JP6177620B2 - 固体酸化物形燃料電池スタック及びセパレータ付インターコネクタ - Google Patents

固体酸化物形燃料電池スタック及びセパレータ付インターコネクタ Download PDF

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Description

本発明は、インターコネクタを介して単セルを複数個積層した固体酸化物形燃料電池スタックと、この固体酸化物形燃料電池スタックに含まれるセパレータ付インターコネクタと、に関するものである。
従来から、電解質に固体酸化物を用いた固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)が知られている。SOFCの構成単位である単セルは、例えば、平板状の固体電解質層の両面に配置した燃料極層と空気極層のそれぞれに燃料ガス及び酸化剤ガスを供給することで電力を発生する。また、このような単セルを複数個積層し、隣接する単セル間にインターコネクタを配置することで、固体酸化物形燃料電池スタック(以下、燃料電池スタックと呼ぶ)が構成される。SOFCに含まれるインターコネクタは、良好なガス気密性と導電性が要求される。例えば、導電性セラミックを用いたインターコネクタを備えた燃料電池に関連する技術が提案されている(特許文献1、2参照)。特許文献1には、インターコネクタ(セパレータ)と単セルとを交互に重ねて積層し、インターコネクタによって上下の単セルの燃料ガス及び酸化剤ガスのそれぞれの流路を隔離可能な構造が開示されている。また、特許文献2には、インターコネクタ(セパレータ)と、このインターコネクタを補強する補強板とを設けた燃料電池の構造が開示されている。
特開平9−190829号公報 特開2000−223132号公報
しかしながら、特許文献1に開示された構造は、インターコネクタの全体がそのまま単セルとともに積層されるので、インターコネクタが積層方向に拘束された状態となり、組付け工程での機械応力や、導電部分と端部の温度差が生じたときの熱膨張率の差に起因する熱応力により、インターコネクタが割れる恐れがある。また特許文献1に開示された構造では、インターコネクタの導電部分以外の構成部分に対して流路孔の形成などの複雑な加工が必要になり、量産性の低下が避けられない。一方、特許文献2に開示された構造のように、インターコネクタに加え、その周囲に補強板を設けたとしても、この補強板もセラミック製である以上、上記と同様、中央と端部の温度差が生じるので、上述の熱応力によって割れる問題は解決できない。仮に、特許文献2に示された補強板を金属製に置き換えたとしても、補強板が熱変形を起こすことになるので、インターコネクタの補強板としての機能を失う恐れがある。このように、上記従来のインターコネクタの構造によれば、インターコネクタの耐熱性を高める場合、その構造上、応力による割れ等の不具合を防止することが困難であるという問題があった。
本発明はこれらの問題を解決するためになされたものであり、インターコネクタ本体と第1のセパレータからなるインターコネクタの構造を採用して、積層方向や面方向の応力を逃がす構造をとることでインターコネクタの割れ等の不具合を確実に防止するとともに、接合強度の向上とガスリークの防止を両立し得る固体酸化物形燃料電池スタックを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の固体酸化物形燃料電池スタックは、燃料極層と、空気極層と、固体電解質層とを含む単セルを、インターコネクタを介して、複数個積層した固体酸化物形燃料電池スタックであって、前記インターコネクタは、インターコネクタ本体と、可撓性を有する金属板からなる第1のセパレータとを備え、かつ、前記インターコネクタ本体及び前記第1のセパレータは、前記第1のセパレータの中央に形成された開口部の全周を取り囲む接合部を介して互いに接合されており、かつ、前記インターコネクタ本体の両面には、前記燃料極層との導通を確保する燃料極側集電体と、前記空気極層との導通を確保する空気極側集電体とがそれぞれ接合されており、かつ、前記接合部は、ロウ材により形成されるロウ材接合部と、前記ロウ材接合部よりも前記開口部寄りの内周側に配置され、ガラスを含む封止材により形成される封止部とを有することを特徴としている。
本発明の固体酸化物形燃料電池スタックによれば、インターコネクタ本体は、中央の開口部の全周を取り囲む接合部を介して第1のセパレータと互いに接合され、隣接する単セルの間に第1のセパレータの部分を固定することで、複数の単セルが積層されている。そして、接合部は、ロウ材により形成される外周側のロウ材接合部と、ガラスを含む封止材により形成される内周側の封止部とを有する。従って、インターコネクタに対して積層方向や面方向の応力が加わったとき、単セルに固定されている第1のセパレータが変形することで応力を逃がすことができる。また、ロウ材は内部に酸素と水素が拡散すると反応してボイドが発生することによりガスリークや接合部剥がれを起こすが、封止材によってガス封止することでボイドの発生を防ぐことができる。さらに、封止材はガラスを含むため応力によって割れやすいが、ロウ材によって固定された内周側に配置することで封止材の割れを防ぐことができる。そのため、ロウ材と封止材を組み合わせることによって接合部からのガスリークを有効に防止することができる。
ロウ材接合部及び封止部は、多様な構造で形成することができる。例えば、基本構造として、ロウ材接合部と封止部を、積層方向でインターコネクタ本体と第1のセパレータとに挟まれた第1の領域に配置してもよい。これにより、インターコネクタ本体と第1のセパレータとのせん断応力が緩和される構造となるため、封止材の割れを効果的に防止することが可能となる。
