JP2016062655A - セパレータ付燃料電池単セル - Google Patents

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Abstract

【課題】熱膨張係数の違いによる単セルの割れ等の不具合の防止とガスリークの防止を両立し得るセパレータ付燃料電池単セルを提供する。
【解決手段】本発明のセパレータ付燃料電池単セルは、開口部12aを有する板状のセパレータ12と、このセパレータ12の上面側に配置され、燃料極層20、固体電解質層21、空気極層22を有する燃料電池単セルCと、この燃料電池単セルCとセパレータ12とを接合する第1接合部30と、セパレータ12の上面側に配置された板状のセラミック部材32と、このセラミック部材32とセパレータ12とを接合する第2接合部31とを備えて構成される。これにより、接合領域Jの各部材の熱膨張係数の相違に起因する熱応力により単セルの割れ等の不具合が生じることを防止することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、セパレータと燃料電池単セルとを接合したセパレータ付燃料電池単セル及びそれを含む燃料電池スタックに関するものである。
従来から、電解質に固体酸化物を用いた固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)が知られている。SOFCを構成する基本単位である燃料電池単セル(以下、本明細書において「単セル」という)は、例えば、平板状の固体電解質層の両面に配置した燃料極層と空気極層のそれぞれに燃料ガス及び酸化剤ガスを供給することで電力を発生する。このような単セルをセパレータに接合することで、燃料ガスの流路と酸化剤ガスの流路とを隔離する構造が形成される。セパレータは、例えば開口部を有する平板状の金属部材であり、その開口部の周囲の接合領域にロウ材を介して単セルと一体的に接合される。この場合、単セルの変形や割れを抑制しつつ、接合部材を介して単セルとセパレータを確実に接合するとともに、接合領域からのガスリークを防止することが重要となる。
単セルとセパレータとを接合するために適用可能な種々の技術が提案されている。例えば、特許文献1には、SOFCを構成する部材間を接合する際、熱膨張係数が近い接合材料を用いることにより、ガスリークを防止する技術が開示されている。また例えば、特許文献2には、セパレータの両面にガラスを含む封止部を配置して、セパレータの変形と封止部の破損を抑制しつつガスリークを防止し得る技術が開示されている。また例えば、特許文献3には、接合工程温度を低く抑えて、接合時にセラミック部材の割れを防止する技術が開示されている。
特開2012−74268号公報 特開2014−49321号公報 特開2009−46329号公報
一般に、金属製のセパレータとセラミック部材からなる単セルは材料が異なる。この場合、セパレータの熱膨張係数は単セルの熱膨張係数に比べ大きいものとなる。そのため、SOFCの長時間の耐久動作に際しては、セパレータと単セルの熱膨張係数の相違に起因する熱応力が生じ、単セルとセパレータとが接合部で接合(固定)されているため、熱によりセパレータが大きく膨張した場合、単セルがセパレータの熱膨張による応力の影響を大きく受けてしまい、単セルが割れてリーク特性の劣化につながる。特許文献1の技術は、部材間の接合部に、熱膨張係数が各部材に近いガラス系の接合材料を使用しているが、各部材の熱膨張係数の差が大きい場合には熱応力により接合部が割れる可能性がある。特許文献2の技術は、セパレータの両面に封止部を配置することでガスリークを抑制できたとしても、ガラスを含む封止部が割れる懸念がある。特許文献3の技術は、低い接合工程温度の状況下に制約されるので、実際のSOFCの高温での接合や動作には適用できない点が問題となる。以上のように、上記従来の技術によれば、いずれも、単セルとセパレータとの熱膨張係数の違いにより、単セルとセパレータとを接合する接合部や封止部が割れてしまう場合がある。また、接合部や封止部が割れなかった場合でも、単セルとセパレータとの接合部分(固定部分)で熱膨張係数の差による応力が単セルに集中し、単セルに割れが生じる。よって、SOFCの単セルとセパレータを接合する際に、良好なリーク特性を確保しつつ単セルや封止部の割れ等の不具合を確実に防止することは困難であった。
