JP2014173608A - 埋設型ガス栓の取付金具 - Google Patents

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Abstract

【課題】壁板の裏面に添設される矩形枠状の裏枠体と、その一側辺から直角方向に突出して柱に固定される固定板とからなるL型固定金具と、裏枠体の内周縁に沿った開口を囲むように壁板の表面に添設される表枠体とを具備し、裏枠体と表枠体とで壁板の開口周辺を表裏から挟圧して固定される埋設型ガス栓の取付金具に関し、固定板を裏枠体の左右両側辺のどちらにでも設置可能とすること。
【解決手段】固定板1bは裏枠体1aに対して分離及び連結自在に構成され、裏枠体1aの少なくとも一側辺と固定板1bの所定位置には、相互に係合し合う係合部12と被係合部11がそれぞれ形成され、両者を係合させて連結させた状態にて、固定板1bは裏枠体1aの一方の側辺に沿って位置且つ裏枠体1bに対して直角方向に突出するようにしたこと。
【選択図】図1

Description

本発明は、壁面埋設型のガス栓を壁板の裏側で固定する際に使用する取付金具に関する。
石膏ボード製の壁板(4)の裏側に内蔵される埋設型のガス栓(5)の取付金具として、図8に示すようなL型固定金具(2)がある。なお、このガス栓(5)は、プラグ部が上下に2つ設けられた二口ガス栓であり、フレキ管(53)が接続される配管接続部(55)はガス栓(5)の側方に位置する場合を示している。
L型固定金具(2)は、壁板(4)の裏面に添設され且つ壁板(4)に形成される開口(40)に略一致する大きさ及び形状の矩形窓部(20)が形成された略矩形状の裏枠体(21)と、裏枠体(21)の、図8における左側辺(21a)の外縁から直角に延長形成された固定板(22)とから断面略L字状に構成されている。
そして、左側辺(21a)の内縁中央部には、ネジ孔が形成された取付舌片(23)が矩形窓部(20)内に突設されていると共に、右側辺(21b)の内縁上下端部には、それぞれネジ孔が形成されたネジ止め部(25a)(25b)が設けられている。
又、矩形窓部(20)の上辺及び下辺における右側辺(21b)寄りの所定位置からは、断面略L字状のガス栓取付部(27)(27)がそれぞれ奥側へ延長形成されてあり、それらの、垂直に屈曲させた延長端面にはネジ挿通孔が形成されている。
固定板(22)は、裏枠体(21)の左側辺(21a)の外縁から奥側に延長している縦長略矩形板であり、上下辺寄りの所定位置には、第1、第2横長孔(24a)(24b)が水平方向に形成されている。
壁板(4)の表面側に添設させる表枠体(3)は、壁板(4)に形成される開口(40)に略一致する大きさ及び形状の矩形開放部(30)を有する矩形枠体であり、矩形開放部(30)の左右両側辺中央部からは、それぞれ、ネジ挿通孔が形成された舌片(31)(32)が矩形開放部(30)内に突出しており、図面にて右側に位置する側辺の上下端部にもネジ挿通孔が形成された突部(33)がそれぞれ形成されている。
表枠体(3)と裏枠体(2)とを利用して、ガス栓(5)を壁板(4)に取り付けるには、まず、壁板(4)の施工前の柱(41)の右側面に、裏枠体(21)が手前側に位置するように固定板(22)を添設させ、第1、第2横長孔(24a)(24b)に木ネジ(43)で、固定板(22)を柱(41)の所定位置にネジ止めする。
ガス栓(5)の本体部の上下面には、ネジ孔が形成された凸部(57a)(57b)がそれぞれ突設されており、これを、裏枠体(21)のガス栓取付部(27)の延長端面に対応させ、延長端面に設けたネジ挿通孔に、ガス栓固定ネジ(44)を挿通させ、ガス栓(5)の凸部(57a)(57b)のネジ孔に螺合させる。これにより、ガス栓(5)は、プラグ部が裏枠体(2)の右側辺(21b)寄りに位置するように取り付けられる。