また、他の構造として、封止部を、第1の領域と、第1のセパレータに対して第1の領域とは反対側の表面上の第2の領域にそれぞれ配置してもよい。この構造は前述の基本構造に比べて封止部の封止材の量が増えるが、第1のセパレータの開口部寄りの上面及び下面を封止材により挟み込むことで第1のセパレータと封止材の熱膨張率の差に起因した応力を均衡させ、封止材の割れを抑制する効果がある。
前述の第2の領域を配置する構造を採用する場合、封止部は、第1の領域の封止材の熱膨張係数よりも、第2の領域の封止材の熱膨張係数の方を大きくすることが望ましい。これにより、第2のセパレータの加熱時に、上下の熱膨張係数の差によって第2のセパレータが上方に反ることを抑制し、封止材の割れを抑制することができる。また、前述の第2の領域を配置する構造を採用する場合、封止部を、更に第1のセパレータの内周側の端部を覆う第3の領域に配置し、第3の領域を介して第1の領域と第2の領域とを一体的に連結してもよい。これにより、第1のセパレータの内周側の端部を第2の領域によって一体的に覆うことで、封止材の割れを抑制する効果が一層高くなる。
また、第1の領域において、ロウ材接合部と封止部との間に空間が存在する配置を採用してもよい。これにより、ロウ材接合部のロウ材が熱により変形したとしても、封止部が空間を介してロウ材接合部に接していないため、封止材の割れを抑制することができる。さらに、第1の領域において、ロウ材接合部と封止部との間に、ロウ材と封止材の両方を含む中間層を形成してもよい。このような中間層を設けることにより、ロウ材接合部と封止部の間でロウ材と封止材の比率を適切に調整でき、ロウ材接合部と封止部の熱膨張率の差により生じた変形を中間層によって緩和することができる。
第1のセパレータは、0.05mm以上0.5mm以下の厚さに設定することが望ましい。第1のセパレータの厚さが0.5mmを超えると、インターコネクタに加わる積層方向の応力を十分に逃がすことができなくなる。また、第1のセパレータの厚さが0.05mmに満たないと耐久性が不十分になる。一方、封止材は、周辺の部材と極端に熱膨張係数の差が大きくならないことが望ましい。具体的には、封止部として、8ppm/K以上12ppm/K以下の熱膨張係数を有する材料を用いることが望ましい。この場合、熱膨張係数については、常温から300℃の温度の範囲内についての数値で計測する。
インターコネクタ本体の材料としては、導電性セラミックを用いることができるが、金属を用いてもよい。例えば、導電性セラミック材料としては、LaCrO3(ランタンクロマイト)系のセラミック材料を主成分とする材料を用いることができる。これにより、高温領域においてインターコネクタの高い導電性を確保することができる。他にもコーティングされたフェライト系SUS材をインターコネクタ本体として使用することもできる。この場合、SUS材から発生するクロム蒸気がセルのカソード材と反応して出力特性を劣化させるが、コーティングによってクロム蒸気の発生を抑制することが可能になる。コーティングの種類としては、Mn−Co、Ni−Co系などのスピネル型酸化物などが挙げられる。また、第1のセパレータの材料としては、例えば、アルミニウムを1〜10重量%(1重量%以上10重量%以下)含有する合金を用いることができる。これにより、第1のセパレータの表面に耐酸化性の高いアルミナの被膜を形成することができる。第1のセパレータのアルミニウムの含有量が1重量%に満たないと、アルミナの被膜形成が不十分になる。また、第1のセパレータのアルミニウムの含有量が10重量%を超えると、常温で第1のセパレータが硬くなり過ぎ、応力緩和に支障を来す。さらに、第1のセパレータ、ロウ材接合部、封止部は、それぞれアルミニウムを含有する材料を用いてもよい。
本発明において、固体電解質層を挟んで一方の側に燃料極層が配置され他方の側に空気極層が配置されたセル本体と、可撓性を有する金属板からなる第2のセパレータとを更に設け、これらのセル本体及び第2のセパレータを、第2のセパレータの中央に形成された開口部の全周を取り囲む接合部を介して互いに接合してもよい。すなわち、第1のセパレータが接合されるインターコネクタと、第2のセパレータが接合されるセル本体とを共通の構造にすることで、固体酸化物形燃料電池スタックの製造性が向上する。
また、上記課題を解決するために、本発明のセパレータ付インターコネクタは、燃料極層と、空気極層と、固体電解質層とを含む単セルを、複数個積層した固体酸化物形燃料電池スタック用のセパレータ付インターコネクタであって、インターコネクタ本体と、可撓性を有する金属板からなる第1のセパレータとを備え、前記インターコネクタ本体は、前記第1のセパレータの中央に形成された開口部の全周を取り囲むように配置された接合部を介して前記第1のセパレータに封止接合され、かつ、前記接合部は、ロウ材により形成されるロウ材接合部と、前記ロウ材接合部よりも前記開口部寄りの内周側に配置され、ガラスを含む封止材により形成される封止部と、を有し、前記セパレータ付インターコネクタを用いて前記固体酸化物形燃料電池スタックを構成した状態で、前記インターコネクタ本体の両面には、前記燃料極層との導通を確保する燃料極側集電体と、前記空気極層との導通を確保する空気極側集電体とがそれぞれ接合されていることを特徴としている。本発明のセパレータ付インターコネクタを用いて前記固体酸化物形燃料電池スタックを構成することにより、上述の作用効果を実現することができる。