本発明はこれらの問題を解決するためになされたものであり、セパレータの両面にそれぞれ接合部を介して単セル及びセラミック部材を接合した構造を採用して、熱膨張係数の違いに基づく熱応力の影響を抑制し、単セルの割れや単セルとセパレータとを接合する接合部や封止部の割れの不具合を防止してガスリークの防止が可能なセパレータ付燃料電池単セルを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のセパレータ付燃料電池単セルは、第1面と該第1面に対向する第2面を貫通する開口部を有する板状のセパレータと、前記セパレータの前記第1面側に配置され、燃料極層と、空気極層と、固体電解質層とを有する燃料電池単セルと、前記燃料電池単セルと前記セパレータの前記第1面とを接合する第1接合部と、を備えるセパレータ付燃料電池単セルにおいて、前記セパレータの前記第2面側に配置された板状のセラミック部材と、前記第1接合部と前記セパレータを介して対向する位置において、前記セラミック部材と前記セパレータの前記第2面とを接合する第2接合部とを備えて構成される。
本発明のセパレータ付燃料電池単セルによれば、板状のセパレータの開口部の周囲には、第1面側の第1の接合部と第2面側の第2の接合部が対向配置され、第1の接合部を介してセパレータと単セルが接合されるとともに、第2の接合部を介してセパレータとセラミック部材が接合される。よって、セパレータの両面側で対向配置される単セルとセラミック部材は、セラミックからなるので熱膨張係数をほぼ等しくすることができ、セパレータの上下に加わる熱応力が均衡するので、セパレータと単セルとの熱膨張係数の違いによる単セルの割れを抑制することができる。また、第1及び第2の接合部における接合を安定に確保することにより、燃料電池のリーク特性を高めることができる。
本発明のセラミック部材の幅は、第1及び第2の接合部の幅に対して0.5倍から2倍の範囲内に設定することが望ましい。セラミック部材の幅が第1及び第2の接合部の幅の0.5倍よりも短い場合、セパレータの応力分布と同程度のセラミック部材の応力分布を得ることが困難になる。また、セラミック部材の幅が第1及び第2の接合部の幅の2倍よりも長い場合、セラミック部材が反った際にセパレータと干渉し、セラミック部材の剥離の要因となる。
本発明のセラミック部材の材料及び構造は、多様な選択肢がある。例えば、セラミック部材は酸化物セラミックを用いて形成することができる。また、セラミック部材としては、セパレータの開口部の周囲に配置された複数の部材(例えば、4本の長尺板状部材)と、セパレータの開口部の周囲に配置された一つの部材(例えば、セパレータと同様の開口部を有する板状部材)のいずれを用いてもよい。
本発明のセパレータ付燃料電池単セルにおいて、セパレータの開口部を形成する内側面に配置されるとともに、この内側面側に露出する前記第1接合部の露出面を封止し、ガラスを含む封止部を更に設けることができる。この場合、封止部がセラミック部材の少なくとも一部を覆う構造にする必要がある。これにより、燃料電池単セルと、セパレータと、セラミック部材、第1及び第2の接合部を含む接合部分からのガスリークを確実に防止することができる。
また、本発明は、本発明のセパレータ付燃料電池単セルを複数個配置した燃料電池スタックに対しても適用可能である。これにより、燃料電池スタックに含まれる複数の接合部分のそれぞれの接合強度及びリーク特性の向上が可能となる。
本発明によれば、セパレータの両面側にそれぞれ接合部を介して単セル及びセラミック部材を接合した構造を有するので、各部材の熱膨張係数の違いによる熱応力がセパレータの上下で均衡し、セパレータと単セルとの熱膨張係数の違いによる単セルの割れ等の不具合を防止することができる。また、セパレータと単セルの接合部分における良好なリーク特性を確保することができる。
本実施形態に係る固体酸化物形燃料電池スタック1の全体の斜視図である。 図1の固体酸化物形燃料電池スタック1の模式的な断面図である。 1個の発電単位2の基本構造に関し、各構成要素を分解した状態の断面構造図である。 図3の基本構造のうち、単セルC、セパレータ12、接合部30、31、セラミック部材32の構造部分を分解した状態の模式的な斜視図である。 セラミック部材の構造例として、一つの部材で形成する例と、複数の部材で形成する例を示す図である。 本発明の接合構造の第1の実施例を示す図である。 第1の実施例との対比のための第1の比較例を示す図である。 本発明の接合構造の第2の実施例を示す図である。 第2の実施例との対比のための第2の比較例を示す図である。 本発明の接合構造に関する第1の変形例を示す図である。 本発明の接合構造に関する第2の変形例を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、以下に述べる実施形態は、固体酸化物形燃料電池を構成するセパレータ付燃料電池単セルに対して本発明を適用した形態の一例であって、本発明が本実施形態の内容により限定されることはない。