その後、壁板(4)を施工し、裏枠体(21)の矩形窓部(20)に沿うように、壁板(4)に開口(40)を形成した後、壁板(4)の表面に、表枠体(3)を所定の姿勢で添設させ、表枠体(3)の舌片(31)及び突部(33)(33)のネジ挿通孔に枠板固定ネジ(45)を挿通させ、開口(40)内に突出している裏枠体(21)の取付舌片(23)及びネジ止め部(25a)(25b)のネジ孔に螺合させる。枠板固定ネジ(45)を締め付けていくと、表枠体(3)と裏枠体(21)とは、壁板(4)を表裏から挟圧する態様で、開口(40)の周囲に添設固定される。その後、表枠体(3)の舌片(32)にガス栓固定ネジ(46)を挿通させると共に、ガス栓(5)の本体中央に形成されているネジ孔(56)に螺合させて、ガス栓(5)を表枠体(3)に結合させる。
ガス栓(5)の取付けが完了した後、表枠体(3)の表面に化粧板(50)を取り付ければ、ガス栓の取付工事が完了する。
特開2011−7230号公報
しかしながら、図8に示したような従来の埋設式のガス栓のL型固定金具(2)では、裏枠体(21)の正面からみて左側に固定板(22)が位置しており、L型固定金具(2)を柱(41)の右側面に取り付けることしかできないといった問題がある。これは、ガス栓取付部(27)(27)が、裏枠体(21)の中心に対して対称な位置に設けられていないため、裏枠体(21)が柱(41)の左側面に固定されるように、L型固定金具(2)の上下が逆になるように180度回転させて裏枠体(21)の右側に固定板(22)を位置させた姿勢で柱(41)の左側面に取り付けるようにした場合、ガス栓取付部(27)(27)は裏枠体(21)の左寄りに位置してしまうからであり、この場合、ガス栓(5)を裏枠体(21)内の適切な位置に取り付けることができない。
本発明は、『壁板の裏面に添設され且つガス栓を固定させるためのガス栓取付部が設けられている矩形枠状の裏枠体と、前記裏枠体の一側辺から直角方向に突出して柱に固定される固定板とから構成される断面略L字状のL型固定金具と、
前記裏枠体の内周縁に沿って前記壁板に形成された開口を囲むように前記壁板の表面に添設される表枠体とを具備し、
前記L型固定金具の裏枠体と前記表枠体とで前記壁板の開口周辺を表裏から挟圧することにより固定させる形式の埋設型ガス栓の取付金具』において、
前記L型固定金具の固定板を裏枠体の左右両側辺のどちらにでも設けることができるようにした埋設型ガス栓の取付金具を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明の埋設型ガス栓の取付金具は、『前記固定板は、前記裏枠体に対して、分離及び連結自在に構成されており、
前記裏枠体の少なくとも一側辺と前記固定板の所定位置には、相互に係合し合う係合部と被係合部がそれぞれ形成され、
前記固定板の被係合部に前記裏枠体の係合部を係合させて両者を抜け止め状態に連結させた状態にて、前記固定板は前記裏枠体の一方の側辺に沿って位置すると共に前記裏枠体に対して直角方向に突出するように設定されている』ことを特徴とする。
上記技術的手段は次のように作用する。
固定板が裏枠体の一方の側辺に連結された状態のL型固定金具の、前記固定板を前記裏枠体の他方の側辺から突出する態様で使用したい場合には、前記固定板を裏枠体の前記一方の側辺から分離させ、その後、他方の側辺に設けられている係合部と固定板に設けられている被係合部とを係合させて両者を連結させれば、裏枠体の他方の側辺に固定板が連結されたL型固定金具を構成することができる。このように、取り付ける柱の位置やガス栓の姿勢、さらにはガス栓と同時に設ける電気コンセント等との関係に応じて、固定板を、裏枠体の左右の側辺のどちらにでも任意に取り付けて直角に突出させることが可能となる。このとき、裏枠体におけるガス栓取付部の位置が変わることがないから、L型固定金具でのガス栓の取り付けに支障も生じない。
