JP2014175290A - 固体酸化物形燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】シール材としてシリコンを含む接合材を利用した場合であっても、熱処理時に発生するガス化したシリコンの空気極側への移動を抑制する。
【解決手段】固体酸化物電解質膜5を間に挟んで一方側に燃料極7が、他方側に空気極9がそれぞれ配置されて単電池3を構成する。単電池3は、セルサポート13を介してスペーサ21に支持されて単電池ユニット25を構成する。単電池ユニット25がセパレータ27を介して複数積層されて燃料電池スタック1となる。セルサポート13は、内周側がガラス接合材11によって単電池3に接合され、外周側がガラス接合材19によってスペーサ21に接合される。ガラス接合材11の空気極9側のセルサポート13と単電池3との間にシリコン透過防止材17を設け、ガラス接合材19の内側のセルサポート13とスペーサ21との間にシリコン透過防止材23を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池に関する。
固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、発電効率が高く、自動車用のみならず家庭用、業務用として開発が進められている。このような固体酸化物形燃料電池は、固体酸化物電解質膜の一方側に空気極を、他方側に燃料極をそれぞれ備え、空気極を備える空気流路に空気を、燃料極を備える燃料流路に燃料を供給することで、酸素イオンが燃料である水素や一酸化炭素と反応して発電する。その際、空気流路内及び燃料流路内を閉空間として密封するためにシール材を用いている(下記特許文献1参照)。
特開2004−319286号公報
ところで、固体酸化物形燃料電池は、作動温度が800℃前後あり、他の例えば固体高分子形燃料電池などと比較して高温で作動する。このため、前記したシール材としては、耐熱性を考慮してシリコンを含むガラス接合材を使用することが一般的に行われている。この場合には、ペースト状のガラス接合材を必要部位に塗布した後、焼成温度(900℃〜1000℃程度)まで温度上昇させて熱処理(焼成処理)する。
ところが、ペースト状のガラス接合材を熱処理する際には、シリコンや有機溶剤が高温でガス化し、特にガス化したシリコンが空気極側に移動して空気極の表面に付着すると、発電性能の低下を引き起こす。
そこで、本発明は、シール材としてシリコンを含む接合材を利用した場合であっても、熱処理時に発生するガス化したシリコンの空気極への移動を抑制することを目的としている。
本発明は、二つの部材間を接合しつつ空気流路を密封するシリコンを含む接合材を備え、この接合材と空気極との間の二つの部材間に設けられ、接合材を焼成処理中に発生するシリコンガスの空気極側への移動を阻止する介在部材を備えることを特徴とする。
本発明によれば、シリコンを含む接合材の熱処理中に、接合材に含まれるシリコンがガス化しても、空気極との間に配置している介在部材により、ガス化したシリコンが空気極側に移動するのを阻止し、ガス化したシリコンの空気極への接触を抑制することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる燃料電池スタックの断面図である。 図2は、図1の燃料電池スタックを構成する単電池ユニットの断面図である。 図3は、図2の平面図である。 図4は、ガラス接合材を焼成処理する際の製造工程図で、(a)はセルサポート上にペースト状のガラス接合材及びシリコン透過防止材を塗布した状態、(b)は(a)のガラス接合材及びシリコン透過防止材上に単電池及びスペーサを載置した状態を示す。 図5は、第1の実施形態の変形例に係わる、図2に対応する断面図である。 図6は、本発明の第2の実施形態に係わる燃料電池スタックの断面図である。 図7は、図6のK部を拡大した断面図である。 図8は、本発明の第3の実施形態に係わる単電池ユニットの断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる固体酸化物形燃料電池における燃料電池スタック1を示す。燃料電池スタック1は、単電池(単セル)3を図1中で上下方向に複数積層配置して所望の電圧を確保している。
