JP2010207978A - 切断ワイヤーとワークとの位置決め方法、及びその方法を用いた位置決め角度検出治具付きワイヤーソー - Google Patents
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Abstract
【課題】切断ワイヤーに対するワーク基準面の平行度及び垂直度の調整誤差を少なくし、且つ切断ワイヤーに対するワークの位置決め作業時間を大幅に短縮する。
【解決手段】位置決め角度検出治具の制御部は、Y軸ステージ24の移動量x1と、X軸ステージ23から切断ワイヤー1までの二つの長さy1,y2の差とにより、角度θ1を算出し、Y軸ステージ24の移動量x2と、X軸ステージ23からワーク3までの二つの長さy3,y4の差とにより、傾き角度θ2を算出した後、角度θ1,θ2から、切断ワイヤー1に対するワーク3の水平方向の傾き角度θ3を算出する。更に、制御部は、ワーク3の2点間の長さと、X軸ステージ23からそれらの2点までの長さの差とから、切断ワイヤー1に対するワーク3の垂直方向の傾き角度θ4を算出する。そして、回転ステージ8とゴニオステージ7により、上記の傾き角度θ3,θ4だけ、ワーク3の姿勢を調整する。
【選択図】図3
【解決手段】位置決め角度検出治具の制御部は、Y軸ステージ24の移動量x1と、X軸ステージ23から切断ワイヤー1までの二つの長さy1,y2の差とにより、角度θ1を算出し、Y軸ステージ24の移動量x2と、X軸ステージ23からワーク3までの二つの長さy3,y4の差とにより、傾き角度θ2を算出した後、角度θ1,θ2から、切断ワイヤー1に対するワーク3の水平方向の傾き角度θ3を算出する。更に、制御部は、ワーク3の2点間の長さと、X軸ステージ23からそれらの2点までの長さの差とから、切断ワイヤー1に対するワーク3の垂直方向の傾き角度θ4を算出する。そして、回転ステージ8とゴニオステージ7により、上記の傾き角度θ3,θ4だけ、ワーク3の姿勢を調整する。
【選択図】図3
Description
本発明は、ワイヤーソーによって、例えば、サファイア単結晶や磁性体材料などのワークを同時に複数に切断する場合において、切断前に、切断ワイヤーとワークとの位置決めを行う方法、及びその方法を用いるのに適した位置決め角度検出治具付きワイヤーソーに関する。
ワイヤーソーによる1回の切断で、一つのワークから、同じ形状をした複数の部材を同時に製作する典型例としては、単結晶から半導体基板用のウエハーを製作する場合があるが、そのような加工を行う場合は、予め、切断ワイヤーとワークとの相対位置関係を正確に決めておく必要がある。ところが、ワイヤーソーに単結晶を取り付ける前に、結晶方位を合わせる方法と、そのために用いる専用の装置(治具)については、下記の特許文献1で知られているが、ワイヤーソーに単結晶を取り付けた後、単結晶の一方の端面を基準面とし、切断面がその基準面と平行になるようにするために、切断ワイヤーと単結晶との相対的な位置決めを行う方法については、いろいろと試行錯誤を重ねながら行っているのが実情であって、公には優れた方法が知られていない。
そこで、そのような従来の位置決め方法の一例を、図4〜図6を用いて説明する。先ず、図4を用いて、ワイヤーソーによる周知の切断方法を説明しておく。切断ワイヤー1は、図示していない一方のワイヤーボビンから送り出され、水平に配置されている二つの溝付きローラー2,2´間を複数回周回してから、図示していない他方のワイヤーボビンに巻き取られるようになっている。明示されていないが、溝付きローラー2,2´の外周には、各々、その軸方向に所定の間隔で複数の溝が形成されており、切断ワイヤー1は、それらの溝によって各々の溝付きローラー2,2´に対する位置規制が行われているので、二つの溝付きローラー2,2´間での走行経路は平行になっている。
他方、単結晶である円柱状のワーク3は、その端面をワーク基準面3aとしていて、ワーク接着治具4に接着されており、そのワーク接着治具4は、ワーク3を接着してから、後述する昇降装置5に着脱可能に取り付けられている。そして、ワーク3の切断は、溝付きローラー2,2´を回転させて切断ワイヤー1を走行させておき、昇降装置5によりワーク3を下降させることによって行われる。尚、図4においては、ワーク3は、切断ワイヤー1によって、同時に複数のウエハーに切断されている途中の状態と、切断後、上方へ戻された状態との両方が示されている。
