JP2014180745A - インゴット送りシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】ワイヤソー装置用のインゴット送りシステム、該インゴット送りシステムを含むワイヤソー装置、および切削中にインゴットを送る方法を提供する。
【解決手段】インゴット送りシステムは、運動学的機構構造体350と、運動学的機構構造体350の少なくとも一部分を移動させる少なくとも1つのアクチュエータ352と、運動学的機構構造体350にインゴット317を結合する支持テーブル312と、運動学的機構構造体350に作用している力を測定する少なくとも1つのセンサ401とを含む。
【選択図】図1

Description

本開示の実施形態は、ワイヤソー装置用のインゴット送りシステムに関する。本開示に基づくインゴット送りシステムを組み込むことによって既存のワイヤソーを改良することができる。本開示は特にマルチワイヤソーに関する。本開示のワイヤソーは特に、シリコンブロック、石英ブロックなどの硬質材料を切削しまたはのこ引きするように、例えばシリコンウエハを切削するように適合されており、また、スクエアラ(squarer)、クロッパ(cropper)などに対して適合されている。本開示の実施形態はさらに、本明細書に記載されたインゴット送りシステムの実施形態を含むワイヤソー装置に関する。さらに、切削中にインゴットを送る方法の実施形態も開示される。
ワイヤソーは、シリコンなどの硬質材料の材料片からブロックもしくはブリックまたは薄いスライス、例えば半導体ウエハを切削するのに使用されている。このような装置では、スプールからワイヤが供給され、このワイヤは、ワイヤ案内シリンダによって案内され、ぴんと張られる。のこ引きに使用するワイヤは一般に研磨材を有する。1つの選択肢として、この研磨材をスラリとして供給することができる。スラリは、切削する材料にワイヤが触れる直前に供給することができる。それにより、研磨材は、材料を切削するワイヤによって切削位置へ運ばれる。他の選択肢として、例えばダイヤモンドワイヤの場合のように、コーティングを有するワイヤの表面に研磨材を貼り付けることもできる。例えば、コーティングを有する金属ワイヤの表面にダイヤモンド粒子を貼り付けることができ、このとき、ダイヤモンド粒子はワイヤのコーティング内に埋め込まれる。それにより、研磨材はワイヤにしっかりと結合する。
ワイヤは、ワイヤガイドによって案内され、かつ/またはワイヤガイドによってぴんと張られた状態に維持される。それらのワイヤガイドは全体が合成樹脂の層で覆われており、ワイヤガイドには、非常に正確な形状寸法およびサイズを有する溝が刻まれている。それらのワイヤガイドにワイヤが巻き付けられ、ワイヤはウエブ(web)またはワイヤウエブを形成する。のこ引きプロセスの間、ワイヤは、かなりの速度で移動する。通常は、支持梁または支持ホルダに接続されたのこ引きする材料片、例えばインゴットをウエブに向かって押し出す。のこ引き時には、のこ引きする材料片を移動させてワイヤウエブに通す。この移動の速度が、切削速度および/または所与の時間の間にのこ引きすることができる有効切削面積を決定する。
切削の厚さを薄くし、それによって無駄になる材料を減らすため、概して、より細いワイヤを使用する傾向がある。ダイヤモンドワイヤを使用することも望まれている。このより細いワイヤおよびダイヤモンドワイヤは一般に損傷をより受けやすく、高歪み下で、これらのワイヤはより簡単に破断することがある。さらに、ワイヤソーのスループットを向上させるために、切削速度を増大させることが望まれている。ウエブに通すために材料片を移動させる最高速度および所与の時間内の最大有効切削面積は、ワイヤ速度、のこ引きする材料の送り速度、のこ引きする材料の硬さ、妨害物の影響、所望の精度などを含むいくつかの因子によって制限される。一般に、速度が増大するとワイヤの歪みも増大する。したがって、のこ引き速度が大きいほど、ワイヤの損傷、過度の摩耗または破断を防ぐという前述の課題はよりいっそう重要になる。
のこ引きの質の変化、のこ引き幅の変動、ワイヤの振動またはワイヤの破断を防ぎまたは低減させるような方法でワイヤソーを動作させることが決定的に重要である。最悪のケースでは、破断が生じた場合に、好ましくない結果が生じる可能性がある。ワイヤの切れた側の端が、制御できない形で機械内をさまざまに移動することがあり、それによってワイヤガイドシステムまたは機械の他の部分が傷つく可能性がある。さらに、ワイヤが破断し、移動し続けた場合、のこ引きする物体からワイヤが引き離される。
多くの用途では、ウエハまたはスライスの厚さが、インゴットの断面積または直径に対して非常に薄い。したがって、ウエハはかなりの可撓性を有し、撓曲および湾曲して、隣接するスライスと接触することがありうる。この撓曲は、切削の精度および平面度に対して望ましくなく、のこ引きされたスライスの表面に、波状の起伏(undulation)、条線(striation)および望ましくない凹凸(irregularities)を生じさせることがある。これらの凹凸は、たとえ数マイクロメートルのものであっても、多くの太陽電池用途や半導体用途などのある種の用途に対してスライスを使用不能にするのに十分である。スライスのこれらの変形によって、特にスライスの支持体にスライスが接続される結合点の近くに、マイクロ亀裂および亀裂が生じることもある。
さらに、費用をできるだけ低く抑えるため、のこ引きプロセスは最適化される。例えばワイヤ特性の変動に起因する不適当なのこ引き品質、またはワイヤの破損もしくは破断に起因するダウンタイムを回避する他に、スループットを最大にするため、プロセス全体の送りレートを最適化しなければならない。
知られているワイヤのこ引きプロセスは通常、ウエブに通すインゴットの送りレート、ワイヤ速度、ウエブに入りウエブから出て行くワイヤの張力、スラリ流量およびスラリ温度に対するプリセット値を設定することを含む。切削が始まった後は、オペレータが、プロセスに関連したパラメータを追跡し、必要な場合にはそれらのパラメータを適合させることを可能にするために、例えばスラリ密度および場合によってはスラリ粘度またはスラリ温度を監視する。しかしながら、これによって、のこ引きプロセスを最適化するのに十分な情報を得ることはできず、切削プロセス中の凹凸を十分に回避することはできないことが分かっている。特に、高精密ウエハを生産するのに不可欠な一定の再現可能な切削結果を保証するためには、切削プロセスに関連したパラメータが、切削プロセス全体を通して実質上変化しないことが重要である。切削品質を向上させるため、知られているワイヤソーは、のこ引き中に、例えば基準に対するワイヤ部分の弓形(bow)を決定することによって、のこ引きする材料片内におけるワイヤ部分の位置を検出するように構成されている。
以上のことを考慮して、本開示の目的は、当技術分野の課題のうちの少なくとも一部を解決するワイヤソー装置を提供することにある。この目的は、独立請求項に記載されたワイヤソー装置用のインゴット送りシステムおよび切削中にインゴットを送る方法によって、少なくともある程度まで達成される。本開示のその他の態様、利点および特徴は、従属請求項、本開示の説明および添付図面から明白である。
以上のことを考慮して、ワイヤソー装置用または単にワイヤソー用のインゴット送りシステムが提供される。このワイヤソーは、インゴットを切削してウエハにするように適合されている。このインゴット送りシステムは、運動学的機構構造体(kinematic mechanism structure)と、運動学的機構構造体の少なくとも一部分を移動させる少なくとも1つのアクチュエータと、運動学的機構構造体にインゴットを結合する支持テーブルと、運動学的機構構造体に作用している力を測定する少なくとも1つのセンサとを含む。
他の態様によれば、本明細書に記載されたインゴット送りシステムを組み込むことによって既存のワイヤソーを改良することができる。本明細書に記載されたインゴット送りシステムをワイヤソーに組み込むことを含むワイヤソーを改良する方法が開示される。