単電池3は、図2に示すように、固体酸化物電解質膜(以下、単に電解質膜という)5の一方側となる図2中の下部側に燃料極(アノード)7を配置し、他方側となる図2中の上部側に空気極(カソード)9を配置している。
電解質膜5の構成材料としては、例えばイットリウム安定化ジルコニア(YSZ)や、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)などのセラミック材料がある。燃料極7の構成材料としては、例えばNio-YSZやNio-ScSZなどの酸化ニッケルとセラミックの複合材料がある。空気極9の構成材料としては、例えばランタンストロンチウムマンガン(LSM)やランタンストロンチウムコバルト(LSC)がある。
電解質膜5と燃料極7は、図2中で上下方向から見た平面視では矩形状であって、互いに同形状である。すなわち、矩形状の燃料極7と、同じ矩形状の電解質膜5とを互いに重ね合わせている。電解質膜5上に配置される空気極9は、電解質膜5及び燃料極7に対して小さい矩形状であり、電解質膜5のほぼ中央に配置している。このため、空気極9の外周側端部9aと電解質膜5の外周側端部5aとの間は、全周にわたり電解質膜5の表面が露出する露出部5bが形成されている。なお、単電池3の製造方法としては、例えば燃料極7上に電解質膜5をスクリーン印刷等で形成して焼成し、さらに電解質膜5上に空気極9をスクリーン印刷等で形成して焼成する。
上記した電解質膜5の露出部5b上には、ガラス接合材11を介してセルサポート13を接合固定している。セルサポート13は、図3に示すように、中心部が開口した矩形の枠形状に形成してあり、その内側(空気極9側)部位をシール材となるガラス接合材11により電解質膜5の露出部5bに接合している。セルサポート13の中心の開口部位は、図3に示すように空気極9より大きく、このため空気極9の外周側端部9aとセルサポート13の内側端部13aとの間は、全周にわたり隙間15が形成されて平面視(図3)で露出部5bの空気極9側が露出している。
ガラス接合材11は、シリコンを含んでおり、そのガラス接合材11の内側(空気極9側)におけるセルサポート13と電解質膜5の露出部5bとの間には、電気絶縁性のある介在部材としてのシリコン透過防止材17を全周にわたり配置している。シリコン透過防止材17は、例えばアルミナ(Al)の水溶性ゾルで構成され、シール機能を備えるとともに接合機能も備えている。このようなシリコン透過防止材17は、後述するようにガラス接合材11を焼成処理中に発生するシリコンガスの空気極9側への移動を阻止する。
セルサポート13は、金属、例えばステンレス製であって、外周側(空気極9と反対側)がガラス接合材11と同様のガラス接合材19により、断面ほぼ正方形状のスペーサ21上に接合されている。ガラス接合材19は全周にわたり形成され、その内側におけるスペーサ21とセルサポート13との間には、全周にわたりシリコン透過防止材17と同様のシリコン透過防止材23が介在している。
スペーサ21は、図2中の上下方向から見た平面視では、単電池3の周囲を囲むような矩形の枠体となっている。このスペーサ21は、セルサポート13と同様に、金属、例えばステンレス製である。
ここで、図2で示すように、一つの単電池3を含み、該単電池3をセルサポート13でスペーサ21に支持させた構成体を一つの単電池ユニット25とする。この一つの単電池ユニット25を、図1のように複数積層して燃料電池スタック1を構成する。その際、互いに隣接する単電池ユニット25相互間、つまりセルサポート13とスペーサ21との間には、セパレータ27を介装する。セパレータ27は、セルサポート13と同様に、金属、例えばステンレス製である。
燃料電池スタック1の最下部の単電池ユニット25の下部には端板29を設け、最上部の単電池ユニット25の上部には、矩形枠状の端部スペーサ31を介して端板33を設けている。端板29,33及び端部スペーサ31は、セルサポート13やセパレータ27と同様に、金属、例えばステンレス製である。