以上説明したように、本発明によれば、固体酸化物形燃料電池スタックにおいてインターコネクタ本体と第1のセパレータからなるインターコネクタを用いるとともに、接合部を介してインターコネクタ本体を第1のセパレータに接合封止し、インターコネクタに加わる応力を第1のセパレータの変形により逃がすことが可能な構造を採用した。このうち、接合部においては、ロウ材により形成されるロウ材接合部を外周側に配置し、封止材により形成される封止部を内周側に配置したので、ロウ材接合部により接合強度を確保し、封止部によりガスシール性を高めることが可能な構造が実現される。従って、積層方向や面方向の応力に起因するインターコネクタの割れ等を防止するとともに、ロウ材接合部におけるボイドの発生に起因するガスリークを防止し、高い信頼性と長期耐久性を有する固体酸化物形燃料電池スタックを実現することができる。
本実施形態の固体酸化物形燃料電池としての燃料電池スタックの斜視図である。 図1に示す燃料電池スタックを矢印A方向から見た模式断面図である 1個の単セルに関し、各構成要素を分解した状態の模式的な断面構造図である。 本実施形態のセパレータ付インターコネクタを構成するインターコネクタ本体及びインターコネクタ用セパレータの具体的な構造を示す図である。 第1の実施例に係る接合部の具体的な構造を示す図である。 第2の実施例に係る接合部の具体的な構造を示す図である。 第3の実施例に係る接合部の具体的な構造を示す図である。 第4の実施例に係る接合部の具体的な構造を示す図である。 第5の実施例に係る接合部の具体的な構造を示す図である。 第6の実施例に係る接合部の具体的な構造を示す図である。 第7の実施例に係る接合部の具体的な構造を示す図である。 本実施形態の燃料電池スタックに関し、セパレータ付インターコネクタの製造方法についての第1の説明図である。 本実施形態の燃料電池スタックに関し、セパレータ付インターコネクタの製造方法について第2の説明図である。 本実施形態の燃料電池スタックに関し、セパレータ付インターコネクタの製造方法について第3の説明図である。 本実施形態の燃料電池スタックに関し、インターコネクタの構造の変形例について説明する図である。
以下、本発明を適用した固体酸化物形燃料電池の一実施形態について具体的に説明する。図1は、本実施形態の固体酸化物形燃料電池としての燃料電池スタックSの斜視図を示している。また、図2は、図1に示す燃料電池スタックSを矢印A方向から見た模式断面図である。本実施形態においては、基本的な構成単位である単セルCを複数個積層した燃料電池スタックSが構成される。図1及び図2では、燃料電池スタックSが4つの単セルC(1)、C(2)、C(3)、C(4)を積層した構造を有する例を示しているが、一般には、より多数の単セルCを積層して燃料電池スタックSを構成することができる。
図1及び図2に示すように、燃料電池スタックSは、複数のボルトB1〜B10及び複数のナットNによって一体的に固定されている。燃料電池スタックSは、複数のボルトB1〜B10に対応する位置に貫通孔Hが形成され、上下1対のエンドプレートPによって上記4つの単セルCが挟まれた状態で固定されている。各ボルトB1〜B10のうち、図1の方形平面内の四隅に位置する4個のボルトB1、B4、B6、B9は、燃料電池スタックSを固定する連結部材としてのみ用いられる。一方、それ以外の6個のボルトB2、B3、B5、B7、B8、B10の各々は、上記連結部材に加えて、燃料ガス又は酸化剤ガスの流路の一部(入口又は出口)として機能する。
次に、図1の単セルCの基本構造について説明する。図3は、図2の1個の単セルCに関し、各構成要素を分解した状態の模式的な断面構造を示している。なお、図3においては、図2の両側の流路構造については省略している。図3に示す単セルCは、上側及び下側の2個のインターコネクタ本体10と、上側及び下側の2個のインターコネクタ用セパレータ11(本発明の第1のセパレータ)と、空気極側集電体12と、枠部13と、セル本体14と、燃料極側集電体15とを備えている。図3に示すように、インターコネクタ本体10とインターコネクタ用セパレータ11は、一体的にセパレータ付インターコネクタ1(以下、単にインターコネクタ1と呼ぶ)として機能する。図3に示す単セルCは、図1においてエンドプレートPに接していない単セルC(2)、C(3)に対応する。このように、図3の単セルCの上下において、それぞれインターコネクタ本体10及びインターコネクタ用セパレータ11からなる2個のインターコネクタ1(セパレータ付インターコネクタ)は互いに同じ構造である。よって、以下の説明は、単セルCの上下の2個のインターコネクタ(セパレータ付インターコネクタ)1について共通である。
単セルCの発電機能を担うセル本体14は、下層側から順に、燃料極層20と、固体電解質層21と、空気極層22とが積層形成されてなる。燃料極層20は、水素源となる燃料ガスに接触し、単セルCのアノードとして機能する。燃料極層20の材料としては、金属が好ましく、例えば、Ni、Niとセラミック粒子からなるサーメット、Ni基合金を用いることができる。固体電解質層21は、イオン導電性を有する各種の固体電解質からなる。固体電解質層21の材料としては、例えば、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、ScSZ(スカンジア安定化ジルコニア)、SDC(サマリウムドープセリア)、GDC(ガドリニウムドープセリア)、ペロブスカイト系酸化物等を用いることができる。空気極層22は、酸素源となる酸化剤ガス(空気)に接触し、単セルCのカソードとして機能する。空気極層22の材料としては、例えば、LSCF(ランタンストロンチウムコバルト鉄酸化物)、LSM(ランタンストロンチウムマンガン酸化物)等のペロブスカイト系酸化物、各種貴金属及び貴金属とセラミックとのサーメットを用いることができる。