図1は、本実施形態に係る固体酸化物形燃料電池スタック(以下、「燃料電池スタック」という)1の全体の斜視図を示している。また、図2は、図1の燃料電池スタック1の模式的な断面図を示している。燃料電池スタック1は、発電単位2を複数個(例えば20個)備えている。発電単位2は、1対のインターコネクタ5と、燃料電池単セル(以下、単に「単セル」ともいう)Cと、空気極側集電体10と、空気極側絶縁フレーム11と、セパレータ12と、燃料極側フレーム13と、絶縁フレーム14と、燃料極側集電体15と、単セルC及びセパレータ12の間の接合領域Jに配置された接合部30、31及びセラミック部材32とを備えている。発電単位2の詳しい説明は後で説明する。
燃料電池スタック1には、発電単位2の連続する方向における両端部(図1では上端部と下端部)に、エンドプレート3、4が配置されている。さらに、燃料電池スタック1は複数のボルトB1〜B8及び複数のナットNによって一体的に固定されている。なお、本実施形態では、燃料電池スタック1の四隅にある4つの貫通穴Hに締結ボルトB1、B3、B5、B7を挿通させ、燃料電池スタック1の下面から突出する締結ボルトB1、B3、B5、B7の下端部分にナット(図示略)を螺着させる。また、残り4つの貫通穴Hにガス流通用締結ボルトB2、B4、B6、B8を挿通させ、燃料電池スタック1のエンドプレート3、4から突出するガス流通用締結ボルトB2、B4、B6、B8の両端部分にナットNを螺着させる。その結果、燃料電池スタック1は複数の発電単位2を有する。
本実施形態では、説明の便宜上、各図面の方向を基準に「上」、「下」等の方向を表記するが、実際の燃料電池スタック1の方向性を規定するものではない。燃料電池スタック1内において隣接する単セルC同士の間に配置されるインターコネクタ5は1枚配置されていればよい。従って、燃料電池スタック1内の一つの発電単位2の下側のインターコネクタ5は隣接する発電単位2の上側のインターコネクタ5と共用となっている。また、燃料電池スタック1の両端部に配置されるエンドプレート3、4は、燃料電池スタック1から出力される電流の出力端子となっていてもよいし、エンドプレート3と発電単位2との間、及びエンドプレート4と発電単位2との間に電流の出力端子を電気的に接続する導電板を配置してもよい。
さらに、エンドプレート3、4に最も近い発電単位2においては、エンドプレート3、4と単セルCとの間にインターコネクタ5を配置しなくてもよい。
次に、燃料電池スタック1を構成する発電単位2の基本構造について説明する。図3は、1個の発電単位2の基本構造に関し、各構成要素を分解した状態の断面構造を示している。なお、図3においては、図2の両側の流路構造については省略している。図3に示す発電単位2は、上側のインターコネクタ5t及び下側のインターコネクタ5bと、単セルCと、空気極側集電体10と、空気極側絶縁フレーム11と、セパレータ12と、燃料極側フレーム13と、絶縁フレーム14と、燃料極側集電体15と、単セルC及びセパレータ12の間の接合領域Jに配置された接合部30、31及びセラミック部材32とを備えている。このうち、単セルC及びセパレータ12は、接合部30、31及びセラミック部材32とともに、本発明の一体的なセパレータ付燃料電池単セルを構成する。
図3において、発電単位2の発電機能を担う単セルCは、下層側から順に、燃料極層20と、固体電解質層21と、空気極層22とが積層形成されてなる。燃料極層20は、燃料ガスに接触し、単セルCのアノードとして機能する。燃料極層20の材料としては、例えば、Ni、Niとセラミック粒子からなるサーメット、Ni基合金などの金属を用いることができる。固体電解質層21は、イオン導電性を有する各種の固体電解質からなる。固体電解質層21の材料としては、例えば、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、ScSZ(スカンジア安定化ジルコニア)、SDC(サマリウムドープセリア)、GDC(ガドリニウムドープセリア)、ペロブスカイト系酸化物等を用いることができる。空気極層22は、酸化剤ガス(空気、詳しくは空気中の酸素)に接触し、単セルCのカソードとして機能する。空気極層22の材料としては、例えば、LSCF(ランタンストロンチウムコバルト鉄酸化物)、LSM(ランタンストロンチウムマンガン酸化物)等のペロブスカイト系酸化物、各種貴金属及び貴金属とセラミックとのサーメットを用いることができる。