上記した各単電池ユニット25相互間のセパレータ27と、単電池ユニット25におけるセルサポート13やスペーサ21との間など、金属同士が互いに重ね合わされる部位は、外周側の溶接固定部35にて全周にわたり溶接固定して密封する。すなわち、セルサポート13とセパレータ27との間、セパレータ27とスペーサ21との間、下部の端板29とスペーサ21との間、上部の端板33と端部スペーサ31との間、をそれぞれ溶接固定部35にて溶接固定する。溶接固定部35の溶接は、例えばレーザ溶接でよい。
このようにして構成した図1に示す燃料電池スタック1は、燃料極7が存在する密閉空間となる燃料流路37と、空気極9が存在する密閉空間となる空気流路39とが、単電池3(単電池ユニット25)毎に形成される。その際、本実施形態では、単電池ユニット25における燃料流路37と空気流路39との間を、ガラス接合材11で接合固定して、これら相互間を密封している。また、ガラス接合材11の空気流路39(空気極9)側にはシリコン透過防止材17を設けている。さらに、セルサポート13の外周側とスペーサ21との間には、ガラス接合材19及びシリコン透過防止材23を設けている。
上記した構成の燃料電池スタック1において、ガラス接合材11は、単電池3の電解質膜5とセルサポート13との間を接合しており、したがって、電解質膜5とセルサポート13とが二つの部材を構成している。また、ガラス接合材19は、セルサポート13とスペーサ21との間を接合しており、したがって、セルサポート13とスペーサ21とが二つの部材を構成している。すなわち、本実施形態では、二つの部材間を接合しつつ空気極9が存在する空気流路39を密封するシリコンを含むガラス接合材11,19を備えている。また、本実施形態では、ガラス接合材11,19と空気極9との間の二つの部材間に設けられ、ガラス接合材11,19を焼成処理中に発生するシリコンガスの空気極9側への移動を阻止する介在部材であるシリコン透過防止材17,23を備えている。
次に、図2示す単電池ユニット25において、単電池3の電解質膜5とセルサポート13との接合及び、セルサポート13とスペーサ21との接合について、図4を用いて説明する。この接合作業は、単電池ユニット25が図2とは上下が逆となる状態で行う。すなわち、まず図4(a)に示すように、セルサポート13の内側上に、ペースト状のガラス接合材11及び、アルミナの水溶性ゾルからなるシリコン透過防止材17をそれぞれ塗布する。その際、ガラス接合材11が外側のスペーサ21側に、シリコン透過防止材17が内側の空気極9側にそれぞれ位置し、これら二種の塗布物は互いに接触した状態となる。
さらに、セルサポート13の外周側の上部に、ペースト状のガラス接合材19及び、アルミナの水溶性ゾルからなるシリコン透過防止材23をそれぞれ塗布する。その際、ガラス接合材19が外側に、シリコン透過防止材23が内側の単電池3側にそれぞれ位置し、これら二種の塗布物は互いに接触した状態となる。
そして、図4(b)に示すように、単電池3を、図2とは上下を逆にした状態で電解質膜5の露出部5bがガラス接合材11及びシリコン透過防止材17上に接触するようセルサポート13上に載置する。このとき、単電池3の下部側に位置する空気極9は、枠形状のセルサポート13の内側端部13aより内側に位置する。また、セルサポート13の外側のガラス接合材19及びシリコン透過防止材23上にはスペーサ21を載置する。
次に、上記図4(b)の状態でのガラス接合材11,19を固化させる熱処理として焼成処理を行う。焼成処理は、ガラス接合材11,19及びシリコン透過防止材17,23を塗布した後の図4(b)に示す形状の単電池ユニット25を、図示しない例えば電気炉内に投入して行う。その際、図4(b)の単電池ユニット25は、電気炉内の平坦な床の上に載置する。床に載置する際には、セルサポート13を床に直接載置するか、別途用意した平坦な置台上にセルサポート13を載置してもよい。この場合、図1における空気極9が存在する空気流路39に対応する密閉空間41が、セルサポート13を電気炉内の平坦な床または置台43に載置することで形成される。