インターコネクタ1は、図3の単セルCとその上層に隣接する単セルCとの間の電気的接続を担う。インターコネクタ用セパレータ11は、可撓性を有する金属製の薄板である。インターコネクタ用セパレータ11は、中央に形成された開口部11aを取り囲む接合部30を介してインターコネクタ本体10と接合され、隣接する2つの単セルCの間で燃料ガスと酸化剤ガスを隔離する役割がある。インターコネクタ本体10の材料としては、例えば、LaCrO3(ランタンクロマイト)系の導電性セラミックやコーティングされたフェライト系SUS材を用いることができる。また、インターコネクタ用セパレータ11の材料としては、例えば、アルミニウムを含有する金属合金を用いることができるが、この点については後述する。本実施形態において、インターコネクタ1の構造及び作用について詳しくは後述する。
空気極側集電体12は、セル本体14の空気極層22と、上側のインターコネクタ本体10との間の導通を確保する役割がある。空気極側集電体12の材料としては、例えば、Ag−Pd等の金属材料を用いることができる。また、燃料極側集電体15は、セル本体14の燃料極層20と、下側のインターコネクタ1との間の導通を確保する役割がある。燃料極側集電体15の材料としては、例えば、通気性を有するニッケルフェルト等を用いることができる。
枠部13は、セル本体14を単セルCに固定する役割があり、燃料極フレーム23と、セル本体用セパレータ24(本発明の第2のセパレータ)と、絶縁フレーム25と、空気極フレーム26とにより構成される枠体状の部材である。このうち、燃料極フレーム23は、積層方向で燃料極層20の側に配置され、セラミック等の絶縁材料を用いて形成される。絶縁フレーム25は、上下のインターコネクタ1の間を電気的に絶縁する役割があり、セラミック等の絶縁材料を用いて形成される。空気極フレーム26は、積層方向で空気極層22の側に配置され、金属材料を用いて形成される。これらの燃料極フレーム23、絶縁フレーム25、空気極フレーム26は、いずれも中央に比較的大きい同サイズの開口が形成され、平面視でセル本体14が開口に取り囲まれる位置関係にある。
また、枠部13のセル本体用セパレータ24は、上述のインターコネクタ用セパレータ11と同様、可撓性を有する金属製の薄板であり、中央に形成された開口を取り囲む接合部40を介してセル本体14の固体電解質層21の外周側の上面と接合されている。従って、セル本体14とセル本体用セパレータ24を平面視で見たとき、固体電解質層21はセル本体用セパレータ24よりも小さく、かつセル本体用セパレータ24の開口部よりも大きいサイズの方形に形成され、空気極層22はセル本体用セパレータ24の開口部よりも小さいサイズの方形に形成されている。
次に、本実施形態のセパレータ付インターコネクタを構成するインターコネクタ本体10及びインターコネクタ用セパレータ11の具体的な構造について図4を参照して説明する。図4(A)は、インターコネクタ本体10及びインターコネクタ用セパレータ11の平面図を示し、図4(B)は、図4(A)に対応する側断面図を示している。
図4に示すように、インターコネクタ本体10の上面とインターコネクタ用セパレータ11の下面は接合部30を介して接合されている。具体的には、インターコネクタ用セパレータ11の中央には、平面視でインターコネクタ本体10より小さいサイズの開口部11aが形成されるので、この開口部11aを取り囲んで全周に接合部30が配置されている。よって、接合部30によりインターコネクタ本体10とインターコネクタ用セパレータ11との間を気密に封止することができる。なお、本実施形態において、図4の接合部30は2種の異なる材料(ロウ材及び封止材)によって形成された構成部分を含むが、接合部30の具体的な材料及び構造については後述する。
インターコネクタ用セパレータ11は、既に述べたように可撓性を有する金属製の薄板であるため、積層方向の応力を逃がす程度の厚さに形成する必要がある。具体的には、インターコネクタ用セパレータ11を0.05〜0.5mmの範囲内の厚さ(ここでは、例えば、0.1mmの厚さ)に形成することが望ましい。インターコネクタ用セパレータ11の厚さが0.5mmを超えると、複数の単セルCを積層した状態で各々のインターコネクタ用セパレータ11に印加される応力を逃がすことが困難になる結果、応力に起因する割れ等の不具合を招く恐れがある。一方、インターコネクタ用セパレータ11の厚さが0.05mmに満たないと、耐酸化性や耐食性が劣化して十分な耐久性を確保できなくなる。なお、図4(A)に示すように、インターコネクタ本体10には、図1のボルトB1〜B10に対応する各位置に円形の貫通孔が形成されている。
インターコネクタ用セパレータ11は、例えば、主成分が鉄(Fe)であり、かつ1重量%以上10重量%以下のアルミニウムを含有する金属材料を用いて形成することが望ましい。すなわち、インターコネクタ用セパレータ11の表面にアルミナの被膜を形成することにより、耐酸化耐久性を向上させることができる。ただし、アルミニウムの含有量が1重量%に満たない程度の金属材料を用いる場合は、被膜形成が不十分となって上述の効果が弱くなる。一方、アルミニウムの含有量が10重量%を超える程度の金属材料を用いる場合は、インターコネクタ用セパレータ11が常温で硬くなり過ぎ、応力の緩和が困難になる。
また、図4(B)に示すように、インターコネクタ用セパレータ11は、インターコネクタ本体10を吊り下げた構造であって変形可能であるため、インターコネクタ用セパレータ11をインターコネクタ本体10よりも薄い金属板で形成するのが望ましい。この場合、インターコネクタ本体10の厚さは、0.2mm以上2.0mm以下の範囲内にすることが望ましい。ここでは、インターコネクタ本体10の厚さは、例えば、1.0mmとする。一方、インターコネクタ本体10は、既に述べたように、LaCrO3(ランタンクロマイト)系の導電性セラミックを用いて形成する場合は、特に高温の領域(例えば、700〜1000℃)で使用する場合に高い導電性を確保することができる。コーティングされたフェライト系SUS材を用いて形成する場合は、高温の領域では耐酸化耐久性が低下するが、800℃以下で使用する場合において導電性セラミックを用いる場合に比べて高い導電性を確保することができる。使用温度に分けて適切な材料を適用する結果、インターコネクタ本体10の電気抵抗による損失を低減し、燃料電池スタックSの発電性能の向上に寄与する。