上下のインターコネクタ5t、5bは、それぞれ板状の金属部材であり、単セルCとその上層及び下層に隣接する上下の単セルC(又はエンドプレート3、4)との間の電気的接続を担う。上側のインターコネクタ5tは、空気極側集電体10を介して単セルCの空気極層22と電気的に接続され、下側のインターコネクタ5bは燃料極側集電体15を介して単セルCの燃料極層20と電気的に接続される。空気極側集電体10は、例えば、Ag−Pd等の金属材料を用いて形成され、燃料極側集電体15は、例えば、通気性を有するニッケルフェルト等の材料を用いて形成される。
上下のインターコネクタ5t、5bの間の外周領域には、上から順に空気極側絶縁フレーム11、セパレータ12、燃料極側フレーム13、絶縁フレーム14が配置されている。このうち、ガス流路を隔離する役割を有するセパレータ12は、可撓性を有する板状の金属部材であり、中央に形成された開口部12aを取り囲む接合領域Jにおいて固体電解質層21の外周側と接合されている。この接合領域Jの近傍の具体的な構造については後述する。空気極側絶縁フレーム11は、空気極側集電体10を取り囲むように配置され、燃料極側フレーム13は、燃料極層20及び固体電解質層21を取り囲むように配置され、絶縁フレーム14は、燃料極側集電体15を取り囲むように配置される。
図4は、図3の発電単位2の基本構造のうち、単セルC、セパレータ12、接合部30、31、セラミック部材32の構造部分を分解した状態の模式的な斜視図を示している。図3及び図4から理解できるように、方形の開口部12aを有するセパレータ12の下方に単セルCが配置され、平面視で開口部12aの周囲に配置された接合部30によってセパレータ12の下面(第1面)と単セルCの上面が接合されている。また、セパレータ12の上方にセラミック部材32が配置され、平面視で開口部12aの周囲に配置された接合部31によってセパレータ12の上面(第2面)とセラミック部材32の下面が接合されている。接合部30、31及びセラミック部材32は、いずれも平面視で図3の接合領域Jに重なる位置に配置されている。
接合部30、31の材料としては、例えば、Agを含むロウ材が用いられる。Agを含むロウ材は、例えば、Agと酸化物(アルミナ等)の混合体や、Agと他の金属の合金とすることができる。セラミック部材32の材料としては、例えば、酸化物セラミックが用いられる。セラミック部材32の材料は、熱膨張係数が単セルCと近いことが望ましい。各部材の熱膨張係数の具体例として、約1000度において、セパレータ12が14ppm/K、接合部30のAgロウ材が22ppm/K、固体電解質層21及びセラミック部材32が10ppm/Kのような値となる。また、各部材の厚さの具体例として、セパレータ12が0.02〜0.3mm程度、単セルCが0.3〜2mm程度、接合部30、31の各々が10〜100μm程度、セラミック部材32が0.5〜2mm程度になる。
また、図5に示すように、セラミック部材32の構造としては、一つの部材で形成してもよいが、複数の部材を組み合わせて形成してもよい。すなわち、図5(A)には、板状部材にセパレータ12の開口部12aに重なる開口部を形成したリング状の一つの部材からなるセラミック部材32の例を示している。一方、図5(B)には、4つの長尺の板状部材をセパレータ12の開口部12aの各辺に沿って配置したセラミック部材32の例を示している。
次に、図3の発電単位2の基本構造のうち、単セルC、セパレータ12、接合部30、31、セラミック部材32を含む部分の接合構造に関する具体的な実施例について説明する。図6は、本発明の接合構造に関する第1の実施例を説明する図であり、図2の接合領域Jの近傍における単セルC、セパレータ12、接合部30、31、セラミック部材32を含む範囲を拡大して示している。接合領域Jには、下層側から順に、単セルCの燃料極層20及び固体電解質層21の外周領域、接合部30、セパレータ12のうちの開口部12aの周囲の領域、接合部31、セラミック部材32が積層されている。図6の例では、接合領域Jが開口部12aの周囲に亘って幅Wで形成され、接合部30、31及びセラミック部材32についても同様の幅Wで形成される。
ここで幅Wとは、セパレータ12の第1面の外周と内周との距離が最短となる直線を含み、かつ、該第1面に垂直な方向に、セラミック部材32と単セルCとセパレータ12とを含む断面を出し、この断面においての発電単位2同士の積層方向に垂直な方向のセラミック部材32の長さである。