請求項2の発明のものは、上記請求項1の発明の埋設型ガス栓の取付金具において、『前記固定板と前記裏枠体とは予め別体に構成され、前記裏枠体の両側辺の所定位置に、前記固定板に設けられた被係合部に係合可能な係合部がそれぞれ設けられている』ものでは、柱やガス栓等の位置に応じて、作業現場にて、裏枠体の左右どちらか一方の側辺に設けられた係合部に固定板の被係合部を係合させてL型固定金具を組み立てて使用することができる。
請求項3の発明のものは、上記請求項1の発明の埋設型ガス栓の取付金具において、『前記固定板は、前記裏枠体の一方の側辺に、分離可能に一体的に設けられており、
前記裏枠体の他方の側辺の所定位置に、前記固定板に設けられた被係合部が係合可能な係合部が設けられている』ものでは、もともと固定板が裏枠体に一体に設けられたL型固定金具であって、柱の位置に応じて、初期の形状のままでL型固定金具が設置可能であれば、そのまま固定板を柱に固定して使用すればよい。固定板が裏枠体の他方の側辺に設けられている方が都合良い場合は、前記固定板を工具などを用いて裏枠体から分離させ、分離後の固定板を、裏枠体の他方の側辺に沿わせると共に各々の係合部と被係合部を係合させて連結させれば、裏枠体の他方の側辺から固定板が突出するL型固定金具を構成することができる。
請求項4の発明のものは、上記各請求項の発明の埋設型ガス栓の取付金具において、『前記固定板は、柱に添設される柱固定面部と前記柱固定面部から直角に張り出して前記裏枠体に重なり合う起立片部とから断面略L字状に構成され、
前記被係合部は、前記固定板の上下両辺近傍で且つ前記柱固定面部と前記起立片部との境界部分に設けた一対の角孔であり、
前記係合部は、前記角孔にちょうど挿通可能で且つ前記裏枠体から直角方向に突出する扁平な一対の係合凸部である』ことを特徴とするものでは、前記固定板は、柱固定面部と起立片部とで断面略L字状に形成されており、前記裏枠体に突出されている一対の係合凸部を、前記固定板に形成されている一対の角孔に、前記柱固定面部に対して直角方向に各々挿入させると、係合凸部は起立片部と平行して位置する態様となり、その状態から、例えば、係合凸部を基端部で前記起立片部側へ90度屈曲させれば、起立片部は係合凸部と共に裏枠体の裏面側へ倒れていくこととなる。これに従って、柱固定面部が裏枠体から直角に突出するL型固定金具が形成される。
請求項5の発明のものは、上記請求項4の発明の埋設型ガス栓の取付金具において、『前記上下一対の角孔は、それぞれ前記柱固定面部から前記起立片部に至る範囲に連続して形成されていると共に、前記柱固定面部側の端縁側は相互に近接する方向に延長形成されて幅広溝部が形成された略L字状の開口とし、
前記一対の係合凸部は、その先端側にて相互に近接する方向に小突起が突設された幅広端部を有する略L字状体に形成され、
前記幅広端部は前記幅広溝部にちょうど挿通可能な大きさに設定されている』ものでは、係合凸部の幅広端部を角孔の幅広溝部に前記柱固定面部の外側から通過させたあと、係合凸部を角孔内を移動させながら、柱固定面部が裏枠体に対して直角に位置するように、固定板を90度回動させると、柱固定面部が裏枠体から直角に突出するL型固定金具が形成されると共に、係止凸部の小突起部分が角孔に引っ掛かることから、係止凸部は角孔に対して抜け止め状態に係合されることとなる。
以上のように、請求項1に係る発明によれば、壁板と柱とガス栓の位置等に応じて、固定板を裏枠体の左右両側辺のどちらからでも突出させることができるようにしたから、ガス栓や柱の位置等に関わらず、また、裏枠体におけるガス栓取付部へのガス栓の取り付けに支障を生じさせることなく、いつでも使い勝手の良いL型固定金具を提供することができる。また、固定板の位置変更も作業現場で容易に実施することができるから、埋設型ガス栓の取り付け作業の作業効率が一層向上する。
又、請求項2に係る発明によれば、固定板と裏枠体とは予め別体に構成されているから、梱包時のサイズを縮小することができ、運搬又は収容時の嵩を低くすることが可能となる。