このようにして図4(b)に示す単電池ユニット25を電気炉内に投入した状態で、900℃〜1000℃で20分〜30分間焼成処理を行う。これにより、ガラス接合材11,19が固化し、電解質膜5とセルサポート13とが接合固定されるとともに、スペーサ21とセルサポート13とが接合固定される。
このとき、シリコン透過防止材17,23は、主としてシール材として機能する。すなわち、本実施形態では、焼成処理中に特に空気極9に近い位置にあるガラス接合材11に含有するシリコンがガス化した場合に、そのシリコンが近接する空気極9側へ移動するのをシリコン透過防止材17が阻止し、シリコンが空気極9に接触するのを抑制する。
また、空気極9が存在する側は、床または置台43との間に形成されている密閉空間41となっているので、ガラス接合材11,19から発生したシリコンが電気炉内に放出されても、シリコンが空気極9に接触するのを抑制できる。仮に、空気極9が存在する側が密閉空間41となっていない場合であっても、シリコン透過防止材17の外側で電気炉内に放出されたガス化したシリコンは、空気極9とは反対側に移動し、かつ電気炉内の空気に希釈されるので、シリコンの空気極9への付着を抑制できる。
上記したようにガス化したシリコンが空気極9に接触するのを抑制することで、空気極9の表面がシリコンで覆われる状態を回避でき、空気極9が正常に機能する。その結果、固体酸化物形燃料電池としての発電性能の低下を抑制でき、信頼性の高い固体酸化物形燃料電池とすることができる。
また、本実施形態では、シリコン透過防止材17は、シリコンを含むガラス接合材11が熱処理された後の状態で、シリコンガスの空気極9側への移動を阻止している。これにより、図1のようにスタック化した固体酸化物形燃料電池の運転中であっても、ガラス接合材11からのシリコンが空気極9側に移動するのをシリコン透過防止材17が抑えることができ、空気極9の表面がシリコンで覆われる状態を回避できる。
また、この場合には、外側のガラス接合材19からのシリコンが、その内側にあるシリコン透過防止材23によってスタック内部に侵入するのを抑制でき、結果として、シリコンが空気極9側に移動するのを抑えることができる。
図5は、上記した第1の実施形態の変形例である。本変形例は、単電池3とセルサポート13との間のシール材として、ガラス接合材11のほかに高温対応の特殊な金属シール45を、ガラス接合材11とシリコン透過防止材17との間に設けている。また、スペーサ21とセルサポート13との間のシール材として、ガラス接合材19のほかに金属シール45と同様の金属シール47を、ガラス接合材19とシリコン透過防止材23との間に設けている。
上記した各金属シール45,47は、セルサポート13に形成した凹部13a,13b内に収容し、単電池3の電解質膜5側及びスペーサ21側にそれぞれ突出させて圧接させている。ガラス接合材11,19のほかに金属シール45,47を設けることで、よりシール性を高めている。
上記した金属シール45,47にシリコンが含まれている場合には、該シリコンがガラス接合材11,19の焼成処理中に、空気極9側に移動するのをシリコン透過防止材17,23が抑えることができる。また、燃料電池スタック1の運転中でも同様にして、シリコンが空気極9側に移動するのをシリコン透過防止材17,23が抑えることができる。
すなわち、本変形例は、シリコン透過防止材17の空気極9と反対側における単電池3の電解質膜5とセルサポート13との間に、シリコンを含む接合材が複数(ここではガラス接合材11と金属シール45)配置されていることになる。また、シリコン透過防止材23の空気極9と反対側におけるセルサポート13とスペーサ21との間に、シリコンを含む接合材が複数(ここではガラス接合材19と金属シール47)配置されていることになる。