次に、本実施形態において、図4の接合部30の具体的な構造について説明する。図5〜図11は、本実施形態の接合部30の構造に関する7つの実施例を示す図であり、それぞれ図4(B)の左側の領域を拡大した側断面図を示している。
図5は、第1の実施例に係る接合部30の構造を示している。第1の実施例においては、接合部30が、外周側に配置されたロウ材接合部31と、内周側に配置された封止部32とにより構成される。ロウ材接合部31は、ロウ材を用いて形成されるとともに、封止部32はガラスを含む封止材を用いて形成される。ロウ材接合部31にロウ材を用いることにより、インターコネクタ本体10とインターコネクタ用セパレータ11とを十分に大きい接合強度で互いに接合することができる。また、ロウ材接合部31よりも開口部11a寄りの封止部32に封止材を用いることによりインターコネクタ本体10とインターコネクタ用セパレータ11との間を封止して、燃料ガスや酸化剤ガスのリークを防止することができる。すなわち、接合部30の接合強度は主にロウ材接合部31が担い、上記ガスに対する封止は主に封止部32が担うことになる。なお、燃料ガスとしては、水素ガスや都市ガス、メタンガス、メタノールガス等を用いることができ、酸化剤ガスとしては、空気を用いることができる。
第1の実施例において、ロウ材接合部31及び封止部32は、平面視で開口部11aの全周(図4(A)参照)を取り囲むように配置される。図5の紙面横方向においては、ロウ材接合部31及び封止部32が互いに密着して一体的に接合部30を構成し、インターコネクタ本体10の外周側とインターコネクタ用セパレータ11の内周側(開口部11aの外周)の範囲内に接合部30が配置されることがわかる。また、図5の紙面縦方向(積層方向)においては、ロウ材接合部31及び封止部32がいずれもインターコネクタ本体10の上面とインターコネクタ用セパレータ11の下面との間に挟まれた領域(本発明の第1の領域)に配置されることがわかる。なお、接合部30の配置に関連する上記特徴は、第1の実施例に固有であって、以下に説明する第2〜第7の実施例には当てはまらない。
上述したように、接合部30の内周側に封止部32を配置することで、ロウ材からなるロウ材接合部31において燃料ガスと酸化剤ガスが出会うことによるボイド(およびガスリーク)の発生を有効に防止することができる。一方、外周側に配置されるロウ材接合部31の接合強度が大きいため、封止材からなる封止部32に応力が印加されたときの封止材の割れを有効に防止することができる。従って、本実施形態の接合部30の構造を採用することにより、長期間の使用時における接合部30全体の信頼性を高めることができる。かかる効果については、第1の実施例のみならず、以下に説明する第2〜第7の実施例においても共通である。
ロウ材接合部31を形成するロウ材としては、Agと酸化物の混合体を用いることができる。Agと混合される酸化物としては、例えば、Al2O3(アルミナ)、CuO、TiO2、Cr2O3、SiO2を挙げることができる。また、ロウ材接合部31を形成するロウ材として、Agと他の金属との合金(例えば、Ag−Ge−Cr、Ag−Ti、Ag−Al)を用いてもよい。ロウ材は、他にもBNi−2、BNi−5に代表されるNiロウなどを用いてもよい。
封止部32を形成する封止材としては、インターコネクタ本体10及びインターコネクタ用セパレータ11と比較的近い熱膨張率を有する材料を採用することが望ましい。これにより、封止部32において、インターコネクタ本体10及びインターコネクタ用セパレータ11との熱膨張率の差による応力印加時に、クラックの発生を防止することができる。具体的には、熱膨張率(熱膨張係数)8ppm/K以上12ppm/K以下(ここでは、常温から300℃の温度範囲内における数値とする)の範囲内の材料を用いることが望ましい。また、封止部32は、インターコネクタ本体10に電流が流れる際に発生するジュール熱により高温になるため、封止材には軟化温度が高い非晶質ガラスもしくは結晶化ガラス、フィラー入りガラスのいずれかを用いて形成することが望ましい。具体的には、軟化温度が500℃以上の非晶質ガラス、あらかじめ熱処理等で結晶化させ形状保持させたガラス、α−アルミナに代表されるような耐熱セラミックス粒子などのフィラーによって形状保持させた非晶質ガラスを採用することが望ましい。軟化温度が500℃に満たないガラスを用いると、燃料電池スタックSを高温で使用時にガラスが流出しガスシール性が失われる。
また、封止部32を形成する封止材は、ある程度のアルミニウムを含有させてもよい。すなわち、インターコネクタ用セパレータ11と、ロウ材接合部31を形成するロウ材と、封止部32を形成する封止材とのそれぞれの部材がアルミニウムを含む場合、各部材が密着する界面で親和性を高めることができる。その結果、インターコネクタ用セパレータ11と、ロウ材接合部31と、封止部32のそれぞれの間で生じる界面剥がれを抑制することができる。
なお、インターコネクタ用セパレータ11のアルミナ皮膜との濡れ性が悪いと、確実なガス封止ができないという問題がある。このため、封止材にはMgやZnが含まれていることが好ましい。MgやZnは、アルミナ被膜と反応することにより、MgAl2O4やZnAl2O4といった化学的に安定する反応物を形成するため、濡れ性が向上すると同時に耐久性も向上する。
また、封止部32は、内部に直径0.1μm以上50μm以下の気泡を複数有することが好ましい。このようにすれば、気泡によって割れの伝搬を防止することができるからである。仮に、気泡の直径が0.1μm未満になると、割れの伝搬を防止するという効果が得られなくなる。一方、気泡の直径が50μmを超えると、封止材が割れやすくなる。
