が1.55以上の濃色層を形成する工程、
    形成された濃色層上の少なくとも一部に、樹脂と光輝材とを含有する第2の樹脂組成物を印刷法により付与して光輝材含有層を形成する工程、
    及び、形成された光輝材含有層を少なくとも一部に有する濃色層上に、樹脂と光輝材以外の着色剤とを含む第3の樹脂組成物を付与して、可視光透過性を有する透明着色層を形成する工程、を含む表皮材の製造方法。
  7. 前記濃色層を形成する工程は、樹脂と着色剤とを含む第1の樹脂組成物を製膜する工程を含む請求項6に記載の表皮材の製造方法。
  8. 前記濃色層を形成する工程は、基材又は仮支持体上に、樹脂と着色剤とを含む第1の樹脂組成物を付与する工程を含む請求項6に記載の表皮材の製造方法。
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