また、本実施形態では、シリコン透過防止材17,23は、アルミナの水溶性ゾルとしている。アルミナは高融点(2072℃)物質であることから、ガラス接合材11,19の焼成処理中に特に大きな影響を受けることなく、シール機能を確保することができる。また、アルミナは電気絶縁性を有するので、燃料電池に適用するのに好適である。
また、本実施形態では、電解質膜5の空気極9側の周縁は、電解質膜5が露出する露出部5bを備え、露出部5bにおける電解質膜5とセルサポート13とを、ガラス接合材11で接合し、ガラス接合材11とその内側の空気極9側との間にシリコン透過防止材17を配置している。ここで、セルサポート13は支持部材を構成しており、該支持部材は、外郭部材を構成するスペーサ21に支持されて取り付けられることになる。すなわち、単電池3は、セルサポート13を介してスペーサ21に支持されている。
これにより、ガラス接合材11の焼成処理中にシリコンがガス化した場合に、該ガス化したシリコンはその内側にあるシリコン透過防止材17により空気極9側への移動を抑制することができる。その結果、空気極9の表面がシリコンで覆われる状態を回避でき、空気極9が正常に機能し、固体酸化物形燃料電池としての発電性能の低下を抑制して、信頼性の高い固体酸化物形燃料電池とすることができる。
[第2の実施形態]
図6は、本発明の第2の実施形態に係わる固体酸化物形燃料電池における燃料電池スタック1Aを示す。燃料電池スタック1Aは、単電池(単セル)3Aを、セパレータ27Aを介して図1中で上下方向に複数積層配置して所望の電圧を確保している。セパレータ27Aの外周縁上には、図1に示したガラス接合材11と同様なガラス接合材11Aを全周にわたり設けることで、セパレータ27Aと矩形枠形状のスペーサ21Aとを互いに接合している。また、下部の端板29A上にもガラス接合材11Aを設けてその上部のスペーサ21Aに端板29Aを接合している。
そして、本実施形態においても、ガラス接合材11Aの内側の空気極9A側に、図1、図2に示したシリコン透過防止材17と同様なシリコン透過防止材17Aを設けている。すなわち、本実施形態では、セパレータ27Aとスペーサ21Aとが、ガラス接合材11Aにより互いに接合される二つの部材を構成するとともに、下部の端板29Aとスペーサ21Aとが、ガラス接合材11Aにより互いに接合される二つの部材を構成している。
本実施形態の単電池3Aは、図6のK部を拡大した図7に示すように、電解質膜(固体酸化物電解質膜)5Aの一方側(図6、図7中で上部側)に燃料極7Aを配置している。電解質膜5Aと燃料極7Aとは、外形形状がほぼ同等である。燃料極7Aの電解質膜5Aと反対側には集電電極49を配置している。集電電極49は、通気性を備えた導電性材料、例えば白金や金で構成してあり、したがって、燃料流路を内部に備えている。
電解質膜5Aの他方側(図6、図7中で下部側)には空気極9Aを配置している。空気極9Aは、第1の実施形態と同様に、燃料極7Aや電解質膜5Aに対して全体的に小さく、外周側に、電解質膜5Aの露出部5Abが全周にわたり形成されている。電解質膜5Aの露出部5Abにはスペーサ21Aが接触している。この電解質膜5Aの露出部5Abとスペーサ21Aとの間は、外周側の全周にわたりレーザ溶接によって接合固定して密封している。
空気極9Aの電解質膜5Aと反対側には集電電極51を配置している。集電電極51は、通気性を備えた導電性材料、例えば白金や金で構成してあり、したがって、空気流路を内部に備えている。
また、図6に示す燃料電池スタック1Aにおける最上部の単電池3Aの上には端板31Aを配置している。この端板31Aと下部の端板29Aとの間に複数の積層した単電池3Aを備える燃料電池スタック1Aは、周囲側面を全周にわたりガラス接合材11Aと同様なシリコンを含むガラス接合材53で覆っている。
次に、図6に示す燃料電池スタック1Aの作製方法を説明する。ここでは、図7に示すように、単電池3Aとその下部の端板29A(またはセパレータ27A)を一つの単電池ユニット25Aとして、第1の実施形態と同様に電気炉内で焼成処理を行う。単電池ユニット25Aは、端板29A(またはセパレータ27A)上に、ガラス接合材11A及びシリコン透過防止材17Aを塗布し、その上にスペーサ21Aを含む単電池3Aを載せている。単電池3Aは、電解質膜5A、燃料極7A、空気極9A、集電電極49,51を含む。