なお、ロウ材接合部31及び封止部32の材料についての上記説明は、第1の実施例のみならず、以下に説明する第2〜第7の実施例においても共通である。
図6は、第2の実施例に係る接合部30aの構造を示している。第2の実施例においては、接合部30aが、ロウ材により形成された外周側のロウ材接合部31と、封止材により形成された内周側の封止部32とにより構成される点は第1の実施例(図5)と同様であるが、ロウ材接合部31と封止部32との間に空間S1が存在する点で第1の実施例とは異なる。すなわち、第2の実施例に係る接合部30aは、ロウ材接合部31と封止部32が密着することなく所定の間隔を置いて配置されている。このように、ロウ材接合部31と封止部32との間に空間S1が存在することにより、ロウ材接合部31のロウ材が熱により変形したとしても、ロウ材接合部31に接していない封止部32の封止材が割れることを防止することができる。
図7は、第3の実施例に係る接合部30bの構造を示している。第3の実施例に係る接合部30bは、ロウ材により形成された外周側のロウ材接合部31と、封止材により形成され、ロウ材接合部31の内周側から開口部11aの領域内及びインターコネクタ用セパレータ11の上面側(本発明の第2の領域)にかけて配置された封止部32aとにより構成される。この場合、封止部32aは、インターコネクタ用セパレータ11の内周側の端部(開口部11aの外周)を覆う領域(本発明の第3の領域)に配置されている。よって、インターコネクタ用セパレータ11が上方又は下方のいずれに変形したとしても、その上面及び下面を封止部32aが挟み込む形となるため応力が均衡し、封止部32aの封止材の割れを抑制する作用がある。また、インターコネクタ用セパレータ11と封止部32aが接触する面積が増加するため、ガスシール性が一層向上する。
図8は、第4の実施例に係る接合部30cの構造を示している。第4の実施例に係る接合部30cは、ロウ材により形成された外周側のロウ材接合部31と、第3の実施例と同様の封止部32a(図7)から構成されるが、ロウ材接合部31と封止部32aとの間に空間S2が存在する点で第3の実施例とは異なる。この空間S2の役割については、第2の実施例の空間S1(図6)の場合と同様であり、ロウ材接合部31のロウ材の変形時に封止部32aの封止材が割れることを防止することにある。ただし、インターコネクタ用セパレータ11の上面及び下面を封止部32aが挟み込む形を維持すべく、少なくとも封止部32aの一部をインターコネクタ用セパレータ11の下面側に配置する必要がある。
図9は、第5の実施例に係る接合部30dの構造を示している。第5の実施例に係る接合部30dは、ロウ材により形成された外周側のロウ材接合部31と、封止材により形成された内周側の封止部32aとにより構成される点は第3の実施例(図7)と同様であるが、ロウ材接合部31と封止部32aの間に中間領域I(中間層)が存在する点で第3の実施例とは異なる。すなわち、中間領域Iにおいては、ロウ材接合部31のロウ材と封止部32aの一部の封止材が双方向に拡散した状態となっている。よって、中間領域Iのうち、ロウ材接合部31に近い側ほどロウ材の比率が増加し、封止部32aに近い側ほど封止材の比率が増加する。これにより、ロウ材接合部31が封止部32aよりも熱膨張率が高いとしても、その変形は中間領域Iによって緩和されるので、封止部32aの封止材の割れを有効に抑制することができる。
図10は、第6の実施例に係る接合部30eの構造を示している。第6の実施例に係る接合部30eは、ロウ材により形成されたロウ材接合部31、封止材により形成された封止部32、ロウ材接合部31及び封止部32の間の空間S1については、第2の実施例(図6)と同様であるが、インターコネクタ用セパレータ11の上面に、封止材により形成された拘束部33が配置される点で第2の実施例とは異なる。封止部32と拘束部33は、インターコネクタ用セパレータ11を挟んで上下に対向配置されるが、両者は封止材の特性が異なっている。例えば、上側の拘束部33は下側の封止部32よりも熱膨張率が大きい封止材を用いることができる。このようにすれば、インターコネクタ用セパレータ11が加熱時に上方に反ることを抑制する作用がある。
図11は、第7の実施例に係る接合部30fの構造を示している。第7の実施例に係る接合部30fは、全体の断面形状については第3の実施例(図7)と同様であるが、図7の封止部32aが図11では2つの封止部32b、32cからなる点で第3の実施例とは異なる。すなわち、下側の封止部32bと上側の封止部32cが一体的に配置され、全体的な断面形状は図7の封止部32aと同様であるが、上下の封止部32b、32cは封止材の特性が異なっている。例えば、第6の実施例と同様、インターコネクタ用セパレータ11が加熱時に上方に反ることを抑制すべく、上側の封止部32cは下側の封止部32bよりも熱膨張率が大きい封止材を用いることができる。
以下、本実施形態の燃料電池スタックSに関し、インターコネクタ1(インターコネクタ本体10及びインターコネクタ用セパレータ11が互いに接合されてなるセパレータ付インターコネクタ)の製造方法の概略について補足的に説明する。まず、周知の手法で、LaCrO3系の導電性セラミックのシートを用いてインターコネクタ本体10を形成する。一方、例えば、上述の比率でアルミニウムを含有するフェライト系ステンレス鋼からなる板材を打ち抜くことにより、開口部11a(図4)を有するインターコネクタ用セパレータ11を形成する。