本開示の他の態様によれば、少なくとも2つのワイヤ案内シリンダと、本明細書に記載されたインゴット送りシステムとを含むワイヤソー装置が提供される。
本開示の他の態様によれば、切削中にインゴットを送る方法であって、運動学的機構構造体を使用することによってワイヤソーにインゴットを送るステップと、切削中にインゴットに作用している力を、運動学的機構構造体内の力を測定することによって監視するステップと、監視された力に基づいて、少なくとも1つの切削プロセスパラメータを制御するステップとを含む方法が提供される。
本開示はさらに、開示された方法を実行する装置であって、記載されたそれぞれの方法ステップを実行する装置部分を含む装置を対象とする。それらの方法ステップは、ハードウェアコンポーネントによって、もしくは適当なソフトウェアによりプログラムされたコンピュータによって、またはこれらの2つの組合せによって、あるいは他の方式で実行することができる。本発明はさらに、記載された装置が動作する方法をも対象とする。この方法は、装置のあらゆる機能を実行する方法ステップを含む。
本開示のその他の態様、利点および特徴は、従属請求項、本開示の説明および添付図面から明白である。
上に挙げた本開示の諸特徴を詳細に理解することができるように、実施形態を参照することによって、上に概要を示した開示をより具体的に説明する。添付図面は本開示の実施形態に関するものであり、以下に添付図面の説明を記す。図面には典型的な実施形態が示されており、以下では、それらの実施形態を詳細に説明する。
本明細書に記載された実施形態に基づくインゴット送りシステムの略図である。 本明細書に記載された一実施形態に基づくインゴット送りシステムを含むワイヤソー装置の略側面図である。 本明細書に記載された実施形態に基づくワイヤソーののこ引き区域内に配置されたインゴットの透視図である。 本明細書に記載された他の実施形態に基づくインゴット送りシステムを含むワイヤソー装置の透視図である。 本明細書に記載された他の実施形態に基づくインゴット送りシステムを含むワイヤソー装置の側面図である。 本明細書に記載された他の実施形態に基づくインゴット送りシステムを含むワイヤソー装置の側面図である。 本明細書に記載された他の実施形態に基づくインゴット送りシステムを含むワイヤソー装置の透視図である。 一実施形態に基づくインゴット送りシステムの透視図である。 本明細書に記載された実施形態に基づくインゴットを送る方法の一実施形態を示す図である。
次に、本開示のさまざまな実施形態を詳細に参照する。それらの実施形態の1つまたは複数の例が図に示されている。以下の図面の説明では、同じ参照符号が同じ構成要素を指す。全体を通して、個々の実施形態に関する相違点だけを説明する。それぞれの例は、本開示の説明として示すものであり、本開示を限定することを意図したものではない。さらに、1つの実施形態の部分として図示しまたは記載した特徴を他の実施形態に対して使用して、または他の実施形態とともに使用して、それらとは別の実施形態を生み出すことができる。以下の説明は、このような変更形態および変形形態を含むことが意図されている。
以下の説明では、「インゴット送りシステム」または単に「送りシステム」を、のこ引きする材料片、例えばインゴットの位置を制御するシステムと理解することができる。具体的には、この制御は、インゴット送りシステムのコントローラによって実行することができる。
本明細書で理解されるワイヤソー装置は、一般に、クロッパ、スクエアラまたはウエハ切削ワイヤソーである。
本開示では一般に、のこ引きプロセスが切削プロセスに対応する。したがって、動詞「のこ引きする」および適当な全ての文法上の活用形は、動詞「切削する」および適当な全ての文法上の活用形と同じ意味を有するものとして使用される。
本開示では、用語「運動学的機構構造体」が、少なくとも2つの要素の配置、典型的には少なくとも2つの物体を接続する少なくとも2つの要素の配置であって、前記少なくとも2つの要素のうちの少なくとも一方の要素が、前記少なくとも2つの要素のうちの残りの1つまたは複数の要素に対して、例えば関節継手を軸とした回転および/または1軸に沿った並進運動によって移動することができるような態様で、前記少なくとも2つの要素が互いに接続された配置と定義される。
本開示では、用語「平行運動学的機構構造体」が、前記典型的には少なくとも2つの物体のうちの少なくとも1つの物体が、2つ以上の異なる位置で「運動学的機構構造体」に接続された「運動学的機構構造体」と定義される。それによって、平行運動学的機構構造体の1つの要素の移動が、典型的には、運動学的機構構造体の少なくとも一部分(例えば運動学的機構構造体の他の要素)の移動に変換される。
一般に、本明細書に記載された特定の実施形態だけに限定されることなく、用語「切削平面」は切削方向を含む。典型的には、切削平面の向きが切削プロセスの全体を通して変化しない。典型的には、切削平面の向きがワイヤソーのワイヤの向きに一致する。
本開示では、用語「切削方向」が、切削プロセス中に切削が進行する方向と定義される。典型的には、切削方向が垂直方向である。
さらに、本開示では、用語「作業領域」が、ワイヤソーのワイヤが張られた領域と定義され、ワイヤのウエブは一般にワイヤの層とも呼ばれる。典型的には、作業領域は、のこ引きする単一の材料片、典型的にはインゴットが、切削中にワイヤソーのワイヤと相互作用する領域である。
図1に概略的に示すように、本明細書に記載された実施形態に基づくワイヤソー装置100用の、インゴット317を有するインゴット送りシステム300は、運動学的機構構造体350と、運動学的機構構造体350の少なくとも一部分を移動させる少なくとも1つのアクチュエータ352と、運動学的機構構造体350にインゴット317を結合する支持テーブル312と、運動学的機構構造体350に作用している力を測定する少なくとも1つのセンサ401とを含む。
実施形態によれば、ワイヤソー装置100をマルチワイヤソーとすることができる。マルチワイヤソーは、半導体産業用および光電池産業用のシリコンウエハの高生産性で高品質のスライシングを可能にする。典型的には、マルチワイヤソーは、一方向に(すなわち前進方向にだけ)または双方向に(すなわち前後に)移動して切削作業を実行することができる高張力鋼ワイヤを含む。このワイヤは、表面にダイヤモンドを有することができる。
本明細書に記載された実施形態の運動学的機構構造体に作用している力を測定する効果は、切削プロセス中に切削ワイヤを介してインゴットに伝達されている力に関する情報を得ることができることである。さらに、切削中の切削プロセスパラメータの力フィードバック制御にこの情報を使用して、一定の再現可能な切削結果を保証することもできる。したがって、典型的には、閉ループ切削プロセス制御を可能にする力ベースの制御アルゴリズムが使用される。それによって、本明細書に記載された実施形態によれば、予め決められた力プロファイルに従って、切削力を、切削プロセスの全期間にわたって、インゴットの位置の関数および/または切削プロセスの時間進捗の関数として制御することができる。例えば、切削プロセスの全体を通じて切削力が実質上変化しないように、切削力を制御することができる。あるいは、例えばワイヤソーのワイヤがインゴットの中を前進するにつれて切削力が増大または低減するように、切削プロセスを制御することもできる。さらに、本明細書に記載された実施形態によれば、インゴット送り速度、ワイヤ速度、ワイヤ張力、ワイヤ温度、冷却剤供給レート、冷却剤温度などの少なくとも1つの切削プロセスパラメータの関数として、切削力を制御することもできる。
実施形態によれば、この送りシステムはさらに、力フィードバック制御を使用することによって切削プロセスパラメータを制御するコントローラを含む。さらに、典型的には、このコントローラは、運動学的機構構造体に作用している力を監視する目的にも使用される。典型的には、このコントローラには、インゴット送りシステムの運動学的機構構造体に作用している力を測定するセンサが接続される。このコントローラは、典型的には、それらのセンサが生成した信号を処理し、対応するそれぞれの力測定データを計算する。したがって、このコントローラは、のこ引きプロセス中に、運動学的機構構造体に作用している力のリアルタイムオンライン監視、したがってインゴットに作用している力のリアルタイムオンライン監視を実行する能力を有することができる。