請求項3に係る発明によれば、固定板と裏枠体ととを一体に構成されているから、柱に対するL型固定金具が予めわかっている場合には、そのまま使用することができるので組み立て作業が不要となり便利で作業性が良い。作業の途中で、L型固定金具の固定位置に変更が生じた場合には、前記固定板を裏枠体から分離させ、裏枠体の他方の辺に取り付けて使用すればよいから、急な仕様変更にも容易に対応することができる。
請求項4に係る発明によれば、係合凸部を角孔に挿入させるだけで、固定板と裏枠体とを一体に構成することができるので、組み付け作業が容易であり、確実に位置決めすることが可能となる。さらに、請求項5に係る発明によれば、分離された状態にある固定板と裏枠体とは簡単で且つ確実に抜け止め状態に係合させることが可能となる。
本発明の第1番目の実施の形態の埋設型ガス栓の取付金具を構成する裏枠体を、固定板を介して柱に取り付けた状態を示す斜視図である。 本発明の第1番目の実施の形態の埋設型ガス栓の取付金具を構成するの固定板を分離した状態の斜視図である。 本発明の第1番目の実施の形態の埋設型ガス栓の取付金具を利用してガス栓を固定した状態を示す正面図である。 本発明の第1番目の実施の形態の埋設型ガス栓の取付金具の他の使用例の説明図である。。 本発明の第2番目の実施の形態の埋設型ガス栓の取付金具を利用してガス栓と電気コンセントを固定した状態を示す正面図である。 本発明の第2番目の実施の形態の埋設型ガス栓の取付金具を構成するの固定板の斜視図である。 本発明の第2番目の実施の形態の埋設型ガス栓の取付金具の他の使用例を示す正面図である。 従来の埋設型ガス栓の取付金具を利用したガス栓の取り付け状態を示す分解斜視図である。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1番目の実施の形態の埋設型ガス栓のL型固定金具(1)を構成する固定板(1b)を柱(41)に取り付けた状態を示す斜視図である。
この実施の形態のL型固定金具(1)は、裏枠体(1a)の一方の側辺から固定板(1b)が直角方向に張り出すように一体的に設けられており、裏枠体(1a)と固定板(1b)の境界線に沿って、複数の打抜き孔(1c)が僅かな接続部を介して打ち抜かれている。
また、L型固定金具(1)の上下両端近傍には、裏枠体(1a)から固定板(1b)に至る境界部分に、角孔(11)がそれぞれ形成されており、裏枠体(1a)の他方の側辺の上下両端近傍には、角孔(11)に係合可能な係合凸部(12)が、固定板(1b)の突出方向と平行に突設されている。
なお、角孔(11)の形状は、図2に示すように、固定板(1b)側の端縁が相互に近接する方向に延長して幅広溝部(11a)が形成されて略L字状となっており、係合凸部(12)の先端側には、相互に近接する方向に小突起が突設された幅広端部(12a)を有する略L字状体となっている。幅広端部(12a)は幅広溝部(11a)にちょうど直角方向に挿通可能な大きさに設定されていると共に、係合凸部(12)の他の部分は角孔(11)の他の部分にちょうど挿通可能な大きさに設定されている。
裏枠体(1a)は全体が縦長の略長方形状の枠体であり、縦長長方形状の内周縁(17)の上下辺の一方の一端寄り(図1では上辺の柱(41)寄り)と、前記他方の側辺の下辺寄りには、ガス栓(5)を固定するためのガス栓取付部(13)が裏側へ延長するように形成されている。
固定板(1b)の上下辺寄りの所定位置には、固定板(1b)を、柱(41)の所定位置にネジ止めする木ネジ(43)を挿通させるための一対の長孔(14)がそれぞれ平行に形成されている。
裏枠体(1a)と固定板(1b)からなるL型固定金具(1)を利用して、ガス栓(5)を取り付ける作業工程について説明する。
壁板(4)の裏側に位置する柱(41)の位置とガス栓の姿勢等に応じて、図1に示した状態のL型固定金具(1)のままで利用可能であるなら、そのまま固定板(1b)を柱(41)に木ネジ(43)で取り付けて使用する。