次に、図5を用いて、切断ワイヤー1とワーク3との相対的な位置決めを行うために、ワイヤーソー本体に取り付けられている従来の角度検出治具を、ワイヤーソー本体側の関連構成と併せて説明する。上記の昇降装置5は、ワーク接着治具4を着脱するためのワークホルダー6と、ゴニオステージ7と、回転ステージ8とを備えている。また、ワイヤーソーの本体フレーム9は、そのような昇降装置5や上記の溝付きローラー2,2´などを取り付けているほか、角度検出治具を設置するための台座10を取り付けている。
角度検出治具は、台座10の上に順に配置されているZ軸ステージ11,回転ステージ12,Y軸ステージ13,X軸ステージ14,拡大鏡15からなっていて、拡大鏡15の対物レンズ15aと接眼レンズ15bの間の鏡筒には、取付け具を介してダイヤルゲージ16を取り付けている。そして、対物レンズ15aは、溝付きローラー2,2´の間において、周回経路の内側から(ワーク3とは反対側から)切断ワイヤー1に対向させられ、図6(a)の各図において、一番手前の経路上にある切断ワイヤー1を観察できるようにしている。尚、図5の右上方には、接眼レンズ15bによる切断ワイヤー1の観察状態が示されている。
次に、ワーク3を切断する前に行う、切断ワイヤー1とワーク3との相対的な位置決め方法を、図5及び図6を用いて説明する。先ず、図6の左列の一番上の図に示されているように、拡大鏡15をX軸ステージ14の右端に移動させておき、接眼レンズ15bを覗きながらX軸ステージ14をY軸ステージ13上で移動させ、一番手前の(図6の各図における一番下の)経路上にある切断ワイヤー1が、対物レンズ15aの中央(即ち、接眼レンズ15bの中央)を通るようになったところで停止させる。
その後、図6の左列の真中の図に示されているように、拡大鏡15をX軸ステージ14の左端に移動させておき、図6の左列の一番下の図に示されているように、接眼レンズ15bを覗きながら回転ステージ12によって、Y軸ステージ13とX軸ステージ14とを一緒に回転させ、図においては一番下の経路上にある切断ワイヤー1が、対物レンズ15aの中央を通るようになったところで停止させる。それによって、X軸ステージ14が、切断ワイヤー1と平行になる。
次に、予め、昇降装置5やZ軸ステージ11を用いて、図5の上下方向におけるワーク3とダイヤルゲージ16との位置合わせをしておいた状態で、図6の右列の上二つの図に示されているように、一方では、Y軸ステージ13上でのX軸ステージ14の移動と、X軸ステージ14上での拡大鏡15の移動とを行わせ、他方では、昇降装置5の回転ステージ8を回転させることによって、ワーク基準面3aに接触したダイヤルゲージ16の計測値が、ワーク基準面3aの水平方向の略両端位置で差がなくなるまで、ワーク3の水平方向の角度調整を行う。図6の右列の一番下の図は、そのようにして、ワーク3の水平方向の角度調整が終了した状態を示している。
また、ワーク基準面3aの垂直方向の傾きを調整する場合、即ちワーク3の垂直方向の角度調整をする場合には、図5において、ダイヤルゲージ16をワーク基準面3aに接触させておき、ゴニオステージ7で傾き調整をしながら昇降装置5によってワーク3の上下動を繰り返させ、ワーク基準面3aの上下方向の略両端位置におけるダイヤルゲージ16の計測値に差がなくなったところで停止させる。それによって、全ての調整作業は終了する。
尚、図6の左列の各図では、ダイヤルゲージ16の図示が省略され、図6の右列の各図では、拡大鏡15の図示が省略されている。それによって、図6の右列の各図においては、ダイヤルゲージ16がX軸ステージ14上を移動する可動部に直接取り付けられているかのようにして示されているが、これは、あくまでも図面を見易くするために、便宜的に示したものに過ぎない。