典型的には、この力測定データに基づいて切削プロセスパラメータを制御するために、制御アルゴリズムが使用される。それによって、この送りシステムの実施形態は、インゴット位置、インゴットの向き、インゴット送り速度、ワイヤ速度、ワイヤ温度、ワイヤ張力、冷却剤供給レート、冷却剤温度などの切削プロセスパラメータの閉ループ力フィードバック制御に適している。
本明細書に記載された実施形態によれば、インゴット送りシステム、ワイヤソーおよびインゴットを送る方法は、コンピュータプログラム、ソフトウェア、コンピュータソフトウェア製品および相互に関係付けられたコントローラによって操作することができ、このコントローラは、典型的にはCPU、記憶装置、ユーザインターフェースおよび入出力手段を有することができ、入出力手段は、送りシステムを含むワイヤソーの対応する構成要素と通信する。この構成要素は、後により詳細に説明する以下の構成要素のうちの1つまたは複数の構成要素であることがある:送りシステムのアクチュエータ、モータまたはブレーキ、ワイヤ案内シリンダのアクチュエータ、モータまたはブレーキ、冷却剤供給源など。
実施形態によれば、この切削プロセスパラメータには、インゴットの位置、および/またはインゴットの向き、および/またはインゴット送り速度、および/またはワイヤ速度、および/またはワイヤ温度、および/またはワイヤ張力、および/または冷却剤供給レート、および/または冷却剤温度が含まれる。典型的には、力測定データに基づいて切削プロセスパラメータを制御するために、制御アルゴリズムが使用される。
実施形態によれば、前記少なくとも1つのセンサが歪みゲージセンサである。歪みゲージセンサの利点は、運動学的機構構造体の基本的に全ての関心部位に単純な方法で取り付けることができることである。
実施形態によれば、前記少なくとも1つのアクチュエータ352が、運動学的機構構造体350を介してインゴット位置を制御するモータである。典型的には、このアクチュエータは、電流、液圧または空気圧の形態のエネルギー源によって動作し、そのエネルギーを運動に変換する。いくつかの実施形態によれば、送りシステムの前記少なくとも1つのアクチュエータを、電気モータ、リニアモータ、空気圧アクチュエータ、液圧アクチュエータまたは圧電アクチュエータとすることができる。典型的には、これらのアクチュエータは、運動学的機構構造体の運動、特に(例えば運動学的機構構造体の少なくとも1つの要素の直線運動による)運動学的機構構造体内での運動を実現するために使用される。したがって、典型的には、モータの回転運動が、例えばボルト/ねじトランスデューサによって直線運動に変換される。圧電アクチュエータは本質的に直線アクチュエータであるため、圧電アクチュエータが使用される実施形態ではこのような直線変換が不要である。
円運動と直線運動の間の変換は普通、ねじ原理または輪軸原理によって達成される。ねじ原理に基づいて動作するねじアクチュエータには、ねじジャッキアクチュエータ、ボールねじアクチュエータ、ローラねじアクチュエータなどがある。アクチュエータのナットを回転させることによって、ねじシャフトが1本の線に沿って移動する。対応して、ねじシャフトを移動させることによりナットが回転する。輪軸原理に基づいて動作するアクチュエータには、ホイスト、ウインチ、ラックピニオン、チェーンドライブ、ベルトドライブ、剛性チェーン、剛性ベルトなどがある。輪/軸(例えばドラム、歯車、プーリまたはシャフト)を回転させることによって、直線部材(例えばケーブル、ラック、チェーンまたはベルト)が移動する。対応して、直線部材を移動させることにより輪/軸が回転する。
典型的には、取付板376などの一時的な支持体によって、単一のインゴット317が支持テーブル312上に取り付けられる。この支持テーブル312は、アクチュエータアセンブリ310を使用することによって、Z方向に垂直に移動することができる。アクチュエータアセンブリ310は、カラム311およびモータ315を含むことができ、ウエハを切削するためにインゴット317をワイヤ323の層319に対して押し付けるように適合されている。
典型的な実施形態によれば、運動学的機構構造体350に作用している力を測定する目的に使用される少なくとも1つのセンサ401、402、403、404が歪みゲージセンサである。典型的には、典型的には金属箔パターンを支持する絶縁性の可撓性バッキングでできた歪みゲージセンサが含まれる。典型的には、これらのセンサは、シアノアクリレートなどの適当な接着剤によって運動学的機構構造体に取り付けられる。ウエハの切削中に、インゴットに作用している力が運動学的機構構造体に伝わり、それによって運動学的機構構造体内の機構に歪みが生じる。典型的には、この歪みを、典型的には要素の縦軸に沿って要素内に導入された力を測定することができるように運動学的機構構造体の要素上に配置されたセンサによって測定する。この物体が変形すると、箔も変形し、それによって箔の電気抵抗が変化する。典型的にはホイートストンブリッジを使用して測定されるこの抵抗変化は、ゲージ率として知られている量によって歪みに関係付けられる。歪みゲージセンサは、コンダクタンスの物理的特性、および導体の形状寸法に対するコンダクタンスの依存性を利用する。破断または永久変形しないように電気導体をその弾性限界内で引き伸ばすと、電気導体はより細く、より長くなり、それによって電気導体の両端間の電気抵抗を増大させる変化が生じる。反対に、座屈しないように導体を圧縮すると、導体は太く短くなり、それによって電気導体の両端間の電気抵抗が低下する変化が生じる。測定された歪みゲージの電気抵抗から、運動学的機構構造体に加わった応力および歪みの量、したがってウエハの切削中にインゴットに作用している力を推測することができる。
本明細書に記載された実施形態によれば、力、典型的には運動学的機構構造体内の力を測定するのに使用する力センサが工業用途に適合する。典型的には、実施形態で使用される力センサが上記の技術的原理に基づく。実施形態によれば、使用する歪みゲージセンサはカプセル化されており、その歪みゲージセンサを、関心の部位、例えば運動学的機構構造体、特に運動学的機構構造体のアームに、ボルト、ねじまたは接着剤によって固定することができる。あるいは、上記の技術とは異なる技術に基づく他の適当な力センサを使用することもできる。
この力を高感度で検出、測定するため、典型的には、センサが、力が導入された結果として歪みによる変形が最も大きくなる運動学的機構構造体上の位置、例えばアームの表面の中心部分に配置される。典型的には、センサの測定感度の最も高い方向が、運動学的機構構造体のそれぞれの要素内へ伝達される力の方向と対応するように、典型的には運動学的機構構造体の要素の縦方向とが一致する向きに、センサが配置される。
図2に、直線運動学的機構構造体を含むインゴット送りシステム300を含むワイヤソー装置100の一実施形態の略側面図を示す。典型的には、ワイヤソー装置が、ワイヤが移動する方向へワイヤ324、325を運び、案内するワイヤガイド321、322を含む。ワイヤ323は、本明細書では案内シリンダとも呼ぶワイヤガイドに巻き付けることができる。案内シリンダには通常、一定のピッチで溝が刻まれており、それによって、本明細書ではワイヤの層319とも呼ぶ、平行なワイヤからなる水平ネットすなわちワイヤウエブが形成される。このワイヤガイドを駆動装置によって回転させる。この駆動装置は、ワイヤウエブ全体を例えば5から20m/秒の比較的に速い速度で移動させる。