それには、まず、壁板を取り付ける前に、柱(41)の所定位置に固定板(1b)を添設させ、長孔(14)に木ネジ(43)を対応させて、裏枠体(1a)を柱(41)の所定位置に、長孔(14)の横長さ分、前後にスライド可能となるようにネジ止めする。これにより、L型固定金具(1)は、柱(41)に仮固定されることとなり、この仮固定状態において、裏枠体(1a)が壁板(4)の裏面に当接する位置にまで固定板(1b)をスライドさせる。そして、図3に示すように、裏枠体(1a)のガス栓取付部(13)を利用して、フレキ管に接続されたガス栓(5)をネジ固定する。
その後、壁板を施工し、裏枠体(1a)の長方形状の内周縁(17)内に対応する箇所をドリルで孔を開け、その孔に小型のノコギリを挿入して、裏枠体(1a)の内周縁(17)に当接するまで壁板(4)を切り欠いていく。
内周縁(17)に当接した後は、内周縁(17)に沿って、切り欠いていけば、壁板に、内周縁(17)と同形同大の開口(40)を形成することができる(図8参照)。
そして、壁板(4)の表面に添設させる表枠体を固定するために、裏枠体(1a)の裏側に、添設板(34)を添設させる。
添設板(34)は、壁板(4)の表側(室内側)から開口(40)及び裏枠体(1a)の内周縁(17)内をくぐらせて、裏枠体(1a)の裏側に位置させるものであり、図1及び図3に示すように、裏枠体(1a)の内周縁(17)の周辺の一部に沿う大きさの薄肉の略L字状の金属板である。裏枠体(1a)の裏面に添設板(34)を添設させた状態にて、内周縁(17)の内方に突出する部分の所定位置に、3つのネジ孔(35)が形成されている。
そして、表枠体(図示せず)を開口(40)の周辺を覆うように壁板(4)の表面に添設させ、表枠体に設けられているネジ挿通孔に固定ネジを挿通させると共に、壁板(4)、裏枠体(1a)の内周縁(17)を通過した後、添設板(34)のネジ孔(35)に螺合させる。
固定ネジの締め付けに伴って、表枠体と添設板(34)との距離が狭まっていき、最終締め付け位置に達するまで固定ネジを締め付けると、壁板(4)の開口(40)の周辺と裏枠体(1a)は、表裏から、表枠体と添設板(34)とによって挟圧される態様となり、これにより、裏枠体(1a)のガス栓取付部(13)に固定されたガス栓(5)は壁板(4)の裏側に固定されることとなる。
上記した使用態様では、室内側から見て、柱(41)の右側面に、L型固定金具(1)の固定板(1b)がネジ止めされた取付状態となっているが、柱(41)とガス栓(5)との位置関係等によっては柱(41)の左側面にL型固定金具(1)を取り付けたい場合がある。
そのような場合は、裏枠体(1a)と固定板(1b)との境界部分に形成されている複数の打抜き孔(1c)の間に設けられている接続部を、プライヤー等の工具で捻り上げたり引っ張ったりして強制的に切断することにより、L型固定金具(1)を、図4に示すような裏枠体(1a)と、図2に示すような固定板(1b)とに分離する。
分離された固定板(1b)は、図2に示すように、柱(41)に取り付けるための長孔(14)が形成されている柱固定面部(15)と、柱固定面部(15)の一側辺の上下両端部から直角方向に張り出して裏枠体(1a)に重なり合う一対の起立片部(16a)(16b)とからなる形状を呈し、柱固定面部(15)と起立片部(16a)(16b)との境界部分に角孔(11)がそれぞれ形成されている。