次いで、インターコネクタ本体10とインターコネクタ用セパレータ11とを互いに接合するための接合部30の形成を行う。ここでは、基本構造として図5の第1の実施例に係る接合部30を形成する場合を例にとって説明する。まず、図12に示すように、インターコネクタ本体10の外周側の上面に全周にわたってロウ材312を配置するとともに、インターコネクタ用セパレータ11の内周側の下面に全周にわたってロウ材311を配置する。例えば、ペースト状のロウ材を所定領域に印刷することにより、それぞれのロウ材311、312を配置することができる。そして、上下のロウ材311、312が対向する位置でインターコネクタ本体10とインターコネクタ用セパレータ11を一体的に接触させ、例えば、850〜1100℃で加熱することでロウ材311、312を溶融させる。その結果、図13に示すようなロウ材接合部31が形成され、ロウ材接合部31を介してインターコネクタ本体10とインターコネクタ用セパレータ11が接合する状態になる。なお、ロウ材311、312については、上記の製造方法に限らず、ロウ材311、312のいずれか一方のみを印刷することにより配置してもよい。
次いで、図14に示すように、例えば、インターコネクタ本体10の上面のうちロウ材接合部31から所定の距離だけ離れた位置にガラスを含むペーストをディスペンサ塗布により、封止材321を配置する。なお、封止材321は濡れ性が良好であるため、インターコネクタ用セパレータ11の開口部11a近傍の所定位置に塗布してもよい。このとき、封止材321を熱処理して成形するとともに、真空脱泡することにより、封止材321がロウ材接合部31の側に引き込まれる。その結果、図14に示すように、封止材321が封止部32となり、ロウ材接合部31及び封止部32からなる接合部30が形成され、接合部30を介してインターコネクタ本体10とインターコネクタ用セパレータ11の接合が完了する。なお、封止材321の形成方法については、上記の製造方法に限らず、印刷によって配置してもよい。
なお、上述したように、基本構造として第1の実施例に係る接合部30を形成する場合を説明したが、他の第2〜第7の実施例(図6〜図11)に係る接合部30を形成する場合には、図12〜図14を用いて説明した手法を基本としつつ、封止材321の量や温度の制御、あるいはインターコネクタ用セパレータ11の上面側への印刷、ロウ材及び封止材の材料の調節などにより、適宜に対応することができる。
以下、本実施形態のインターコネクタ1の構造の変形例について説明する。図15は、図5に示す第1の実施例に係る接合部30の配置を変更した変形例の構造を示している。具体的には、図5の接合部30は、下部に配置されたインターコネクタ本体10と上部に配置されたインターコネクタ用セパレータ11に挟まれた構造であるのに対し、図15の接合部30は、上部に配置されたインターコネクタ本体10と下部に配置されたインターコネクタ用セパレータ11に挟まれた構造となっている点が異なる。このような構造により、図2及び図3における流路の位置関係から明らかなように、図5の場合は、ロウ材接合部31が酸化剤ガスに接触し、封止部32が燃料ガスに接触するのに対し、図15の変形例の場合は、ロウ材接合部31が燃料ガスに接触し、封止部32が酸化剤ガスに接触することがわかる。ここで、封止部32の封止材は、酸素を遮断することはできるが、水素を完全に遮断することは困難であって、その透過率を下げるのみである。よって、図15の変形例は、図5の構造に比べると、封止部32のガラスが酸化剤ガスに接触しているため、酸素を遮断することにより、ロウ材接合部31で燃料ガスと酸化剤ガスが出会うことによるボイドの発生を確実に防止することができるという効果がある。なお、第1の実施例(図5)に対応する図15のみを示したが、第2〜第7の実施例(図6〜図11)に関しても同様の変形例を採用可能であることは言うまでもない。
以上説明したように、本実施形態の燃料電池スタックSにおいては、隣接する単セルC同士の間にインターコネクタ本体10を介在させる場合、いわゆる吊り下げ構造を採用してインターコネクタ本体10をインターコネクタ用セパレータ11に接合するとともに、接合部30を、ロウ材からなる外周側のロウ材接合部31と、封止材からなる内周側の封止部32とにより構成している。よって、可撓性を有するインターコネクタ用セパレータ11の変形によって積層方向および面方向の応力を吸収することによりインターコネクタ本体10の割れを抑制するとともに、ロウ材接合部31のロウ材の接合強度による長期耐久性と、封止部32の封止材の封止によるガスリークの防止の両方を実現することができる。また、流路用の開口部はインターコネクタ用セパレータ11に設ければよいため、インターコネクタ本体10には複雑な加工が不要となり、量産性に優れている。
なお、インターコネクタ用セパレータ11は、セル本体用セパレータ24と同一の材料及び同一の構造で形成してもよい。この場合、図5〜図11に示したように、接合部30を第1〜第7の実施例に基づいて形成する場合、セル本体14とセル本体用セパレータ24とを接合する接合部40を、接合部30と同じ構造で形成することが望ましい。このようにすることで、燃料電池スタックSの製造効率を高めることでき、製造コストの低減に効果がある。
以上、本実施形態に基づき本発明の内容を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で多様な変更を施すことができる。例えば、インターコネクタ用セパレータ11は、可撓性を有する金属板を用いる限り、金属材料や形状を自在に変更することができる。また、接合部30は、ロウ材から形成されるロウ材接合部31を外周側に配置し、かつ、封止材から形成される封止部32を内周側に配置すれば、多様な構造及び形状で形成することができる。また、それ以外のインターコネクタ本体10、空気極側集電体12、枠部13、セル本体14、燃料極側集電体15等の構成部材についても、本発明の目的を達成できる限り、本実施形態の内容に限定されることなく、多様な材料や構造を採用することができる。