ところが、上記のような従来の方法では、接眼レンズ15bの覗きかたによって、切断ワイヤー1に対してX軸ステージ14が平行にならず、実際には、4〜6分の角度誤差が生じてしまうという問題があるほか、接眼レンズ15bを覗いた状態で回転ステージ12を回転させる必要があることから、X軸ステージ14の位置決めのために15〜20分の時間を要してしまうという問題があった。また、ワーク3の水平方向の調整では、回転ステージ8によるワーク3の動作とX軸ステージ14上でのダイヤルゲージ16の動作とを、ダイヤルゲージ16の計測値を確認しながら行わなければならないし、垂直方向の調整も、ダイヤルゲージ16の計測値を確認しながら、昇降装置5によってワーク3を上下させたりゴニオステージ7を動作させたりしなければならないため、切断前の準備作業に大きな時間を要してしまうという問題があった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、切断前における、切断ワイヤーに対するワーク基準面の平行度及び垂直度の調整誤差を少なくし、且つ切断ワイヤーに対するワークの位置決め作業時間を大幅に短縮することを可能にした方法、及びその方法を用いるのに適した位置決め角度検出治具付きワイヤーソーを提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明の、ワイヤーソーにおける切断ワイヤーとワークとの位置決め方法は、ワークを、二つの溝付きローラー間で経路が平行になるように複数回周回走行させている切断ワイヤー上に下降させ、ワークの端面に形成された基準面と平行に複数個に切断するに際し、概ね切断ワイヤーの走行方向と平行なX軸ステージ上を移動するY軸ステージと、第1センサーと第2センサーとを取り付けていてY軸ステージ上を移動するY軸可動部と、X,Y軸ステージの動作制御と第1,第2センサーの検出結果による演算処理とを行う制御部と、を有する位置決め角度検出治具を用い、ワークを切断する前に、X軸ステージ上において所定の間隔を有する2点で、第1センサーが、所定の走行経路上にある切断ワイヤーの2点までの各々の長さを計測し、該所定の間隔と該二つの長さの差とから、X軸ステージに対する切断ワイヤーの傾き角度θ1を算出するプロセスと、X軸ステージ上において所定の間隔を有する2点で、第2センサーが、ワークの前記基準面の2点までの各々の長さを計測し、該所定の間隔と該二つの長さの差とから、X軸ステージに対するワークの傾き角度θ2を算出するプロセスと、上記の二つの傾き角度θ1,θ2から、切断ワイヤーに対するワークの水平方向の傾き角度θ3を算出するプロセスと、ワーク3と第2センサーを相対的に上下方向に移動させ、第2センサーが、X軸ステージから前記基準面の上下方向の2点までの各々の長さを計測し、該相対的な移動量と該二つの長さの差とから、ワークの垂直方向の傾き角度θ4を算出するプロセスと、を経て、上記の傾き角度θ3,θ4だけワークの姿勢を調整するようにする。
また、上記の目的を達成するために、前記の方法を用いるのに適した本発明の位置決め角度検出治具付きワイヤーソーは、一方のワイヤーボビンから送り出された切断ワイヤーが所定の二つの溝付きローラー間においては所定の間隔で平行になるようにして複数回周回走行させられたあと他方のワイヤーボビンへ巻き取られるように構成されていて該二つの溝付きローラー間でワークを同時に複数に切断するワイヤーソーが、該ワイヤーソーの本体フレームに、該ワークの被切断面を該ワークに形成されている基準面と平行にするために予め前記切断ワイヤーと前記ワークとの位置関係を調整するための位置決め角度検出治具を取り付けていて、該位置決め角度検出治具は、X軸アクチュエーターと、Y軸アクチュエーターと、前記Y軸アクチュエーターの可動部に取り付けられており所定の回数を周回しているところで前記二つの溝付きローラー間における前記切断ワイヤーの径方向の両端位置を検出するワイヤー検出センサーと、前記可動部に取り付けられていて前記ワークの前記基準面の位置検出を行うワーク基準面検出センサーと、前記ワイヤー検出センサーと前記ワーク基準面検出センサーとを移動させるのに要した前記XY2軸のアクチュエーターの移動量を取り込み前記切断ワイヤーと前記ワークとの調整角度を算出する制御部と、を備えているようにする。