裏枠体(1a)から分離された固定板(1b)を、上下が逆転するように180度回転させて、裏枠体(1a)の他方の辺に沿って形成されている係合凸部(12)の幅広端部(12a)を、角孔(11)のうち、柱固定面部(15)側の幅広溝部(11a)に挿通させる。この挿通状態から、起立片部(16a)(16b)の基端部を中心に固定板(1b)を90度回転させ、係止凸部(12)の基端部を角孔(11)の起立片部(16a)(16b)側の端縁に当接させる。この状態にて、係合凸部(12)の幅広端部(12a)が起立片部(16a)(16b)側の角孔(11)に対して抜け止め状態に係合されることとなり、図4に示すように、裏枠体(1a)の内周縁(17)におけるガス栓取付部(13)の突設位置はそのままで、裏枠体(1a)の正面から向かって右側の辺に固定板(1b)が取り付けられたL型固定金具(1)を構成することができ、柱(41)の左側面に取り付けることができる。
図5は、第2番目の実施の形態の埋設型ガス栓の取付金具の使用状態を示す正面図であり、電気コンセント(51)付きのガス栓(5)を固定するためのものである。
同図に示す使用態様では、裏枠体(10a)の内周縁(18)の向かって左半分が、電気コンセント取付部(18a)となっており、右半分が、ガス栓取付部(18b)となっており、ガス栓取付部(18b)の範囲内の上辺及び側片の所定位置に、ガス栓取付部(13)が、上記第1番目の実施の形態と同様に裏側に延長する態様で設けられている。
裏枠体(10a)の左右両側辺の上下両端近傍には、上記第1番目の実施の形態で設けたものと同様な、先端部に小突起が突設された略L字状の係合凸部(12)が、後方へ直角に突設されている。
この実施の形態の添設板(36)は、ガス栓取付部(18b)側の裏枠体(10a)の一側辺に沿って添設させる細長い板状体であり、その上下端にネジ孔(35)が形成された突出片(36a)が裏枠体(10a)の内周縁(18)の内側に突出するように形成されている。
この実施の形態の固定板(10b)は、図6に示すように、裏枠体(10a)と別体に構成され、上記第1番目の実施の形態の固定板(1b)と同様に、柱(41)に固定させるための一対の長孔(14)が形成された柱固定面部(150)と、柱固定面部(150)の一側辺から直角に張り出させた1枚の起立片部(160)とからなる断面略L字状の金属板であり、その境界部分の上下両端近傍には、係合凸部(12)が挿通可能な一対の角孔(11)が形成されている。
この固定板(10b)は、裏枠体(10a)の左右両側辺に設けられている係合凸部(12)のどちらにでも取付自在となっており、柱(41)の位置に応じて、図5に示すように、裏枠体(10a)の向かって左側辺に取り付けることも、図示しないが、裏枠体(10a)の右側辺に取り付けることも可能である。
また、固定板(10b)の柱(41)への取り付け姿勢はそのままで、電気コンセント(51)及びガス栓(5)を裏枠体(10a)から取り外した後に、裏枠体(10a)を固定板(10b)から一旦取り外すと共に、固定板(10b)を固定している木ネジを緩めて仮固定状態とし、取り外した後の裏枠体(10a)を、上下が逆になるように180度回転させ、裏枠体(10a)の反対側の一側辺に設けられている係合凸部(12)を、固定板(10b)の角孔(11)に挿入させて固定すれば、図7に示すように、裏枠体(10a)内にて電気コンセント取付部(18a)とガス栓取付部(18b)が左右逆に位置させることも可能である。
この場合、ガス栓取付部(13)の突出位置が変わることから、ガス栓(5)とその取付台(52)を回転させて、ガス栓(5)の姿勢を変更している。
上記第2番目の実施の形態では、L型固定金具を構成する裏枠体(10a)と固定板(10b)とを予め別部品としてあるから、嵩低く梱包や収容、又は運搬することが可能であり、作業現場にて、裏枠体(10a)の左右辺のどちらにでも固定板(10b)を取り付けて使用することができる。
また、第1番目の実施の形態では、ガス栓(5)のみを固定させる形式のL型固定金具(1)の固定板(1b)を裏枠体(1a)の一側辺に一体に設ける構成としたが、裏枠体(1a)の左右両側辺に係合凸部(12)を設け、固定板(1b)を裏枠体(10a)と別部品とすることも可能である。
逆に、第2番目の実施の形態で採用した、電気コンセント(51)とガス栓(5)とを同時に固定させる裏枠体(10a)の一側辺に、固定板(10b)を予め分離自在に一体に設けておいても良い。