望ましい場合には、いくつかの大流量ノズルによって、移動しているワイヤにスラリを供給することができる。本明細書で理解されるスラリは、研磨粒子(例えば炭化ケイ素の粒子)を典型的には懸濁した状態で含む液体キャリアを指す。前述のとおり、切削作業中に、インゴットを押してワイヤウエブに通すことができる。あるいは、インゴットを動かないようにしておき、その間に、ワイヤウエブを押し付けてインゴットを切削することもできる。典型的には、ワイヤ供給スプールが必要な新しいワイヤを供給し、ワイヤ巻取りスプールが使用済みのワイヤを収容する。
本明細書に記載されたワイヤソー装置の実施形態は一般にフレーム305を含み、フレーム305上に、ワイヤガイド321、322が取り付けられる。ワイヤガイド321、322の回転軸は互いに平行に配置される。さらに、典型的には、ワイヤ323の層319に対してインゴット317を押し付けるために、アクチュエータアセンブリ310が使用される。
図2に示すように、供給スプール326からワイヤ323を受け取り、次いでワイヤガイド321、322、例えば案内シリンダに巻き付けて、のこ引き区域に、平行なワイヤの少なくとも1つの層319を形成する。次いで、ワイヤ323を、巻取りスプール327などの適当な受取り装置に戻す。典型的には、のこ引き区域318に配置されたワイヤ(1本または数本)323を単一の方向に移動させるようにまたは特に往復運動させるように適合された駆動モータに、少なくとも一方の案内シリンダが結合される。ワイヤガイド321、322は、1つまたは複数の軸受によって支持することができ、この軸受を、一方の案内シリンダをもう一方の案内シリンダに対して移動させることによってワイヤ(1本または数本)323に所望の張力を与えるように適合されたワイヤ引張りシステム(図示せず)に結合することができる。典型的には、ワイヤソー制御システムがワイヤ張力を制御する。
図2に示す実施形態では、ワイヤソー装置100内に一度にインゴット317が1つだけ配置され、のこ引きされる。しかしながら、本明細書に記載された単一ワイヤソー装置の実施形態は、複数のワイヤソー装置を含むワイヤソーシステムの部分を構成することができる。典型的には、2つ、3つまたは4つのインゴットが異なる作業領域で同時に切削される。
ループからループまでのワイヤ経路が、ある作業領域で1つまたは複数のインゴットをスライスし、案内シリンダによって、別の作業領域へまたは再び同じ作業領域へ運ばれる。典型的には、ワイヤウエブは、上作業領域で1つまたは複数のインゴットをスライスし、次いで下作業領域へ運ばれ、下作業領域で1つまたは複数のインゴットをスライスする。その後、ワイヤは通常、上作業領域へ戻される。次の作業領域へ運ぶのではなしに、のこ引き中に移動方向を変化させる場合、ワイヤは、その時点の作業領域の直前の作業領域へ戻されることがある。
ワイヤウエブは、2つ以上の作業領域を含むことができることを理解すべきである。作業領域は、のこ引きプロセスが実行される領域と定義される。したがって、本明細書に記載された典型的な実施形態によれば、ワイヤウエブは、1つまたはいくつかのワイヤによって形成された複数の作業領域を有することができる。例えば、本明細書に記載された典型的な実施形態によれば、ワイヤソーは、例えば水平方向を向いた2つまたは4つの作業領域を含む、水平方向を向いた2つのワイヤウエブを含むことができる。この場合には、作業領域を画定するワイヤウエブを通してインゴットを典型的には垂直方向に押すことによって、のこ引きが実行される(図3参照)。
図3は、送りシステム300を移動させて、ワイヤソー装置100ののこ引き区域に配置されたワイヤ(1本または数本)323の層319に対してインゴット317を押し付けることにより途中までのこ引きされたインゴット317の透視図を示す。典型的には、ワイヤ323の層319の隣接するワイヤ間のピッチは、ワイヤ案内シリンダの外周に彫られた溝によって画定され、このピッチが、のこ引きされるスライス331の厚さを決定する。のこ引きされたスライス331は、スロットまたはのこ引きギャップ332によって互いから分離される。硬質材料のインゴット、より具体的にはシリコン、セラミック、III−V属およびII−VI属の元素の化合物、GGG(ガドリニウムガリウムガーネット)、サファイヤなどの組成のインゴットをのこ引きして、望ましくは厚さ300μm以下のスライス、または典型的には次世代基板用の厚さ180μm以下のスライスにするため、典型的には、ワイヤ323は、直径0.1から0.2mmの間のばね鋼線を含む。典型的には研磨剤が使用され、研磨材は一般に、ダイヤモンド、炭化ケイ素、アルミナ、またはインゴットのこ引きプロセスを改良するために使用される他の有用な材料などの商業製品である。研磨剤は、ワイヤ323に固定することができ、または研摩粒子を運ぶ働きをする液体(例えばPEG)に懸濁したスラリなどの遊離の形態をとることができる。
上作業領域と下作業領域ののこ引きを同時に実施することが可能である。ワイヤソーはさらに、垂直に配置された2つのウエブ(図示せず)を含むことができる。いくつかの実施形態によれば、水平方向を向いた作業領域間でワイヤを運ぶため、垂直に配置されたウエブが使用される。作業領域間の輸送の間にワイヤは冷えることがある。他の実施形態によれば、作業領域が垂直方向を向く。
本明細書に記載された実施形態によれば、このワイヤソーは、シリコンなどの半導体材料、石英等の硬質材料を高速で切削するために使用される。ワイヤソー内でワイヤが移動する速度であるワイヤ速度は例えば10m/秒以上とすることができる。典型的には、ワイヤ速度を10から15m/秒とすることができる。しかしながら、20m/秒、25m/秒、30m/秒など、より高いワイヤ速度が望ましいこともある。いくつかの実施形態によれば、ワイヤの移動が一方向だけ、すなわち常に順方向である。他の実施形態によれば、ワイヤの移動が逆方向への移動を含むことができ、具体的には、この移動を、ワイヤの移動方向が繰り返し変更されるワイヤの前進/後退とすることができる。
所望のワイヤ速度でワイヤを繰り出すために、未使用のワイヤを供給する供給スプール326は、毎分最大数千回転の回転速度で回転する。例えば、ワイヤを繰り出すために1000から2000rpmを提供することができる。
本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせることができる実施形態では、ワイヤが、装置のタイプによって異なる直径を有することができる。スクエアラに関連する一実施形態では、ワイヤの直径を約250μmから約450μm、例えば300μmから350μmとすることができる。ウエハ切削ワイヤソーに関連する一実施形態では、ワイヤの直径を80μmから180μm、より典型的には120μmから140μmとすることができる。
本明細書に記載された他の実施形態と組み合わせることができる他の実施形態によれば、切削に使用するワイヤがダイヤモンドワイヤである。ダイヤモンドワイヤを使用することにより、従来の鋼ワイヤに比べてスループットを2倍以上に高めることができる。移動しているワイヤに対してのこ引きする材料を移動させる速度を材料送りレートと呼ぶことがある。本明細書に記載された実施形態における材料送りレートは、ウエハ切削ワイヤソーに関しては2μm/秒から20μm/秒、典型的には約6μm/秒から10μm/秒とすることができ、スクエアラに関連する実施形態に関しては10μm/秒から50μm/秒、典型的には28μm/秒から36μm/秒とすることができる。あるいは、本明細書に記載された実施形態における材料送りレートを、ウエハ切削ワイヤソーに関しては20μm/秒超、スクエアラに関連する実施形態に関しては50μm/秒超とすることもできる。
ワイヤソー全体を一巡した後、ワイヤは通常、のこ引きプロセス前のワイヤの最初の直径に比べて細い直径でワイヤソーの作業領域を出る。ワイヤの摩耗はプロセスに依存する。具体的には、切削レートが高いほど、その結果としてワイヤの温度は高くなり、ワイヤの摩耗は大きくなる。さらに、ワイヤは、のこ引き中に摩損が起こるインゴットの内部で、すなわち典型的にはウエハの内部で加熱される。このように、インゴットを切断している間にワイヤは熱くなる。インゴットを出ると、スラリ、空気、案内シリンダまたは他のワイヤガイドなどのインゴットの周囲と熱を交換することによって、ワイヤは冷える。その結果として、切削プロセス中に、切削ワイヤの直径、したがって切削ワイヤの機械特性が時間および温度の関数として変化すると、切削プロセス中に、ワイヤによってインゴットに作用する切削力、したがってワイヤの摩損特性が変化し、その結果、インゴットの切削面が不均質となり、望ましくない。