ここで、図7は、図6に示す第1の実施例との対比のために、図6と同様の範囲を異なる構造により構成した第1の比較例を示している。図7に示す第1の比較例は、セパレータ12と単セルCの間が接合部30により接合され、図6の接合部31及びセラミック部材32が設けられていない構造を有する。第1の比較例によれば、セパレータ12と、接合部30と、単セルCの固体電解質層21は、前述したように互いに熱膨張係数が異なるので、それぞれの界面に熱応力が発生する。特に、繰り返し熱サイクルが加えられる場合には、固定端となる接合部30の両端部に熱応力が集中することになり、例えば、位置Pで単セルCを引張る方向又は押し込む方向に力が加わって単セルCの割れが発生する恐れがある。そして、位置Pで単セルCの割れが発生した場合、その部分からガスリークを生じる要因となり、燃料電池の耐久性の劣化は避けられない。
これに対し、図6に示す第1の実施例によれば、接合領域J(図2)において、セパレータ12の上側に接合部31を介してセラミック部材32を配置し、下側に接合部30を介して単セルCが配置された構造を有している。よって、セパレータ12の接合領域Jにおける熱膨張が上側のセラミック部材32と単セルCとの熱膨張に対して追従するように作用する。言い換えれば、接合領域Jにおいて、セパレータ12の熱膨張はセパレータ12の上下側に接合部30、31を介して接合されたセラミック部材32と単セルCとによって抑制されている。従って、セパレータの上下で熱応力が均衡し、第1の比較例のようにセパレータ12の上側が露出した構造と比べ、熱応力の集中を緩和する効果がある。その結果、熱応力の集中に起因する単セルCの割れの発生を防止できるとともに、その結果として接合部分からのガスリークを抑制する効果も得られる。
次に図8は、本発明の接合構造に関する第2の実施例を説明する図であり、図6と同様の範囲を拡大して示している。第2の実施例は、第1の実施例と同様の接合部30、31及びセラミック部材32に加えて、開口部12aの内側面に配置される封止部33が設けられている。封止部33は、ガラスを含む封止材により形成され、固体電解質層21の上面から、接合部30、セパレータ12、接合部31、セラミック部材32に至る範囲を一体的に覆う形状を有する。第2の実施例は、第1の実施例の構造に封止部33を加えることで、単セルC及びセパレータ12の接合領域Jにおけるガスシール性能の向上を図るものである。
ここで、図9は、図8に示す第2の実施例との対比のために、図7の第1の比較例をベースに構成した第2の比較例を示している。図9に示す第2の比較例においては、セパレータ12と単セルCの間に、外周側の接合部40と内周側の封止部41が並んで配置されている。すなわち、本実施形態の接合部30が幅W(図6)であるが、その領域をそれぞれ幅W/2の接合部40と封止部41とに区分したものである。接合部40は、図8の接合部30と同様の材料で形成され、封止部41は、図8の封止部33と同様の材料で形成される。接合部40は主にセパレータ12と単セルCを接合する役割があり、封止部41は主に接合部40を内周側からシールする役割がある。しかし、第2の比較例の構造では、セパレータ12及び単セルCの熱膨張係数の違いがあるため、熱サイクルによる熱応力が封止部41に加わると、その材料であるガラスの割れが発生する恐れがある。また、単セルCの割れに関しては、図7に示す第1の比較例と同様の問題が残存している。
これに対し、図8に示す第2の実施例によれば、封止部33が接合領域Jの各部材の側面を覆うように配置されるので、図9とは異なり、封止部33の上下に熱膨張係数が異なる部材が配置される構造とはならない。よって、熱サイクルが加えられた状況であっても封止部33を構成するガラスの割れを防止することができる。また、封止部33の断面形状に応じた十分なガスシール性能を確保することができる。第2の実施例において、単セルCの割れを防止する効果は第1の実施例(図6)と同様であるが、封止部33を設けたことによりガスシール性能の向上を見込むことができる。
次に、本発明の接合構造のサイズに関連する変形例について説明する。本実施形態では、接合領域Jに配置される接合部30、31及びセラミック部材32がいずれも幅Wで形成される例を示したが、セラミック部材32は幅Wと異なる幅で形成することができる。具体的には、常温から300℃において、接合領域Jの幅W(接合部30、31の幅)に対して、セラミック部材32の幅を0.5倍から2倍の範囲内(0.5W〜2W)に設定することが望ましい。