また、裏枠体(1a)(10a)と、固定板(1b)(10b)との連結手段は、係合凸部(12)と係合用の角孔(11)に限定されることはなく、両者はネジ止めにより連結する構成としてもよい。
また、係合凸部(12)が挿通する係合孔を裏枠体と固定板との境界部分に細長く設け、係合凸部(12)を係合孔に挿通させた後、係合凸部(12)の基端部から、固定板側に屈曲させることにより両者を抜け止め状態とすることも可能である。
(1) ・・・・・・・・・L型固定金具
(1a)・・・・・・・・・裏枠体
(1b) ・・・・・・・・固定板
(17)・・・・・・・・ 内周縁
(13)・・・・・・・・ ガス栓取付部
(11)・・・・・・・・ 角孔(被係合部)
(12)・・・・・・・・・係合凸部(係合部)

Claims (5)

  1. 壁板の裏面に添設され且つガス栓を固定させるためのガス栓取付部が設けられている矩形枠状の裏枠体と、前記裏枠体の一側辺から直角方向に突出して柱に固定される固定板とから構成される断面略L字状のL型固定金具と、
    前記裏枠体の内周縁に沿って前記壁板に形成された開口を囲むように前記壁板の表面に添設される表枠体とを具備し、
    前記L型固定金具の裏枠体と前記表枠体とで前記壁板の開口周辺を表裏から挟圧することにより固定させる形式の埋設型ガス栓の取付金具において、
    前記固定板は、前記裏枠体に対して、分離及び連結自在に構成されており、
    前記裏枠体の少なくとも一側辺と前記固定板の所定位置には、相互に係合し合う係合部と被係合部がそれぞれ形成され、
    前記固定板の被係合部に前記裏枠体の係合部を係合させて両者を抜け止め状態に連結させた状態にて、前記固定板は前記裏枠体の一方の側辺に沿って位置すると共に前記裏枠体に対して直角方向に突出するように設定されていることを特徴とする埋設型ガス栓の取付金具。
  2. 請求項1に記載の埋設型ガス栓の取付金具において、前記固定板と前記裏枠体とは予め別体に構成され、前記裏枠体の両側辺の所定位置に、前記固定板に設けられた被係合部に係合可能な係合部がそれぞれ設けられていることを特徴とする埋設型ガス栓の取付金具。
  3. 請求項1に記載の埋設型ガス栓の取付金具において、前記固定板は、前記裏枠体の一方の側辺に、分離可能に一体的に設けられており、
    前記裏枠体の他方の側辺の所定位置に、前記固定板に設けられた被係合部が係合可能な係合部が設けられていることを特徴とする埋設型ガス栓の取付金具。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の埋設型ガス栓の取付金具において、前記固定板は、柱に添設される柱固定面部と前記柱固定面部から直角に張り出して、
    前記裏枠体に重なり合う起立片部とから断面略L字状に構成され、
    前記被係合部は、前記固定板の上下両辺近傍で且つ前記柱固定面部と前記起立片部との境界部分に設けた一対の角孔であり、
    前記係合部は、前記角孔にちょうど挿通可能で且つ前記裏枠体から直角方向に突出する扁平な一対の係合凸部である構成としたことを特徴とする埋設型ガス栓の取付金具。
  5. 請求項4に記載の埋設型ガス栓の取付金具において、前記上下一対の角孔は、それぞれ前記柱固定面部から前記起立片部に至る範囲に連続して形成されていると共に、前記柱固定面部側の端縁側は相互に近接する方向に延長形成されて幅広溝部が形成された略L字状の開口とし、
    前記一対の係合凸部は、その先端側にて相互に近接する方向に小突起が突設された幅広端部を有する略L字状体に形成され、
    前記幅広端部は前記幅広溝部にちょうど挿通可能な大きさに設定されていることを特徴とする埋設型ガス栓の取付金具。
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