したがって、図5を例として参照して本明細書に記載した実施形態は、切削プロセス中にインゴット317に作用している力を測定する能力を有するインゴット送りシステム300を含むワイヤソー100を提供する。具体的には、このインゴット位置決めステムは、運動学的機構構造体350と、運動学的機構構造体の少なくとも一部分を移動させる少なくとも1つのアクチュエータ352と、運動学的機構構造体にインゴットを結合する支持テーブル312と、運動学的機構構造体350に作用している力を測定する少なくとも1つのセンサ401、402とを含む。したがって、運動学的機構構造体に作用している力を測定することによって、切削プロセス中に切削ワイヤを介してインゴットに伝達されている力に関する情報を得ることができる。
本明細書に記載された典型的な実施形態によればさらに、切削中の切削プロセスパラメータの力フィードバック制御にこの情報を使用して、一定の再現可能な切削結果を保証することもできる。
したがって、閉ループ切削プロセス制御を可能にする力ベースの制御アルゴリズムを使用することができる。それによって、本明細書に記載された実施形態によれば、選択可能な力プロファイルに従って、切削力を、切削プロセスの全期間にわたって、インゴットの位置の関数および/または切削プロセスの時間進捗の関数として制御することができる。
例えば、切削プロセスの全体を通じて切削力が実質上変化しないように、切削力を制御することができる。あるいは、例えばワイヤソーのワイヤがインゴットの中を前進するにつれて切削力が増大または低減するように、切削プロセスを制御することもできる。さらに、本明細書に記載された実施形態によれば、切削力を、インゴット位置、インゴットの向き、インゴット送り速度、ワイヤ速度、ワイヤ温度、ワイヤ張力、冷却剤供給レート、冷却剤温度などの少なくとも1つの切削プロセスパラメータの関数として制御することができる。さらに、インゴットに作用している測定された力を、ワイヤ張力を制御するように構成されたワイヤソー制御システムに対する入力として使用することもできる。典型的には、ワイヤソーの実施形態は、切削プロセスパラメータを測定する追加のセンサ、例えばワイヤの温度を測定する温度センサなどを含むことができる。
あるいは、実施形態によれば、弓形測定システムによって取得したデータを使用して、切削中に切削力を制御することができる。典型的には、この弓形測定システムは、のこ引きする材料片内のワイヤ部分の弓形を測定、監視するように構成される。実施形態によれば、弓形測定システムは、切削プロセスパラメータを制御するコントローラに接続される。典型的には、このコントローラは、弓形測定データを使用して切削力を制御する。切削力は、インゴット位置、インゴットの向き、インゴット送り速度、ワイヤ速度、ワイヤ温度、ワイヤ張力、冷却剤供給レート、冷却剤温度などの少なくとも1つの切削プロセスパラメータの関数として制御することができる。
図4は、本明細書に記載された実施形態に基づくインゴット送りシステムを含むワイヤソー装置の透視図を示す。図4に例示的に示すように、送りシステム300は、直線運動学的機構構造体350と、運動学的機構構造体350を介して直線運動を生み出すアクチュエータの働きをするモータ315と、運動学的機構構造体に作用している力を測定する複数のセンサ401、402、403、404、405とを含む。典型的には、こ運動学的機構構造体に作用する力は、切削中にインゴット317に作用している力が運動学的機構構造体内へ伝わることによって生じる。インゴットは、取付板376などの一時的な支持体によってインゴットを支持テーブル312上に取り付けることによって運動学的機構構造体350に結合される。
図4に示すように、直線運動学的機構構造体350はねじ原理に基づく。具体的には、運動学的機構構造体のねじシャフトを駆動することができるようにモータ315が配置される。図4に例示的に示すように、ねじシャフトは、運動学的機構構造体の別の要素に接続された対応するナットとかみ合っており、この別の要素は、直線方向に移動することができるように配置されている。典型的には、図4に示すように、この別の要素がエルボ(elbow)要素として構成される。このエルボ要素は、ワイヤソーのフレームに、典型的には切削方向の軸に沿った並進運動、典型的には垂直移動を実現することができるように接続される。典型的には、エルボ要素とフレームの間の接続は、スライド(slide)機構を使用することによって実現される。
一般に、ワイヤソーのフレーム305に案内レールを取り付けることができ、運動学的機構構造体の別の要素、例えばエルボ要素に、対応するスライド要素(図示せず)を取り付けることができる。典型的には、これらの要素は、切削方向の軸に沿った運動学的機構構造体の案内された移動を実現するために使用される。典型的には、少なくとも2本の案内レール、および少なくとも2つ、典型的には4つのスライド要素が使用される。図4に例示的に示すように、典型的には、案内レールは、切削方向に対して平行に配置される。典型的には、ねじシャフトおよびスライド要素は、力、特に運動学的機構構造体に作用している力の分力を測定するセンサ401、402、403、404、405を備える。典型的には、スライド要素上に配置されたセンサが、FおよびFによって例示的に示された切削中に運動学的機構構造体に作用している力の水平分力を測定するように配置、構成される。対応して、典型的には、図4に示したセンサ405などの少なくとも1つのセンサが、Fによって例示的に示された切削中に運動学的機構構造体に作用している力の垂直分力を測定するように配置、構成される。図4に示した実施形態によれば、垂直力を測定するセンサがねじシャフト上に配置される。図4には具体的には示されてないが、切削中に運動学的機構構造体に作用している力の垂直および水平分力を測定するのに適した運動学的機構構造体の他の位置に、センサを配置することもできる。例えば、支持テーブル312および/または取付板376および/または案内レール上に力センサを配置することができる。
図5は、本明細書に記載された実施形態に基づくインゴット送りシステム300を含むワイヤソー装置の側面図を示す。インゴット送りシステム300は平行運動学的機構構造体350を含み、平行運動学的機構構造体350は、少なくとも1本の案内レール341と、第1の端部および第2の端部を有する少なくとも2本のアーム343と、前記少なくとも1本の案内レール341に沿った移動(アクチュエータの下の矢印によって示されている)を実現するように構成された、示された2つのリニアモータ342などの1つまたは複数のアクチュエータ352とを有する。
実施形態によれば、図5に例示的に示すように、運動学的機構構造体が、少なくとも2本のアームを含み、それぞれのアーム343が第1の端部および第2の端部を含む平行運動学的機構構造体である。
本明細書に記載された実施形態に基づく平行運動学的機構構造体を含むインゴット位置決めシステムの効果は、切削平面内におけるインゴットの並進運動および典型的には切削平面に対して垂直な回転軸を中心とした回転運動を可能にすることである。これによって、ワイヤソーのワイヤに対するインゴットの向きなどの開始および/または完了条件に対する切削プロセスの柔軟性を提供することができる。さらに、切削長、すなわちワイヤがインゴットと接触する長さを制御することもできる。具体的には、ワイヤとインゴットが接触する長さは、切削中に運動学的機構構造体内で測定されるインゴットに作用している力の関数としてインゴットを位置決めすることによって、例えばインゴットを回転させることによって制御することができる。