本発明の、ワイヤーソーにおける切断ワイヤーとワークとの位置決め方法、及びその方法を用いた位置決め角度検出治具付きワイヤーソーによれば、切断前における、切断ワイヤーに対するワークの基準面の平行度及び垂直度の調整誤差が極めて小さくなり、しかも、切断ワイヤーに対するワークの位置決め作業時間が大幅に短縮できるという効果がある。
本発明の実施の形態を、図示した実施例によって説明する。尚、実施例は、上記した従来例と同様に、被切断物であるワークが、サファイア単結晶やシリコン単結晶などの円柱形をした単結晶の場合で説明するが、本発明によって切断されるワークは、それらのような単結晶に限定されず、磁性体材料など各種の材料であっても構わない。また、ワークの形状も、一端に基準面が形成されてさえいれば円柱形に限定されるものではない。
先ず、図1及び図2を用いて、本実施例の位置決め角度検出治具付きワイヤーソーの構成を説明するが、本実施例の場合には、ワイヤーソー本体側の構成は、上記の従来例の構成と実質的に同じである。そのため、その各構成部とワークには、上記の従来例の場合と同じ符号を付けておき、具体的な説明を省略する。
尚、図2は、図1の左側面図であって、上記の従来例を示した図5と同様に、一部を断面で示したものであるが、この図2の場合には、溝付きローラー2´に対する切断ワイヤー1の巻回状態が、左下方に拡大して示してあり、溝付きローラー2´の外周面に等間隔に形成されている複数の溝部2´aと、そこに巻回されている切断ワイヤー1の関係を理解できるようにしている。
このような構成のワイヤーソーにおいては、溝付きローラー2,2´を、ワークの加工(切断)仕様や切断ワイヤー1の種類などによって異なる仕様の溝付きローラーに交換することがあるし、磨耗などによって同じ仕様の新しい溝付きローラーに交換することもある。ところが、同じ仕様の溝付きローラーと交換する場合でも、フレーム本体9への取付け状態に差の生じることがある。また、異なる種類のワークを切断する場合はもちろんであるが、同じ種類の複数のワークを同じように切断する場合であっても、ワーク接着治具4に対するワーク3の接着状態や、ワークホルダー6に対するワーク接着治具4の取付け状態を均一に得ることは難しい。そのため、切断する前には、ワーク3ごとに、切断ワイヤー1との位置合わせを行うことが必要になる。
そこで次に、そのような位置合わせを行うために、ワイヤーソーの本体フレーム9に取り付けられている位置決め角度検出治具の構成を説明する。本実施例の位置決め角度検出治具は、ワイヤーソーの本体フレーム9に取り付けられた台座21に設置されており、その台座21から上方へ順に配置されているベース板22,X軸ステージ23,Y軸ステージ24,Y軸可動部25,センサーホルダー26,センサーホルダー27からなっている。そして、Y軸ステージ24は、X軸ステージ23に設けられた電磁アクチュエーターによってX軸ステージ23上を移動可能であり、また、Y軸可動部25は、Y軸ステージ24に設けられた電磁アクチュエーターの可動部であって、Y軸ステージ23上を移動可能になっている。
また、センサーホルダー26,27は、Y軸可動部25に固定されており、一方のセンサーホルダー26の先端には、ワイヤー検出センサー28が取り付けられ、他方のセンサーホルダー27の先端には、ワーク基準面検出センサー29が取り付けられている。そして、本実施例の場合、ワイヤー検出センサー28は、発光部と受光部が切断ワイヤー1の上下に配置されるようにした、フォトインターラプターなどといわれている非接触の光電センサーであり、ワーク基準面検出センサー29は、接触式のリニアセンサーである。
次に、切断ワイヤー1とワーク3との相対的な位置決め方法を説明するが、先ず、切断ワイヤー1に対するワーク3の水平方向の傾き調整方法を、主に図3(a)を用いて説明する。図示していない制御部のボタンを押すと、X軸ステージ23の電磁アクチュエーターが動作し、図3(a)の一番上の図に示されているように、Y軸ステージ24がX軸ステージ23の右端に移動した後、Y軸ステージ24の電磁アクチュエーターが動作することによって、Y軸可動部25が原位置から図の上方へ移動させられる。それにより、センサーホルダー26の先端に取り付けられたワイヤー検出センサー28が、図の一番下(治具から見て一番手前)の走行経路上にある切断ワイヤー1の下側の位置と上側の位置とを検出するので、それらのときのOFF,ONの検出信号から、図示していない制御部が、切断ワイヤー1の中心位置までのY軸可動部25の移動量y1を算出し記憶する。