第1の実施例(図6)に関し、図10は、セラミック部材32を前述の幅の下限(0.5W)に設定した場合の変形例を示し(セラミック部材32a)、図11は、セラミック部材32を前述の幅の上限(2W)に設定した場合の変形例を示す(セラミック部材32b)。いずれの変形例を採用する場合においても、接合領域Jにおける熱応力の均衡に基づく作用効果を得ることができる。図10の変形例に示す下限0.5Wよりも小さい幅のセラミック部材32を用いると、セパレータ12の上側でセラミック部材32がセパレータ12の熱膨張を抑制できず、セパレータ12の熱膨張により単セルCに熱応力が集中し、単セルCが割れる恐れがある。また、図11の変形例に示す上限2Wよりも大きい幅のセラミック部材32を用いると、セラミック部材32が反ったときにセパレータ12と部分的に干渉し、セラミック部材32が剥離する恐れがある。ただし、前述の範囲内において、セラミック部材32の幅をW〜2Wの範囲内に設定することがより好ましい。以上のセラミック部材32の幅の許容範囲については、第1の実施例だけではなく、第2の実施例(図8)に関しても同様である。
以上、本実施形態に基づき本発明の内容を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で多様な変更を施すことができる。すなわち、本実施形態のセパレータ付燃料電池単セルに関し、接合領域Jにおける単セルC、セパレータ12、接合部30、31、セラミック部材32のそれぞれの材料、断面形状、サイズ等については、本発明の作用効果を得られる限り多様な選択が可能である。また、その他の点についても上記実施形態により本発明の内容が限定されるものではなく、本発明の作用効果を得られる限り、上記実施形態に開示した内容には限定されることなく適宜に変更可能である。
1…固体酸化物形燃料電池スタック
2…発電単位
3、4…エンドプレート
5…インターコネクタ
10…空気極側集電体
11…空気極側絶縁フレーム
12…セパレータ
13…燃料極側フレーム
14…絶縁フレーム
15…燃料極側集電体
20…燃料極層
21…固体電解質層
22…空気極層
30、31…接合部
32…セラミック部材
33…封止部
C…単セル
B1〜B8…ボルト
J…接合領域
H…貫通孔
N…ナット

Claims (7)

  1. 第1面と該第1面に対向する第2面を貫通する開口部を有する板状のセパレータと、
    前記セパレータの前記第1面側に配置され、燃料極層と、空気極層と、固体電解質層とを有する燃料電池単セルと、
    前記燃料電池単セルと前記セパレータの前記第1面とを接合する第1接合部と、
    を備えるセパレータ付燃料電池単セルにおいて、
    前記セパレータの前記第2面側に配置された板状のセラミック部材と、
    前記第1接合部と前記セパレータを介して対向する位置において、前記セラミック部材と前記セパレータの前記第2面とを接合する第2接合部と、
    を備えることを特徴とするセパレータ付燃料電池単セル。
  2. 前記セラミック部材の幅は、前記第1及び第2の接合部の幅に対して0.5倍から2倍の範囲内に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のセパレータ付燃料電池単セル。
  3. 前記セラミック部材は、酸化物セラミックを用いて形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセパレータ付燃料電池単セル。
  4. 前記セラミック部材は、前記開口部の周囲に配置された複数の部材からなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のセパレータ付燃料電池単セル。
  5. 前記セラミック部材は、前記開口部の周囲に配置された一つの部材であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のセパレータ付燃料電池単セル。
  6. 前記セパレータの前記開口部を形成する内側面に配置されるとともに、前記内側面側に露出する前記第1接合部の露出面を封止し、ガラスを含む封止部を更に備え、
    前記封止部は前記セラミック部材の少なくとも一部を覆うことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のセパレータ付燃料電池単セル。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のセパレータ付燃料電池単セルを含むことを特徴とする燃料電池スタック。
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