実施形態によれば、運動学的機構構造体は、少なくとも切削平面内におけるインゴットの並進運動を可能にするように構成される。典型的には、切削平面は切削方向を含む。あるいは、運動学的機構構造体は、並進運動および/または回転運動を可能にするように構成される。典型的には、回転運動は、切削平面に対して垂直な回転軸を軸に実行される。典型的には、切削平面の向きは、切削プロセスの全体を通して変化しない。典型的には、切削平面の向きはワイヤソーのワイヤの向きと一致する。
本明細書に記載された実施形態によれば、この回転軸をインゴット内に配置することができる。あるいは、例えば運動学的機構構造体によってインゴットの揺動運動が実行されるときには、回転軸をインゴットの外側に配置することができる。実施形態によれば、切削平面に対して垂直な回転軸の位置を、切削プロセス中に変化させることができる。本明細書に記載された他の典型的な実施形態によれば、運動学的機構構造体が、典型的には切削平面に対して垂直である2つの回転軸を軸とした2つの回転移動、例えば、例えばインゴットの揺動運動の場合のインゴットの外側に位置する第1の回転軸を軸とした第1の回転運動と、例えばインゴットをピボット回転またスピン回転させる場合のインゴットの内側に位置する第2の回転軸を軸とした第2の回転運動とを可能にするように構成される。
実施形態によれば、図5に例示的にされているとおり、前記少なくとも2本のアームが、回転軸に対して両側に配置され、前記少なくとも2本のアームの第1の端部が、ピン継手(hinged joint)を介して支持テーブルに接続される。図5には示されてはいないが、本明細書に記載された実施形態によれば、典型的には、運動学的機構構造体が、少なくとも1つのスライド部をさらに含み、前記少なくとも2本のアームの第2の端部が、典型的には、ピン継手によって前記少なくとも1つのスライド部に接続される。本明細書に記載された実施形態によれば、図8に例示的に示されているように、このスライド部がレールによって案内される。
典型的には、アクチュエータが、前記少なくとも1本の案内レール341に沿ってそれぞれが別々に動くことができるように構成される。典型的には、図5に示されているように、前記少なくとも2本のアーム343の第1の端部が、例えばピン継手によって支持テーブル312に回転可能に接続され、前記少なくとも2本のアーム343の第2の端部が、例えばピン継手によってアクチュエータ352に回転可能に接続される。したがって、アクチュエータを動かすことによって、アーム343および支持テーブル312を移動させることができ、したがって例えば取付板376によって支持テーブルに接続されたインゴット317を移動させることができる。例えば、両方のアクチュエータが中心に向かって移動しているとき、インゴットは、図5では下方へ、具体的にはワイヤソーのワイヤに向かって押し下げられる。両方のアクチュエータが中心に向かって同じ速度で移動している場合には、切削方向の純粋な並進運動を実現することができる。対応して、2つのアクチュエータのうちの一方のアクチュエータがもう一方のアクチュエータに比べてより速くまたはより遅く移動する場合には、インゴットの回転運動、例えば図5に示された角度θの回転を実現することができる。したがって、アクチュエータ352の互いに対する相対運動およびアクチュエータ352のレール341に対する相対運動を使用して、インゴット317をZ方向に移動させ、かつ/または例えばワイヤ323の層に対してある角度にインゴット317を傾けることができる。のこ引きプロセスの初期段階中にインゴット317の角度θまたはワイヤ(1本または数本)323に対するインゴット317の傾斜を変化させることができることは、インゴット317を横切ってスロット332(図3参照)を均一に形成することを可能にするために重要であることがある。対照的に、ワイヤ323に対してインゴットの表面全体を一度に押し付けることによって、ワイヤガイド321、322上に形成されたワイヤ案内溝からワイヤが外れたり、かつ/またはワイヤが破断したりすることが起こりうる。
さらに、2つのアクチュエータのうちの少なくとも一方を前後に移動させることによって、インゴットの揺動運動を実現することができる。典型的には、揺動運動は回転運動を含む運動であり、典型的には回転軸が、揺動する物体の内側または外側にあり、揺動運動中に回転軸が変化することがある。典型的には、揺動運動は、ある軌道に沿った前後運動である。
典型的な実施形態によれば、図5に示したものなどの平行運動学的機構構造体350は、切削方向を含むある平面内において、例えば図5に示したx−z平面などの垂直な平面内において、インゴットを位置決めする能力を有する。あるいは、切削方向を含むこの平面は、ワイヤ323の向きに対して平行な平面である。さらに、図2および図4に示した送りシステムの実施形態と同様に、図5の送りシステムの実施形態は、ウエハの切削中に運動学的機構構造体に作用している力を測定する少なくとも2つのセンサを含む。
典型的には、それらのセンサは、平行運動学的機構構造体のアーム343上に配置される。典型的には、一部のセンサ、例えばセンサ401および402が、アーム343内へ伝達された力を測定することができるように構成、配置される。典型的には、アーム343は、アームの第1および第2の端部において回転可能に接続されるため、アーム内へ伝達される力の方向は実質的に、アーム343の縦方向の延長の方向だけである。
図5には具体的には示されていないが、それらのセンサは、ウエハの切削中に運動学的機構構造体に作用している力の垂直および水平分力を測定するのに適した運動学的機構構造体の他の位置に配置することもできる。例えば、力センサは、支持テーブル312および/または取付板376および/または案内レール341上に配置することができる。
図6は、インゴット送りシステム300の他の実施形態を示すワイヤソー装置の側面図を示す。図5に示した実施形態と比べると、図6の実施形態は、インゴット送りシステム350が、ベースプレート313に結合されたバーの2つの「2バー式リンク機構」を含む点が異なる。さらに、2バー式リンク機構をそれぞれ別々に動かすように構成された1つまたは複数のアクチュエータ352が提供される。典型的には、図6に示すように、アクチュエータが、2バー式リンク機構の内側関節継手に対して作用する。典型的には、2つの「2バー式リンク機構」のそれぞれの第1の端部が、例えばピン継手によって支持テーブル312に回転可能に接続され、2つの「2バー式リンク機構」のそれぞれの第2の端部が、例えばピン継手によってベースプレート313に回転可能に接続される。したがって、2バー式リンク機構の内側関節継手をアクチュエータによって移動させることによって、支持テーブル312を移動させることができ、したがって例えば取付板376によって支持テーブルに接続されたインゴット317を移動させることができる。例えば、両方のアクチュエータが、2バー式リンク機構の内側関節継手を中心に向かって移動させているとき、インゴットは、図6では下方へ、具体的にはワイヤソーのワイヤに向かって押し下げられる。両方のアクチュエータが、2つの2バー式リンク機構の内側関節継手を中心に向かって同じ速度で移動させている場合には、切削方向の純粋な並進運動を実現することができる。対応して、2つのアクチュエータのうちの一方のアクチュエータがもう一方のアクチュエータに比べてより速くまたはより遅く移動する場合には、インゴットの回転運動、例えば図6に示された角度θの回転を実現することができる。したがって、それぞれのアクチュエータ352によって加えられた運動に起因する2バー式リンク機構の相対運動を使用して、インゴット317をZ方向に移動させ、さらにワイヤ323の層319に対してインゴット317を傾けることができ、このことは、図5に示した実施形態に関して例示的に論じたように重要であることがある。