上記した単電池ユニット25Aを第1の実施形態の単電池ユニット25と同様の条件で焼成処理を行って、ガラス接合材11Aを固化させる。その際、本実施形態においても、ガラス接合材11Aが焼成処理中に含有するシリコンがガス化した場合に、該ガス化したシリコンが、シリコン透過防止材17Aによって近接する空気極9A側への移動が阻止されて空気極9Aに接触するのを抑制できる。この場合にも、空気極9A及び集電電極51が存在する領域が密閉空間となっているので、ガラス接合材11Aから発生したシリコンが電気炉内に放出されても、シリコンが空気極9Aに接触するのを抑制できる。これにより、空気極9Aが正常に機能して、固体酸化物形燃料電池としての発電性能の低下を抑制できる。
次に、上記のようにして作製した複数の単電池ユニット25Aを図6のように複数積層してから、その積層体の最上部に端板31Aを載せ、この状態でペースト状のガラス接合材53を周囲側面の全周にわたり塗布し、スタック内部を密封する。そして、図7のような形状の焼成前(ガラス接合材53)の燃料電池スタック1Aを、ガラス接合材11Aのときの同様にして再度焼成処理を行い、ガラス接合材53を固化させて燃料電池スタック1Aが完成する。ガラス接合材53によって、単電池ユニット25を複数積層した積層体の周囲側面の全周を密封することになる。
燃料電池スタック1Aの周囲のガラス接合材53を焼成処理する際にも、含有するシリコンがガス化した場合に、該ガス化したシリコンが、シリコン透過防止材17Aによって空気極9A側への移動が阻止されて空気極9Aに接触するのを抑制できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、これらの実施形態は本発明の理解を容易にするために記載された単なる例示に過ぎず、本発明は当該実施形態に限定されるものではない。本発明の技術的範囲は、上記実施形態で開示した具体的な技術事項に限らず、そこから容易に導きうる様々な変形、変更、代替技術なども含むものである。
例えば、第3の実施形として、第1の実施形態における図2に示す単電池ユニット25に代えて、図8に示すような単電池3Bを備える単電池ユニット25Bとすることもできる。図8の単電池3Bは、図2の単電池3に対し、燃料極と空気極との大きさが逆になっている。すなわち、単電池3Bは、電解質膜5Bと空気極9Bとが互いに同じ大きさの矩形状であり、燃料極7Bが、電解質膜5B及び空気極9Bに対して小さい矩形状となって、電解質膜5Bのほぼ中央に配置されている。このため、燃料極7Bの外周側端部7Baと電解質膜5Bの外周側端部5Baとの間は、全周にわたり電解質膜5Bの表面が露出する露出部5Bbが形成されている。
上記した電解質膜5Bの露出部5Bbとセルサポート13Bの内周側の燃料極7B側との間には、ガラス接合材11B及びシリコン透過防止材17Bを介装している。この場合、図2の第1の実施形態とは逆に、ガラス接合材11Bが内側でシリコン透過防止材17Bが外側に位置している。すなわち、ガラス接合材11Bが燃料極7B側に位置し、シリコン透過防止材17Bが空気極9B側に位置することになる。
セルサポート13Bの外周側の上記ガラス接合材11B及びシリコン透過防止材17Bを設けた側と同じ側(図8中で上部側)には、ガラス接合材19B及びシリコン透過防止材23Bを介してスペーサ21Bを配置している。この場合、図2の第1の実施形態と同様に、ガラス接合材19Bが外側でシリコン透過防止材23Bが内側(空気極9B側)に位置している。これにより、ガラス接合材19Bと空気極9Bとの間にシリコン透過防止材23Bが位置することになる。
上記図8のように構成した単電池ユニット25Bは、ガラス接合材11B,19Bを図2の単電池ユニット25と同様にして熱処理する。その際、ガラス接合材11Bに含有するシリコンがガス化した場合、該ガス化したシリコンが、シリコン透過防止材17Bによって、近接する空気極9B側への移動が阻止されて空気極9Bに接触するのを抑制できる。この場合には、セルサポート13Bを電気炉内の平坦な床などに載置すると、ガラス接合材11Bは床と単電池3Bとの間の密閉空間に臨むことになる。このため、ガラス接合材11Bからのシリコンは該密閉空間に閉じ込められた状態となり、空気極9Bへの移動は確実に阻止できる。