次に、Y軸可動部25がY軸ステージ24上で原位置に復帰させられた後、図3(a)の上から二番目の図に示されているように、X軸ステージ23の電磁アクチュエーターによって、Y軸ステージ24がX軸ステージ23の左端に移動させられ、その後、上記の場合と同様にして、Y軸可動部25を移動させることによって、ワイヤー検出センサー28が、図の一番下の走行経路上にある切断ワイヤー1を検出し、OFF,ON信号を発する。それにより、図示していない制御部が、切断ワイヤー1の中心位置までのY軸可動部25の移動量y2を算出し記憶する。
そして、上記のようなX軸ステージ23の両端におけるY軸可動部25の両方の移動量y1,y2の差と、X軸ステージ23上におけるY軸ステージ24の移動量x1とから、制御部によって、X軸ステージ23と切断ワイヤー1との水平方向の傾き角度θ1が算出される。尚、本実施例では、上記のように、ワイヤー検出センサー28からのOFF,ON信号によって、制御部が、切断ワイヤー1の中心位置までのY軸可動部25の移動量y1,y2を算出しているが、例えば、ワイヤー検出センサー28からのOFF信号だけにより、そこまでのY軸可動部25の移動量を算出するようにして、上記の傾き角度θ1を算出するようにしてもよい。
次に、上記に準じた方法によって、X軸ステージ23とワーク3との水平方向の傾き角度θ2を算出する。即ち、図3(a)の上から三番目と四番目の図に示されているように、センサーホルダー27に取り付けられているワーク基準面検出センサー29によって検出し算出された、ワーク基準面3aの両端までのY軸可動部25の各移動量y3,y4の差と、X軸ステージ23上におけるY軸ステージ24の移動量x2とから、制御部によって、X軸ステージ23とワーク基準端面3aとの水平方向の傾き角度θ2が算出される。そして、この角度θ2と上記の角度θ1との差から、制御部によって、切断ワイヤー1に対するワーク基準面3aの水平方向の傾斜角度θ3が求められる。
尚、図3(a)の上からの二つの図においては、センサーホルダー27とワーク基準面検出センサー29の図示が省略され、図3(a)の上から三番目と四番目の図においては、センサーホルダー26とワイヤー検出センサー28の図示が省略されているが、これは、あくまでも図面を見易くし、且つ本実施例の方法を理解し易くするために、便宜的に省略したものである。
次に、切断ワイヤー1に対するワーク3の垂直方向の傾き調整方法を、主に図3(b)を用いて説明する。先ず、Y軸ステージ24をX軸ステージ23の中央に戻しておいてから、Y軸可動部25を移動させ、図3(b)の一番上の図に示されているように、ワーク基準面検出センサー29によって、ワーク基準面3aの下端までの移動量を算出する。次に、昇降装置5によってワーク3を下降させ、図3(b)の真中の図に示されているように、ワーク基準面検出センサー29によって、ワーク基準面3aの上端までのY軸可動部25の移動量を算出する。そして、下端までの移動量と上端までの移動量との差と、ワークホルダー6の移動量とから、ワーク3の垂直方向の傾き角度θ4が求められる。
尚、本実施例では、この工程で、ワーク3の方を移動させているが、角度検出治具の方にZ軸ステージを設けておき、ワーク基準面検出センサー29の方を上下動可能にしても構わない。
そして最後に、上記のようにして算出された、切断ワイヤー1に対するワーク3の水平方向の傾き角度θ3に基づいて回転ステージ8を操作し、また、垂直方向の傾き角度θ4に基づいてゴニオステージ7を操作して、切断ワイヤー1とワーク3との位置決めが終了する。図3(a)の一番下の図と図3(b)の一番下の図は、そのようにして、切断ワイヤー1に対するワーク3の傾き調整、即ち切断ワイヤー1とワーク3との位置決めが終了した状態を示したものである。