さらに、本明細書に記載された送りシステムの他の実施形態と同様に、図6に示した送りシステムの実施形態は、ウエハの切削中に運動学的機構構造体に作用している力を測定するセンサ401、402、403、404を含む。典型的には、それらのセンサは、平行運動学的機構構造体の2つの「2バー式リンク機構」のそれぞれのアーム343上に配置される。典型的には、それらのセンサは、アーム343内へ伝達された力を測定することができるように構成、配置される。図6には具体的には示されていないが、それらのセンサは、ウエハの切削中に運動学的機構構造体に作用している力の垂直および水平分力を測定するのに適した運動学的機構構造体の他の位置に配置することもできる。例えば、力センサは、支持テーブル312および/または取付板376および/またはベースプレート313上に配置することができる。
図7は、インゴット送りシステム300の他の実施形態を含むワイヤソー装置100の透視図を示す。図7に例示的に示すように、送りシステム300は、第1の端部および第2の端部を有する3本のアーム343としての平行運動学的機構構造体350と、2つ以上のアクチュエータ352とを含む。図7に示すように、アームの第1の端部は、例えばピン継手によって支持テーブル312に回転可能に接続され、アームの第2の端部は、例えばピン継手によってアクチュエータ352に回転可能に接続される。図示されていない実施形態によれば、平行運動学的機構構造体は4本のアームを含むことができ、2本のアームは支持テーブルの左側に配置され、残りの2本のアームは支持テーブルの右側に配置される。
典型的には、それらのアクチュエータは、並進運動軸、典型的には垂直軸に沿った移動を実現するように構成される。典型的には、それらのアクチュエータは、ワイヤソーのフレーム305上に配置された案内レール(図示せず)によって案内され、案内レールは、典型的には、切削方向の軸、特に垂直方向の軸に沿って配置される。さらに、それらのアクチュエータは、それぞれのアクチュエータが別々に動くことができるように構成される。したがって、アクチュエータ352を移動させることによって、アーム343および支持テーブル312を移動させることができ、したがって例えば取付板376によって支持テーブルに接続されたインゴット317を移動させることができる。
例えば、3つの全てのアクチュエータが同じ方向へ同じ速度で移動しているとき、インゴットは、図7では下方へ、具体的にはワイヤソーのワイヤに向かって、典型的には切削方向の軸に沿って押し下げられる。少なくとも1つのアクチュエータが、残りのアクチュエータに比べて異なる速度でおよび/または異なる方向へ移動している場合には、インゴットの回転運動、例えば図5および6に示した実施形態と同様の回転を実現することができる。したがって、アクチュエータの互いに対する相対運動およびアクチュエータのレールに対する相対運動を使用して、インゴット317を切削平面内で、例えば図7のz−x平面内で移動させ、かつ/または例えばワイヤ323の層に対してある角度にインゴット317を傾けることができ、このことは、図5に示した実施形態に関して例示的に論じたように重要であることがある。
さらに、図7に示すように、支持テーブルは、典型的には、プリズム状部品を含み、このプリズム状部品の長方形の1つの表面がベース部分を形成し、典型的にはこのベース部分が取付板376を含み、ベース部分の反対側には先端部分が位置する。典型的には、図7に示すように、3本のアーム343のうちの1本のアームが、プリズム状部品の先端部分に回転可能に接続され、残りの2本のアームが、プリズム状部品のベース部分、具体的にはベース部分の反対側に回転可能に接続される。典型的には、プリズム状部品のベース部分に回転可能に接続された2本のアームのうちの1本のアームは、ベース部分に回転可能に接続された反対側のもう一方のアームに比べてより大きな横方向の延長を有する。それによって、運動学的機構構造体のより高い剛性を実現することができる。
さらに、本明細書に記載された送りシステムの他の実施形態と同様に、図7に示された送りシステムの実施形態は、ウエハの切削中に運動学的機構構造体に作用している力を測定するセンサ401、402、403、404を含む。典型的には、図7に示されたセンサ401および402など一部のセンサを、平行運動学的機構構造体のそれぞれのアーム343上に配置することができる。あるいは、センサ401、402、403、404は、F、FおよびFによって例示的に示されたアーム343内へ伝達された力を測定することができるように構成、配置される。プリズム状部品のベース部分に回転可能に接続された2本アームのうちの一方のアームが、ベース部分に回転可能に接続された反対側のもう一方のアームに比べてより大きな横方向の延長を有する図7に示すような一実施形態では、より大きな横方向の延長を有するアームが、典型的には、2つ以上のセンサを含む。図7には具体的には示されていないが、それらのセンサは、ウエハの切削中に運動学的機構構造体に作用している力の垂直および水平分力を測定するのに適した運動学的機構構造体の他の位置に配置することもできる。例えば、力センサは、支持テーブル312および/または取付板376上に配置することができる。
図8は、実施形態に基づくインゴット送りシステムの透視図を示す。図8に示すように、送りシステム300は、平行運動学的機構構造体350と、第1の端部および第2の端部を有する3本のアーム343と、2つ以上のアクチュエータ352とを含む。図8の実施形態によれば、2本のアームがフレーム構造として構成され、残りのアームが、伸長/収縮アームとして構成される。典型的には、図8に示すように、アーム343の第1の端部が、例えばピン継手によって支持テーブル312に回転可能に接続され、アーム343の第2の端部が、典型的にはピン継手によってスライド部に回転可能に接続される。
典型的には、それらのスライド部は、並進運動軸、典型的には垂直軸に沿った移動を実現するように構成されたアクチュエータを備える。典型的には、それらのアクチュエータは、ワイヤソーのフレーム305上に配置された案内レール341によって案内され、案内レールは、典型的には、切削方向の軸、特に垂直方向の軸に沿って配置される。さらに、それらのアクチュエータは、それぞれのアクチュエータが別々に動くことができるように構成される。したがって、アクチュエータ352を移動させることによって、アーム343および支持テーブル312を移動させることができ、したがって例えば取付板376によって支持テーブルに接続されたインゴット317を移動させることができる。例えば、スライドアクチュエータ(図示せず)が、スライド部を、例えば図8に関して下方または上方の同じ方向へ、同じ速度で移動させると、インゴットをそれぞれ、ワイヤソーのワイヤに向かって押し下げ、またはワイヤソーのワイヤから遠ざかるように上方へ移動させることができる。少なくとも1つのスライドアクチュエータが、残りのスライドアクチュエータに比べて異なる速度でおよび/または異なる方向へ移動している場合には、インゴットの回転運動、例えば図5〜7に示した実施形態と同様の回転を実現することができる。したがって、スライドアクチュエータの互いに対する相対運動およびスライドアクチュエータのレールに対する相対運動を使用して、インゴット317を切削平面内で移動させ、かつ/または例えばワイヤ323の層に対してある角度にインゴット317を傾けることができ、このことは、図5に示した実施形態に関して例示的に論じたように重要であることがある。
さらに、図8に示した送りシステムの実施形態によれば、伸長/収縮アームが、伸長/収縮アームを伸長および収縮させる能力を有するアクチュエータを含む。それによって、伸長/収縮アームの単純な伸長または収縮によってインゴットの回転運動を実現することもできる。典型的には、伸長/収縮アームは、インゴットを傾けたり、またはスピン回転させたりするために使用される。