また、上記した熱処理時に、ガラス接合材19Bに含有するシリコンがガス化した場合には、該ガス化したシリコンが、電気炉内に放出される。しかし、ガラス接合材19Bは、空気極9Bから離れた位置にあり、かつ放出されたシリコンは電気炉内の空気に希釈されるので、シリコンの空気極9Bへの付着を抑制できる。
すなわち、本実施形態においても、ガラス接合材11B,19Bの熱処理中に発生するシリコンガスの空気極9B側への移動を阻止するシリコン透過防止材17B,23Bを備えているので、高温下で発生しやすいシリコンの空気極9Bへの接触回避に極めて有効である。よって、本実施形態においても、空気極9Bの表面がシリコンで覆われる状態を回避でき、空気極9Bが正常に機能し、固体酸化物形燃料電池としての発電性能の低下を抑制でき、信頼性の高い固体酸化物形燃料電池とすることができる。
1,1A 燃料電池スタック
3,3A,3B 単電池
5,5A,5B 固体酸化物電解質膜
5b,5Bb 固体酸化物電解質膜の露出部
7,7A,7B 燃料極
9,9A,9B 空気極
11,11A,11B ガラス接合材(シリコンを含む接合材)
13,13B セルサポート(支持部材)
17,17A,17B シリコン透過防止材(介在部材)
19,19B ガラス接合材(シリコンを含む接合材)
21,21B スペーサ(外郭部材)
23,23B シリコン透過防止材(介在部材)
37 燃料流路
39 空気流路
45,47 金属シール(シリコンを含む接合材)

Claims (6)

  1. 固体酸化物電解質膜と、
    前記固体酸化物電解質膜の一方側に配置される燃料極と、
    前記固体酸化物電解質膜の他方側に配置される空気極と、
    二つの部材間を接合しつつ前記空気極が存在する空気流路を密封するシリコンを含む接合材と、
    前記シリコンを含む接合材と前記空気極との間の前記二つの部材間に設けられ、前記シリコンを含む接合材を焼成処理中に発生するシリコンガスの前記空気極側への移動を阻止する介在部材と、を有することを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  2. 前記介在部材は、前記シリコンを含む接合材が熱処理された後の状態でシリコンガスの前記空気極側への移動を阻止することを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池。
  3. 前記二つの部材間に前記シリコンを含む接合材が複数設けられ、
    前記複数の接合材と前記空気極との間の前記二つの部材間に前記介在部材が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の固体酸化物形燃料電池。
  4. 前記固体酸化物電解質膜と前記燃料極と前記空気極とを備える単電池を複数積層して燃料電池スタックとしたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池。
  5. 前記介在部材は、アルミナの水溶性ゾルであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池。
  6. 前記固体酸化物電解質膜の前記空気極側の周縁は、前記固体酸化物電解質膜が露出する露出部を備え、この露出部における前記固体酸化物電解質膜と、外周側が外郭部材に取り付けられる支持部材の内周側とを、前記シリコンを含む接合材で接合し、この接合材とその内側の前記空気極との間に前記介在部材が配置されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池。
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