1…インターコネクタ(セパレータ付インターコネクタ)
10…インターコネクタ本体
11…インターコネクタ用セパレータ
11a…開口部
12…空気極側集電体
13…枠部
14…セル本体
15…燃料極側集電体
20…燃料極層
21…固体電解質層
22…空気極層
23…燃料極フレーム
24…セル本体用セパレータ
25…絶縁フレーム
26…空気極フレーム
30、30a、30b、30c、30d、30e、30f、40…接合部
31…ロウ材接合部
32、32a、32b、32c…封止部
33…拘束部
311、312…ロウ材
321…封止材
S…燃料電池スタック
C…単セル
B1〜B10…ボルト
N…ナット
H…貫通孔
P…エンドプレート
S1、S2…空間
I…中間領域

Claims (12)

  1. 燃料極層と、空気極層と、固体電解質層とを含む単セルを、インターコネクタを介して、複数個積層した固体酸化物形燃料電池スタックであって、
    前記インターコネクタは、インターコネクタ本体と、可撓性を有する金属板からなる第1のセパレータと、を備え、
    かつ、前記インターコネクタ本体及び前記第1のセパレータは、前記第1のセパレータの中央に形成された開口部の全周を取り囲む接合部を介して互いに接合されており、
    かつ、前記インターコネクタ本体の両面には、前記燃料極層との導通を確保する燃料極側集電体と、前記空気極層との導通を確保する空気極側集電体とがそれぞれ接合されており、
    かつ、前記接合部は、
    ロウ材により形成されるロウ材接合部と、
    前記ロウ材接合部よりも前記開口部寄りの内周側に配置され、ガラスを含む封止材により形成される封止部と、
    を有することを特徴とする固体酸化物形燃料電池スタック。
  2. 前記ロウ材接合部及び前記封止部は、積層方向で前記インターコネクタ本体と前記第1のセパレータとに挟まれた第1の領域に配置されることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池スタック。
  3. 前記封止部は、前記第1の領域、及び、前記第1のセパレータに対して前記第1の領域とは反対側の表面上の第2の領域、にそれぞれ配置され、
    前記封止部のうち、前記第2の領域に配置された部分は、前記第1のセパレータを拘束する拘束部であることを特徴とする請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池スタック。
  4. 前記封止部は、前記第1の領域の封止材の熱膨張係数よりも、前記第2の領域の封止材の熱膨張係数の方が大きいことを特徴とする請求項3に記載の固体酸化物形燃料電池スタック。
  5. 前記封止部は、更に前記第1のセパレータの内周側の端部を覆う第3の領域に配置され、当該第3の領域を介して前記第1の領域と前記第2の領域とが一体的に連結されることを特徴とする請求項3又は4に記載の固体酸化物形燃料電池スタック。
  6. 前記第1の領域において、前記ロウ材接合部と前記封止部との間に空間が存在することを特徴とする請求項2から5までのいずれか一項に記載の固体酸化物形燃料電池スタック。
  7. 前記第1の領域において、前記ロウ材接合部と前記封止部との間に、前記ロウ材と前記封止材の両方の成分を含む中間層が形成されることを特徴とする請求項2から5までのいずれか一項に記載の固体酸化物形燃料電池スタック。
  8. 前記封止材の熱膨張係数は、8ppm/K以上12ppm/K以下であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の固体酸化物形燃料電池スタック。
  9. 前記第1のセパレータ、前記ロウ材接合部、前記封止部は、それぞれアルミニウムを含有することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の固体酸化物形燃料電池スタック。
  10. 前記固体電解質層を挟んで一方の側に前記燃料極層が配置され他方の側に前記空気極層が配置されたセル本体と、
    可撓性を有する金属板からなる第2のセパレータと、
    を更に備え、
    前記セル本体と前記第2のセパレータとは、前記第2のセパレータの中央に形成された開口部の全周を取り囲むセル接合部を介して互いに接合されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の固体酸化物形燃料電池スタック。
  11. 燃料極層と、空気極層と、固体電解質層とを含む単セルを複数個積層した固体酸化物形燃料電池スタック用のセパレータ付インターコネクタであって、
    インターコネクタ本体と、
    可撓性を有する金属板からなる第1のセパレータと、
    を備え、
    前記インターコネクタ本体は、前記第1のセパレータの中央に形成された開口部の全周を取り囲むように配置された接合部を介して前記第1のセパレータに封止接合され、
    かつ、前記接合部は、
    ロウ材により形成されるロウ材接合部と、
    前記ロウ材接合部よりも前記開口部寄りの内周側に配置され、ガラスを含む封止材により形成される封止部と、
    を有し、
    前記セパレータ付インターコネクタを用いて前記固体酸化物形燃料電池スタックを構成した状態で、前記インターコネクタ本体の両面には、前記燃料極層との導通を確保する燃料極側集電体と、前記空気極層との導通を確保する空気極側集電体とがそれぞれ接合されている、
    ことを特徴とするセパレータ付インターコネクタ。
  12. 前記封止材の熱膨張係数は、8ppm/K以上12ppm/K以下であることを特徴とする請求項11に記載のセパレータ付インターコネクタ。
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