さらに、図8に示した送りシステムの実施形態は、インゴットの切削中に運動学的機構構造体に作用している力を測定するセンサ(図示せず)を含む。典型的には、それらのセンサは、平行運動学的機構構造体のそれぞれのアーム上に配置される。典型的には、それらのセンサは、アーム内へ伝達された力を測定することができるように構成、配置される。フレーム構造を有する2本のアームが提供された図8に示すような実施形態では、それぞれのフレーム構造上に、典型的には2つ以上の力センサが配置される。しかしながら、力センサは、ウエハの切削中に運動学的機構構造体に作用している力の垂直および水平分力を測定するのに適した、図8に示した運動学的機構構造体の他の位置に配置することもできる。さらに、力センサは、支持テーブル312および/または取付板376上に配置することもできる。
図9は、切削中にインゴットを送る方法の一実施形態を示す。典型的には、切削中にインゴットを送るこの方法は、運動学的機構構造体を使用することによってワイヤソーにインゴットを送るステップ501と、切削中にインゴットに作用している力を、運動学的機構構造体内の力を測定することによって監視するステップ502と、監視された力に基づいて、少なくとも1つの切削プロセスパラメータを制御するステップ503とを含む。典型的には、本明細書に記載された実施形態に基づく送りシステムが、切削中にインゴットを送るこの方法の典型的な実施形態を実施するために使用される。ワイヤソーにインゴットを送るステップは一般に、ワイヤソーのワイヤに向かってインゴットを押し付けるステップを含む。
切削中、特にウエハの切削中にインゴットを送るこの方法の実施形態によれば、ワイヤソーにインゴットを送るステップが、インゴットの交互運動、特に揺動運動を含む。
さらに、切削中にインゴットを送るこの方法の実施形態によれば、インゴットに作用している力を監視するステップが、この力を、少なくとも1つのセンサによってまたは少なくとも1つのアクチュエータによって生成された信号に基づいて測定するステップを含む。典型的には、生成された信号は、力フィードバック制御を使用することによって切削プロセスパラメータを制御するコントローラに送られる。典型的には、送られた信号は、対応するそれぞれの力測定データを計算するためにコントローラによって処理される。典型的には、運動学的機構構造体に作用している力のリアルタイムオンライン監視、したがってのこ引きプロセス中にインゴットに作用している力のリアルタイムオンライン監視が、コントローラによって実行される。
切削中にインゴットを送るこの方法の実施形態によれば、少なくとも1つの切削プロセスパラメータを制御するステップは閉ループ制御を含む。典型的には、前記少なくとも1つの切削プロセスパラメータが、インゴット位置、および/またはインゴットの向き、および/またはインゴット送り速度、および/またはワイヤ速度、および/またはワイヤ温度、および/またはワイヤ張力、および/または冷却剤供給レート、および/または冷却剤温度を含む。
100 ワイヤソー装置
300 インゴット送りシステム
305 フレーム
310 アクチュエータアセンブリ
311 カラム
312 支持テーブル
313 ベースプレート
315 モータ
317 インゴット
318 のこ引き区域
319 ワイヤの層
321 ワイヤガイド
322 ワイヤガイド
323 ワイヤ
324 ワイヤ
325 ワイヤ
326 供給スプール
327 巻取りスプール
331 スライス
332 スロットまたはのこ引きギャップ
341 案内レール
342 リニアモータ
343 アーム
344 スライド部
350 運動学的機構構造体
352 アクチュエータ
376 取付板
401 センサ
402 センサ
403 センサ
404 センサ
405 センサ
水平分力
水平分力
垂直分力

Claims (15)

  1. ワイヤソー装置(100)用のインゴット送りシステム(300)であって、
    運動学的機構構造体(350)と、
    前記運動学的機構構造体(350)の少なくとも一部分を移動させる少なくとも1つのアクチュエータ(352)と、
    前記運動学的機構構造体(350)にインゴット(317)を結合する支持テーブル(312)と、
    前記運動学的機構構造体(350)に作用している力を測定する少なくとも1つのセンサ(401、402、403、404、405)と
    を備えるインゴット送りシステム(300)。
  2. 前記送りシステムは、力フィードバック制御を使用することによって切削プロセスパラメータを制御すること、および前記運動学的機構構造体(350)に作用している前記力を監視することのうちの少なくとも一方を実行するコントローラをさらに備える、請求項1に記載のインゴット送りシステム(300)。
  3. 前記切削プロセスパラメータが、前記インゴット(317)の位置、インゴット送り速度、ワイヤ速度、冷却剤供給レートおよび冷却剤温度のうちの少なくとも1つを含む、請求項2に記載のインゴット送りシステム(300)。
  4. 前記少なくとも1つのセンサ(401、402、403、404、405)が力センサ、特に歪みゲージセンサである、請求項1ないし3のいずれか一項に記載のインゴット送りシステム(300)。
  5. 前記運動学的機構構造体(350)が、第1の端部および第2の端部をそれぞれが含む少なくとも2本のアーム(343)を備えた平行運動学的機構構造体である、請求項1ないし4のいずれか一項に記載のインゴット送りシステム(300)。
  6. 前記運動学的機構構造体(350)が、切削方向を含む切削平面内における前記インゴット(317)の並進運動と、前記切削平面に対して垂直な回転軸(318)を中心とした回転運動とのうちの少なくとも一方を可能にするように構成されている、請求項1ないし5のいずれか一項に記載のインゴット送りシステム(300)。
  7. 前記少なくとも2本のアーム(343)が、前記回転軸(318)に対して両側に配置されており、前記少なくとも2本のアーム(343)の前記第1の端部が、ピン継手によって前記支持テーブル(312)に接続されている、請求項5に記載のインゴット送りシステム(300)。
  8. 前記運動学的機構構造体が少なくとも1つのスライド部(344)をさらに備え、好ましくは前記少なくとも2本のアーム(343)の前記第2の端部がピン継手によって前記少なくとも1つのスライド部(344)に接続されている、請求項6または7に記載のインゴット送りシステム(300)。
  9. 前記スライド部(344)がレール(341)によって案内される、請求項8に記載のインゴット送りシステム(300)。
  10. 少なくとも2つのワイヤ案内シリンダ(312、322)と、請求項1ないし9のいずれか一項に記載のインゴット送りシステム(300)とを備えるワイヤソー装置(100)。
  11. インゴットを送る方法であって、前記方法は、
    a)運動学的機構構造体を使用することによってワイヤソーにインゴットを送ること(501)と、
    b)切削中にインゴットに作用している力を、前記運動学的機構構造体内の力を測定することによって監視すること(502)と、
    c)監視された前記力に基づいて、少なくとも1つの切削プロセスパラメータを制御すること(503)と
    を含む方法。
  12. 前記ワイヤソーに前記インゴットを送ることが、前記インゴットの交互運動、特に揺動運動を含む、請求項11に記載のインゴットを送る方法。
  13. 前記インゴットに作用している力を監視することが、前記力を、少なくとも1つのセンサによってまたは少なくとも1つのアクチュエータによって生成された信号に基づいて測定することを含む、請求項11または12に記載のインゴットを送る方法。
  14. 前記少なくとも1つの切削プロセスパラメータを制御することが閉ループ制御を含む、請求項11ないし13のいずれか一項に記載のインゴットを送る方法。
  15. 前記少なくとも1つの切削プロセスパラメータを制御することが、切削中に切削方向に対して垂直な平面に対して前記インゴットを位置決めすることと、インゴット送り速度を制御することと、ワイヤ速度を制御することと、冷却剤供給レートを制御することと、冷却剤温度を制御することとのうちの少なくとも1つを含む、請求項11ないし14のいずれか一項に記載のインゴットを送る方法。
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