1 切断ワイヤー
2,2´ 溝付きローラー
3 ワーク
3a ワーク基準面
4 ワーク接着治具
5 昇降装置
6 ワークホルダー
7 ゴニオステージ
8,12 回転ステージ
9 本体フレーム
10,21 台座
11 Z軸ステージ
13,24 Y軸ステージ
14,23 X軸ステージ
15 拡大鏡
15a 対物レンズ
15b 接眼レンズ
16 ダイヤルゲージ
22 ベース板
25 Y軸可動部
26,27 センサーホルダー
28 ワイヤー検出センサー
29 ワーク基準面検出センサー
2,2´ 溝付きローラー
3 ワーク
3a ワーク基準面
4 ワーク接着治具
5 昇降装置
6 ワークホルダー
7 ゴニオステージ
8,12 回転ステージ
9 本体フレーム
10,21 台座
11 Z軸ステージ
13,24 Y軸ステージ
14,23 X軸ステージ
15 拡大鏡
15a 対物レンズ
15b 接眼レンズ
16 ダイヤルゲージ
22 ベース板
25 Y軸可動部
26,27 センサーホルダー
28 ワイヤー検出センサー
29 ワーク基準面検出センサー
Claims (2)
- ワークを、二つの溝付きローラー間で経路が平行になるように複数回周回走行させている切断ワイヤー上に下降させ、ワークの端面に形成された基準面と平行に複数個に切断するに際し、概ね切断ワイヤーの走行方向と平行なX軸ステージ上を移動するY軸ステージと、第1センサーと第2センサーとを取り付けていてY軸ステージ上を移動するY軸可動部と、X,Y軸ステージの動作制御と第1,第2センサーの検出結果による演算処理とを行う制御部と、を有する位置決め角度検出治具を用い、ワークを切断する前に、
X軸ステージ上において所定の間隔を有する2点で、第1センサーが、所定の走行経路上にある切断ワイヤーの2点までの各々の長さを計測し、該所定の間隔と該二つの長さの差とから、X軸ステージに対する切断ワイヤーの傾き角度θ1を算出するプロセスと、
X軸ステージ上において所定の間隔を有する2点で、第2センサーが、ワークの前記基準面の2点までの各々の長さを計測し、該所定の間隔と該二つの長さの差とから、X軸ステージに対するワークの傾き角度θ2を算出するプロセスと、
上記の二つの傾き角度θ1,θ2から、切断ワイヤーに対するワークの水平方向の傾き角度θ3を算出するプロセスと、
ワーク3と第2センサーを相対的に上下方向に移動させ、第2センサーが、X軸ステージから前記基準面の上下方向の2点までの各々の長さを計測し、該相対的な移動量と該二つの長さの差とから、ワークの垂直方向の傾き角度θ4を算出するプロセスと、
を経て、上記の傾き角度θ3,θ4だけワークの姿勢を調整するようにしたことを特徴とするワイヤーソーにおける切断ワイヤーとワークとの位置決め方法。 - 一方のワイヤーボビンから送り出された切断ワイヤーが所定の二つの溝付きローラー間においては所定の間隔で平行になるようにして複数回周回走行させられたあと他方のワイヤーボビンへ巻き取られるように構成されていて該二つの溝付きローラー間でワークを同時に複数に切断するワイヤーソーが、該ワイヤーソーの本体フレームに、該ワークの被切断面を該ワークに形成されている基準面と平行にするために予め前記切断ワイヤーと前記ワークとの位置関係を調整するための位置決め角度検出治具を取り付けていて、該位置決め角度検出治具は、X軸アクチュエーターと、Y軸アクチュエーターと、前記Y軸アクチュエーターの可動部に取り付けられており所定の回数を周回しているところで前記二つの溝付きローラー間における前記切断ワイヤーの径方向の両端位置を検出するワイヤー検出センサーと、前記可動部に取り付けられていて前記ワークの前記基準面の位置検出を行うワーク基準面検出センサーと、前記ワイヤー検出センサーと前記ワーク基準面検出センサーとを移動させるのに要した前記XY2軸のアクチュエーターの移動量を取り込み前記切断ワイヤーと前記ワークとの調整角度を算出する制御部と、を備えていることを特徴とする位置決め角度検出治具付きワイヤーソー。
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